説明

角底袋のための縦形製袋充填包装機

【課題】 簡単な構成して、見栄えの良い角底袋を成形可能な縦形製袋充填包装機を提供する。
【解決手段】 縦形製袋充填包装機は、角筒状のフィルム筒FTに横シールを形成すると同時に充填チューブ2の下端と協働して平坦底FBを形成する一対の横シールバー16a,16bと、平坦底FBの形成に伴い、この平坦底FBの両側に突出する三角耳Eを横シールバー16a,16bとの間にて直接的又は間接的に挟み込む一対の耳シールバー28と、横シールの切断により形成されたボトムシールBSを平坦底FB及び三角耳Eの下面に折り込んでヒートシールするボトムシール折込みプレート26と、ボトムシールBSの折込み後、三角耳Eを平坦底FBの下面に折り込んでヒートシールする一対の耳折込みプレート30とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、縦形製袋充填包装機に係わり、特に、その両側面に折込み襞いわゆるガゼットの備えていない角底袋を成形する包装機に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の角底袋を成形するにあたり、角底の形成時、角底の両側から突出する左右の三角耳の処理が問題となる。例えば、角底の形成後、袋の側面に向けて三角耳を折り上げ、この三角耳を袋の側面に接着処理するようにした縦形製袋充填包装機(特許文献1)や、また、その耳自体を切断処理するようにした縦形製袋充填包装機(特許文献2)が知られている。
【特許文献1】米国特許第4562691号明細書
【特許文献2】特開2002-284103号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1の包装機は、左右の三角耳を角底袋の側面に接着するため、三角耳への接着剤の塗布装置やプッシャ、又は、熱溶着のための熱風源等を必要とし、その構造が複雑化する。また、特許文献1の包装機により成形される角底袋は左右の三角耳が側面に露出するため、側面に印刷する際、その印刷に制約を受けるばかりでなく、角底袋自体の見栄えが悪い。
【0004】
一方、特許文献2の包装機により成形される角底袋は上述の不具合を有していないが、ここでの包装機は、耳の切断機構に加えて、横シールのコーナカットやボトムサイドシールのための機構等が不可欠となり、その構成は特許文献1の包装機に比べても複雑である。
本発明は上述の事情に基づいてなされたもので、その目的とするところは、簡単な構成にして見栄えの良い角底袋を成形することができる縦形製袋充填包装機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するため、本発明は、充填チューブに沿いフィルム包材を繰り出しながら前記充填チューブの回りに縦シールを有した角筒状のフィルム筒に形成する過程にて、フィルム筒に対して、その繰出し方向に所定の間隔を存した横シールの形成並びに横シールの切断を被包装物の充填を伴いながら繰り返し、角底を有した袋を個々に成形する縦形製袋充填包装機において、充填チューブの下方に配置され、フィルム筒の前後方向に離間した開位置と閉位置との間にて移動可能であり、閉位置にてフィルム筒に横シールを形成するとともに、この横シールの直上に充填チューブの下端と協働して平坦底を形成する一対の横シールバーと、充填チューブの左右両側にて横シールバーの移動方向と直交する左右方向に移動可能に配置され、横シールの形成時、平坦底の両側縁から突出する三角耳を閉位置にある横シールバーとの間にて挟み付け、三角耳の内面同士をヒートシールする一対の耳シールバーと、一方の横シールバー内から他方の横シールバーに向けて突出可能に設けられ、横シールの形成後、横シールの位置にてフィルム筒を切断し、横シールを平坦底に連なるボトムシールと、このボトムシール下側のトップシールとに形成する切断ナイフと、充填チューブの前後方向片側にて、その前後に移動可能に配置され、一対の横シールバーが閉位置から開位置に向けて移動する際、平坦底に向けて移動してボトムシールを平坦底及び三角耳の下面に折込んで互い重ね合わせ、これらボトムシール、平坦底及び三角耳自体の熱により互いにヒートシールさせるボトム折込みプレートと、充填チューブの左右両側にて、左右方向に移動可能に配置され、ボトムシールの折込み後、平坦底に向けて移動し、三角耳を平坦底の下面に折り込んで互いに重ね合わせ、これら三角耳及び平坦底自体の熱により互いにヒートシールさせる一対の耳折込みプレートとを備えている(請求項1)。
