説明

観賞魚水槽用濾過装置

【課題】濾過能力の一層の向上をはかり、濾過装置の一層の小型化を可能にする。
【解決手段】 濾材を装填した濾過ケース1に、直立状の吐出パイプ62と吸水口21,32,33及び気泡発生手段26が設けられ、気泡発生手段にて発生させた気泡の上昇に伴って吐出パイプ62内に生じる上昇水流により、前記吸水口から水を吸入し、前記濾材4,5中を通過させたのち吐出パイプ62から上方へ吐出する水槽用濾過装置において、前記濾過ケース内に上下積み重ね状に第1濾材4と第2濾材5とを配置し、第2濾材5は、多孔質ブロック内に1ないし複数個の内部空間41を有して、該内部空間に粒状活性炭52が充填されたものとする一方、前記第1濾材4は、上記第2濾材5の活性炭が充填された内部空間41に対応する位置に、上下方向に貫通する1ないし複数個の導水用透孔41を形成したものとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱帯魚、金魚等の主として観賞魚の飼育用水槽の内底部に設置し、エアポンプより供給される空気を気泡として放出する際のエアリフト効果を利用して、水槽内の水を吸引濾過する水槽用濾過装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種のエアリフト効果を利用する水槽用濾過装置は、下記特許文献1〜3等に示されるように、濾材を装填した濾過ケース内に直立状の吐出パイプを設け、エアポンプより供給される空気を気泡として吐出パイプ内下部に放出し、この気泡が吐出パイプを通って上昇する際のエアリフト効果により、当該吐出パイプ内に上昇水流を発生させ、この上昇水流の発生に伴う濾過ケース内の負圧によって水槽内の汚れた水をケース内に吸引し、濾材を通して浄化して吐出パイプの上端から再び水槽内に吐出するようになっている。
【特許文献1】特許第3337649号公報
【特許文献2】特許第3363866号公報
【特許文献3】特許第3653014号公報
【0003】
上記特許文献1〜3に示される濾過装置は、いずれも本特許出願人の先行提案に係るものであり、それぞれに個有の特性を有し、広く一般に使用されてきているところであるが、近時、卓上に設置されるような小型の水槽用として用いる場合には、水槽内で比較的大きな体積を占めて、水生生物の飼育空間が狭められる難点があり、濾過装置自体もより一層の小型化が求められる傾向がある。
【0004】
小型化をはかるためには、単に従来の濾過装置を相似形に小さくしただけでは不十分であり、単位体積当たりの濾過効率の一層の向上をはかることが求められる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明は、濾過効率の一層の向上をはかり、十分な小型化の要請に対応しうるものとしたミニ濾過器とも称せられるべき水槽用濾過装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的において、本発明は、第1に、プレフィルターとして主に物理濾過機能を担う第1濾材と、これの下側に重ねて配置され、内部に粒状活性炭を内蔵した第2濾材との2種類の複合濾材を用いること、そして第2に、上記プレフィルターとしての第1濾材に、第2濾材の活性炭層領域に向けて吸引水を優先的に導くための、上下方向に貫通した1ないし複数個の導水用透孔を設けたものとすること、を主たる構成上の特徴事項とするものである。
【0007】
これを更に具体的に示せば本発明は、下記[1]〜[4]に記載のような構成を有する水槽用濾過装置を要旨とする。
【0008】
[1]濾材を装填した濾過ケースに、直立状の吐出パイプと吸水口及び気泡発生手段が設けられ、気泡発生手段にて発生させた気泡の上昇に伴って吐出パイプ内に生じる上昇水流により、前記吸水口から水を吸入し、前記濾材中を通過させたのち吐出パイプから上方へ吐出する水槽用濾過装置において、
前記濾過ケース内に上下積み重ね状に配置された第1濾材と第2濾材とを有し、
上記第1及び第2濾材は、いずれも不織布等の中空多孔質ブロックからなり、
第2濾材は、上記多孔質ブロック内に1ないし複数個の内部空間を有し、該内部空間に粒状活性炭が充填されたものとなされる一方、
前記第1濾材は、上記第2濾材の活性炭が充填された内部空間に対応する位置に、上下方向に貫通する1ないし複数個の導水用透孔が形成されたものとなされ、
