説明

観視システム

SMPPリンクSMSC(12)に接続されるミドルウェアサーバ(10)を含む監視システム。該監視システムはビデオカメラやウェブカムのように(14)、複数の画像捕捉装置に対して二通りの接続を可能にする。カメラ(14)によって捕捉された画像はGPRSと個人データ通信ネットワーク(16)を介してミドルウェアサーバ(10)に送信される。捕捉した画像データを生成する各画像捕捉装置(14)のIPアドレスを表示する、画像データと共に含まれるデータが識別されて、捕捉された画像やそれに関連したデータを受信するように権限が与えられたとして登録された移動通信装置、例えば移動電話などが決定される。自動的に、または要求に応じて画像捕捉装置(14)からのミドルウェアサーバ(10)で受信されたストリーム画像データは権限を与えられた各クライアントに送信される。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は一般的に観視システム、限定的に無線観視システムとそれを与える手段に係わるものである。
【0002】
第一の場所にいる使用者が、該第一の場所の場所から離れた第二の場所で捕捉した画像を、例えば、監視や、モニターあるいは娯楽の目的で見たい場合が数多くある。例えば、ある利用者は他の場所にいる時に画像を受信し、かつ家あるいは会社の敷地内で起こっていることをモニターしたい、またはその何れかをしたいと思うかも知れない。
【0003】
それ故に、離れた場所で画像捕捉装置で捕捉された画像を、パソコンやPDAや携帯電話のような局所通信装置上で利用者が受信できるようにするシステムを提供するのが本発明の目的である。
【0004】
本発明の第一の形態によれば、複数の遠隔画像捕捉装置を示すアドレスデータを保存し、かつ前記遠隔画像捕捉装置の各々によって捕捉された画像を受信するように権限が与えられた一つまたはそれ以上の遠隔通信装置を示すアドレスデータを対応させる手段と、データ通信ネットワークを介して前記画像捕捉装置のうちの一つによって捕捉された画像データを受信する手段と、前記画像捕捉装置を示すアドレスデータを識別し、そこから画像を受信するように権限が与えられた一つまたはそれ以上の遠隔通信装置を示す対応アドレスデータを識別する手段と、前記画像データをデータ通信ネットワークを介して権限の与えられた遠隔通信装置に送信する手段とを含む監視システムを提供することができる。
【0005】
本発明の第一の形態によればまた、観視システムを提供し、かつ複数の遠隔画像捕捉装置を示すアドレスデータを保存し、かつ前記遠隔画像捕捉装置の各々によって捕捉された画像を受信するように権限が与えられた一つまたはそれ以上の遠隔通信装置を示すアドレスデータを対応させることを含み、かつデータ通信ネットワークを介して前記画像捕捉装置の一つによって捕捉された画像データを受信する手段を提供し、かつ前記画像捕捉装置を示すアドレスデータを識別する手段を提供し、かつそこからの画像データを受信するように権限が与えられた一つまたはそれ以上の遠隔通信装置の対応アドレスデータを識別するために照合する手段を提供し、かつ前記画像データをデータ通信ネットワークを介して権限の与えられた遠隔通信装置に送信するために送信手段を提供する方法を提供することができる。
【0006】
好ましい実施態様において、監視システムは前記遠隔通信装置との通信を可能にするクライアント・インターフェイスと、前記遠隔画像捕捉装置との通信を可能にするカメラインターフェイスを有するサーバとを包含する。画像データは前記遠隔画像捕捉装置から前記監視システムに独自のアクセスポイント名(APN)を有する個人データ通信ネットワークを介して前記監視システムに問題なく送信される。有難いことに、前記画像データは公共のデータ通信ネットワークを介して、一つまたはそれ以上の権限を与えられた遠隔通信装置に前記観視システムによって送信される。
【0007】
本観視システムは前記遠隔画像捕捉装置から受け取る画像データを受信し、保存するための画像データベースを包含する。好ましい実施態様においては、複数の遠隔画像捕捉装置を示す前記アドレスデータを保存し、かつ前記遠隔画像捕捉装置の各々によって捕捉された画像を受信するように権限を与えられた一つまたはそれ以上の遠隔通信装置を示すアドレスデータを対応づけるために、利用者データベースが与えられる。一実施例として、視野内に“動き”が識別されたことを示す遠隔画像捕捉装置からの信号を受け取るための手段を提供し、そのような信号の受信に対応して、“動き”が識別された視野に関しての捕捉された画像データの送信を開始するように前記遠隔画像捕捉装置にリクエスト信号を送信するように、前記監視システムを配備し、構成することが可能である。他の実施例としては、前記遠隔画像捕捉装置から受信した画像データを監視し、そこで起こった“動き”を識別するように監視システムを配備し、構成することが可能である。どちらの場合においても、遠隔画像捕捉装置の視野内に“動き”が識別されたことを示す遠隔通信装置(これは画像データを受信する権限が与えられている)に信号を送信する手段が適切に提供される。
