説明

複合積層材料体の成形装置及び方法

【課題】本発明は、複合積層材料体に接する磁性材料体を用いて高周波誘導加熱により、複合積層材料体を加熱してプレス成形することを目的とする。
【解決手段】本発明による複合積層材料体の成形装置及び方法は、加熱手段(4)が上部金型(1)及び下部金型(5)の一方又は両方の表面に形成されるか、又は、複合積層材料体(6)に貼り付けられた磁性材料体(13,14)と、各金型(1,5)の外部に配設され高周波電源(15)に接続されたコイル群(16)と、からなり、前記複合積層材料体(6)は高周波電源(15)及びコイル群(16)による磁性材料体(13,14)の高周波誘導加熱により加熱され、磁性材料体(13,14)のキュリー温度が熱可塑性樹脂の溶融温度あるいは熱硬化性樹脂の硬化温度以上とした構成と方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複合積層材料体の成形装置及び方法に関し、特に、複合積層材料体に接する磁性材料体を用いて高周波誘導加熱により複合積層材料体を加熱してプレス成形するための新規な改良に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、用いられていたこの種の複合積層体等のプレス成形方法としては、例えば、後述の非特許文献1のp−47の第1図に開示されているように、図4で示される方法が採用されている。
すなわち、図4において符号1で示されるものは上部金型であり、この上部金型1の壁内には複数のヒータ2及び熱電対3が内蔵されている。
前記上部金型1は、図示しない油圧プレス等の押圧手段により上下動自在に設けられており、この上部金型1の下方位置には、ヒータ4が内蔵された下部金型5が固定配設されている。
【0003】
次に、動作について述べる。まず、各金型1,5をヒータ2,4によって加熱させた後、前記上部金型1を上昇させた状態で、前記下部金型5上に樹脂フィルム等からなる複合積層材料体6を載置させ、前記上部金型1を押圧手段によって下方へ押圧させると、前記複合積層材料体6は、下部金型5のキャビティ5a内で加熱された後に、所定の形状にプレス成形され、成形品(図示せず)が得られる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】石川島播磨技報Vol.43、No.2(2003−3)、47頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の複合積層体等のプレス成形方法は、以上のように構成されていたため、次のような課題が存在していた。
すなわち、金型内にヒータが内蔵されているため、ヒータからの熱は金型内を経て複合積層材料体に伝熱されることになり、間接的な加熱方式であることによって熱容量が大きくなっていた。
そのため、各金型間の複合積層材料に対する昇温及び冷却に多大の時間を必要とすることになり、成形速度(成形サイクル)を向上させることが困難であった。
【0006】
また、金型の形状が平坦でない場合に、ヒータから金型を経て複合積層材料体へと熱を伝えるため、金型等の熱抵抗分布の違いにより均質に複合積層材料体を加熱することは困難であった。
また、前述の図4の構成のように、ヒータを金型の壁内に内蔵させた構成に限ることなく、例えば、各金型の外側で、かつ、各金型に極めて接近又は接触した状態にヒータを配設(図示せず)した構成を用いた場合においても、前述の図4の構成と同様に、金型を通じて複合積層材料体を加熱するため、熱容量が大きく、前述と同様の課題が存在していた。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による複合積層材料体の成形装置は、非導電性材料よりなる下部金型と非導電性材料よりなる上部金型との間に設けられた複合積層材料体を、加熱手段により加熱した状態下で押圧手段により前記上部金型で押圧することによりプレス成形して成形品を得るようにした複合積層材料体の成形装置において、前記加熱手段は、前記上部金型及び下部金型の一方又は両方の表面に形成されるか、又は、前記複合積層材料体に貼り付けられた磁性材料体と、前記上部金型及び下部金型の外部に配設され高周波電源に接続されたコイル群と、からなり、前記複合積層材料体は前記高