説明

記録メディア、記録メディア管理システムおよび管理方法

【課題】1枚ずつメディアを本体に装着する必要がなく、目的のコンテンツが格納されたメディアを迅速に探すことを可能とする。
【解決手段】ステップS11において、ライブラリの一覧が表示される。S12において、ライブラリの一覧の中で所望のメモリカードが選択される。使用したいメモリカードに対応するサムネイルが描画されているアイコン上にカーソルが位置され、決定キーが押される。S13において、選択されたメモリカードのメディアIDが無線送信される。S14において、送信されたメディアIDがメモリカードによって受信される。S15において、二つのメディアIDとの一致が検出され、一致すると判定されると、ステップS16において、LEDが点灯される。LEDが点灯しているメモリカードがS17において、本体に挿入される。挿入されたメモリカードから画像信号が読み出される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、情報処理装置に対して着脱自在の記録メディア、並びに記録メディアを管理する記録メディア管理システムおよび管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
情報処理装置に対して着脱自在の記録メディア(以下、リムーバブルメディアと称する)として、種々のメモリカード、光ディスク、磁気ディスク等が使用されている。情報処理装置に対してかかるリムーバブルメディアが装着/離脱される。情報処理装置の一例は、デジタルカメラである。
【0003】
所望のコンテンツの格納されたリムーバブルメディアを探すためには、リムーバブルメディアに格納されている情報信号(以下、コンテンツと称する)を知る必要がある。コンテンツとは、ウェブサイトやメディアで人が閲覧できるひとまとまりの情報全般のことである。具体的には、音楽・映画・テキスト・漫画・ゲーム・ウェブページ等のことである。リムーバブルメディア内に格納されているコンテンツを知るためには、情報処理装置の本体側で格納されているコンテンツを読み取ることが必要である。リムーバブルメディアの個数が多いと、それぞれのコンテンツの読み取りを行うことは、リムーバブルメディアを1枚ずつ本体に対して装着する必要があり、手間がかかる。
【0004】
さらに、下記の特許文献1には、デジタルカメラの撮影データおよびインデックス情報がリムーバブルメディアに記録され、リムーバブルメディアに電子ペーパを設けることが記載されている。特許文献1に記載のものでは、電子ペーパによってインデックス情報を表示することによって、記録内容が簡単に分かるようにしている。
【0005】
【特許文献1】特開2004−040471号公報
【0006】
さらに、リムーバブルメディアに記録されているコンテンツを無線通信によって情報処理装置に伝送してコンテンツの内容を閲覧することが考えられる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
各リムーバブルメディアに電子ペーパを設け、記録されているコンテンツのインデックスを表示することは、多数のリムーバブルメディアを管理するのには適した方法とは言えない。すなわち、多数のリムーバブルメディアの電子ペーパを1枚ずつ確認する手間がかかる。さらに、無線でコンテンツを情報処理装置に送信する方法は、コンテンツのデータサイズが大きいと、転送に要する時間が長くなり、その間の消費電力が大きくなる問題がある。
【0008】
この発明は、かかる従来の問題点を除去するもので、所望のコンテンツが格納されたリムーバブルメディアが迅速に判明するようにできる記録メディア、記録メディア管理システムおよび管理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決するために、この発明は、制御部によって制御され、情報処理装置との間で情報信号の授受を行う記憶デバイスと、
制御部によって制御され、情報処理装置との間の無線通信を行う無線通信部と、
無線通信部を通じて情報処理装置から受信されたメディア識別子が記憶されている自身のメディア識別子とが一致すると制御部が判定する場合に、通知を発生する通知部と
を備える記録メディアである。
【0010】
好ましくは、情報処理装置との間でコネクタによって情報信号の授受がなされる。
【0011】
好ましくは、情報処理装置との間で無線通信によって情報信号の授受がなされる。
【0012】
好ましくは、通知部は、光、音および振動の少なくとも一つの変化によって通知を行うものである。
【0013】
好ましくは、非接触の外部機器から供給される電気信号から電源を生成する電源生成部をさらに有する。
【0014】