【0008】
本発明の第二の形態によれば、以上に定義した観視システムで使用する画像捕捉装置と、そこでの視野内で画像データを捕捉する手段を含む画像捕捉装置と、前記画像データを圧縮する手段と、前記視野内で“動き”を識別する手段と、前記観視システムとデータ通信ネットワークとの接続を構築し、前記視野内に“動き”を識別したことを示す前記監視システムに前記接続を介してデータを送信する手段と、そこで識別された“動き”に応答して保存されるように前記視野に関する画像データを捕捉させる手段が提供される。
【0009】
好ましい実施態様において、前記視野内での“動き”を識別する該手段は前記画像捕捉装置の中、または表面に具備されたモーション・センサを含む。該モーション・センサは、例えば受動赤外線(PIR)センサまたはそれと同じようなものを含む。画像処理手段が付加的に、または代わるものとして画像捕捉装置によって捕捉された画像内での“動き”を識別するために提供される。GPRSのような通信モジュールやアンテナは、前記通信ネットワークを介して結合を構築し、かつ前記通信ネットワークを介してデータを送信するために前記画像捕捉装置の中、または表面に有益なものとして提供される。
【0010】
保存手段、RAMメモリや同様な揮発性メモリ手段が、“動き”が識別された前記視野内で捕捉された前記画像を保存するために前記画像捕捉装置の中、または表面に提供される。付加的に、または代わりの方法として該画像捕捉装置は、“動き”が識別された前記視野内で捕捉された前記画像を保存するために前記通信ネットワークを介して前記観視システムに送信するように配備され、かつ構成される。この点について、画像捕捉装置はそこへ画像データの送信を開始するために前記観視システムからの信号を受信するための手段を包含する。
【0011】
本発明のこれらの形態、および他の形態はここで述べられた実施態様から明らかであり、またこの点に関して説明できるものである。
【0012】
本発明の実施態様を以下のように、単に実例と付随する図を用いて説明する。
【0013】
図面の図1について説明すると、本発明の模範的な実施態様による監視システムはSMPPリンクを介してSMSC 12に接続されるミドルウェアサーバ10を含んでいる。SMSCはShort Message Service Centreの短縮語である。SMSCは特に、移動電話間のテキストメッセージの転送の調整など多くのサービスを提供する。利用者がテキストメッセージ(または、SMSメッセージ)を受領者に送る時、電話は実際はメッセージを保存するSMSCにそのメッセージを送り、その後で利用できるときに最終受領者にそれを配信する。さらに、メッセージ・センターは一般にそこで発生する料金の計算をする。概して、ネットワークごとに少なくとも1個のSMSCがある。SMSメッセージの大量の送信と受信についてはSMSCは移動ネットワーク・インターフェイスと同様に通常の、固定したネットワーク・インターフェイスを有している。多くのプロトコルはこの種の有線アクセスをサポートするために定義されてきたし、またSMPPはこれらのプロトコルのなかで最も普通に使用されてきたものである。
【0014】
hort essage eer to eer(SMPP) プロトコルはGSM、TDMA、CDMA、PDCなどのような無線移動ネットワークを有するデータ応用の集積化を単純化するために設計された誰でも利用できる工業標準メッセージ・プロトコルである。このプロトコルは電気通信工業界では広く展開されており、当業者には良く知られているので、ここではこれ以上詳しく述べないことにする。
【0015】
図面の図1に戻って説明すると、監視システムはビデオカメラとかウェブカメラのように、複数の画像捕捉装置に二通りの接続方法を可能にしている。この接続は都合の良いことに私的なデータ通信ネットワーク16(無線ローカルエリア・ネットワークのように)を経由しており、これはミドルウェアサーバ10へ、またはそれとは逆方向に接続するために画像捕捉装置14に使用されうる独自のアクセスポイント名(APN)を持っている。
【0016】
画像捕捉装置14とデータ通信ネットワーク16との間の通信にとって極めて適切な通信サービスはGPRSである。eneral acket adio ervice(GPRS)は非音声サービスであって、データ通信ネットワーク16を使って情報を送ったり、受けたりすることができる。1秒間に171.2キロビット(kbps)までの理論最小速度が、同時に全8倍タイムスロットを用いたGPRSで達成できる。これは今日の固定通信ネットワークで可能なデータ送信速度の約3倍の速さであり、GSM(移動通信用グローバルシステム)ネットワーク上の現在の回路スイッチ・データ・サービスの10倍の早さである。GPRSは電波の到達範囲にはよるが、必要になれば直ちに情報を送信したり、受信したりできるような即時接続を容易にする利便性がある。ダイヤルアップのモデムは不必要である。しかしながら、本発明はGPRSに限定するように意図したものではなく、3G TETRA、CDMA、PCS(これに限定するわけではないが)を含む他のデジタルネットワークも同様に適用可能である事を認めるものである。