【0006】
上述の包装機によれば、一対の横シールバーが閉位置に移動し、フィルム筒に横シールが形成されたとき、横シールバーは充填チューブの下端と協働してフィルム筒に平坦底を形成する。そして、一対の耳シールバーは平坦底の形成に伴い、平坦底の両側から左右に突出する三角耳を横シールバーとの間にて挟み付ける。
それ故、三角耳の内面同士は耳シールバー及び横シールバーからの熱を受けてヒートシールされるとともに、平坦底の下面もまた一対の横シールバーからの熱により加熱された状態にある。
【0007】
この後、フィルム筒内に充填チューブを通じて被包装物の充填が開始されるが、この際、三角耳はヒートシールされているので、三角耳内に被包装物が侵入することはなく、三角耳は平坦状態に維持される。
また、横シールの形成後、横シールは切断ナイフにより切断され、平坦底に連なるボトムシールと、トップシールとに分離される。
【0008】
この後、一対の横シールバーが閉位置から開位置に向けて移動する際、ボトムシール折込みプレートが平坦底に向けて移動し、ボトムシールを平坦底及び三角耳の下面に折込む。この折込み時点では、ボトムシール、平坦底及び三角耳の下面は共に高温状態にあるから、折り込まれたボトムシールは平坦底及び三角耳の表面にヒートシールされる。
この後、ボトムシール折込みプレートが平坦底から退避した後、一対の耳折込みプレートは平坦底に向けて移動し、三角耳を平坦底の下面に折込む。この折込み時点でも、三角耳及び平坦底の下面に高温状態にあり、折り込まれた三角耳は平坦底の下面にヒートシールされる。
【0009】
一対の耳折込みプレートが平坦底から退避されると、フィルム筒は被包装物の充填を受けながら所定の長さだけ繰出され、そして、充填が完了した後、前述した動作、つまり、角底袋の成形が繰り返される。
好ましくは、包装機は、各横シールバーの下側に弾性部材を更に備えており、これら弾性部材は一対の横シールバーが閉位置に到達する前に、フィルム筒を前後から挟み付け、フィルム筒を左右方向に引き延ばす(請求項2)。
【0010】
上述した弾性部材は一対の横シールバーが閉じられる前に、横シールを形成すべきフィルム筒の部位を左右に緊張させ、皺の無い横シールが形成される。
また、横シールバーは耳シールバーよりも高いヒートシール温度に加熱されているのが好ましい(請求項3)。この場合、三角耳はその上面よりも下面が高い温度に加熱されるので、下面での熱収縮が上面に比べて大きく、それ故、三角耳はその先端が下がるように変形する。この結果、耳折込みプレートが角底に向けて移動するとき、耳折込みプレートは三角耳の先端と干渉することなく、三角耳を折込む。
【発明の効果】
【0011】
請求項1の縦形製袋充填包装機は、平坦底に対するボトムシール及び三角耳のヒートシールをこれら自身の予熱により行うので、ボトムシールや三角耳をヒートシールするためのヒータを別に必要せず、簡単な構成にして角底袋の成形が可能となる。
また、予熱を利用するため、一対の耳シールバー、ボトムシール折込みプレート及び一対の耳折込みプレートは何れもフィルム筒の近傍に配置されることから、これら耳シールバーや折込みプレートの動作が迅速に実施され、この結果、角底袋の成形に要する時間の短縮をも図ることができる。
【0012】
成形された角底袋の角底はその下面に折り込まれた三角耳を有するので、角底袋の左右の側面全体を印刷面として利用できるばかりでなく、その美観の点でも優れる。
更に、被包装物の充填に先立ち、三角耳はその内面同士がヒートシールされているから、三角耳内に被包装物が侵入することはなく、三角耳の折込みが確実になるばかりでなく、角底の平坦性をも保証される。
【0013】
