説明

記録装置、記録方法、撮像装置

【課題】撮像装置により撮像記録するときに撮像画像とともに同時的に記録される付加情報(撮像時関連付随情報)について、この撮像装置以外の機器で再生したときにも、付加情報の表示が行われるようにして、付加情報表示の汎用性を高める。
【解決手段】DVD−Videoフォーマットに対応する撮像装置にあって、撮像画像は通常の動画像のビデオデータとしてエンコードする。付加情報については、その内容が示されるサブピクチャとして作成する。そして、これらのビデオデータとサブピクチャとを多重化してDVDに記録する。再生時においては、ビデオデータの動画像に対して、サブピクチャの画像が重畳表示されることで、撮像画像に付加情報の内容を示す画像が重畳表示されることになる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像データを記録する記録装置と、その方法に関する。また、画像データとして撮像により取得した画像を記録する撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、民生用における可搬型のビデオカメラなどの撮像装置では、ユーザへの便宜として、撮像記録時において、そのときの日時や、露出などをはじめとした撮像装置における各種設定情報などの撮像に関しての付随情報を、撮像画像データとともに記録できるようにしたものが広く普及している。
また、近年では、DVD(Digital Versatile Disc)を記録媒体とするビデオカメラなどの撮像装置も知られ、また、普及してきている。
【0003】
上記のようにしてDVDを記録媒体として撮像画像(及び収音音声)を記録するのにあたっては、周知のようにして、メディアフォーマットとしてDVD−Video、DVD−VR(Video Recording)などの、いわゆるDVDフォーマットが採用される、また、これらのDVDフォーマットにあっては、ビデオ、オーディオデータの記録にあたり、MPEG−PS(Program Stream)といわれるシステムフォーマットが採用される。MPEG−PSは、MPEG(Motion Picture Experts Group)方式による圧縮符号化の規格として、画像データ、オーディオデータなどを同期させて多重化した符号化ストリームを生成し、この符号化ストリームとしてのデータを記録媒体に記録させるようにしたものである。
例えば、このようなMPEG−PSを採用するDVDフォーマットでは、上記したような撮像に関しての付随情報をストリーム上においてどのようにして多重化するのかについての定義は存在していない。撮像に関する付随情報についての記録再生機能はユーザの便宜を考慮すれば必要なものである。従って、DVDフォーマットの下にあっても、付随情報の記録再生が行われるようにすることが必要となる。
【0004】
そこで、特許文献1には、DVDフォーマット(DVD−Video、DVD−VR)を前提として、1つのVOBUにおける特定の1つのパックを、付随情報(付加情報)の格納に使用することで、撮像画像データとともに付随情報を記録可能とする構成が提案されている。
このようにして記録が行われた後の再生時においては、文字、シンボル(絵柄)などによりユーザが認識可能な態様とされた付随情報の内容を、撮像画像に合成させるようにして、表示のための出力を行うことができる。このようにして付随情報が表示されることで、ユーザは、撮影の日時や、撮影時における各種の設定状態を確認できることになる。また、特許文献1に開示される技術構成は、付随情報を、DVDフォーマットにおいて規定されるパックに対して格納することとしており、この点で、DVDフォーマットが破綻しないようにも配慮されている。
【0005】
【特許文献1】特開2004−312663号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、例えば上記特許文献1をはじめ、これまでに知られている撮像装置における付随情報についての記録再生の技術は、標準のDVDフォーマットから拡張した機能となっている。換言すれば、撮像装置における付随情報の記録再生機能は、撮像装置の機種や撮像装置のベンダーごとに異なるアルゴリズムを採用しているものであり、必ずしも統一、標準化された規格のものではない、ベンダー固有などといわれる規格である。このために、或る撮像装置により撮像した画像を記録したDVDなどの記録媒体を、他の機種の撮像装置や一般のDVD再生装置などにより再生した場合には、これらの装置が、DVDに記録されたデータから付随情報を再生するアルゴリズムを実装していないことで、付随情報を再生出力できないという不都合が生じる。
このような付随情報は、ユーザにとって重要な情報となる場合も多いことから、できるだけ高い汎用性をもって付随情報が再生されるようにすることが好ましい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで本発明は上記した課題を考慮して、記録装置として次のように構成する。
つまり、主画像データをリアルタイムに取得する主画像データ取得手段と、記録媒体に画像データを記録するための所定のフォーマットにより、主画像データとともに所定規則に基づいて記録媒体に記録することが可能とされ、また、主画像データを再生して表示される画像に重畳されるようにして表示可能なことが規定される画像データである副画像データを生成する副画像データ生成手段と、主画像データ取得手段が上記主画像データを取得しているときにおいて、所定内容の情報を有する付随情報を取得する付随情報取得手段と、この付随情報取得手段により取得した付随情報の内容が所定の態様によって表示されるようにした副画像データが生成されるようにして、副画像データ生成手段を制御する副画像データ生成制御手段と、フォーマットに従って、主画像データ取得手段により取得された主画像データと、副画像データ生成手段により生成された副画像データとを上記記録媒体に記録する記録手段とを備えることとした。
【0008】
また、撮像装置として次のように構成する。
つまり、撮像を行って得られた撮像画像の情報を、主画像データとして取得する主画像データ取得手段と、記録媒体にデータを記録するための所定のフォーマットにより、上記主画像データとともに所定規則に基づいて上記記録媒体に記録することが可能とされ、また、上記主画像データを再生して表示される画像に重畳されるようにして表示可能なことが規定される画像データである副画像データを生成する副画像データ生成手段と、主画像データ取得手段が上記主画像データを取得しているときにおいて、所定内容の情報を有する付随情報を取得する付随情報取得手段と、この付随情報取得手段により取得した付随情報の内容が所定の態様によって表示されるようにした副画像データが生成されるようにして、副画像データ生成手段を制御する副画像データ生成制御手段と、フォーマットに従って、主画像データ取得手段により取得された主画像データと、副画像データ生成手段により生成された副画像データとを記録媒体に記録する記録手段とを備えることとした。
【0009】
上記各構成によれば、本願発明が対応するフォーマット(記録媒体に対するデータ記録再生方式の仕様)としては、主画像データと、この主画像データを再生して表示される画像に重畳されるようにして表示されるべきことが規定される副画像データとを、所定の論理構造により記録媒体に記録することが定められている。
