説明

複合金属微粒子材料、金属膜及び金属膜の製造方法、並びにプリント配線板及び電線ケーブル

【課題】 従来よりも低温かつ短時間の焼結プロセスで、つまり高い生産能率を以て、焼結可能であり、かつその焼結によって十分な導電性を発現し得る特性を備えた、複合金属微粒子材料、およびそれを焼結してなる金属膜、プリント配線板、電線ケーブル、ならびにその金属膜の製造方法を提供する。
【解決手段】 本発明の複合金属微粒子材料は、銀(Ag)化合物、溶媒、還元剤、および分散剤を用いて合成された球状の銀(Ag)ナノ粒子と、非球状の金属微粒子からなる導電性フィラーとを混合してなることを特徴としている。また、本発明の金属膜は、上記の複合金属微粒子材料を300℃以下のような低温かつ10分間以下のような短時間で焼結してなることを特徴としている。また、本発明の金属膜の製造方法は、上記の複合金属微粒子材料を300℃以下のような低温かつ10分間以下のような短時間で焼結する工程を含んだ金属膜の製造方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、銀(Ag)ナノ粒子と導電性フィラーとを混合してなる複合金属微粒子材料、当該複合金属微粒子材料を用いて形成される金属膜、プリント配線板及び電線ケーブル、ならびに金属膜の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
金属微粒子とは、一般に、粒径100nm以下の金属微粒子を意味している。そのような大きさの金属微粒子は、体積に対して表面積が極めて大きなものとなるので、mm単位ないしは数100μm単位の大きさの粒子と比較して、融点が著しく低いものとなる傾向にある。このため、金属微粒子は、バルク金属の融点よりも低い温度で粒子界面における拡散が生じ、融着が進行して、金属結合を形成する。
このような特性を利用して、金属微粒子は、導電性のインク材料やペースト材料等に、いわゆるフィラーとして用いられている。
【0003】
ところが、従来の金属微粒子を用いた導電性のインク材料やペースト材料は、300℃以下のような低温度、かつ10分間以下のような短時間の焼結条件では、バルク金属と同等程度の導電性を発現させることが極めて困難であった。
そのような低温・短時間の焼結で良好な導電性を得ることが困難となる原因としては、主に次の2つが挙げられる。
【0004】
その第1の原因としては、溶剤や保護剤の残存が挙げられる。低温かつ短時間の焼結条件では、導電性材料中に含まれる溶剤や金属微粒子の表面の保護剤が、十分には蒸発または分解されずに残存して、それが導電性を阻害することになるものと考えられる。
但し、これについては、低温度で蒸発あるいは分解可能な溶剤や保護剤を選択すること、およびその使用量を低減すること、などにより、ある程度の改善が見込まれる。しかし、そのような手法を採用したとしても上記のような問題を根本的に解消できるというわけではない。
【0005】
第2の原因としては、焼結時の、金属ナノ粒子同士の融着や溶剤の揮発に伴う、金属膜の体積収縮が挙げられる。この体積収縮は、金属膜中にクラックや粒界を多数発生させ、それが導電性の低下を引き起こすものと考えられる。これを解決するための方策としては、導電性材料中の溶剤や分散剤の成分比率を低減化すると共に金属成分を高濃度化して、金属膜の体積収縮を起こりにくくすることが考えられる。しかし、適度な量の溶剤や分散剤を使用しない場合、金属の高濃度化に伴って金属微粒子どうしが凝集し、粗大な二次粒子を形成してしまう。また、高濃度化に伴って全体的な粘度が大幅に増加するため、インク材料やペースト材料として実用上要求される適正な粘度が得られなくなるという、別の新たな不都合も生じる。このように、単純に金属成分を高濃度化するという方策では、別の不都合な事態を招いてしまうという問題がある。
また、金属膜の体積収縮に対して粒子径が例えばμm単位のように十分に大きい金属微粒子を一般的な場合よりも多量に添加して用いることも有効であるように考えられる。このようにすることにより、金属膜中に占める金属微粒子の体積比率が、金属ナノ粒子の場合と比較して極めて大きくなり、従って粒子どうしの物理的な接触確率が高くなるため、電流導通経路が形成しやすくなる。ところが、斯様なμm単位の金属微粒子は、融点がバルク金属と同等程度となるので、理論的に(根本的に)低温・短時間のプロセス条件での焼結が困難ないしは不可能なものとなるという問題がある。
【0006】