濾過ケースの上壁の吸水口から吸入された水の一部が上記導水用透孔を通って第2濾材の活性炭層領域に優先的に導かれるものとなされていることを特徴とする観賞魚水槽用濾過装置。
【0009】
[2]濾過ケースが、ベーストレイと、その上部を覆う上部カバーとで構成され、ベーストレイ内の下部濾過室に砂利等の粒状物からなる第3濾材が収容され、この下部濾過室との間を多数の通水孔を有する水平仕切板によって仕切られた上部カバー内の上部濾過室に前記第1及び第2濾材が収容されてなる前項[1]に記載の観賞魚水槽用濾過装置。
【0010】
[3]濾過ケースは、前記ベーストレイの底壁と、上部カバーの上壁及び周壁上部に、それぞれ吸水口が形成されている前項[1]または[2]に記載の観賞魚水槽用濾過装置。
【0011】
[4]前記水平仕切板の中央に上方に向かって漸次縮径する直立状の吐出パイプが一体成形され、該吐出パイプは前記第1及び第2濾材の中央透孔を貫通して、上端が上部カバーの上壁中央部に突出形成された短筒状吐出口の周縁部下面に当接されている前項[2]または[3]に記載の観賞魚水槽用濾過装置。
【発明の効果】
【0012】
前記[1]に係る本発明の濾過装置においては、従来の同種の濾過装置に較べ、単位体積当りの濾過効率に一段と優れたものとなしうる。ひいては、濾過装置の一層小型化を可能とし、卓上設置型水槽のような小型の観賞魚飼育水槽にも好都合に適用可能なものとなしうる。しかも、比較的長期に亘って、濾材に目詰まり障害を起こさない。従って、長時間の連続使用性能に優れ、メンテナンスの手間を軽減しうる。
【0013】
ちなみに、本発明に係る上記濾過装置は、濾材中に粒状活性炭層を有することで、水中に溶存する有害物質の吸着除去効率に優れる。そして、この活性炭を内蔵した第2濾材の上に、プレフィルターとして主に物理濾過機能を担う第1濾材が重なり状に配置されていることで、第2濾材に通される前の段階で多くの水はこの第1濾材を通る。このため、水中に浮遊するゴミ等の固形物の多くはこの第1濾材にも捕捉される。従って、第1濾材と第2濾材の上下二層で物理濾過が分担されるため、濾材層の目詰まりの発生を遅らせることができる。更に、第1濾材に導水用透孔が設けられていることで、濾過ケースの上壁の吸水口から導入された水が導水用透孔を通って優先的に、かつ直接に第2濾材の粒状活性炭内蔵領域部分に導入される。従って、この活性炭層による吸着浄水効果が十全に発揮され、ひいては一段と優れた濾過効果が実現される。
【0014】
前記[2]項に記載の付加構成を有する濾過装置によれば、ベーストレイ内の下部濾過室に収容した砂利等の粒状物による第3濾材を有することで、更なる濾過効率の向上をはかることができると共に、第3濾材による重錐効果で、濾過装置の水槽内底部での設置状態の安定性の向上をはかりうる。また、ベーストレイに上部カバーを被せて、両者の組合せにより濾過ケースが構成されたものとなされていることにより、ベーストレイから上部カバーを取外すことで内部の濾材等の機能部品のメンテナンスも容易に行うことができる。
【0015】
また、前記[3]項に記載のようにベーストレイの底壁と、上部カバーの上壁及び周壁上部とのそれぞれに吸水口を形成したものとすることにより、第1〜第3濾材のそれぞれをいずれも万遍なく有効活用して、効率の良い濾過作用を実現することができる。
【0016】
更にまた、前記[4]項のように、吐出パイプを上部濾過室と下部濾過室との間の水平仕切板に一体成形したものとすることにより、濾過装置全体としての構成の簡素化及び小型化をはかり得るものとしながら、エアリフト効果にも優れ、ひいては濾過効率に優れたものとなしうる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、この発明の好ましい実施形態の1つについて、添付図面に基づいて説明する。
【0018】
図1ないし図4において、(1)は濾過ケース、(2)はベーストレイ、(3)は上部カバー、(4)は第1濾材、(5)は第2濾材、(6)は水平仕切板、(7)は送気用エアチューブ接続用のエルボ部材である。
【0019】
濾過ケース(1)は、ベーストレイ(2)とその上部を覆う上部カバー(3)とで構成されたもので、1つのコーナー部を凹陥部(1a)に形成した直方体形状をなし、その全体の大きさは、好適な一例として、例えば、幅約45mm×奥行約45mm×高さ約54mm程度に設定された小型のものである。
