説明

認証方法及び認証システム

【課題】例えばインターネット等の通信を介した商取引において、パスワードの不正使用を防止し、信頼性を高めることが可能な認証方法及び認証システムを提供する。
【解決手段】電気、ガス、水道水等の供給物の供給量を計測した計測値を計測装置1から、供給事業体が管理する計測値管理装置2へ送信して、課金の対象となる計測値を自動管理するロードサーベイシステムを認証に用いる。具体的には、端末装置3から計測装置1へ、計測値を要求する計測値要求を送信し、計測装置1は、受信した計測値要求に基づき計測値を端末装置3へ送信すると共に、計測値管理装置2へ送信し、端末装置3は、中央装置4へ計測値を送信する。そして中央装置4は、端末装置3から受信した計測値、及び計測値管理装置2が計測装置1から受信した計測値の照合結果に基づき認証処理を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末装置に対する認証処理を行う中央装置を用いた認証方法、及び該認証方法を適用した認証システムに関し、特に認証時の安全性を高めることが可能な認証方法及び認証システムに関する。
【背景技術】
【0002】
利用者が記憶しているパスワードの照合等の認証処理を行った上で、ネットバンキング等の経済的取引を行うインターネット等の通信を利用した商取引が普及している。通信を利用した商取引のための認証は、例えば特許文献1に記載されている。
【特許文献1】特表2003−534619号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながらパスワードは、スパイウェア、フィッシング等の方法により、またコンピュータを介さずともメモの窃盗等の行為により第3者に漏洩する可能性があるため、従来ではパスワードを不正に入手した第3者が不正な取引に使用する可能性があるという安全性に関する問題がある。
【0004】
本発明は斯かる事情に鑑みて成されたものであり、電気、ガス、水道水等の供給物の供給量を計測した計測値をワンタイムパスワードとして用いることにより、商取引時の安全性を高めることが可能な認証方法、及び該認証方法を適用した認証システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1発明に係る認証方法は、供給物の供給を受ける需要者に係る端末装置に対する認証処理を行う中央装置を用いた認証方法において、需要者に供給される供給物の供給量を計測し、得られた計測値を送信する計測装置と、供給物を供給する供給者に係る、前記計測装置から送信された計測値を受信する計測値管理装置とを用い、前記端末装置は、計測値を要求する計測値要求を前記計測装置へ送信し、該計測装置は、受信した計測値要求に基づき計測した供給量の計測値を前記端末装置へ送信し、該端末装置へ送信した計測値を前記計測値管理装置へ送信し、前記端末装置は、受信した計測値を前記中央装置へ送信し、該中央装置は、前記端末装置から受信した計測値、及び前記計測値管理装置が前記計測装置から受信した計測値の照合結果に基づき認証処理を行うことを特徴とする。
【0006】
本発明では、値が変化する電気、ガス、水道水等の供給物の供給量を計測した計測値をパスワードとして認証処理を行うことにより、パスワードが漏洩したとしても値が常に変化するため不正に使用されることを防止し、インターネット等の通信を介した商取引の安全性を高めることが可能である。
【0007】
第2発明に係る認証システムは、中央装置及び端末装置を備え、前記中央装置は、前記端末装置に対する認証処理を行う認証システムにおいて、供給物の供給量を計測する手段及び計測により得られた計測値を送信する手段を有する計測装置と、該計測装置から送信された計測値を受信する計測値管理装置とを更に備え、前記端末装置は、計測値を要求する計測値要求を前記計測装置へ送信する手段を備え、該計測装置は、受信した計測値要求に基づき計測した供給量の計測値を前記端末装置へ送信する手段と、該端末装置へ送信した計測値を前記計測値管理装置へ送信する手段とを備え、前記端末装置は、更に、受信した計測値を前記中央装置へ送信する手段を備え、該中央装置は、前記端末装置から受信した計測値、及び前記計測値管理装置が前記計測装置から受信した計測値の照合結果に基づき認証処理を行う認証手段を備えることを特徴とする。