このような従来技術に係る複合金属微粒子材料の、より具体的な例としては、図3(a)に模式的に示したように、銀(Ag)ナノ粒子101と、金(Au)や銀(Ag)の球状の金属微粒子からなる導電性フィラー102とを、有機溶剤および樹脂成分からなるバインダ(図示省略)内に混合して複合金属微粒子材料のペースト材を作り、それを例えば基板上に塗布・焼結させることで(図示省略)、金(Au)や銀(Ag)の球状の金属微粒子からなる導電性フィラー102間を銀(Ag)ナノ粒子101(の溶融後の再凝固物)で充填してなる金属膜を形成可能とする、という技術が提案されている(特許文献1)。
また、図3(b)に模式的に示したように、銀(Ag)ナノ粒子101と、金(Au)や銀(Ag)などからなる導電性フィラー102と、酸化銀粒子103とを混合して複合金属微粒子材料とする、という技術が提案されている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】WO2002/035554号公報
【特許文献2】特開2007−42301号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記の特許文献1にて提案された技術では、焼結温度を200℃以下のように低温化することは可能となるが、その焼結時間は60分間以上となり、我々(本発明の発明者達)が目標とする10分間程度のような短時間の焼結時間と比べて、極めて長い時間を要することとなるという問題がある。このような長い時間を焼結プロセスに要するということは、それだけ実際の生産ラインにおける生産能率が低いものとならざるを得ないということである。
【0009】
また、上記の特許文献2にて提案された技術では、酸化銀(AgO)が必須なものであるが、我々が目標とする10分間程度のような極めて短時間で焼結を完成させようとすると、その焼結プロセス中に酸化銀のうちの銀(Ag)から乖離してガス状となった酸素(O)が、泡となってペースト材中から抜け出てしまい、その泡の痕跡としてボイドとなった部分が硬化してポーラス状の欠陥となってしまう虞が極めて高いという問題がある。
【0010】
本発明は、このような問題に鑑みて成されたもので、その目的は、従来よりも低温かつ短時間の焼結プロセスで、つまり高い生産能率を以て、焼結可能であり、かつその焼結によって十分な導電性を発現し得る特性を備えた、複合金属微粒子材料、およびそれを焼結してなる金属膜、ならびにその金属膜の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の複合金属微粒子材料は、銀(Ag)化合物、溶媒、還元剤、および分散剤を用いて合成された球状の銀(Ag)ナノ粒子と、非球状の金属微粒子からなる導電性フィラーとを混合してなることを特徴としている。
本発明の金属膜は、上記のような、銀(Ag)化合物、溶媒、還元剤、および分散剤を用いて合成された球状の銀(Ag)ナノ粒子と、非球状の金属微粒子からなる導電性フィラーとを混合してなる複合金属微粒子材料を、基板表面に塗布し、焼結してなることを特徴としている。
また、本発明のプリント配線板は、上記の金属膜からなる配線パターンを備えたことを特徴としている。
また、本発明の電線ケーブルは、上記の複合金属微粒子材料を焼結して形成された金属膜からなる電気導体層および/または上記の複合金属微粒子材料を焼結して形成された金
属線からなる電気導体線を備えたことを特徴としている。
本発明の金属膜の製造方法は、銀(Ag)化合物、溶媒、還元剤、および分散剤を用いて合成された球状の銀(Ag)ナノ粒子と、非球状の金属微粒子からなる導電性フィラーとを混合してなる複合金属微粒子材料を、基板の表面に塗布する工程と、前記基板の表面に前記複合金属微粒子材料を塗布した状態で、焼結炉の温度・時間条件を300℃以下・10分間以下に設定して焼結を行う工程とを含むことを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、銀(Ag)化合物、溶媒、還元剤、および分散剤を用いて合成された球状の銀(Ag)ナノ粒子に、非球状、つまり例えば柱状や板状あるいは楕円体状などのような長細状の金属微粒子からなる導電性フィラーを混合して、複合金属微粒子材料を形成するようにしたので、その長細状のような非球状の金属微粒子からなる導電性フィラーの備えている、焼結の際に金属微粒子同士の物理的接触が点ではなく長い面や線で起こりやすくなってその接触面積が大きくなるという特質によって、融点の上昇や融着力の低下等を引き起こすことなく、低温・短時間での焼結で十分な導電性を発現することが可能となる。その結果、本発明による複合金属微粒子材料を用いて、例えば200℃〜300℃程度の低温、かつ10分間以下のような短時間の焼結プロセスで、つまり極めて高い生産能率を以て、十分な導電性を備えた金属膜を焼成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施の形態に係る複合金属微粒子材料の主要な構成を模式的に示す図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る複合金属微粒子材料を焼結してなる金属膜における粒子的構造を模式的に示す図である。
