説明

認証エージェント、デバイスカスタマイズシステム、プログラム

【課題】
認証エージェントに格納されているユーザ情報に基づいてデバイスの環境や設定を変更することができる認証エージェント、デバイスカスタマイズシステム、プログラムを提供する。
【解決手段】
複数のデバイスと接続するネットワークを介して接続し、デバイスのカスタマイズに必要なユーザ情報を格納する認証エージェントと、ディレクトリサーバを設ける。そして、デバイスでユーザのアカウント情報を取得すると、認証エージェントは、ディレクトリサーバを用いてアカウント情報の検証を行うと共に、当該検証結果を受信する前に認証エージェントに既に格納されていたユーザ情報に基づいてカスタマイズ情報を作成し、カスタマイズ情報を受信したデバイスは、環境や設定の変更を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、認証エージェント、デバイスカスタマイズシステム、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数のユーザが利用する複写機やファクシミリなどのデバイスでは、各ユーザ毎に設定などの情報をデバイス内に保存し、ユーザが利用する際には当該ユーザの情報を抽出して、デバイスの利用を支援するものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−312147号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、認証エージェントに格納されているユーザ情報に基づいてデバイスの環境や設定を変更することができる認証エージェント、デバイスカスタマイズシステム、プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明は、アカウント情報に関連付けてデバイスをカスタマイズするためのユーザ情報を格納するユーザ情報格納手段と、前記ユーザ情報格納手段から前記ユーザ情報を取得し、デバイスをカスタマイズするためのカスタマイズ情報を作成するカスタマイズ情報作成手段とを具備し、ディレクトリサーバから検証結果を受信すると、当該検証結果を受信する前に前記ユーザ情報格納手段に既に格納されていたユーザ情報に基づいて前記カスタマイズ情報作成手段で前記カスタマイズ情報を作成し、カスタマイズを行うデバイスに該カスタマイズ情報を送信することを特徴とする。
【0006】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記ユーザ情報格納手段は、前記ユーザ情報をグループに属する全ての前記アカウント情報に適用されるユーザ情報としてグループ毎に格納することを特徴とする。
【0007】
請求項3の発明は、アカウント情報に関連付けてデバイスをカスタマイズするためのユーザ情報をユーザ情報格納手段に格納し、ディレクトリサーバから検証結果を受信すると、カスタマイズ情報作成手段で前記ユーザ情報格納手段から当該検証結果を受信する前に前記ユーザ情報格納手段に既に格納されていた前記ユーザ情報を取得して、デバイスをカスタマイズするためのカスタマイズ情報を作成し、カスタマイズを行うデバイスに該カスタマイズ情報を送信するための処理を認証エージェントに実行させることを特徴とする。
【0008】
請求項4の発明は、アカウント情報に関連づいたユーザ情報を格納する格納手段と、前記格納手段により格納されたユーザ情報に基づき、カスタマイズ情報を作成する作成手段とを備え、デバイスから受信したアカウント情報に基づく検証の結果をディレクトリサーバから受信した場合、該アカウント情報に対応する前記作成手段により作成されたカスタマイズ情報を該デバイスに送信する認証エージェントであって、前記作成手段がカスタマイズ情報を作成する際に用いるユーザ情報は、前記検証の結果を前記ディレクトリサーバから受信する前に前記格納手段により既に格納されていたユーザ情報であることを特徴とする。
【0009】
請求項5の発明は、請求項4の発明において、前記ユーザ情報は、前記アカウント情報が関連付けられたグループに対応するものであることを特徴とする。
