説明

認証装置、認証システム、および認証プログラム

【課題】人為的なミスによる取り違え発生を回避することができる認証装置、認証システム、認証プログラムを提供する。
【解決手段】複数人それぞれについて体の部位の静脈パターンを読み取る第1の読取部と、上記第1の読取部によって読み取られた複数の静脈パターンを表す認証用パターンデータを作成するパターンデータ作成部と、上記パターンデータ作成部によって作成された認証用パターンデータを所定の登録場所に登録するデータ登録部と、被認証者について上記部位の静脈パターンを読み取る第2の読取部と、上記第2の読取部によって読み取られた静脈パターンを、上記データ登録部によって登録された認証用パターンデータに含まれる静脈パターンと照合することでその被認証者の認証を行う認証部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、静脈パターンに基づいて認証を行う認証装置、認証システム、およびコンピュータシステムにそのような認証を行わせる認証プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
産院内では、産児がどの親の子供であるかを取り違えないために管理を行っているが、現状の産児の管理は、せいぜい、ネームバンドやネームタグなどを産児に付ける程度であり、ネームバンドが脱落した場合のミスなどにより、人為的な取り違えの発生が否定できない。また、万が一取り違えミスの疑いが発生した場合には、確かに実の親子であるかを出産後証明することが非常に困難である。
【0003】
このような現状に対し、個人を認証する技術の一種である静脈認証技術を利用し、産児と産婦とのそれぞれについて手のひらの静脈パターンを出生時に読み取っておいて後日の認証に用いることが考えられている(例えば特許文献1参照)。これにより、ネームバンドの脱落などといった事故がなくなり、取り違えミスの発生は抑制されると期待される。
【特許文献1】特開2005−176962号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載された技術のように、従来の静脈認証技術をそのまま流用したのでは、産児の静脈パターンと産婦の静脈パターンとを組み合わせるときに操作ミスなどによって取り違えが発生してしまう可能性は否定できない。
【0005】
本発明は上記事情に鑑み、人為的なミスによる取り違え発生を回避することができる認証装置、認証システム、および認証プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成する本発明の認証装置は、
静脈パターンに基づいた認証を行う認証装置において、
複数人それぞれについて体の部位の静脈パターンを読み取る第1の読取部と、
上記第1の読取部によって読み取られた複数の静脈パターンを表す認証用パターンデータを作成するパターンデータ作成部と、
上記パターンデータ作成部によって作成された認証用パターンデータを所定の登録場所に登録するデータ登録部と、
被認証者について上記部位の静脈パターンを読み取る第2の読取部と、
上記第2の読取部によって読み取られた静脈パターンを、上記データ登録部によって登録された認証用パターンデータに含まれる静脈パターンと照合することでその被認証者の認証を行う認証部とを備えたことを特徴とする。
【0007】
本発明の典型的な運用形態では上記複数人は母子であり、特に出生直後の産児と産婦であることが好ましい。
【0008】
出生直後には母子が揃っているので、このときに母子について同時に静脈パターンを読み取り認証用パターンデータを作成することによって確実に母子の静脈パターンを対応づけることができる。その後は、例え氏名の入力ミスなどが生じたとしても、静脈パターンに基づいて母子の正しい対応を確認することができるので、入力ミスを是正することができ、取り違えは発生しない。
【0009】
また、本発明の認証装置において、上記第1の読取部および上記第2の読取部は、手のひらの静脈パターンを読み取るものであることが好適である。
【0010】
個人認証に用いることができる静脈パターンとしては、足の裏の静脈パターンや顔の静脈パターンなども考えられるが、手のひらの静脈パターンであると、読み取りのために靴を脱ぐというような準備が不要であるし、読み取られる人間の抵抗感も少ないので好ましい。
【0011】
また、本発明の認証装置において、上記認証部が、静脈パターンの照合時にパターンの大きさは捨象して形状のみで照合するものであることが好ましい。
【0012】
手などの大きさは成長によって変化するが静脈パターンの形状は変化しないことが知られており、パターンの大きさは捨象して形状のみで照合することによって、認証用パターンデータの登録から時間を経ても認証が可能となる。