そのうえで、本願発明においては、リアルタイムに主画像データを取得するとともに、このようにして主画像データを取得しているときに対応して取得した付随情報の内容をその画像内容とする副画像データを生成するようにされている。この結果、本願発明の記録装置によっては、主画像データとともに、付随情報の内容を表示する副画像データを格納したデータが記録媒体に記録されることになる。
フォーマットにより、副画像データは、主画像データに重畳されるようにして表示可能であることが規定されている。従って、本願に対応するフォーマットに準拠して記録媒体の再生が可能な再生装置により、本願発明の記録装置によって記録された記録媒体を再生したとすれば、主画像データの画像に重畳させて副画像データの画像を再生出力する機能により、自ずと付随情報の表示出力が実現されることになる。
【発明の効果】
【0010】
このようにして本願発明によっては、本願に対応するフォーマットに準拠して記録媒体を再生可能な再生装置であれば、撮像時に対応した付随情報が表示されるようにして再生出力することが可能となる。つまり、付随情報の再生出力について汎用性が与えられることになる。これにより、例えばユーザにとっては、撮像画像を記録した記録媒体をどのような環境で再生させても、付随情報を表示出力させて撮影時のことを確認できることとなり、利便性などが高まることになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図1は、本願発明の実施の形態としての撮像装置の構成例を示している。
この図に示す撮像装置1において、カメラユニット11は、光学ブロック11a、撮像素子11b及びカメラ制御部11cを備えて成る。
光学ブロック11aは、レンズ光学系、フォーカス機構、シャッター機構、絞り(アイリス)機構などを備えて成り、入射された光を撮像光として撮像素子11bの受光面に結像させる。また、光学ブロック11aにおけるフォーカス制御、シャッター制御、絞り値の可変制御などは、この場合には、カメラ制御部11cから出力される駆動信号によって行われるものとしている。つまり、カメラ制御部11cは、制御部18の制御に応じて、フォーカス機構、シャッター機構、及び絞り機構などを駆動するための駆動信号を生成して出力する。この駆動信号に応じて、フォーカス機構、シャッター機構、及び絞り機構が動作することで、フォーカス状態、シャッター動作、シャッター速度、及び絞り値などが適切な状態に制御される。
【0012】
撮像部11bは、例えばCCD、CMOSセンサなどの光電変換素子を備えて成り、上記のようにして受光面にて受光した撮像光について光電変換を行う。そして、受光面にて受光された撮像光に応じて蓄積された信号電荷を、しかるべきタイミングで順次出力することで、撮像光に対応した電気信号を出力する。カメラ制御部11cでは、制御部18の制御に応じて必要とされるタイミング信号を生成して、撮像部11cに対して駆動信号を出力する。撮像部11cは、この駆動信号に応じたタイミングで、上記信号電荷の出力を実行する。
また、撮像部11cでは、上記のようにして光電変換素子の部位から出力させた電気信号について、例えばCDS(Correlated Double Sampling)処理、AGC(Automatic Gain Control)処理などを実行し、A/D(Analog/Digital)コンバータ12に出力する。
A/Dコンバータ12では、入力されたアナログの電気信号についてデジタル信号に変換する。
【0013】
A/Dコンバータ12から出力された、撮像光に対応したデジタル信号は、画像信号処理部13に供給される。画像信号処理部13は、画像信号処理に対応するDSP(Digital Signal Processor)として構成され、入力されたデジタル信号から撮像画像に対応するデジタル画像信号を得ることをはじめとして、所要のデジタル信号処理を実行する。この図では、画像信号処理部13が実行するデジタル信号機能のうちで主要となる、カメラ制御対応処理部13aとして示し、後述するDVDの記録再生フォーマットに対応した記録再生のための信号処理を担う部位を、フォーマット対応処理部13bとして示している。
【0014】
カメラ制御対応処理部13aは、主としては、撮像に関連して設定されたカメラユニット11に対する制御のための各種パラメータに応じた所要の信号処理を実行する。このカメラ制御対応処理部13aが対応する撮像のパラメータには、AF(Auto Focus:自動焦点調整)制御、露出制御、ホワイトバランス処理、手ぶれ補正などを挙げることができる。
例えばAF制御であれば、カメラ制御対応処理部13aは、次のような信号処理を実行する。AF制御とは、手動のフォーカスレンズ操作に依らず、自動的に合焦状態が得られるように制御することをいう。ここでのAF制御は、コントラスト方式であることとする。コントラスト方式では、撮像画像から得られる画像信号の輝度信号についての高周波成分に基づいて生成した評価値が最も高くなるようにしてフォーカスレンズを駆動するように制御する。カメラ制御対応処理部13aのAF制御に対応した処理としては、画像信号処理部13に入力されるデジタル信号に基づいて生成されたデジタルビデオ信号から輝度信号成分を抽出し、この輝度信号から評価値を発生するための信号処理を実行する。そして、制御部18は、この評価値に基づいて合焦状態が得られるようにしてフォーカスレンズを駆動する。
【0015】
また、露出制御として、自動露出制御を行う場合には、例えば撮像画像を元とする画像信号における輝度信号レベル(明るさを示す)に基づいて、制御部18が露光条件(シャッター速度及び絞り値)を設定する。そして、この露光条件による撮像が行われるようにして、カメラユニット11に対する制御を行う。カメラ制御対応処理部13aは、例えば自動露出制御のときには、上記した露光条件設定のための輝度信号レベルの情報を、撮像画像から得られる画像信号に基づいて生成して出力するようにされる。
また、ホワイトバランスについては、自動制御モードと、太陽光、蛍光灯、電球などの周囲の環境に応じたモード設定などの間での切り換えが行われるようになっている。カメラ制御対応処理部13aでは、設定されたホワイトバランスのモードに応じて、撮像画像から得られるデジタル画像信号についてホワイトバランスに対応した所要の処理を実行する。
また、手ぶれ補正として撮像画像信号を利用する処理の場合には、カメラ制御対応処理部13aの処理として、撮像画像に基づいて得られたデジタル画像信号を対象として動き検出処理を実行し、その検出結果を制御部18に出力するようにされる。制御部18は、動き検出結果に応じて、手ぶれによる撮像画像の移動がキャンセルされるようにして撮像画像に基づいて得られたデジタル画像信号の水平方向と素直方向の移動制御を実行する。
【0016】
また、フォーマット対応処理部13bは、本実施の形態における記録媒体となる、DVDに対応して動画像データを記録再生するためのフォーマットに対応したデジタル信号処理を実行する。本実施の形態の撮像装置1が対応するDVDとしては、例えば追記型、もしくは書き換え可能型によりデータ記録が可能なDVDとなる。もちろん、再生専用のDVDであっても、本実施の形態の撮像装置1が対応するDVDフォーマットであれば、撮像装置1が備える再生機能により再生することができる。また、本実施の形態の撮像装置1が対応するDVDフォーマットとしてはDVD−Video、DVD−VRなどとする。なお、以降においては、便宜上、DVD−Videoであることを前提として説明する。
