説明

複合カメラ装置

【構成】ディジタルビデオカメラ10はイメージセンサ16を有し、ディジタルビデオカメラ50はイメージセンサ66を有する。接続I/F44および94は、装着状態においてイメージセンサ16によって捉えられたシーンおよびイメージセンサ66によって捉えられたシーンの垂直位置が互いに一致するようにディジタルビデオカメラ10および50を着脱自在に装着する。画像合成回路22は、装着状態においてイメージセンサ16によって捉えられたシーンを表す画像とイメージセンサ66によって捉えられたシーンを表す画像とに基づいて3次元画像を作成する。
【効果】複合カメラ装置の汎用性を高めることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複合カメラ装置に関し、特に、互いに異なる角度から対象物を撮影することで得られた複数の対象物画像に基づいて画像処理を実行する、複合カメラ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種のカメラ装置の一例が、特許文献1に開示されている。この背景技術によれば、ビデオカメラと液晶モニターとを分離した状態において、ビデオカメラからの撮影画像あるいは再生画像が液晶モニターでモニターされ、液晶モニターの操作によりビデオカメラが駆動制御される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−205016号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、背景技術では、ビデオカメラと液晶モニターとを分離した場合であっても、これらを一体として使用する必要があり、各々を単独で使用することはできない。したがって、汎用性が低下する恐れがある。
【0005】
それゆえに、この発明の主たる目的は、汎用性を高めることができる、複合カメラ装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に従う複合カメラ装置(100:実施例で相当する参照符号。以下同じ)は、第1撮像手段(16)を有する第1電子カメラ(10)、第2撮像手段(66)を有する第2電子カメラ(50)、装着状態において第1撮像手段によって捉えられたシーンおよび第2撮像手段によって捉えられたシーンの垂直位置が互いに一致するように第1電子カメラおよび第2電子カメラを着脱自在に装着する装着手段(44, 94, 102, 108, 110)、および装着状態において第1撮像手段によって捉えられたシーンを表す画像と第2撮像手段によって捉えられたシーンを表す画像とに基づいて3次元画像を作成する作成手段(22)を備える。
【0007】
好ましくは、作成手段によって作成された3次元画像を表示する表示手段(86)をさらに備える。
【0008】
さらに好ましくは、表示手段は第1電子カメラおよび/または第2電子カメラに設けられる。
【0009】
好ましくは、作成手段によって作成された3次元画像を記録媒体に記録する記録手段(38, 88)をさらに備える。
【0010】
さらに好ましくは、記録手段は第1電子カメラおよび/または第2電子カメラに設けられる。
【0011】
好ましくは、第1電子カメラは第1蓄電池(46)を含み、第2電子カメラは装着手段によって第1電子カメラおよび第2電子カメラが装着されたとき第1蓄電池から電力の供給を受ける第2蓄電池(96)を含む。
【0012】
好ましくは、装着手段は折りたたみ機構(102, 108, 110)を含む。
【0013】
さらに好ましくは、折りたたみ機構は、第1電子カメラと第2電子カメラとを継ぐ継ぎ手(102)、第1撮像手段の光軸に沿って第1電子カメラから突出して継ぎ手を軸支する第1シャフト(108)、および光軸に直交する方向に継ぎ手から突出して第2カメラを軸支する第2シャフト(110)を含む。
【0014】
好ましくは、第1電子カメラは、第1撮像手段によって捉えられたシーンを表す画像を処理する第1処理手段(26)、および第1処理手段の処理態様を操作する第1操作キー(28)を含み、第2電子カメラは、第2撮像手段によって捉えられたシーンを表す画像を処理する第2処理手段(76)、および第2処理手段の処理態様を操作する第2操作キー(78)を含む。
【発明の効果】
【0015】
