要素間支持機構、この要素間支持機構を備えた自動工具交換装置、搬送装置およびアクチュエータ
【課題】ボールの径が正確に調整されず、ボールと機械要素との間に隙間が生じたとしても、ボールを機械要素に向けて押圧することができ、ガタ等の不具合を生じさせることなく、機械要素同士を有機的に結合することができる要素間支持機構、工具交換装置、搬送装置およびアクチュエータを提供する。
【解決手段】本発明に係る要素間支持機構70は、一方が他方に対して可動である第1要素3と第2要素120との間に装着され、第1要素3を支持可能な球状体42と、第1要素3に向けて、球状体42を押圧可能な押圧手段とを備えた。
【解決手段】本発明に係る要素間支持機構70は、一方が他方に対して可動である第1要素3と第2要素120との間に装着され、第1要素3を支持可能な球状体42と、第1要素3に向けて、球状体42を押圧可能な押圧手段とを備えた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、要素間支持機構、特に、機械要素間に設けられ、機械要素を支持する要素間支持機構、この要素間支持機構を備えた自動工具交換装置、搬送装置およびアクチュエータに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ATC(automatic tool changer)、テーブル搬送ユニット、アクチュエータ等の機械装置は、複数の機械要素が要素間支持機構を介して有機的に結合されることにより構成されている。
【0003】
この要素間支持機構は、一般的に、一方の機械要素に設けられ、他方の機械要素と接触することにより、一方の機械要素と他方の機械要素との間に機械的な関係を持たせている。このような要素間支持機構としては、例えば、ギア機構やカム機構等が良く知られている。
【0004】
要素間支持機構は、接触する機械要素との間に生じる摩擦やガタ等の不具合の生じさせることなく、機械要素間を結合する必要がある。
【0005】
このため従来から、機械要素との接触部分にボール等の球状体や、ローラなどの筒状体を採用し、摩擦等の低減が図られている。
【0006】
一方の機械要素からの動力を他方の機械要素に伝達する駆動力伝達機構において、機械要素との接触箇所にボールが採用された機構として、例えば、特開平8−159233号公報に記載された間欠回転装置がある。
【0007】
この間欠回転装置において、要素間支持機構は、出力軸に設けられ、出力軸に形成されたボールベアリング保持穴と、ボールベアリング保持穴に装着されたボールベアリングと、ボールベアリング保持穴内にボールベアリングを保持するための押え板とを備えている。
【0008】
そして、入力軸が回転する一方で、入力軸に形成されたカム溝内をボールベアリングが滑動することにより、出力軸が回転する。
【特許文献1】特開平8−159233号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
このように機械要素との接触箇所にボールが採用された要素間支持機構においては、ボールと接触面とを良好に接触させてガタ等の不具合の発生を防止するために、正確にボールの径を調整する必要がある。その一方で、市販されているボールの径の種類には、限りがあり、ボールの径を調整しようとしても、限度がある。
【0010】
本発明は、上記のような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、径の種類が限られた市販のボールを用いても、ガタ等の不具合を抑制することができる要素間支持機構を提供すると共に、この要素間支持機構を備えた自動工具交換装置、搬送装置およびアクチュエータを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る要素間支持機構は、一方が他方に対して可動である第1要素と第2要素との間に装着され、第1要素を支持可能な球状体と、第1要素に向けて、球状体を押圧可能な押圧手段とを備える。好ましくは、上記球状体を着脱可能に、第2要素に装着する。好ましくは、上記第2要素に形成され、球状体を回転可能に受け入れる窪みと、第2要素に着脱可能に設けられ、球状体の一部を露出すると共に、窪みからの球状体の脱落を防止可能な脱落防止部材とをさらに備える。好ましくは、上記球状体を回転可能に受け入れる窪みが形成されると共に、第2要素に設けられ、押圧手段からの押圧力によって第1要素に向けて変位可能とされた移動部材と、第1要素に向けて位置調整可能に第2要素に設けられ、移動部材を係止して該移動部材の最大変位量を調整可能なストッパとを備える。
【0012】
好ましくは、上記窪み内に設けられ、窪みの内表面と球状体の外表面との少なくとも一方に接し、球状体より小径に形成された複数の小球状体をさらに備える。
【0013】
本発明に係る自動工具交換装置は、上記要素間支持機構を備える。本発明に係る搬送装置は、上記要素間支持機構を備える。本発明に係るアクチュエータは、上記要素間支持機構を備える。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る要素間支持機構は、ボールの径が正確に調整されず、ボールと機械要素との間に隙間が生じたとしても、ボールを機械要素に向けて押圧することができるので、ガタ等の不具合を生じさせることなく、機械要素同士を有機的に結合することができる。また、本発明に係る工具交換装置、搬送装置、アクチュエータにおいても、同様の効果を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
(実施の形態1)
図1から図3を用いて、本実施の形態1に係る要素間支持機構70およびこの要素間支持機構70を備えた自動工具交換装置100について説明する。
【0016】
図1は、本実施の形態1に係る自動工具交換装置100の断面図であり、図2は、図1に示されたII−II線における断面図である。図1に示されるように、自動工具交換装置100は、図示されないモータ(駆動源)の出力軸からの駆動力を回転軸5に伝達して、回転軸5を回転させる第1駆動力伝達機構60と、出力軸からの駆動力を回転軸5に伝達して、回転軸5を軸方向に駆動する第2駆動力伝達機構65とを備えている。
【0017】
第1駆動力伝達機構60は、ケーシング1内に設けられ、回転軸12に固設された円盤状のウォームホイル(第1機械要素)3と、ケーシング1に回動可能に設けられたウォームギア2と、回転可能に設けられたターレット(第2機械要素)50と、このターレット50に設けられ、ウォームホイル3の駆動力をターレット50に伝達する要素間支持機構70とを備えている。ウォームホイル3は、円形の側面と、両側面間に位置する周面と、周面に形成されたカム溝45とを備えている。ウォームギア2は、図示されないモータ等の駆動源によって回動させられ、このウォームギア2の先端部には、ウォームホイル3の周面に形成されたギアと噛合するギア2aが形成されている。このため、ウォームギア2が回動することにより、ウォームホイル3が回転軸12を中心として回転する。
【0018】
ターレット50は、回転軸12と交差する方向に延在する軸部110と、軸部110の一方の端部に形成された円板部112とを備えており、回転軸12と交差するように配置されている。
【0019】
軸部110の両端部は、ケーシング1に回転可能に支持されており、軸部110の中央部は、支持部材143によって支持されており、軸部110に撓みが生じるのが抑制されている。円板部112の周面には、ギア部112aが形成されている。
【0020】
要素間支持機構70は、複数の凹部120aを規定する環状部材120と、この凹部120a内に収納され、ウォームホイル3に向けて移動可能に設けられた移動部材43と、この移動部材43に嵌め込まれ、ターレット50とウォームホイル3との間に配置されたボール(球状体)42と、ボール42および移動部材43をウォームホイル3に向けて押圧可能な油圧機構(押圧機構)71とを備えている。
【0021】
この要素間支持機構70によれば、油圧機構71は、移動部材43を介して、ボール42をウォームホイル3に向けて変位させることができる。そのため、所望の径より小さなボール42が採用されたとしても、油圧機構71が移動部材43を介してボール42をウォームホイル3に向けて変位させて、ボール42とカム溝45との間に隙間が生じることを抑制することができる。これにより、ボール42がカム溝45内を良好に摺動することとなり、ガタ等の不具合の発生が抑制され、ウォームホイル3の回転運動をターレット50に良好に伝達することができる。
【0022】
図2に示されるように、複数の凹部120aが等間隔に周方向に複数形成され、各凹部120a内に移動部材43が設けられている。
