説明

複合繊維体の成形方法

【課題】厚み方向で高密度層と低密度層の密度の変化勾配が緩やかで、吸音性内装材として有効な複合繊維体の成形方法の提供を図る。
【解決手段】成形素材1Aの少くとも片面側から流体熱媒を流通して圧縮成形加工に必要な所要温度に加熱すると共に、他面側にこの加熱温度よりも低い低温領域を設定して、成形素材1Aの厚み方向に温度勾配を付与した状態で成形型3によりコールドプレスすることにより、加熱温度分布領域に高密度層1aが圧縮成形され、低温分布領域には高密度層1aの形状に沿った低密度層1bが加圧成形され、高密度層1aと低密度層1bの密度の変化勾配が緩やかで吸音性内装材として有効な複合繊維体1が形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天然繊維,化学繊維や熱可塑性繊維からなる主繊維と、バインダーとしてこれよりも低融点の熱可塑性繊維とが不織状に交絡,混合した複合繊維体の成形方法、より詳しくは、厚み方向で高密度層と低密度層とに密度変化した複合繊維体の成形方法に関する。
【背景技術】
【0002】
前記厚み方向で高密度層と低密度層とに密度変化した複合繊維体は、例えば、自動車のダッシュインシュレータやルーフトリム等の吸音性内装材として用いられる。
【0003】
前記吸音性内装材に代表されるダッシュインシュレータは、一側面を低密度層とし他側面を高密度層とした2層構造体として構成され、前記低密度層をダッシュパネルの車室内側の側面に密接させて重合配置し、高密度層が車室内側に露出した状態でクリップ等の止着部材により取付けられる。
【0004】
このダッシュインシュレータは、一般的には予め所定形状に熱プレス成形された高密度繊維体を適宜の接着剤を介して低密度繊維体に積層し、これを所定形状,所定厚みに熱プレス成形した積層構造体として構成される。
【0005】
前記ダッシュインシュレータは、ダッシュパネル面に密着した低密度層でエンジンルーム側の騒音を吸収し、車室内に露出した高密度層の保形機能により所要の取付剛性が確保されるが、この高密度層でもエンジンルーム側からの騒音の遮断および車室側の騒音を吸収して音の反射を抑制し、総合的に車室内の静粛性を高められる吸音効果が求められている。
【0006】
ところが、ダッシュインシュレータが前述のように低密度繊維体と高密度繊維体との積層構造体であると、これら繊維体の密度変化が急激なため、車室内に露出した高密度繊維体による車室内騒音の反射量が大きくなって、ダッシュインシュレータの吸音性能を阻害することが指摘されている。
【0007】
一方、近年では例えば特許文献1に示されているように、主繊維と熱可塑性結合材からなるバインダーとを混合した成形材料を、該バインダーの軟化溶融温度に加熱してプレスし、その際に該成形材料の片面を高温下でプレスし、他方の面を低温下でプレスすることにより、両面の密度が異なる板状に成形する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2001−322137号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
前記特許文献1の技術によれば、厚み方向で高密度層と低密度層とに密度変化し、その密度の変化勾配が緩やかな板状の繊維体が成形可能である。しかし、熱プレスの一対の金型温度を高温と低温とに設定して成形材料を熱プレス成形するために、吸音に要求される低密度層と高密度層とを層状に形成する場合に、これら金型の温度管理および金型による成形材料の加圧時間管理が難しい。このため、前記ダッシュインシュレータのように吸音性能,音の透過損失に優れた吸音性内装材として有効な、厚み方向で高密度層と低密度層とに密度変化し、かつ、その密度の変化勾配が緩やかな繊維成形体を簡単に得ることはできない。
【0010】
そこで、本発明は簡単な方法により、厚み方向で高密度層と低密度層とに密度変化し、かつ、その密度の変化が緩やかで、吸音性内装材として用いて有効な複合繊維体を得ることができる複合繊維体の成形方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の複合繊維体の成形方法にあっては、主繊維と、これよりも低融点の熱可塑性繊維からなるバインダーとが混合した繊維集合体を成形素材として、前記成形素材の少くとも片面側から厚み方向に流体熱媒を流通させて該成形素材を圧縮成形加工に必要な所要温度に加熱すると共に、該成形素材の他面側の所要部位に前記加熱温度よりも低い低温領域を設定して、前記成形素材の厚み方向に温度勾配を付与する工程と、前記厚み方向に温度勾配が付与された成形素材を、成形型により所要形状に加圧圧縮して、前記加熱温度が維持された部分に所要厚みの高密度層を、および前記低温領域の設定部分に所要厚みの低密度層を成形する工程と、を含むことを主要な特徴としている。