この発明は、情報処理装置と、情報処理装置に対して着脱自在の記録メディアとからなる記録メディア管理システムであって、
情報処理装置は、
記録メディアとの間のインターフェースと、
装着された記録メディアに対して情報信号を記録し、記録メディアから情報信号を再生する情報信号処理部と、
装着された記録メディアのメディア識別子と、該記録メディアに記録した情報信号との対応関係を示すライブラリを作成し、作成したライブラリを不揮発性メモリに記憶し、
ライブラリを反映したメディア選択画面を表示部に表示し、
メディア選択画面で選択されたメディアのメディア識別子を第1の通信部によって無線通信するように、不揮発性メモリ、表示部および第1の通信部を制御する第1の制御部とを有し、
記録メディアは、
第2の制御部によって制御され、情報処理装置のインターフェースを介して情報信号を伝送する記憶デバイスと、
第2の制御部によって制御され、情報処理装置との間の無線通信を行う第2の通信部と、
第2の通信部を通じて情報処理装置から受信されたメディア識別子が記憶されている自身のメディア識別子とが一致すると第2の制御部が判定する場合に、通知を発生する通知部と
を備える記録メディア管理システムである。
【0015】
好ましくは、ライブラリは、メディア識別子と記録されている情報信号の代表的信号との対応関係を示すものであり、
代表的信号がメディア選択画面で再生される。
【0016】
この発明は、情報処理装置に対して記録メディアが装着されるステップと、
記録メディアのメディア識別子を取得するステップと、
記録メディアに対して情報信号を記録するステップと、
記録メディアのメディア識別子と、該記録メディアに記録した情報信号との対応関係を示すライブラリを作成し、作成したライブラリを不揮発性メモリに記憶するステップと、
ライブラリを反映したメディア選択画面を表示部に表示し、メディア選択画面上で所望の情報信号が記録されている記録メディアを選択するステップと、
メディア選択画面で選択されたメディアのメディア識別子を第1の通信部によって無線通信するステップと、
第1の通信部によって送信されたメディア識別子を記録メディアの第2の通信部によって受信し、
第2の通信部を通じて情報処理装置から受信されたメディア識別子が記憶されている自身のメディア識別子とが一致すると判定する場合に、通知部によって通知を発生するステップと
からなる記録メディア管理方法である。
【発明の効果】
【0017】
この発明によれば、所望のコンテンツが格納されたリムーバブルメディアを探すのに、1枚ずつリムーバブルメディアを本体に装着する必要がなく、手間と労力を省くことができる。さらに、目的のコンテンツが格納されたリムーバブルメディアを迅速に探すことができる。さらに、無線通信によってリムーバブルメディア内のコンテンツをアクセスする必要がなく、コンテンツを表示するまでの処理時間を短縮化でき、消費電力を節減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、この発明の好適な具体例であり、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、この発明の範囲は、以下の説明において、特にこの発明を限定する旨の記載がない限り、実施の形態に限定されないものとする。
【0019】
〔カメラレコーダ〕
この発明の一実施の形態について説明する。図1を参照してこの発明を適用できる情報処理装置としてのビデオカメラレコーダ(ビデオカメラとレコーダとが一体構成とされた装置)の一例を説明する。ビデオカメラレコーダは、撮像された動画像信号または静止画像信号(以下、両方を区別する必要がない場合は、単に画像信号と称する)をリムーバブルメディア例えばメモリカードに記録するものである。以下、1台のビデオカメラレコーダによって複数のメモリカードに対して記録がなされ、複数のメモリカードの所望のメモリカードに記録されている画像信号をビデオカメラレコーダによって再生する例について説明する。
【0020】
メモリカードとは、薄型でカードのような外見の外部記憶装置である。フラッシュメモリ、ハードディスク、USB(Universal Serial Bus)メモリ等の記憶素子と、本体との接続のためのインターフェースを備える。後述するように、この発明が適用されたメモリカードは、さらに、無線通信装置、ユーザインターフェース等を有する。
【0021】
光学レンズ部1を介された被写体光がCCD(Charge Coupled Device)、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の光電変換部2に入射される。光電変換部2から電気信号(撮像信号)が出力される。光電変換部2には、光電変換部のドライバ、前処理回路とが含まれている。
