説明

複数モータの駆動制御装置および画像形成装置

【課題】 電源容量を増大せずに、複数電気モータを安定して分散起動。機構駆動開始から定常運転までの待ち時間を短縮。起動過負荷を生じない信頼性が高い起動タイミングで複数電気モータを順次起動。
【解決手段】 第1モータ21を起動すると計時を開始し、モータ電流の、ピーク値Ap1,平均値Am1又は標準偏差値As1を、それが設定値Apt1,Amt1,Ast1以下に低下するまで繰り返し検出し、起動開始から、前記の低下を検出するまでの経過時間RMt1を計測する手段38:図4上の6;経過時間RMt1に対応する、第1モータの起動開始から、第2モータ22の起動開始までの遅延時間RRt1を設定する手段38;および、第1モータを起動し、それから遅延時間RRt1の経過後に第2モータを起動する起動制御手段(38);を備える。第1,第2モータはブラシレスモータ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数電気モータの駆動制御装置、特に複数の電気モータの起動による電源過負荷を防止するための、複数モータの順次起動制御装置、に関し、これに限定する意図ではないが本発明は例えば、複数の電気モータで作像機構を分担駆動する、プリンタ,複写機,ファクシミリ等の画像形成装置に用いることが出来る。
【背景技術】
【0002】
【特許文献1】特開2004−138840号公報
【特許文献2】特開2004−343892号公報
【特許文献3】特開2005−300868号公報。
【0003】
複数の作像ユニットを備える画像形成装置、たとえばブラック作像ユニット,マゼンタ作像ユニット,シアン作像ユニットおよびイエロー作像ユニットをこの順に、中間転写ベルトに沿ってその移動方向の上流側から配置したタンデム方式のカラー複写機では、駆動すべき機械負荷が多いので、複数の電気モータが用いられることが多い(たとえば特許文献1〜3)。電気モータの機構駆動による作動音および電力消費を低減するために、作像ユニットおよび中間転写ベルトをそれぞれ別個のDCブラシレスモータで駆動することが提示されている(特許文献3)。
【0004】
複数の電気モータで機械負荷の駆動を分担する場合でも、画像形成装置の起動時に実質的に同時に電気モータを起動すると、個別の電気モータでも起動電流値が高いので、装置の起動の負荷電流が極めて大きくなり、電源に対して異常負荷となり、電源が自動遮断してしまうことがある。これを回避し、円滑に起動するために、各電気モータの起動タイミングをずらして、集中する起動電流を時系列で分散することが行われている。しかし、機構の駆動を開始してから、印刷を開始するまでの待ち時間が増大してしまう。引用文献1は、各電気モータの起動電流値を計測して、メモリに記憶し、電源の給電容量以下に起動電流が収まるように、各電気モータの起動タイミングを個別に定める起動制御が開示されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、メモリに記憶した電流値に基づいて起動タイミングを定めるので、タイミングの決定が複雑になる。しかも、静電写真方式の画像形成装置の電気モータ負荷は変動が頻繁である。たとえば、画像形成装置の機内温度の変動範囲は広く、機械負荷が温度によって変動する。この温度変化による負荷変動は運動機構の膨張,収縮による摩擦抵抗の変化ばかりでなく、静電潜像を形成しトナーで現像する電子写真方式の画像形成装置では、現像器駆動負荷や定着器駆動負荷が変動する。たとえば、温度,湿度の変化によりトナーの流動性が変化し、また、現像器のトナー残量の変動により搬送攪拌スクリューの回転負荷が変動する。定着器では、定着ローラ温度(定着温度)の変化幅が広く、定着温度による始動負荷のバラツキが大きい。したがって、メモリに記憶した電流値に基づいてどのようにして、起動過負荷を生じない信頼性が高い起動タイミングを設定するかの問題がある。
【0006】
本発明は、電源容量を格別に増大することなく、複数の電気モータの安定した起動負荷分散を実現することを第1の目的とし、機構駆動開始から定常運転になるまでの待ち時間を短縮することを第2の目的とし、起動過負荷を生じない信頼性が高い起動タイミングで複数電気モータの順次起動を行うことを第3の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)第1電気モータ(21)を起動すると計時を開始し、第1電気モータ(21)のモータ電流の、設定時間(Tm)内のピーク値(Ap1)を、ピーク値(Ap1)が設定値(Apt1)以下に低下するまで繰り返し検出し、前記起動開始から、前記ピーク値の設定値以下への低下を検出するまでの経過時間(RMt1)を計測する手段(38:図4上の6);
前記経過時間(RMt1)に対応する、第1電気モータ(21)の起動開始から、第2電気モータ(22)の起動開始までの遅延時間(RRt1)を設定する手段(38);および、
第1電気モータ(21)を起動し、その起動開始から前記遅延時間(RRt1)の経過後に第2電気モータ(22)を起動する起動制御手段(38);
を備える複数モータの駆動制御装置。
【0008】
なお、理解を容易にするために括弧内には、図面に示し後述する実施例の対応要素又は対応事項の符号を、例示として参考までに付記した。以下も同様である。
【0009】
(2)第1電気モータ(21)を起動すると計時を開始し、第1電気モータ(21)のモータ電流の、設定期間(Nt)の平均値(Am1)を、平均値(Am1)が設定値(Amt1)以下に低下するまで繰り返し検出し、前記起動開始から、前記平均値の設定値以下への低下を検出するまでの経過時間(RMt1)を計測する手段(38:図7上の6a);
前記経過時間(RMt1)に対応する、第1電気モータ(21)の起動開始から、第2電気モータ(22)の起動開始までの遅延時間(RRt1)を設定する手段(38);および、
第1電気モータ(21)を起動し、その起動開始から前記遅延時間(RRt1)の経過後に第2電気モータ(22)を起動する起動制御手段(38);
を備える複数モータの駆動制御装置。
【0010】
(3)第1電気モータ(21)を起動すると計時を開始し、第1電気モータ(21)のモータ電流の、設定期間(Nt)の標準偏差値(As1)を、標準偏差値(As1)が設定値(Ast1)以下に低下するまで繰り返し検出し、前記起動開始から、前記標準偏差値の設定値以下への低下を検出するまでの経過時間(RMt1)を計測する手段(38:図8上の6b);
前記経過時間(RMt1)に対応する、第1電気モータ(21)の起動開始から、第2電気モータ(22)の起動開始までの遅延時間(RRt1)を設定する手段(38);および、
第1電気モータ(21)を起動し、その起動開始から前記遅延時間(RRt1)の経過後に第2電気モータ(22)を起動する起動制御手段(38);
を備える複数モータの駆動制御装置。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、第1電気モータ(21)を起動すると計時を開始し、モータ電流のピーク値(Ap1),平均値(Am1)又は標準偏差値(As1)が設定値以下に低下するまでの経過時間(RMt1)を計測し、該経過時間(RMt1)に対応する、第1電気モータ(21)の起動開始から、第2電気モータ(22)の起動開始までの遅延時間(RRt1)を設定し、第1電気モータ(21)の起動開始から該遅延時間(RRt1)の経過後に第2電気モータ(22)を起動するので、起動タイミングの設定が簡易であり確実である。電源容量を格別に増大することなく、複数の電気モータの安定した起動負荷分散を実現することが出来る。機構駆動開始から定常運転になるまでの待ち時間を短縮することができる。起動過負荷を生じない信頼性が高い起動タイミングで複数電気モータの順次起動を行うことが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