【0013】
また、本発明の認証装置においては、同時に読み取った複数の静脈パターンを自動的に関連づけて認証用パターンデータを作成してもよいが、
「 上記第1の読取部が、上記複数人の上記部位を並べることができる広さの読取領域を有し、その読取領域内にそれらの部位が並んだ状態でその読取領域を読み取ることで、複数の静脈パターンが並んだ1つのパターン画像を得るものであり、
上記パターンデータ作成部が、上記パターン画像を表す認証用パターンデータを作成するものであり、
上記認証部が、上記認証用パターンデータが表すパターン画像から各静脈パターンを識別して認証に用いるものである」
という形態の方が好適である。
【0014】
このような好適な形態の認証装置によれば、複数人(典型的には母子)の静脈パターンが1つのパターン画像として対応付けられるので確実な対応付けが実現する。
【0015】
また、本発明の認証装置において、
「 ICカードが装填されて、そのICカードにアクセスするリーダライタを備え、
上記データ登録部が、上記リーダライタに装填されたICカードを上記登録場所として用いて上記認証用パターンデータを登録するものである」
という形態も好適である。例えば母子などに付与されたICカードに認証用パターンデータが登録されることにより個人情報を個人で管理することができる。
【0016】
上記目的を達成する本発明の認証システムは、
静脈パターンに基づいた認証を行う、複数の装置からなる認証システムにおいて、
複数人それぞれについて体の部位の静脈パターンを読み取る第1の読取部と、
上記第1の読取部によって読み取られた複数の静脈パターンを表す認証用パターンデータを作成するパターンデータ作成部と、
上記パターンデータ作成部によって作成された認証用パターンデータを所定の登録場所に登録するデータ登録部と、
被認証者について上記部位の静脈パターンを読み取る第2の読取部と、
上記第2の読取部によって読み取られた静脈パターンを、上記データ登録部によって登録された認証用パターンデータに含まれる静脈パターンと照合することでその被認証者の認証を行う認証部とを備えたことを特徴とする。
【0017】
本発明の認証システムによれば、複数人(典型的には母子)それぞれの静脈パターンが確実に対応付けられるので、単純なミスによる取り違え発生を回避することができる。
【0018】
また、上記目的を達成する本発明の認証プログラムは、
コンピュータシステムに組み込まれてそのコンピュータシステムに、静脈パターンに基づいた認証を行わせる認証プログラムにおいて、
上記コンピュータシステム上に、
複数人それぞれについて体の部位の静脈パターンを読み取る第1の読取部と、
上記第1の読取部によって読み取られた複数の静脈パターンを表す認証用パターンデータを作成するパターンデータ作成部と、
上記パターンデータ作成部によって作成された認証用パターンデータを所定の登録場所に登録するデータ登録部と、
被認証者について上記部位の静脈パターンを読み取る第2の読取部と、
上記第2の読取部によって読み取られた静脈パターンを、上記データ登録部によって登録された認証用パターンデータに含まれる静脈パターンと照合することでその被認証者の認証を行う認証部とを構築することを特徴とする。
【0019】
本発明の認証プログラムによれば、コンピュータシステムによって複数人(典型的には母子)それぞれの静脈パターンが確実に対応付けられるので、単純なミスによる取り違え発生を回避することができる。
【0020】
なお、本発明の認証システムおよび認証プログラムについては、ここではその基本形態のみを示すのにとどめるが、これは単に重複を避けるためであり、本発明にいう認証システムおよび認証プログラムには、上記の基本形態のみではなく、前述した認証装置の各形態に対応する各種の形態が含まれる。
【0021】
また、本発明の認証プログラムが組み込まれるコンピュータシステムは、1台のコンピュータと周辺機器からなるものであってもよく、あるいは複数台のコンピュータを含むものであってもよい。
【0022】
さらに、本発明の認証プログラムがコンピュータ上に構成するパターンデータ作成部などといった要素は、1つの要素が1つのプログラム部品によって構築されるものであってもよく、1つの要素が複数のプログラム部品によって構築されるものであってもよく、複数の要素が1つのプログラム部品によって構築されるものであってもよい。また、これらの要素は、そのような作用を自分自身で実行するものとして構築されてもよく、あるいは、コンピュータに組み込まれている他のプログラムやプログラム部品に指示を与えて実行するものとして構築されても良い。
【発明の効果】
【0023】
以上説明したように、本発明によれば、単純なミスによる取り違え発生を回避することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0025】