【0010】
請求項6の発明は、デバイスと認証エージェントとからなり、前記デバイスは、アカウント情報を取得するアカウント情報取得手段と、カスタマイズ情報に基づいてカスタマイズを行うカスタマイズ手段とを有し、前記認証エージェントは、アカウント情報とユーザ情報とを関連付けて格納する格納手段と、前記格納手段により格納されたユーザ情報に基づき、カスタマイズ情報を作成する作成手段とを有し、前記デバイスは、前記アカウント情報取得手段により取得したアカウント情報を前記認証エージェントへ送信し、前記認証エージェントは、前記デバイスから受信したアカウント情報に基づく検証の結果をディレクトリサーバから受信した場合、前記検証の結果を前記ディレクトリサーバから受信する前に前記格納手段により既に格納されていたユーザ情報に基づいて前記作成手段により作成された、該アカウント情報に対応するカスタマイズ情報を該デバイスに送信し、前記デバイスは、前記認証エージェントから受信したカスタマイズ情報に基づいて前記カスタマイズ手段によりカスタマイズを行うことを特徴とする。
【0011】
請求項7の発明は、デバイスと認証エージェントとディレクトリサーバからなり、前記デバイスは、アカウント情報を取得するアカウント情報取得手段と、カスタマイズ情報に基づいてカスタマイズを行うカスタマイズ手段とを有し、前記認証エージェントは、アカウント情報とユーザ情報とを関連付けて格納する格納手段と、前記格納手段により格納されたユーザ情報に基づき、カスタマイズ情報を作成する作成手段とを有し、前記ディレクトリサーバは、アカウント情報を検証する検証手段を有し、前記デバイスは、前記アカウント情報取得手段により取得したアカウント情報を前記認証エージェントへ送信し、前記認証エージェントは、前記デバイスから受信したアカウント情報を前記ディレクトリサーバへ送信し、前記ディレクトリサーバは、前記認証エージェントから受信したアカウント情報を前記検証手段により検証し、該検証の結果を該認証エージェントへ送信し、前記認証エージェントは、前記デバイスから受信したアカウント情報に基づく検証の結果を前記ディレクトリサーバから受信した場合、前記検証の結果を前記ディレクトリサーバから受信する前に前記の格納手段により既に格納されていたユーザ情報に基づいて前記作成手段により作成された、該アカウント情報に対応するカスタマイズ情報を該デバイスに送信することを特徴とする。
【0012】
請求項8の発明は、アカウント情報に関連づいたユーザ情報を格納する格納処理と、前記格納処理により格納されたユーザ情報に基づき、カスタマイズ情報を作成する作成処理とをコンピュータに実行させ、デバイスから受信したアカウント情報に基づく検証の結果をディレクトリサーバから受信した場合、該アカウント情報に対応する前記作成処理により作成されたカスタマイズ情報を該デバイスに送信するプログラムであって、前記作成処理の際に用いるユーザ情報は、前記検証の結果を前記ディレクトリサーバから受信する前に前記格納処理により既に格納されていたユーザ情報であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
認証エージェントに格納されているユーザ情報に基づいてデバイスの環境や設定を変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係るデバイスカスタマイズシステムの構成の一例を機能ブロックを用いて示す概略概念図である。
【図2】実施例1におけるデバイスカスタマイズシステムの処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係るデバイスカスタマイズシステムを実施するための最良の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
【実施例1】
【0016】