【0008】
本発明では、値が変化する電気、ガス、水道水等の供給物の供給量を計測した計測値をパスワードとして認証処理を行うことにより、パスワードが漏洩したとしても値が常に変化するため不正に使用されることを防止し、インターネット等の通信を介した商取引の安全性を高めることが可能である。
【0009】
第3発明に係る認証システムは、第2発明において、前記中央装置及び計測値管理装置と通信する認証装置を更に備え、前記計測値管理装置は、更に、前記計測装置から受信した計測値を認証装置へ送信する手段を備え、前記中央装置が備える認証手段は、前記端末装置から受信した計測値を含む認証要求を前記認証装置へ送信する様に構成してあり、該認証装置は、前記計測値管理装置から受信した計測値、及び前記端末装置から受信した認証要求に含まれる計測値を照合する手段と、照合の結果を、認証要求に対する認証結果として前記中央装置へ送信する手段とを備えることを特徴とする。
【0010】
本発明では、例えば商取引を行う取引事業体が中央装置を管理し、供給物を供給する供給事業体が計測値管理装置を管理する場合に、認証機関が管理する信頼性の高い認証装置を用いて認証処理を行うことにより、中央装置及び計測値管理装置が直接計測値のやりとりを行う必要がないので、計測値が必要以上に外部へ流出する可能性を低減することが可能である。
【0011】
第4発明に係る認証システムは、第2発明又は第3発明において、前記計測値管理装置は、更に、計測値を記録する手段と、受信した計測値、及び既に記録している計測値に基づいて、受信した計測値の正当性を判定する手段とを備えることを特徴とする。
【0012】
本発明では、供給物に対する課金を目的として計測値管理装置にて定期的に収集し管理している計測値を用いて、認証のための計測値の正当性を判定することにより、不正な計測値による不正なアクセスを防止することができるので、安全性を更に高めることが可能である。
【0013】
第5発明に係る認証システムは、第2発明乃至第4発明のいずれかにおいて、複数の計測装置及び計測値管理装置を備え、夫々の計測装置は、夫々異なる供給物の供給量を計測した計測値を夫々異なる計測値管理装置へ送信する様に構成してあり、前記中央装置が備える認証手段は、全ての計測値の照合結果に基づき認証処理を行う様に構成してあることを特徴とする。
【0014】
本発明では、複数の計測装置を用いることにより、認証に要するパスワードの数を増加させ、しかも夫々異なる計測値管理装置へ送信することにより、異なる複数の機関でパスワードの正当性を判定させることができるので、安全性を更に高めることが可能である。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る認証方法及び認証システムは、需要者に供給される電気、ガス、水道水等の供給物の供給量を計測し、計測により得られた計測値を計測装置から、供給物を供給する供給事業体が管理する計測値管理装置へ送信することにより、課金の対象となる計測値を自動管理するロードサーベイシステムを、インターネット等の通信を介した商取引に関する認証に用いる。具体的には、需要者が管理する端末装置から計測装置へ、計測値を要求する計測値要求を送信し、計測装置は、受信した計測値要求に基づき計測した供給量の計測値を端末装置へ送信すると共に、計測値管理装置へ送信し、端末装置は、取引相手となる取引事業体が管理する中央装置へ計測値を送信する。そして中央装置は、端末装置から受信した計測値、及び計測値管理装置が計測装置から受信した計測値の照合結果に基づき認証処理を行う。