【図3】従来の複合金属微粒子材料の主要な構成を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態に係る複合金属微粒子材料および金属膜ならびに金属膜の製造方法について、図面を参照して説明する。
【0015】
本発明の実施の形態に係る複合金属微粒子材料は、図1に模式的に示したように、銀(Ag)化合物、溶媒、還元剤、および分散剤を用いて合成された球状の銀(Ag)ナノ粒子1と、非球状の金属微粒子からなる導電性フィラー2とを混合し、その粉末を、例えばトルエン溶媒のような溶媒(図示省略)中に分散してなるものである。
【0016】
銀ナノ粒子1は、300℃以下のような低温かつ10分間以下のような短時間の焼結プロセスで焼結して金属膜と成すことが可能なものである。
この銀ナノ粒子1は、さらに具体的には、銀(Ag)の、炭酸塩、硝酸塩、塩化物、酢酸塩、ギ酸塩、クエン酸塩、シュウ酸塩、炭素数4以下の脂肪酸塩、または銀(Ag)錯体のうちの、少なくともいずれか1種類を、上記の銀化合物として用いて合成されたものである。その銀化合物を、還元剤を加えた溶媒中で加熱することで還元し、銀ナノ粒子1の核を生成、成長させ、ナノサイズ(nm単位)の範囲内の所定の大きさで粒成長を停止させることにより、この球状の銀ナノ粒子1が得られる。その粒径の具体的な数値的態様としては、20nm以下とすることが望ましい。これは、粒径が20nm超の大きさであると、この銀ナノ粒子1自体における融点降下への寄与が著しく低下して、短時間での焼結が困難なものとなるからである。
【0017】
この銀ナノ粒子1の合成の際に使用可能な溶媒としては、アルコール類、アルデヒド類、アミン類、単糖類、多糖類、直鎖の炭化水素類、脂肪酸類、芳香族類などが挙げられるが、特に、分散剤との相溶性を示すものが、さらに望ましい。また、200℃〜300℃
あるいはそれ以下の低温・10分間以下の短時間での焼結を行うという目的に適合するためには、200℃以下の沸点を有する溶媒を用いることが、より望ましい。
【0018】
銀ナノ粒子1の合成の際に使用可能な還元剤としては、アルコール類、アルデヒド類、アミン類、水酸化リチウムアルミニウム、チオ硫酸ナトリウム、過酸化水素、硫化水素、ボラン、ジボラン、ヒドラジン、ヨウ化カリウム、クエン酸、シュウ酸、アスコルビン酸などが挙げられる。金属塩の還元を巧く制御して所望の微細な粒径で粒子成長を止めるためには、還元性溶媒に含まれる還元剤の添加量を、金属塩に対する濃度比(還元剤/金属塩の濃度比)が0.1以上3.0以下となるようにすることが望ましい。これは、0.1未満の還元剤濃度では、銀化合物の還元速度が著しく低下して、実用的な時間内に所望の球状の銀ナノ粒子1を得ることが困難なものとなり、逆に3.0超のように還元剤の濃度を高くし過ぎると、銀化合物の還元が著しく進行して、この銀ナノ粒子1自体の粒径が大きくなり、またその粒径のばらつきも大きくなってしまう虞が高くなるからである。
【0019】
銀ナノ粒子1の合成の際に使用可能な分散剤としては、銀ナノ粒子1や溶媒に対して化学的親和性を有する分子種であることが望ましい。さらには、低温で焼結を行うために、より低い沸点を有する化合物であることが望ましい。具体的には、チオール基(−SH)や、アミン基(−NH)を有する化合物、あるいは各種界面活性剤を用いることが可能である。チオール化合物やアミン化合物は、硫黄元素上や窒素元素上の非共有電子対を利用して金属微粒子の表面に配位的に結合する。このため、金属微粒子同士の凝集を抑制することが可能となる。また、溶媒との親和性を示すチオール化合物やアミン化合物は、金属微粒子を溶媒中に均一に分散させる機能も発揮するので、その点でも望ましい。
その分散剤の添加量は、最大でも3mol量のような過剰量を超えない範囲内、より望ましくは0.5mol量以上2.0mol量以下とすることが好適である。これは、0.5mol量未満にすると、金属微粒子が十分には被覆されず、凝集が起こりやすくなって見掛けの粒径が粗大化しやすくなるからである。また逆に3mol量を超えた量にすると、金属微粒子の表面に過剰な分散剤が存在して、その除去が難しくなり、延いては焼結の際にその分散剤が離脱できずに金属微粒子の表面に残存してしまうこととなるからである。
【0020】