周波電源及びコイル群による前記磁性材料体の高周波誘導加熱により加熱され、前記磁性材料体のキュリー温度が熱可塑性樹脂の溶融温度あるいは熱硬化性樹脂の硬化温度以上である構成であり、また、前記上部金型の前記非導電性材料は、シリコーンゴム、ポリイミド、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、耐熱性GFRP、セラミック、セメント、高強度硝子、石膏の何れかよりなり、前記下部金型の前記非導電性材料は、ポリイミド、シリコーン樹脂、耐熱性GFRP、セラミック、セメント、高強度硝子、石膏の何れかよりなる構成であり、また、前記磁性材料体は、Fe−Ni合金、Ni−Cu合金、Fe−Ni−Cr合金の何れかよりなり、前記Niの含有量を変えることにより、前記キュリー温度を変化できる構成であり、また、前記磁性材料体は、前記表面に溶射又はメッキにより形成されている構成であり、また、前記複合積層材料体には、プリプレグが積層されている構成であり、また、本発明による複合積層材料体の成形方法は、非導電性材料よりなる下部金型と、非導電性材料よりなる上部金型との間に設けられた複合積層材料体を、加熱手段により加熱した状態下で押圧手段により前記上部金型で押圧することによりプレス成形して成形品を得るようにした複合積層材料体の成形方法において、前記加熱手段は、前記上部金型及び下部金型の一方又は両方の表面に形成されるか、又は、前記複合積層材料体に貼り付けられた磁性材料体と、前記上部金型及び下部金型の外部に配設され高周波電源に接続されたコイル群と、からなり、前記複合積層材料体は前記高周波電源及びコイル群による前記磁性材料体の高周波誘導加熱により加熱され、前記磁性材料体のキュリー温度が熱可塑性樹脂の溶融温度あるいは熱硬化性樹脂の硬化温度以上である方法であり、また、前記上部金型の前記非導電性材料は、シリコーンゴム、ポリイミド、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、耐熱性GFRP、セラミック、セメント、高強度硝子、石膏の何れかよりなり、前記下部金型の前記非導電性材料は、ポリイミド、シリコーン樹脂、耐熱性GFRP、セラミック、セメント、高強度硝子、石膏の何れかよりなる方法であり、また、前記磁性材料体は、Fe−Ni合金、Ni−Cu合金、Fe−Ni−Cr合金の何れかよりなり、前記Niの含有量を変えることにより、前記キュリー温度を変化できる方法であり、また、前記磁性材料体は、前記表面に溶射又はメッキにより形成されている方法であり、また、前記複合積層材料体には、プリプレグが積層されている方法である。
【発明の効果】
【0008】
本発明による複合積層材料体の成形装置及び方法は、以上のように構成されているため、次のような効果を得ることができる。
すなわち、非導電性材料よりなる下部金型と非導電性材料よりなる上部金型との間に設けられた複合積層材料体を、加熱手段により加熱した状態下で押圧手段により前記上部金型で押圧することによりプレス成形して成形品を得るようにした複合積層材料体の成形装置において、前記加熱手段は、前記上部金型及び下部金型の一方又は両方の表面に形成されるか、又は、前記複合積層材料体に貼り付けられた磁性材料体と、前記上部金型及び下部金型の外部に配設され高周波電源に接続されたコイル群と、からなり、前記複合積層材料体は前記高周波電源及びコイル群による前記磁性材料体の高周波誘導加熱により加熱され、前記磁性材料体のキュリー温度が熱可塑性樹脂の溶融温度あるいは熱硬化性樹脂の硬化温度以上であることにより、発熱部分は金型表面の磁性材料体のみで複合積層材料体に接しているため、瞬時に加熱することができ、極めて熱容量が小さく、成形速度(成形サイクル)を向上させることができる。
また、前記磁性材料体は、Fe−Ni合金、Ni−Cu合金、Fe−Ni−Cr合金の何れかよりなり、前記Niの含有量を変えることにより、前記キュリー温度を変化できることにより、キュリー点を超えた場合には磁性体でなくなるため、ヒステリシス損失がなくなり、設定されたキュリー点付近の温度で一定に温度制御され、複合積層材料体全体で温度一定の均質な加熱が可能となる。
前記磁性材料体は、前記表面に溶射又はメッキにより形成されていることにより、繰り返し複合積層材料体の迅速な成形が可能となる。