第1電子カメラおよび第2電子カメラは、2つの撮像手段をそれぞれ有するので、各々が単独で2次元画像を作成することができる。一方、第1電子カメラおよび第2電子カメラは、装着状態において各々の撮像手段によって捉えられたシーンの垂直位置が互いに一致するように装着される。また、装着状態において各々の撮像手段によって捉えられたシーンを表す画像に基づいて、3次元画像が作成される。このようにして、複合カメラ装置の汎用性を高めることができる。
【0016】
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】この発明の一実施例の基本的構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の一実施例の構成を示すブロック図である。
【図3】分解状態にある複合カメラ装置の外観の一部を示す図解図である。
【図4】(A)はディジタルビデオカメラの外観の一部を示す図解図であり、(B)はディジタルビデオカメラの外観の他の一部を示す図解図である。
【図5】(A)は折り畳んだ状態に対応する複合カメラ装置の外観の一部を示す斜視図であり、(B)は一方のディジタルビデオカメラを右に90°回転させた状態に対応する複合カメラ装置の外観の一部を示す斜視図である。
【図6】(A)は一方のディジタルビデオカメラを右に90°回転させた状態から手前に起こした状態に対応する複合カメラ装置の外観の一部を示す斜視図であり、(B)は一方のディジタルビデオカメラを右に90°回転させた状態から手前に起こした状態に対応する複合カメラ装置の外観の他の一部を示す斜視図である。
【図7】図2実施例によって捉えられるシーンの一例を示す図解図である。
【図8】図2実施例によって作成される画像の一例を示す図解図である。
【図9】図2実施例に適用されるCPUの動作の一部を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、この発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
[基本的構成]
【0019】
図1を参照して、この実施例の複合カメラ装置は、基本的に次のように構成される。第1電子カメラ1は第1撮像手段を有し、第2電子カメラ2は第2撮像手段を有する。装着手段3は、装着状態において第1撮像手段によって捉えられたシーンおよび第2撮像手段によって捉えられたシーンの垂直位置が互いに一致するように第1電子カメラ1および第2電子カメラ2を着脱自在に装着する。作成手段4は、装着状態において第1撮像手段によって捉えられたシーンを表す画像と第2撮像手段によって捉えられたシーンを表す画像とに基づいて3次元画像を作成する。
【0020】
第1電子カメラおよび第2電子カメラは、2つの撮像手段をそれぞれ有するので、各々が単独で2次元画像を作成することができる。一方、第1電子カメラおよび第2電子カメラは、装着状態において各々の撮像手段によって捉えられたシーンの垂直位置が互いに一致するように装着される。また、装着状態において各々の撮像手段によって捉えられたシーンを表す画像に基づいて、3次元画像が作成される。このようにして、複合カメラ装置の汎用性を高めることができる。
[実施例]
【0021】
図2を参照して、この実施例の複合カメラ装置100は、ディジタルビデオカメラ10および50を含む。
【0022】
ディジタルビデオカメラ50に設けられたフォーカスレンズ62,イメージセンサ66,ドライバ68,信号処理回路80,LCDドライバ84,およびLCDモニタ86の各々は、ディジタルビデオカメラ50に設けられたCPU76によって基本的に制御される。しかし、これらの各部は、接続I/F44および94によってディジタルビデオカメラ10および50が接続されたとき、ディジタルビデオカメラ10に設けられたCPU26によって制御される。
【0023】
ディジタルビデオカメラ10はバッテリ46を含み、互いに異なる電圧値を各々が示す複数の直流電源がバッテリ46からシステム全体に与えられる。ディジタルビデオカメラ50はバッテリ96を含み、互いに異なる電圧値を各々が示す複数の直流電源がバッテリ96からシステム全体に与えられる。また、接続I/F44および94によってディジタルビデオカメラ10および50が接続されたとき、バッテリ46からバッテリ96に電源が供給され、バッテリ96に対して充電が行われる。