【0023】
図1において、油圧機構71は、軸部110内に形成された給油管113と、この給油管113の端部に設けられた回転継手141と、この回転継手141を介して給油管113に接続されるパイプ140とを備えている。
【0024】
給油管113は、軸部110の一方の端部から環状部材120が位置する部分に亘って延在する。そして、環状部材120に形成された各凹部120aに達するように分岐する。このため、油(液体状の媒体)により、移動部材43を介してボール42をウォームホイル3に向けて変位させることができ、ボール42をカム溝45の内周面に当接させることができる。なお、本実施の形態1においては、油圧機構71が採用されているが、これに限られず、たとえば、媒体として空気やガス(気体状の媒体)を用いた空圧、ガス圧機構であってもよい。
【0025】
図3は、要素間支持機構70を詳細に示す断面図である。この図3に示されるように、凹部120aは、凹部120a2と、この凹部120a2より径方向外方に形成され、凹部120a2より大径に形成された環状凹部120a1とを備えている。
【0026】
移動部材43は、凹部120a2の内周面と摺接する大径部122と、この大径部122より小径に形成され、ウォームホイル3に向けて突出する小径部123とを備えている。小径部123のウォームホイル3側の端面には、窪み44が形成されており、ボール42が受け入れられている。窪み44の内表面は、ゴッシクアーチ形状とされており、径r2が、ボール42の径r1より大径に形成された円弧面を2つつなぎ合わせることにより構成されている。
【0027】
このため、ボール42と窪み44との接触部分は、線接触することになり、ボール42と窪み44の内周面との間に隙間ができ、ボール42と窪み44の内周面との間に大きな摩擦が生じることを抑制することができる。
【0028】
窪み44の開口縁部には、ボール42が窪み44から脱落することを防止する脱落防止部材41が設けられている。この脱落防止部材41は、窪み44の開口縁部に形成された環状溝部内に嵌め込まれたCリング41A1と、このCリング41A1に設けられた環状の突出部41A2とを備えている。
【0029】
このため、ボール42が装着された状態で、ターレット50単体を装置から取り出すことができ、ターレット50単体でボールの径の調整を行うことができる。
【0030】
大径部122の軸方向の長さは、凹部120a2の深さより短く形成されており、大径部122は、凹部120a2内にて軸方向に変位可能とされている。凹部120a2には、給油管113が接続されており、凹部120a2の内周面と移動部材43との間には、油(媒体)が貯留可能な給油室120dが形成されている。給油室120d内に油が供給されることにより、移動部材43がウォームホイル3に向けて押圧され、移動可能とされている。
【0031】
このため、装着されたボール42の径が所定の径より小さく、ボール42とカム溝45との間に隙間が生じるような場合においても、移動部材43がウォームホイル3側に変位することにより、ボール42をカム溝45の内表面に接触させることができる。
【0032】
さらに、装着されたボール42の径が所定の径より大きい場合には、ボール42とカム溝45の内表面とが接触するように移動部材43を後退させることにより、ボール42をカム溝45内に入れ込むことができる。
【0033】
このように、ボール42をウォームホイル3に向けて変位可能に設けられた移動部材43によって、装着されたボール42の径が多少所定の径とちがうものであっても、ボール42をカム溝45内に嵌め込むことができる。さらに、ボール42をカム溝45の内表面に押し付けることにより、ボール42とカム溝45との間の隙間をなくすことができ、ガタ等の不具合なく、ウォームホイル3からの駆動力をターレット50に伝達することができる。
【0034】
環状凹部120a1には、リング状のストッパ121が設けられている。ストッパ121の内径は、凹部120a2の径より小さく、ストッパ121は、凹部120aの開口縁部から内径方向に突出している。
【0035】
小径部123は、ストッパ121の中央部に形成された貫通孔内に挿入され、大径部122の上面とストッパ121の底面とが当接することにより、ストッパ121が移動部材43を係止する。これにより、移動部材43がウォームホイル3に向けて変位する最大移動距離を規定することができる。
【0036】
環状凹部120a1の内周面には、ネジ部121bが形成されており、ストッパ121の周面には、このネジ部121bと螺合するネジ部121aが形成されている。このため、ストッパ121は、回動されると、ウォームホイル3に向けて変位可能とされている。したがって、ストッパ121を回動することにより、ストッパ121と移動部材43との係止位置を設定することができ、移動部材43の最大変位量を調整することができる。
【0037】
さらに、このストッパ121を環状部材120から着脱可能とすることにより、移動部材43が経時的に劣化したとしても、当該移動部材43のみを交換することができ、修理・修繕のコスト低減を図ることができる。
【0038】
図1において、回転軸5には、環状の回動部材150が設けられており、この回動部材150の外周面には、ターレット50に形成されたギア部112aに対応するギア部150aが形成されている。
【0039】
このため、ウォームギア2がモータの駆動力によって回動して、ウォームホイル3およびターレット50が回動すると、回転部材150も回動する。回動部材150が回動すると、この回動部材150と係合する回転軸5も回動する。このようにして、モータからの駆動力が回転軸5の回転力として伝達される。
【0040】
回転軸5の端部には、工具マガジンに設置された工具と、主軸に装着された工具とを交換する図示されない工具交換アームが設けられている。この工具交換アームは、略長方形形状とされており、両端部側にて工具および工具ホルダを把持することができる工具把持部を備えており、中央部にて回転軸5に支持されている。
【0041】
なお、第2駆動力伝達機構65は、ウォームホイル3の回転運動を、回転軸5に形成された環状凹部17から回転軸5に伝達する図示されない動力伝達部材を備えている。この動力伝達部材は、一方の端部側に設けられ、ウォームホイル3の側面に形成された図2に示す環状のカム溝8内を摺動するローラと、他方の端部側に設けられ、環状凹部17内を摺動するローラと、中央部に形成された回転軸とを備えている。
【0042】
そして、ウォームホイル3が回転すると、カム溝8内を摺動するローラの位置が変位して、動力伝達部材が回転軸を中心に回動する。そして、他方の端部に設けられ、環状凹部17内に配置されたローラによって、回転軸5を軸方向に変位する。
【0043】
上記のように構成された自動工具交換装置100の動作について説明する。図1において、図示されない主軸に装着された工具と、工具マガジンに待機している交換する新たな工具とを交換する際、まず、工具交換アームは、退避位置から各工具に向けて回動する。
【0044】
この回動工程において、油圧機構71は、給油管113から油を供給して、ボール42をウォームホイル3のカム溝45に押し付ける。これにより、ターレット50は、ウォームホイル3のカム溝45に従って、正確に回動し、回転軸5も正確に回動する。
【0045】
これにより、工具交換アームの位置を正確に制御することができ、主軸に装着された工具および工具マガジンにて待機している工具を正確に取りに行くことができる。
【0046】
工具交換アームの工具把持部が各工具に位置すると、図示されないアンクランプ装置によって、主軸に装着された工具が取り外される。
【0047】
このアンクランプ動作時には、主軸に大きな衝撃力が加えられるため、工具交換アームなどを介してボール42に大きな応力が加えられないように、油圧機構71によるボール42の押圧力は低減される。
【0048】
油圧機構71からボール42への押圧力が低減されると、図3において、ボール42に大きな押圧力が加えられたときに、移動部材43がウォームホイル3から退避するように変位して、ボール42に加えられる応力を低減することができる。
【0049】
このように、本実施の形態1に係る要素間支持機構70によれば、選択的にボール42への押圧力を調整することができ、ボール42およびターレット50に大きな応力がかかることを抑制することができる。
【0050】
さらに、ボール42に大きな応力が加えられると、ボール42は、窪み44内で回転して、加えられる応力を受け流し、ボール42自体およびターレット50に大きな応力が加えられることをさらに抑制することができる。これにより、ターレット50などが損傷することを抑制することができる。
【0051】