【0012】
前述のように、成形素材の少くとも片面側から厚み方向に流体熱媒を流通させて圧縮成形加工に必要な所要温度に加熱するため、成形素材はこの流体熱媒の流通により短時間のうちに前記所要温度に加熱される。
【0013】
一方、前記成形素材の他面側の所要部位には、前記加熱温度よりも低い低温領域が設定されるため、前記成形素材の片面側が全体的に高温を維持した状態で、該成形素材の所要領域に厚み方向の温度勾配が付与される。
【0014】
この温度勾配の付与に際して、前述のように成形素材の少くとも片面側からその厚み方向に流体熱媒を流通させて繊維層を直接加熱するため、該成形素材に対する流体熱媒の通過量を部分的に調節することにより、あるいは、成形素材の他面側から該成形素材内に流体冷媒を供給してその流通量を部分的に調節することにより、該成形素材の他面側に前記低温領域を生じさせて、前記温度勾配を付与することが可能である。
【0015】
これにより、前記流体熱媒、または流体熱媒と流体冷媒の温度管理と供給量・供給時間管理を行うだけで、前記加熱温度とそれよりも低温の温度分布が厚み方向に様々に異なる温度勾配を容易に設定することができる。
【0016】
このように厚み方向に温度勾配が付与された成形素材を成形型により加圧して所要形状に圧縮成形することにより、前記加熱温度に維持された部分は高密度層として圧縮成形される一方、低温維持された部分にこの高密度層の形状に沿った低密度層が形成され、これら高密度層と低密度層の厚みを前記温度分布の設定により任意に変化させることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、成形素材に少くともその片面側から厚み方向に流体熱媒を流通させて、該成形素材を圧縮成形加工に必要な所要温度に加熱すると共に、該成形素材の他面側の所要部位に前記加熱温度よりも低い低温領域を設定して、前記成形素材の厚み方向に温度勾配を付与するので、上,下金型の加熱温度が異なる加熱型を用いて成形素材の厚み方向に高温領域と低温領域の温度分布を作る従来の成形方法と較べて、加熱時間を短縮できると共に、成形金型の加熱温度管理および加圧時間管理が不要となる。
【0018】
そして、この厚み方向に温度勾配が付与された成形素材を成形型により加圧して所要の形状に圧縮成形することにより、前記加熱温度に高温維持された部分が高密度層に圧縮成形される一方、それよりも低い温度に低温維持された部分にこの高密度層の形状に沿った低密度層が形成され、これら高密度層と低密度層の厚みを前記加熱温度が維持される高温領域と低温領域との厚み方向の分布量の設定によって任意に変化させることができる。
【0019】
この結果、要求される密度分布および厚みの高密度層と低密度層からなり、かつ、その密度の変化が緩やかな2層構造の複合繊維体を容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の第1実施形態を示す工程図。
【図2】第1実施形態の加熱工程の変形例を示す説明図。
【図3】図2の変形例に用いられるネット部材の各異なる例を(a),(b),(c)にて示す断面図。
【図4】本発明の第2実施形態を示す工程図。
【図5】本発明の第3実施形態を示す工程図。
【図6】本発明の第4実施形態を示す工程図。
【図7】本発明の第5実施形態を示す工程図。
【図8】本発明の方法によって得られた複合繊維体の厚み方向の密度の変化勾配を、従来の積層構造体のものと比較して示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態を図面と共に詳述する。
【0022】
図1は本発明の方法の第1実施形態を示し、複合繊維体1の成形素材1Aに、その片面側から厚み方向に流体熱媒としての熱風を流通させて、該成形素材1Aを後述する所要温度に加熱する加熱手段と、この加熱された成形素材1Aを所要の形状に加圧して圧縮成形する成形型3とが用いられている。
【0023】
本発明における複合繊維体とは、天然繊維,化学繊維や適宜の熱可塑性繊維からなる主繊維と、これよりも低融点の適宜の熱可塑性繊維とが不織状に交絡,混合した成形繊維体を意味し、その成形素材とは、前記主繊維と、これよりも低融点の前記熱可塑性繊維をバインダーとして用いて、これら主繊維とバインダーとを任意の配合割合で混合した繊維集合体を意味している。
【0024】