【0017】
いくつかの画像捕捉装置は、例えばBluetooth(登録商標)を介してネットワークに組み入れることができる。ここで、Bluetooth(登録商標)とは無線個人領域ネットワーク(PAN)用の工業規格であり、安全で、低価格でグローバルに利用できる短距離電波周波数を介してデジタルカメラのような装置間で情報の接続と交換を行う方法を与えるものである。Bluetooth(登録商標)はそのような装置に、範囲内に入れば“話”が出来るようにするものである。それは同じ室内にいなくてもお互いに10メートル(32フィート)以内であればよい。Bluetooth(登録商標)プロトコルは2.45GHzの免許不要ISM帯で機能し、723.1kbpsの速度に到る。
【0018】
再び図1に戻って説明すると、カメラ14によって捕捉された画像データはGPRSと個人データ通信ネットワーク16を介してミドルウェアサーバ10に送信される。捕捉画像が生成される各画像捕捉装置14のIPアドレスを示し、画像データとともに包含されるデータが識別され、捕捉画像またはそれに関連したデータを受信する権限が与えられ、登録された移動通信装置、例えば移動電話が決定される。自動的に、または要求があったときにミドルウェアサーバ10で受信し、そこに適切に保存した画像捕捉装置14からのストリーム画像データは、公共のデータ通信ネットワーク20、例えばインターネットを介してGPRSによって適切に、さらに移動電話18への接続をするためにミドルウェアサーバ10で使用することができる独自のアクセスポイント名(APN)を持つことによって、各権限の与えられた(クライアント)移動電話18に送信される。また、その逆の場合もある。
【0019】
以上に述べたサーバ・アーキテクチャーは現在の移動電話ネットワークが使用できる方法であるために好ましいものである。通常、GPRSネットワーク・オペレータは動的ホスト構成プロトコル(DHCP)と、ネットワーク・アドレス変換(NAT)とポート・アドレス変換(PAT)またはそれらの何れかとの組み合わせを使用して、移動装置がデータ期間中に個人領域のIPアドレスが動的に割り当てられるようにすることができる。それらのサーバでの両方向アドレス探索が出来ないことは、料金機構上の制限が有ることもあって、ある端末(例えば、移動電話)から他の端末への直接データ転送を生じることになる、これは実質的に避けられていることであるが。それ故に、現在の環境下では画像捕捉装置14から移動電話18へデータを転送するためには両端末が、公共の静的IPアドレス上にあって両端末に“見える”サーバ10へ接続されることが必要である。
【0020】
この理由から、図の構成から予想できるように画像捕捉装置14はネットワーク・プロバイダから与えられるSIMと共に配備され、個人APNがそのプロバイダで設定されて画像捕捉装置がインターネットにアクセスでき、サーバ10に接続できることになる。しかしながら、これは本質的なものではなく、将来に向けてネットワーク・プロバイダの運営方法の進歩に依存するものである。
【0021】
他方において、クライアント装置18(これは移動電話を含むが、このハードウェア環境に限られるものではない。また、クライアント応用端末18は基本的には利用者インターフェイス特性をサポートし、かつ画像を表示できる任意のインターネット接続装置であればよく、パーソナル・コンピュータ(PC)や、ラップトップ・コンピュータや、PDAや、パームトップコンピュータなどを含むが、これらに限ったことではない)はインターネットに接続できて、サーバ10が“見える”限り、またファイヤー・ウォールや監視システムのTCP/IP回線をブロックするようなクライアントAPN 16のポート制限がなければ、任意のネットワーク・プロバイダと接続することができる。
【0022】
以上に述べた監視システムでの使用に適しているカメラ14は線画の図2に図示されている。一般に、カメラ14はハードウェアと内蔵ソフトウェアでできており、画像捕捉と、画像圧縮と、画像動き検出と、画像保存と、サーバ(10)へのGPRS送信を行うものである。カメラ14の基本的に必要な機能は、この手本的な実施態様では、カラーCMOSカメラ・モジュールからの画像を捕捉と、JPEG圧縮を用いて捕捉画像を圧縮と、要求に応じての遠隔サーバへのGPRS接続を介しての圧縮した画像の転送と、動き検出と、部分保存と事前事後の画像のアップロードである。
【0023】