【0016】
この構成により、本発明では、値が変化する供給物の供給量を計測した計測値をパスワードとして認証処理を行うことになるので、パスワードとして用いられる計測値が漏洩したとしても値が常に変化するため不正に使用されることを防止し、通信を介した商取引の安全性を高めることが可能である等、優れた効果を奏する。
【0017】
また本発明は、認証機関が管理する信頼性の高い認証装置を用い、認証装置において、計測値管理装置が受信した計測値及び中央装置が受信した計測値の照合を行うことにより、中央装置及び計測値管理装置が直接計測値のやりとりを行う必要がないので、計測値が必要以上に外部へ流出する可能性を低減することが可能である等、優れた効果を奏する。
【0018】
さらに本発明は、供給物に対する課金を目的として計測値管理装置にて定期的に収集し管理している計測値を用いて、認証のための計測値の正当性を判定することにより、不正な計測値による不正なアクセスを防止することができるので、安全性を更に高めることが可能である等、優れた効果を奏する。
【0019】
そして本発明は、複数の計測装置を用いて夫々異なる供給物の供給量を計測し、計測により得られた計測値を夫々異なる計測値管理装置へ送信して認証に用いることにより、認証に要するパスワード(計測値)の数を増加させ、しかも異なる複数の機関でパスワードの正当性を判定させることができるので、安全性を更に高めることが可能である等、優れた効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
【0021】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1における認証システムを概念的に示す説明図である。図1中1は、需要者に供給する電気、ガス、水道水等の供給物の供給量を計測すべく、需要者の住居に配設された課金メータを用いた計測装置であり、計測装置1は、供給物を供給する供給事業体が管理するサーバコンピュータ等の計測値管理装置2と第1通信網101にて接続されている。第1通信網101は、インターネット等の通信網を用いても良いが、電力線を用いたPLC(Power Line Communication)網等の専用の通信網を用いる様にしても良い。計測装置1は、供給量を計測して得られた計測値を計測時刻と共に計測値管理装置2へ定期的に送信し、計測値管理装置2では、受信した計測値に基づく課金処理、供給量管理処理等の処理を行うロードサーベイシステムを実現している。
【0022】
また需要者は、パーソナルコンピュータ等の端末装置3を管理しており、端末装置3は、計測装置1と家庭内LAN、シリアルケーブル、無線、PLC網等の第2通信網102にて接続されている。端末装置3は、インターネット等の第3通信網103に接続することが可能であり、第3通信網103を介して金融機関、通信販売業者等の取引事業体が管理する中央装置4にアクセスすることが可能である。さらに計測値管理装置2及び中央装置4間は、VAN(Value Added Network) 、専用網、インターネット等の第4通信網104にて接続されている。
【0023】
なお図1では、各装置を夫々1つの装置で構成する形態を示したが、計測装置1は、計測用の装置に通信用の装置を接続した装置として構成しても良く、また計測値管理装置2及び中央装置4は、複数の装置を用いて構成する様にしても良い。
【0024】