図1は、本発明に係るデバイスカスタマイズシステムの構成の一例を機能ブロックを用いて示す概略概念図である。同図に示すように本発明に係るデバイスカスタマイズシステムは、複写機やプリンタなどのデバイス10と、ユーザの認証を行うPC(Personal Computer)などの認証エージェント20と、ハードウェア資源やユーザやグループ毎の属性やアクセス権などを管理するAD(Active Directory)サービスなどを提供するディレクトリサーバ30とが設けられ、LANなどの有線又は無線のネットワーク40を介して接続している。
【0017】
デバイス10は、ユーザのアカウント情報を取得するアカウント情報取得部11と、デバイスの環境や設定をカスタマイズするカスタマイズ部12と、ユーザの操作を受け付けるコントロールパネル13と、ネットワーク40を介して認証エージェント20と接続し、情報を送受信するための処理を行う通信部14とを具備して構成される。
【0018】
ここで、アカウント情報取得部11は、ユーザによるキー入力や生体認証、FeliCaなどの非接触型ICカードの読み取りなど、任意の方法を用いてユーザを識別するための情報であるアカウント情報を取得する。
【0019】
そして、本実施例におけるデバイス10は、まず、アカウント情報取得部11でアカウント情報を取得すると、当該アカウント情報を認証エージェント20に送信する。
【0020】
次に、認証エージェント20からカスタマイズ情報、及びアカウント情報の検証結果を受信すると、カスタマイズ部12で当該デバイスの環境や設定を、前記検証されたアカウント情報に対応したユーザ向けにカスタマイズしてコントロールパネル13などに環境や設定の変更を反映させ、アカウント情報の検証結果を表示する。
【0021】
なお、デバイス10は、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)などの記憶装置と、CPU(Central Processing Unit)などの演算装置とを備え、アカウント情報取得部11及びカスタマイズ部12は、記憶装置に格納されているプログラムを演算装置で順次読み出して処理することにより実現されるものである。
【0022】
認証エージェント20は、デバイスのカスタマイズに必要なユーザ情報を格納するユーザ情報データベース21と、アカウント情報をディレクトリに送信して検証を行うと共に、検証結果をデバイスに送信するアカウント情報検証部22と、ユーザ毎のカスタマイズ情報を作成するカスタマイズ情報作成部23と、ユーザ情報データベース21のユーザ情報を更新するデータベース更新部24と、ネットワーク40を介してデバイス10、及びディレクトリサーバ30と接続し、情報を送受信するための処理を行う通信部25とを具備して構成される。
【0023】
ここで、ユーザ情報データベース21に格納されるユーザ情報として、例えば、
・サービス(コピーや印刷、スキャン、ファックス送信、指示書起動など)と、カラーモード(白黒やフルカラーなど)の組み合わせによる実績値や上限値、サービスやカラーモードの利用権限
・コントロールパネルに表示されるメニュー項目のレイアウトや優先順位や選択可能な値の設定
・ジョブの履歴
・個人や所属グループの宛先表(FAX番号一覧など)
・宛先表の表示順(ソート順、最近使ったものから順に並べるなど)
・送信シート用情報(FAX送信時に送信シートに記載する電話番号やFAX番号、会社名、部門名などの情報)
・障害の有無や種類
などが挙げられる。
【0024】
また、これらのユーザ情報に基づいて行うデバイスのカスタマイズとして、例えば、
・サービスとカラーモードの組み合わせによる実績値や上限値、サービスやカラーモードや利用できる用紙やオプション機能の利用権限といったユーザ情報は、サービスとカラーモードの組み合わせによる実績値や上限値をデバイスに反映し、また、サービスやカラーモードが利用権限に応じて利用可能又は利用制限するといったカスタマイズが行われる。
【0025】
・コントロールパネルのメニュー設定といったユーザ情報は、ユーザが設定したコントロールパネル上のボタンの配置を再現するといったカスタマイズが行われる。
【0026】
・ジョブの履歴といったユーザ情報は、ユーザ自身や所属グループの履歴を確認可能とするといったカスタマイズが行われる。
【0027】