また、前記複合積層材料体には、プリプレグが積層されていることによっても、均一な温度による成形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明による複合積層材料体の成形装置及び方法を示す概略構成図である。
【図2】図1の複合積層材料体の成形前の状態を示す構成図である。
【図3】本発明の図1の複合積層材料体中のNi含有割合いのキュリー点の変化を示す特性図である。
【図4】従来の複合積層材料体の成形装置を示す要部の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、複合積層材料体に接する磁性材料体を用いて高周波誘導加熱により複合積層材料体を加熱してプレス成形するようにした複合積層材料体の成形装置および方法を提供することを目的とする。
【実施例】
【0011】
以下、図面と共に本発明による複合積層材料体の成形装置及び方法の好適な実施の形態について説明する。
尚、従来例と同一又は同等部分には同一符号を付して説明する。
図1において、符号1で示されるものは成形装置10の油圧プレス等の押圧手段11の下部に設けられ、ゴム又は樹脂からなる上部金型であり、この上部金型1の下方位置には、前記成形装置10の基台12上に設けられ、樹脂(高強度樹脂)からなる下部金型5が配設されている。
尚、上部金型1の材料としては、非導電性材料で、前述のゴム又は樹脂の他に、耐熱ゴム(シリコーンゴム等)、高強度耐熱樹脂(ポリイミド、シリコーン樹脂、フッ素樹脂等)、耐熱性GFRP、セラミック、セメント、高強度硝子、石膏等も用いることができる。
また、下部金型5の材料としては、非導電性材料で、前述の樹脂の他に、高強度耐熱樹脂(ポリイミド、シリコーン樹脂等)、耐熱性GFRP、セラミック、セメント、高強度硝子、石膏等も用いることができる。
前述の耐熱性GFRPは、耐熱性の硝子繊維+耐熱樹脂で構成されている。
【0012】
前記上部金型1の下面1aには、この下面1aの面形状に沿って所定厚さの板状又は膜状の第1磁性材料体13が形成され、前記下部金型5の上面5aには、この上面5aの面形状に沿って所定厚さの板状又は膜状の第2磁性材料体14が形成され、前記各金型1,5間の前記下部金型5上には複数の材料を積層させてなる複合積層材料体6が載置されている。尚、前記下面1a及び上面5aに磁性材料体13,14を形成した場合について述べたが、下面1a又は上面5aの何れか一方のみとすることも可能である。
【0013】
前記各磁性材料体13,14は、前述のように各金型1,5の表面である下面1aと上面5aにメッキ又は溶射等によって貼り付けられている構成に限ることなく、例えば、図2で示されるように、プレス成形するための複合積層材料体6の両面に前記各磁性材料体13,14を貼り付けた場合も前述と同じ作用効果を得ることができ、例えば、両面の何れか一方のみに磁性材料体13又は14を形成させることができる。
【0014】
前記各金型1,5の外側には、高周波電源15に接続された複数のコイル16aからなるコイル群16が前記各金型1,5に対応した状態で配設されており、前記各磁性材料体13,14、高周波電源15及びコイル群16によって、高周波電源15による誘導加熱方式の加熱手段4が形成され、この誘導加熱によって各磁性材料体13,14が加熱されて発熱体20として作用し、この加熱によって各磁性材料体13,14に直接接する複合積層材料体6が加熱された状態となるように構成されている。
尚、前述の加熱状態となる前記発熱体20としての各磁性材料体13,14は、その厚さが極めて薄く形成され、従来のように各金型1,5を加熱する構成ではないため、熱容量が極めて小さく、高周波電源15のオン/オフに連動して瞬時の加熱及び冷却を達成することができる。
尚、前記複合積層材料体6は、周知のプリプレグ等を積層させたFRP等で形成されている。
【0015】
前記各磁性材料体13,14は、そのキュリー温度が前記複合積層材料体6における熱可塑性樹脂の溶融温度あるいは熱硬化性樹脂の硬化温度以上に設定された材料を使用している。
この磁性材料は、Fe−Cu合金、Ni−Cu合金、Fe−Ni−Cr合金等の何れかを使用しており、Ni含有量を変えることによって前記キュリー温度を変化させることが可能で、例えば、このNiを図3の特性図で示すように、20%〜100%の間で変えることにより、そのキュリー温度を変化させることができるものである。