非球状の金属微粒子からなる導電性フィラー2は、その金属微粒子全体の外形における、長軸方向の長さaと、それとは異なった短軸方向の長さbとを有する、柱状や短冊状(細長板状)あるいは楕円体状などのような細長い形状のものであり(それ故、この導電性フィラー2の形状を「非球状」と呼ぶのである)、かつその長軸の長さaは、10nm以上1000nm以下である。
また、この導電性フィラー2の長軸aと短軸bとの比であるアスペクト比(a/b)は、4以上50以下に設定されている。
そして、この導電性フィラー2は、材質としては、パラジウム(Pd)、プラチナ(Pt)、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)のうちの少なくともいずれか1種類の金属からなるものである。
【0021】
導電性フィラー2の長軸aの長さが1000nmよりも大きくなると、この導電性フィラー2を混入して形成される複合金属微粒子材料中に占める、この導電性フィラー2の体積比率が大きくなり過ぎて、低温・短時間では焼結が十分には進行せず、その焼結プロセスを経て出来上がった金属膜の導電性が劣悪なものとなってしまう虞が高くなる。また、塗布性や成膜性も低下し、高品質な薄膜として金属膜を形成することが困難になる虞も高くなる。他方、それとは逆に、導電性フィラー2の長軸の長さaが10nm末満になると、相対的にアスペクト比も低下するので、その外形形状が球状に近づく。その結果、この導電性フィラー2の表面における、他の導電性フィラー2(および銀ナノ粒子1の溶融後の再凝固物3)との接触面積が、従来の球状の金属微粒子からなるフィラーの場合と同様
の程度にまで小さくなってしまい、十分な導電性を得ることが困難ないしは不可能なものとなる。従って、この導電性フィラー2の長軸方向の長さaは、10nm以上1000nm以下とすることが望ましいのである。
【0022】
また、長軸方向の長さaと短軸方向の長さbとの比であるアスペクト比(a/b)を、4以上50以下の範囲内の値とすることにより、導電性フィラー2自体も金属微粒子特有の融点降下現象が若干見られるため、焼結の際に、銀ナノ粒子1との間で、単純な物理的な接触のみならず、金属原子の拡散を伴った金属結合が形成されやすくなり、その結果、より高い導電性の発現が可能となる。このような理由から、長軸方向の長さaと短軸方向間長さbとの比であるアスペクト比(a/b)は、4以上50以下の範囲内の値とすることが望ましいのである。
【0023】
また、銀ナノ粒子1と導電性フィラー2とを混合してなるこの複合金属微粒子材料全体の質量に対する、導電性フィラー2の質量%は、1質量%以上20質量%以下にすることが望ましい。これは換言すれば、銀ナノ粒子1と導電性フィラー2との質量%での比率(銀ナノ粒子1の質量%:導電性フィラー2の質量%)を、99:1〜80:20の範囲内の値にすることが望ましい、ということである。
これは、導電性フィラー2の質量%が1%未満になると、その導電性フィラー2同士の十分な接触を確保することが困難なものとなり、また焼結後にクラックや粒界の亀裂等が生じやすくなって、十分な導電性が得られなくなる虞が高くなるからである。また、導電性フィラー2の質量%が20%超になると、この複合金属微粒子材料全体における導電性フィラー2の体積比率も大きくなり過ぎて、低温・短時間での焼結が困難なものとなる虞が高くなるからである。
【0024】
このような本発明の実施の形態に係る複合金属微粒子材料では、例えば円柱状や多角柱状のような各種柱状や、板状(短冊状)、あるいは楕円体状、もしくは紡錘状などのような、非球状(長軸方向の長さと短軸方向の長さとを有する、いわゆる長細状のような形状)の金属微粒子からなる導電性フィラー2を、銀ナノ粒子1と混合するようにしており、その長細状のような非球状の金属微粒子からなる導電性フィラー2は、焼結した際に、粒子同士の物理的接触が点ではなく面で起こりやすいものであるため、接触面積を大きく取ることができる。これにより、焼結して得られた金属膜においては、電気的導通のための一繋がりの経路を形成できる確率が高くなる。また、そのように導電性フィラー2の表面における接触面積が大きいので、その導電性フィラー2と銀ナノ粒子1との融着も起こりやすくなる。これらの作用が相まって、本発明の実施の形態に係る複合金属微粒子材料によれば、例えば300℃以下あるいは200℃以下のような低温かつ10分以下のような短時間の焼結プロセスで、つまり極めて生産能率の高い焼結プロセスで以て、十分に良好な導電性を発現することが可能となるのである。
【0025】