(4)前記経過時間(RMt1)を計測する手段は、第1電気モータ(21)の回転速度が設定値(Vt1)に達したときに、前記繰り返し検出を開始する(図4上の8);上記(1)乃至(3)のいずれか1つに記載の複数モータの駆動制御装置。
【0013】
(5)前記経過時間(RMt1)を計測する手段は、第1電気モータ(21)の回転速度が設定値(Vt1)に達したときにOFFからONに切換わるロック信号の、該切換わりに応答して前記繰り返し検出を開始する(図4上の8);上記(4)に記載の複数モータの駆動制御装置。
【0014】
(6)前記遅延時間(RRt1)を設定する手段(38)は、第1電気モータ(21)の隣接する複数(j)回の経過時間(RMt1)の平均値を前記遅延時間(RRt1)に設定する(図4上の20);上記(1)乃至(5)のいずれか1つに記載の複数モータの駆動制御装置。
【0015】
(7)前記遅延時間(RRt1)を設定する手段(38)は、計測した経過時間(RMt1)と不揮発保持する遅延時間(RRt1)との重み付け平均値を算出して該重み付け平均値に、前記不揮発保持する遅延時間(RRt1)を更新する(図9上の20a);上記(1)乃至(5)のいずれか1つに記載の複数モータの駆動制御装置。
【0016】
(8)前記遅延時間(RRt1)を設定する手段(38)は、第1電気モータ(21)の隣接する複数(j)回の経過時間(RMt1)の最大値を前記遅延時間(RRt1)に設定する(図10上の20b);上記(1)乃至(5)のいずれか1つに記載の複数モータの駆動制御装置。
【0017】
(9)前記遅延時間(RRt1)を設定する手段(38)は、計測した経過時間(RMt1)が不揮発保持する遅延時間(RRt1)より長いと該経過時間(RMt1)に、前記不揮発保持する遅延時間(RRt1)を更新する(図11上の20c);上記(1)乃至(5)のいずれか1つに記載の複数モータの駆動制御装置。
【0018】
(10)前記経過時間(RMt1)を計測する手段は更に、前記経過時間(RMt1)の計測と同様に第2電気モータ(22)の経過時間(RMt2)を計測し;前記遅延時間(RRt1)を設定する手段は更に、前記遅延時間(RRt1)の設定と同様に第2電気モータ(22)の起動開始からの遅延時間(RRt2)を設定する;上記(1)乃至(9)のいずれか1つに記載の複数モータの駆動制御装置。
【0019】
(11)前記経過時間(RMt1)を計測する手段は更に、前記経過時間(RMt1)の計測と同様に第3電気モータ(23)の経過時間(RMt3)を計測し;前記遅延時間(RRt1)を設定する手段は更に、前記遅延時間(RRt1)の設定と同様に第3電気モータ(23)の起動開始からの遅延時間(RRt3)を設定し;前記起動制御手段(38)が、第2電気モータ(22)の起動開始からの前記遅延時間(RRt2)の経過後に第3電気モータ(23)を起動する;上記(10)に記載の複数モータの駆動制御装置。
【0020】
(12)回転する感光体(5),該感光体を帯電する帯電手段(6),該感光体の静電潜像をトナー像に顕像化する現像手段(7)および転写手段(8)を組合せた複数の作像ユニットが、転写ベルト(3)のベルト面に沿って配置され、前記感光体(5)の帯電面を露光して前記静電潜像を形成する露光手段(10)および前記トナー像が転写された用紙を定着処理する定着器(17)が備わる画像形成装置であって、
前記定着器(17),前記転写ベルト(3)、および、前記複数の作像ユニットのうち少なくとも1つ、を駆動する第1電気モータ(21);
前記複数の作像ユニットのうち、第1電気モータ(21)で駆動される前記作像ユニットを除くものを駆動する第2電気モータ(22);および、
上記(1)乃至(8)のいずれか1つに記載の複数モータの駆動制御装置(38);
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【0021】
(13)前記第1電気モータ(21)で駆動される作像ユニットはブラック作像ユニットであり、前記第2電気モータ(22)で駆動される作像ユニットはマゼンタ,シアンおよびイエロー各色作像ユニットであり;前記駆動制御装置(38)は、モノクロ印刷指示があると第1電気モータ(21)のみを駆動し、カラー印刷指示があると、第1電気モータ(21)を駆動しその起動開始から第2電気モータ(22)の前記遅延時間(RRt1)の経過後に第2電気モータ(22)を駆動する;上記(12)に記載の画像形成装置。
【0022】
(14)第1電気モータ(21)はブラシレスモータである;上記(12)又は請求項(13)に記載の画像形成装置。
【0023】
(15)回転する感光体(5),該感光体を帯電する帯電手段(6),該感光体の静電潜像をトナー像に顕像化する現像手段(7)および転写手段(8)を組合わせた、ブラック作像ユニット、ならびに、マゼンタ,シアンおよびイエロー各色作像ユニットが、転写ベルト(3)のベルト面に沿って配置され、前記感光体(5)の帯電面を露光して前記静電潜像を形成する露光手段(10)および前記トナー像が転写された用紙を定着処理する定着器(17)が備わる画像形成装置であって、
前記ブラック作像ユニット(4k)および前記転写ベルト(3)を駆動する第1電気モータ(21);
前記各色作像ユニット(4m,4c,4y)を駆動する第2電気モータ(22);
前記定着器(17)を駆動する第3電気モータ(23);および
上記(11)に記載の複数モータの駆動制御装置;
を備える画像形成装置。
【0024】
(16)前記起動制御手段(38)は、カラー印刷指示に応答して最初に第3電気モータ(23)を起動し、該起動を開始してから、第3電気モータ(23)の起動開始からの前記遅延時間(RRt3)の経過後に第1電気モータ(21)を起動し、該起動を開始してから、第1電気モータ(21)の起動開始からの前記遅延時間(RRt1)の経過後に第2電気モータ(22)を起動し、モノクロ印刷指示に応答して最初に第1電気モータ(21)を起動し、該起動を開始してから、第1電気モータ(21)の起動開始からの前記遅延時間(RRt1)の経過後に第3電気モータ(23)を起動する;上記(15)に記載の画像形成装置。
【0025】
(17)第1および第2電気モータはブラシレスモータである;上記(12)乃至(16)のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【0026】
(18)回転する感光体(5),該感光体を帯電する帯電手段(6),該感光体の静電潜像をトナー像に顕像化する現像手段(7)および転写手段(8)を組合わせた、ブラック作像ユニット、ならびに、マゼンタ,シアンおよびイエロー各色作像ユニットが、転写ベルト(3)のベルト面に沿って配置され;前記感光体(5)の帯電面を露光して前記静電潜像を形成する露光手段(10),前記トナー像が転写された用紙を定着処理する定着器(17),該定着器の定着温度を検出する定着温度検出手段(39)、および、元電源スイッチのオン直後に、画像形成装置各部に動作電圧が加わる動作モードを設定し、印刷指示なしが設定時間継続すると電力消費量が大きい回路部への給電を停止する省エネモードを設定し該省エネモードにあるとき印刷指示があると前記動作モードを設定する省エネ制御手段(33)、が備わる画像形成装置において、