【0024】
ディジタルビデオカメラ10は、フォーカスレンズ12を含む。シーンの光学像は、フォーカスレンズ12を経てイメージセンサ16の撮像面に照射され、光電変換を施される。これによって、シーンを表す画像に対応した電荷がイメージセンサ16の撮像面で生成される。
【0025】
ディジタルビデオカメラ50は、フォーカスレンズ62を含む。シーンの光学像は、フォーカスレンズ62を経てイメージセンサ66の撮像面に照射され、光電変換を施される。これによって、シーンを表す画像に対応した電荷がイメージセンサ66の撮像面で生成される。
【0026】
図3を参照して、ディジタルビデオカメラ50は、継ぎ手102およびステー104を介してディジタルビデオカメラ10と着脱自在に結合される。ディジタルビデオカメラ10の前部にはフォーカスレンズ12が設けられる。シャフト108は、フォーカスレンズ12に直交する光軸AX1に平行して延びる姿勢で、かつディジタルビデオカメラ10の前部から突出するように、ディジタルビデオカメラ10に設けられる。
【0027】
継ぎ手102は、このようなシャフト108によって支持され、シャフト108の軸回り方向に回転可能とされる。また、シャフト110は、光軸AX1に直交する方向に延びる姿勢で、かつ継ぎ手102から突出するように、継ぎ手102に設けられる。ステー104は、このようなシャフト110によって支持され、シャフト110の軸回り方向に回転可能とされる。
【0028】
ステー104には、接続I/F44およびストッパ106a〜106bが設けられる。ステー104は、支持部104a〜104b,および接続部104cを有する。
【0029】
接続部104cは、左右側面が主面となる縦長の板状に形成される。接続I/F44は、接続部104cの左側面前部に突出するように設けられる。支持部104aおよび104bの各々は、上底面が主面となる横長の板状に形成される。支持部104aおよび104bは、接続部104cの左側面の下部両端からそれぞれ突出するように設けられる。ストッパ106aおよび106bは、互いに対向するように支持部104aおよび104bの中央部にそれぞれ設けられる。
【0030】
図4(A)および図4(B)を参照して、ディジタルビデオカメラ50は、接続I/F94を有し、直方体の形状に形成される。フォーカスレンズ62は、ディジタルビデオカメラ50の前面中央の左寄りに設けられる。また、接続I/F94は、ディジタルビデオカメラ50の下低面の左寄りに穿設される。ディジタルビデオカメラ50はまた、右側面および下側面に設けられた2つの穴をそれぞれ有する。
【0031】
図3に戻って、ディジタルビデオカメラ10との結合状態においてディジタルビデオカメラ50は、前面を上にした状態かつ下底面を接続部104cと対向させた状態で、支持部104aおよび104bの各々の上底面に搭載される。このとき、接続I/F44が接続I/F94に挿嵌される。また、ストッパ106aおよび106bの各々に設けられた突起部分がディジタルビデオカメラ50に設けられた2つの穴にそれぞれ挿嵌されることによって、ディジタルビデオカメラ50がステー104に固定される。
【0032】
したがって、図5(A)を参照して、複合カメラ装置100の折り畳み状態において、ディジタルビデオカメラ50は、フォーカスレンズ62が露出する態様でディジタルビデオカメラ10の左側部に積層される。この状態で継ぎ手102をシャフト108の軸回り方向に90°回転させると、ディジタルビデオカメラ50およびステー104は、図5(A)に示す姿勢から図5(B)に示す姿勢に遷移する。さらに、ステー104をシャフト110の軸回り方向に90°回転させると、ディジタルビデオカメラ50およびステー104は、図6(A)および図6(B)に示すように手前に起こされる。
【0033】
図6(A)を参照して、ディジタルビデオカメラ10および50の結合状態において、支持部104aおよび104bがディジタルビデオカメラ50の背面の左右端とそれぞれ密着する。この状態において、LCDモニタ86は、支持部104aおよび104bの間に露出する。
【0034】