上記アンクランプ動作後には、油圧機構71からの押圧力により、ボール42をカム溝45内に押し付ける。しかる後に、図1に示す第2駆動力伝達機構65によって、回転軸5は、軸方向に変位させられ、工具交換アームは、主軸から工具を引き抜くと共に、工具マガジンに収納されている工具を取り出す。
【0052】
そして、回転軸5が第1駆動力伝達機構60によって回転させられ、工具交換アームも回転し、各工具が搬送される。そして、各工具が、主軸および工具マガジンの収納位置に正確に位置合わせされる。その後、回転軸5が軸方向に変位して、新たな工具が主軸に装着される。
【0053】
(実施の形態2)
図4から図7を用いて、実施の形態2に係る要素間支持機構370およびこの要素間支持機構370を備えた油圧シリンダ(アクチュエータ)300について説明する。なお、図1から図3に示された構成と同一の構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0054】
図4は、本実施の形態2に係る油圧シリンダ300の断面図である。この図4に示されるように、油圧シリンダ300は、有底円筒状に形成された筐体(第1機械要素)340と、この筐体340内に設けられたピストン(第2機械要素)311と、筐体340に設けられた要素間支持機構370とを備えている。
【0055】
筐体340内は、ピストン311によって、油を収納可能な給油室303と、給油室313とに規定されている。各給油室303、313には、給油管304、314が接続されている。
【0056】
ピストン311は、筐体340内を給油室303と給油室313とに区分する閉塞部材302と、この閉塞部材302に接続され、表面にカム溝305が形成されたカム部324と、このカム部324に連設された出力軸301とを備えている。
【0057】
要素間支持機構370は、カム溝305内に入り込みピストン311を支持するボール309を備えている。
【0058】
図5は、図4のV−V線における断面図である。この図5に示されるように、要素間支持機構370は、ピストン311の周方向に沿って複数配置されている。
【0059】
図6は、要素間支持機構370の詳細を示す断面図である。この図6に示されるように、要素間支持機構370は、筐体340の内周面に形成された凹部308内に嵌め込まれた移動部材307と、移動部材307に形成された窪み321内に嵌め込まれたボール309と、このボール309内に装着されたボール309と、油圧機構330とを備えている。
【0060】
移動部材307は、凹部308内にて摺動可能に設けられている。そして、移動部材307が変位することにより凹部308の内表面から離間する背面307aと、凹部308の内表面とによって、給油室325が規定されている。この給油室325には、油圧機構330に設けられた給油管306が接続されている。このため、給油室325内に油が供給されることにより、移動部材307は、ピストン311に向けて進出可能とされており、給油室325から油を抜くことにより、後退させることができる。
【0061】
窪み320の内表面とボール309の外表面との間には、複数の小ボール(小球状体)320が複数収納されている。
【0062】
この小ボール320の径は、ボール309の径より小径に形成されており、小ボール320の外表面は、ボール309または窪み321の内表面の少なくとも一方と接触している。
【0063】
ボール309は、小ボール320と複数の位置で接触している。そして、小ボール320は、ボール309の動きに従って回転するため、小ボール320とボール309との間に生じる摩擦は、ボール309が直接窪み321の内表面と接触して、ボール309と窪み321との間に生じる摩擦より低減されている。このため、窪み321内でボール309は、良好に回転や滑ることができる。
【0064】
窪み321の開口縁部には、脱落防止部材312が設けられており、この脱落防止部材312によって、ボール309と窪み321の内周面との間に形成される収納空間の開口端部が閉塞され、小ボール320の脱落が防止されている。
【0065】
移動部材307の底面307aと、凹部308の内表面との間には、給油室325が形成されており、油圧機構330は、給油室325に接続された給油管306を備えている。
【0066】
上記のように構成された油圧シリンダ300の動作について説明する。
例えば、ピストン311が退避した状態から、図4に示すように、ピストン311を下方に向けて進出させるには、まず、給油管314から給油室313内に油が供給される。
【0067】
給油室313内に油が供給されると、ピストン311は下方に押圧され、下方に向けて進出する。この際、ボール309は、カム溝305内に嵌め込まれており、ピストン311は、カム溝305によって案内される。
【0068】
本実施の形態2に係る油圧シリンダ300においては、カム溝305は、軸方向に沿って延在する部分と、軸方向に向かうに従って周方向に延在する部分とを備えている。このため、周方向に延在する部分にボール309が差し掛かると、ピストン311は下方に変位しつつも、周方向に回転する。
【0069】
この際、ボール309は、複数の小ボール320によって支持されているので、大きな摩擦を生じることなく、カム溝305の形状の変化に追従して、ボール309の回転方向や滑りの方向を変更させることができる。
【0070】
このため、ボール309とカム溝305との間にも摩擦が生じ難く、ピストン311を滑らかに案内することができる。このようにして、ピストン311は、図4に示すように外方に向けて進出する。
【0071】
なお、本実施の形態2に係る要素間支持機構370においては、移動部材307がピストン311に向けて変位可能とされている。このため、ボール309の径が正確に設定されていない場合においても、ボール309をカム溝305に押圧させて、ピストン311や筐体340にガタや振動の発生を抑制することができ、さらに、摩擦の低減を図ることができる。
【0072】
さらに、移動部材307を後退させることにより、所定の径より大きなボール309が装着されたとしても、ボール309をカム溝305内に嵌め込むことができる。すなわち、本実施の形態2に係る要素間支持機構370は、上記実施の形態1に係る要素支機構と同様の作用・効果を得ることができる。好ましくは、上記実施の形態1と同様に、脱落防止部材312を移動部材307に対して着脱可能とする。
【0073】
本実施の形態2に係る油圧シリンダ300は、筐体340側に要素間支持機構370を設けているが、これに限られず、ピストン側に設けても良い。
【0074】
(実施の形態3)
図7は、本実施の形態3に係るアクチュエータ350を示す断面図である。この図7に示されるように、アクチュエータ350は、筐体351と、筐体351内に設けられた出力軸352と、筐体351内に配置され、出力軸352の周囲に配置された筒体380と、出力軸352に設けられた要素間支持機構370とを備えている。
【0075】
筒体380は、中空円柱状に形成されており、軸方向に対向配置された一対の規定壁部361、363と、この規定壁部361、363の外周縁部に形成された中空状の胴体部362とを備えている。
【0076】
規定壁部363は、筐体351の内壁面と協働して、筐体351内に給油室365を規定し、規定壁部361も同様に給油室360を規定する。そして、給油室365には、給油管371が接続されており、給油室360には、給油管372が接続されている。
【0077】
このため、給油室365または給油室360内に油を供給することにより、筒体380を軸方向に変位させることができる。なお、筒体380が周方向に回転することを抑制するために、ストッパ390が筐体351の内壁面に設けられている。
【0078】
筒体380の内壁面には、軸方向に向かうに従って、周方向に延在するカム溝362が形成されている。
【0079】
出力軸352は、筒体380に挿入され、両端部が筐体351に回転可能に支持された軸部356と、筒体380内に位置する軸部356に設けられた要素間支持機構370とを備えている。
【0080】
要素間支持機構370は、複数の凹部308が形成された環状部材353と、凹部308内に移動可能に設けられた移動部材307と、この移動部材307の端面に形成された窪み321内に装着されたボール309と、油圧機構とを備えている。
【0081】
油圧機構は、軸部356内に形成され、軸部356の端部から環状部材353が位置する部分にまで延在し、各凹部321に向けて分岐する給油管354を備えており、凹部308と移動部材307との間に油を供給することにより、移動部材307を変位させることができる。ボール309は、カム溝362と係合し、筒体380を支持している。なお、本実施の形態3においても、要素間支持機構370は、複数の小ボールをボール309と窪み321との間に備えている。