図2及び図3は、本発明の実施の形態1における認証システムの構成を示すブロック図であり、図2が主に計測装置1及び計測値管理装置2を示し、図3が主に端末装置3及び中央装置4を示している。計測装置1は、装置全体を制御するCPU等の制御手段10と、各種コンピュータプログラム及びデータを記録するROM等の記録手段11と、コンピュータプログラムの実行に基づき一時的に発生するデータを記憶するRAM等の記憶手段12と、供給物の供給量を計測する計測手段13と、時刻を示す時計手段14と、第1通信網101に接続する第1通信手段15と、第2通信網102に接続する第2通信手段16とを備えている。記録手段11には、需要家に付与された需要家番号、装置を識別する装置ID等の識別情報が記録されている。そして計測装置1は、所定の時間間隔で計測手段13にて供給量を計測し、計測した時刻を時計手段14から読み取り、計測により得られた計測値及び時計手段14から読み取った計測時刻を対応付けて記憶手段12に記憶させ、所定の周期で第1通信手段15から第1通信網101を介して計測値管理装置2へ送信する。なお計測装置1から計測値管理装置2へ送信される計測値及び計測時刻には、識別情報、定期収集等の属性を示す属性情報等の各種情報が付与されている。
【0025】
計測値管理装置2は、制御手段20と、各種コンピュータプログラム及びデータ等の情報を記録するハードディスク等の記録手段21と、記憶手段22と、時計手段23と、第1通信網101に接続する第1通信手段24と、第4通信網104に接続する第2通信手段25とを備えている。なお記録手段21の記録領域の一部は、計測装置1から受信した計測値を、識別情報及び計測時刻に対応付けて記録するデータベース21aとして用いられている。そして計測値管理装置2は、計測装置1から属性情報が定期収集である計測値を受信した場合、受信した計測値を、識別情報及び計測時刻に対応付けてデータベース21aに記録し、データベース21aに記録した計測値に基づき、対応付けられている識別情報に係る需要者に対して課金処理を行う。
【0026】
端末装置3は、制御手段30と、ハードディスク等の記録手段31と、記憶手段32と、時計手段33と、マウス及びキーボード等の入力手段34と、モニタ等の出力手段35と、第2通信網102に接続する第1通信手段36と、第3通信網103に接続する第2通信手段37とを備えており、記録手段31には、ウェブブラウザ等の様々なコンピュータプログラム及びデータが記録されている。
【0027】
中央装置4は、制御手段40と、ハードディスク等の記録手段41と、記憶手段42と、時計手段43と、第3通信網103に接続する第1通信手段44と、第4通信網104に接続する第2通信手段45とを備えており、記録手段42には、顧客に関する情報等の様々な情報が記録されている。
【0028】
次に各種装置の処理について説明する。取引を所望する需要者は、端末装置3を操作して、ウェブブラウザを起動し中央装置4にて提供されるウェブページにアクセスする。中央装置4では、端末装置3からのアクセスに対してログインに要するID及びパスワード等の認証情報の送信を要求する。認証情報の要求は、例えばID及びパスワードの入力欄の表示として行われる。需要者は、認証情報の送信の要求に対して認証情報を端末装置3に入力し、送信させる操作を行う。端末装置3は、認証情報の入力を受け付け、受け付けた認証情報を中央装置4へ送信する。中央装置4は、認証情報を受信し、受信した認証情報の正当性を確認後、当該認証情報に基づき本発明の認証システムの利用の可否を判定し、利用可能であると判定した場合、本発明の認証システムに係る認証情報として用いられる計測値の送信を要求する。計測値は、需要者が入力するデータではないので、計測値の送信の要求は、計測値の送信の諾否の入力を受け付けるラジオボタン等の選択肢として示される。そして需要者は、計測値の送信を許可する入力を行う。
【0029】
図4は、本発明の実施の形態1における認証システムの各種装置の処理を示すフローチャートである。計測値の送信を許可する入力を受け付けた端末装置3は、制御手段30の制御により、計測値を要求する計測値要求を、第1通信手段36から第2通信網102を介して計測装置1へ送信する(S101)。
【0030】