図1に示す工程(a)では、加熱手段として図外の加熱炉内において前記成形素材1Aの上面側から熱風が流通される。この熱風は成形素材1Aの圧縮成形加工に必要な所要温度、即ち、成形素材1Aに用いられる前記バインダー(熱可塑性繊維)の表面が軟化,溶融する温度(加工温度)以上に温度調整されている。
【0025】
この成形素材1Aの加熱工程では、該成形素材1Aの上面もしくは上下両面の所要部位に、熱風の流通調整部材2を当接配置し、成形素材1Aの熱風通過量が部分毎に調整される。
【0026】
前記熱風の流通調整部材2として、熱風の通気時に通気抵抗となるパンチングボード,ネット,多孔質体等を用いることができる。
【0027】
図1の工程(a)では、成形素材1Aの上下両面に例えばパンチングボード2A,2Bを当接配置した例を示している。
【0028】
上面側のパンチングボード2Aは、成形素材1Aの上面の中央部分から外れた一側(図の左側)を覆って当接配置され、所要の孔径,孔数の多孔プレートとして形成されている。
【0029】
下面側のパンチングボード2Bは、成形素材1Bの下面全体を覆って当接配置され、成形素材1Aの下面の中央部分から外れた一側(図の左側)に、例えば前記上面側のパンチングボード2Aとほぼ同一仕様の多孔部2Bと、中央部分に開窓部2Bと、多孔部2Bと反対側の他側(図の右側)に通気を遮断する遮蔽部2Bと、を備えている。
【0030】
これにより、前記成形素材1Aの上面側から流体熱媒である熱風が供給されると、成形素材1Aの中央部分では熱風が上面側のパンチングボード2Aおよび下面側のパンチングボード2Bによる通気抵抗を受けずに、該成形素材1Aの上面から下面に通過して厚み方向に全体的に前記加工温度に加熱される。
【0031】
一方、成形素材1Aの一側(図の左側)部分では、熱風が上面側のパンチングボード2Aと下面側のパンチングボード2Bの多孔部2Bとにより通気抵抗を受けるため、熱風が成形素材1Aの下面側にまで行き届かず、該下面側が低温に保たれる。
【0032】
また、成形素材1Aの他側(図の右側)部分では、下面側のパンチングボード2Bの遮蔽部2Bによって、熱風の成形素材1A下面への通気が遮断されるため、成形素材1Aの上面側が浅く加熱されるだけで、その下層部分は低温に保たれる。
【0033】
この結果、成形素材1Aの中央部分は繊維層の全体が十分に加熱されて前記加工温度Tに上昇し、その両側部分では下面側が熱風の通過量調節により、例えば前記加工温度Tに満たない非加工温度Tの低温領域となり、成形素材1Aの中央部分を除く両側部分に成形素材1Aの厚み方向に加工温度Tと非加工温度Tの温度勾配が付与される。
【0034】
この成形素材1Aの両側部分における加工温度Tと非加工温度Tの分布割合は熱風の通過量によって異なり、前記一側部分(図の左側部分)では非加工温度Tの分布量が加工温度Tの分布量よりもやや小さく、他側部分(図の右側部分)では非加工温度Tの分布量が加工温度Tの分布量を大きく上回る温度分布となる。
【0035】
この成形素材1Aの厚み方向の温度勾配,温度分布は、熱風の温度管理と、成形素材1Aに対する熱風の供給量(風圧)・供給時間管理、および前記熱風の流通調整部材2の設定によって任意に調整される。
【0036】
このようにして、厚み方向に加工温度Tと非加工温度Tの温度勾配が付与された成形素材1Aは、直ちに図1に示す工程(b),(c)で、成形型3によりコールドプレスして所要形状に加圧成形される。
【0037】
この成形型3は、上型であるコア型3Aと下型であるキャビティ型3Bとで構成される。
【0038】
前記工程(b)で成形素材1Aは成形型3により所要時間コールドプレスされることにより、前記加工温度Tに高温維持された部分が高密度層1aとして圧縮成形される一方、非加工温度Tに低温維持された部分は圧縮されても自己復元性を保有しており、この高密度層1aの形状に沿ってほぼ成形素材1Aの性状のままの低密度層1bが形成された所要の凹凸形状に加圧成形される。
【0039】
具体的には、成形素材1Aの中央部分には上面から下面に亘って高密度層1aが圧縮成形され、その両側には上面側に前記加工温度Tの厚み方向の分布量に応じてそれぞれ厚みの異なる高密度層1aと、それらの下側に前記非加工温度Tの厚み方向の分布量に応じてそれぞれ厚みの異なる低密度層1bとが形成される。
【0040】
このとき、前記加工温度Tと非加工温度Tとの境界部分は加熱温度が徐変しているため、前記高密度層1aと低密度層1bとの密度の変化は緩やかなものとなる。
【0041】
この工程(b)により所要形状に加圧成形されて、成形素材1Aの高密度層1aが冷却固化すると、工程(c)においてコア型3Aとキャビティ型3Bとが型開きされ、低密度層1bがほぼ圧縮前の自由厚み状態に復元して、中央部分に高密度層1aのみが、その両側部分には上面側に高密度層1aと下面側に低密度層1bとを有する2層構造の所要形状,厚みの複合繊維体1が型抜きして得られる。
