説明

認証機器及びそれを用いた認証システム

【課題】無駄な電力消費を抑える認証機器を提供する。
【解決手段】認証信号の送信を指示する為の指示手段と、
磁気を感知する磁気検出手段と、
上記磁気検出手段からの感知信号に基づき、認証信号を外部電子機器へ送信する送信手段とを有し、
上記指示手段により制御部への電源を供給して、上記磁気検出手段の磁気感知及び上記送信手段の送信動作を可能とし、上記磁気検出手段により磁気感知されると上記送信手段により認証信号を送信し、磁気感知されないと制御部への電源供給を停止する
手段を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、携帯端末へセキュリティデータ(パスワード)等を送信する認証機器、及びそれを用いた認証システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、赤外線通信などの近距離通信機能を有する携帯端末機器が、他の携帯端末機器やコンピュータとのデータのやり取りを、手軽に行えるようになりつつある。
【0003】
例えば、以下の文献では近距離通信を開始する際には、先ず、携帯端末機器を起動し、データ送信指示の待ち受け状態にする。そして、この携帯端末機器を相手先の端末機器と通信可能な位置に置き、相手先端末に設けた磁石等の磁気を感知した場合のみ送信指示により相手先端末へデータを送信することができる機構が開示されている。
【特許文献1】特開2005−311918号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のような送信側の携帯端末機器は、常に制御部は動作状態にあり、相手先端末からの磁気を感知しない場合でも、データ送信指示の待ち受け状態のままである。その為その携帯端末機器の電力が浪費されるという問題があった。
【0005】
特に認証信号を送信する為の極小な機器での電力消費は大きな問題であった。
【0006】
本発明はこのような問題を解決し、認証機器の電力消費を極力少なくすることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、認証機器は、
認証信号の送信を指示する為の指示手段と、
磁気を感知する磁気検出手段と、
上記磁気検出手段からの感知信号に基づき、認証信号を外部電子機器へ送信する送信手段とを有し、
上記指示手段により制御部への電源を供給して、上記磁気検出手段の磁気感知及び上記送信手段の送信動作を可能とし、上記磁気検出手段により磁気感知されると上記送信手段により認証信号を送信し、磁気感知されないと制御部への電源供給を停止する
ことを特徴とする。
【0008】
また、認証機器は、
認証信号の送信を指示する為の指示手段と、
磁気を感知する磁気検出手段と、
上記磁気検出手段からの感知信号に基づき、上記指示手段による指示により認証信号を外部電子機器へ送信する送信手段と、
上記磁気検出手段による感知信号に関係なく、上記認証信号を外部電子機器へ送信可能とする許可手段を有することを特徴とする。
【0009】
また、認証システムは、
認証の為の磁気を発生し、認証信号を受信して動作可能となる電子機器と、
電子機器に向けて認証信号を送信する認証機器と
を用いたシステムにおいて、
上記認証機器は、
認証信号の送信を指示する為の指示手段と、
磁気を感知する磁気検出手段と、
上記磁気検出手段からの感知信号に基づき、認証信号を上記電子機器へ送信する送信手段とを有し、
上記指示手段により制御部への電源を供給して、上記磁気検出手段の磁気感知及び上記送信手段の送信動作を可能とし、上記磁気検出手段により磁気感知されると上記送信手段により認証信号を送信し、磁気感知されないと制御部への電源供給を停止する
ことを特徴とする。
【0010】
また、認証システムは、
認証の為の磁気を発生し、認証信号を受信して動作可能となる電子機器と、
電子機器に向けて認証信号を送信する認証機器と
を用いたシステムにおいて、
上記認証機器は、
認証信号の送信を指示する為の指示手段と、
磁気を感知する磁気検出手段と、
上記磁気検出手段からの感知信号に基づき、上記指示手段による指示により認証信号を上記電子機器へ送信する送信手段と、
上記磁気検出手段による感知信号に関係なく、上記認証信号を上記電子機器へ送信可能とする許可手段を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、認証機器により認証信号の送信指示を行った時、相手端末からの磁気を感知しない場合、認証機器はオフ状態となり、無駄に赤外線等を送信することがないだけでなく、送信指示や磁気検出の待ち受けがないので極力消費電力を削減することができる。