そして、このような本発明の実施の形態に係る複合金属微粒子材料をノズルから所定の吐出速度で例えば絶縁性基板の表面上に吐出させながら所望の配線パターンを描いた後、例えば300℃・10分間の焼結を行うことで、その複合金属微粒子材料を焼結して形成された金属膜からなる、所望のパターンの配線パターンを得ることができる。
その焼結の際、金属膜には若干の体積収縮が生じるが、既述のように導電性フィラー2の接触面積が大きいことから、出来上がった金属膜の完全な断線は抑制ないしは回避される。その結果、低温かつ短時間での焼結でも、十分に良好な導電性を備えた金属膜を得ることが可能となるのである。
【0026】
その配線パターンを構成している金属膜の粒子構造は、図2に模式的に示したように、例えば多数の細長い円柱状の導電性フィラー2が、ほぼ同じ方向に揃って並び、その導電性フィラー2同士の間隙には銀ナノ粒子1(の溶融後の再凝固物3)が充填されたものと
なっている。ここで、図2では、図示の簡潔化を図るために、全ての導電性フィラー2の先端と後端とがそれぞれ規則正しく揃って並んでいるように描いてあるが、実際には、複数の各導電性フィラー2は、その長手方向に互いに前後してズレたような配置となる場合が殆どなのであり、また隣り合う導電性フィラー2同士が銀ナノ粒子1の溶融後の再凝固物3を介さずに直接に接触した状態となっている場合も多いのであり、それ故にこそ、その長手方向で一繋がりの電気的導通経路を成す確率が高くなるのである。
【0027】
また、配線パターンのような細線状のパターンをペースト材で描く場合、あるいはペースト材を例えば印刷法などによって基板上に所望の配線パターンとして塗布する場合、そのペースト材の吐出や塗布の際に掛かる流体力学的な力や表面張力等によって、そのペースト材中に分散されている非球体状の導電性フィラー2には、その長軸を配線パターンの長手方向に対して平行方向に揃えさせるような力が働く確率が高くなる傾向にある(より具体的には、例えば流体中における細長状の導電性フィラー2のいわゆる風見鶏効果的な挙動、つまり導電性フィラー2の長軸が流れの方向(つまり配線パターンの長手方向)に沿ってほぼ平行に揃うといった挙動等によって)。このため、配線パターンの長手方向に沿って導電性フィラー2が一繋がりの電気的導通経路を形成する確率がさらに高くなって、さらに確実に十分な導電性を確保することが可能となる、ということも考えられる。
また、本発明の実施の形態に係る複合金属微粒子材料および金属膜は、上記のような配線パターンを備えたプリント配線板だけでなく、電線ケーブルにも適用可能である。すなわち、電気導体線の外周に絶縁層が形成され、さらにその絶縁層の外周に、本発明の実施の形態に係る複合金属微粒子材料または金属膜からなる電気導体層が形成された電線ケーブルなども、本発明によれば提供可能である。あるいは、本発明の実施の形態に係る複合金属微粒子材料を電気導体線として用いてなる電線ケーブルなども、本発明によれば提供可能である。
【0028】
以上のように、本発明の実施の形態に係る複合金属微粒子材料、金属膜、プリント配線板ならびに電線ケーブル、および金属膜の製造方法によれば、銀(Ag)化合物、溶媒、還元剤、および分散剤を用いて合成された球状の銀ナノ粒子1に、非球状、つまり例えば柱状や板状あるいは楕円体状などのような長細状の金属微粒子からなる導電性フィラー2を混合して、複合金属微粒子材料を形成するようにしたので、その長細状のような非球状の金属微粒子からなる導電性フィラー2の備えている、焼結の際に金属微粒子同士の物理的接触が点ではなく長い面や線で起こりやすくなってその接触面積が大きくなるという特質によって、融点の上昇や融着力の低下等を引き起こすことなく、球状の銀ナノ粒子1の融点が極めて低いものとなることを利用して、低温・短時間での焼結で十分な導電性を発現することが可能となる。その結果、本発明による複合金属微粒子材料を用いて、例えば200℃〜300℃程度の低温、かつ10分間以下のような短時間の焼結プロセスで、つまり極めて高い生産能率を以て、十分な導電性を備えた金属膜を焼成することが可能となる。
【0029】
なお、本発明に係る複合金属微粒子材料は、上記の実施の形態で説明したような溶媒中に銀ナノ粒子1と導電性フィラー2とを分散させた状態の製品とすること以外にも、例えば銀ナノ粒子1と導電性フィラー2とを混合してなる粉末状にしたものを製品として取引されるようにしておき、ユーザーがこの製品を実際に使用する際に、そのときの用途に最も適合した溶媒を選択して、その溶媒中に本発明に係る複合金属微粒子材料を粉末状にした製品を分散させてペースト材を形成し、それを例えば基板上に塗布し焼結する、といった用法で用いられるように設定することなども可能であることは言うまでもない。
【実施例】
【0030】