【0020】
ベーストレイ(2)は、透明な合成樹脂成形品からなり、周縁部に開口面積の小さいスリット状の複数個の吸水口(21)を形成した底壁(2a)と、その周縁から立ち上った周壁(2b)とで、平面視略正方形の上面を開口した箱形に形成されたものである。対向する1対の両側壁中央部には、縦向きに1対のガイド溝(22)(22)が形成され、その上部外面にカバー取付用の係止段部(23)が設けられている。また、底壁(2a)の中央部には直立状のエアパイプ(24)が一体成形され、このエアパイプ(24)の下端から前記の1つの凹陥状コーナー部に至る水平管状の通気路(25)が形成され、その外方端に前記エルボ部材(7)が嵌合接続されるものとなっている。そして、上記エアパイプ(24)の上端には、気泡発生用のエアストーン(26)が密に嵌合装着されている。
【0021】
上部カバー(3)は、これも透明な硬質合成樹脂成形品からなるものであり、上壁部(3a)と、その周縁から垂下する周壁(3b)とで下面が開放した平面視略正方形の箱状に形成されたものである。上壁部(3a)の中央部には上方に僅かに突出した短円筒状の吐出口(31)が一体成形されている。そしてまた、該吐出口(31)まわりの位置に、複数個の四角形の上面吸水口(32)が設けられると共に、上壁部の周縁から周壁(3b)の上部にかけて、多数個の縦長スリット状の側面吸水口(33)が設けられている。また周壁(3b)の対向する1対の側面の下端には、取付用の下方延出舌片(34)(34)が設けられ、これをベーストレイ(2)のガイド溝(22)(22)に嵌め合わせ、下部内面の係止爪(34a)(図4参照)を前記の係止段部(23)に係止させることで、上部カバー(3)をベーストレイ(2)に分離自在に組合わせ、濾過ケース(1)を構成するものとなされている。
【0022】
濾過ケース(1)内は、ベーストレイ(2)の内部空間が下部濾過室(10)となされ、上部カバー(3)の内部空間が上部濾過室(11)となされ、両濾過室(10)(11)間が多数の通水孔(61)を有する水平仕切板(6)で仕切られている。仕切り板(6)は、ベーストレイ(2)の上面開口に対応する大きさと形状を有し、該上面開口部に嵌め合わされ、下面に一体に突設された止めピン(6a)をベーストレイ(2)側の対応止め孔(27)に圧密嵌合することでベーストレイ(2)の上面開口を塞ぐ形で取付けられている。
【0023】
仕切板(6)の中央部には、煙突状に上方に突出した先細テーパー状の、即ち上方に向って漸次縮径する直立状の吐出パイプ(62)が一体成形されている。そこで、仕切板(6)をベーストレイ(2)に取付けた状態において、図2及び図3に示すように上記吐出パイプ(62)の下端部に臨んでその内側に、エアパイプ(24)の先端の気泡発生用エアストーン(26)が位置されるようになされている。
【0024】
上記吐出パイプ(62)は、第1及び第2濾材(4)(5)の中央透孔(4a)(5a)を貫通して上方に延び、その上端が上記カバー(3)の上壁中央部に突出形成された短筒状の吐出口(31)の周縁部下面に密接状態に当接されたものとなされている。
【0025】
ベーストレイ(2)内の下部濾過室(10)内には、砂利ないし粗い砂等の重量粒状物からなる第3濾材(8)が充填されている。
【0026】
一方、上部カバー(3)内の上部濾過室(11)には、上下に積み重ね状に、第1濾材(4)と第2濾材(5)が装填されている。
【0027】
これらの第1及び第2濾材(4)(5)は、いずれも基本的には不織布等の中空多孔質ブロックからなり、中央部に前記吐出パイプ(62)が縦方向に貫通する中央透孔(4a)(5a)を有すると共に、外周側面がジグザグ状に形成され、濾過表面積を拡大したものとされている。
【0028】
上部濾過室(11)の下側に位置する第2濾過材(5)は、中央透孔(5a)の周りの位置に複数個(図示実施例では3個)の内部空間(51)を有し、該内部空間(51)にそれぞれ粒状活性炭(52)が充填されたものとなされている。
【0029】
上記第2濾材(5)上に重なり状に配置された第1濾材(4)は、第2濾材(5)の活性炭(52)が充填された各内部空間(51)に対応する位置に、上下方向に貫通する対応形状の導水用透孔(41)が設けられたものとなされている。