【0042】
前記工程(a)において、成形素材1Aを熱風で加熱した例を示しているが、流体熱媒として熱風の他に、水蒸気または熱水等の熱流体を用いることも可能である。
【0043】
以上の第1実施形態の方法によれば、成形素材1Aにその片面側から流体熱媒としての熱風を厚み方向に流通させて、圧縮成形加工に必要な所要温度(加工温度)Tに加熱すると共に、該成形素材1Aの他面側の所要部位に前記加工温度Tよりも低い低温(非加工温度)Tの領域を設定して、該成形素材1Aの厚み方向に温度勾配を付与し、これを成形型3により加圧して所要の形状に圧縮成形することにより、前記加工温度Tに高温維持された部分に高密度層1aが圧縮成形され、非加工温度Tに低温維持された部分にこの高密度層1aの形状に沿った低密度層1bが形成された2層構造の複合繊維体1を成形することができる。
【0044】
このように、成形素材1Aの前記加工温度Tの加熱は、成形素材1Aの繊維層に直接熱風を流通して行わせるので、成形素材1Aの加熱温度管理および加熱時間管理が容易で、かつ、加熱時間を短縮できると共に、前記加工温度Tの保温性も良好にすることができる。
【0045】
また、厚み方向に温度勾配が付与された成形素材1Aは、これを直ちに成形型3によりコールドプレスすればよいので、成形素材1Aの加熱から成形型3による加圧成形に亘る作業時間、即ち、成形サイクルを可及的に短縮することができる。
【0046】
しかも、前記加工温度Tと非加工温度Tとの分布量の調節によって、前記高密度層1aと低密度層1bの厚みを任意に変化させることができるので、要求される密度および厚みの高密度層1aと低密度層1bとの2層構造の複合繊維体1を容易に得ることができる。
【0047】
特に、本実施形態では成形素材1Aの片面または両面に流通調整部材2を当接配置し、該成形素材1Aの片面側から流通される熱風の通過量を調整することで、該成形素材1Aの他面側に低温領域を形成することができるので、加工温度Tと非加工温度Tの分布量の調整を簡単かつ容易に行うことができる。
【0048】
この結果、例えば自動車用ダッシュインシュレータに代表される吸音性内装材として好適な、高密度層1aと低密度層1bの各密度,厚みが安定して、かつ、これらの密度の変化勾配が緩やかな複合繊維体1を容易に得ることができる。即ち、図8はこのようにして得られたダッシュインシュレータとしての複合繊維体1の厚み方向の密度の変化を示している。同図において破線bに示すように、高密度繊維体と低密度繊維体とを熱プレス成形して積層構造体として得られた従来のダッシュインシュレータでは、その厚み方向の密度が前記積層の境界部分で急激に変化している。これに対して、本発明の方法によって得られたダッシュインシュレータにあっては、同図の実線aに示すように、高密度層と低密度層の密度の変化勾配が緩やかになっていることが判る。
【0049】
因みに、前記従来技術のような上,下加熱型を用いた熱プレスにより単工程で高密度層と低密度層からなる2層構造の複合繊維体を得ようとした場合、上,下加熱型の加熱温度バランスと、この加熱温度と加圧時間のバランスを考慮する必要があって、加熱型の温度管理,加圧時間管理が難しくなる上、成形素材の内部まで適正温度に加熱することが困難となり、成形性が悪化したり、成形時間が多大となるばかりでなく、各層の密度が不安定となる可能性がある。
【0050】
図2は前記第1実施形態における加熱工程の変形例を示すもので、この変形例にあっては前記第1実施形態における下面側のパンチングボード2Bの開窓部2Bに、通気性を保持した加熱ネット4を配設し、成形素材1Aの中央部分の熱風により前記加工温度Tに加熱される領域の下面側を、該加熱ネット4により積極的に前記加工温度Tに加熱するようにしたものである。
【0051】
この加熱ネット4は、熱風の通気にそれ程支障とならない網目に編成された耐熱性の線条4Aで構成されている。
【0052】
線条4Aは、例えば図3(a)に示すように内部にニクロム線等の電熱線4Bを埋設して、該電熱線4Bにより前記加工温度Tに加熱するように構成される他、図3(b)に示すように線条4Aを中空に形成して中空部4aに熱風,水蒸気,熱水等の流体熱媒を導通して前記加工温度Tに加熱するように構成したもの、あるいは図3(c)に示すように中空の線条4Aの中空部4aに導通された前記流体熱媒を、複数の噴孔4bから成形素材1Aの被加熱面に吹き付けるように構成したもの等、線条4Aに適宜の加熱機能を付与した加熱ネット4が用いられる。
【0053】
この変形例のように、前記成形素材1Aの中央部分の熱風が通過する下面側を加熱ネット4により積極的に前記加工温度Tに加熱することにより、該下面側の温度低下を回避して上下面に亘って密度が安定した高密度層1aを形成することができる。