<球状の銀ナノ粒子の製造>
上記の実施の形態で説明したような球状の銀ナノ粒子1を、2種類の仕様で製造(合成
)した。
【0031】
(1)第1の仕様
まず、100mLのナス型フラスコに、硝酸銀1.7g、トルエン45mL、トリエチルアミン1.0g、アスコルビン酸1.76gを加えた溶液を作った。そして、この溶液を撹絆しながら、110℃で1時間還流した。その後、溶液をメタノールで洗浄して、粉末を回収した。
得られた粉末のX線回折測定を行ったところ、fcc構造を有する金属銀(Ag)であることが確認された。また、粉末中の銀含有率は、約80質量%と算出された。
この粉末を、トルエン溶液に再分散させた分散溶液を作った。その分散溶液のプラズモン吸収を測定したところ、波長420nm付近で、銀ナノ粒子1に特有のプラズモン吸収を示すことが確認された。
そして、この粉末の粒度分布を測定したところ、平均粒子径は、約8nmであった。また、FE−SEMによっても、粒径約8nm程度の銀ナノ粒子1が観察された。
【0032】
ここで、X線回折測定には、粉末X線回折装;RINT2000(株式会社リガク製)を用いた。この粉末X線回折装置は、以降に説明する導電性フィラー2の製造の際などで金属成分の同定を行うことが必要な場合などにも用いた。
また、金属成分の含有率の測定には、示差熱熱重量同時測定装置;TG8120(株式会社リガク製)を用いた。この示差熱熱重量同時測定装置も、以降に説明する導電性フィラーの製造の際などで金属成分の含有率を測定する場合などにも用いた。
また、プラズモン吸収の測定には、紫外−可視吸光光度計;V−550(日本分光製)を用いた。なお、数nm〜100nm程度の大きさの銀ナノ粒子は一般に、局在表面プラズモン共鳴によって、波長420nm付近に吸収を持つことが知られている。
また、平均粒子径の測定には、レーザドップラー動的光散乱装置;UPA−EX150型(日機装製)およびFE−SEM;S−5000(日立製作所製)を用いた。そして、粒子の外形や粒径の概要の観察には、FE−SEM;S−5000(日立製作所製)を用いた。これらについても、以降に説明する導電性フィラー2の製造の際などにも用いた。
【0033】
(2)第2の仕様
まず、100mLのナス型フラスコに、酢酸銀1.65g、ヘキサン45mL、トリエチルアミン1.0g、アスコルビン酸1.76gを加えた溶液を作った。そして、この溶液を撹絆しながら、70℃で1時間還流した。その後、溶液をメタノールで洗浄して、粉末を回収した。
得られた粉末のX線回折測定を行ったところ、fcc構造を有する金属銀(Ag)であることが確認された。また、粉末中の銀含有率は、約85質量%と算出された。
この粉末を、トルエン溶液に再分散させた分散溶液を作った。その分散溶液のプラズモン吸収を測定したところ、波長420nm付近で、銀ナノ粒子1に特有のプラズモン吸収を示すことが確認された。
そして、粒度分布を測定したところ、平均粒子径は、約15nmであった。また、FE−SEMによっても、粒径約15nm程度の銀ナノ粒子1が予想通りの密度で分散して観察された。
【0034】
<非球状の導電性フィラーの製造>
上記の実施の形態で説明したような非球状の導電性フィラー2を、2種類の仕様で製造した。
【0035】
(1)第1の仕様
まず、100mLのナス型フラスコに、硝酸銀0.081g、エチレングリコール22.5mL、ポリビニルピロリドン(分子量=約10000g/mol)0.295g、核
剤として塩化白金酸六水和物0.60mgを加えた溶液を作った。そして、この溶液を撹絆しながら、198℃で約3分間還流した。その後、溶液を孔径2μmのフィルタによって濾過し、さらにメタノールで洗浄して、粉末を回収した。
得られた粉末のFE−SEMによる観察から、この粉末は、粒径(長軸の長さa)が50nm〜200nmの、柱状や板状の銀(Ag)微粒子からなる導電性フィラー2であることが確認された。
【0036】
(2)第2の仕様
まず、100mLのナス型フラスコに、塩化金酸四水和物0.020g、エチレングリコール20.0mL、ポリビニルピロリドン(分子量=約40000g/mol)0.577gを加えた溶液を作った。そして、この溶液を撹絆しながら、198℃で約5分間還流した。その後、溶液を孔径2μmのフィルタによって濾過し、さらにメタノールで洗浄して、粉末を回収した。
得られた粉末のFE−SEMによる観察から、この粉末は、粒径(長軸の長さa)が50nm〜100nmの、板状(短冊状)の金(Au)微粒子からなる導電性フィラー2であることが確認された。
【0037】
<金属膜の製造>
上記の実施の形態で説明したような銀ナノ粒子1と導電性フィラー2とを混合してなる複合金属微粒子材料を用いて金属膜を製造(焼成)した。