図6(B)を参照して、ディジタルビデオカメラ10の前面とディジタルビデオカメラ50の前面とは面一となる。この状態において、フォーカスレンズ62は光軸AX2を有し、光軸AX1およびAX2は互いに平行する。また、この状態の複合カメラ装置100を水平に保ったとき、光軸AX1およびAX2の垂直位置は互いに一致する。さらに、水平方向における光軸AX1およびAX2の間隔(=W1)は、人間の両目の間隔を考慮して6cm程度に設定される。このように配置されたフォーカスレンズ12および62を経た光学像を用いて、以下に述べる要領で3D(three dimensional)動画像が記録される。
【0035】
複合カメラ装置100に電源が投入されると、CPU26は、キー入力装置28に設けられたモード設定スイッチ28mdによって2D(two dimensional)撮像モードが選択されているとき2D撮像タスクを起動する。CPU26はまた、同じモード設定スイッチ28mdによって、3D(three dimensional)撮像モードが選択されているとき3D撮像タスクを起動し、再生モードが選択されているとき再生タスクを起動する。
【0036】
3D撮像タスクが起動されたとき、CPU26は、動画取り込み処理のためにドライバ18およびドライバ68を起動する。ドライバ18および68の各々は、周期的に発生する垂直同期信号Vsyncに応答して、撮像面を露光し、撮像面で生成された電荷をラスタ走査態様で読み出す。イメージセンサ16および66の各々からは、シーンを表す生画像データが繰り返し出力される。以下では、イメージセンサ16から出力される生画像データを“R側生画像データ”と定義し、イメージセンサ66から出力される生画像データを“L側生画像データ”と定義する。
【0037】
複合カメラ装置100の前方に図7に示すシーンが広がっているとき、イメージセンサ16は右側視野VF_Rを捉える一方、イメージセンサ66は左側視野VF_Lを捉える。複合カメラ装置100を水平に保ったときフォーカスレンズ12および62の垂直位置は互いに一致するので、右側視野VF_Rおよび左側視野VF_Lの水平位置は僅かにずれるものの、右側視野VF_Rおよび左側視野VF_Lの垂直位置は互いに一致する。この結果、イメージセンサ16および66の両方で捉えられる共通視野VF_Cが、右側視野VF_Rおよび左側視野VF_Lの各々に部分的に出現する。
【0038】
図2に戻って、イメージセンサ16から出力されたR側生画像データは信号処理回路20に与えられ、イメージセンサ66から出力されたL側生画像データは信号処理回路80に与えられる。信号処理回路20および80はいずれも、与えられた生画像データに色分離,白バランス調整,およびYUV変換などの処理を施し、YUV形式の画像データをメモリ制御回路30を通してSDRAM32に書き込む。信号処理回路20から出力されたR側生画像データはR側画像エリア32Rに格納され、信号処理回路80から出力されたL側生画像データは接続I/F44および94を介してL側画像エリア32Lに格納される。
【0039】
メモリ制御回路30は、共通視野VF_Cに対応する切り出しエリアをR側画像エリア32RおよびL側画像エリア32L上で指定する。画像合成回路22は、切り出しエリアに属する一部のR側生画像データをメモリ制御回路30を通してR側画像エリア32Rから繰り返し読み出し、切り出しエリアに属する一部のL側生画像データをメモリ制御回路30を通してL側画像エリア32Lから繰り返し読み出す。
【0040】
R側画像エリア32Rからの読み出し処理およびL側画像エリア32Lからの読み出し処理は並列的に実行され、これによって共通するフレームのR側生画像データおよびL側生画像データが同時に画像合成回路22に入力される。画像合成回路22は、こうして入力されたR側生画像データおよびL側生画像データを合成し、3D画像データを作成する(図8参照)。作成された各フレームの3D画像データは、メモリ制御回路30を通してSDRAM32の合成画像エリア32Cに書き込まれる。
【0041】
LCDドライバ84は、合成画像エリア32Cに格納された3D画像データを接続I/F44および94を介して繰り返し読み出し、読み出された3D画像データに基づいてLCDモニタ86を駆動する。この結果、共通視野VF_Cを表すリアルタイム動画像(スルー画像)がモニタ画面に表示される。
【0042】
キー入力装置28に設けられた記録ボタン28recによって記録開始操作が行われると、CPU26は、メモリI/F38に動画記録処理の開始を命令する。メモリI/F38は、記録媒体40に動画ファイルを新規に作成し(作成した動画ファイルはオープンされる)、SDRAM32の合成画像エリア32Cに格納された3D画像データをメモリ制御回路30を通して繰り返し読み出し、そして読み出された3D画像データをオープン状態の動画ファイルに書き込む。