【0012】
また他の発明によれば、磁気が検出され難い遠距離の場合でも、認証機器による認証がとれるようにしたので、送信指示の過度の繰り返しによる電力消費を防止でき、かつ遠近でのユーザーの利用環境に応じた操作性の向上ができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
(第1の実施形態)
以下に、本発明における一実施の形態について、図1〜図7を参照にして詳細に説明する。本発明は、携帯用電子機器に適用できるが、以下では、好適な実施の形態として、各種データを収集するハンディターミナル等の携帯用電子機器の動作を可能とするパスワードを赤外線で電子機器へ送信するセキュリティ認証機器について説明する。
【0014】
尚、以下ではセキュリティ認証専用の機器が示されているが、この形態に限定されるものではなく、例えば、携帯電話に内蔵されたセキュリティ認証機器の場合でも良い。
【0015】
先ず、図1は、本発明の一実施の形態であるセキュリティ認証機器の外観図である。
【0016】
図2(a)は、本発明の一実施の形態である携帯用電子機器の外観図であり、図2(b)は、同携帯用電子機器を1側面から見た外観図である。
【0017】
図3は、図1に示すセキュリティ認証機器の電気的構成を説明する概略機能ブロック図である。
【0018】
図4は、図2に示す携帯用電子機器の電気的構成を説明する概略機能ブロック図である。
【0019】
図5は、図1に示すセキュリティ認証機器の赤外線通信部の電気的構成を説明する概略機能ブロック図である。
【0020】
図6は、図2に示す携帯用電子機器の赤外線通信部の電気的構成を説明する概略機能ブロック図である。
【0021】
図7は、本発明の実施形態の一例であるセキュリティ認証機器と携帯用電子機器により構成されるセキュリティ認証システムの動作の一例を示すフローチャートである。
【0022】
図1に示すように、セキュリティ認証機器101の筐体中央には、送信ボタン102が配置されている。筐体内には赤外線の発光部103及び磁気センサ104が配置されている。そして、発光部103及び磁気センサ104は、その側面から露出され、配置されている。
【0023】
筐体の側面は、手に握った状態で送信ボタン102を押下するよう、外部へと露出する側面である。つまり、赤外線の発光部103は、赤外線信号の送信方向が一定になる位置に設けられる。この構造により、相手通信先の赤外線通信部とセキュリティ認証機器101の発光部103とを対向させることができる。
【0024】
なお、本実施例では、磁気検出のために磁気センサとして磁気抵抗効果素子を用いているが、ホール素子等を用いる事もできる。
【0025】
図2に示すように、携帯用電子機器201には表示部202が配置されている。表示部202の下方には入力部203が配置されている。入力部203には電源投入するための電源ボタン204、数字入力及び文字入力を行うためのテンキー205、十字キー206等から構成されている。携帯用電子機器201の筐体内には赤外線の発光部207及び磁気発生部209が配置されている。
【0026】
なお、磁気発生部は、永久磁石を用いるのが好ましいが、これに限定するものではない。例えば、電磁石などを用いる事もできる。
【0027】
図3に示すように、セキュリティ認証機器101は、主に、システム部301、制御部302(中央演算処理部)、電源部303、電源制御部304、記憶部305(メモリ)、バス306、赤外線通信部308等を備えている。
【0028】
制御部302はセキュリティ認証機器101の制御を司り、電源部303はシステム部301に対してあらかじめ設定された電源を供給する。記憶部305(メモリ)は、後述する処理に対応したプログラムや、固有の認証データを格納し、EEPROMなどで構成される。バッテリー307は、二次電池等により構成され、セキュリティ認証機器101に電源を供給する。赤外線通信部308は赤外LEDなどで構成される。送信ボタン102は、データ送信及び、本体電源をオン・オフする一連の動作のスタートとなる。
【0029】
制御部302は、セキュリティ認証機器101を構成する各部位の動作を制御する。例えば、CPUとしてのマイクロプロセッサを含み、メモリのプログラムやデータを読み出して、各処理を行う。