【0038】
(実施例1に係る金属膜)
上記の第1の仕様の銀ナノ粒子1と第1の仕様の導電性フィラー2とを混合して、第1の仕様の複合金属微粒子材料を作り、それをトルエン溶媒中に分散させて、実施例1に係るペーストとした。
そのペーストをスピンコート法によってガラス基板(図示省略)上に塗布した。そして、大気による焼成雰囲気中にて、200℃・10分間のプロセス条件設定で焼結を行った。その結果、得られた実施例1に係る金属膜は、バルク金属銀(Ag)の3倍という良好な比抵抗値を示すことが確認された。
【0039】
(実施例2に係る金属膜)
上記の第1の仕様の銀ナノ粒子1と第2の仕様の導電性フィラー2とを混合して、第2の仕様の複合金属微粒子材料を作り、それをトルエン溶媒中に分散させて、実施例2に係るペーストとした。
そのペーストをスピンコート法によってガラス基板(図示省略)上に塗布した。そして、大気による焼成雰囲気中にて、300℃・10分間のプロセス条件設定で焼結を行った。その結果、得られた実施例2に係る金属膜は、バルク金属銀(Ag)の5倍という良好な比抵抗値を示すことが確認された。
【0040】
(比較例1に係る金属膜)
上記の実施例1、2との比較対照のため、上記の第1の仕様の銀ナノ粒子1のみをトルエン溶媒中に分散させて、比較例1に係るペーストを作り、それを上記の実施例1と同様にガラス基板上に塗布し、200℃・10分間の条件で焼結して、比較例1に係る金属膜を得た。その結果、得られた比較例1に係る金属膜は、表面にクラックや粒界が多数見受けられるものとなっており、バルク金属銀(Ag)の20倍(実施例1に係る金属膜の約7倍)という、極めて高い比抵抗値を示した。この結果から、本発明の実施例1、2で用いたような本発明に係る導電性フィラー2を混合しないで、銀ナノ粒子1のみを用いた場合には、良好な導電性を得ることができなくなるということが確認された。
【0041】
(比較例2に係る金属膜)
上記の実施例1、2との比較対照のため、上記の第1の仕様の導電性フィラー2のみをトルエン溶媒中に分散させて、比較例2に係るペーストを作り、それを上記の実施例1と同様にガラス基板上に塗布し、200℃・10分間の条件で焼結して、比較例2に係る金属膜を得た。その結果、得られたこの比較例2に係る金属膜は、十分な融着が進行しておらず、バルク金属銀(Ag)の40倍(実施例1に係る金属膜の約13倍)という、極めて高い比抵抗値を示した。この結果から、本発明の実施例1、2で用いたような本発明に係る銀ナノ粒子1を混合しないで銀(Ag)からなる非球状の導電性フィラー2のみを用いた場合には、良好な導電性を得ることができなくなるということが確認された。
【0042】
(比較例3に係る金属膜)
上記の実施例1、2との比較対照のため、上記の第2の仕様の導電性フィラー2のみをトルエン溶媒中に分散させて、比較例3に係るペーストを作り、それを上記の実施例2と同様にガラス基板上に塗布し、300℃・10分間の条件で焼結して、比較例3に係る金属膜を得た。その結果、得られたこの比較例3に係る金属膜は、十分な融着が進行しておらず、バルク金属銀(Ag)の30倍(実施例1に係る金属膜の約10倍)という、極めて高い比抵抗値を示した。この結果から、本発明の実施例1、2で用いたような本発明に係る銀ナノ粒子1を混合しないで、金(Au)からなる非球状の導電性フィラー2のみを用い場合には、良好な導電性を得ることができなくなるということが確認された。
【0043】
(比較例4に係る金属膜)
上記の実施例1、2との比較対照のため、上記の第1の仕様の銀ナノ粒子1と、従来から市販・使用されている球状の導電性フィラー(平均粒径3〜4μmの球状の銀(Ag)ナノ粒子)とを混合し、それをトルエン溶媒中に分散させて、比較例4に係るペーストを作った。そしてそのペーストを、上記の実施例1と同様にガラス基板上に塗布し、200℃・10分間の条件で焼結して、比較例4に係る金属膜を得た。その結果、得られたこの比較例4に係る金属膜は、上記の比較例1、2、3に係る金属膜の場合よりは若干良好であったものの、バルク金属銀(Ag)の15倍(実施例1に係る金属膜の約5倍)という、極めて高い比抵抗値を示した。
【0044】
以上のような実施例に係る金属膜と比較例に係る金属膜との比較対照から、本発明によれば、従来技術では不可能であった、例えば200℃〜300℃程度の低温、かつ10分間以下のような短時間の焼結プロセスで、つまり極めて高い生産能率を以て、十分な導電性を備えた金属膜を焼成することが可能となることが確認できた。
【符号の説明】
【0045】
1 銀ナノ粒子
2 導電性フィラー
3 銀ナノ粒子の溶融後の再凝固物