【0022】
前処理回路は、例えばCCDからの撮像信号に対して、CDS(Correlated Double Sampling)処理を行って、S/N比を良好にし、AGC(Automatic Gain Control)処理を行って、利得を制御し、そして、A/D(Analog/Digital)変換によって、デジタル信号とされた撮像信号を形成する。
【0023】
光電変換部2からのデジタル撮像信号が画像信号処理部3に供給される。画像信号処理部3は、撮像データに対して、AF(Auto Focus)、AE(Auto Exposure )、AWB(Auto White Balance)などのカメラ信号処理を施す。さらに、画像信号処理部3は、画像信号の圧縮/伸張処理を行う。MPEG(Moving Picture Experts Group Phase)−4H.264/AVC(Advanced Video Coding)を用いた圧縮、MPEG−2を用いた圧縮等が
使用される。静止画像の圧縮には、JPEG(Joint Photographic Experts Group)が使
用される。
【0024】
画像信号処理部3と関連して画像入出力部4が設けられている。画像入出力部4を介して外部から映像信号が入力される。画像入出力部4は、例えばHDMI(High-definition multimedia interface)である。画像信号処理部3からの映像信号が液晶ディスプレイ5に供給され、撮像中の画像、または外部のメモリカードから読み出された画像が液晶ディスプレイ5に表示される。
【0025】
音声入出力部6を介して音声信号が入出力される。音声入出力部6には、撮像中に音声信号を捕捉するマイクロホン、外部機器との間で音声信号を入出力するインターフェース等が含まれる。音声入出力部6に対して音声処理部7が接続される。音声処理部7は,音声信号の圧縮/伸張処理を行う。例えばMPEGオーディオの圧縮方式が使用される。
【0026】
画像信号処理部3、音声信号処理部7およびカメラ機能制御部8がそれぞれ制御部9に接続される。制御部9は、画像信号処理部3および音声信号処理部7とを制御し、映像信号および音声信号を入出力する。カメラ機能制御部8は、制御部9からの制御信号を受け取り、光学レンズ部1のフォーカス機構、シャッター機構、絞り(アイリス)機構等を制御する。
【0027】
制御部9は、CPU(Central Processing Unit)によって構成される。制御部9と関連して不揮発性メモリ例えばフラッシュメモリ10と、RAM(Random Access Memory)11と、ROM(Read Only Memory)12と、操作入力部13とが設けられている。制御部9のCPUがこれらのメモリと協働して、マイクロコンピュータとして機能する。フラッシュメモリ10には、記録を行う時に自動的に作成されたライブラリが記憶される。
【0028】
ライブラリは、メモリカードの識別子とメモリカードの記憶内容を示す情報例えばサムネイルとの対応関係を示す情報である。ライブラリは、ハードディスク等の他の不揮発性メモリに記録するようにしても良い。この発明の一実施の形態では、メモリカードが他の記録装置によって記録されないことを前提としている。すなわち、他の記録装置による記録を許容すると、ライブラリの情報が実体と異なるおそれがあるからである。但し、メモリカードを再生することは、他の再生装置によって行うようにしても良い。
【0029】
ROM11およびRAM12は、CPUが実行する種々のプログラムや、処理に必要になるデータ等を記憶するものである。操作入力部13は、例えば本体の筐体に設けられたボタン(キー)である。ボタン操作で発生した操作信号が制御部9に供給され、ボタン操作に対応した制御動作が行われる。操作入力部13は、液晶ディスプレイ5と関連して設けられたタッチパネルの構成でも良い。
【0030】
制御部9に対してインターフェース部14が接続される。この発明の一実施の形態では、インターフェース部14によって、二つの外部デバイスが装着可能とされている。外部デバイスとして、メモリカード、他のビデオカメラレコーダ等がインターフェース部14を介してビデオカメラレコーダに接続可能とされる。インターフェース部14は、メモリカードに対応する独自の規格のインターフェース、汎用のインターフェース例えばATA(AT attachment)に対応している。
【0031】