【0030】
上記構成の水槽用濾過装置は、運転使用に際し、エルボ部材(7)にエアポンプ(図示略)からの送気チューブを接続し、水生生物の観賞用水槽内の内底部に設置される。この設置状態でエアポンプを起動させると、通気路(25)及びエアパイプ(24)を通ってエアストーン(26)内部に供給される空気がエアストーン(26)の表面から細かい気泡として外部に放出される。この気泡は、吐出パイプ(62)内を上昇する。従って、この気泡上昇に伴って吐出パイプ(62)内に上昇水流を生じ、その結果濾過ケース(1)内が負圧となり、吸水口(21)(32)(33)からケース内に水が吸入される。そして、この吸入された水は第1〜第3濾材(4)(5)(8)を通過することで浄化され、吐出パイプ(62)にその下端から入って上端を経由し、吐出口(31)から水槽内に戻される。
【0031】
ここに、濾過ケース(1)内に取り込まれる水の流れは、大きく分けて次の3つの経路を経て浄化される。
【0032】
第1の濾過経路は、ベーストレイ(2)の底壁(2a)にあけられた吸水口(21)から下部濾過室(10)に入り、砂利等による第3濾材(8)を通って濾過される経路である。この下部濾過室(10)に直接入る水は、主に水槽の内底部の滞留水である。従って、水底に沈積した糞や残餌等のゴミを多く含む。これに対応して、第3濾材(8)は貧酸素環境下にあって嫌気性バクテリアが増殖していることにより、硝酸イオンを窒素ガスに効率良く分解し、優れた浄化作用を発現する。
【0033】
第2の濾過経路は、上部カバー(3)の上壁(3a)の吸水口(32)から上部濾過室(11)に上から入り、第1及び第2濾材(4)(5)を順次に通ったのち、仕切板(6)の連通孔(61)を経て下部濾過室(10)に至る経路である。この経路を通る水は、主に、水槽内の上部水を取込んで濾過するものであるが、上部濾過室(11)にその上面側から吸入されたのち、一部は第1濾材(4)の槽内を通過する一方、多くの水は相対的に抵抗の少ない導水用透孔(41)内を速い流速で下降流動する。
【0034】
そして、この下降水は第2濾材(5)の活性炭(52)が充填された内部空間(51)の活性炭層領域に主として導かれ、活性炭(52)との接触によって有害な溶存物質が効率良く吸着除去される。
【0035】
第3の濾過経路は、上部カバー(3)の周壁上部にあけられた縦長スリット状の吸水口(33)から、上部濾過室(11)内に取り込まれる水の流れである。この吸水口(33)から取り込まれた水は、主に第1濾材(4)の外周面及び上面周縁部から当該濾材層中を通り、続いて第2濾材(5)に上面側から入って下降し、その間に第1及び第2濾材(4)(5)による物理濾過作用とそれらに繁殖する好気性菌による生物濾過作用を受けて浄化される。
【0036】
そして、上記第2及び第3の濾過経路を通る水は、水槽内の水中に漂う浮遊ゴミを伴って濾過ケース(1)内に取り込まれるが、第1及び第2濾材(4)(5)を通過することで上記浮遊ゴミは両濾材の外表面や層内に確実に捕捉される。従って、単一の濾材の一部に集中的に水が偏って流れることによる濾材の早期目詰まりの発生を回避しうる。
〈実験例〉
次に、本発明の濾過装置の優れた濾過効果を確認するために行った実験例について説明する。
【0037】
上部濾過室(11)に装填する濾材として、下記の表1に示す3種類の組合せを用意した。この濾材の組合せ態様は、図9に分かり易く示している。
【0038】
【表1】

【0039】
下部濾過室(10)には、第3濾材としていずれも砂利を充填し、上部濾過室(11)には上記の第1及び第2濾材の組合せ濾材をそれぞれに装填した実験No.1,2,3の3種類の濾過装置を用意した。そしてこれらの濾過装置を、それぞれ、メチレンブルー水溶液(水100mlにメチレンブルー0.82g)を添加(水1リットル当たり1滴)してブルーに着色した水2リットルを満たしたアクリル透明容器(水槽)の内底部に設置し、エアポンプを駆動して同時に濾過実験を開始した。
【0040】
そして、8時間経過後、16時間経過後、および24時間経過後の水の色の変化状態を肉眼で観察し比較した。その結果を下記表2に示す。
【0041】
【表2】

【0042】