・個人や所属グループの宛先表(FAX番号一覧など)といったユーザ情報は、FAX番号を割り当てた短縮ダイヤルの利用や、FAX番号を登録している一覧の利用を可能とするカスタマイズが行われる。
【0028】
・宛先表の表示順といったユーザ情報は、ソート順や最近使ったものから順に並べるなどのカスタマイズが行われる。
【0029】
・送信シート用情報といったユーザ情報は、FAX送信時に送信シート上の電話番号やFAX番号、会社名、部門名などを自動的に埋めるといったカスタマイズが行われる。
【0030】
・障害の有無や種類といったユーザ情報は、目に障害があれば、音声ガイダンスを行うといったカスタマイズが行われる。
【0031】
などが挙げられる。
【0032】
なお、ユーザ情報やカスタマイズ結果はこれらに限られるものではなく、デバイスのカスタマイズが可能な情報であれば、任意の情報をユーザ情報として用いることが可能であり、任意のカスタマイズ結果を得るように構成することができる。
【0033】
また、ユーザが所属している部門やプロジェクト、役職などのグループ毎に、当該グループに属するユーザのアカウント情報を管理すると共に、ユーザ情報をグループに属する全てのアカウント情報に適用されるユーザ情報としてグループ毎に格納し、デバイスからアカウント情報を受信した際には、当該アカウント情報が関連付けられているグループを判断し、当該グループのユーザ情報を用いるように構成してもよい。
【0034】
グループ毎にユーザ情報データベース21に格納されるユーザ情報として、例えば、
・サービス(コピーや印刷、スキャン、ファックス送信、指示書起動など)と、カラーモード(白黒やフルカラーなど)の組み合わせによる実績値や上限値、サービスやカラーモードの利用権限
・ジョブの履歴
・個人や所属グループの宛先表(FAX番号一覧など)
・送信シート用情報(FAX送信時に送信シートに記載する電話番号やFAX番号、会社名、部門名などの情報)
などが挙げられる。
【0035】
また、これらのユーザ情報に基づいて行うデバイスのカスタマイズとして、例えば、
・サービスとカラーモードの組み合わせによる実績値や上限値、サービスやカラーモードの利用権限といったユーザ情報は、サービスとカラーモードの組み合わせによる実績値や上限値をデバイスに反映し、また、サービスやカラーモードが利用権限に応じて利用可能又は利用制限するといったカスタマイズが行われる。
【0036】
・ジョブの履歴といったユーザ情報は、所属グループの履歴を確認可能とするといったカスタマイズが行われる。
【0037】
・個人や所属グループの宛先表(FAX番号一覧など)といったユーザ情報は、FAX番号を割り当てた短縮ダイヤルの利用や、FAX番号を登録している一覧の利用を可能とするカスタマイズが行われる。
【0038】
・送信シート用情報といったユーザ情報は、FAX送信時に送信シート上の電話番号やFAX番号、会社名、部門名などを自動的に埋めるといったカスタマイズが行われる。
【0039】
などが挙げられる。
【0040】
なお、グループとして利用するユーザ情報やカスタマイズはこれらに限られるものではなく、グループとして統一したデバイスのカスタマイズが可能な情報であれば、任意の情報をユーザ情報として用いることが可能であり、任意のカスタマイズ結果を得るように構成することもできる。
【0041】
また、グループ毎に格納しているユーザ情報と、ユーザ毎に格納しているユーザ情報とが並存している場合は、適用するユーザ情報に優先順位をつけて利用するように構成してもよい。
【0042】
例えば、グループ毎に格納しているユーザ情報を優先させるとすると、ユーザ情報が重なり合った場合は、グループ毎に格納されているユーザ情報に従ってデバイスをカスタマイズし、その他の場合は、グループ毎またはユーザ毎に格納されているそれぞれのユーザ情報に従ってデバイスをカスタマイズする。
【0043】
そして、本実施例における認証エージェント20は、まず、アカウント情報をアカウント情報検証部22で受信すると、当該アカウント情報をディレクトリサーバ30に送信する。
【0044】