したがって、図面の図2に描かれたカメラ14はカメラ・モジュール200と、カメラ・モジュール200がカメラインターフェイスモジュール204を介して接続されるプロセッサ202を含んでいる。画像データ圧縮を達成するソフトウェアを有しているプロセッサ202は受動赤外線動きセンサ206と、状態指示器208と、フラッシュメモリ・モジュール210とRAMメモリ・モジュール212に接続されている。プロセッサ202はまた、SIM 216とアンテナ218を有するGPRSモジュール214に接続されている。さほど重要ではないが、外部電源ユニット220と、電源管理モジュール222と、リチウム・イオン・バッテリ224と付加的な支持装置(226として一般的に示されている)が図示されている。勿論、電源は太陽電池、蓄電池、コンセントなどを含む任意の適当な手段をも包含するものである。
【0024】
カメラ・モジュール200は8ビットYUV4:2:2出力フォーマートと、IC制御インターフェイスと、固定焦点レンズを有するカラーCMOSカメラ・モジュールである。そこで、カメラインターフェイス204は、IC制御をサポートするように要求される。さらに、プロセッサ202の中のJPEG圧縮手段は、8ビットYUV4:2:2画像データを受信し、ユーザ定義可能な量子化とハフマン・テーブルを使ってJPEG圧縮を実行することができる。さらに一般化して、理想的にはプロセッサ202は最少の付加要素で他のシステム構成要素へのインターフェイスを可能にすることができるようにすべきである。
【0025】
フラッシュメモリ210はアプリケーションソフトとコンフィギュレーション設定の不揮発性保存を提供し(最小256KBあると都合がよい)、RAMメモリ212はアプリケーションデータと圧縮画像の揮発性保存を提供する(これも、256KBあると都合がよい)。
【0026】
SIM 216は3V GPRSデータエネーブルSIMであって、SIMホルダが必要である(もし、これがGPRSモジュール214に集積化されていないならば)。ネットワーク特定のAPNログインの詳細はフラッシュメモリ210に保存される。SIM 216は簡単に取り外しできないようにすべきであり、ある程度の不正取り扱い防止策はカメラ包装によって可能である。
【0027】
アンテナ218を内部か、外部か、2バンドか、3バンドか、4バンドか、その何れにするかはGPRSモジュール214の選択に依存する。受動型赤外線(PIR)動き検出器206は、幸いにも光絶縁型入力と電流制限型PIR電力出力を有している。PIR動き検出に加えて、ビデオ動き検出は都合の良いことに捕捉画像データによって間違い警報の発生を最小化できることが予想できる。
【0028】
状態指示器208は少なくとも電力と動作状態を示す一つのLEDと、動き検出が活性化されたかどうかを示す第二のLEDと、モービルネットワークが接続されたかどうかを示す第三のLEDを包含する。電源ユニット220(例えば、入力:100−240V AC 50−60Hz,出力:5V DC(電流最小2.4Aのとき))のリード線はカメラ本体からスレッドを通って適当なDCコネクタに繋がっている。
【0029】
電源管理モジュール222はいろいろなシステム構成要素の動作に必要な全ての電圧を発生する、また小さい蓄電器の充電にも使われる。付加的なサポート装置226はパワーオン・リセット回路と、タイミング発生器(水晶/クロック)と、いろいろな要素間のインターフェイス回路とを含んでいる。無線ハブや、PTZ(左右回転、傾斜、拡大)や、温度センサや、計器読み取りなどのような他の機能もカメラ・モジュール14に導入されるか、またはサポートされる。さらに、本発明はこれに限定されることはないことが予想される。
【0030】
最後に、カメラ筐体はPIR用のフレネルレンズを組み入れ、さらにカメラ・モジュール200とレンズを組み入れた注入モールドプラスチック筐体を包含している。外部スイッチは幸いにも電源を緩やかに投入遮断するために提供される。これによって、カメラをきれいにGPRSへ接続したり、遮断したりすることが可能になる。もし必要ならば、電力を完全に遮断し、装置を完全にリセットする防水埋め込み型リセットスイッチが提供される。
【0031】
主なカメラ機能の概要は以下のようになる、すなわち、
・サーバへのまちがいのない接続を構築し、維持する。
・接続維持のメッセージを送受信する。
・サーバ・リクエストに応じて画像を送信する。
・サーバの応答に応じて送信速度を適合させる。
・サーバ・リクエストに応じて画像品質を高中低にセットする。
・外部スイッチに応じて動き検出をオン/オフにセットする。
・短期(〜10秒)巡回バッファーに画像を保存する。
・動き検出アルゴリズム−事件に関してサーバに警告する−を応用する。
【0032】