【0017】
DVDフォーマットでは、メインの画像データ(動画像データ)とオーディオデータはMPEG方式による圧縮符号化が行われる。
例えばフォーマット対応処理部13bは、A/Dコンバータ12から画像信号処理部13に入力されてくるデジタル信号について、MPEG方式による圧縮符号化を行う。また、DVD−Videoのフォーマットでは、メインの画像データとともに、サブピクチャといわれる画像データ(副画像データ)をDVDに対して記録させることが可能とされている。サブピクチャは、メインの動画像データに対して補助的な表示を付加することを本来の目的として設けられるもので、例えば、映画としての動画像に対して、字幕を付加表示させるときなどに使用される。このようなサブピクチャとしての画像データの生成、符号化も、フォーマット対応処理部13bが実行する。
そして、フォーマット対応処理部13bでは、上記のようにして圧縮符号化したメインの画像データ及びサブピクチャを利用して、例えばMPEG−PSといわれるストリームデータの形式にフォーマット変換することができる。そして、このようにして生成したストリームデータをDVDドライブ15に出力する。
【0018】
DVDドライブ15では、上記のようにして画像信号処理部13のフォーマット対応処理部13aから出力されたストリームデータを入力して、必要に応じて記録符号化などの処理を実行したうえで、装填されているDVDに対してデータの書き込みを実行する。これにより、DVDには、撮像により得られた画像データが記録されることになる。
【0019】
また、DVDに記録された画像データを再生するときには、DVDドライブ15に対する制御部18の制御によりDVDからの読み出しを行って、この読み出したデータを画像信号処理部13aに入力する。
画像信号処理部13aにおいては、入力されたデータについて、フォーマット対応処理部13bとしての機能部位により、圧縮符号化に対応する復号処理などを実行して、表示用のデジタル画像信号を得るようにされる。そして、このデジタル画像信号は、表示ドライバ16に対して出力することができる。表示ドライバ16では、入力される表示用のデジタル画像信号に応じて、表示部17に対する表示のための駆動を行う。これにより、表示部17には、DVDから再生した撮像画像が表示されることになる。なお、ここでは図示していないが、外部に対して所定形式の表示用デジタル画像信号を出力して外部の表示装置などにより画像が表示されるようにしてもよい。
また、画像信号処理部13では、撮像時におけるモニタ画像を表示部17に対して表示させるための信号処理も実行可能とされる。この場合には、例えばA/Dコンバータ12から入力されてくるデジタル信号に基づいて得られたデジタル画像信号を、表示ドライバ16に対して出力するようにされる。
なお、表示部17として実際に採用される表示デバイスとしては、LCD(Liquid Crystal Display)をはじめとして、各種考えることができる。
【0020】
画像信号処理部13は、上記のようにして各種の信号処理を実行するのにあたって、例えばSDRAMなどにより構成されるメモリ14を作業領域として使用する。SDRAM3に対するデータの書き込み/読み出し制御は、画像信号処理部13内に備えられるSDRAM14対応のメモリコントローラが実行する。
【0021】
制御部18は、撮像装置1における各部を制御するもので、CPU(Central Processing Unit)18a、RAM(Random Access Memory)18b、ROM(Read Only Memory)18c、時計部18dを備えるマイクロコンピュータとして構成される。
RAM18bは、CPU18aの演算結果を一時記憶するなど、主としてCPU51の作業領域として用いられる。また、ROM18cは、CPU51が実行すべきプログラムや、各種処理に必要とされる設定データなどが記憶される。このプログラムは、例えば撮像装置1の製造時において、ROM18cに書き込むことで記憶させることができる。あるいは、例えばリムーバブルの記録媒体にプログラムを記憶させておき、このリムーバブルの記憶媒体からROM18cに対してプログラムのデータをインストールするようにして記憶させることも考えられる。また、ROM18cについては、EEPROMやフラッシュメモリなどの書き換え可能な不揮発性の半導体メモリ素子を採用してもよい。
時計部18dは、計時を行うことで、現在年月日、現在曜日、現在時刻などの情報を出力可能とされる。
【0022】
この場合の操作部19は、撮像装置1の筐体の所要位置に備えられる各種操作子、タッチパネル、などの入力操作手段を一括して示している。操作部19では、操作結果に応じた操作情報信号を制御部18に出力する。制御部18内のCPU18dは、入力された操作情報信号に応じて所要の制御、処理を実行する。
【0023】
なお、一般の撮像装置としては、例えば撮影時において同時にマイクロフォンなどにより収音した音声を、撮像画像データとともに、オーディオデータとして記録可能とされている。このようなオーディオデータは、撮像画像データとの時間的同期が図られるようにして記録再生される。本実施の形態の撮像装置1の実際としても、再生時間が同期されるようにして、撮像画像データと収音音声データとをストリームデータに多重化して記録するようにされる。しかしながら、図1においては、説明を簡単なものとすることの便宜上、音声情報の記録再生系については省略している。本実施の形態の撮像装置1における実際の音声情報の記録再生系の構成については、DVD−Videoのフォーマットに対応する周知の技術が適用されればよい。
【0024】
図2は、DVD−Videoフォーマットに対応した、DVDにおけるデータの論理構造を示している。
先ず、図2(a)に示すようにして、DVDの記録領域は、最内周側から外周側にかけて、順に、リードインエリア(Lead in)、データゾーンエリア、リードアウト(Lead out)エリアに大別して区分けされる。そして、データゾーンエリアにおいて管理情報および画像データ等のデータが記録される。データゾーンエリアは物理的には、30000h(hは16進法表記であることを示す)で示されるアドレスから開始されることとなっている。
【0025】
データゾーンエリアは、リードインエリア側から順に、UDF(Universal Disc Format)エリア、VMG(Video ManaGer)エリアと、以降のユーザデータが記録されるデータエリアに区分される。
UDFエリアは、UDF規格とISO9660規格をサポートすることで、コンピュータ装置によってもDVDに対するアクセスを可能とするために設けられる領域である。このようなファイルシステムの技術は、UDFブリッジといわれる。VMGエリアは、ディスク全体に対応する管理情報が記録される領域で、ディスク上に存在する全タイトルを特定する目次を構成する。VMGは、図2(b)に示すように、VMGI、VMGM_VOBS、VMGI_BUPが順次配列されて成る。
【0026】
データエリアは、上記もしているようにユーザデータを記録するためのエリアであり、図2(a)においてVTS1〜VTSnとして示すように、VTS(Video Title Set)といわれる1タイトルに対応する単位でデータが記録される。