請求項2の包装機は、横シールでの皺の発生を防止できるから、綺麗な角底袋を成形でき、請求項3の包装機は三角耳の折込みを確実に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1に示す縦形製袋充填包装機は垂直な充填チューブ2を備え、充填チューブ2はその上端から被包装物の充填を受けることができる。充填チューブ2の上端部にはフォーマ4が取り付けられており、このフォーマ4を介してフィルム包材Fが充填チューブ2に導かれている。
フィルム包材FはフィルムロールFRから繰出され、そして、フォーマ4を通過する際、充填チューブ2の回りに円筒状に形成される。また、フォーマ4の直下には合掌ガイド(図示しない)が配置され、この合掌ガイドはフィルム包材Fの両側縁を互いに合掌形態にして重ね合わせた合掌縁を形成する。
【0015】
なお、図1には示されていないが、フィルム包材Fにはその繰出し過程にて、一定の間隔を存してジッパテープが付着される。
合掌ガイドの下方には、充填チューブ2の左右にフィルムフィーダ6がそれぞれ配置されている。これらフィルムフィーダ6はサクションベルトからなり、このサクションベルトに筒状のフィルム包材Fを吸着しながら充填チューブ2に沿って繰り出すことができる。
【0016】
また、合掌ガイドの下方には縦シーラ8が配置されている。縦シーラ8は充填チューブ2の周方向でみて、フィルムフィーダ6間に位置付けられ、充填チューブ2に沿って延びている。縦シーラ8は左右の縦シールバー10からなり、これら縦シールバー10はヒータ(図示しない)をそれぞれ内蔵し、縦シールバー10間にフィルム包材Fにおける合掌縁の通過を許容するギャップが確保されている。
【0017】
フィルム包材Fの繰出しに伴い、その合掌縁が縦シールバー10間を通過する際、合掌縁、つまり、フィルム包材Fの両側縁は互いにヒートシールされ、フィルム包材Fに縦シールVSが形成される。この時点で、フィルム包材Fは完全な筒状に形成される。
更に、縦シーラ8の下方には折込み片12が配置され、この折込み片12は縦シールVSを片側に折込んで横に寝かせる。
【0018】
図1から明らかなように充填チューブ2の下端部は矩形形状をなしており、これにより、筒状のフィル包材Fは充填チューブ2の下端部にて、角筒状のフィルム筒FTに形成される。
図2に示されるように充填チューブ2の下方には横シーラ14が配置され、この横シーラ14は一対の横シールバー16a,16bを有する。これら横シールバー16a,16bは矩形の断面形状をなし、互いに対向したシール面17を有するとともに、複数のヒータ18をそれぞれ内蔵する。一対の横シールバー16a,16bは図2に示すようにフィルム筒FTの前後方向に離間して配置され、そして、前後方向に往復動可能である。即ち、一対の横シールバー16a,16bは充填チューブ2直下の互いに近接した閉位置と、この閉位置から離間した開位置との間にて移動可能である。
【0019】
また、一方の横シールバー16aは、そのシール面17から突出可能な切断ナイフ20を内蔵し、他方の横シールバー16bはそのシール面17に切断ナイフ20を受け入れ可能な溝22を有する。
更に、横シールバー16a,16bの下側には弾性部材としてリーフばね24がそれぞれ取付けられている。これらリーフばね24はその横シールバー16に沿って延び、その中央部がシール面17から突出するような弓状をなしている。
【0020】
この実施例の場合、横シールバー16bが開位置にあるとき、この横シールバー16bの直上にはボトムシール折込みプレート26が配置され、このボトムシール折込みプレート26もまた横シールバー16bと同様にフィルム筒FTの前後方向に往復動可能である。
更に、充填チューブ2の左右両側には一対ずつの耳シールバー28及び耳折込みプレート30がそれぞれ配置され、これら耳シールバー28及び耳折込みプレート30は何れも横シールバー16a,16bよりも上側に位置付けられている。
【0021】
耳シールバー28は充填チューブ2の下端に向けて先細形状をなした先端部を備え、この先端部は水平な下面と、充填チューブ2の下端に向けて下方に傾斜した上面とから形成されている。