【0016】
次に、動作について説明する。まず、前記上部金型1はゴム又は樹脂金型で、下部金型5は樹脂(高強度樹脂)金型で形成され、前記下部金型5上に平板状の複合積層材料体6を載置し、この状態で高周波電源15をオンとした後、押圧手段11によって上部金型1を降下させて複合積層材料体6を押圧すると、各磁性材料体13,14は高周波電源15のオンと同時に加熱されているため、プリプレグを含む複合積層材料体6は直ちに加熱されて各金型1,5のキャビティ形状に沿ったプレス成形が行われる。
また、前記発熱体20に対して、高周波磁界がかかったときに、基本的にジュール損とヒステリシス損失が発生する。この周波数が高いときには、ヒステリシス損失が発熱に支配的になる前記発熱体20の周りの温度が、キュリー温度以上になった場合、磁性体でなくなるため、ヒステリシス損失はなくなり、発熱量は抑えられる。このため、発熱体20及びその周りの温度上昇はほぼなくなる。
逆に前記発熱体20の周りの温度がキュリー点以下になった場合は、再び磁性体に戻り、ヒステリシス損失が発生し、再び発熱するようになる。このように発熱体20及び周りの温度は、キュリー点の付近の温度に発熱体20全面にわたり一様に自己制御される。
すなわち、各磁性材料体13,14はキュリー温度を超えた場合には磁性体でなくなるため、ヒステリシス損失がなくなり、設定されたキュリー温度でほぼ一定に温度制御され、複合積層材料体6全体で温度一定な均質な加熱が可能である。
【0017】
前述のプレス成形の所定時間経過後、高周波電源15をオフとすると、各磁性材料体13,14は瞬時に加熱状態がなくなり、冷却化され、上部金型1を上方へ上昇させることにより、下部金型5上にプレス成形後の成形品が残り、取り上げることができる。
また、図2に示される各磁性材料体13,14を両面に有する複合積層材料体6の場合においては、プレス成形時の構成は図1のプレス成形時の構成と同様で簡単にプレス成形することができる。
【0018】
尚、通常、上部金型1をゴム型とし、下部金型5は金属とするが、前述の形態においては、上部金型1をゴム又は樹脂型とし、下部金型5を樹脂型としたことにより、各金型1,5の不要な発熱を抑えることが可能である。
【0019】
尚、今回の実施の形態で使用した熱可塑性樹脂の溶融温度及び熱硬化性樹脂の硬化温度は、次の通りである。
(1) 熱可塑性樹脂
PA(ポリアミド)6:225℃、PA66:265℃、PA11:187℃、PA12:176℃、PBT(ポリブチレンテレフチレート):224℃、PET(ポリエチレンテレフタレート):225℃、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン):340℃、PEKK(ポリエーテルケトンケトン):360℃
(2) 熱硬化性樹脂
例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等では硬化を促進するために用いられるため、決まった温度はなく、例えば、フェノール樹脂であれば、150℃、200℃、250℃等がある。
【産業上の利用可能性】
【0020】
本発明による複合積層材料体の成形装置及び方法は、樹脂成形品の成形だけではなく、金属射出成形機にも適用可能である。
【符号の説明】
【0021】
1 上部金型
1a 下面
4 加熱手段
5 下部金型
5a 上面
6 複合積層材料体
10 成形装置
11 押圧手段
12 基台
13 第1磁性材料体
14 第2磁性材料体
15 高周波電源
16 コイル群
16a コイル
20 発熱体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
非導電性材料よりなる下部金型(5)と非導電性材料よりなる上部金型(1)との間に設けられた複合積層材料体(6)を、加熱手段(4)により加熱した状態下で押圧手段(11)により前記上部金型(1)で押圧することによりプレス成形して成形品を得るようにした複合積層材料体の成形装置において、