【0030】
信号変換部309は、電気信号を赤外線信号に変換するためのエンコーダ502(図5参照)から構成されている。尚、詳細は図5を用いて後述する。
【0031】
赤外線通信部308は、発光部103を有しており、例えば、発光部103は赤外線LEDである。赤外線通信部308は、赤外線通信時には、赤外線LEDを発光させることで、相手通信先に赤外線信号を送信する。
【0032】
電源部303は、電源制御部304の制御により、信号変換部309、赤外線通信部308に対して、電源供給を行う。
【0033】
電源制御部304は、制御部302の制御信号に基づき、信号変換部309、赤外線通信部308への電源部303からの電源供給を制御する。
【0034】
尚、本実施の形態では、送信ボタン102は本発明の指示手段に対応し、磁気センサ104は本発明の磁気検出手段に対応し、制御部302は本発明の制御部に対応する。
【0035】
但し、本実施の形態は本発明の一実施形態を例示したものであり、指示手段、磁気検出手段、制御部は上述した用途及び機能を果たせば良く、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の応用が可能であり、本発明が本実施の形態に限定されないことはいうまでもない。
【0036】
制御部302内の情報処理部504は、図5に示すように、送信ボタン102が押下されると、電源制御部304を制御し、信号変換部309、赤外線通信部308へ電源部303からの電源供給を開始させる。そして、ON信号を受信すると、信号変換部309のエンコーダ502は、情報処理部504から送信された電気信号を赤外線信号に変換する。そして、赤外線通信部308の発光部103は、赤外線LEDを発光させることで、相手通信先に赤外線信号を送信する。
【0037】
図4に示すように、携帯用電子機器201は、主に、システム部401、制御部402(中央演算処理部)、主記憶部403(メモリ)、補助記憶部404、表示部202、電源部406、電源制御部408、入力部203、バス409、赤外線通信部412、認証処理部405、電源ボタン204等を備えている。
【0038】
制御部402は携帯用電子機器201の制御を司る。主記憶部403はアプリケーションプログラムやデータを格納しDRAMやSRAMなどで構成される。表示部202は文字などを表示する。補助記憶部404はメモリカードやハードディスクなどのファイルを読み書きする。入力部203はキーボードやタッチパネルなどのデータを入力する。
【0039】
また、メインバッテリー410は、二次電池等により構成され、携帯用電子機器201本体に電源を供給する。サブバッテリー411はメインバッテリー410からの供給が無い場合にバックアップ用電源としての供給源となる。
【0040】
電源部406はシステム部401に対してあらかじめ設定された電源を供給する。電源供給ラインは携帯用電子機器201本体の電源がオンされている場合にシステム部401に所定の電圧を供給する。電源ボタン204は携帯用電子機器201本体の電源をオン・オフする。
【0041】
赤外線通信部412はフォトカプラなどで構成される。認証処理部405は、予め主記憶部403に登録された認証データと、外部通信機器から送信される認証データの照合を行う。
【0042】
図4及び図6において、制御部402は、携帯用電子機器201を構成する各部位の動作を制御する。そして、制御部402は、例えば、CPUとしてのマイクロプロセッサを含んでいる。CPUは、主記憶部403に格納されている、図7の右フローのプログラムを実行する。
【0043】
信号変換部407は、電気信号を赤外線信号に変換するためのエンコーダ602(図6参照)と、赤外線信号を電気信号へと変換するためのデコーダ603(図6参照)とから構成されている。尚、詳細は図6を用いて後述する。
【0044】
赤外線通信部412は、受光部208と発光部207とを有しており、例えば、受光部208はフォトダイオードであり、発光部207は赤外線LEDである。赤外線通信部412は、赤外線通信時には、赤外線LEDを発光させることで、相手通信先に赤外線信号を送信する。また、相手通信先が送信する赤外線信号をフォトダイオードを介して受信する。
【0045】
電源部406は、電源制御部408の制御により、信号変換部407、赤外線通信部412に対して、電源供給を行う。また、種々のアプリケーション等に対しても、電源供給を行う。
【0046】