前記ブラック作像ユニットおよび前記転写ベルト(3)を駆動する第1電気モータ(21);
前記各色作像ユニットを駆動する第2電気モータ(22);
前記定着器(17)を駆動する第3電気モータ(23);
上記(11)に記載の複数モータの駆動制御装置;
前記元電源スイッチのオンによる画像形成装置の起動時には、前記定着温度が設定値未満であると、最初に第1電気モータを起動し、該起動を開始してから、第1電気モータ(21)の起動開始からの前記遅延時間(RRt1)の経過後に第2電気モータを起動し、該起動を開始してから、第2電気モータ(22)の起動開始からの前記遅延時間(RRt2)の経過後に第3電気モータを起動し、前記定着温度が設定値以上であったときには、最初に第3電気モータを起動し、第3電気モータ(23)の起動開始からの前記遅延時間(RRt3)の経過後に第1電気モータを起動し、第1電気モータ(21)の起動開始からの前記遅延時間(RRt1)の経過後に第2電気モータを起動する、主電源投入時起動制御手段(38);および、
省エネモードでの印刷指示に応答して動作モードが設定されたときは、カラー印刷指示であると最初に第3電気モータを起動し、第3電気モータ(23)の起動開始からの前記遅延時間(RRt3)の経過後に第1電気モータを起動し、第1電気モータ(21)の起動開始からの前記遅延時間(RRt1)の経過後に第3電気モータを起動し、モノクロ印刷指示であると最初に第1電気モータを起動し、該起動を開始してから、第1電気モータ(21)の起動開始からの前記遅延時間(RRt1)の経過後に第3電気モータを起動する復帰時起動制御手段(38);
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【0027】
(19)第1,第2および第3電気モータはそれぞれ、ブラシレスモータである;上記(18)に記載の画像形成装置。
【0028】
本発明の他の目的および特徴は、図面を参照した以下の実施例の説明より明らかになろう。
【実施例1】
【0029】
図1に、本発明の第1実施例であるレーザプリンタPTRの作像機構の概要を示す。1および2は転写ベルト3を張架した駆動ローラおよびテンションローラである。作像機構は、公知のカラー電子写真形成プロセス要素を備えており、K(ブラック),C(シアン),M(マゼンタ)およびY(イエロー)の各色印刷用の作像ユニット4k〜4yを備えている。各作像ユニットは、ドラム状の感光体5の周囲に、帯電ローラ6,トナー現像器7およびクリーナを配設したものであり、これらの作像ユニット4k〜4yが、転写ベルト3の移動方向y(副走査方向)に沿って所定ピッチでタンデムに配設されている。作像ユニット4k〜4yの上方にはレーザ走査器10があり、各色画像露光用の、画像データで変調された各レーザ光を、帯電ローラ6で荷電された各感光体ドラム5に投射しかつ転写ベルト3の移動方向yに直交する主走査方向xに繰り返し走査する。これにより感光体ドラム5に静電潜像が形成される。静電潜像は現像器7でトナー像に顕像化される。ブラックの現像器7でブラックのトナー画像を転写された中間転写ベルト3は、カラー印刷要求がされた場合は、つぎの作像ユニット4mに搬送される。作像ユニット4mでは、作像ユニット4kでの画像形成プロセスと同様のプロセスにより感光体5m上にマゼンタのトナー画像が形成され、そのトナー画像が中間転写ベルト3上に形成されたブラックの画像に重畳されて転写される。
【0030】
中間転写ベルト3は、さらにつぎの作像ユニット4c,4yに搬送され、同様の動作により、感光体5c上に形成されたシアンのトナー画像と、感光体5y上に形成されたイエローのトナー画像とが、中間転写ベルト3上に重畳されて転写される。こうして、中間転写ベルト3上にフルカラーの画像が形成される。このフルカラーの重ね画像が形成された中間転写ベルト3は、2次転写ローラ11の位置まで搬送され、中間転写ベルト3上のフルカラーの画像は、用紙に転写される。中間転写ベルト3は、トナー画像の転写が終了した後、用紙に転写されずに残留した不要なトナーが、駆動ローラ1の近くにあるクリーニング装置により取り除かれ、つぎの画像形成のために待機する。
【0031】
定着器17は、用紙に転写されたトナー画像を熱融着し、トナー画像を用紙に固着する。定着器17の定着ローラの内部にヒータがあり、これが図示しない定着ヒータドライバによって通電されて発熱し定着ローラを加熱する。定着器17を通過した用紙は、排紙路18を通って排紙ローラ19で排紙口Poutの外の、排紙トレイ19上に送り出される。
【0032】
なお画像形成に際して、ブラックのみの印刷(モノクロ印刷)の場合は感光体5m、感光体5c、感光体5yは、中間転写ベルト3から離間された位置に退避し、前述の画像形成プロセスをブラックの場合のみおこなう。
【0033】
図2に、図1に示す、定着器17,給紙ローラ13,中間転写ベルト3および作像ユニット4k〜4yの駆動源を示す。本実施例のプリンタPTRにおいては、給紙ローラ13,定着器17,作像ユニット4k、および、中間転写ベルト3を支持する駆動ローラ1、を駆動するための第1電気モータ21と、第1電気モータ21で駆動される作像ユニット4k以外の作像ユニット(図2においては、4m,4c,4y)を駆動するための第2電気モータ22と、を備えている。なお、給紙ローラ13は、給紙時のみクラッチを介して第1電気モータに連結されるので、第1電気モータ起動時は駆動されず、第1電気モータ21の起動負荷とはならない。第1および第2電気モータ21,22はブラシレスモータである。
【0034】
図3に、図1に示すプリンタPTRの画像処理システムの概要を示す。通信インターフェース31を介して、直結パソコンPC、あるいは、LAN,イーサネット(登録商標)その他のネットワークに接続したパソコンPCから、プリンタコントローラ33に印刷コマンドが与えられる。印刷コマンドは、用紙サイズ,カラー印刷/モノクロ印刷およびその他の印刷条件ならびに書画情報を含む。
【0035】
プリンタコントローラ33は、受信した印刷コマンドの書画情報は、イメージデータに展開して画像処理34に出力する。画像処理34は、イメージデータを、図1に示す作像機構による印刷に適合する各色画像データに変換して、プロセスコントローラ38の作像プロセス制御にしたがって書込みI/F35に出力する。書込みI/F35は各色画像データに従って、レーザ走査器10の各色記録用のレーザダイオードを点灯(ON/OFF)駆動あるいは変調駆動する。
【0036】
図1のプリンタPTRの機構にあるアクチュエータ(電気モータ,ソレノイド)は、図3に示す「機構ドライバ&センサ」のブロック39のドライバに接続されている。プリンタPTRの機構にある、定着ローラの温度を検出する定着温度センサおよび他の各種センサは、それらの信号を処理する検出回路と共に、ブロック39にある。上記ドライバおよび検出回路は、入出力インターフェース37に接続されており、プロセスコントローラ38は、入出力インターフェース37を介して、各種センサの検出信号を読み込み、また、入出力インターフェース37を介して作像ユニット36のアクチュエータを駆動する。また、入出力インターフェース37を介して画像処理34および書込みI/F35の動作タイミングおよび信号入出力タイミングを制御する。