【0043】
記録ボタン28recによって記録終了操作が行われると、CPU26は、メモリI/F38に動画記録処理の終了を命令する。メモリI/F38は、合成画像エリア32Cからの3D画像データの読み出しを終了し、オープン状態の動画ファイルをクローズする。これによって、3D動画像がファイル形式で記録媒体40に記録される。
【0044】
再生タスクが起動されるとCPU26は、再生タスクの下で記録媒体40に記録された最新の動画ファイルを再生動画ファイルとして指定し、指定動画ファイルに注目した再生処理が実行される。この結果、指定動画ファイルの画像データに対応する光学像がLCDモニタ86に表示される。
【0045】
操作者によるキー入力装置28の操作によって、CPU26は、後続の動画ファイルまたは先行する動画ファイルを再生動画ファイルとして指定する。指定動画ファイルは上述と同様の再生処理を施され、この結果、LCDモニタ86の表示が更新される。
【0046】
なお、ディジタルビデオカメラ10および50が接続されていない場合に、ディジタルビデオカメラ10においてモード設定スイッチ28mdによって3D撮像モードおよび再生モードのいずれかが選択されたとき、選択されたモードに対応するタスクを実行できない旨が操作者に警告される。
【0047】
また、ディジタルビデオカメラ10および50が接続されていない場合に、ディジタルビデオカメラ50においてモード設定スイッチ78mdによって3D撮像モードが選択されたとき、3D撮像タスクを実行できない旨が操作者に警告される。
【0048】
図2に戻って、ディジタルビデオカメラ10および50が接続されていない状態でディジタルビデオカメラ50に電源が投入されると、CPU76は、キー入力装置78に設けられたモード設定スイッチ78mdによって2D撮像モードが選択されているとき2D撮像タスクを起動し、再生モードが選択されているとき再生タスクを起動する。
【0049】
2D撮像タスクが起動されたとき、CPU76は、動画取り込み処理のためにドライバ68を起動する。ドライバ68は、周期的に発生する垂直同期信号Vsyncに応答して、撮像面を露光し、撮像面で生成された電荷をラスタ走査態様で読み出す。イメージセンサ66からは、シーンを表す生画像データが繰り返し出力される。
【0050】
イメージセンサ66から出力された生画像データは信号処理回路80に与えられる。信号処理回路80は、与えられた生画像データに色分離,白バランス調整,およびYUV変換などの処理を施し、YUV形式の画像データをメモリ制御回路80を通してSDRAM82に書き込む。
【0051】
LCDドライバ84は、SDRAM82に格納された生画像データを繰り返し読み出し、読み出された生画像データに基づいてLCDモニタ86を駆動する。この結果、リアルタイム動画像(スルー画像)がモニタ画面に表示される。
【0052】
キー入力装置78に設けられた記録ボタン78recによって記録開始操作が行われると、CPU76は、メモリI/F88に動画記録処理の開始を命令する。メモリI/F88は、記録媒体90に動画ファイルを新規に作成し(作成した動画ファイルはオープンされる)、SDRAM82に格納された生画像データをメモリ制御回路80を通して繰り返し読み出し、そして読み出された生画像データをオープン状態の動画ファイルに書き込む。
【0053】
記録ボタン78recによって記録終了操作が行われると、CPU76は、メモリI/F88に動画記録処理の終了を命令する。メモリI/F88は、SDRAM82からの生画像データの読み出しを終了し、オープン状態の動画ファイルをクローズする。これによって、動画像がファイル形式で記録媒体90に記録される。
【0054】
再生タスクが起動されるとCPU76は、再生タスクの下で記録媒体90に記録された最新の動画ファイルを再生動画ファイルとして指定し、指定動画ファイルに注目した再生処理が実行される。この結果、指定動画ファイルの画像データに対応する光学像がLCDモニタ86に表示される。
【0055】
操作者によるキー入力装置78の操作によって、CPU76は、後続の動画ファイルまたは先行する動画ファイルを再生動画ファイルとして指定する。指定動画ファイルは上述と同様の再生処理を施され、この結果、LCDモニタ86の表示が更新される。