電源制御部408は、制御部402の制御信号に基づき、信号変換部407、赤外線通信部412への電源部406からの電源供給を制御する。
【0047】
主記憶部403は、読み出し及び書き込み可能なRAMから構成される。また、図4に示していないが、セキュリティ認証機器101には、読み出し専用であるROMもあり、出荷時に、予め設定された画像データ、音声データ等が保存されている。バス409は、システムにおけるデータバス、制御信号バスとして用いられる。
【0048】
尚、本実施の形態では、磁気発生部209は磁気発生手段に対応し、赤外線通信部412は通信手段に対応する。
【0049】
但し、本実施の形態は本発明の一実施形態を例示したものであり、本発明の磁気発生手段、通信手段は上述した用途及び機能を果たせば良く、本発明が本実施の形態に限定されない。
【0050】
図6に示すように、制御部402内の情報処理部605は、電源ボタン204のオンにより、電源制御部408を制御し、信号変換部407、赤外線通信部412へ電源部406からの電源供給を開始させる。
【0051】
赤外線通信部412の受光部208は、相手通信先が送信する赤外線信号を受信する。そして、信号変換部407のデコーダ603は、入力された赤外線信号を電気信号へと変換し、当該電気信号を情報処理部605へと送信する。
【0052】
次に、図7は、本実施の形態のセキュリティ認証機器101と赤外線通信機能を有する携帯用電子機器201との通信システムについての制御フローチャートである。
【0053】
まず、セキュリティ認証機器における赤外線通信の動作制御を説明する。図に示すように、使用者が、セキュリティ認証機器101の送信ボタン102を押下すると(ステップS703)、セキュリティ認証機器101はオン状態となる。すなわち、制御部302の電源が入り、フローチャートの処理を開始する。
【0054】
そして、磁気センサ104、信号変換部309、赤外線通信部308他へ電源部303からの電源供給を開始する(ステップS704)。
【0055】
この状態において、セキュリティ認証機器101の磁気センサ104が外部からの磁気を感知すると(ステップS705のYES)、制御部内の情報処理部504では、磁気センサ104からのON信号を受信する。
【0056】
情報処理部504は、信号変換部309を制御し、発光部103を介して、赤外線信号を送信する(ステップS706)。赤外線通信を終了後(ステップS714)、制御部302、信号変換部309、赤外線通信部308他へ電源部303からの電源供給を終了させ(ステップS715)、セキュリティ認証機器101はオフ状態となる。
【0057】
磁気センサ104が外部からの磁気を感知しない場合は(ステップS705のNO)、制御部302、信号変換部309、赤外線通信部308他へ電源部303からの電源供給を終了させ(ステップS715)、セキュリティ認証機器101はオフ状態となる。
【0058】
このように、磁気を感知しない場合、制御部の電力は絶たれるので、その分の節電ができる。
【0059】
次に、セキュリティ認証機器101と、携帯用電子機器201との通信システムについて図7を用いて説明する。
【0060】
図2に示すように、携帯用電子機器201には、磁気発生部209、赤外線の受光部208、発光部207が配置されている。そして、受光部208では、セキュリティ認証機器101の発光部103から送信する赤外線信号を受信する。
【0061】
図7に示すように、携帯用電子機器201では、先ず使用者は、携帯用電子機器201電源ボタン204を押下すると(ステップS701)、携帯用電子機器201は待ち受け状態となる(ステップS702)。
【0062】
そして、セキュリティ認証機器101からの認証データを受信すると(ステップS707)、認証処理部405において、主記憶部403に予め登録済みのデータと照合する(ステップS708)。
【0063】
なお、待ち受け状態から認証照合終了まで、表示部202には、認証画面が表示されている。認証データと本体登録済みデータが一致した場合は(ステップS709のYES)、認証画面を消去し(ステップS712)、各種アプリケーションを起動する(ステップS713)。
【0064】
なお、フローチャート上はENDと図示するが、実際は携帯用電子機器の種々機能を利用する操作へと移行する。
【0065】
認証データと主記憶部403に登録済みの認証データが異なる場合は(ステップS709のNO)、認証試行回数が設定回数未満であれば(ステップS710のYES)、受信待機状態に戻る(ステップS702)。