図1は、本発明の認証システムの一実施形態を示す図である。
【0026】
この図1に示す認証システム10は、産院内に設置されたシステムであり、母子(産婦と産児)の認証を行うものである。
【0027】
この認証システム10は、クライアント100がサーバ200にLAN(Local Area Network)300を介して接続されたクライアントサーバシステムによって構成されている。クライアント100にはスキャナ400とICカードリーダライタ500が接続されている。スキャナ400は人(個々では母子)の手のひらの静脈パターンを読み取るものであり、ICカードリーダライタ500は、ICカード510が装填されてそのICカード510にアクセスするものである。このICカード510には静脈パターンが登録される。
【0028】
ここで、クライアント100は、本発明の認証装置の一実施形態に相当しており、静脈パターンに基づいた母子の認証を行う。クライアント100は、外観構成としては、CPU、主記憶装置、ハードディスク、通信用ボード等が内蔵された本体101、この本体101からの指示により画面や文字列の表示を行うディスプレイ102、このコンピュータシステム100にユーザの指示や文字情報を入力するためのキーボード103、上記表示画面102a上の任意の位置を指定することにより、その指定時にその位置に表示されていたアイコン等に応じた指示を入力するマウス104を備えている。
【0029】
本体101には、CD−ROM105(図1には図示せず;図2参照)やCD−RやCD−RWなどといったCD型媒体が取り出し自在に装填され、そのように装填されたCD型媒体に記憶された情報を再生するCDドライブが内蔵されている。また、本体101には、光磁気ディスク(MO)106(図2参照)が取り出し自在に装填され、そのように装填されたMO106に対し情報の記録再生を行うMOドライブも内蔵されている。
【0030】
サーバ200は、多数の静脈パターンの登録と検索を担うものであり、外観構成上、クライアント100の本体101に相当する部分のみで構成されている。
【0031】
図2は、図1に示すクライアント100のハードウェア構成図であり、図3は、図1に示すサーバ200のハードウェア構成図である。
【0032】
図2および図3のハードウェア構成図の双方に、CPU(中央演算処理装置)111、RAM112、HDD(ハードディスクドライブ)113、MOドライブ114、CDドライブ115、および通信用ボード116が示されており、それらはバス110で相互に接続されている。
【0033】
HDD113は、記録媒体の一種であるハードディスク120を内蔵しており、このハードディスク120に対し情報の記録再生を行う。
【0034】
通信用ボード116は、図1に示すLAN300に接続される。図1に示すクライアント100とサーバ200は、この通信用ボード116を介して接続されるLAN300によって互いの間でデータや命令の送受信を行うことができる。
【0035】
また、図2には、図示しない複数のI/Oインターフェースそれぞれを介してバス110に接続された、マウス104、キーボード103、CRTディスプレイ102、スキャナ400、およびICカードリーダライタ500が示されている。
【0036】
本実施形態では、CD−ROM105に、本発明の認証プログラムの一実施形態が記憶されている。このCD−ROM105は本体101内に装填され、そのCD−ROM105に記憶された認証プログラムがCD−ROMドライブ115によって読み込まれ、バス110を経由してハードディスク120内にインストールされる。
【0037】
このハードディスク120内にインストールされた認証プログラムが起動されると、このハードディスク120内の認証プログラムはRAM112にロードされ、CPU111により実行される。本発明の認証プログラムの一実施形態が起動されて実行されると、クライアント100は、本発明の認証装置の一実施形態として動作する。つまり、コンピュータシステムの一種であるクライアント100と、本発明の認証プログラムの一実施形態とが結合することにより、本発明の認証装置の一実施形態が構成される。
【0038】
図4は、本発明の認証プログラムおよび認証装置それぞれの一実施形態を表す図である。
【0039】
図4の上段のパート(A)には、認証プログラム600を記憶したCD−ROM105が示されている。ここでは、認証プログラムを記憶する記憶媒体としてCD−ROM105が例示されているが、本発明の認証プログラムを記憶する記憶媒体はCD−ROMに限られるものではなく、それ以外の光ディスク、MO、フレキシブルディスク、磁気テープなどの記憶媒体であってもよい。また、本発明の認証プログラムは、記憶媒体を介さずに、通信網を介して直接にコンピュータシステムに供給されるものであってもよい。