耳シールバー28はヒータ32を内蔵しており、このヒータ32は耳シールバー28を所定の温度に加熱するが、耳シールバー28の加熱温度は、ヒータ18による横シールバー16a,16bの加熱温度よりも低い。即ち、横シールバー16a,16bのヒートシール温度は耳シールバー28よりも高い。
【0022】
更に、一対の耳シールバー28は充填チューブ2の左右方向、つまり、一対の横シールバー16a,16bの開閉方向とは直交する方向に往復動可能である。
一方、一対の耳折込みプレート30は耳シールバー28の下側に位置し、耳シールバー28と同様に充填チューブ2の左右方向に往復動可能となっている。
一対の横シールバー16a,16bが図2に示す開位置から充填チューブ2の下端直下の閉位置に向けて往動されると、ボトムシール折込みプレート26もまた横シールバー16bとともに充填チューブ2の下端に向けて移動する。また、このとき、一対の耳シールバー28もまた充填チューブ2の下端に向けて移動する。
【0023】
一対の横シールバー16a,16bはその下側にリーフばね24を備えているので、これら横シールバー16a,16bが閉位置に到達する前に、前後のリーフばね24は図3に示すようにフィルム筒FTを前後から挟み付ける。この際、リーフばね24はその中央部が突出した弓形をなしているので、リーフばね24はフィルム筒FTをその中央から押し潰しながら、フィルム筒FTを左右両側に引き延ばす。
【0024】
それ故、一対の横シールバー16a,16bが閉位置に位置付けられたとき、これら横シールバー16a,16bはフィルム筒FTに皺を生じさせることなく、フィルム筒Fを挟み付けることができ、そして、フィルム筒FTをその前後から加熱してヒートシールし、フィルム筒FTに横シールを形成する。
上述したリーフばね24の皺伸ばしはその厚みが薄く、その腰が弱いフィルム包材Fに有効である。
【0025】
また、横シールの形成時には、横シールバー16a及びボトムシール折込みプレート26が充填チューブ2の前後から充填チューブ2の下端直下に進入するので、これら横シールバー16a及びボトムシール折込みプレート26は充填チューブ2の下端と協働し、横シールの直上位置にてフィルム筒FTに平坦底を形成する。
一方、一対の横シールバー16a,16bが閉位置に位置付けられると同時に、図4に示すように左右一対の耳シールバー28はその先端部が充填チューブ2の下端両側にそれぞれ位置付けられる。これら耳シールバー28は前述した平坦底の形成に伴い、この平坦底の両側から突出する三角耳を横シールバー16a,16bと間にて挟み込む。
【0026】
なお、この実施例の場合、ボトムシール折込みプレート26は横シールバー16bとともにその閉位置まで既に移動しており、しかも、充填チューブ2の下端幅よりも十分に広い幅を有しているので、三角耳は横シールバー16a側ではこの横シールバー16aと耳シールバー28との間にて直接に挟み込まれ、横シールバー16b側ではボトムシール折込みプレート26が介在した状態で、横シールバー16bと耳シールバー28との間に間接的に挟み込まれる。
【0027】
耳シールバー28及び一対の横シールバー16a,16bは共に加熱状態にあるので、三角耳はその上下からの加熱を受け、その内面同士がヒートシールされる。ここで、三角耳のヒートシール領域は三角耳の全域であってもよいし、又は、三角耳の底辺領域のみであってもよい。
図5は一対の横シールバー16a,16bによる横シールの形成が完了した状態を示し、図5中、横シール、平坦底及び三角耳のそれぞれには参照符号CS,FB,Eが付されている。
【0028】
横シールCSの形成後、横シールバー16aから横シールバー16bに向けて切断ナイフ20が突出し、切断ナイフ20は図5中の1点鎖線で示す切断ラインCLにて横シールCSを切断する。この結果、横シールCSは、図6に示されるように平坦底FBに連なるボトムシールBSと、ジッパテープGT側のトップシールTSとに分離される。
この後、一対の横シールバー16a,16bは閉位置から開位置に向けて復動されるが、ボトムシール折込みプレート26は図7に示されるようにボトムシールBSに向けて更に移動し、ボトムシールBSを平坦底FB及び三角耳Eに対して折込む。