【0082】
上記のように構成されたアクチュエータ350の動作について説明する。図7に示された状態から、給油室365内に油が供給されると、筒体380が軸方向に変位する。この際、カム溝362にボール309がはめ込まれており、筒体380の周方向の変位が抑制されているため、軸部356が回転する。
【0083】
油圧機構によって、ボール309を、筒体362の径方向に向けて変位させることができるため、ボール309をカム溝362aの表面に押圧させることができ、ガタ、過大な摩擦を生じさせることなく、良好にボール309をカム溝362a内を摺動させることができる。
【0084】
すなわち、本実施の形態3に係る要素間支持機構は、上記実施の形態2に係る要素間支持機構と同様に構成されているため、上記実施の形態2と同様の作用・効果を得ることができる。
【0085】
(実施の形態4)
図8および図9を用いて、本実施の形態4に係るテーブル搬送装置400について説明する。図8は、本実施の形態4に係るテーブル搬送装置400の要部を示す断面図である。
【0086】
この図8に示されるように、テーブル搬送装置400は、モータなどの駆動源401と、外表面に螺旋状に延在するカム溝408が形成された回転軸405と、この回転軸405に設けられ、図示されないテーブルを支持するテーブル支持部403と、このテーブル支持部403に設けられた要素間支持機構370とを備えている。
【0087】
駆動源401の出力軸と回転軸405との間には、出力軸からの動力を回転軸405に伝達する駆動力伝達機構402が設けられている。
【0088】
要素間支持機構370は、テーブル支持部403に形成された凹部308と、この凹部308内に移動可能に装着された移動部材307と、移動部材307の端面に形成された窪みに装着されたボール309と、移動部材307を介してボール309を押圧する油圧機構とを備えている。
【0089】
油圧機構は、テーブル支持部403内に形成され、各凹部308と移動部材307との間に油を供給する給油管409を備えている。
【0090】
図9は、図8に示すIX−IX線における断面図である。この図9に示されるように、要素間支持機構370は、回転軸405の周方向に複数配置されている。
【0091】
ボール309は、移動部材307の端面に形成された窪み321に装着されており、脱落防止部材312によって、窪み321内に保持されている。
【0092】
また、凹部321の内表面とボール309との間には、複数の小ボール320が配置されている。すなわち、本実施の形態4に係る要素間支持機構370は、上記実施の形態2、3に係る要素間支持機構370と同様に構成されている。
【0093】
このように構成されたテーブル搬送装置400について説明する。駆動源401の出力軸からの動力が、駆動力伝達機構402によって、回転軸405に伝達され、回転軸405が回転する。
【0094】
回転軸405が回転すると、テーブル支持部403が回転軸405の軸方向に変位する。この際、ボール309は、窪み321内で良好に回転または滑ることができるので、カム溝408とボール309との間で大きな摩擦が生じることを抑制することができる。さらに、油圧機構によって、移動部材307をカム溝408の内表面に押圧することができるので、ガタの発生を抑制することができる。
【0095】
このため、テーブルを正確に搬送することができ、さらに、位置制御の正確性が高くないときには、油圧機構によるボール309を弱めることにより、さらにボール309とカム溝408との間の摩擦を低減することができ、高速搬送することができる。
【0096】
なお、本実施の形態4に係る要素間支持機構は、上記実施の形態2、3に係る要素間支持機構と同様に構成されているため、上記実施の形態2、3に係る要素間支持機構と同様の作用・効果を得ることができる。
【0097】
本実施の形態4に係るテーブル搬送装置400においては、回転軸405に螺旋状のカム溝408が形成された例について説明したが、図10および図11に示されるように、軸方向に沿って延在するカム溝であってもよい。
【0098】
図10は、本実施の形態4に係るテーブル搬送装置の変形例を示す断面図であり、図11は、図10に示すXI−XI線における断面図である。
【0099】
この図10、図11に示されるように、このテーブル搬送装置500は、軸方向に直線状に延在するカム溝408が形成された軸部501と、この軸部501に沿って移動するテーブル支持部材502と、テーブル支持部材502と軸部501との間に設けられた要素間支持機構370とを備えている。
【0100】
このテーブル搬送装置500においても、ボール309をカム溝408に向けて変位可能とされているので、所定の径と異なる径のボール309が装着されたとしても、ボール309をカム溝408の表面に押圧することにより、ガタ等の不具合なく、テーブル支持部材502を移動させることができる。
【0101】
以上のように本発明の実施の形態について説明を行なったが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0102】
また、上記実施の形態1から実施の形態4においては、自動工具交換装置、アクチュエータおよび搬送装置に適用した例について説明したが、これに限られず、一方が他方に対して移動可能とされた機械要素間を有機的に接続する機構であれば、本発明を適用するこ
【産業上の利用可能性】
【0103】
本発明は、要素間支持機構であって、特に機械要素間を有機的に結合する要素間支持機構、および、この要素間支持機構を備えた自動工具交換装置、アクチュエータ、搬送装置等の機械装置に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0104】
【図1】実施の形態1に係る自動工具交換装置の断面図である。
【図2】図1に示されたII−II線における断面図である。
【図3】要素間支持機構を詳細に示す断面図である。
【図4】実施の形態2に係る油圧シリンダの断面図である。
【図5】図4のV−V線における断面図である。
【図6】要素間支持機構の詳細を示す断面図である。
【図7】実施の形態3に係るアクチュエータを示す断面図である。
【図8】実施の形態4に係るテーブル搬送装置の要部を示す断面図である。
【図9】図8に示すIX−IX線における断面図である。
【図10】実施の形態4に係るテーブル搬送装置の変形例を示す断面図である。
【図11】図10に示すXI−XI線における断面図である。
【符号の説明】
【0105】
1 ケーシング、3 ウォームホイル、5 回転軸、8 カム溝、12 回転軸、17 環状凹部、41A1 リング、41A2 突出部、41 脱落防止部材、42 ボール、43 移動部材、45 カム溝、50 ターレット、60,65 駆動力伝達機構、70 要素間支持機構、71 油圧機構、100 自動工具交換装置、300 油圧シリンダ、320 小ボール、350 アクチュエータ、400,500 テーブル搬送装置。
【技術分野】
【0001】
本発明は、要素間支持機構、特に、機械要素間に設けられ、機械要素を支持する要素間支持機構、この要素間支持機構を備えた自動工具交換装置、搬送装置およびアクチュエータに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ATC(automatic tool changer)、テーブル搬送ユニット、アクチュエータ等の機械装置は、複数の機械要素が要素間支持機構を介して有機的に結合されることにより構成されている。
【0003】
この要素間支持機構は、一般的に、一方の機械要素に設けられ、他方の機械要素と接触することにより、一方の機械要素と他方の機械要素との間に機械的な関係を持たせている。このような要素間支持機構としては、例えば、ギア機構やカム機構等が良く知られている。
【0004】
要素間支持機構は、接触する機械要素との間に生じる摩擦やガタ等の不具合の生じさせることなく、機械要素間を結合する必要がある。
【0005】
このため従来から、機械要素との接触部分にボール等の球状体や、ローラなどの筒状体を採用し、摩擦等の低減が図られている。
【0006】
一方の機械要素からの動力を他方の機械要素に伝達する駆動力伝達機構において、機械要素との接触箇所にボールが採用された機構として、例えば、特開平8−159233号公報に記載された間欠回転装置がある。
【0007】
この間欠回転装置において、要素間支持機構は、出力軸に設けられ、出力軸に形成されたボールベアリング保持穴と、ボールベアリング保持穴に装着されたボールベアリングと、ボールベアリング保持穴内にボールベアリングを保持するための押え板とを備えている。
【0008】