計測装置1は、制御手段10の制御により、第2通信手段16にて計測値要求を受信し(S102)、受信した計測値要求に基づき計測手段13にて供給物の供給量を計測し(S103)、計測により得られた計測値及び計測した時刻を示す計測時刻を記憶手段12に記憶する。そして計測装置1は、制御手段10の制御により、記憶した計測値及び計測時刻を、第2通信手段16から第2通信網102を介して端末装置3へ送信し(S104)、更に計測値及び計測時刻を第1通信手段15から第1通信網101を介して計測値管理装置2へ送信する(S105)。計測装置1から計測値管理装置2へ送信される計測値及び計測時刻には、識別情報及び属性情報が付与されており、属性情報としては、認証処理を目的とした計測値及び計測時刻の送信であることを示す情報が付与される。
【0031】
端末装置3は、制御手段10の制御により、第1通信手段36にて計測値及び計測時刻を受信し(S106)、受信した計測値及び計測時刻を、第2通信手段37から第3通信網103を介して中央装置4へ送信する(S107)。
【0032】
また計測値管理装置2は、制御手段20の制御により、第1通信手段24にて計測値及び計測時刻を受信し(S108)、付与されている属性情報により、当該計測値及び計測時刻が認証処理を目的とするものであることを検出し、付与されている識別情報と同じ識別情報に対応付けてデータベース21aに既に記録されている計測値及び計測時刻に基づいて、受信した計測値及び計測時刻の正当性を判定する(S109)。ステップS109における正当性の判定は、受信した計測値及び計測時刻を、データベース21aに記録されている課金処理のために定期的に収集している計測値及び計測時刻と比較し、時刻の前後関係及び計測値の大小関係から正当であるか否かを判定する。計測値は、経時的に増加するため、受信した計測値が、以前に測定され既に記録されている計測値以上である場合、受信した計測値は正当であると判定する。なお更に判定精度を向上させるため、認証のための計測値を受信後、更に計測装置1に計測値の測定及び送信を要求し、受信した計測値及び計測時刻とも前後関係及び大小関係を比較する様にしても良い。
【0033】
そして計測値管理装置2は、制御手段20の制御により、正当であると判定した計測値及び計測時刻を記録手段21に記録し、後述する様に中央装置4から送信される計測値及び計測時刻の送信要求を受け付けた場合に、受け付けた計測値及び計測時刻を第2通信手段25から第4通信網104を介して中央装置4へ送信する(S110)。なおステップS109における正当性の判定にて、正当ではないと判定した場合、中央装置4からの要求に対しては、計測値及び計測時刻が不正なものであったことを通知する処理を行う。
【0034】
中央装置4は、制御手段40の制御により、端末装置3から第1通信手段44にて計測値及び計測時刻を受信し(S111)、計測値管理装置2に対して計測値及び計測時刻の送信を要求し、要求に対して計測値管理装置2から送信される計測値及び計測時刻を第2通信手段45にて受信し(S112)、端末装置3から受信した計測値及び計測時刻、並びに計測値管理装置2から受信した計測値及び計測時刻を照合し(S113)、照合した結果、合致すると判定した場合に認証が成功したと判定する認証処理を行う(S114)。
【0035】
なお中央装置4から計測値管理装置2へ計測値及び計測時刻を送信し、計測値管理装置2にて照合を行った上で照合結果を中央装置4へ送信し、中央装置4では、受信した照合結果に基づいて認証処理を行う様にしても良い。また計測値管理装置2は、中央装置4を予め計測値及び計測時刻の送信先の装置として登録しておく様にしても良いが、中央装置4から端末装置3へ、中央装置4の通信網上の位置を示すIPアドレス等の位置情報を送信し、端末装置3から計測装置1へ位置情報を送信し、計測装置1は、計測値及び計測時刻に位置情報を付与することで位置情報を計測値管理装置2へ通知する様にしても良い。また中央装置4は、計測値及び計測時刻の送信の要求先又は送信先の装置として予め登録しておく様にしても良いが、計測装置1から端末装置3を介して計測値管理装置2の位置を示す位置情報を入手する様にしても良い。
【0036】
実施の形態2.