1つのVTSは、図2(b)に示すように、VTSI(Video Title Set Information)、VTSM_VOBS(Video Object Set For the VTSM)、VTSTT_VOBS(Video Object Set For Titles in a VTS)、VTSI_BUP(Backup of VTSI)から成る。なお、各VOBSのサイズは1GB(ギガバイト)未満であるべきこととされている。
【0027】
VTSIには、画像データ等の記録位置情報等の管理情報を格納する。また、VTSM_VOBSには、画像データ等のルートメニューを格納する。このVTSM_VOBSはオプションである。
VTSTT_VOBSは、タイトルとしての実データが格納される領域となる。
VTSI_BUPには、VTSIのバックアップデータを格納する。
【0028】
1タイトル分の実データが格納されるVTSTT_VOBSは、図2(c)においてVOB1〜VOBnとして示すように、VOBといわれる単位の連結により形成される。1VTSTT_VOBS内におけるVOBの数は、65535以内とされている。また、VOBは、MPEG−PS(Program Stream)といわれる、MPEG2方式に対応して圧縮符号化されたビデオデータとオーディオデータ、サブピクチャの画像データ(ビットマップ)、及びナビゲーション(NV)データを格納する。
また、1つのVOBは、図2(d)に示すようにして、1以上のCellといわれる単位から成る。このCellが再生の基本単位となる。1VOB内のCellの数は、255以内とされている。さらに、Cellは、図2(e)に示すようにして、1以上のVOBU(Video ObjeWct Unit)から成る。
【0029】
VOBUは、DVD−Videoに対応する再生システムがアクセスするための最小単位となるもので、0.4〜1.0secの再生時間を基準として生成される。ただし、最後のVOBUについては1.2secの再生時間を基準とする。
そして、VOBUは、図2(f)に示すようにして、NV_PCK(ナビゲーションパック)、V_PCK(ビデオパック)、A_PCK(オーディオパック)、S_PCK(サブピクチャパック)の4種類のパックのシーケンスから成る。1パックは、2048バイト(1セクタに対応する)とされており、ここでは1パケットが相当する。
【0030】
DVD−Videoに対応する再生システムでは、可変ビットレートやシームレス再生に対応するが、このことは、DVDにピックアップがアクセスして読み出しを行っている信号と、復号処理されているビデオデータ、オーディオデータとの間に時間的なシフト量が存在することを意味する。そこで、このような再生時間のずれを解決して正常に再生するための制御情報が必要となるが、これがナビゲーションデータとなる。ナビゲーションデータには、PCI(Program Control Information)といわれるリアルタイム制御のための制御情報と、DSI(Data Search Information)といわれるアクセスに関する制御情報とがあるものとして規定されている。NV_PCKは、これらのナビゲーションデータを格納するパックであり、図2(g)に示すようにして、例えば1NV_PCKは、上記PCIを格納するパケットと、DSIを格納するパケットから成る。
【0031】
V_PCKは、MPEG2方式により圧縮符号化されたビデオ(画像)データを格納する。なお、1つのVOBU内におけるV_PCKに格納されるデータの連結により形成される画像データとしては、少なくとも1つのGOPを含むべきこととしている。
A_PCKは、MPEG2方式に対応して圧縮符号化されたオーディオ(音声)データを格納する。1VOBU内におけるA_PCKに格納されるデータの連結により形成されるオーディオデータは、そのVOBU内においてV_PCKにより格納されるビデオデータに対応したものとなる。
【0032】
DVD−Videoのフォーマットでは、MPEG2方式により圧縮符号化されるビデオデータの画像を主画像として扱うこととしたうえで、この主画像に対して副画像となる関係のサブピクチャを定義している。
ここでいう主画像としてのビデオデータは、上記V_PCKに格納される圧縮符号化ビデオデータが対応するもので、通常は動画像のデータとなる。
一方、サブピクチャとしての画像データは例えばビットマップ(bitmap)形式とされ、再生時においては、主画像であるビデオデータによる動画像に対してサブピクチャの画像を重畳(合成)するようにして表示された状態で出力可能とされている。つまり、サブピクチャは、主画像に対して付加的、補助的な表示を行うための画像として扱われる。
S_PCKは、このサブピクチャのデータを格納する。1VOBU内におけるS_PCKに格納されるデータの連結により形成されるサブピクチャのデータとしても、そのVOBU内においてV_PCKにより格納されるビデオデータに対応したものとなる。また、サブピクチャの画像内容の変更(更新)は、1GOPを最小単位として更新できるものとされている。従って、例えばサブピクチャの画像内容を、再生時間の進行に対応させて更新させていくこととした場合における最短の更新タイミングとしても、1GOPの時間に対応するものとなる。
【0033】
なお、サブピクチャは、周知のようにして、映画などのDVDパッケージメディアなどでは、字幕を表示させる機能のために使用されている。つまり、このようなDVDパッケージメディアでは、DVD−Videoフォーマットの下で、映画そのものの画像については主画像データとして扱い、V_PCKに格納した圧縮符号化ビデオデータとして記録する。これとともに字幕を表示させるための画像内容を有するビットマップ形式の画像データを作成して、この字幕表示のためのサブピクチャをS_PCKに格納したサブピクチャのデータとして記録する。
そして、DVD-Videoフォーマットに対応する再生システムが、上記のようにして記録されたDVDを再生するときには、V_PCKから抽出したビデオデータを復号して得た映画そのものの画像データに対して、S_PCKから抽出して得たサブピクチャの画像データを合成するようにして再生表示用の画像データを生成するビデオ信号処理を実行する。サブピクチャの更新は、1GOP単位に対応しているので、1つのGOPを処理するごとに1枚分のサブピクチャの画像データを、主画像の画像データに合成するようにして再生信号処理を行えばよく、これによって、主画像の画像データの再生時間に対する同期がとられる。この結果、再生出力される画像としては、映画の画像に重畳されるようにして字幕が表示され、映画の画像の時間進行に従って、字幕の内容も変化(更新)していくことになる。
また、このような映画などのDVDのソフトでは、周知のようにして、例えば字幕を異なる言語間で切り換えるようにして再生できるようになっている。このことは、DVDフォーマットにおいて、例えばサブピクチャについては、機能ごとに対応して複数を用意することが許されていることを意味している。再生時においては、これらの複数機能に対応するサブピクチャのうちから、主画像に重畳表示させるべきものを選択して再生することになる。
【0034】