本発明の代表的な実施態様にしたがって、監視システムの主な機能についてもう少し詳しく述べる。装置に電源が入れられると、カメラ・ファームウェアはファームウェアの中でハード符号化される選択された個人APN証明設定を介してミドルウェアサーバへの接続がなされる.ファームウェアはGPRSモジュールからの唯一のハードウェアIDを用いてサーバへそれ自身を識別させる。そのサーバはそのIDが有効なアカウントに属していることを証明する。この関係はその装置が買い取り人によって最初に登録されたときに構築される。カメラとサーバはそのとき中間的に生存維持メッセージを交換して、カメラとサーバ間の結合が“常時オン”に保持されることを確実にしている。もしカメラが時間切れ期間内にサーバからのメッセージを受信しない場合はファームウェアが自動的に再結合試行に注力する。
【0033】
顧客の活動に答えて、サーバはカメラにメッセージを送って、画像を捕捉して送信を始めるように要求する。使用者はカメラを3つの画像品質に対して設定でき、カメラは現在設定された品質で画像を捕捉して送信する。サーバからの画像要求メッセージはカメラに極最近の処理速度を知らせ、カメラはその送信速度を利用できる帯域幅に合うように適合させる。これはこの区間内での時間遅れが生じるのを避けるものである。先回りエラー訂正が通信プロトコルに組み込まれ、汚染されたデータがクライアント装置に通り抜けるのを防いでいる。
【0034】
外部スイッチはビデオ動き検出(VMD)を可能にしたり、不可能にしたりする。使用者もまた、クライアント応用ソフトによってVMDを可能にしたり、不可能にしたり、さらに3レベルの感度を設定することができる。VMD監視が可能になると、センサの活性化に答えてカメラは警告メッセージをサーバに送り、また付加的に予め決められた時間画像を捕捉してサーバに送信する。カメラは、VMD監視が可能になると巡回バッファー内に約10秒程度の画像を保存するように構成される。それ故に、クライアントが後で再調査するときのために自動的に一連の“前後”の画像をサーバに送ることができる。
【0035】
サーバ(10)は静的な公共IPアドレスをもつウィンドウズ(登録商標)・サーバの上で働くソフトウェア構成要素(ミドルウェア)で出来ている。ソフトウェア構成要素はカメラとクライアント装置の両方と通信することができる。該サーバはカメラとクライアントのアクセス資格の有無の検証と、カメラからの画像の受信と、クライアントへの配信を担当している。付加的なサーバ構成要素は、課金目的のためにカメラごととクライアント基準ごとにデータ量を記録している。
【0036】
主なサーバ機能の概要は以下の通りである。
・カメラ接続を受け付ける。
・クライアント接続を受け付ける。
・登録詳細のデータベースに対してカメラとクライアントの情報にアクセスする資格の有無を検証する。
・カメラと生存維持メッセージを交換する。
・接続しているクライアントに利用できるカメラのリストを送信する。
・カメラからの画像データ・ストリーミングのスタート/ストップを行う。
・画像をクライアントに配信する。
・画像品質とVMDモード/感度コマンドをカメラに配信する。
・カメラ警告に答えてSMSを送る。
・接続とデータ量を記録する。
・課金記録を扱う。
・逆課金SMSを送る。
・MIS情報を提供する。
【0037】
図面の図3を説明すると、サーバ・ミドルウェア構成要素は、クライアントと、カメラと、それらの間の関係に関する証明明細を含む登録使用者のデータベース(104)にアクセスする。
【0038】
一個のクライアントは多数のカメラにアクセスすることが許可される。1個のカメラは多数のクライアントにアクセス可能である。いくつかのカメラは誰にでもアクセスできる“公共”のものになる。カメラとクライアントからの接続要求の有効性を確立するように、ミドルウェアサーバ構成要素はリード/ライトモードと実時間でこのデータベースにアクセスする。カメラとクライアントに関する記録における現在の状態フラッグもまたミドルウェアと遠隔装置間の通信に対応して更新される。
【0039】
同じデータベースはリード/ライトモードでアクセスされる。しかしながら、サービス準備機能、たとえば新しく購入されたカメラの登録と活性化をサポートするもっと一般的な構成要素によって時間優先順位は低いのであるが、アクセスされる場合がある。これらのモジュールは標準的なCRM型の機能を要求し、システム・アーキテクチャに対して特別なことは何もしない。このサーバはウェブ・インターフェイス(106)を見えるようにして、クライアントが自分のアカウントの性格を、例えばコールセンターのオペレータや管理者に単にアクセスし易いもっと強力な管理者インターフェイス(110)と同じようなものに、自分自身で変えることができるようにしている。
【0040】
ミドルウェアサーバは2つの型のインターフェイス・スレッドで出来ている、すなわち一つはカメラ用(100)であり、一つはクライアント用(102)である。これらのスレッドは独立で、多様的であり、高度な伸縮性を認めているが、両方の型のスレッドともユーザ・データベース(104)へのリード/ライトアクセスを要求する。各インターフェイス・モジュールはカメラまたはクライアントの認証の取り扱いと、遠隔装置とそのサーバの間の全ての通信を受け持っている。画像データが多重スレッド・リード/ライトアクセスをサポートする画像データベースへの書き込みと読み出しがされるならば、スレッド間での直接通信は必要とされない。