【0040】
この認証プログラム600は、図1に示すクライアント100内で実行され、そのクライアント100を、静脈パターンを用いて認証を行う認証装置として動作させるものであり、読取部610とデータ作成部620と登録部630と認証部640とを有する。
【0041】
図4の下段のパート(B)には、認証プログラム600が実行されることで図1に示すクライアント100が認証装置として動作するときのその認証装置700の機能ブロックが示されている。
【0042】
この認証装置700は、図4のパート(A)に示す認証プログラム600が、図1に示すクライアント100にインストールされて実行されることにより構成されるものである。
【0043】
この認証装置700は読取部710とデータ作成部720と登録部730と認証部740とから構成されている。これら読取部710、データ作成部720、登録部730、および認証部740は、認証プログラム600を構成する、読取部610、データ作成部620、登録部630、および認証部640にそれぞれ対応するが、認証装置700の各要素は、図1に示すクライアント100のハードウェアとそのクライアントで実行されるOSやアプリケーションプログラムとの組合せで構成されているのに対し、認証プログラム600の各要素はそれらのうちのアプリケーションプログラムのみにより構成されている点が異なる。
【0044】
認証装置700を構成する読取部710は、本発明にいう第1の読取部と第2の読取部とを兼ねた一例に相当し、データ作成部720は、本発明にいうパターンデータ作成部の一例に相当し、登録部730は、本発明にいうデータ登録部の一例に相当し、認証部740は、本発明にいう認証部の一例に相当する。
【0045】
ここで、図1と図4を参照しながら、認証装置700の各要素の概略を説明する。
【0046】
読取部710は、スキャナ400を制御して手のひらの静脈パターンを読み取るものである。スキャナ400の読取領域は十分に広く、後述するように読取部710は母子のペアの手のひら静脈パターンを一度に読み取ることができる。
【0047】
データ作成部720は、読取部710によって読み取られた静脈パターンを使って、認証用の静脈パターンデータを作成するものである。この静脈パターンデータには、後述するように属性情報が付属するので、このデータ作成部720は、キーボード103やマウス104を介して属性情報の入力を受け付ける機能も有している。
【0048】
登録部730は、データ作成部720で作成された静脈パターンデータをICカード510やサーバ200に登録するものである。
【0049】
認証部740は、静脈パターンを照合することによって母子の認証を行うものである。なお、図1に示す認証システム10では、サーバ200にも、静脈パターンの照合機能が組み込まれており、サーバ200も、本発明にいう認証部の一例に相当する。
【0050】
認証装置700の各要素の概略は以上の通りである。以下では、認証システム10の動作の詳細について、フローチャートなどを参照しながら説明する。また、以下の説明では、図4に示す要素については図番を特に断らずに符号のみで参照する場合がある。
【0051】
認証システム10の動作は、大きく分けて登録の動作と認証の動作とに区別される。登録の動作には、「母子の静脈パターンの登録」、「子の氏名属性の登録」、「母の氏名属性の変更登録」があり、認証の動作には、「母子同時の認証」、「子の認証」、「母の認証」がある。これらの動作は、図1に示すクライアント100に対する操作者の操作によって選択的に実行されるものである。
【0052】
以下、まず、登録の動作に属する各動作について説明する。
【0053】
図5は、「母子の静脈パターンの登録」における認証システムの運用形態を表す概念図であり、図6は、「母子の静脈パターンの登録」におけるクライアントの動作を表すフローチャートである。
【0054】
この「母子の静脈パターンの登録」では、まず、出産直後に医師および看護婦立会いの元で母子(産婦と産児)の手のひらを同時にスキャナ400にかざす。すると、読取部710によってスキャナ400が制御されて静脈パターンが読み取られ、画像データとしてクライアント100に取り込まれる(図6のステップS01)。このように取り込まれた画像データのうち、子の静脈パターン(形状の小さい方)をdata−cと称し、母の静脈パターン(形状の大きい方)をdata−pと称する。出産時は、子よりも母の静脈パターン形状のほうが十分大きいと考えられるのでこれらの区別は容易である。このように母子について静脈パターンを同時に読み取ることにより、母子の静脈パターンの対応付けが確実となり、人為的なミスによる取り違えの可能性は極めて小さくなる。