ところで、先に説明したように、撮像装置としては、従来から、撮像日時や撮像時における各種パラメータなどのように、撮像を行っていたそのときに関連した付随情報(撮像時関連付随情報)を撮像画像とともに記録媒体に記録し、再生時においては例えば撮像画像とともに表示出力させる仕組みを与えるようにされているものがほとんどである。しかしながら、前述もしたように、従来にあっては、上記した撮像時関連付随情報の記録は、メディアの記録フォーマットの拡張として行っていたものであったため、標準の記録フォーマットに対応する再生のアルゴリズムでは、撮像時関連付随情報を再生出力することができない。このために、撮像時関連付随情報の再生について、他のメーカの撮像装置や、撮像装置以外の再生機器などの他の機種との互換性を保つことが困難であった。
【0035】
そこで、本実施の形態の撮像装置1としては、上記した問題の解決を図りながら、撮像時関連付随情報が記録媒体(DVD)に記録されるようにすることを目的とする。つまり、DVDフォーマットに対応する再生機器でさえあれば、本実施の形態の撮像装置1により撮像画像を記録したDVDを再生したときには、撮像画像とともに撮像時関連付随情報が表示されるようにして、撮像時関連付随情報の表示出力について汎用性を与えるようというものである。
【0036】
そこで、本実施の形態としてはサブピクチャに着目する。サブピクチャは、図2により説明したように、DVD−Videoのデータ構造においてN_PCKとして標準的に含めることができるものとなっている。従って、DVD−Videoに記録するデータにサブピクチャのデータを含めれば、DVD−Videoフォーマットに対応するどの再生機器によっても、DVDからサブピクチャのデータを再生して、ビデオデータの画像(主画像)に重畳(合成)させて出力することができる。このことに基づいて、本実施の形態としては、撮像時関連付随情報の記録のために、サブピクチャを利用する。この点について、図3により説明する。
【0037】
本実施の形態の撮像装置1において主画像となるのは、図3(a)に示されるようにして、撮像により得られた撮像画像である。この主画像としての撮像画像に対応するデータは、前述のように、MPEG2による圧縮符号化が施されてV_PCKを最小単位としてDVDに記録されるビデオデータである。
【0038】
一方、図3(b)には、上記図3(a)に示す主画像が表示出力されているときに対応して、この主画像に対して重畳表示されるべきサブピクチャの表示内容を示している。この場合のサブピクチャの表示内容としては、図示するようにして、画面右下の領域において、日時エリアAr1が示されている。この日時エリアAr1においては、図3(a)に示す主画像としての撮像画像を実際に撮影していたとされるときの日時(年、月、日、時間、分、秒)が示されている。このような日時の情報は、撮像したときの日時を提示するものであることから撮像時に関連する情報であるといえる。つまり、本実施の形態でいうところの撮像時関連付随情報である。そして、図3(b)のサブピクチャの画像においては、この日時としての撮像時関連付随情報を、ユーザによる認識が可能なように、数字主体の画像内容により示している。
このようにして本実施の形態では、撮像時関連付随情報をサブピクチャの画像内容として作成してDVDに記録するようにされる。
【0039】
これまでの説明によると、本実施の形態の撮像装置1により撮像画像をDVDに記録するときには、撮像画像をビデオデータとして記録し、撮像時関連付随情報をサブピクチャのデータとして記録することになる。そして、このようにして記録が行われたDVDを、通常に再生して表示出力すると、図3(c)に示すようにして、撮像画像である主画像に対して、サブピクチャの画像内容である日時エリアAr1が合成された状態で表示されることになる。そして、このような再生出力の表示態様は、DVD−Videoフォーマットに対応して再生が可能であれば、どの再生装置によっても再現されることになる。このようにして本実施の形態では、撮像装置1により記録媒体に記録した撮像時関連付随情報の再生について、他の機器との互換が与えられることになる。
【0040】
撮像時関連付随情報の画像内容を有するサブピクチャのバリエーションを、図4(a)(b)に示す。
図4(a)は、撮像画像を動画として記録していた場合における各種のパラメータ設定の内容を、撮像時関連付随情報として提示するサブピクチャの表示態様例を示す。
この図では、手ぶれ補正オン/オフエリアAr11、明るさ調整モードエリアAr12、ホワイトバランスモードエリアAr13、ゲインエリアAr14、シャッタースピードエリアAr15、絞り値エリアAr16が、サブピクチャ内に表示されている。
手ぶれ補正オン/オフエリアAr11は、パラメータ設定として、共に再生される主画像の撮像時における手ぶれ補正モードについてのオン/オフが何れに設定されているのかを示す表示エリアである。明るさ調整モードエリアAr12は、その撮像時における明るさ調整のモードの設定状態を示す表示エリアであり、この場合には、自動調整(AUTO)のモードが設定されていることを示している。ホワイトバランスモードエリアAr13は、その撮像時におけるホワイトバランスの調整モードを示す表示エリアであり、ゲインエリアAr14は、その撮像時において設定されていた撮像画像信号に対するゲイン値を示す。シャッタースピードエリアAr15は、その撮像時において設定されていたシャッター速度を示し、絞り値エリアAr16は、その撮像時において設定されていた絞り値を示す表示エリアである。
【0041】
また、図4(b)には、撮像画像を動画として記録した場合における各種のパラメータ設定の内容を、撮像時関連付随情報として提示するサブピクチャの表示態様例を示している。この場合には、露出モードエリアAr21、シャッタースピードエリアAr15、絞り値エリアAr16がサブピクチャ内に示される。露出モードエリアAr21は、その撮像時において設定されていた露出制御のモードを示す。この図では、自動(OEV)が設定されていることを示している。シャッタースピードエリアAr15、絞り値エリアAr16については、図4(a)と同様である。
【0042】
以降、撮像装置1において実行される、撮像画像をDVDに記録するための処理手順について、図5〜図8のフローチャートを参照して説明する。なお、これらの図に示す処理手順は、図1に示す制御部18におけるCPU18aが、例えばROM18cに記憶されるプログラムを実行して各部を制御し、また、この制御に応じて図1に示される所定の機能ブロックが動作を実行することで実現される。
【0043】
先ず、撮像装置1において撮像画像を記録データとして取り込むための撮像モードにあるとされる状態では、撮像装置1は、ステップS101から始まる図5の処理ルーチンを実行している。
ステップS101においては、記録用データを生成するための処理を実行する。この記録用データとは、DVDドライブ15に装填されるDVDに記録すべきデータであり、本実施の形態にあっては、少なくともカメラユニット11により撮像された画像の信号を元とするビデオデータ(主画像データ)と、後述するようにして作成される撮像時関連付随情報を示す画像内容を有するサブピクチャのデータとを、それぞれV_PCK、N_PCKとして含むMPEG2−PSである。つまり、ステップS101においては、記録用データとして、図2に示した論理構造に対応した、例えば1タイトル分に相当するストリームデータを生成していく。