次に、アカウント情報の検証結果をアカウント情報検証部22で受信すると、デバイス10に検証結果を送信する。
【0045】
また、ディレクトリサーバ30からユーザ情報を受信すると、当該ユーザ情報、及びユーザ情報データベース21に格納されているユーザ情報からデバイス10をカスタマイズするためのカスタマイズ情報をカスタマイズ情報作成部23で作成し、デバイス10に送信する。
【0046】
一方、デバイス10からユーザ情報を受信すると、ユーザ情報データベース21に格納されているユーザ情報をユーザ情報更新部24で更新する。
【0047】
この際、デバイス10から受信したユーザ情報をディレクトリサーバ30に送信してもよい。
【0048】
なお、認証エージェント20は、RAMやROM、HDDなどの記憶装置と、CPUなどの演算装置とを備え、アカウント情報検証部22、カスタマイズ情報作成部23及びユーザ情報更新部24は、記憶装置に格納されているプログラムを演算装置で順次読み出して処理することにより実現されるものである。
【0049】
ディレクトリサーバ30は、ユーザの属性やアクセス権など、ディレクトリサービスで管理する情報をアカウント情報に関連付けて格納するディレクトリサービスデータベース31と、アカウント情報の検証を行い、検証結果を認証エージェントに送信するアカウント情報検証部32と、デバイスのカスタマイズに必要なユーザ情報をディレクトリサービスデータベース31から取得するユーザ情報取得部33と、ネットワーク40を介して認証エージェント20と接続し、情報を送受信するための処理を行う通信部34とを具備して構成される。
【0050】
ここで、アカウント情報検証部32は、認証エージェントから受信したアカウント情報と一致するアカウントをディレクトリサービスデータベース31で検索することにより、アカウント情報の検証を行う。
【0051】
そして、本実施例におけるディレクトリサーバ30は、まず、アカウント情報をアカウント情報検証部32で受信すると、ディレクトリサービスデータベース31を用いてアカウント情報の検証を行う。
【0052】
次に、アカウント情報に対応するユーザ情報をユーザ情報取得部33でディレクトリサービスデータベース31から取得し、検証結果、及びユーザ情報を認証エージェント20に送信する。
【0053】
なお、ディレクトリサーバ30は、RAMやROM、HDDなどの記憶装置と、CPUなどの演算装置とを備え、アカウント情報検証部32及びユーザ情報取得部33は、記憶装置に格納されているプログラムを演算装置で順次読み出して処理することにより実現されるものである。
【0054】
図2は、本実施例におけるデバイスカスタマイズシステムの処理の流れを示すフローチャートである。
【0055】
まず、デバイスは、ユーザのアカウント情報を取得する(ステップ100)と、当該アカウント情報を認証エージェントに送信し(ステップ101)、認証エージェントは、受信したアカウント情報をディレクトリサーバに送信する(ステップ102)。
【0056】
次に、ディレクトリサーバは、アカウント情報の検証を行う(ステップ103)と共に、アカウント情報に基づいてユーザ情報を取得し(ステップ104)、検証結果、及びユーザ情報を認証エージェントに送信する(ステップ105)。
【0057】
認証エージェントは、ユーザ情報データベースに格納されているユーザ情報、及びディレクトリサーバから受信したユーザ情報からデバイスのカスタマイズに必要なユーザ情報を抽出して、カスタマイズ情報を作成し(ステップ106)、アカウント情報の検証結果、及びカスタマイズ情報をデバイスに送信する(ステップ107)。
【0058】
デバイスは、カスタマイズ情報に基づいて、環境や設定を更新してカスタマイズする(ステップ108)と共に、アカクント情報の検証結果をコントロールパネルなどに表示する(ステップ109)。
【0059】
そして、ユーザがログアウトする(ステップ110)と、デバイスは、変更されたユーザ情報を認証エージェントに送信し(ステップ111)、認証エージェントは、ユーザ情報を更新する(ステップ112)。
【0060】