【0037】
第1電気モータ21および第2電気モータ22を駆動付勢するモータドライバはそれぞれ、モータ電流検出回路を持っており、図3に示す「機構ドライバ&センサ」のブロック39にある。該モータ電流検出回路の電流検出信号は、図3に示す「入出力インターフェース」37にあるピークホールド回路に出力される。プロセスコントローラ38は、第1電気モータ21の電流最大値を入手するときには、該ピークホールド回路をON(保持信号をピーク値に更新する動作状態)にして、それから設定時間Tmの経過後にOFF(保持状態)にして保持信号(レベル)をA/D変換して読み込む。そして該ピークホールド回路をリセット(保持信号の消去:保持レベルの初期化)する。
【0038】
プリンタコントローラ33には、CPU,ROM,RAMおよびインターフェースを主体とするコンピュータシステムであって、更に、書画情報を記録するメモリ装置および各種データを保持するための不揮発RAMを備えている。不揮発RAMのデータ群には、作像機構制御でプロセスコントローラ38が参照するデータも含まれる。元電源スイッチのオン(接)により、あるいは「省エネモード」からの復帰により、作像のための動作電圧が各部に印加される「動作モード」が、プリンタコントローラ33によってプリンタPTRに設定されると、プロセスコントローラ38に動作電圧が加わっていないときにも不揮発保持しなければならない、作像機構制御でプロセスコントローラ38が参照するデータが、プリンタコントローラ33の不揮発RAMから読み出されて、プロセスコントローラ38のRAMに書き込まれる。該RAMの各データの書き込み領域を個別にレジスタと言う。該レジスタの、データは、不揮発保持しなければならないデータは、「動作モード」から「省エネモード」に切り替わるときに、プロセスコントローラ38の不揮発RAMに上書きされ、プリンタPTRが「省エネモード」の間ならびに元電源スイッチがオフ(断)の間不揮発RAMで保持される。
【0039】
図4および図5に、プリンタコントローラ33がプロセスコントローラ38を用いて実行するプリンタ制御の概要を示す。図示しない元電源スイッチが投入されてプリンタPTRに動作電圧が給電されると、コントローラ33は、自身をリセットしてからプリンタ各部を初期状態に設定し(ステップ1,2)、各部に作像動作に必要な動作電圧を印加する「動作モード」に、電源回路を設定して、時限値がTd1のタイマTd1をスタートする(ステップ3)。以下においては、括弧内には、ステップという語を省略して、ステップ番号のみを記す。
【0040】
つぎにプロセスコントローラ38は、図示しない定着ヒータドライバに、定着温度を目標温度とする温度制御の開始を指示し(4)、第1電気モータ21の駆動を、入出力インターフェース37を介して、ブロック39にある第1電気モータ21用のモータドライバに指示して(5)、「第1電気モータ21の起動時間RMt1の計測」(6)を実行する。
【0041】
すなわち、計時t(経過時間tの計測)を開始して(7)、LOCK(ロック)信号がONになるのを待つ(8)。ここでロック信号とは、第1電気モータ21用のモータドライバが発生する信号であって、第1電気モータ21の回転速度が目標速度前後の設定速度である閾値Vt1に達したときに、オフ(OFF:この実施例では高レベルH)からオン(ON:L)に切換わる速度検出信号であり、該モータドライバは、ロック信号がオフからオンに切換わると、第1電気モータ21の駆動付勢を、モータ速度を上げる起動モードから、目標速度に安定化する定速制御モードに切換える。該モータドライバがPLL制御を採用したモータ駆動制御を行うものであるときには、目標速度を指定するパルス(指速パルス)に対して、第1電気モータ21の回転速度に比例する速度検出パルス(フィードバックパルス)の周波数が略同一周波数となりしかも所定の位相差範囲内になると、ロック信号がオフからオンに切換わる。このとき第1電気モータ21の回転速度が目標速度(設定速度である閾値Vt1)と略同一である。PLL制御を採用しないフィードバック制御の場合は、モータ速度のオーバシュートを小さくするために、第1電気モータ21の回転速度を表す回転速度信号が目標速度よりわずかに低い設定速度である閾値Vt1に達するとロック信号がオフからオンに切換わり、これに応答してモータドライバが起動モードから定速制御モードに切換わる。
【0042】
ロック信号がオンに切換わると、プロセスコントローラ38は、上記モータドライバにあるモータ電流検出回路に接続した、入出力インターフェース37にあるピークホールド回路をON(保持信号をピーク値に更新する動作状態)にして(9)、それから設定時間Tmの経過後にOFF(保持状態)にし(10〜12)、そして保持信号(レベル)すなわちピーク値Ap1をA/D変換して読み込む(13)。そして該ピークホールド回路をリセット(保持信号の消去:保持レベルの初期化)する(14)。そして、ピーク値Ap1が、定常の定速回転時のモータ電流より少し高い閾値(設定値)Apt1以下でないと、また設定時間Tmの間のピーク値検出を行う(15,9〜14)。ピーク値Ap1が閾値Apt1以下になるとレジスタRMt1に、その時点の計時値tを書き込む(15,16)。
【0043】
図6に、上述の、第1電気モータ21の電流推移,ロック(LOCK)信号の切換わりおよびピーク値検出期間Tmの関係を示す。図6は、ロック信号がオフからオンに切換わってから、3Tmの間にモータ電流のピーク値Ap1が閾値Apt1以下になったことを示している。
【0044】
図4を再度参照する。次にプロセスコントローラ38は、計時値tが、レジスタRRt1の、第1電気モータ21の起動時間RRt1(起動の次に起動する第2電気モータ22の起動遅延タイミング値)に達しているか判定して、達していないとRRt1になるのを待って(17)、RRt1に達すると、第2電気モータ22の駆動を、入出力インターフェース37を介して、ブロック39にある第2電気モータ22用のモータドライバに指示して(18)、「第2電気モータ22の起動時間RMt2の計測」(19)を実行する。この内容は前述の「第1電気モータ21の起動時間RMt1の計測」(6)の内容と同様であり、第2電気モータ22の起動を開始してから、第2電気モータ22のモータ電流のピーク値Ap2が閾値Apt2以下になるまでの経過時間tを、レジスタRMt1に書き込む。
【0045】
上述の「第2電気モータ22の起動時間RMt2の計測」(19)での、ロック信号がオフからオンに切換わるのを待っている間に(ステップ8に相当するステップで)、プロセスコントローラ38は、を実行する。図4上には、「RRt1の更新」(20)を「第2電気モータ22の起動時間RMt2の計測」(19)の次に示した。
【0046】
「RRt1の更新」(20)でプロセスコントローラ38は、その内部のRAMの一領域に割り付けた、複数j個のデータを読み書きするためのRMt1メモリのアドレス2〜jのデータをアドレス1〜(j−1)に移す、データのアドレスシフトをして(21)、空けたアドレスjに前述の「第1電気モータ21の起動時間RMt1の計測」(6)で得た起動時間RMt1(レジスタRMt1のデータ)を書き込む(22)。そしてアドレス1〜jのデータの平均値を算出して、レジスタRRt1に上書きする(23)。上述のRMt1メモリの1〜jのデータおよびレジスタRRt1のデータは、不揮発保持されるものである。
【0047】