a 導電性フィラーにおける長軸の長さ
b 導電性フィラーにおける短軸の長さ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
銀(Ag)化合物、溶媒、還元剤、および分散剤を用いて合成された球状の銀(Ag)ナノ粒子と、非球状の金属微粒子からなる導電性フィラーとを混合してなる
ことを特徴とする複合金属微粒子材料。
【請求項2】
請求項1記載の複合金属微粒子材料において、
前記非球状の金属微粒子からなる導電性フィラーは、当該金属微粒子における、長軸方向の長さと、それとは異なった短軸方向の長さとを有するものであり、当該長軸/短軸のアスペクト比が、4以上50以下である
ことを特徴とする複合金属微粒子材料。
【請求項3】
請求項2記載の複合金属微粒子材料において、
前記非球状の金属微粒子からなる導電性フィラーは、パラジウム(Pd)、プラチナ(Pt)、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)のうちの少なくともいずれか1種類の金属からなるものであり、かつ前記長軸の長さが10nm以上1000nm以下である
ことを特徴とする複合金属微粒子材料。
【請求項4】
請求項1ないし3のうちいずれか1つの項に記載の複合金属微粒子材料において、
前記銀(Ag)ナノ粒子と前記導電性フィラーとを混合してなる当該複合金属微粒子材料全体の質量に対する、前記導電性フィラーの質量%が、1質量%以上20質量%以下である
ことを特徴とする複合金属微粒子材料。
【請求項5】
請求項1ないし4のうちいずれか1つの項に記載の複合金属微粒子材料において、
前記銀(Ag)ナノ粒子が、銀(Ag)の、炭酸塩、硝酸塩、塩化物、酢酸塩、ギ酸塩、クエン酸塩、シュウ酸塩、炭素数4以下の脂肪酸塩、または銀(Ag)錯体のうちの少なくともいずれか1種類を、前記銀(Ag)化合物として用いて合成されたものである
ことを特徴とする複合金属微粒子材料。
【請求項6】
請求項1ないし5のうちいずれか1つの項に記載の複合金属微粒子材料において、
前記銀(Ag)ナノ粒子が、アルコール類、アルデヒド類、アミン類、単糖類、多糖類、直鎖の炭化水素類、脂肪酸類、芳香族類のうちの少なくともいずれか1種類を、前記溶媒として用いて合成されたものである
ことを特徴とする複合金属微粒子材料。
【請求項7】
請求項1ないし6のうちいずれか1つの項に記載の複合金属微粒子材料において、
前記銀(Ag)ナノ粒子が、アルコール類、アルデヒド類、アミン類、水酸化リチウムアルミニウム、チオ硫酸ナトリウム、過酸化水素、硫化水素、ボラン、ジボラン、ヒドラジン、ヨウ化カリウム、クエン酸、シュウ酸、アスコルビン酸のうちの少なくともいずれか1種類を、前記還元剤として用いて合成されたものである
ことを特徴とする複合金属微粒子材料。
【請求項8】
請求項1ないし7のうちいずれか1つの項に記載の複合金属微粒子材料において、
前記銀(Ag)ナノ粒子が、チオール基(−SH)、アミン基(−NH)のうちの少なくともいずれか1種類を有する化合物を、前記分散剤として用いて合成されたものである
ことを特徴とする複合金属微粒子材料。
【請求項9】
請求項1ないし8のうちいずれか1つの項に記載の複合金属微粒子材料を基板表面に塗布し、焼結してなる
ことを特徴とする金属膜。
【請求項10】
請求項9記載の金属膜からなる配線パターンを備えた
ことを特徴とするプリント配線板。
【請求項11】
請求項1ないし8のうちいずれか1つの項に記載の複合金属微粒子材料を焼結して形成された金属膜からなる電気導体層および/または請求項1ないし8のうちいずれか1つの項に記載の複合金属微粒子材料を焼結して形成された金属線からなる電気導体線を備えたことを特徴とする電線ケーブル。
【請求項12】
銀(Ag)化合物、溶媒、還元剤、および分散剤を用いて合成された球状の銀(Ag)ナノ粒子と、非球状の金属微粒子からなる導電性フィラーとを混合してなる複合金属微粒子材料を、基板の表面に塗布する工程と、
前記基板の表面に前記複合金属微粒子材料を塗布した状態で、焼結炉の温度・時間条件を300℃以下・10分間以下に設定して焼結を行う工程と
を含むことを特徴とする金属膜の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−38141(P2011−38141A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−185467(P2009−185467)
【出願日】平成21年8月10日(2009.8.10)
【出願人】(000005120)日立電線株式会社 (3,358)
【Fターム(参考)】