なお、本実施例では、認証エージェントのみ変更されたユーザ情報を更新しているが、認証エージェントからディレクトリサーバに変更されたユーザ情報を送信し、ディレクトリサービスデータベースに格納されているユーザ情報を更新するように構成してもよい。
【0061】
このように本発明では、認証エージェントに格納されているユーザ情報に基づいてデバイスの環境や設定を変更することができるため、デバイス毎の設定や環境の違いを意識することなく、任意のデバイスを利用することが可能となる。
【0062】
また、ユーザ情報をグループ毎に格納して管理することにより、グループに属する全てのユーザ(アカウント情報)が同一の環境や設定で利用することが可能となる。
【0063】
このため、グループで印刷できる枚数の上限が決まっている場合など、グループ毎に利用できる条件が制限されている場合であっても、最後のユーザが利用した後にユーザ情報が更新されているため、グループ全体の状況を把握することが可能であり、他のユーザの利用状況などを確認することなく、任意のデバイスを利用することができる。
【0064】
本発明の実施の形態は、以下のようなものも考えられる。
【0065】
デバイスカスタマイズシステムは、アカウント情報を取得するアカウント情報取得手段と、自らの環境や設定をカスタマイズ情報に基づいてカスタマイズするカスタマイズ手段とを具備するデバイスと、アカウント情報に関連付けて前記デバイスをカスタマイズするためのユーザ情報を格納するユーザ情報格納手段と、前記ユーザ情報格納手段から前記ユーザ情報を取得し、前記カスタマイズ情報を作成するカスタマイズ情報作成手段とを具備する認証エージェントと、アカウント情報を格納するアカウント情報格納手段と、前記アカウント情報格納手段を用いて前記アカウント情報取得手段で取得された前記アカウント情報の検証を行うアカウント情報検証手段とを具備するディレクトリサーバとを具備して構成されることを特徴とする。
【0066】
望ましくは、前記ユーザ情報格納手段は、前記ユーザ情報をグループに属する全ての前記アカウント情報に適用されるユーザ情報としてグループ毎に格納する。
【0067】
また、望ましくは、前記ディレクトリサーバは、前記アカウント情報格納手段に格納されているユーザ情報を取得するユーザ情報取得手段をさらに具備し、前記カスタマイズ情報作成手段は、前記ユーザ情報格納手段から取得したユーザ情報と、前記ユーザ情報取得手段で取得したユーザ情報を用いて前記カスタマイズ情報を作成する。
【0068】
デバイスカスタマイズ方法は、デバイスをカスタマイズするためのユーザ情報を、アカウント情報に関連付けて認証エージェントのユーザ情報格納手段に格納し、デバイスのアカウント情報取得手段でアカウント情報を取得すると、アカウント情報を格納するアカウント情報格納手段を用いて、ディレクトリサーバのアカウント情報検証手段で前記アカウント情報を検証し、前記認証エージェントのカスタマイズ情報作成手段で前記ユーザ情報格納手段からユーザ情報を取得してカスタマイズ情報を作成し、前記カスタマイズ情報に基づいて、自らの環境や設定をカスタマイズする前記デバイスのカスタマイズ手段で該デバイスをカスタマイズすることを特徴とする。
【0069】
望ましくは、前記ユーザ情報格納手段は、前記ユーザ情報をグループに属する全ての前記アカウント情報に適用されるユーザ情報としてグループ毎に格納する。
【0070】
また、望ましくは、前記ディレクトリサーバは、前記アカウント情報格納手段に格納されているユーザ情報を取得するユーザ情報取得手段をさらに具備し、前記カスタマイズ情報作成手段は、前記ユーザ情報格納手段から取得したユーザ情報と、前記ユーザ情報取得手段で取得したユーザ情報を用いて前記カスタマイズ情報を作成する。
【0071】
認証エージェントは、アカウント情報に関連付けてデバイスをカスタマイズするためのユーザ情報を格納するユーザ情報格納手段と、前記ユーザ情報格納手段から前記ユーザ情報を取得し、デバイスをカスタマイズするためのカスタマイズ情報を作成するカスタマイズ情報作成手段とを具備し、ディレクトリサーバから検証結果を受信すると、前記カスタマイズ情報作成手段で前記カスタマイズ情報を作成し、カスタマイズを行うデバイスに該カスタマイズ情報を送信することを特徴とする。