【0041】
インターフェイス構成要素はその活動状況を記録し、転送されたデータの量は処理ごとに記録される。このデータは管理情報を提供するのと同様に、課金機能をサポートし、運営のコストを管理するのに使用される。
【0042】
要求に応じて、画像はカメラからサーバに送られ、それから15秒のビデオに相当するブロックまたは単位でクライアントに送られる。一単位のビデオがクライアントにうまく送信されるたびに、サーバは課金記録を増やして行く。PAYTクライアントについては、ミドルウェアはビデオ画像がうまく送られたとき接続されたクライアントに逆課金プレミアムレートSMS‘領収書’を送るのを受け持っている。契約クライアントについては課金は別途取り扱われるが、それでも転送されたデータ量に基づいている。
【0043】
カメラからの警報メッセージに応答して(例えば、ビデオ動き検出活性化に追随して)、サーバはSMPP回線を経由して使用者によって選ばれた一つまたはそれ以上の登録クライアント電話にSMSメッセージを送ることができる。
【0044】
クライアント装置はJAVA(登録商標)起動のカラー移動電話(18)にインストールされて動作することが可能な応用ソフトでできている。この応用ソフトはサーバ(10)への認証された接続を構築して、その後でサーバによってその装置に送られた画像を受信し、ディスプレイする。クライアント・ソフトの機能は例えば、ラップトップやパームトップコンピュータ、PDAやウィンドウズ(登録商標)PCなどの上で実行される。
【0045】
主なクライアント・ソフト機能の概要は以下のようになっている。
・サーバに対して認証された接続の構築と維持を行う。
・応用ソフトへPIN保護アクセスを行う。
・ユーザが希望するカメラを選択できるようにする。
・ユーザが画像品質を設定できるようにする。
・ユーザがVMD監視の可/不可の切り替えと感度の設定をできるようにする。
・カメラから受信した画像を表示する。
・現在のカメラ設定状況を表示する。
【0046】
本発明の代表的な実施態様に従って監視システムの中のクライアント応用ソフトを走らせることはPIN番号の導入が必要であり、これはソフトウェア登録されたときにユーザによって選択される。一度走ると、クライアント応用ソフトはユーザが選んだネットワーク・プロバイダのインターネットAPNを介してミドルウェアサーバへの接続が行われる。顧客ソフトは該ソフトを活性化するために使用されるPINを含む認証情報、すなわちその電話の唯一の識別情報を送る。これらの認識番号はソフトウェアが登録されるときにはサービス・プロバイダにはすでに通知されている。この方法は、盗まれるかまたは略奪されたクライアント応用ソフトが該カメラに不法アクセスをするために使用されるのを防ぐものである。
【0047】
一度認証されると、クライアント応用ソフトはそれに登録されたカメラ装置のリストを受信し、サーバはそれが現在活きていることを認識する。ユーザは画像を受信したいカメラを選択することができる。そして、この選択はサーバに送られる。該サーバは必要な画像分解能を特定する構成ブロックとともに、選択されたカメラを活性化するためにメッセージを送る。画像がサーバで受信されると、それらの画像は関連するクライアントに配信される。画像が受信されると、クライアント・ソフトはそれらを表示する。クライアント・ソフトはまた画像品質やVMDオン/オフ/感度などのようなオプションを構成することをユーザに認めている。クライアント・ソフトは被ったセッションの長さやコストのような付加情報を選択的に表示することができる。
【0048】
以上に述べたシステムに関して提案される通信プロトコルは以下のメッセージをサポートする。
【0049】
【表1】

【0050】
画像の応答と要求メッセージはデータ・スループットに関する情報を与える領域を含むので、クライアントファームウェアとサーバ・ミドルウェアは動的に送信速度を利用できる帯域幅に適応させることができる。
【0051】
システム保護は次のように提供される(本発明はこの事に限定されることを意図していないのだけれども)。
【0052】
カメラ14がサーバ10と通信を始めると、カメラはGPRSモジュール214の独自のIMEI番号とSIMカード216の独自のIMSI番号を送信する。この独自の組み合わせはサーバ・データベース104に保持される登録ユーザの記録に対してミドルウェア10によってチェックされる。もしIMEIとIMSIの独自の組み合わせがデータベース104の中にないか、または有効ではない装置(例えば、盗まれた装置)に関係していると分かったときはこの通信は直ちに終了される。もしIMEIとIMSIの組み合わせが正当なユーザに属していればこの通信は開始され、そしてデータベース104の保存されているカメラ状態は“活き”になるように更新される。