そして、入力軸が回転する一方で、入力軸に形成されたカム溝内をボールベアリングが滑動することにより、出力軸が回転する。
【特許文献1】特開平8−159233号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
このように機械要素との接触箇所にボールが採用された要素間支持機構においては、ボールと接触面とを良好に接触させてガタ等の不具合の発生を防止するために、正確にボールの径を調整する必要がある。その一方で、市販されているボールの径の種類には、限りがあり、ボールの径を調整しようとしても、限度がある。
【0010】
本発明は、上記のような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、径の種類が限られた市販のボールを用いても、ガタ等の不具合を抑制することができる要素間支持機構を提供すると共に、この要素間支持機構を備えた自動工具交換装置、搬送装置およびアクチュエータを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る要素間支持機構は、一方が他方に対して可動である第1要素と第2要素との間に装着され、第1要素を支持可能な球状体と、第1要素に向けて、球状体を押圧可能な押圧手段とを備える。好ましくは、上記球状体を着脱可能に、第2要素に装着する。好ましくは、上記第2要素に形成され、球状体を回転可能に受け入れる窪みと、第2要素に着脱可能に設けられ、球状体の一部を露出すると共に、窪みからの球状体の脱落を防止可能な脱落防止部材とをさらに備える。好ましくは、上記球状体を回転可能に受け入れる窪みが形成されると共に、第2要素に設けられ、押圧手段からの押圧力によって第1要素に向けて変位可能とされた移動部材と、第1要素に向けて位置調整可能に第2要素に設けられ、移動部材を係止して該移動部材の最大変位量を調整可能なストッパとを備える。
【0012】
好ましくは、上記窪み内に設けられ、窪みの内表面と球状体の外表面との少なくとも一方に接し、球状体より小径に形成された複数の小球状体をさらに備える。
【0013】
本発明に係る自動工具交換装置は、上記要素間支持機構を備える。本発明に係る搬送装置は、上記要素間支持機構を備える。本発明に係るアクチュエータは、上記要素間支持機構を備える。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る要素間支持機構は、ボールの径が正確に調整されず、ボールと機械要素との間に隙間が生じたとしても、ボールを機械要素に向けて押圧することができるので、ガタ等の不具合を生じさせることなく、機械要素同士を有機的に結合することができる。また、本発明に係る工具交換装置、搬送装置、アクチュエータにおいても、同様の効果を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
(実施の形態1)
図1から図3を用いて、本実施の形態1に係る要素間支持機構70およびこの要素間支持機構70を備えた自動工具交換装置100について説明する。
【0016】
図1は、本実施の形態1に係る自動工具交換装置100の断面図であり、図2は、図1に示されたII−II線における断面図である。図1に示されるように、自動工具交換装置100は、図示されないモータ(駆動源)の出力軸からの駆動力を回転軸5に伝達して、回転軸5を回転させる第1駆動力伝達機構60と、出力軸からの駆動力を回転軸5に伝達して、回転軸5を軸方向に駆動する第2駆動力伝達機構65とを備えている。
【0017】
第1駆動力伝達機構60は、ケーシング1内に設けられ、回転軸12に固設された円盤状のウォームホイル(第1機械要素)3と、ケーシング1に回動可能に設けられたウォームギア2と、回転可能に設けられたターレット(第2機械要素)50と、このターレット50に設けられ、ウォームホイル3の駆動力をターレット50に伝達する要素間支持機構70とを備えている。ウォームホイル3は、円形の側面と、両側面間に位置する周面と、周面に形成されたカム溝45とを備えている。ウォームギア2は、図示されないモータ等の駆動源によって回動させられ、このウォームギア2の先端部には、ウォームホイル3の周面に形成されたギアと噛合するギア2aが形成されている。このため、ウォームギア2が回動することにより、ウォームホイル3が回転軸12を中心として回転する。
【0018】
ターレット50は、回転軸12と交差する方向に延在する軸部110と、軸部110の一方の端部に形成された円板部112とを備えており、回転軸12と交差するように配置されている。
【0019】
軸部110の両端部は、ケーシング1に回転可能に支持されており、軸部110の中央部は、支持部材143によって支持されており、軸部110に撓みが生じるのが抑制されている。円板部112の周面には、ギア部112aが形成されている。
【0020】
要素間支持機構70は、複数の凹部120aを規定する環状部材120と、この凹部120a内に収納され、ウォームホイル3に向けて移動可能に設けられた移動部材43と、この移動部材43に嵌め込まれ、ターレット50とウォームホイル3との間に配置されたボール(球状体)42と、ボール42および移動部材43をウォームホイル3に向けて押圧可能な油圧機構(押圧機構)71とを備えている。
【0021】
この要素間支持機構70によれば、油圧機構71は、移動部材43を介して、ボール42をウォームホイル3に向けて変位させることができる。そのため、所望の径より小さなボール42が採用されたとしても、油圧機構71が移動部材43を介してボール42をウォームホイル3に向けて変位させて、ボール42とカム溝45との間に隙間が生じることを抑制することができる。これにより、ボール42がカム溝45内を良好に摺動することとなり、ガタ等の不具合の発生が抑制され、ウォームホイル3の回転運動をターレット50に良好に伝達することができる。
【0022】
図2に示されるように、複数の凹部120aが等間隔に周方向に複数形成され、各凹部120a内に移動部材43が設けられている。
【0023】
図1において、油圧機構71は、軸部110内に形成された給油管113と、この給油管113の端部に設けられた回転継手141と、この回転継手141を介して給油管113に接続されるパイプ140とを備えている。
【0024】
給油管113は、軸部110の一方の端部から環状部材120が位置する部分に亘って延在する。そして、環状部材120に形成された各凹部120aに達するように分岐する。このため、油(液体状の媒体)により、移動部材43を介してボール42をウォームホイル3に向けて変位させることができ、ボール42をカム溝45の内周面に当接させることができる。なお、本実施の形態1においては、油圧機構71が採用されているが、これに限られず、たとえば、媒体として空気やガス(気体状の媒体)を用いた空圧、ガス圧機構であってもよい。
【0025】
図3は、要素間支持機構70を詳細に示す断面図である。この図3に示されるように、凹部120aは、凹部120a2と、この凹部120a2より径方向外方に形成され、凹部120a2より大径に形成された環状凹部120a1とを備えている。
【0026】
移動部材43は、凹部120a2の内周面と摺接する大径部122と、この大径部122より小径に形成され、ウォームホイル3に向けて突出する小径部123とを備えている。小径部123のウォームホイル3側の端面には、窪み44が形成されており、ボール42が受け入れられている。窪み44の内表面は、ゴッシクアーチ形状とされており、径r2が、ボール42の径r1より大径に形成された円弧面を2つつなぎ合わせることにより構成されている。
【0027】
このため、ボール42と窪み44との接触部分は、線接触することになり、ボール42と窪み44の内周面との間に隙間ができ、ボール42と窪み44の内周面との間に大きな摩擦が生じることを抑制することができる。
【0028】
窪み44の開口縁部には、ボール42が窪み44から脱落することを防止する脱落防止部材41が設けられている。この脱落防止部材41は、窪み44の開口縁部に形成された環状溝部内に嵌め込まれたCリング41A1と、このCリング41A1に設けられた環状の突出部41A2とを備えている。
【0029】
このため、ボール42が装着された状態で、ターレット50単体を装置から取り出すことができ、ターレット50単体でボールの径の調整を行うことができる。
【0030】
大径部122の軸方向の長さは、凹部120a2の深さより短く形成されており、大径部122は、凹部120a2内にて軸方向に変位可能とされている。凹部120a2には、給油管113が接続されており、凹部120a2の内周面と移動部材43との間には、油(媒体)が貯留可能な給油室120dが形成されている。給油室120d内に油が供給されることにより、移動部材43がウォームホイル3に向けて押圧され、移動可能とされている。