なお、実際には、記録用データは、撮像により得られた画像と共に、マイクロフォンなどにより収音して得られた音声を基とするオーディオデータもA_PCKとして含むことになる。しかしながら、ここでは説明の便宜上、オーディオデータについての記載は省略する。本実施の形態の実際として、オーディオデータについては、DVD−Videoフォーマットに従った通常の処理により記録再生が行われる。
【0044】
ステップS102では、現在においてDVDへの記録実行が指示されているか否かについて判別している。ここで、例えば、現在においてはDVDへの記録実行の操作が解除されている状態であるとして否定の判別結果が得られた場合には、ステップS101の処理を継続して実行するような状態となる。つまり、撮像モードとしてDVDへの記録を実行していない状態では、ステップS101としての記録用データを生成する処理を継続的に実行するようにされる。ただし、生成した記録用データをDVDに対して記録するための処理は実行することなく、生成したデータは逐次破棄していくようにされる。
【0045】
このようにして、記録用データの生成処理そのものについては、DVDへの記録が実行される以前の段階から継続的に実行するようにしている。これは、DVDへの記録実行を開始するための操作が行われるのに応答したタイミングで、実際のDVDへの記録が実行開始されるようにすることを考慮しているためである。例えば、DVDへの記録実行開始の操作に応じて記録用データの生成処理を開始したのでは、例えば信号処理動作の起動に時間がかかったり、また、カメラユニット11により撮像して得られた画像の信号が記録用データとして生成されるまでの時間が要したりすることなどが原因で、記録実行開始操作よりも相当に後のタイミングで撮像された画像から、DVDへの記録が開始されてしまう。
【0046】
そして、例えば、現在においてはDVDへの記録実行開始操作が解除されていない状態にあるとして、ステップS102において肯定の判別結果が得られた場合には、ステップS103の手順に進む。
【0047】
ステップS103によっては、例えば制御部18の制御により、ステップS101の手順によって生成した記録用データをDVDドライブ15に転送(出力)して、DVDへの記録を指示する。これに応じて、DVDドライブ15では、記録用データについてDVD記録に適合した記録符号化などの処理を実行して、DVDに対してデータ記録を行う。そして、DVDへの記録実行開始操作が解除されていない状態では、ステップ102にて肯定の判別結果が得られることで、ステップS101による記録用データの生成と、ステップS103による記録用データのDVDへの記録とを継続して実行するようにされる。
【0048】
図6のフローチャートは、上記図5のステップS101としての処理である記録用データの生成処理の手順を示している。
前述もしたように、1つのサブピクチャの画像内容の更新は、1GOPごとの単位で行うことができる。この場合、1GOPに対応する時間は一定(例えば0.5秒程度)であることとする。そこで、図6におけるステップS201の処理としては、この1GOPに対応する時間を計時するタイマーを起動させる。なお、2回目以降のステップS101の処理となるのに対応して、2回目以降のステップS201を実行するときには、タイマーをリセットして、計時を再開させることになる。また、タイマーの動作は、例えばCPU18aが時計部18dを使用してタイマーとしての計時を実行することで実現できる。
【0049】
ステップS202では、現在の撮像により得られる画像の信号についての各種状態などに応じて、適正な画像が撮像できるようにするためのカメラユニット11により撮像される画像に関連した各種の制御(カメラ制御)を実行する。ここでの制御項目としては、例えばオートフォーカス制御、露出(シャッタースピード、絞り)制御、ホワイトバランス、手ぶれ補正制御などを挙げることができる。この場合においては、前述したように、画像信号処理部13におけるカメラ制御対応処理部13aが必要な信号処理を実行する。
上記したカメラ制御は、制御のために設定された各種のパラメータ値(制御設定値)を設定したうえで実行されるものであり、例えば制御部18bにおいては、このような制御値を生成してレジスタなどに保持している。そこで、本実施の形態としては、ステップS203の処理として示すように、このような制御設定値の集合として成る情報(制御設定情報)を、撮像時関連付随情報として利用できるようにするために保持しておくようにされる。
【0050】
次のステップS204では、撮像画像を信号として取り込むための処理を実行する。なお、実際においては、上記ステップS202−S203による手順と、このステップS2204としての手順は、同時並行的なタイミングで実行されるものであるが、ここでは、フローチャートによる手順の説明としている都合上、ステップS202〜S204の手順を順次的に示している。
【0051】
ここで、上記ステップS204による、撮像画像を信号として取り込むための処理手順を、図7のフローチャートに示す。
図1にて説明したように、カメラユニット11からは撮像部11cにより撮像画像に対応した電気信号(撮像信号)が生成される。ステップS301では、カメラユニット11から、この撮像信号を取り込む。そして、次のステップS302により、取り込みを行った撮像信号をA/Dコンバータ12に入力させてデジタル信号に変換する。
ステップS303では、上記ステップS302によりデジタル信号に変換された撮像信号を画像信号処理部13に入力させる。そして、画像信号処理部13のフォーマット対応処理部13bにより、入力されたデジタル信号について信号処理を行い、主画像に対応するビデオデータ(主画像ビデオデータ)を生成する。なお、この段階で生成されるビデオデータは、MPEG2方式により圧縮符号化される前の段階の、デジタル映像信号としてのデータ形式である。そして、ステップS304により、この主画像ビデオデータをメモリ14に保持させておくようにされる。
【0052】
説明を図6に戻す。
ステップS204による撮像信号の取り込みとビデオデータへの変換、保持が終了したとされると、次のステップS205により、ステップS201にて起動、リセットしたタイマーの時間が、予め定められた設定時間を経過したか否かについて判別する。ここで、否定の判別結果が得られたのであれば、ステップS202→S203→S204による手順を繰り返す。これに対して、ステップS205にてタイマーの設定時間を経過したとして肯定の判別結果が得られたとされると、ステップS206以降の処理に進む。
【0053】
なお、実際において、ステップS202→S203→S204による処理手順は、撮像モード時においては継続して定常的に実行される処理であるが、ここでも、フローチャートにより手順を示していることの都合上、ステップS202→S203→S204までの処理と、ステップS206以降の処理を順次的に示すこととしている。
【0054】
ステップS206においては、これまでにおいてメモリ14に蓄積されている主画像(撮像画像)のデジタルビデオデータを取り込んで、MPEG2方式に従った圧縮符号化処理を実行する。
【0055】