前記加熱手段(4)は、前記上部金型(1)及び下部金型(5)の一方又は両方の表面に形成されるか、又は、前記複合積層材料体(6)に貼り付けられた磁性材料体(13,14)と、前記上部金型(1)及び下部金型(5)の外部に配設され高周波電源(15)に接続されたコイル群(16)と、からなり、
前記複合積層材料体(6)は前記高周波電源(15)及びコイル群(16)による前記磁性材料体(13,14)の高周波誘導加熱により加熱され、前記磁性材料体(13,14)のキュリー温度が熱可塑性樹脂の溶融温度あるいは熱硬化性樹脂の硬化温度以上であることを特徴とする複合積層材料体の成形装置。
【請求項2】
前記上部金型(1)の前記非導電性材料は、シリコーンゴム、ポリイミド、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、耐熱性GFRP、セラミック、セメント、高強度硝子、石膏の何れかよりなり、前記下部金型(5)の前記非導電性材料は、ポリイミド、シリコーン樹脂、耐熱性GFRP、セラミック、セメント、高強度硝子、石膏の何れかよりなることを特徴とする請求項1記載の複合積層材料体の成形装置。
【請求項3】
前記磁性材料体(13,14)は、Fe−Ni合金、Ni−Cu合金、Fe−Ni−Cr合金の何れかよりなり、前記Niの含有量を変えることにより、前記キュリー温度を変化できることを特徴とする請求項1又は2記載の複合積層材料体の成形装置。
【請求項4】
前記磁性材料体(13,14)は、前記表面に溶射又はメッキにより形成されていることを特徴とする請求項1ないし3の何れかに記載の複合積層材料体の成形装置。
【請求項5】
前記複合積層材料体(6)には、プリプレグが積層されていることを特徴とする請求項1ないし4の何れかに記載の複合積層材料体の成形装置。
【請求項6】
非導電性材料よりなる下部金型(5)と非導電性材料よりなる上部金型(1)との間に設けられた複合積層材料体(6)を、加熱手段(4)により加熱した状態下で押圧手段(11)により前記上部金型(1)で押圧することによりプレス成形して成形品を得るようにした複合積層材料体の成形方法において、
前記加熱手段(4)は、前記上部金型(1)及び下部金型(5)の一方又は両方の表面に形成されるか、又は、前記複合積層材料体(6)に貼り付けられた磁性材料体(13,14)と、前記上部金型(1)及び下部金型(5)の外部に配設され高周波電源(15)に接続されたコイル群(16)と、からなり、
前記複合積層材料体(6)は前記高周波電源(15)及びコイル群(16)による前記磁性材料体(13,14)の高周波誘導加熱により加熱され、前記磁性材料体(13,14)のキュリー温度が熱可塑性樹脂の溶融温度あるいは熱硬化性樹脂の硬化温度以上であることを特徴とする複合積層材料体の成形方法。
【請求項7】
前記上部金型(1)の前記非導電性材料は、シリコーンゴム、ポリイミド、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、耐熱性GFRP、セラミック、セメント、高強度硝子、石膏の何れかよりなり、前記下部金型(5)の前記非導電性材料は、ポリイミド、シリコーン樹脂、耐熱性GFRP、セラミック、セメント、高強度硝子、石膏の何れかよりなることを特徴とする請求項6記載の複合積層材料体の成形方法。
【請求項8】
前記磁性材料体(13,14)は、Fe−Ni合金、Ni−Cu合金、Fe−Ni−Cr合金の何れかよりなり、前記Niの含有量を変えることにより、前記キュリー温度を変化できることを特徴とする請求項6又は7記載の複合積層材料体の成形方法。
【請求項9】
前記磁性材料体(13,14)は、前記表面に溶射又はメッキにより形成されていることを特徴とする請求項6ないし8の何れかに記載の複合積層材料体の成形方法。
【請求項10】
前記複合積層材料体(6)には、プリプレグが積層されていることを特徴とする請求項6ないし9の何れかに記載の複合積層材料体の成形方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−110719(P2011−110719A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−266317(P2009−266317)
【出願日】平成21年11月24日(2009.11.24)
【出願人】(303044642)株式会社 サン・テクトロ (2)
【Fターム(参考)】