図4は本発明の方法の第2実施形態を示している。
【0054】
この第2実施形態では、図4に示す工程(a)で、成形素材1Aの厚み方向に流体熱媒として熱風を通過させ、該成形素材1Aが全体的に前記加工温度Tに加熱される。この例では成形素材1Aの上面から下面に向けて熱風を通過させているが、これは図外の熱風加熱炉内で成形素材1Aの上下両面から熱風を流通させるようにしてもよい。
【0055】
図4の工程(a)で繊維層の全体が加工温度Tに加熱された成形素材1Aは、図4の工程(b)に移行され、ここで、上型5Aと下型5Bとからなる型部材5を用いて厚み方向に温度勾配が付与される。
【0056】
前記型部材5の上型5Aと下型5Bは何れも平板状に形成した金型が用いられ、上型5Aには加熱温度調整が可能なホットプレートが用いられ、下型5Bには内部に流体冷媒を導入して成形素材1Aの下面側から該流体冷媒の供給が可能な中空の金型が用いられる。
【0057】
図4(b)に示す例では、下型5Bの一側に流体冷媒入口5Bと、下型5Bの中央部分を除く両側部の上面に流体冷媒を噴出するそれぞれ複数の噴孔5Bと、下型5Bの中央部分を除く両側部の上下面を貫通して流体冷媒出口5Bとが設けられている。
【0058】
また、この例では前記噴孔5Bと流体冷媒出口5Bの設定数、又は噴孔面積を、下型5Bの左右両側で異ならせてあり、図4(b)の例では左側の側部に対して右側の側部における前記設定数を多くして、成形素材1Aの右側の側部に対する流体冷媒の供給量を左側の側部における供給量よりも大きくされている。
【0059】
この図4に示す工程(b)では、前記工程(a)で繊維層の全体が加工温度Tに加熱された成形素材1Aは、上型5Aと下型5Bとにより上下面が密閉される。即ち、これら上,下型5A,5Bの型間隙が成形素材1Aの当初厚み相当、もしくは若干圧縮力が作用する程度に制御され、成形素材1Aの繊維層内の冷媒流通性を保有した状態で該成形素材1Aの上下面が密閉される。
【0060】
このとき、上型であるホットプレート5Aは前記加工温度Tもしくはその付近の加熱温度に調整される。他方、中空の下型5B内には流体冷媒入口5Bから流体冷媒が供給される。流体冷媒としては、前記加工温度Tよりも低い、例えば非加工温度Tに温度調節された冷風、あるいは冷水を用いることができる。
【0061】
下型5B内に例えば流体冷媒として前記非加工温度Tに設定された温風(冷却風)が導入されると、この冷却風は噴孔5Bから成形素材1Aの下面側内部(繊維層)に供給され、該成形素材1Aの下面側が前記非加工温度Tにまで降温される。
【0062】
成形素材1Aの上面はホットプレート5Aで密閉されているため、該成形素材1Aの上面側は前記加工温度Tに維持されると共に、前記成形素材1Aの下面側の繊維層内に供給された冷却風は行き場を失って該繊維層内をターンフローして、下型5Bの流体冷媒出口5Bを通って外部へ排出され、これにより、成形素材1Aの厚み方向に加工温度Tと非加工温度Tの温度勾配が付与される。
【0063】
この冷却風の成形素材1A内への進入度合いは、冷却風圧と前記下型5Bの噴孔5B,流体冷媒出口5Bの設定数(開口面積)によって一義的に定まる。本例では前述のように流体冷媒の噴孔5Bと流体冷媒出口5Bが下型5Bの中央部分を除く両側部分に設けられ、かつ、その設定数が一側(図の左側)に対して他側(図の右側)が多くされて、成形素材1Aにおける図の右側の側部に対する冷却風の供給量を左側の側部における供給量よりも大きくされているため、成形素材1Aの左側部に対して右側部の非加工温度Tの厚み方向の分布量が大きくされる。
【0064】
このようにして、厚み方向に加工温度Tと非加工温度Tの温度勾配が付与された成形素材1Aは、前記第1実施形態と同様に図4に示す工程(c),(d)で、成形型3によりコールドプレスして所要の凹凸形状に加圧成形され、中央部分に高密度層1aのみが、その両側部分には上面側に高密度層1aと下面側にほぼ圧縮前の自由厚み状態に復元した低密度層1bとを有する2層構造の所要形状,厚みの複合繊維体1が得られる。
【0065】
従って、この第2実施形態の方法によれば、前記第1実施形態と同様の作用効果が得られる他、成形素材1Aの片面側を流体冷媒により積極的に冷却して非加工温度Tの分布を作るため、温度勾配の付与作業時間を短縮することができる。
【0066】
特に、本実施形態では成形素材1Aの両面を型部材5A,5Bで密閉した状態で、該成形素材1Aの片面側から流体冷媒を流通させて冷却を行うため、流体冷媒を成形素材1Aの繊維層内をターンフローさせることができて、成形素材1Aの他面側の加工温度Tの分布を崩さずに保有させることができて、厚み方向の温度分布を容易に作ることができる。