また、続くステップS207により、サブピクチャを生成する。このサブピクチャの生成にあたっては、画像信号処理部13のフォーマット対応処理部13bにおける、サブピクチャ対応の信号処理機能を用いる。なお、本実施の形態の実際としては、サブピクチャとして、撮像時関連付随情報を示す以外の機能を与えるサブピクチャを生成することも可能であるが、ここでのステップS207の処理手順では、撮像時関連付随情報に対応するサブピクチャのみを生成することとして説明する。
【0056】
ステップS207としてのサブピクチャ生成のための処理手順を、図8のフローチャートに示す。
図8においては、先ず、ステップS401としての手順により、撮像時関連付随情報を取得する。この場合の撮像時関連付随情報のサブピクチャが、図3(b)に示したような撮像日時の情報のみを提示するようなものである場合には、ステップS401では、例えばCPU18aが、時計部18dにおいて計時されている現在日時の情報を取り込むようにされる。
また、撮像時関連付随情報のサブピクチャが、図4(a)(b)などに示したように、主としてカメラ制御に関する設定を提示するようなものである場合には、最後のステップS203の処理によってRAM18bに保持させているものとされる制御設定情報を、撮像時関連付随情報として読み込んで取得するようにされる。
また、サブピクチャにより提示する撮像時関連付随情報として、上記撮像日時と、カメラ制御に関する設定との両者を必要とする場合には、上記した時計部18dからの現在日時の情報と、RAM18bからの制御設定情報の読み込みとを実行する。
【0057】
ステップS402では、上記ステップS401により取得した撮像時関連付随情報の内容を示す画像データ部分を生成するための処理を実行する。この手順は、例えば制御部18と画像信号処理部13とが連携することで実現される。例えば、取得した撮像時関連付随情報の内容を、ユーザが認識可能な画像として提示するためには、文字(数字を含む)や絵柄などとする必要がある。このために、制御部18では、取得した撮像時関連付随情報を、文字や絵柄を指定する文字コード情報に変換し、この文字コードに対応した画像部分がビットマップ形式により生成されるようにして画像信号処理部13を制御する。
続いて、ステップS403により、上記ステップS402にて生成した撮像時関連付随情報を利用して、サブピクチャとしての画像データを生成する。なお、このときには、ビットマップ形式のサブピクチャとしての画像データについて、所定の方式によるランレングス符号化を施しておくようにされる。
【0058】
説明を図6に戻す。
上記ステップS207としての処理手順によりサブピクチャの画像データを生成した後は、ステップS208に進んで、記録用データを生成する。つまり、ステップS206にて得られたMPEG2方式により符号化された撮像画像(主画像)のビデオデータと、ステップS207により生成されたサブピクチャの画像データを利用してパケット分割、多重化などの処理を実行することで、先に説明したように、DVD−Videoフォーマットに適合した記録データである、MPEG2−PSとしてのストリームデータを生成する。なお、このステップS208により生成されるストリームデータは、ステップS205において1GOPのタイミングが経過するごとに実行されるものであることから、例えば1GOP分のものとなる。
【0059】
ところで、これまでの図5〜図8のフローチャートの説明によると、図5におけるステップS101による記録用データの生成処理は、撮像モード時において継続的に実行されているものである。図6は、このステップS101の手順の流れを示す。従って、図6のステップS204として示される、撮像画像の信号をカメラユニットから取り込んで主画像としてのビデオデータをメモリ14に保持するようにして取得する処理としても、撮像モード時において継続的に実行されているものである。このことから、撮像画像データを取得する処理は、時間経過に応じてリアルタイムに実行されものであるといえる。
また、撮像時関連付随情報の表示内容を有するサブピクチャの生成処理も、図6のステップS207として示されていることから、撮像モード時において継続的に実行されているものであるということになる。また、ステップS207の手順は、ステップS205において1GOPのタイミングに至ったことが判別されるごとに実行されるものであるので、サブピクチャの生成処理は、撮像モード時において、1GOPごとに実行されるようにして、継続的に行われているものとして捉えられる。
従って、例えば、ステップS207において作成されるサブピクチャとして、図3(b)に示したようにして、日時を撮像時関連付随情報として反映させるときには、ステップS207の処理を実行するごとに、そのとき計時されている日時を取り込むことになる。この日時の取り込みは、1GOPのタイミングに対応するもので、例えば0.5秒程度の間隔となる。そして、このようにして取り込んだ日時が表示内容として反映されるように、サブピクチャを生成することになる。この結果、ステップS07により作成されるサブピクチャに示される日時は、撮像時間の進行に従って進行していくようにして更新されるものとすることができる。
【0060】
また、図6に示される記録用データの生成処理には、ステップS202−S203として示される、カメラ制御と、このカメラ制御に使用した制御値(制御設定情報)をRAMに保持させるという手順を含んでいる。一般に、フォーカス制御や、ズーム制御、ホワイトバランス設定をはじめとするカメラ制御にかかわる処理は、撮像中においても定常的に実行されているものであり、撮像画像の状態やユーザ操作などにより制御パラメータは変化する。従って、撮像モード時において、図6のステップS202として実行する各種のカメラ制御について何らかの変化を生じれば、続くステップS203にて保持する制御設定情報も、これに応じて所定の項目が変化する。
従って、ステップS207により生成するサブピクチャにおける撮像時関連付随情報の表示内容に制御設定情報を含ませるものである場合、ステップS207にて撮像時関連付随情報の表示内容を作成するために取得する制御設定情報は、最後に実行されたステップS203の手順によりRAMに保持されている、最新の制御設定情報となる。この結果、サブピクチャにおいて示される制御設定情報の内容としても、撮像時間の進行に従ってカメラ制御に変更があったのに応じて更新されていくものとなる。
このようにして本実施の形態では、撮像画像を取り込んでいたときの時間経過に対応して、サブピクチャとして示される撮像時関連付随情報の内容についても逐次更新させていくことが可能となっており、撮像時関連付随情報を記録再生する機能としての実用性を保っている。
【0061】
なお、ステップS207によるサブピクチャ生成処理に利用すべき撮像時関連付随情報の内容について、前回のステップS207によりサブピクチャを生成したときに利用した撮像時関連付随情報の内容と同じで変化がない場合もある。この場合には、今回のステップS207においては、前回のステップS207により生成したサブピクチャのデータをそのまま取り込むようにすればよく、特に新規にサブピクチャを生成する必要はない。
【0062】
また、実際において、ステップS207により作成するサブピクチャとしては、撮像時関連付随情報を表示内容として含むもの以外の、他の機能のためのサブピクチャも生成してかまわないものである。例えば撮像時における編集処理を可能とするリアルタイム編集機能などを撮像装置1が実装している場合において、ユーザが入力したコメントなどを表示するサブピクチャなどを作成することも考えられる。