「第2電気モータ22の起動時間RMt2の計測」(19)で、第2電気モータ22の起動時間RRt2を計測してレジスタRRt2に書き込むと、プロセスコントローラ38は、第2電気モータ22を起動してからの計時値tが、レジスタRRt2の、第2電気モータ21の起動時間(作像開始遅延時間)RRt2に達しているか判定して、達していないとRRt2になるのを待って(24)、RRt2に達すると、「RRt2の更新」(25)を実行して、省エネモード移行タイミングを計るタイマTd1をスタートして(26)、「入力読み取り」(27)に進む。
【0048】
「RRt2の更新」(25)の内容は、「RRt1の更新」(20)の内容と同様であり、RMt2メモリのアドレス2〜jのデータをアドレス1〜(j−1)に移す、データのアドレスシフトをして、空けたアドレスjに前述の「第2電気モータ22の起動時間RMt2の計測」(19)で得た起動時間RMt2(レジスタRMt2のデータ)を書き込み、そしてアドレス1〜jのデータの平均値を算出して、レジスタPRt2に上書きするものである。上述のRMt2メモリの1〜jのデータおよびレジスタRRt2のデータも、不揮発保持されるものである。
【0049】
図5を参照する。「入力読み取り」(27)で印刷指示を待っている間、印刷指示がなくタイマTd1がタイムオーバすると、プリンタコントローラ33は、印刷指示およびその他のプリンタ使用をうかがわせる入力を検知する復帰入力検知回路を除いて、待機中も電力消費がある電気回路への給電を停止する「省エネモード」に、電源回路を設定する(27−28−32−36−37)。
【0050】
しかし「動作モード」であって「入力読み取り」(27)でカラー印刷指示が到来すると、プリンタコントローラ33は、プロセスコントローラ38と共同でカラー印刷を行いタイマTd1を再スタートする(28〜31)。モノクロ印刷指示が到来した場合には、モノクロ印刷を行いタイマTd1を再スタートする(32〜35)。
【0051】
前述の「省エネモード」の設定中に印刷指示が到来すると、復帰入力検知回路が電源回路のプリンタコントローラ33を起動する給電ラインをオンにする。これによりプリンタコントローラ33が動作を開始して、電源回路を「動作モード」に設定する(38,39)。
【0052】
「動作モード」に切り替わるとプロセスコントローラ38が定着ヒータドライバに定着温度制御の開始を指示し(40)、第1電気モータ21の駆動を、第1電気モータ21用のモータドライバに指示して(41)、「第1電気モータ21の起動時間RMt1の計測」(42)を実行する。この内容は、「第1電気モータ21の起動時間RMt1の計測」(6)と同一である。つぎにプロセスコントローラ38は、今回の第1電気モータ21の起動からの計時値tが、レジスタRRt1の、起動時間RRt1に達しているか判定して、達していないとRRt1になるのを待って(43)、RRt1に達すると、「RRt1の更新」(44)を実行する。この内容は、前述の「RRt1の更新」(20)と同一である。
【0053】
次に、印刷指示の内容に応じて(45)、カラー印刷指示であると、第2電気モータ22の駆動を、第2電気モータ22用のモータドライバに指示して(46)、「第2電気モータ22の起動時間RMt2の計測」(47)を実行する。この内容は、「第2電気モータ22の起動時間RMt2の計測」(19)と同一である。つぎにプロセスコントローラ38は、今回の第2電気モータ22の起動からの計時値tが、レジスタRRt2の、起動時間RRt2に達しているか判定して、達していないとRRt2になるのを待って(48)、RRt1に達すると、「RRt2の更新」(49)を実行し、そしてカラー印刷を実行する(49−29〜31)。「RRt2の更新」(49)の内容は、「RRt2の更新」(25)と同一である。印刷指示がモノクロ印刷指示であった場合には、第2電気モータ22を駆動することなく、モノクロ印刷を実行する(45−33〜35)。
【0054】
以上に説明した第1実施例では、第1電気モータ21の起動開始時に計時tを開始して、モータの回転速度が設定値Vt1に達したときのロック信号のオンからオフへの切換わりの後、モータ電流のピーク値Ap1が設定値Apt1以下になるまでの計時値tを、第1電気モータ21の起動時間RMt1とみなして、第1電気モータ21の繰り返しの起動の、今回と過去合わせてj回の起動時間RMt1の平均値RRt1を、第1電気モータ21の起動開始時点に対する第2電気モータ22の起動遅延時間に定めている。なお、今回計測した起動時間RMt1が、それまでの平均値(次駆動モータの起動遅延時間)RRt1よりも長くなったときには、今回計測した起動時間RMt1の経過後に、次駆動モータである第2電気モータ22の起動を開始する。
【0055】
−第1実施例の変形例1−
変形例1は、上述の第1実施例の「第1電気モータ21の起動時間RMt1の計測」(6),(42)を、図7に示す「第1電気モータ21の起動時間RMt1の計測」(6a)に変更し、「第2電気モータ22の起動時間RMt2の計測」(19),(47)も、図7に示す「第1電気モータ21の起動時間RMt1の計測」(6a)の内容と同様に変更したものである。変形例1では、ロック信号がオフからオンに切換わると、モータ電流のピーク値ではなく平均値を監視するために、入出力インターフェース37には、ピークホールド回路ではなく、サンプルホールド回路が備わり、ブロック39にあるモータドライバのモータ電流検出回路に接続されている。変形例1のハードウエアおよびその他の機能は、上述の第1実施例と同様である。
【0056】
図7に示す「第1電気モータ21の起動時間RMt1の計測」(6a)において、プロセスコントローラ38は、計時t(経過時間tの計測)を開始して(7)、LOCK(ロック)信号がONになるのを待つ(8)。ロック信号がオンに切換わると、データ読み込み回数nを1に設定する(9a)。次に、ブロック39内の第1電気モータ21を駆動付勢するモータドライバ、にあるモータ電流検出回路に接続した、入出力インターフェース37にあるサンプルホールド回路を一時的にONにして、そのときのモータ電流検出信号(のレベル)を保持して(10a)、該信号(レベル)AmをA/D変換して読み込む(11a)。そして読み込んだ電流データAmを、RAMの一領域に定めた電流データメモリRAmのアドレスnに書き込む(12a)。このモータ電流読み込みをNt回繰り返す(13a,14a−10a〜13a)。次に、電流データメモリRAmのNt個の読み込みデータの平均値を算出してレジスタAm1に書き込む(15a)。そして、平均値Am1が、定常の定速回転時のモータ電流より少し高い閾値(設定値)Amt1以下でないと、またNt回のモータ電流読み込みと読み込みデータの平均値算出を行う(16a−9a〜13a)。平均値Am1が閾値Amt1以下になるとレジスタRMt1に、その時点の計時値tを書き込む(16a−16)。
【0057】
以上に説明した変形例1では、第1電気モータ21の起動開始時に計時tを開始して、モータの回転速度が設定値Vt1に達したときのロック信号のオンからオフへの切換わりの後、モータ電流の平均値Am1が設定値Amt1以下になるまでの計時値tを、第1電気モータ21の起動時間RMt1とみなす。
【0058】
−第1実施例の変形例2−