【0067】
また、この流体冷媒は前記型部材5の一方5B内を通して成形素材1A内に供給,排出するようにしているので、該型部材5Bに設けられる流体冷媒噴孔5Bおよび流体冷媒排出口5Bの設定によって成形素材1A内に供給される流体冷媒の流量調整を容易に行えて、非加工温度Tの厚み方向の分布量を任意に設定することができる。
【0068】
更に、前記型部材5の他方5Aを温度調節が可能なホットプレート等の加熱型としてあるため、成形素材1Aの加工温度Tの分布層を適切に確保することができて、所要厚みの高密度層1aを設計通りに圧縮成形することができる。
【0069】
なお、この第2実施形態では、型部材5を用いて成形素材1Aの厚み方向に温度勾配を付与しているが、型部材5を用いずに、図4に示す工程(a)で成形素材1Aの繊維層を全体的に加工温度Tに加熱した後、その片面、例えば下面側に直接流体冷媒を吹きつけて積極的な冷却を行い、該下面側に非加工温度Tの分布を作って厚み方向に温度勾配を付与することも可能である。また、このとき、成形素材1Aの下面に前記第1実施形態で用いた流通調整部材2を当接し、流体冷媒の通過量を部分的に異ならせて、非加工温度Tの分布量を厚み方向で変化させることも可能である。
【0070】
図5は本発明の方法の第3実施形態を示し、この第3実施形態では成形素材1Aの厚み方向に温度勾配を付与するために用いられる型部材51は、上型であるコア型51Aと下型であるキャビティ型51Bとで構成されていて、この成形型51により成形素材1Aを所要の凹凸形状に予備成形するようにしている。
【0071】
この第3実施形態では、コア型51Aは前記第2実施形態の上型5Aと異なり非加熱タイプとされている。一方、キャビティ型51Bは前記下型5Bと同様に流体冷媒入口51Bと、型面に開孔する流体冷媒の噴孔51Bと、型上下面を貫通した流体冷媒出口51Bとを設けた中空の金型として構成されていて、噴孔51Bおよび流体冷媒出口51Bの配設分布構成は前記第2実施形態と同様としている。
【0072】
この第3実施形態では、図5に示す工程(a)で成形素材1Aの繊維層の全体が流体熱媒である熱風の通風により加工温度Tに加熱されると、直ちに工程(b)に移行され、該工程(b)において成形素材1Aはコア型51Aとキャビティ型51Bとにより所要の凹凸形状に予備成形されると共に、上下面が密閉される。即ち、これらコア型51Aとキャビティ型51Bの型間隙が成形素材1Aの当初厚み相当、もしくは若干圧縮力が作用する程度に制御され、成形素材1Aの繊維層内の冷媒流通性を保有した状態で前記凹凸形状の予備成形と上下面の密閉が行われる。
【0073】
そして、この成形素材1Aの予備成形とほぼ同時にキャビティ型51Bから該成形素材1Aの下面側に流体冷媒の供給,排出が行われ、成形素材1Aの厚み方向に加工温度Tと非加工温度Tの温度勾配が付与されると共に、成形素材1Aの左右側部で非加工温度Tの厚み方向の分布量が調整される。
【0074】
このようにして、厚み方向に加工温度Tと非加工温度Tの温度勾配が付与された成形素材1Aは、前記第2実施形態と同様に図5に示す工程(c),(d)で、成形型3によりコールドプレスして正規の凹凸形状に加圧成形され、中央部分に高密度層1aのみが、その両側部分には上面側に高密度層1aと下面側にほぼ圧縮前の自由厚み状態に復元した低密度層1bとを有する2層構造の所要形状,厚みの複合繊維体1が得られる。
【0075】
ここで、本実施形態では、前記図5の工程(b)において、成形素材1Aの上面側は非加熱タイプのコア型51Aにより密閉されるため、該上面側の温度低下が懸念されるが、工程(a)の流体熱媒の加熱による加工温度Tを高めに設定することにより、この温度低下を補うことができる。なお、工程(b)の成形型51を利用して工程(c),(d)を行うことにより、成形型3を不要にすることも可能である。
【0076】
従って、この第3実施形態の方法によれば、前記第2実施形態とほぼ同様の作用効果が得られる他、コア型51Aとキャビティ型51Bとにより成形素材1Aの予備成形が行われるので、成形型3によるコールドプレスの成形性を向上できると共に、成形時間を短縮することができる。
図6は本発明の方法の第4実施形態を示している。
【0077】
この第4実施形態では、前記第2,第3実施形態における流体熱媒による成形素材1Aの加熱と、流体冷媒による厚み方向の温度勾配の付与とを1工程で行うようにしている。
【0078】
この成形素材1Aの加熱と厚み方向の温度勾配の付与は、図6に示す工程(a)において成形素材1Aの上,下面を上型52Aと下型52Bとからなる型部材52により密閉した状態の下に行われる。