【0063】
また、これまでの説明では、主に動画としての撮像画像データを取り込んでビデオデータとして記録する場合を前提として説明しているが、本実施の形態の撮像装置1としては、撮像画像を静止画のデータとして記録することも可能に構成されてよい。そして、このようにして静止画としての主画像データを記録媒体に記録するときにも、この主画像データの取得時に対応して取得した撮像時関連付随情報の内容をサブピクチャとして生成して、主画像データとともに記録するように構成してよい。このようにして、静止画としての主画像データも、撮像画像を元として取得するのであるから、動画の撮像画像と同様にリアルタイムに取得されるものであり、対応するサブピクチャに示される撮像時関連付随情報としても、静止画の取り込み時に対応した内容を有しているものである。
【0064】
また、リアルタイムに主画像データを取得することについて、実施の形態では、撮像画像を元として取得することとしているが、これ以外にも、例えば、インターネット、LAN、WANなどのネットワークや、IEEE1394、USBなどのデータインターフェイス経由でデータを取得することによっても、リアルタイム的な主画像データの取得を実現できる。
【0065】
また、上記実施の形態では、DVDフォーマットを前提として説明しているが、主画像としての画像データに対応させて副画像としてのデータを記録再生することが標準的に規定されているような画像記録再生フォーマットであれば、DVD以外に対応する各種フォーマットの下でも本発明は適用できる。
また、本願に対応する記録装置、撮像装置としては、例えば可搬型ビデオカメラなどに限定されるものではなく、例えば携帯電話など、撮像機能を備える電子機器一般に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の実施の形態としての撮像装置の構成例を示すブロック図である。
【図2】DVD−Videoフォーマットに従ったDVDに記録されるデータの論理構造を示す図である。
【図3】実施の形態における、撮像画像に対して撮像時関連付随情報を合成表示させるための技術概念を示す図である。
【図4】実施の形態における、サブピクチャによる撮像時関連付随情報の表示態様例のバリエーションを示す図である。
【図5】実施の形態の撮像装置による撮像画像記録のための処理手順を示すフローチャートである。
【図6】記録用データ生成の処理手順を示すフローチャートである。
【図7】撮像画像取り込みの処理手順を示すフローチャートである。
【図8】サブピクチャ生成のための処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0067】
1 撮像装置、11 カメラユニット、11a 光学ブロック、11b 撮像部、11c カメラ制御部、12 A/Dコンバータ、13 画像信号処理部、13a カメラ制御対応処理部、13b フォーマット対応処理部、14 メモリ、15 DVDドライブ、16 表示ドライバ、17 表示部、18 制御部、18a CPUl18b RAM、18c ROM、18d 時計部、19 操作部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
主画像データをリアルタイムに取得する主画像データ取得手段と、
上記記録媒体に画像データを記録するための所定のフォーマットにより、上記主画像データとともに所定規則に基づいて上記記録媒体に記録することが可能とされ、また、上記主画像データを再生して表示される画像に重畳されるようにして表示可能なことが規定される画像データである副画像データを生成する副画像データ生成手段と、
上記主画像データ取得手段が上記主画像データを取得しているときにおいて、所定内容の情報を有する付随情報を取得する付随情報取得手段と、
上記付随情報取得手段により取得した付随情報の内容が所定の態様によって表示されるようにした上記副画像データが生成されるようにして、上記副画像データ生成手段を制御する副画像データ生成制御手段と、
上記フォーマットに従って、上記主画像データ取得手段により取得された主画像データと、上記副画像データ生成手段により生成された副画像データとを上記記録媒体に記録する記録手段と、
を備えることを特徴とする記録装置。
【請求項2】
上記主画像データは、DVDに対応するフォーマットにおいて規定される、圧縮符号化による記録が行われるビデオデータであり、
上記副画像データは、上記DVDに対応するフォーマットにおいて規定されるサブピクチャのデータである、
ことを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
【請求項3】
主画像データをリアルタイムに取得する主画像データ取得手順と、
上記記録媒体にデータを記録するための所定のフォーマットにより、上記主画像データとともに所定規則に基づいて上記記録媒体に記録することが可能とされ、また、上記主画像データを再生して表示される画像に重畳されるようにして表示可能なことが規定される画像データである副画像データを生成する副画像データ生成手順と、
上記主画像データ取得手順により上記主画像データを取得しているときにおいて、所定内容の情報を有する付随情報を取得する付随情報取得手順と、
上記付随情報取得手順により取得した付随情報の内容が所定の態様によって表示されるようにした上記副画像データが生成されるようにして、上記副画像データ生成手段を制御する副画像データ生成制御手順と、
上記フォーマットに従って、上記主画像データ取得手順により取得された主画像データと、上記副画像データ生成手順により生成された副画像データとを上記記録媒体に記録する記録手順と、
を実行することを特徴とする記録方法。
【請求項4】
撮像を行って得られた撮像画像の情報を、主画像データとしてリアルタイムに取得する主画像データ取得手段と、
上記記録媒体にデータを記録するための所定のフォーマットにより、上記主画像データとともに所定規則に基づいて上記記録媒体に記録することが可能とされ、また、上記主画像データを再生して表示される画像に重畳されるようにして表示可能なことが規定される画像データである副画像データを生成する副画像データ生成手段と、
上記主画像データ取得手段が上記主画像データを取得しているときにおいて、所定内容の情報を有する付随情報を取得する付随情報取得手段と、
上記付随情報取得手段により取得した付随情報の内容が所定の態様によって表示されるようにした上記副画像データが生成されるようにして、上記副画像データ生成手段を制御する副画像データ生成制御手段と、
上記フォーマットに従って、上記主画像データ取得手段により取得された主画像データと、上記副画像データ生成手段により生成された副画像データとを上記記録媒体に記録する記録手段と、
を備えることを特徴とする撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−36673(P2007−36673A)
【公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−217117(P2005−217117)
【出願日】平成17年7月27日(2005.7.27)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】