【0053】
クライアント応用ソフトがサーバ10と通信を始めると、クライアント電話のソフトのコピーと関係する独自のシリアル番号とその応用ソフトが起動されるたびにユーザによって挿入されなければならない4桁のPIN番号を含むログオン・メッセージを送る。この独自の組み合わせはデータベース104に保持される登録されたユーザの記録に対して、ミドルウェアサーバ10によってチェックされる。もし適合する記録が見つけられなければ(すなわち、不正PIN)、または有効ではないクライアント(即ち、顧客がアカウントを閉じてしまっている)に関連していると分かったときには、その通信は直ちに終了される。もしその独自のシリアル番号/PIN組み合わせが有効なクライアントに関連していることが分かったときには、その通信は始められる。
【0054】
クライアントはアクセス権を持っているカメラ14のリストを要求することができる。ミドルウェアサーバ10はデータベース10をチェックして、指定されたクライアントがアクセス権を持っていて、現在活性化しているカメラ14のリストをつくる。そのリストはユーザに表示される。該ユーザは好きなカメラを選択し、そして選んで実況映像かまたは記録された事柄を見ることができる。
【0055】
カメラ14からサーバ10に送られる圧縮映像は、これは“実況の”監視中の通信のものか又は警報が発生した後のものであるが、サーバ10に着くと自動的に時間刻印される。32ビット巡回冗長チェックサム(CRC)はまた各映像ごとに計算され、そして時間刻印とCRCは各映像の傍らに画像データベース108の中にメタデータとして保存される。これは元の状態からの映像に対して他のものなのか、改変を加えたものなのかを区別する手段を与える。
【0056】
本発明は単に実例によってのみ監視システムとして以上のように述べてきたが、本発明による監視システムは例えばスポーツや娯楽イベントの遠隔観覧、遠隔機械テレマチック情報の監視などに応用可能であり、また本発明はこの事にのみ限定されるようには意図されていないことが予想される。
【0057】
今までに記述した実施態様はこの発明を制限したというよりも例示したものであって、さらに該技術に精通した者ならば付加された請求項によって定義された本発明の範囲から離れないでも多くの他の実施態様を設計できることに注目すべきである。請求項の中で、括弧内に置かれた任意の参照記号は請求項を制限するように解釈すべきではない。“含んでいる”と“含む”および同じような言葉は何れかの請求項または全体としての仕様に挙げられたもの以外の要素または手段の存在を除外するものではない。ある要素の単一の関係はそのような要素の複数の関係を除外しない。また、その逆も言える。この発明はいくつかの異なった要素を含むハードウェアと適切にプログラムされたコンピュータによって実施される。いくつかの手段を枚挙する装置請求において、これらのいくつかの手段はハードウェアの一つまたは同じ項目によって具体化される。ある手段が互いに異なってはいるが従属的な請求項で列挙されているという単なる事実はこれらの手段の組み合わせが有利に使用されることは在り得ないということを示すものではない。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の模範的な実施態様にしたがって監視システムの原理的な要素を示すブロックダイヤグラム図である。
【図2】本発明の模範的な実施態様にしたがって画像捕捉装置の原理的な要素を示すブロックダイヤグラム図である。
【図3】のシステムのサーバ・ミドルウェアの原理的な要素を示すブロックダイヤグラム図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の遠隔画像捕捉装置を表すアドレスデータと前記遠隔画像捕捉装置の各々によって捕捉された画像を受信するように権限が与えられた一つまたはそれ以上の遠隔通信装置を表す対応するアドレスデータを保存する手段と、データ通信ネットワークを介して前記画像捕捉装置の一つによって捕捉された画像データを受信する手段と、前記画像捕捉装置を表すアドレスデータを識別し、かつそこからの画像データを受信するように権限が与えられた一つまたはそれ以上の通信装置の対応するアドレスデータを識別する手段と、前記画像データをデータ通信ネットワーク経由で権限が与えられた遠隔通信装置に送信する手段を含む観視システム。
【請求項2】
前記遠隔通信装置との通信を可能にするクライアント・インターフェイスと前記遠隔画像捕捉装置との通信を可能にするカメラインターフェイスとを有するサーバを含む請求項1に記載の観視システム。
【請求項3】
前記画像データが前記画像捕捉装置から前記監視装置に私設データ通信ネットワークに送信され、独自のアクセス・ポイント(APN)を持つ請求項1または請求項2に記載の観視システム。
【請求項4】
前記画像データを前記監視システムによって公設データ通信ネットワークを介して一つまたはそれ以上の権限が与えられた遠隔通信装置に送信する、請求項1乃至3いずれか1つに記載の観視システム。