【0056】
CPU26は、ディジタルビデオカメラ10および50が接続されている状態ならびにディジタルビデオカメラ10および50が接続されていない状態のいずれにおいても、2D撮像タスクを実行する。この場合、シーンを表す画像はフォーカスレンズ12およびイメージセンサ16から取り込まれ、取り込まれた生画像データはSDRAM32に格納され、動画ファイルは記録媒体40に作成される。なお、シーンを表す画像は、ディジタルビデオカメラ10および50が接続されているとき、フォーカスレンズ62およびイメージセンサ66から取り込まれた画像であってもよい。また、ディジタルビデオカメラ10および50が接続されていないとき、スルー画像の表示処理は省略される。2D撮像タスクの他の処理は、CPU76で実行される上述の2D撮像タスクの処理と同様に実行される。
【0057】
CPU26は、図9に示すメインタスクを含む複数のタスクを並列的に実行する。なお、これらのタスクに対応する制御プログラムは、フラッシュメモリ42に記憶される。
【0058】
図9を参照して、ステップS1では現時点の動作モードが2D撮像モードであるか否かを判別し、判別結果がNOであればステップS7に進む一方、判別結果がYESであれば起動中のタスクをステップS3で停止し、その後にステップS5で2D撮像タスクを起動する。
【0059】
ステップS7ではディジタルビデオカメラ10および50が接続されているか否かを判別し、判別結果がYESであればステップS11に進む一方、判別結果がNOであれば選択されたモードに対応するタスクを実行できない旨をステップS9で操作者に警告する。
【0060】
ステップS11では起動中のタスクを停止し、その後に現時点の動作モードが3D撮像モードであるか否かをステップS13で判別する。判別結果がYESであればステップS15で3D撮像タスクを起動し、判別結果がNOであればステップS17で再生タスクを起動する。
【0061】
ステップS5,ステップS9,ステップS15,またはステップS17の処理が完了すると、モード変更ボタン28mdが操作されたか否かをステップS19で繰り返し判別する。判別結果がNOからYESに更新されるとステップS1に戻る。
【0062】
以上の説明から分かるように、ディジタルビデオカメラ10はイメージセンサ16を有し、ディジタルビデオカメラ50はイメージセンサ66を有する。接続I/F44および94は、装着状態においてイメージセンサ16によって捉えられたシーンおよびイメージセンサ66によって捉えられたシーンの垂直位置が互いに一致するようにディジタルビデオカメラ10および50を着脱自在に装着する。画像合成回路22は、装着状態においてイメージセンサ16によって捉えられたシーンを表す画像とイメージセンサ66によって捉えられたシーンを表す画像とに基づいて3次元画像を作成する。
【0063】
ディジタルビデオカメラ10および50は、2つのイメージセンサをそれぞれ有するので、各々が単独で2次元画像を作成することができる。一方、ディジタルビデオカメラ10および50は、装着状態において各々のイメージセンサによって捉えられたシーンの垂直位置が互いに一致するように装着される。また、装着状態において各々のイメージセンサによって捉えられたシーンを表す画像に基づいて、3次元画像が作成される。このようにして、複合カメラ装置の汎用性を高めることができる。
【0064】
なお、この実施例では、信号処理回路80から出力されたL側生画像データは接続I/F44および94を介してL側画像エリア32Lに格納されるようにした。また、LCDドライバ84は、合成画像エリア32Cに格納された3D画像データを接続I/F44および94を介して繰り返し読み出すようにした。しかし、無線通信デバイスをディジタルビデオカメラ10および50の各々に設けて、無線通信を用いてこれらの画像データを転送するようにしてもよい。
【0065】
また、ディジタルビデオカメラ50が単独で用いられたときに記録媒体90に記録された動画ファイルを、ディジタルビデオカメラ10および50が接続されたときに記録媒体40に転送するようにしてもよい。
【0066】