【0055】
なお、読み取り時に母の静脈パターン読み取りと、子の静脈パターンの読み取りが同時に行われることが好ましいが、多少の時間差があっても、一つの画像データに二つの静脈パターンが登録されれば問題はない。
【0056】
クライアント100に取り込まれた画像データは読取部710によって解析され、data−cの領域とdata−pの領域が重なっていないかどうかが確認される(図6のステップS02)。このような確認のための画像解析としては従来から周知の技術を転用することができるので、ここでは詳細は省略する。data−cの領域とdata−pの領域が重なっている場合には画像データを破棄して、再度、スキャナ400が用いられて静脈パターンが読み取られる。
【0057】
data−cの領域とdata−pの領域とがきちんと分離している場合には、それらdata−cとdata−pが適切に並んだ1つの画像を表す静脈パターンデータ(以下ではこの静脈パターンデータのことをペアパターンデータと称する)が得られたこととなり、次に、読み込まれたdata−cの形状と同じ形状のdata−cを有するペアパターンデータが、ICカード510内またはサーバ200内に存在するか否かを確認する(図6のステップS03)。ここで、『同じ形状』や『形状の一致』とは、大きさを捨象した相似形状としての同型を意味しており、本明細書では以下同様の意味に用いる。なお、ICカード510内のペアパターンデータについては、クライアント100内に構成された認証部740の機能が用いられてクライアント100内でdata−cの形状が照合されるが、サーバ200内のペアパターンデータについては、サーバ200に備えられている照合機能が用いられてサーバ200内でdata−cの形状が照合される。これらの照合に際しては、ペアパターンデータが表している画像中から画像解析によってdata−cの領域が確認され、その領域が用いられて照合が行われる。この画像解析についても、従来から周知の技術を転用することができるので、ここでは詳細は省略する。
【0058】
data−cの形状どうしが照合された結果、既に同じ形状のdata−cを含んだペアパターンデータがICカード510内またはサーバ200内に存在している場合(図6のステップS03;yes)には、同一の産児に対する重複登録を避けるため、『既に登録済み』の旨のメッセージを出力して(図6のステップS04)処理を終了する。一方、同じ形状のdata−cがICカード510にもサーバ200にも存在せず、即ち新規な登録であることが確認できた場合には、キーボードの操作でデータ作成部720に属性情報として母親の氏名を入力する(図6のステップS05)。また、属性情報としての登録日がクライアント100内のカレンダ機能から入手される。そして、データ作成部720によってペアパターンデータに属性情報として母親の氏名と登録日が付加されて認証用データ800が作成される。このように作成された認証用データ800は、登録部730によってICカード510又はサーバ200に送信されて登録される(図6のステップS06)。なお、図5に示す認証用データ800には、属性情報として子供の氏名も付加されているように図示されているが、子供の名前は出産後ある程度経過してから命名されることが多いので、本実施形態では、後で説明する「子の氏名属性の登録」で認証用データ800に付加される。また、フローチャート上では図示を省略したが、認証用データ800の登録先は、クライアント100の操作者がキーボードやマウスを操作することによって任意に選択することができる。
【0059】
認証用データ800がICカード510またはサーバ200に正常に登録されると(図6のステップS07;yes)そのまま処理を終了し、登録が異常であった場合(図6のステップS07;no)には、『登録失敗』の旨のメッセージを出力して(図6のステップS08)処理を終了する。
【0060】
ここで、サーバ200の動作について説明する。
【0061】
図7は、サーバ200の動作を表すフローチャートである。
【0062】
サーバ200は、クライアント100から登録要求や検索要求を受け、それら登録要求や検索要求に応じた以下説明する処理動作を行う。
【0063】
まず、クライアント100から登録要求あるいは検索要求が来るまでは待機ループとなっている(図7のステップS101;NO,ステップS105;NO)。そして、登録要求が来た場合には、登録データとして、上述したペアパターンデータや属性情報を受信し(図7のステップS102)、その登録データを、認証用データ800のデータベースとして機能する図3に示すHDD113に登録する(図7のステップS103)。最後に登録結果が正常か異常かをクライアント100に返信して、上述した待機ループに戻る。
【0064】