【請求項5】
前記遠隔画像捕捉装置から受信した画像データを、受信しかつ保存するための画像データベースを含む、請求項1乃至4いずれか1つに記載の観視システム。
【請求項6】
複数の遠隔画像捕捉装置を表す前記アドレスデータを保存し、かつ前記遠隔画像捕捉装置の各々によって捕捉された画像を受信するように権限を与えられた一つまたはそれ以上の遠隔通信装置を表すアドレスデータを対応づけるためのユーザ・データベースを含む、請求項1乃至5いずれか1つに記載の観視システム。
【請求項7】
活動が識別されたということを示す遠隔画像捕捉装置からの信号の受信に応答して前記監視システムが配置されかつ活動が識別された前記視野について捕捉された画像データを前記遠隔画像捕捉装置から前記監視システムに送信を始めるように前記遠隔画像捕捉装置に要求信号を送信するように構成される各々の視野内に、活動が識別されたということを示す遠隔画像捕捉装置からの信号を受信するための手段を含む請求項1乃至6いずれか1つに記載の観視システム。
【請求項8】
前記遠隔画像捕捉装置から受信した画像データを監視しそこで起こっている活動を識別するように配置されかつ構成された、請求項1乃至6いずれか1つに記載の観視システム。
【請求項9】
前記遠隔通信装置が画像データを受信する権限が与えられた遠隔画像捕捉装置の視野内に活動が識別されたことを示すために、遠隔通信装置に信号を送信する手段を含む請求項1乃至8いずれか1つに記載の観視システム。
【請求項10】
請求項1乃至9いずれか1つに記載の監視システム。
【請求項11】
複数の遠隔画像捕捉装置を表すアドレスデータと前記遠隔画像捕捉装置の各々によって捕捉された画像を受信する権限が与えられた一つまたはそれ以上の遠隔通信装置を表すアドレスデータを保存することと、データ通信ネットワークを介して前記画像捕捉装置の一つによって捕捉された画像データを受信する手段を提供することと、前記画像捕捉装置を表すアドレスデータを識別するための手段を提供すること及びそこから画像を受信する権限が与えられた一つまたはそれ以上の遠隔通信装置を表す対応するアドレスデータを識別するための照合手段を提供することと、前記画像データをデータ通信ネットワーク経由で権限の与えられた遠隔通信装置に送信する送信手段を提供することを含む観視システム提供方法。
【請求項12】
その視野内で画像を捕捉する手段を含む画像捕捉装置と、前記画像データを圧縮する手段と、前記視野内で活動を識別する手段と、データ通信ネットワークを介して前記観視システムとの接続を確立しかつ前記視野内で活動が識別されたことを示す前記観視システムに前記接続を介してデータを送信するための手段と、前記視野内で捕捉された画像データをそこで識別されている活動に応答して保存させるための手段、請求項1乃至9いずれか1つに記載の観視システムで使用する画像捕捉装置。
【請求項13】
前記視野内での活動を識別する手段が前記画像捕捉装置の中または表面に提供されたセンサを含む請求項12に記載の画像捕捉装置。
【請求項14】
画像捕捉装置によって捕捉された画像データ内の活動を識別するための画像処理手段を含む請求項12または請求項13に記載の画像捕捉装置。
【請求項15】
通信モジュールと前記データ通信ネットワークを介して前記接続を樹立し、かつ前記データ通信ネットワークを介してデータを送信するために前記画像捕捉装置の中または表面に提供されたアンテナを含む請求項12乃至14いずれか1つに記載の画像捕捉装置。
【請求項16】
活動が識別された前記視野内で捕捉された前記画像データを保存するために前記画像捕捉装置の中または表面に提供された記憶手段を含む請求項12乃至15いずれか1つに記載の画像捕捉装置。
【請求項17】
活動が識別された前記視野内で捕捉された画像データを前記データ通信ネットワークを介して保存するために前記観視システムに送信するように配置され、かつ構成された請求項12乃至16いずれか1つに記載の画像捕捉装置。
【請求項18】
画像データの送信を始めるために前記観視システムからの信号を受信するための手段を含む請求項17に記載の画像捕捉装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2008−526052(P2008−526052A)
【公表日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−539625(P2007−539625)
【出願日】平成17年10月28日(2005.10.28)
【国際出願番号】PCT/GB2005/004168
【国際公開番号】WO2006/048613
【国際公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【出願人】(507145721)ペダゴグ リミテッド (1)
【Fターム(参考)】