【0079】
上型52Aと下型52Bは何れも平板状に形成されていて、下型52Bは一側に流体冷媒入口52Bと、上面に流体冷媒を噴出する複数の噴孔52Bと、上下面を貫通した流体冷媒出口52Bと、を備えた中空の金型、即ち、この例では前記第2実施形態における図4の工程(b)で用いられた金型5Bが用いられている。
【0080】
他方、上型52Aは内部に流体熱媒を導入して成形素材1Aの上面側から流体熱媒の供給が可能な中空の金型が用いられている。
【0081】
この上型52Aは基本的構造は前記下型52Bとほぼ同様で、一側に流体熱媒入口52Aと、下面に流体熱媒を噴出する複数の噴孔52Aと、上下面を貫通した流体熱媒出口52Aと、を備えている。噴孔52Aと流体熱媒出口52Aは成形素材1Aの上面側における要求される厚み方向の加工温度Tの分布に応じて配設分布構成が適宜に設定される。例えば、この例では型中央部に前記配設分布が集中し、図の左側では該中央部よりも配設分布が少い分布構成とされ、成形素材1Aの中央部分と、その左右両側部分への流体熱媒の供給量が調節されている。
【0082】
流体熱媒と流体冷媒はこの例にあっても、例えば前述と同様に加工温度Tに調温された熱風、およびそれよりも低い非加工温度Tに調温された温風(冷却風)が用いられる。
【0083】
成形素材1Aは、図6に示す工程(a)でその上下面が上型52Aと下型52Bとにより密閉される。即ち、これら上,下型52A,52Bの型間隙が成形素材1Aの当初厚みに相当、もしくは若干圧縮力が作用する程度に制御され、成形素材1Aの繊維層内の流体熱媒および流体冷媒の流通性を保有した状態で該成形素材1Aの上下面が密閉される。
【0084】
この状態で上型52A内に前記加工温度Tに設定された熱風が導入されると、この熱風は噴孔52Aから成形素材1Aの上面側内部(繊維層)に供給され、該成形素材1Aの上面側が前記加工温度Tに加熱される。
【0085】
成形素材1Aの繊維層内に進入した熱風は、成形素材1Aの下面が下型52Bにより密閉されているため途中からターンフローして流体熱媒出口52Aを通って外部へ排出される。
【0086】
この上型52Aから成形素材1A内への熱風の供給と同時に、もしくは熱風供給による成形素材1Aの前記加工温度Tの加熱後に下型52B内に冷却風(温風)が導入されると、この冷却風は噴孔52Bから成形素材1Aの下面側に供給され、該成形素材1Aの下面側が前記非加工温度Tに降温(熱風供給と同時の場合)、もしくは昇温(上面側の加工温度Tの加熱後の場合)される。
【0087】
成形素材1Aの繊維層内に進入した冷却風は、成形素材1Aの上面が上型52Aにより密閉されているため。これも途中からターンフローして流体冷媒出口52Bを通って外部へ排出される。
【0088】
前記熱風および冷却風の成形素材1A内への進入度合いは、これら熱風,冷却風の風圧と、上型52Aにおける流体熱媒の噴孔52A,流体熱媒出口52A、および下型52Bにおける流体冷媒の噴孔52B,流体冷媒出口52Bの各設定数(開口面積)や配設分布によって決められ、これら熱風と冷却風の進入度合いに応じて成形素材1Aの厚み方向に加工温度Tと非加工温度Tが分布して厚み方向の温度勾配が付与される。
【0089】
本例では前述のように流体熱媒の噴孔52A,流体熱媒出口52Aが配設分布された上型52Aに対して、下型52Bとして前記第2実施形態に用いられた下型5Bを用いているため、成形素材1Aの中央部分には上下面に亘る繊維層全体と上面側の両側部とに加熱温度Tが分布し、下面側の両側部に厚み方向の分布量が左右異なる非加熱温度Tが分布した、前記第2,第3実施形態と同様の厚み方向の温度勾配が付与される。
【0090】
このようにして、厚み方向に温度勾配が付与された成形素材1Aは、前記第2,第3実施形態と同様に図6に示す工程(b),(c)で、成形型3によりコールドプレスして凹凸形状に加圧成形され、中央部分に高密度層1aのみが、その両側部分には上面側に高密度層1aと下面側にほぼ圧縮前の自由厚み状態に復元した低密度層1bとを有する2層構造の所要形状,厚みの複合繊維体1が得られる。
【0091】
従って、この第4実施形態の方法によれば、前記第2,第3実施形態とほぼ同様の作用効果が得られる他、前述のように成形素材1Aの加熱と、厚み方向の温度勾配の付与とを1工程で行えるので、前記第1実施形態と同様に複合繊維体1の成形サイクルを短縮することができる。
【0092】