この一実施の形態では、インターフェース部14に対して装着されるメモリカードの管理に対してこの発明が適用される。しかしながら、他のリムーバブルメディアの管理に対してこの発明を適用できる。さらに、インターフェース部14は、端子同士の機械的接触の構成に限らず、無線インターフェースの構成でも良い。例えば近距離無線転送技術を利用したインターフェースの構成としても良い。この場合には、携帯電話、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ等のモバイル機器から写真、動画像等の大容量ファイルを本体に近接させるのみで、本体に対して転送できる。
【0032】
さらに、制御部9に対して通信部15が接続される。通信部15は、有線通信および無線通信の両方に対応している。有線通信は、具体的に、Ethernet(登録商標)、USB等である。無線通信は、具体的に、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11a/b/g、ブルートゥース等である。さらに、ビデオカメラレ
コーダの電源を供給するための電源16が設けられている。
【0033】
〔メモリカード〕
図2は、この発明が適用されたリムーバブルメディアの一例としてのメモリカード21の外観を示す。メモリカード21は、本体との接続のための外部コネクタ22と、通知部としてのLED(Light Emitting Diode)23をを有する。メモリカード21は、内部に、図3に示す構成の回路部を有する。
【0034】
図3に示すように、メモリカード21が記録デバイス31と内蔵メモリ(RAM32およびROM33)を有する。記録デバイス31がインターフェース部34を介して制御部35に接続される。制御部35は、CPUによって構成される。制御部9と関連してRAM32と、ROM33とが設けられている。制御部35のCPUがこれらのメモリと協働して、マイクロコンピュータとして機能する。ROM33は、メモリカード21の識別子(メディアIDと称する)が記憶される。メディアIDは、例えばメモリカードの製造時に付された製造番号のように、当該メモリカードにユニークな情報である。
【0035】
記録デバイス31は、メモリカードの記録メディアである。具体的には、フラッシュメモリ、小型ハードディスク等である。インターフェース部34は、記録デバイス31に対応する独自の規格のインターフェース、ATA、USB等の汎用のインターフェースに対応している。
【0036】
さらに、制御部35に対してインターフェース部36および通信部37が接続される。インターフェース部36は、外部ホスト(情報処理装置)例えば図1に示すビデオカメラレコーダとの接続用のインターフェースである。外部コネクタ22がインターフェース部36に含まれている。インターフェース部6は、メモリカードに対応する独自の規格のインターフェース、ATA、USB等の汎用のインターフェースに対応している。
【0037】
通信部37は、外部ホストのビデオカメラレコーダとの間の無線通信を行う。無線通信は、具体的に、IEEE802.11a/b/g、ブルートゥース等である。さらに、LED23の発光が制御部35によって制御される。ビデオカメラレコーダから送信されたメディアIDが通信部37によって受信される。
【0038】
制御部35は、受信されたメディアIDとROM33に記憶されている自身のメディアIDとを比較し、両方のメディアIDが一致する場合にのみLED23を点灯する。LED23の点灯状態は、電源の供給が断たれるまで継続する。または、ビデオカメラレコーダに挿入された場合に消灯される。さらに、メモリカードに対して電源を供給するための電源供給部38が設けられている。
【0039】
なお、ヒューマンインターフェース(マンマシンインターフェース)は、ユーザの五感で感知できるものであれば良い。すなわち、LEDのように発光素子以外に、音(スピーカ、ブザー)による通知、振動(バイブレータ)による通知等を使用しても良い。
【0040】
上述した構成を有するメモリカード21は、例えば収納ケースに設けられたホルダに収納される。収納ケースには、多数のホルダが配置され、多数のメモリカードが収納可能とされている。一例として、電源供給部38は、収納ケースのホルダにメモリカード21を装着した状態で非接触で電源を供給できる構成とされる。
【0041】
図4は、かかる電源供給部38の一例である。収納ケースの複数のホルダに1次側のコ字状コア41がそれぞれ設けられ、メモリカード21内部に2次側コア2が設けられる。コア41に巻かれたコイル43に対して交流信号が供給される。コア42に対してコイル44が巻かれており、コイル44に1次側に供給された交流信号と同様の交流信号が誘起される。したがって、メモリカード21内で交流信号を整流することによって、電源を生成できる。情報処理装置としてのビデオカメラレコーダにメモリカードを装着した場合において、電源を供給する構成としても図4の構成が使用される。この場合では、1次側のコア41およびコイル43がビデオカメラレコーダに設けられる。
【0042】