【0072】
望ましくは、前記ユーザ情報格納手段は、前記ユーザ情報をグループに属する全ての前記アカウント情報に適用されるユーザ情報としてグループ毎に格納する。
【0073】
また、望ましくは、前記カスタマイズ情報作成手段は、前記ディレクトリサーバから前記ユーザ情報を受信すると、前記ユーザ情報格納手段から取得したユーザ情報と前記ディレクトリサーバから受信したユーザ情報とを用いて前記カスタマイズ情報を作成する。
【0074】
デバイスカスタマイズプログラムは、アカウント情報に関連付けてデバイスをカスタマイズするためのユーザ情報をユーザ情報格納手段に格納し、ディレクトリサーバから検証結果を受信すると、カスタマイズ情報作成手段で前記ユーザ情報格納手段から前記ユーザ情報を取得して、デバイスをカスタマイズするためのカスタマイズ情報を作成し、カスタマイズを行うデバイスに該カスタマイズ情報を送信するための処理を認証エージェントに実行させることを特徴とする。
【0075】
望ましくは、前記ユーザ情報格納手段は、前記ユーザ情報をグループに属する全ての前記アカウント情報に適用されるユーザ情報としてグループ毎に格納する。
【0076】
また、望ましくは、前記カスタマイズ情報作成手段は、前記ディレクトリサーバから前記ユーザ情報を受信すると、前記ユーザ情報格納手段から取得したユーザ情報と前記ディレクトリサーバから受信したユーザ情報とを用いて前記カスタマイズ情報を作成する。
【符号の説明】
【0077】
10…デバイス
11…アカウント情報取得部
12…カスタマイズ部
13…コントロールパネル
14…通信部
20…認証エージェント
21…ユーザ情報データベース
22…アカウント情報検証部
23…カスタマイズ情報作成部
24…データベース更新部
25…通信部
30…ディレクトリサーバ
31…ディレクトリサービスデータベース
32…アカウント情報検証部
33…ユーザ情報取得部
34…通信部
40…ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アカウント情報に関連付けてデバイスをカスタマイズするためのユーザ情報を格納するユーザ情報格納手段と、
前記ユーザ情報格納手段から前記ユーザ情報を取得し、デバイスをカスタマイズするためのカスタマイズ情報を作成するカスタマイズ情報作成手段と
を具備し、
ディレクトリサーバから検証結果を受信すると、当該検証結果を受信する前に前記ユーザ情報格納手段に既に格納されていたユーザ情報に基づいて前記カスタマイズ情報作成手段で前記カスタマイズ情報を作成し、カスタマイズを行うデバイスに該カスタマイズ情報を送信する
ことを特徴とする認証エージェント。
【請求項2】
前記ユーザ情報格納手段は、前記ユーザ情報をグループに属する全ての前記アカウント情報に適用されるユーザ情報としてグループ毎に格納することを特徴とする請求項1記載の認証エージェント。
【請求項3】
アカウント情報に関連付けてデバイスをカスタマイズするためのユーザ情報をユーザ情報格納手段に格納し、
ディレクトリサーバから検証結果を受信すると、カスタマイズ情報作成手段で前記ユーザ情報格納手段から当該検証結果を受信する前に前記ユーザ情報格納手段に既に格納されていた前記ユーザ情報を取得して、デバイスをカスタマイズするためのカスタマイズ情報を作成し、カスタマイズを行うデバイスに該カスタマイズ情報を送信するための処理を認証エージェントに実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項4】
アカウント情報に関連づいたユーザ情報を格納する格納手段と、
前記格納手段により格納されたユーザ情報に基づき、カスタマイズ情報を作成する作成手段と
を備え、
デバイスから受信したアカウント情報に基づく検証の結果をディレクトリサーバから受信した場合、該アカウント情報に対応する前記作成手段により作成されたカスタマイズ情報を該デバイスに送信する認証エージェントであって、