実施の形態2は、実施の形態1において、認証処理を行う認証装置を備える形態である。図5は、本発明の実施の形態2における認証システムを概念的に示す説明図である。図5中5は、認証機関にて管理されるサーバコンピュータを用いた認証装置であり、認証装置5は、第4通信網104上に設置され、計測値管理装置2及び中央装置4と通信することが可能である。その他の構成については、実施の形態1と同様であるので、実施の形態1を参照するものとし、その説明を省略する。
【0037】
図6は、本発明の実施の形態2における認証システムの認証装置5の構成を示すブロック図である。認証装置5は、制御手段50、ハードディスク等の記録手段51と、記憶手段52と、時計手段53と、第4通信網104に接続する通信手段54とを備えている。そして記録手段51の記録領域の一部は、識別情報に対応付けて計測値及び計測時刻を記録するデータベース51aとして用いられている。なおその他の装置の構成は、実施の形態1と同様であるので、実施の形態1を参照するものとし、その説明を省略する。
【0038】
次に各種装置の処理について説明する。なお中央装置4から端末装置3へ計測値要求を送信し、計測値要求に基づいて、計測装置1から計測値管理装置2へ計測値及び計測時刻を送信し、また端末装置3から中央装置4へ計測値及び計測時刻を送信するまでの処理は、実施の形態1と同様であるので、実施の形態1を参照するものとし、その説明を省略する。
【0039】
図7は、本発明の実施の形態2における認証システムの各種装置の処理を示すフローチャートである。計測値管理装置2は、制御手段20の制御により、計測装置1から受信した計測値及び計測時刻が正当であると判定した場合に(S109)、計測値及び計測時刻を、第2通信手段25から第4通信網104を介して認証装置5へ送信する(S201)。ステップS201にて送信する計測値及び計測時刻には、識別情報が付与されている。
【0040】
認証装置5は、制御手段50の制御により、通信手段54にて計測値及び計測時刻を受信し(S202)、受信した計測値及び計測時刻を、識別情報に対応付けてデータベース51aに記録する(S203)。
【0041】
中央装置4は、制御手段40の制御により、端末装置3から計測値及び計測時刻を受信し(S111)、第2通信手段45から第4通信網104を介して認証装置5へ認証要求を送信する(S204)。
【0042】
認証装置5は、制御手段50の制御により、通信手段54にて認証要求を受信し(S205)、受信した認証要求に含まれる計測値及び計測時刻に対応する計測値及び計測時刻をデータベース51aから抽出し、認証要求に含まれる計測値及び計測時刻と、データベース51aに記録している計測値及び計測時刻とを照合し(S206)、照合の結果を認証要求に対する認証結果として、通信手段54から第4通信網104を介して中央装置4へ送信する(S207)。ステップS206では、照合により双方の計測値及び計測時刻が合致した場合、認証が成功したとして判断し、合致しない場合又はデータベース51aに対応する計測値及び計測時刻が記録されていない場合、認証が失敗したと判断する。
【0043】
中央装置4は、制御手段40の制御により、第2通信手段45にて認証結果を受信し(S208)、受信した認証結果に基づく認証処理を行う(S209)。ステップS209の認証処理とは、受信した認証結果をそのまま認証処理の結果として取り扱う処理である。即ちステップS209では、受信した認証結果が認証の成功を示す場合、認証が成功したと判定し、失敗を示す場合、認証が失敗したと判定する。
【0044】
実施の形態3.
実施の形態3は、実施の形態1又は実施の形態2において、計測装置及び計測値管理装置2が夫々複数である形態である。図8は、本発明の実施の形態3における認証システムを概念的に示す説明図である。図8は、本発明の実施の形態2において、計測装置1及び計測値管理装置2を複数にした形態を示しており、各種装置及びその構成については実施の形態1と同様であるので、実施の形態2を参照するものとし、その説明を省略する。実施の形態3において、複数の計測装置1,1,…は、電気、ガス、水道水等の夫々異なる供給物の供給量を計測しており、計測により得られた計測値は、夫々異なる計測値管理装置2,2,…へ送信される。そして認証装置5では、中央装置4へ送信された複数の計測値及び夫々の計測値管理装置2,2,…へ送信された夫々の計測値を、夫々対応する計測値毎に照合し、全ての合致した場合に限り、認証が成功したと判断する。
【0045】
前記実施の形態では、第1通信網101を介して計測装置1と計測値管理装置2とが接続されていることを前提として記載したが、端末装置3が計測装置1から定期的に計測値を読み取り第3通信網103を介して計測値管理装置2へ計測値を転送する様な第1通信網101を有さない構成であっても良い。当然ながら端末装置3が、計測装置1が有する様な計測手段を備えていても良いことは言うまでもない。
【0046】