【0031】
このため、装着されたボール42の径が所定の径より小さく、ボール42とカム溝45との間に隙間が生じるような場合においても、移動部材43がウォームホイル3側に変位することにより、ボール42をカム溝45の内表面に接触させることができる。
【0032】
さらに、装着されたボール42の径が所定の径より大きい場合には、ボール42とカム溝45の内表面とが接触するように移動部材43を後退させることにより、ボール42をカム溝45内に入れ込むことができる。
【0033】
このように、ボール42をウォームホイル3に向けて変位可能に設けられた移動部材43によって、装着されたボール42の径が多少所定の径とちがうものであっても、ボール42をカム溝45内に嵌め込むことができる。さらに、ボール42をカム溝45の内表面に押し付けることにより、ボール42とカム溝45との間の隙間をなくすことができ、ガタ等の不具合なく、ウォームホイル3からの駆動力をターレット50に伝達することができる。
【0034】
環状凹部120a1には、リング状のストッパ121が設けられている。ストッパ121の内径は、凹部120a2の径より小さく、ストッパ121は、凹部120aの開口縁部から内径方向に突出している。
【0035】
小径部123は、ストッパ121の中央部に形成された貫通孔内に挿入され、大径部122の上面とストッパ121の底面とが当接することにより、ストッパ121が移動部材43を係止する。これにより、移動部材43がウォームホイル3に向けて変位する最大移動距離を規定することができる。
【0036】
環状凹部120a1の内周面には、ネジ部121bが形成されており、ストッパ121の周面には、このネジ部121bと螺合するネジ部121aが形成されている。このため、ストッパ121は、回動されると、ウォームホイル3に向けて変位可能とされている。したがって、ストッパ121を回動することにより、ストッパ121と移動部材43との係止位置を設定することができ、移動部材43の最大変位量を調整することができる。
【0037】
さらに、このストッパ121を環状部材120から着脱可能とすることにより、移動部材43が経時的に劣化したとしても、当該移動部材43のみを交換することができ、修理・修繕のコスト低減を図ることができる。
【0038】
図1において、回転軸5には、環状の回動部材150が設けられており、この回動部材150の外周面には、ターレット50に形成されたギア部112aに対応するギア部150aが形成されている。
【0039】
このため、ウォームギア2がモータの駆動力によって回動して、ウォームホイル3およびターレット50が回動すると、回転部材150も回動する。回動部材150が回動すると、この回動部材150と係合する回転軸5も回動する。このようにして、モータからの駆動力が回転軸5の回転力として伝達される。
【0040】
回転軸5の端部には、工具マガジンに設置された工具と、主軸に装着された工具とを交換する図示されない工具交換アームが設けられている。この工具交換アームは、略長方形形状とされており、両端部側にて工具および工具ホルダを把持することができる工具把持部を備えており、中央部にて回転軸5に支持されている。
【0041】
なお、第2駆動力伝達機構65は、ウォームホイル3の回転運動を、回転軸5に形成された環状凹部17から回転軸5に伝達する図示されない動力伝達部材を備えている。この動力伝達部材は、一方の端部側に設けられ、ウォームホイル3の側面に形成された図2に示す環状のカム溝8内を摺動するローラと、他方の端部側に設けられ、環状凹部17内を摺動するローラと、中央部に形成された回転軸とを備えている。
【0042】
そして、ウォームホイル3が回転すると、カム溝8内を摺動するローラの位置が変位して、動力伝達部材が回転軸を中心に回動する。そして、他方の端部に設けられ、環状凹部17内に配置されたローラによって、回転軸5を軸方向に変位する。
【0043】
上記のように構成された自動工具交換装置100の動作について説明する。図1において、図示されない主軸に装着された工具と、工具マガジンに待機している交換する新たな工具とを交換する際、まず、工具交換アームは、退避位置から各工具に向けて回動する。
【0044】
この回動工程において、油圧機構71は、給油管113から油を供給して、ボール42をウォームホイル3のカム溝45に押し付ける。これにより、ターレット50は、ウォームホイル3のカム溝45に従って、正確に回動し、回転軸5も正確に回動する。
【0045】
これにより、工具交換アームの位置を正確に制御することができ、主軸に装着された工具および工具マガジンにて待機している工具を正確に取りに行くことができる。
【0046】
工具交換アームの工具把持部が各工具に位置すると、図示されないアンクランプ装置によって、主軸に装着された工具が取り外される。
【0047】
このアンクランプ動作時には、主軸に大きな衝撃力が加えられるため、工具交換アームなどを介してボール42に大きな応力が加えられないように、油圧機構71によるボール42の押圧力は低減される。
【0048】
油圧機構71からボール42への押圧力が低減されると、図3において、ボール42に大きな押圧力が加えられたときに、移動部材43がウォームホイル3から退避するように変位して、ボール42に加えられる応力を低減することができる。
【0049】
このように、本実施の形態1に係る要素間支持機構70によれば、選択的にボール42への押圧力を調整することができ、ボール42およびターレット50に大きな応力がかかることを抑制することができる。
【0050】
さらに、ボール42に大きな応力が加えられると、ボール42は、窪み44内で回転して、加えられる応力を受け流し、ボール42自体およびターレット50に大きな応力が加えられることをさらに抑制することができる。これにより、ターレット50などが損傷することを抑制することができる。
【0051】
上記アンクランプ動作後には、油圧機構71からの押圧力により、ボール42をカム溝45内に押し付ける。しかる後に、図1に示す第2駆動力伝達機構65によって、回転軸5は、軸方向に変位させられ、工具交換アームは、主軸から工具を引き抜くと共に、工具マガジンに収納されている工具を取り出す。
【0052】
そして、回転軸5が第1駆動力伝達機構60によって回転させられ、工具交換アームも回転し、各工具が搬送される。そして、各工具が、主軸および工具マガジンの収納位置に正確に位置合わせされる。その後、回転軸5が軸方向に変位して、新たな工具が主軸に装着される。
【0053】
(実施の形態2)
図4から図7を用いて、実施の形態2に係る要素間支持機構370およびこの要素間支持機構370を備えた油圧シリンダ(アクチュエータ)300について説明する。なお、図1から図3に示された構成と同一の構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0054】
図4は、本実施の形態2に係る油圧シリンダ300の断面図である。この図4に示されるように、油圧シリンダ300は、有底円筒状に形成された筐体(第1機械要素)340と、この筐体340内に設けられたピストン(第2機械要素)311と、筐体340に設けられた要素間支持機構370とを備えている。
【0055】
筐体340内は、ピストン311によって、油を収納可能な給油室303と、給油室313とに規定されている。各給油室303、313には、給油管304、314が接続されている。
【0056】
ピストン311は、筐体340内を給油室303と給油室313とに区分する閉塞部材302と、この閉塞部材302に接続され、表面にカム溝305が形成されたカム部324と、このカム部324に連設された出力軸301とを備えている。
【0057】
要素間支持機構370は、カム溝305内に入り込みピストン311を支持するボール309を備えている。
【0058】
図5は、図4のV−V線における断面図である。この図5に示されるように、要素間支持機構370は、ピストン311の周方向に沿って複数配置されている。
【0059】
図6は、要素間支持機構370の詳細を示す断面図である。この図6に示されるように、要素間支持機構370は、筐体340の内周面に形成された凹部308内に嵌め込まれた移動部材307と、移動部材307に形成された窪み321内に嵌め込まれたボール309と、このボール309内に装着されたボール309と、油圧機構330とを備えている。
【0060】