待機ループ中に検索要求が来た場合には(図7のステップS105;YES)、検索のキーとなる検索データとして静脈パターンのデータをクライアント100から受信する(図7のステップS106)。このとき、この静脈パターンと照合する相手がdata−cであるかdata−pであるかの指定も受ける。また、後述するように検索範囲を絞るために出産日である子供の誕生日が指定されて静脈パターンとともに受信された場合(図7のステップS107;YES)には、その誕生日と同じ日か翌日の登録日となっている認証用データ800が照合の対象として絞り込まれる(図7のステップS108)が、誕生日の指定がない場合にはスキップされる。
【0065】
その後、検索データとして受信した静脈パターンを認証用データ800のペアパターンデータと照合し(図7のステップS109)、照合の結果をクライアント100に返信する(図7のステップS110)。ここで返信される結果としては、形状が一致するペアパターンデータが見つからない旨の報告か、形状が一致したペアパターンデータを含んだ認証用データ800自体が返信される。その後は上述した待機ループに戻る。
【0066】
次に、「子の氏名属性の登録」について説明する。
【0067】
図8は、「子の氏名属性の登録」におけるクライアントの動作を表すフローチャートである。
【0068】
この「子の氏名属性の登録」では、まず、子の手のひらをスキャナ400にかざすことで読取部710によってスキャナ400が制御されて静脈パターンが読み取られ、画像データとしてクライアント100に取り込まれる(ステップS11)。このように単独の手のひらから読み込まれる静脈パターンのデータを以下ではdata−1と称する。このdata−1が得られると、次に、data−1の形状と同じ形状のdata−cがICカード510内またはサーバ200内に存在するか否かが確認される(ステップS12)。このとき、操作者が確認の高速化を望む場合には、子の誕生日を入力することにより、図7で説明したようにサーバ200では照合対象のデータの絞り込みが行われ、その結果、確認が高速化されることとなる。この高速化の手順は、「子の氏名属性の登録」以外の動作でも、静脈パターンの照合が行われる際には、操作者が選択的に実行可能な手順であるが、以下では説明の煩雑となるので重複説明は省略する。
【0069】
このような確認の結果、data−1の形状と同じ形状のdata−cが存在しなかった場合には、『静脈パターンは未登録である』旨のメッセージを出力して(ステップS13)処理を終了する。
【0070】
一方、data−1の形状と同じ形状のdata−cが存在していた場合には、そのdata−cを含んでいる認証用データがクライアントに取り込まれ、クライアントのキーボードの操作でデータ作成部720に属性情報として子供の氏名が入力される(ステップS14)。そして、データ作成部720によって子供の氏名が認証用データに属性情報として付加され、登録部730によって元の登録場所に送信されて更新登録される(ステップS15)。
【0071】
このような「子の氏名属性の登録」が行われることで認証用データ800が完成することとなる。なお、ここでは、子供の氏名を新たに登録する動作として説明したが、子供の氏名を変更する必要が生じた場合にも同様の動作が実行される。
【0072】
図9は、認証用データ800のデータ構造を表す図である。
【0073】
認証用データ800は、ペアパターンデータ810と、属性情報としての、登録日820、母の氏名830、および子の氏名840とで構成されている。ペアパターンデータ810は形状データであり、子供の静脈パターン(data−c)と母親の静脈パターン(data−p)とが並んだ画像を表している。また、登録日820は年月日形式のデータであり、この例では「2006/08/28」という日付を表している。母の氏名830と子の氏名840はいずれも文字列データであり、この例では「富士 花子」「富士 太郎」という氏名を表している。
【0074】
このように、本実施形態では、母子の静脈パターンが1対1で対応付けられて登録されるので、兄弟の場合であっても、例えば母と長男のペアおよび母と次男のペアそれぞれについて1つずつ認証用データ800が作成されることとなる。
【0075】
次に、「母の氏名属性の変更登録」について説明する。
【0076】
図10は、「母の氏名属性の変更登録」におけるクライアントの動作を表すフローチャートである。
【0077】
この「母の氏名属性の変更登録」では、まず、母の手のひらをスキャナ400にかざすことで読取部710によってスキャナ400が制御されて静脈パターンが読み取られ、画像データ(data−1)としてクライアント100に取り込まれる(ステップS21)。次に、data−1の形状と同じ形状のdata−pがICカード510内またはサーバ200内に存在するか否かが確認される(ステップS22)。ここで、同じ形状のdata−pが存在しなかった場合には、『静脈パターンは未登録である』旨のメッセージを出力して(ステップS23)処理を終了する。