また前記実施の形態は、本発明を実現する無数の形態の中の一例を示したものであり、本発明は上述した例に限らず、供給物の供給量の計測値を認証に用いるのであれば、様々な形態に展開することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の実施の形態1における認証システムを概念的に示す説明図である。
【図2】本発明の実施の形態1における認証システムの構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態1における認証システムの構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施の形態1における認証システムの各種装置の処理を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施の形態2における認証システムを概念的に示す説明図である。
【図6】本発明の実施の形態2における認証システムの認証装置の構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の実施の形態2における認証システムの各種装置の処理を示すフローチャートである。
【図8】本発明の実施の形態3における認証システムを概念的に示す説明図である。
【符号の説明】
【0048】
1 計測装置
2 計測値管理装置
3 端末装置
4 中央装置
5 認証装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
供給物の供給を受ける需要者に係る端末装置に対する認証処理を行う中央装置を用いた認証方法において、
需要者に供給される供給物の供給量を計測し、得られた計測値を送信する計測装置と、
供給物を供給する供給者に係る、前記計測装置から送信された計測値を受信する計測値管理装置と
を用い、
前記端末装置は、
計測値を要求する計測値要求を前記計測装置へ送信し、
該計測装置は、
受信した計測値要求に基づき計測した供給量の計測値を前記端末装置へ送信し、
該端末装置へ送信した計測値を前記計測値管理装置へ送信し、
前記端末装置は、
受信した計測値を前記中央装置へ送信し、
該中央装置は、
前記端末装置から受信した計測値、及び前記計測値管理装置が前記計測装置から受信した計測値の照合結果に基づき認証処理を行う
ことを特徴とする認証方法。
【請求項2】
中央装置及び端末装置を備え、前記中央装置は、前記端末装置に対する認証処理を行う認証システムにおいて、
供給物の供給量を計測する手段及び計測により得られた計測値を送信する手段を有する計測装置と、
該計測装置から送信された計測値を受信する計測値管理装置と
を更に備え、
前記端末装置は、
計測値を要求する計測値要求を前記計測装置へ送信する手段を備え、
該計測装置は、
受信した計測値要求に基づき計測した供給量の計測値を前記端末装置へ送信する手段と、
該端末装置へ送信した計測値を前記計測値管理装置へ送信する手段と
を備え、
前記端末装置は、更に、
受信した計測値を前記中央装置へ送信する手段を備え、
該中央装置は、
前記端末装置から受信した計測値、及び前記計測値管理装置が前記計測装置から受信した計測値の照合結果に基づき認証処理を行う認証手段を備える
ことを特徴とする認証システム。
【請求項3】
前記中央装置及び計測値管理装置と通信する認証装置を更に備え、
前記計測値管理装置は、更に、
前記計測装置から受信した計測値を認証装置へ送信する手段を備え、
前記中央装置が備える認証手段は、
前記端末装置から受信した計測値を含む認証要求を前記認証装置へ送信する様に構成してあり、
該認証装置は、
前記計測値管理装置から受信した計測値、及び前記端末装置から受信した認証要求に含まれる計測値を照合する手段と、
照合の結果を、認証要求に対する認証結果として前記中央装置へ送信する手段と
を備えることを特徴とする請求項2に記載の認証システム。
【請求項4】
前記計測値管理装置は、更に、
計測値を記録する手段と、
受信した計測値、及び既に記録している計測値に基づいて、受信した計測値の正当性を判定する手段と
を備える
ことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の認証システム。
【請求項5】
複数の計測装置及び計測値管理装置を備え、
夫々の計測装置は、夫々異なる供給物の供給量を計測した計測値を夫々異なる計測値管理装置へ送信する様に構成してあり、
前記中央装置が備える認証手段は、
全ての計測値の照合結果に基づき認証処理を行う様に構成してある
ことを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれかに記載の認証システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−249559(P2007−249559A)
【公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−71628(P2006−71628)
【出願日】平成18年3月15日(2006.3.15)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】