【0029】
この折込み時、ボトムシールBSや平坦底FB及び三角耳Eの下面温度は未だ十分に高く、折り込まれたボトムシールBSは図8に示すように平坦底FB及び三角耳Eの下面に予熱によりヒートシールされる。
ここで、ボトムシールBSの折込みに先立ち、充填チューブ2内を通じて被包装物の充填が既に開始され、平坦底FBの内面上には被包装物が堆積し、しかも、三角耳Eは耳シールバー28より上方から押さえ付けられている状態にある(図4参照)。それ故、ボトムシールBSの折込み時には、ボトムシール折込みプレート26と平坦底FB及び三角耳Eとの間にボトムシールBSが良好に挟み付けられることになり、ボトムシールBSの確実なヒートシールが可能となる。
【0030】
また、被包装物の充填時、三角耳Eは前述したヒートシールを既に受けているので、被包装物が三角耳E内に侵入するようなこともない。
この後、ボトムシール折込みプレート26が平坦底FB及び三角耳Eから退避すると、図9に示されるように一対の耳シールバー28が充填チューブ2から離れる方向に復動し、これに対し、左右の耳折込みプレート30は充填チューブ2の下端に向けて移動される。
【0031】
ボトムシール折込みプレート26が三角耳Eから逃げると、三角耳Eは図9に示されるように、その先端が下方に下がる。これは、横シールバー16a,16bのヒートシール温度が耳シールバー28のヒートシール温度よりも高く、三角耳Eの下面での熱収縮がその上面での場合よりも大となることに起因する。
それ故、左右の耳折込みプレート30は三角耳Eの先端と干渉することなく、その底辺近傍に当たり、三角耳Eを平坦底FBに向けて確実に折込みことができる。
【0032】
ここでの折込み時にも、平坦底FB及び三角耳Eの下面温度は十分に高く、折り込まれた三角耳Eは図5に示されるように平坦底FBにヒートシールされ、この結果、その下面に三角耳Eを有した角底RBが成形される。
この後、左右の耳折込みプレート30が角底RBから退避した後、被包装物の充填を継続しながらフィルム筒FTが所定の長さだけ繰出される。そして、被包装物の充填完了後、上述した角底RBの成形動作が繰り返され、この過程にて、次の横シールCSが切断分離されることで、図10に示すように角底RB及びジッパテープGTを有した角底袋Pが成形される。
【0033】
上述した角底袋Pの成形にあたり、ボトムシールBSや三角耳Eのヒートシールに予熱を利用することから、図2から明らかなように前述したボトムシール折込みプレート26、一対ずつの耳シールバー28及び耳折込みプレート30は充填チューブ2の下端周囲に纏めて配置され、これらプレート及びバー26,28,30は迅速に作動される。従って、角底RBの成形は短時間で完了し、角底袋Pの製造を高速化することができる。
【0034】
本発明は上述した一実施例に制約されるものではなく、種々の変形が可能である。
一実施例の場合、横シールバー16bが閉位置に向けて移動するとき、ボトムシール折込みプレート26もまた横シールバー16bとともに移動して、充填チューブ2の下端直下に位置付けられるが、このようなボトムシール折込みプレート26の移動は横シールCSの形成後、横シールバー16bが閉位置から開位置に向けて復動すると同時に実施されてよい。しかしながら、ボトムシール折込みプレート26が横シールCSの形成と同時に既に移動されていれば、ボトムシールBSを折込みを迅速に行え、予熱を利用したボトムシールBSのヒートシールがより確実になる。
【0035】
これに関連して、一対の耳折込みプレート30もまた、三角耳Eの折込みに先立ち、耳シールバー28の近傍まで既に移動されていてもよく、予熱を利用した三角耳Eのヒートシールがより確実になる。
更に、一対の横シールバー16a,16bはリーフばね24の代えて、スポンジ等の弾性部材を備えていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】一実施例の縦形製袋充填包装機を示した概略斜視図である。
【図2】図1の横シーラの周辺をより詳細に示した斜視図である。