なお、図4は、電源供給部38の一例の構成であり、単なる電池(小型のコイン型電池)を含む種々の構成が可能である。例えばメモリカードの表面に太陽電池を取り付け、太陽電池により電源を回路部に供給しても良い。
【0043】
〔ライブラリの作成〕
上述したビデオカメラレコーダ(図1参照)およびメモリカード(図2、図3および図4参照)からなるリムーバブルメディア管理システムについて説明する。メモリカード21がビデオカメラレコーダのインターフェース部14に装着される。そして、光学レンズ部1および光電変換部2により取得され、画像信号処理部3で生成された撮像信号が制御部9の制御によってメモリカード21に対して記録される。撮像信号が記録されると、制御部9によって、自動的にライブラリが作成され、作成されたライブラリがビデオカメラレコーダのフラッシュメモリ10に記憶される。
【0044】
図5を参照してライブラリの作成処理の一例について説明する。ステップS1においてビデオカメラレコーダのメモリカード装着部に対してメモリカードが挿入される。ビデオカメラレコーダの制御部9がメモリカードの制御部35と通信を行い、ステップS2において、ROM33に記憶されているメディアIDを読み出し、読み出したメディアIDをメディア例えばRAM11に記憶する。
【0045】
ステップS3において、ユーザが操作入力部13に設けられた記録ボタンを押すことによって記録動作が開始される。撮影された画像信号が圧縮され、インターフェース部14を介してメモリカード21の記録デバイス31に対して記録される。ステップS5において、ユーザが操作入力部13に設けられた記録停止ボタンを押すことによって記録動作が終了する。
【0046】
ステップS5において、制御部9の制御によってライブラリが作成される。作成されたライブラリが制御部9の制御によってフラッシュメモリ10に対して記憶される。ライブラリは、メディアIDと記録されている画像信号の代表的画像(例えば縮小画像(サムネイルと称する))との対応関係を示す情報である。サムネイルによって、記録されている画像の内容が判る。動画像信号のサムネイルとしては、例えば記録開始時の画像が使用される。画像信号ではなく、楽曲をメモリカードに記録する時には、曲の先頭の部分、或いは曲の印象的な部分がライブラリとして記憶される。
【0047】
〔メモリカードの探索〕
図6は、複数のメモリカードの中で所望のメモリカードを探す処理の流れを示す。図6では、ビデオカメラレコーダの制御部9の処理を図に向って左側に示し、メモリカードの制御部35の処理を図に向って右側に示す。最初のステップS11において、ユーザがボタン操作によってメモリカードの探索メニューを選択すると、フラッシュメモリ10に記憶されているライブラリの一覧が液晶ディスプレイ5に表示される。
【0048】
ライブラリの一覧は、以前に記録に使用したメモリカードのサムネイルである。ステップS12において、ユーザがライブラリの一覧の中で、所望のメモリカードを選択する。例えば使用したいメモリカードに対応するサムネイルが描画されているアイコン(ボタン)上にカーソルが位置され、決定キーが押される。ステップS13において、選択されたメモリカードのメディアIDが通信部15によって無線でもって送信される。
【0049】
ステップS14において、送信されたメディアIDがメモリカードの通信部37によって受信される。図6では、一つのメモリカードにおける処理のみが示されているが、複数のメモリカードにおいて、図6に示す処理と同様の処理がそれぞれなされる。
【0050】
メディアIDを受信すると、ROM33に記憶されている自身のメディアIDが読み出され、ステップS15において、受信されたメディアIDが自身のメディアIDと一致するか否かが判定される。二つのメディアIDが一致すると判定されると、ステップS16において、LEDが点灯される。二つのメディアIDが一致しないと判定されると、LEDが点灯されない。
【0051】
LEDが点灯しているメモリカードがステップS17において、ビデオカメラレコーダに対して挿入される。再生ボタンを操作すると、挿入されたメモリカードから例えば画像信号が読み出され、画像信号処理部3によって処理され、再生画像が液晶ディスプレイ5に表示される。ユーザは、ライブラリの一覧で指定したメモリカードから画像信号を再生することができる。
【0052】
メモリカードの探索についてより具体的に説明する。例えば2つのメモリカードに対してそれぞれ記録を行っていると、ステップS11のライブラリの一覧の表示において、図7Aに示す表示が液晶ディスプレイ5の画面になされる。P1がメディアIDの(0001)を有するメモリカードのアイコンである。アイコンには、サムネイルが描画されている。メディアIDの4桁の数字は、単なる一例である。メディアIDが(0002)のメモリカードのアイコンP2も表示される。