移動部材307は、凹部308内にて摺動可能に設けられている。そして、移動部材307が変位することにより凹部308の内表面から離間する背面307aと、凹部308の内表面とによって、給油室325が規定されている。この給油室325には、油圧機構330に設けられた給油管306が接続されている。このため、給油室325内に油が供給されることにより、移動部材307は、ピストン311に向けて進出可能とされており、給油室325から油を抜くことにより、後退させることができる。
【0061】
窪み320の内表面とボール309の外表面との間には、複数の小ボール(小球状体)320が複数収納されている。
【0062】
この小ボール320の径は、ボール309の径より小径に形成されており、小ボール320の外表面は、ボール309または窪み321の内表面の少なくとも一方と接触している。
【0063】
ボール309は、小ボール320と複数の位置で接触している。そして、小ボール320は、ボール309の動きに従って回転するため、小ボール320とボール309との間に生じる摩擦は、ボール309が直接窪み321の内表面と接触して、ボール309と窪み321との間に生じる摩擦より低減されている。このため、窪み321内でボール309は、良好に回転や滑ることができる。
【0064】
窪み321の開口縁部には、脱落防止部材312が設けられており、この脱落防止部材312によって、ボール309と窪み321の内周面との間に形成される収納空間の開口端部が閉塞され、小ボール320の脱落が防止されている。
【0065】
移動部材307の底面307aと、凹部308の内表面との間には、給油室325が形成されており、油圧機構330は、給油室325に接続された給油管306を備えている。
【0066】
上記のように構成された油圧シリンダ300の動作について説明する。
例えば、ピストン311が退避した状態から、図4に示すように、ピストン311を下方に向けて進出させるには、まず、給油管314から給油室313内に油が供給される。
【0067】
給油室313内に油が供給されると、ピストン311は下方に押圧され、下方に向けて進出する。この際、ボール309は、カム溝305内に嵌め込まれており、ピストン311は、カム溝305によって案内される。
【0068】
本実施の形態2に係る油圧シリンダ300においては、カム溝305は、軸方向に沿って延在する部分と、軸方向に向かうに従って周方向に延在する部分とを備えている。このため、周方向に延在する部分にボール309が差し掛かると、ピストン311は下方に変位しつつも、周方向に回転する。
【0069】
この際、ボール309は、複数の小ボール320によって支持されているので、大きな摩擦を生じることなく、カム溝305の形状の変化に追従して、ボール309の回転方向や滑りの方向を変更させることができる。
【0070】
このため、ボール309とカム溝305との間にも摩擦が生じ難く、ピストン311を滑らかに案内することができる。このようにして、ピストン311は、図4に示すように外方に向けて進出する。
【0071】
なお、本実施の形態2に係る要素間支持機構370においては、移動部材307がピストン311に向けて変位可能とされている。このため、ボール309の径が正確に設定されていない場合においても、ボール309をカム溝305に押圧させて、ピストン311や筐体340にガタや振動の発生を抑制することができ、さらに、摩擦の低減を図ることができる。
【0072】
さらに、移動部材307を後退させることにより、所定の径より大きなボール309が装着されたとしても、ボール309をカム溝305内に嵌め込むことができる。すなわち、本実施の形態2に係る要素間支持機構370は、上記実施の形態1に係る要素支機構と同様の作用・効果を得ることができる。好ましくは、上記実施の形態1と同様に、脱落防止部材312を移動部材307に対して着脱可能とする。
【0073】
本実施の形態2に係る油圧シリンダ300は、筐体340側に要素間支持機構370を設けているが、これに限られず、ピストン側に設けても良い。
【0074】
(実施の形態3)
図7は、本実施の形態3に係るアクチュエータ350を示す断面図である。この図7に示されるように、アクチュエータ350は、筐体351と、筐体351内に設けられた出力軸352と、筐体351内に配置され、出力軸352の周囲に配置された筒体380と、出力軸352に設けられた要素間支持機構370とを備えている。
【0075】
筒体380は、中空円柱状に形成されており、軸方向に対向配置された一対の規定壁部361、363と、この規定壁部361、363の外周縁部に形成された中空状の胴体部362とを備えている。
【0076】
規定壁部363は、筐体351の内壁面と協働して、筐体351内に給油室365を規定し、規定壁部361も同様に給油室360を規定する。そして、給油室365には、給油管371が接続されており、給油室360には、給油管372が接続されている。
【0077】
このため、給油室365または給油室360内に油を供給することにより、筒体380を軸方向に変位させることができる。なお、筒体380が周方向に回転することを抑制するために、ストッパ390が筐体351の内壁面に設けられている。
【0078】
筒体380の内壁面には、軸方向に向かうに従って、周方向に延在するカム溝362が形成されている。
【0079】
出力軸352は、筒体380に挿入され、両端部が筐体351に回転可能に支持された軸部356と、筒体380内に位置する軸部356に設けられた要素間支持機構370とを備えている。
【0080】
要素間支持機構370は、複数の凹部308が形成された環状部材353と、凹部308内に移動可能に設けられた移動部材307と、この移動部材307の端面に形成された窪み321内に装着されたボール309と、油圧機構とを備えている。
【0081】
油圧機構は、軸部356内に形成され、軸部356の端部から環状部材353が位置する部分にまで延在し、各凹部321に向けて分岐する給油管354を備えており、凹部308と移動部材307との間に油を供給することにより、移動部材307を変位させることができる。ボール309は、カム溝362と係合し、筒体380を支持している。なお、本実施の形態3においても、要素間支持機構370は、複数の小ボールをボール309と窪み321との間に備えている。
【0082】
上記のように構成されたアクチュエータ350の動作について説明する。図7に示された状態から、給油室365内に油が供給されると、筒体380が軸方向に変位する。この際、カム溝362にボール309がはめ込まれており、筒体380の周方向の変位が抑制されているため、軸部356が回転する。
【0083】
油圧機構によって、ボール309を、筒体362の径方向に向けて変位させることができるため、ボール309をカム溝362aの表面に押圧させることができ、ガタ、過大な摩擦を生じさせることなく、良好にボール309をカム溝362a内を摺動させることができる。
【0084】
すなわち、本実施の形態3に係る要素間支持機構は、上記実施の形態2に係る要素間支持機構と同様に構成されているため、上記実施の形態2と同様の作用・効果を得ることができる。
【0085】
(実施の形態4)
図8および図9を用いて、本実施の形態4に係るテーブル搬送装置400について説明する。図8は、本実施の形態4に係るテーブル搬送装置400の要部を示す断面図である。
【0086】
この図8に示されるように、テーブル搬送装置400は、モータなどの駆動源401と、外表面に螺旋状に延在するカム溝408が形成された回転軸405と、この回転軸405に設けられ、図示されないテーブルを支持するテーブル支持部403と、このテーブル支持部403に設けられた要素間支持機構370とを備えている。
【0087】
駆動源401の出力軸と回転軸405との間には、出力軸からの動力を回転軸405に伝達する駆動力伝達機構402が設けられている。
【0088】
要素間支持機構370は、テーブル支持部403に形成された凹部308と、この凹部308内に移動可能に装着された移動部材307と、移動部材307の端面に形成された窪みに装着されたボール309と、移動部材307を介してボール309を押圧する油圧機構とを備えている。
【0089】
油圧機構は、テーブル支持部403内に形成され、各凹部308と移動部材307との間に油を供給する給油管409を備えている。
【0090】
図9は、図8に示すIX−IX線における断面図である。この図9に示されるように、要素間支持機構370は、回転軸405の周方向に複数配置されている。
【0091】
ボール309は、移動部材307の端面に形成された窪み321に装着されており、脱落防止部材312によって、窪み321内に保持されている。
【0092】
また、凹部321の内表面とボール309との間には、複数の小ボール320が配置されている。すなわち、本実施の形態4に係る要素間支持機構370は、上記実施の形態2、3に係る要素間支持機構370と同様に構成されている。