【図3】一対の横シールバーが閉位置に向けて移動する過程を示した横シーラの側面図である。
【図4】一対の横シールバーが図2に示す開位置から閉位置に移動した状態を示す斜視図である。
【図5】フィルム筒に形成された横シール及び平坦底を示す斜視図である。
【図6】横シールの切断により形成された平坦底のボトムシールを示す斜視図である。
【図7】ボトムシールの折込みを説明するための図である。
【図8】平坦底及び三角耳の下面にボトムシールが折り込まれた状態を示す斜視図である。
【図9】三角耳の折込みを説明するための図である。
【図10】成形された角底袋の斜視図である。
【符号の説明】
【0037】
2 充填チューブ
16a,16b 横シールバー
18,32 ヒータ
24 リーフばね
26 ボトムシール折込みプレート
28 耳シールバー
30 耳折込みプレート
BS ボトムシール
CS 横シール
E 三角耳
FT フィルム筒
FB 平坦底
RB 角底
VS 縦シール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
充填チューブに沿いフィルム包材を繰り出しながら前記充填チューブの回りに縦シールを有した角筒状のフィルム筒に形成する過程にて、前記フィルム筒にその繰出し方向に所定の間隔を存した横シールの形成並びに横シールの切断を被包装物の充填を伴いながら繰り返し、角底を有した袋を個々に成形する縦形製袋充填包装機において、
前記充填チューブの下方に配置され、前記フィルム筒の前後方向に離間した開位置と閉位置との間にて移動可能であり、前記閉位置にて前記フィルム筒に横シールを形成するとともに、この横シールの直上に前記充填チューブの下端と協働して平坦底を形成する一対の横シールバーと、
前記充填チューブの左右両側にて前記横シールバーの移動方向と直交する左右方向に移動可能に配置され、前記横シールの形成時、前記平坦底の両側縁から突出する三角耳を前記閉位置にある前記横シールバーとの間にて挟み付け、前記三角耳の内面同士をヒートシールする一対の耳シールバーと、
一方の横シールバー内から他方の横シールバーに向けて突出可能に設けられ、前記横シールの形成後、前記横シールの位置にて前記フィルム筒を切断し、前記横シールを前記平坦底に連なるボトムシールと、このボトムシール下側のトップシールとに形成する切断ナイフと、
前記充填チューブの前後方向片側にて、その前後に移動可能に配置され、前記一対の横シールバーが前記閉位置から前記開位置に向けて移動する際、前記平坦底に向けて移動して前記ボトムシールを前記平坦底及び前記三角耳の下面に折込んで互い重ね合わせ、これらボトムシール、平坦底及び三角耳自体の熱により互いにヒートシールさせるボトム折込みプレートと、
前記充填チューブの左右両側にて、前記左右方向に移動可能に配置され、前記ボトムシールの折込み後、前記平坦底に向けて移動し、前記三角耳を前記平坦底の下面に折り込んで互いに重ね合わせ、これら三角耳及び平坦底自体の熱により互いにヒートシールさせる一対の耳折込みプレートと
を具備したことを特徴とする角底袋のための縦形製袋充填包装機。
【請求項2】
前記各横シールバーの下側に設けられ、前記一対の横シールバーが閉位置に到達する前に、前記フィルム筒を前後から挟み付け、前記フィルム筒を左右方向に引き延ばす弾性部材を更に具備したことを特徴とする請求項1に記載の角底袋のための縦形製袋充填包装機。
【請求項3】
前記横シールバーは前記耳シールバーよりも高いヒートシール温度に加熱されていることを特徴とする請求項1又は2記載の角底袋のための縦形製袋充填包装機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−96359(P2006−96359A)
【公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−281595(P2004−281595)
【出願日】平成16年9月28日(2004.9.28)
【出願人】(000151461)株式会社東京自働機械製作所 (106)
【Fターム(参考)】