前記作成手段がカスタマイズ情報を作成する際に用いるユーザ情報は、前記検証の結果を前記ディレクトリサーバから受信する前に前記格納手段により既に格納されていたユーザ情報であることを特徴とする認証エージェント。
【請求項5】
前記ユーザ情報は、前記アカウント情報が関連付けられたグループに対応するものであることを特徴とする請求項4に記載の認証エージェント。
【請求項6】
デバイスと認証エージェントとからなり、
前記デバイスは、
アカウント情報を取得するアカウント情報取得手段と、
カスタマイズ情報に基づいてカスタマイズを行うカスタマイズ手段と
を有し、
前記認証エージェントは、
アカウント情報とユーザ情報とを関連付けて格納する格納手段と、
前記格納手段により格納されたユーザ情報に基づき、カスタマイズ情報を作成する作成手段と
を有し、
前記デバイスは、前記アカウント情報取得手段により取得したアカウント情報を前記認証エージェントへ送信し、
前記認証エージェントは、前記デバイスから受信したアカウント情報に基づく検証の結果をディレクトリサーバから受信した場合、前記検証の結果を前記ディレクトリサーバから受信する前に前記格納手段により既に格納されていたユーザ情報に基づいて前記作成手段により作成された、該アカウント情報に対応するカスタマイズ情報を該デバイスに送信し、
前記デバイスは、前記認証エージェントから受信したカスタマイズ情報に基づいて前記カスタマイズ手段によりカスタマイズを行う
ことを特徴とするデバイスカスタマイズシステム。
【請求項7】
デバイスと認証エージェントとディレクトリサーバからなり、
前記デバイスは、
アカウント情報を取得するアカウント情報取得手段と、
カスタマイズ情報に基づいてカスタマイズを行うカスタマイズ手段と
を有し、
前記認証エージェントは、
アカウント情報とユーザ情報とを関連付けて格納する格納手段と、
前記格納手段により格納されたユーザ情報に基づき、カスタマイズ情報を作成する作成手段と
を有し、
前記ディレクトリサーバは、
アカウント情報を検証する検証手段
を有し、
前記デバイスは、前記アカウント情報取得手段により取得したアカウント情報を前記認証エージェントへ送信し、
前記認証エージェントは、前記デバイスから受信したアカウント情報を前記ディレクトリサーバへ送信し、
前記ディレクトリサーバは、前記認証エージェントから受信したアカウント情報を前記検証手段により検証し、該検証の結果を該認証エージェントへ送信し、
前記認証エージェントは、前記デバイスから受信したアカウント情報に基づく検証の結果を前記ディレクトリサーバから受信した場合、前記検証の結果を前記ディレクトリサーバから受信する前に前記の格納手段により既に格納されていたユーザ情報に基づいて前記作成手段により作成された、該アカウント情報に対応するカスタマイズ情報を該デバイスに送信する
ことを特徴とするデバイスカスタマイズシステム。
【請求項8】
アカウント情報に関連づいたユーザ情報を格納する格納処理と、
前記格納処理により格納されたユーザ情報に基づき、カスタマイズ情報を作成する作成処理と
をコンピュータに実行させ、
デバイスから受信したアカウント情報に基づく検証の結果をディレクトリサーバから受信した場合、該アカウント情報に対応する前記作成処理により作成されたカスタマイズ情報を該デバイスに送信する認証エージェントプログラムであって、
前記作成処理の際に用いるユーザ情報は、前記検証の結果を前記ディレクトリサーバから受信する前に前記格納処理により既に格納されていたユーザ情報である
ことを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−176701(P2010−176701A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−91447(P2010−91447)
【出願日】平成22年4月12日(2010.4.12)
【分割の表示】特願2006−221904(P2006−221904)の分割
【原出願日】平成18年8月16日(2006.8.16)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】