【0066】
認証試行回数が設定回数以上であれば(ステップS710のNO)、携帯用電子機器はサスペンド状態へ移行する(ステップS711)。
【0067】
また、図7に示すフローチャートにおいて、ステップS706、S707でのセキュリティ認証機器101と携帯用電子機器201との間の矢印は、両者での赤外線送信を意味する。
【0068】
上述したように、本実施の形態では、携帯用電子機器201の待ち受け状態において、セキュリティ認証機器101の送信ボタン102を押下すると、制御部302の電源が入り、セキュリティ認証機器101はオン状態となる。
【0069】
そして、電源部303から、磁気センサ104、信号変換部309、赤外線通信部308へ電源供給される。
【0070】
この状態において、セキュリティ認証機器101の磁気センサ104が外部からの磁気を感知すると、制御部内の情報処理部504では、磁気センサ104からのON信号を受信する。
【0071】
情報処理部504は、信号変換部309を制御し発光部103を介して、携帯用電子機器201へ赤外線送信を行う。
【0072】
つまり、本実施の形態では、磁気センサ104が、外部からの磁気を検出しない場合には、セキュリティ認証機器101は赤外線送信を開始せず、オフ状態にする。
【0073】
つまり、この機構によりセキュリティ認証機器101の磁気感知における待ち受け状態を回避でき、特に、二次電池等によって構成された電源での消費電力の低減を実現できる。
【0074】
なお、本実施の形態では、セキュリティ認証機器から外部電子機器への認証は、赤外線通信の場合について説明したが、この場合に限定するものではなく、例えば超音波による認証も可能である。
【0075】
また、本実施の形態では、使用者は、セキュリティ認証機器101を相手通信先の磁石及び赤外線受発光部に向けて送信ボタン102を押下することで、赤外線通信を開始することができる。この通信システムにより、使用者は、セキュリティ認証機器側での赤外線通信において確実に認証作業を行うことができる。
【0076】
また、本実施の形態では、セキュリティ認証機器による携帯用電子機器201への認証試行回数が設定回数以上であれば、携帯用電子機器をサスペンド状態へ移行させる。この通信システムより、使用者は、より確実なセキュリティ認証を行う事ができる。
【0077】
(第2の実施形態)
本実施例は、セキュリティ認証機器が磁気感知できない距離であっても、電子機器に対して認証がとれるようにして、電力節約とともに操作性を向上したものである。
【0078】
以下に、本発明における一実施の形態について、図8〜図10を参照にして詳細に説明する。
【0079】
先ず、図8は、本発明の実施形態の他の一例であるセキュリティ認証機器の電気的構成を説明する概略機能ブロック図である。
【0080】
図9は、図8に示すセキュリティ認証機器の動作の一例を示すフローチャートである。
【0081】
図10は、セキュリティ認証機器の磁気検出有効・無効の動作の一例を示すフローチャートである。
【0082】
図8に示すセキュリティ認証機器101は、主に、システム部301、制御部302(中央演算処理部)、電源部303、電源制御部304、記憶部305(メモリ)、カウンタ801、バス306等を備えている。
【0083】
制御部302はセキュリティ認証機器101の制御を司る。記憶部305(メモリ)は固有の認証データを格納しEEPROMなどで構成される。また、バッテリー307は、二次電池等により構成され、セキュリティ認証機器101に電源を供給する。
【0084】
送信ボタン102は、データ送信及び、本体電源をオン・オフまでの一連の動作のスタートとなる。電源部303は制御部302に対して、あらかじめ設定された電源を供給するが、これに限定されず、赤外線通信部、信号変換部等図7と同様に全てのシステムに電源供給される構成も可能である。
【0085】
制御部302は、セキュリティ認証機器101を構成する各部位の動作を制御する。カウンタ801は送信ボタン102が押下されている時間をカウントする。そして、制御部302は、例えば、CPUとしてのマイクロプロセッサを含んでおり、記憶部305に格納される後述する処理に対応したプログラムを呼び出し、処理を実行する。
【0086】
信号変換部309、電源部303、電源制御部304は、制御部302、制御部302内の情報処理部504は、図3と同様のものである。
【0087】