【0053】
次に、新たにメディアIDが(0003)のメモリカードが図5のステップS1に示すように、ビデオカメラレコーダに対して挿入され、このメモリカードに対して記録を行う。図5を参照して説明したように、記録が終了すると、自動的にライブラリが作成され、ライブラリがフラッシュメモリ10へ記憶される。この結果、ライブラリの一覧の表示は、図7Bに示すように、新たなメモリカードのサムネイルが描画されたアイコンP3を含むものに変化する。
【0054】
図8に示すように、3枚のメモリカード21a、21b、21cが例えばメモリカード収納ケースに収納されている。各メモリカードは、外部コネクタ22a、22b、22cと、LED23a、23b、23cとをそれぞれ有する。
【0055】
ビデオカメラレコーダにおいて、ユーザがメモリカード探査メニューを開くと、図7Bに示すようなライブラリの一覧が液晶ディスプレイ5の画面に表示される(図6におけるステップS11)。例えばアイコンP2のメモリカードに記録されている画像信号を再生したい場合、方向キーおよび決定キーを操作してアイコンP2が選択される(図6におけるステップS12)。したがって、そのメディアID(0002)が無線送信される(図6におけるステップS13)。
【0056】
メモリカード21a、メモリカード21bおよびメモリカード21cがそれぞれメディアID(0002)を受信する(図6におけるステップS14)。各メモリカードにおいて、受信したメディアIDと自身のメディアIDとが一致するか否かが判定される(図6におけるステップS15)。
【0057】
メモリカード21b自身のメディアIDがビデオカメラレコーダが送信したメディアIDと一致するので、メモリカード21bのLED23bが点灯する(図6におけるステップS16)。他のメモリカードのLEDが点灯しない。したがって、ユーザは、LED23bが点灯しているメモリカード21bが目的とするメモリカードであることが判る。したがって、メモリカード21bがビデオカメラレコーダに挿入される(図6におけるステップS17)。
【0058】
このように、ユーザは、メモリカードのようなリムーバブルメディアをビデオカメラレコーダに順番に挿入することなしに、目的のメモリカード22bを探し出すことができる。
【0059】
この発明は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、この発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。例えば一つのリムーバブルメディアに複数のコンテンツが記録されている場合には、ライブラリの一覧において、一つのメディアに関して複数のサムネイルを表示しても良い。さらに、上述した一実施の形態において、ライブラリの一覧が作成されるのは、少なくとも一回は、記録を行ったメディアである。しかしながら、記録前のブランクメディアのメディアIDを予めライブラリとして登録しても良い。
【0060】
よりさらに、この発明においては、情報処理装置が通信部を持たないで、リムーバブルメディアに備えられている通信部を利用して通信を行うことも可能である。すなわち、情報処理装置に挿入されたリムーバブルメディアの通信部を利用して通信を行うことになる。この場合では、記録時にブランクメディアを探すことが容易となる。さらに、この発明は、ビデオカメラレコーダ以外のビデオデッキ、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置に対しても適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】この発明の一実施の形態におけるビデオカメラレコーダの構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の一実施の形態におけるメモリカードの外観を示す略線図である。
【図3】この発明の一実施の形態におけるメモリカードの構成を示すブロック図である。
【図4】メモリカードに対して非接触で電源を供給するための構成を示す接続図である。
【図5】この発明の一実施の形態のライブラリ作成処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】この発明の一実施の形態のメモリカードを探す処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】この発明の一実施の形態におけるライブラリの一覧の表示例を示す略線図である。
【図8】この発明の一実施の形態を説明するための3個のメモリカードを示す略線図である。
【符号の説明】