ここで、図7に示す第5実施形態のように、前記第4実施形態における型部材52に替えて、上型53Aとして流体熱媒入口53A,流体熱媒の噴孔53A,流体熱媒出口53Aを備えた中空のコア型と、下型53Bとして流体冷媒入口53B,流体冷媒の噴孔53B,流体冷媒出口53Bを備えた中空のキャビティ型とを組合せた型部材53を用いて、前記加熱および厚み方向の温度勾配の付与と同時に成形素材1Aを所要の凹凸形状に予備成形することも可能である。
【0093】
この第5実施形態の方法によれば、図7に示す工程(a)で前述のように成形素材1Aの加熱および厚み方向の温度勾配付与と同時に該成形素材1Aを所要の凹凸形状に予備成形できるので、次工程(b),(c)における成形型3によるコールドプレスの成形性を向上できると共に、成形時間を更に短縮することができる。また、この第5実施形態にあっても、工程(a)の成形型53を利用して工程(b),(c)を行うことにより、成形型3を不要にすることも可能である。
【0094】
なお、前記各実施形態において、成形素材1Aの厚み方向の温度勾配を加工温度Tとそれよりも低温の非加工温度Tとを分布させて、非加工温度Tが分布した部分では、成形素材1Aの繊維層が元の自由厚み状態に復元した低密度層1bが形成される複合繊維体1を得るようにしているが、前記温度勾配を高温の加工温度T1aと、それよりも低温の加工温度T1bとの分布構成として設定して、高温分布側では高密度層1aが、低温分布側では所要の厚みに圧縮成形された低密度層1bが形成される複合繊維体1を得ることも可能である。
【0095】
また、前記各実施形態では、成形素材1Aの中央部分に上下面に亘る高密度層1aが、その両側部には上面側に高密度層1aと下面側に低密度層1bとからなる2層構造が形成されるようにしているが、2層構造形態はこれに限定されるものでないことは勿論である。
【符号の説明】
【0096】
1…複合繊維体
1A…成形素材
1a…高密度層
1b…低密度層
2…流体熱媒の流通調整部材
3…成形型
5,51,52,53…型部材
5A…加熱型

【特許請求の範囲】
【請求項1】
主繊維と、これよりも低融点の熱可塑性繊維からなるバインダーとが混合した繊維集合体を成形素材として、
前記成形素材の少くとも片面側から厚み方向に流体熱媒を流通させて該成形素材を圧縮成形加工に必要な所要温度に加熱すると共に、該成形素材の他面側の所要部位に前記加熱温度よりも低い低温領域を設定して、前記成形素材の厚み方向に温度勾配を付与する工程と、
前記厚み方向に温度勾配が付与された成形素材を、成形型により所要形状に加圧圧縮して、前記加熱温度が維持された部分に所要厚みの高密度層を、および前記低温領域の設定部分に所要厚みの低密度層を成形する工程と、を含むことを特徴とする複合繊維体の成形方法。
【請求項2】
前記成形素材の厚み方向に温度勾配を付与する工程が、
前記成形素材の片面もしくは両面に流体熱媒の流通調整部材を当接して、該成形素材の片面側から前記流体熱媒を通過させて、該流体熱媒の通過量を調整することを特徴とする請求項1に記載の複合繊維体の成形方法。
【請求項3】
前記成形素材の厚み方向に温度勾配を付与する工程が、
前記成形素材の厚み方向に流体熱媒を通過させて、該成形素材を全体的に圧縮成形加工に必要な所要温度に加熱する工程と、
前記所要温度に加熱された成形素材の両面を型部材で密閉した状態で、該成形素材の片面側から流体冷媒を流通させて該成形素材を部分的に降温させる工程と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の複合繊維体の成形方法。
【請求項4】
前記所要温度に加熱された成形素材の前記流体冷媒が供給される側と反対側の他面の密閉が、加熱型により前記加熱温度の保温下で行われることを特徴とする請求項3に記載の複合繊維体の成形方法。
【請求項5】
前記流体冷媒が、前記成形素材の片面を密閉する型部材内を通して供給,排出されることを特徴とする請求項3または4に記載の複合繊維体の成形方法。
【請求項6】
前記成形素材の厚み方向に温度勾配を付与する工程が、
前記成形素材の両面を型部材で密閉した状態で、片面側から一方の型部材内を通して成形素材に流体熱媒が供給,排出される一方、他面側から他方の型部材を通して成形素材に流体冷媒が供給,排出されることを特徴とする請求項1に記載の複合繊維体の成形方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−131482(P2011−131482A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−292531(P2009−292531)
【出願日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【出願人】(000124454)河西工業株式会社 (593)
【Fターム(参考)】