次に、図9はセキュリティ認証機器における赤外線通信の動作制御を説明するフローチャートである。ここで、送信ボタンが予め登録された時間以上押下される事により、磁気センサ104による磁気検出機能の有効、無効の切り替えが行われる。なお、詳細は図10を用いて後述する。
【0088】
使用者が、セキュリティ認証機器101の送信ボタン102を押下すると(ステップS901のYES)、セキュリティ認証機器101はオン状態となる。この状態において、磁気検出部が無効に設定されていれば(ステップS902のYES)、情報処理部504は、信号変換部309、赤外線通信部308へ電源部303からの電源供給を開始する(ステップS904)。
【0089】
情報処理部504は、信号変換部309を制御し、発光部103を介して、赤外線信号を送信する(ステップS905)。そして、情報処理部504は、電源制御部304を制御し、信号変換部309、赤外線通信部308へ電源部303からの電源供給を終了させ(ステップS906)、赤外線通信を終了し(ステップS907)セキュリティ認証機器101はオフ状態となる。
【0090】
セキュリティ認証機器101の送信ボタン102が押下されない(ステップS901のNO)場合、押下されているかどうかの判断を繰り返す。
【0091】
一方、磁気検出部が有効に設定され(ステップS902のNO)、さらに、セキュリティ認証機器101の磁気センサ104が外部からの磁気を検出すると(ステップS903のYES)、制御部内の情報処理部504では、磁気センサ104からのON信号を受信する。
【0092】
情報処理部504は、信号変換部309、赤外線通信部308へ電源部303からの電源供給を開始する(ステップS904)。情報処理部504は、信号変換部309を制御し、発光部103を介して、赤外線信号を送信する(ステップS905)。
【0093】
そして、情報処理部504は、電源制御部304を制御し、信号変換部309、赤外線通信部308へ電源部303からの電源供給を終了させ(ステップS906)、赤外線通信が終了し(ステップS907)セキュリティ認証機器101はオフ状態となる。
【0094】
また、磁気検出部が有効に設定され(ステップS902のNO)、さらに、セキュリティ認証機器101の磁気センサ104が外部からの磁気を検出しない場合は(ステップS903のNO)、処理を終了し、セキュリティ認証機器101はオフ状態となる。
【0095】
次に、図10は、セキュリティ認証機器の磁気有効・無効設定の動作の一例を示すフローチャートである。本発明の送信指示の許可手段に対応する。
【0096】
使用者が、セキュリティ認証機器101の送信ボタン102を押下すると(ステップS901のYES)、カウンタ801は、送信ボタンが押下されている時間をカウントする(ステップS1002)。
【0097】
押下時間が予め登録された時間以上であれば(ステップS1003のYES)、磁気検出部は無効に設定される(ステップS1004)。押下時間が予め登録された時間以下であれば(ステップS1003のNO)、磁気検出部は有効に設定される(ステップS1005)。
【0098】
また、本実施の形態は、送信ボタンが押下されている時間で磁気検出部の有効、無効の設定を行ったが、この場合に限定するものではなく、例えば、所定時間内における押下回数と、予め定められた設定回数とを比較し、設定回数以上であれば無効の設定を適用することも可能である。
【0099】
また、認証機器に有効、無効の切換スイッチを設けることも可能である。
【0100】
上述したように、本実施の形態では、磁気が検出されない遠距離の場合は無効に設定し、磁気が検出されやすい近距離の場合は有効に設定するので、認証機器が近距離にないにもかかわらず、送信指示の繰り返しを続けることによる電力消費を防止でき、更にユーザーの利用環境に応じた操作性の向上ができる。
【0101】
尚、本実施の形態では、セキュリティ認証機器の赤外線通信による近距離通信の場合について説明したが、本発明は、例えばBluetooth(商標)や無線LANなどの通信方法を用いる場合にも適用することができる。
【0102】
また、本実施の形態では、携帯用電子機器を用いたセキュリティ認証システムの場合について説明したが、例えば、卓上情報処理装置、画像読取装置などに用いたセキュリティ認証システムにも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0103】
【図1】本発明の実施の形態の一例であるセキュリティ認証機器の外観図である。