変形例2は、上述の第1実施例の「第1電気モータ21の起動時間RMt1の計測」(6),(42)を、図8に示す「第1電気モータ21の起動時間RMt1の計測」(6b)に変更し、「第2電気モータ22の起動時間RMt2の計測」(19),(47)も、図8に示す「第1電気モータ21の起動時間RMt1の計測」(6b)の内容と同様に変更したものである。変形例2では、ロック信号がオフからオンに切換わると、モータ電流のピーク値ではなく標準偏差を監視するために、入出力インターフェース37には、ピークホールド回路ではなく、サンプルホールド回路が備わり、ブロック39にあるモータドライバのモータ電流検出回路に接続されている。変形例2のハードウエアおよびその他の機能は、上述の第1実施例と同様である。
【0059】
図8に示す「第1電気モータ21の起動時間RMt1の計測」(6b)において、プロセスコントローラ38は、計時t(経過時間tの計測)を開始して(7)、LOCK(ロック)信号がONになるのを待つ(8)。ロック信号がオンに切換わると、データ読み込み回数nを1に設定する(9a)。次に、ブロック39内の第1電気モータ21を駆動付勢するモータドライバ、にあるモータ電流検出回路に接続した、入出力インターフェース37にあるサンプルホールド回路を一時的にONにして、そのときのモータ電流検出信号(のレベル)を保持して(10a)、該信号(レベル)AmをA/D変換して読み込む(11a)。そして読み込んだ電流データAmを、RAMの一領域に定めた電流データメモリRAmのアドレスnに書き込む(12a)。このモータ電流読み込みをNt回繰り返す(13a,14a−10a〜13a)。次に、電流データメモリRAmのNt個の読み込みデータの標準偏差Asを算出してレジスタAs1に書き込む(15b)。そして、標準偏差As1が、定常の定速回転時のモータ電流の標準偏差より少し高い閾値(設定値)Ast1以下でないと、またNt回のモータ電流読み込みと読み込みデータの平均値算出を行う(16b−9a〜13a)。平均値Am1が閾値Amt1以下になるとレジスタRMt1に、その時点の計時値tを書き込む(16b−16)。
【0060】
以上に説明した変形例2では、第1電気モータ21の起動開始時に計時tを開始して、モータの回転速度が設定値Vt1に達したときのロック信号のオンからオフへの切換わりの後、モータ電流の標準偏差As1が設定値Ast1以下になるまでの計時値tを、第1電気モータ21の起動時間RMt1とみなす。
【0061】
−第1実施例の変形例3−
変形例3は、上述の第1実施例の「RRt1の更新」(20),(44)を、図9に示す「RRt1の更新」(20a)に変更し、「RRt2の更新」(25),(49)も、図9に示す「RRt1の更新」(20a)の内容と同様に変更したものである。変形例3のハードウエアおよびその他の機能は、上述の第1実施例と同様である。
【0062】
図9に示す「RRt1の更新」(20a)において、プロセスコントローラ38は、「第1電気モータ21の起動時間RMt1の計測」(6)で得た起動時間RMt1(レジスタRMt1のデータ)とレジスタRRt1のデータRRt1の加重平均値に、レジスタRRt1のデータを書き換える(20a)。kは重み係数であり、k=1にすると、「第1電気モータ21の起動時間RMt1の計測」(6)で得た起動時間RMt1(レジスタRMt1のデータ)をレジスタRRt1に更新書き込みすることとなる。k=2にすると、「第1電気モータ21の起動時間RMt1の計測」(6)で得た起動時間RMt1(レジスタRMt1のデータ)とレジスタRRt1のデータRRt1の平均値に、レジスタRRt1のデータを書き換えることになる。計算を簡略にするために、k=1,k=2,k=4又は8にする。8を超える2のべき乗にすることも出来る。k値を大きくすると、加重平均値に対する最新に算入する起動時間RMt1の重みが低くなるが、計測値の平滑化効果は大きくなる。
【0063】
第1実施例では「RRt1の更新」(20)によって、第1電気モータ21の最近j回の起動時の起動時間計測値RMt1の単純平滑値が、時駆動モータの起動遅延タイミング値RRt1に定められるのに対し、以上に説明した変形例3では、「RRt1の更新」(20a)によって、第1電気モータ21の各回の起動時の起動時間計測値RMt1の時系列重み付け平滑値が、時駆動モータの起動遅延タイミング値RRt1に定められる。
【0064】
−第1実施例の変形例4−
変形例4は、上述の第1実施例の「RRt1の更新」(20),(44)を、図10に示す「RRt1の更新」(20b)に変更し、「RRt2の更新」(25),(49)も、図10に示す「RRt1の更新」(20b)の内容と同様に変更したものである。変形例4のハードウエアおよびその他の機能は、上述の第1実施例と同様である。
【0065】
図10に示す「RRt1の更新」(20b)において、プロセスコントローラ38は、RMt1メモリのアドレス2〜jのデータをアドレス1〜(j−1)に書き換えるアドレスシフトをしてから、空いたアドレスjに「第1電気モータ21の起動時間RMt1の計測」(6)で得た起動時間RMt1(レジスタRMt1のデータ)を書き込み(21,22)、そしてアドレス1〜jのデータの中の最大値を検索してそれをレジスタRRt1に上書きする(23a)。
【0066】
この変形例4では、「RRt1の更新」(20b)によって、第1電気モータ21の最近のj回の起動時の起動時間計測値RMt1群の中の最大値が、次駆動モータの起動遅延タイミング値RRt1に定められる。これが次駆動モータの起動遅延タイミング値RRt1となるので、次駆動モータが第1電気モータ21の起動時間RMt1内に起動されるという重複が防止される信頼性が極めて高い。
【0067】
−第1実施例の変形例5−
変形例5は、上述の第1実施例の「RRt1の更新」(20),(44)を、図11に示す「RRt1の更新」(20c)に変更し、「RRt2の更新」(25),(49)も、図11に示す「RRt1の更新」(20c)の内容と同様に変更したものである。変形例5のハードウエアおよびその他の機能は、上述の第1実施例と同様である。
【0068】
図11に示す「RRt1の更新」(20c)において、プロセスコントローラ38は、「第1電気モータ21の起動時間RMt1の計測」(6)で得た起動時間RMt1(レジスタRMt1のデータ)が、レジスタRRt1のデータRRt1より長いと、該起動時間RMt1にレジスタRRt1のデータを更新する(21c,22c)。
【0069】
この変形例5では、「RRt1の更新」(20c)によって、第1電気モータ21のいままでの起動時の起動時間計測値RMt1の最大値が、次駆動モータの起動遅延タイミング値RRt1に定められる。これが次駆動モータの起動遅延タイミング値RRt1となるので、時系列で次第に起動時間が長くなる劣化特性を示す第1電気モータを使用する場合に、次駆動モータが第1電気モータ21の起動時間RMt1内に起動されるという重複を永続的に防止することができる。
【実施例2】
【0070】
第2実施例は、図12に示すように、第3電気モータ23を付加して、第1電気モータ21は中間転写ベルト3およびブラック作像ユニット21を駆動するものとし、定着器17および給紙ローラ13は第3電気モータ23で駆動するようにしたものである。第1,第2および第3電気モータはブラシレスモータである。その他の機構は、第1実施例と同様である。
【0071】
図13および図14に、プリンタコントローラ33がプロセスコントローラ38を用いて実行するプリンタ制御の概要を示す。まず図13を参照すると、図示しない元電源スイッチが投入されてプリンタPTRに動作電圧が給電されると、コントローラ33は、自身をリセットしてからプリンタ各部を初期状態に設定し(1,2)、各部に作像動作に必要な動作電圧を印加する「動作モード」に、電源回路を設定して(3)、定着ヒータドライバに定着温度制御の開始を指示する(4)。