また、この実施例では、3D画像データは、記録媒体40に作成された動画ファイルに書き込まれるようにした。しかし、記録媒体90に動画ファイルを作成し、記録媒体90に作成された動画ファイルに3D画像データが書き込まれるようにしてもよい。
【0067】
また、この実施例では、3D撮像タスクにおいて、3D画像データに基づいてLCDモニタ86を駆動するようにした。しかし、R側生画像データおよびL側生画像データのいずれか一方に基づいてLCDモニタ86を駆動するようにし、右側視野VF_Rおよび左側視野VF_Lのいずれかを表すスルー画像を表示するようにしてもよい。
【0068】
また、ディジタルビデオカメラ10に電子ビューファインダ等の表示手段を設けて、ディジタルビデオカメラ10および50が接続されたときまたはディジタルビデオカメラ10が単独で用いられたときに、スルー画像を表示するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0069】
5 …複合カメラ装置
10 …ディジタルビデオカメラ
12 …フォーカスレンズ
16 …イメージセンサ
22 …画像合成回路
26 …CPU
32 …SDRAM
40 …記録媒体
44 …接続I/F
46 …バッテリ
50 …ディジタルビデオカメラ
62 …フォーカスレンズ
66 …イメージセンサ
76 …CPU
84 …LCDドライバ
86 …LCDモニタ
94 …接続I/F
96 …バッテリ
102 …継ぎ手
104 …ステー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1撮像手段を有する第1電子カメラ、
第2撮像手段を有する第2電子カメラ、
装着状態において前記第1撮像手段によって捉えられたシーンおよび前記第2撮像手段によって捉えられたシーンの垂直位置が互いに一致するように前記第1電子カメラおよび前記第2電子カメラを着脱自在に装着する装着手段、および
前記装着状態において前記第1撮像手段によって捉えられたシーンを表す画像と前記第2撮像手段によって捉えられたシーンを表す画像とに基づいて3次元画像を作成する作成手段を備える、複合カメラ装置。
【請求項2】
前記作成手段によって作成された3次元画像を表示する表示手段をさらに備える、請求項1記載の複合カメラ装置。
【請求項3】
前記表示手段は前記第1電子カメラおよび/または前記第2電子カメラに設けられる、請求項2記載の複合カメラ装置。
【請求項4】
前記作成手段によって作成された3次元画像を記録媒体に記録する記録手段をさらに備える、請求項1ないし3のいずれかに記載の複合カメラ装置。
【請求項5】
前記記録手段は前記第1電子カメラおよび/または前記第2電子カメラに設けられる、請求項4記載の複合カメラ装置。
【請求項6】
前記第1電子カメラは第1蓄電池を含み、
前記第2電子カメラは前記装着手段によって前記第1電子カメラおよび前記第2電子カメラが装着されたとき前記第1蓄電池から電力の供給を受ける第2蓄電池を含む、請求項1ないし5のいずれかに記載の複合カメラ装置。
【請求項7】
前記装着手段は折りたたみ機構を含む、請求項1ないし6のいずれかに記載の複合カメラ装置。
【請求項8】
前記折りたたみ機構は、前記第1電子カメラと前記第2電子カメラとを継ぐ継ぎ手、前記第1撮像手段の光軸に沿って前記第1電子カメラから突出して前記継ぎ手を軸支する第1シャフト、および前記光軸に直交する方向に前記継ぎ手から突出して前記第2カメラを軸支する第2シャフトを含む、請求項7記載の複合カメラ装置。
【請求項9】
前記第1電子カメラは、前記第1撮像手段によって捉えられたシーンを表す画像を処理する第1処理手段、および前記第1処理手段の処理態様を操作する第1操作キーを含み、
前記第2電子カメラは、前記第2撮像手段によって捉えられたシーンを表す画像を処理する第2処理手段、および前記第2処理手段の処理態様を操作する第2操作キーを含む、請求項1ないし7のいずれかに記載の複合カメラ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−227720(P2012−227720A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−93401(P2011−93401)
【出願日】平成23年4月19日(2011.4.19)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】