上表2に示されるように、本発明の実施例に係る濾過装置によれば、比較例1,2のようなものに較べ、明らかに水中溶存成分の吸着濾過スピードに優れるものであることが確認された。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明は、熱帯魚、金魚等の観賞魚やその他水生生物の飼育観賞用等の水槽内に設置して、飼育環境水の浄化のために広く適用されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明に係る水槽用濾過装置の全体を示す斜視図である。
【図2】図1のII−II線の断面図である。
【図3】図1のIII−III線の断面図である。
【図4】図1の水槽用濾過装置の構成部品を分解状態にして示した斜視図である。
【図5】第1濾材の平面図である。
【図6】図(イ)は図5のVI(イ)−VI(イ)線の断面図、図(ロ)は図5のVI(ロ)−VI(ロ)線の断面図である。
【図7】図8(イ)のVII−VII線で切断した第2濾材の水平断面図である。
【図8】図(イ)は図7のVII(イ)−VII(イ)線の断面図、図(ロ)は図7のVII(ロ)−VII(ロ)線の断面図である。
【図9】実験例に用いた3種類の第1及び第2濾材の組合せ状態を示した斜視図であり、図(イ)は本発明の実施例に用いたもの、図(ロ)及び図(ハ)は比較例1,2に用いたものをそれぞれ示す。
【符号の説明】
【0045】
1・・・濾過ケース
2・・・ベーストレイ
3・・・上部カバー
4・・・第1濾材
5・・・第2濾材
6・・・水平仕切板
7・・・エルボ部材
8・・・第3濾材
10・・下部濾過室
11・・上部濾過室
21・・底面吸水口
24・・エアパイプ
25・・エア通路
26・・エアストーン
31・・吐出口
32・・上面吸水口
33・・周面吸水口
41・・導水用透孔
51・・内部空間
52・・粒状活性炭
61・・通水孔
62・・吐出パイプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
濾材を装填した濾過ケースに、直立状の吐出パイプと吸水口及び気泡発生手段が設けられ、気泡発生手段にて発生させた気泡の上昇に伴って吐出パイプ内に生じる上昇水流により、前記吸水口から水を吸入し、前記濾材中を通過させたのち吐出パイプから上方へ吐出する水槽用濾過装置において、
前記濾過ケース内に上下積み重ね状に配置された第1濾材と第2濾材とを有し、
上記第1及び第2濾材は、いずれも不織布等の中空多孔質ブロックからなり、
第2濾材は、上記多孔質ブロック内に1ないし複数個の内部空間を有し、該内部空間に粒状活性炭が充填されたものとなされる一方、
前記第1濾材は、上記第2濾材の活性炭が充填された内部空間に対応する位置に、上下方向に貫通する1ないし複数個の導水用透孔が形成されたものとなされ、
濾過ケースの上壁の吸水口から吸入された水の一部が上記導水用透孔を通って第2濾材の活性炭層領域に優先的に導かれるものとなされていることを特徴とする観賞魚水槽用濾過装置。
【請求項2】
濾過ケースが、ベーストレイと、その上部を覆う上部カバーとで構成され、ベーストレイ内の下部濾過室に砂利等の粒状物からなる第3濾材が収容され、この下部濾過室との間を多数の通水孔を有する水平仕切板によって仕切られた上部カバー内の上部濾過室に前記第1及び第2濾材が収容されてなる請求項1に記載の観賞魚水槽用濾過装置。
【請求項3】
濾過ケースは、前記ベーストレイの底壁と、上部カバーの上壁及び周壁上部に、それぞれ吸水口が形成されている請求項1または2に記載の観賞魚水槽用濾過装置。
【請求項4】
前記水平仕切板の中央に上方に向かって漸次縮径する直立状の吐出パイプが一体成形され、該吐出パイプは前記第1及び第2濾材の中央透孔を貫通して、上端が上部カバーの上壁中央部に突出形成された短筒状吐出口の周縁部下面に当接されている請求項2または3に記載の観賞魚水槽用濾過装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−254317(P2009−254317A)
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−110188(P2008−110188)
【出願日】平成20年4月21日(2008.4.21)
【出願人】(393022746)ジェックス株式会社 (37)
【Fターム(参考)】