【0072】
次に定着温度を参照してそれが、目標温度よりやや低い設定値以上であるか判定して(60)、設定値以上であると、定着ローラが加熱されており起動時間が短いので、まず第3電気モータ23(現像ユニット17)の起動を開始し(65)、この起動開始からRRt3の経過後に第1電気モータ21(転写ベルト3,ブラック作像ユニット4k)の駆動を開始し(68)、この起動開始からRRt1の経過後に第2電気モータ22(作像ユニット4m,4c,4y)の駆動を開始し(72)、この起動開始からRRt2の経過後に、タイマTd1をスタートして(26)、「入力読み取り」(27)に進む。
【0073】
しかし、定着温度が設定値未満であった場合には、定着器17の起動負荷が大きくしかも定着温度の、目標温度へのヒートアップに比較的に時間がかかるので、まず第1電気モータ21を起動し(5)、この起動開始からRRt1が経過すると第2電気モータ22を起動し(18)、この起動開始からRRt2が経過すると第3電気モータ23を起動する(61)。この起動開始からRRt3の経過後に、タイマTd1をスタートして(26)、「入力読み取り」(27)に進む。
【0074】
第1〜3電気モータ21〜23のいずれの起動のときも、「起動時間の計測」(69),(73),(66)/(6),(19),(62)を実行する。それぞれの内容は、前述のステップ6(図4),6a(図7)又は6b(図8)と同様である。また、「起動時間の計測」の計測値RMt1,RMt2,RMt3に基づいて実行する「RRtの更新」(74),(76),(70)/(20),(25),(64)の内容は、前述のステップ20(図4),20a(図9),20b(図10)又は20c(図11)と同様である。
【0075】
図14を参照する。「入力読み取り」(27)で印刷指示を待っている間、印刷指示がなくタイマTd1がタイムオーバすると、プリンタコントローラ33は、印刷指示およびその他のプリンタ使用をうかがわせる入力を検知する復帰入力検知回路を除いて、待機中も電力消費がある電気回路への給電を停止する「省エネモード」に、電源回路を設定する(27−28−32−36−37)。
【0076】
しかし「動作モード」であって「入力読み取り」(27)でカラー印刷指示が到来すると、プリンタコントローラ33は、プロセスコントローラ38と共同でカラー印刷を行いタイマTd1を再スタートする(28〜31)。モノクロ印刷指示が到来した場合には、モノクロ印刷を行いタイマTd1を再スタートする(32〜35)。
【0077】
前述の「省エネモード」の設定中に印刷指示が到来すると、復帰入力検知回路が電源回路のプリンタコントローラ33を起動する給電ラインをオンにする。これによりプリンタコントローラ33が動作を開始して、電源回路を「動作モード」に設定する(38,39)。「動作モード」に切り替わるとプロセスコントローラ38が定着ヒータドライバに定着温度制御の開始を指示し(40)、印刷指示がカラー印刷指示かモノクロ印刷指示かに応じて(45)、モノクロ印刷指示であると、プロセスコントローラ38は、まず第1電気モータ21(転写ベルト3,ブラック作像ユニット4k)の駆動を開始し(41)、この起動開始からRRt1の経過後に第3電気モータ23(現像器17)の駆動を開始し(77)、この起動開始からRRt3の経過後に、モノクロ印刷に進む(81−33〜35)。第2電気モータ22は駆動しない。
【0078】
しかし、カラー印刷指示であった場合には、まず第1電気モータ21を起動し(82)、この起動開始からRRt1が経過すると第2電気モータ22を起動し(46)、この起動開始からRRt2が経過すると第3電気モータ23を起動する(87)。この起動開始からRRt3の経過後に、カラー印刷に進む(89−29〜31)。
【0079】
上記第1〜3電気モータ21〜23のいずれの起動のときも、「起動時間の計測」(42),(83),(47),(78),(87)を実行する。それぞれの内容は、前述のステップ6(図4),6a(図7)又は6b(図8)と同様である。また、「起動時間の計測」の計測値RMt1,RMt2,RMt3に基づいて実行する「RRtの更新」(79),(85),(49),(81),(89)の内容は、前述のステップ20(図4),20a(図9),20b(図10)又は20c(図11)と同様である。
【0080】
上述のように、印刷指示に応答して機構駆動を開始するとき(39以下)には、第3電気モータ23を最後に起動する。これは、印刷指示を受けて機構駆動を開始するときは、印刷用紙をレジストローラ15に搬送するよりも、作像を先に開始できるようにした方が、印刷を早く開始できる確率が高いためである。たとえば、定着温度が目標温度近くで印刷指示に応答して機構駆動を開始するときには、モノクロ印刷の場合には第1電気モータ21の起動が完了すると作像を開始することが出来、カラー印刷の場合には、第1電気モータ21の起動の完了後更に第2電気モータ22の起動が完了すると作像を開始することが出来、印刷を早く開始することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の第1実施例であるプリンタPTRの機構部の縦断面図である。
【図2】図1に示すプリンタPTRの中間転写ベルト3および作像ユニット4k〜4yを駆動する動力系の概要を示すブロック図である。
【図3】図1に示すプリンタPTRの画像処理システムの概要を示すブロック図である。
【図4】図2に示すプリンタコントローラ33がプロセスコントローラ38を用いて実行する印刷制御の一部を示すフローチャートである。
【図5】図2に示すプリンタコントローラ33がプロセスコントローラ38を用いて実行する印刷制御の残部を示すフローチャートである。
【図6】図2に示す第1電気モータ21のモータ電流,回転速度、および、第1電気モータを回転駆動するモータドライバに与えられる制御信号(ON/OFF)ならびに該モータドライバが発生するロック信号、の変化を示すタイムチャートである。
【図7】第1実施例の第1変形例の、印刷制御の一部を示すフローチャートである。
【図8】第1実施例の第2変形例の、印刷制御の一部を示すフローチャートである。
【図9】第1実施例の第3変形例の、印刷制御の一部を示すフローチャートである。
【図10】第1実施例の第4変形例の、印刷制御の一部を示すフローチャートである。
【図11】第1実施例の第5変形例の、印刷制御の一部を示すフローチャートである。
【図12】本発明の第2実施例のプリンタPTRの中間転写ベルト3および作像ユニット4k〜4yを駆動する動力系の概要を示すブロック図である。
【図13】第2実施例のプリンタコントローラ33がプロセスコントローラ38を用いて実行する印刷制御の一部を示すフローチャートである。
【図14】第2実施例のプリンタコントローラ33がプロセスコントローラ38を用いて実行する印刷制御の残部を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0082】
1:駆動ローラ
2:テンションローラ
3:転写ベルト
4(4k〜4y):作像ユニット
5:感光体ドラム
6:帯電ローラ
7:現像器
8:1次転写ローラ
9:クリーナ
10:レーザ走査器
11:2次転写ローラ
12:給紙トレイ
13:給紙ローラ
14:給紙通路
15:レジストローラ
16:送り出し通路