【0093】
このように構成されたテーブル搬送装置400について説明する。駆動源401の出力軸からの動力が、駆動力伝達機構402によって、回転軸405に伝達され、回転軸405が回転する。
【0094】
回転軸405が回転すると、テーブル支持部403が回転軸405の軸方向に変位する。この際、ボール309は、窪み321内で良好に回転または滑ることができるので、カム溝408とボール309との間で大きな摩擦が生じることを抑制することができる。さらに、油圧機構によって、移動部材307をカム溝408の内表面に押圧することができるので、ガタの発生を抑制することができる。
【0095】
このため、テーブルを正確に搬送することができ、さらに、位置制御の正確性が高くないときには、油圧機構によるボール309を弱めることにより、さらにボール309とカム溝408との間の摩擦を低減することができ、高速搬送することができる。
【0096】
なお、本実施の形態4に係る要素間支持機構は、上記実施の形態2、3に係る要素間支持機構と同様に構成されているため、上記実施の形態2、3に係る要素間支持機構と同様の作用・効果を得ることができる。
【0097】
本実施の形態4に係るテーブル搬送装置400においては、回転軸405に螺旋状のカム溝408が形成された例について説明したが、図10および図11に示されるように、軸方向に沿って延在するカム溝であってもよい。
【0098】
図10は、本実施の形態4に係るテーブル搬送装置の変形例を示す断面図であり、図11は、図10に示すXI−XI線における断面図である。
【0099】
この図10、図11に示されるように、このテーブル搬送装置500は、軸方向に直線状に延在するカム溝408が形成された軸部501と、この軸部501に沿って移動するテーブル支持部材502と、テーブル支持部材502と軸部501との間に設けられた要素間支持機構370とを備えている。
【0100】
このテーブル搬送装置500においても、ボール309をカム溝408に向けて変位可能とされているので、所定の径と異なる径のボール309が装着されたとしても、ボール309をカム溝408の表面に押圧することにより、ガタ等の不具合なく、テーブル支持部材502を移動させることができる。
【0101】
以上のように本発明の実施の形態について説明を行なったが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0102】
また、上記実施の形態1から実施の形態4においては、自動工具交換装置、アクチュエータおよび搬送装置に適用した例について説明したが、これに限られず、一方が他方に対して移動可能とされた機械要素間を有機的に接続する機構であれば、本発明を適用するこ
【産業上の利用可能性】
【0103】
本発明は、要素間支持機構であって、特に機械要素間を有機的に結合する要素間支持機構、および、この要素間支持機構を備えた自動工具交換装置、アクチュエータ、搬送装置等の機械装置に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0104】
【図1】実施の形態1に係る自動工具交換装置の断面図である。
【図2】図1に示されたII−II線における断面図である。
【図3】要素間支持機構を詳細に示す断面図である。
【図4】実施の形態2に係る油圧シリンダの断面図である。
【図5】図4のV−V線における断面図である。
【図6】要素間支持機構の詳細を示す断面図である。
【図7】実施の形態3に係るアクチュエータを示す断面図である。
【図8】実施の形態4に係るテーブル搬送装置の要部を示す断面図である。
【図9】図8に示すIX−IX線における断面図である。
【図10】実施の形態4に係るテーブル搬送装置の変形例を示す断面図である。
【図11】図10に示すXI−XI線における断面図である。
【符号の説明】
【0105】
1 ケーシング、3 ウォームホイル、5 回転軸、8 カム溝、12 回転軸、17 環状凹部、41A1 リング、41A2 突出部、41 脱落防止部材、42 ボール、43 移動部材、45 カム溝、50 ターレット、60,65 駆動力伝達機構、70 要素間支持機構、71 油圧機構、100 自動工具交換装置、300 油圧シリンダ、320 小ボール、350 アクチュエータ、400,500 テーブル搬送装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方が他方に対して可動である第1要素と前記第2要素との間に装着され、前記第1要素を支持可能な球状体と、
前記第1要素に向けて、前記球状体を押圧可能な押圧手段と、
を備えた要素間支持機構。
【請求項2】
前記球状体を着脱可能に、前記第2要素に装着した、請求項1に記載の要素間支持機構。
【請求項3】
前記第2要素に形成され、前記球状体を回転可能に受け入れる窪みと、
前記第2要素に着脱可能に設けられ、前記球状体の一部を露出すると共に、前記窪みからの前記球状体の脱落を防止可能な脱落防止部材と、
をさらに備えた、請求項1または請求項2に記載の要素間支持機構。
【請求項4】
前記球状体を回転可能に受け入れる窪みが形成されると共に、前記第2要素に設けられ、前記押圧手段からの押圧力によって前記第1要素に向けて変位可能とされた移動部材と、
前記第1要素に向けて位置調整可能に前記第2要素に設けられ、前記移動部材を係止して該移動部材の最大変位量を調整可能なストッパと、
を備えた、請求項1または請求項2に記載の要素間支持機構。
【請求項5】
前記窪み内に設けられ、前記窪みの内表面と前記球状体の外表面との少なくとも一方に接し、前記球状体より小径に形成された複数の小球状体をさらに備える、請求項2または請求項3に記載の要素間支持機構。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれかに記載された要素間支持機構を備えた、自動工具交換装置。
【請求項7】
請求項1から請求項5のいずれかに記載された要素間支持機構を備えた、搬送装置。
【請求項8】
請求項1から請求項5のいずれかに記載された要素間支持機構を備えた、アクチュエータ。
【請求項1】
一方が他方に対して可動である第1要素と前記第2要素との間に装着され、前記第1要素を支持可能な球状体と、
前記第1要素に向けて、前記球状体を押圧可能な押圧手段と、
を備えた要素間支持機構。
【請求項2】
前記球状体を着脱可能に、前記第2要素に装着した、請求項1に記載の要素間支持機構。
【請求項3】
前記第2要素に形成され、前記球状体を回転可能に受け入れる窪みと、
前記第2要素に着脱可能に設けられ、前記球状体の一部を露出すると共に、前記窪みからの前記球状体の脱落を防止可能な脱落防止部材と、
をさらに備えた、請求項1または請求項2に記載の要素間支持機構。
【請求項4】
前記球状体を回転可能に受け入れる窪みが形成されると共に、前記第2要素に設けられ、前記押圧手段からの押圧力によって前記第1要素に向けて変位可能とされた移動部材と、
前記第1要素に向けて位置調整可能に前記第2要素に設けられ、前記移動部材を係止して該移動部材の最大変位量を調整可能なストッパと、
を備えた、請求項1または請求項2に記載の要素間支持機構。
【請求項5】
前記窪み内に設けられ、前記窪みの内表面と前記球状体の外表面との少なくとも一方に接し、前記球状体より小径に形成された複数の小球状体をさらに備える、請求項2または請求項3に記載の要素間支持機構。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれかに記載された要素間支持機構を備えた、自動工具交換装置。
【請求項7】
請求項1から請求項5のいずれかに記載された要素間支持機構を備えた、搬送装置。
【請求項8】
請求項1から請求項5のいずれかに記載された要素間支持機構を備えた、アクチュエータ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2007−327597(P2007−327597A)
【公開日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−160130(P2006−160130)
【出願日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【出願人】(596037194)パスカルエンジニアリング株式会社 (106)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【出願人】(596037194)パスカルエンジニアリング株式会社 (106)
【Fターム(参考)】
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