【0062】
1・・・光学レンズ部
2・・・光電変換部
3・・・画像信号処理部
5・・・液晶ディスプレイ
7・・・音声処理部
9・・・制御部
10・・・フラッシュメモリ
14・・・インターフェース部
15・・・通信部
21・・・メモリカード
22・・・外部コネクタ
23・・・LED
31・・・記録デバイス
35・・・制御部
37・・・通信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部によって制御され、情報処理装置との間で情報信号の授受を行う記憶デバイスと、
上記制御部によって制御され、上記情報処理装置との間の無線通信を行う無線通信部と、
上記無線通信部を通じて上記情報処理装置から受信されたメディア識別子が記憶されている自身のメディア識別子とが一致すると上記制御部が判定する場合に、通知を発生する通知部と
を備える記録メディア。
【請求項2】
上記情報処理装置との間でコネクタによって上記情報信号の授受を行う請求項1記載の記録メディア。
【請求項3】
上記情報処理装置との間で無線通信によって上記情報信号の授受を行う請求項1記載の記録メディア。
【請求項4】
上記通知部は、光、音および振動の少なくとも一つの変化によって通知を行う請求項1記載の記録メディア。
【請求項5】
非接触の外部機器から供給される電気信号から電源を生成する電源生成部をさらに有する請求項1記載の記録メディア。
【請求項6】
情報処理装置と、上記情報処理装置に対して着脱自在の記録メディアとからなる記録メディア管理システムであって、
上記情報処理装置は、
記録メディアとの間のインターフェースと、
装着された上記記録メディアに対して情報信号を記録し、上記記録メディアから情報信号を再生する情報信号処理部と、
装着された上記記録メディアのメディア識別子と、該記録メディアに記録した情報信号との対応関係を示すライブラリを作成し、作成した上記ライブラリを不揮発性メモリに記憶し、
上記ライブラリを反映したメディア選択画面を表示部に表示し、
上記メディア選択画面で選択されたメディアのメディア識別子を第1の通信部によって無線通信するように、上記不揮発性メモリ、上記表示部および上記第1の通信部を制御する第1の制御部とを有し、
上記記録メディアは、
第2の制御部によって制御され、上記情報処理装置の上記インターフェースを介して情報信号を伝送する記憶デバイスと、
上記第2の制御部によって制御され、上記情報処理装置との間の無線通信を行う第2の通信部と、
上記第2の通信部を通じて上記情報処理装置から受信されたメディア識別子が記憶されている自身のメディア識別子とが一致すると上記第2の制御部が判定する場合に、通知を発生する通知部と
を備える記録メディア管理システム。
【請求項7】
上記ライブラリは、上記メディア識別子と記録されている情報信号の代表的信号との対応関係を示すものであり、
上記代表的信号が上記メディア選択画面で再生される請求項6記載のメディア管理システム。
【請求項8】
情報処理装置に対して記録メディアが装着されるステップと、
上記記録メディアのメディア識別子を取得するステップと、
上記記録メディアに対して情報信号を記録するステップと、
上記記録メディアのメディア識別子と、該記録メディアに記録した情報信号との対応関係を示すライブラリを作成し、作成した上記ライブラリを不揮発性メモリに記憶するステップと、
上記ライブラリを反映したメディア選択画面を表示部に表示し、上記メディア選択画面上で所望の情報信号が記録されている記録メディアを選択するステップと、
上記メディア選択画面で選択されたメディアのメディア識別子を第1の通信部によって無線通信するステップと、
上記第1の通信部によって送信されたメディア識別子を記録メディアの第2の通信部によって受信し、
上記第2の通信部を通じて上記情報処理装置から受信されたメディア識別子が記憶されている自身のメディア識別子とが一致すると判定する場合に、通知部によって通知を発生するステップと
からなる記録メディア管理方法。
【請求項9】
上記ライブラリは、上記メディア識別子と記録されている情報信号の代表的信号との対応関係を示すものであり、
上記代表的信号が上記メディア選択画面で再生される請求項8記載のメディア管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−44491(P2010−44491A)
【公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−206855(P2008−206855)
【出願日】平成20年8月11日(2008.8.11)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】