17:定着器
18:排紙路
19:排紙トレイ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電気モータを起動すると計時を開始し、第1電気モータのモータ電流の、設定時間内のピーク値を、ピーク値が設定値以下に低下するまで繰り返し検出し、前記起動開始から、前記ピーク値の設定値以下への低下を検出するまでの経過時間を計測する手段;
前記経過時間に対応する、第1電気モータの起動開始から、第2電気モータの起動開始までの遅延時間を設定する手段;および、
第1電気モータを起動し、その起動開始から前記遅延時間の経過後に第2電気モータを起動する起動制御手段;
を備える複数モータの駆動制御装置。
【請求項2】
第1電気モータを起動すると計時を開始し、第1電気モータのモータ電流の、設定期間の平均値を、平均値が設定値以下に低下するまで繰り返し検出し、前記起動開始から、前記平均値の設定値以下への低下を検出するまでの経過時間を計測する手段;
前記経過時間に対応する、第1電気モータの起動開始から、第2電気モータの起動開始までの遅延時間を設定する手段;および、
第1電気モータを起動し、その起動開始から前記遅延時間の経過後に第2電気モータを起動する起動制御手段;
を備える複数モータの駆動制御装置。
【請求項3】
第1電気モータを起動すると計時を開始し、第1電気モータのモータ電流の、設定期間の標準偏差値を、標準偏差値が設定値以下に低下するまで繰り返し検出し、前記起動開始から、前記標準偏差値の設定値以下への低下を検出するまでの経過時間を計測する手段;
前記経過時間に対応する、第1電気モータの起動開始から、第2電気モータの起動開始までの遅延時間を設定する手段;および、
第1電気モータを起動し、その起動開始から前記遅延時間の経過後に第2電気モータを起動する起動制御手段;
を備える複数モータの駆動制御装置。
【請求項4】
前記経過時間を計測する手段は、第1電気モータの回転速度が設定値に達したときに、前記繰り返し検出を開始する;請求項1乃至3のいずれか1つに記載の複数モータの駆動制御装置。
【請求項5】
前記経過時間を計測する手段は、第1電気モータの回転速度が設定値に達したときにOFFからONに切換わるロック信号の、該切換わりに応答して前記繰り返し検出を開始する;請求項4に記載の複数モータの駆動制御装置。
【請求項6】
前記遅延時間を設定する手段は、第1電気モータの隣接する複数回の経過時間の平均値を前記遅延時間に設定する;請求項1乃至5のいずれか1つに記載の複数モータの駆動制御装置。
【請求項7】
前記遅延時間を設定する手段は、計測した経過時間と不揮発保持する遅延時間との重み付け平均値を算出して該重み付け平均値に、前記不揮発保持する遅延時間を更新する;請求項1乃至5のいずれか1つに記載の複数モータの駆動制御装置。
【請求項8】
前記遅延時間を設定する手段は、第1電気モータの隣接する複数回の経過時間の最大値を前記遅延時間に設定する;請求項1乃至5のいずれか1つに記載の複数モータの駆動制御装置。
【請求項9】
前記遅延時間を設定する手段は、計測した経過時間が不揮発保持する遅延時間より長いと該経過時間に、前記不揮発保持する遅延時間を更新する;請求項1乃至5のいずれか1つに記載の複数モータの駆動制御装置。
【請求項10】
前記経過時間を計測する手段は更に、前記経過時間の計測と同様に第2電気モータの経過時間を計測し;前記遅延時間を設定する手段は更に、前記遅延時間の設定と同様に第2電気モータの起動開始からの遅延時間を設定する;請求項1乃至9のいずれか1つに記載の複数モータの駆動制御装置。
【請求項11】
前記経過時間を計測する手段は更に、前記経過時間の計測と同様に第3電気モータの経過時間を計測し;前記遅延時間を設定する手段は更に、前記遅延時間の設定と同様に第3電気モータの起動開始からの遅延時間を設定し;前記起動制御手段が、第2電気モータの起動開始からの前記遅延時間の経過後に第3電気モータを起動する;請求項10に記載の複数モータの駆動制御装置。
【請求項12】
回転する感光体,該感光体を帯電する帯電手段,該感光体の静電潜像をトナー像に顕像化する現像手段および転写手段を組合せた複数の作像ユニットが、転写ベルトのベルト面に沿って配置され、前記感光体の帯電面を露光して前記静電潜像を形成する露光手段および前記トナー像が転写された用紙を定着処理する定着器が備わる画像形成装置であって、
前記定着器,前記転写ベルト、および、前記複数の作像ユニットのうち少なくとも1つ、を駆動する第1電気モータ;
前記複数の作像ユニットのうち、第1電気モータで駆動される前記作像ユニットを除くものを駆動する第2電気モータ;および、
請求項1乃至8のいずれか1つに記載の複数モータの駆動制御装置;
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項13】
前記第1電気モータで駆動される作像ユニットはブラック作像ユニットであり、前記第2電気モータで駆動される作像ユニットはマゼンタ,シアンおよびイエロー各色作像ユニットであり;前記駆動制御装置は、モノクロ印刷指示があると第1電気モータのみを駆動し、カラー印刷指示があると、第1電気モータを駆動しその起動開始から第2電気モータの前記遅延時間の経過後に第2電気モータを駆動する;請求項12に記載の画像形成装置。
【請求項14】
第1電気モータはブラシレスモータである;請求項12又は請求項13に記載の画像形成装置。
【請求項15】
回転する感光体,該感光体を帯電する帯電手段,該感光体の静電潜像をトナー像に顕像化する現像手段および転写手段を組合わせた、ブラック作像ユニット、ならびに、マゼンタ,シアンおよびイエロー各色作像ユニットが、転写ベルトのベルト面に沿って配置され、前記感光体の帯電面を露光して前記静電潜像を形成する露光手段および前記トナー像が転写された用紙を定着処理する定着器が備わる画像形成装置であって、
前記ブラック作像ユニットおよび前記転写ベルトを駆動する第1電気モータ;
前記各色作像ユニットを駆動する第2電気モータ;
前記定着器を駆動する第3電気モータ;および
請求項11に記載の複数モータの駆動制御装置;
を備える画像形成装置。
【請求項16】
前記起動制御手段は、カラー印刷指示に応答して最初に第3電気モータを起動し、該起動を開始してから、第3電気モータの起動開始からの前記遅延時間の経過後に第1電気モータを起動し、該起動を開始してから、第1電気モータの起動開始からの前記遅延時間の経過後に第2電気モータを起動し、モノクロ印刷指示に応答して最初に第1電気モータを起動し、該起動を開始してから、第1電気モータの起動開始からの前記遅延時間の経過後に第3電気モータを起動する;請求項15に記載の画像形成装置。
【請求項17】
第1および第2電気モータはブラシレスモータである;請求項12乃至16のいずれか1つに記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2008−125247(P2008−125247A)
【公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−306415(P2006−306415)
【出願日】平成18年11月13日(2006.11.13)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【出願人】(302057199)リコープリンティングシステムズ株式会社 (1,130)
【Fターム(参考)】