【図2】本発明の実施の形態の一例である携帯用電子機器の外観図である。
【図3】図1に示すセキュリティ認証機器の電気的構成を説明する概略機能ブロック図である。
【図4】図2に示す携帯用電子機器の電気的構成を説明する概略機能ブロック図である。
【図5】図1に示すセキュリティ認証機器の赤外線通信部の電気的構成を説明する概略機能ブロック図である。
【図6】図2に示す携帯用電子機器の赤外線通信部の電気的構成を説明する概略機能ブロック図である。
【図7】本発明の実施形態の一例であるセキュリティ認証機器と携帯用電子機器により構成されるセキュリティ認証システムの動作の一例を示すフローチャートである。
【図8】本発明の実施形態の他の一例であるセキュリティ認証機器の電気的構成を説明する概略機能ブロック図である。
【図9】図8に示すセキュリティ認証機器の動作の一例を示すフローチャートである。
【図10】図9に示すセキュリティ認証機器の磁気有効・無効設定の動作の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0104】
101 セキュリティ認証機器
102 送信ボタン
103 赤外線の発光部
104 磁気センサ
201 携帯用電子機器
209 磁気発生部
303 電源部
304 電源制御部
307 バッテリー
308 赤外線通信部
406 電源部
408 電源制御部
801 カウンタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
認証信号の送信を指示する為の指示手段と、
磁気を感知する磁気検出手段と、
上記磁気検出手段からの感知信号に基づき、認証信号を外部電子機器へ送信する送信手段とを有し、
上記指示手段により制御部への電源を供給して、上記磁気検出手段の磁気感知及び上記送信手段の送信動作を可能とし、上記磁気検出手段により磁気感知されると上記送信手段により認証信号を送信し、磁気感知されないと制御部への電源供給を停止する
ことを特徴とする認証機器。
【請求項2】
認証信号の送信を指示する為の指示手段と、
磁気を感知する磁気検出手段と、
上記磁気検出手段からの感知信号に基づき、上記指示手段による指示により認証信号を外部電子機器へ送信する送信手段と、
上記磁気検出手段による感知信号に関係なく、上記認証信号を外部電子機器へ送信可能とする許可手段を有することを特徴とする認証機器。
【請求項3】
上記許可手段は、上記指示手段による指示動作の状態判定により、上記認証信号を送信することを特徴とする請求項2に記載の認証機器。
【請求項4】
認証の為の磁気を発生し、認証信号を受信して動作可能となる電子機器と、
電子機器に向けて認証信号を送信する認証機器と
を用いたシステムにおいて、
上記認証機器は、
認証信号の送信を指示する為の指示手段と、
磁気を感知する磁気検出手段と、
上記磁気検出手段からの感知信号に基づき、認証信号を上記電子機器へ送信する送信手段とを有し、
上記指示手段により制御部への電源を供給して、上記磁気検出手段の磁気感知及び上記送信手段の送信動作を可能とし、上記磁気検出手段により磁気感知されると上記送信手段により認証信号を送信し、磁気感知されないと制御部への電源供給を停止する
ことを特徴とする認証システム。
【請求項5】
認証の為の磁気を発生し、認証信号を受信して動作可能となる電子機器と、
電子機器に向けて認証信号を送信する認証機器と
を用いたシステムにおいて、
上記認証機器は、
認証信号の送信を指示する為の指示手段と、
磁気を感知する磁気検出手段と、
上記磁気検出手段からの感知信号に基づき、上記指示手段による指示により認証信号を上記電子機器へ送信する送信手段と、
上記磁気検出手段による感知信号に関係なく、上記認証信号を上記電子機器へ送信可能とする許可手段を有することを特徴とする認証システム。
【請求項6】
上記許可手段は、上記指示手段による指示動作の状態判定により、上記認証信号を送信することを特徴とする請求項5に記載の認証システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−53967(P2009−53967A)
【公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−220491(P2007−220491)
【出願日】平成19年8月28日(2007.8.28)
【出願人】(000104652)キヤノン電子株式会社 (876)
【Fターム(参考)】