【0078】
一方、data−1の形状と同じ形状のdata−pが存在していた場合には、そのdata−pを含んでいる認証用データがクライアントに取り込まれ、クライアントのキーボードの操作でデータ作成部720に属性情報として母親の氏名が入力される(ステップS24)。そして、データ作成部720によって、認証用データの属性情報のうち母の氏名が、入力された氏名に変更され、登録部730によって元の登録場所に送信されて更新登録される(ステップS25)。
【0079】
以上説明したように、本実施形態の認証システムでは、子の氏名や母の氏名について登録や変更が行われる場合には、子供や母親が当人であることが静脈パターンで認証されてから氏名の登録や変更が行われるので、誤った属性情報が登録される可能性は低い。
【0080】
次に、認証の動作に属する各動作について説明する。
【0081】
図11は、「母子同時の認証」における認証システムの運用形態を表す概念図であり、図12は、「母子同時の認証」におけるクライアントの動作を表すフローチャートである。
【0082】
この「母子同時の認証」では、まず、母子(産婦と産児)の手のひらを同時に、スキャナ400にかざすことで読取部710によってスキャナ400が制御されて静脈パターンが読み取られ、画像データとしてクライアント100に取り込まれる(図12のステップS31)。このように取り込まれた画像データのうち、左側の静脈パターンをdata−1と称し、右側の静脈パターンをdata−2と称する。認証時には、母子の手のひらの大きさが同程度となっている可能性があり、どちらの静脈パターンが母子のどちらのものであるのかを単純には判別できないからである。
【0083】
クライアント100に取り込まれた画像データは読取部710によって解析され、data−1の領域とdata−2の領域が重なっていないかどうかが確認される(図12のステップS32)。data−1の領域とdata−2の領域が重なっている場合には画像データを破棄して、再度、スキャナ400が用いられて静脈パターンが読み取られる。
【0084】
data−1の領域とdata−2の領域とがきちんと分離している場合には、次に、読み込まれたdata−1の形状と同じ形状のdata−c(子の静脈パターン)を有するペアパターンデータが、ICカード510内またはサーバ200内に存在するか否かを確認する(図12のステップS33)。
【0085】
data−1の形状とdata−cの形状が照合された結果、同じ形状のdata−cがICカード510内またはサーバ200内に存在している場合(図12のステップS33;yes)には、そのdata−cを含んだペアパターンデータがクライアント100に取り込まれ、認証部740によって、そのペアパターンデータのdata−p(母の静脈パターン)の形状と、上記ステップS31で読み込まれたdata−2の形状とが照合される(図12のステップS34)。この照合により、data−pの形状とdata−2の形状とが一致した場合には、『親子である』旨のメッセージを表示して(図12のステップS35)処理を終了する。一方、data−pの形状とdata−2の形状とが不一致であった場合には、『親子ではない』旨のメッセージを表示して(図12のステップS36)処理を終了する。
【0086】
上記のステップS33における確認の結果、data−1の形状と同じ形状のdata−cが存在しなかった場合には、今度は、data−1の形状と同じ形状のdata−p(母の静脈パターン)を有するペアパターンデータが、ICカード510内またはサーバ200内に存在するか否かを確認する(図12のステップS37)。但し、母の静脈パターンは、兄弟それぞれに対応した複数のペアパターンデータとして複数回登録されている可能性があるため、この確認で複数のペアパターンデータが見つかる可能性がある。
【0087】
ステップS37の確認によってペアパターンデータが1つも見つからなかった場合には、『親子ではない』旨のメッセージを表示して(図12のステップS40)処理を終了し、1つ以上のペアパターンデータが見つかった場合には、それらのペアパターンデータがクライアント100に取り込まれ、認証部740によって、そのペアパターンデータのdata−c(子の静脈パターン)の形状と、上記ステップS31で読み込まれたdata−2の形状とが照合される(図12のステップS38)。この照合により、data−cの形状とdata−2の形状とが一致するペアパターンデータが存在した場合には、『親子である』旨のメッセージを表示して(図12のステップS39)処理を終了する。一方、すべてのペアパターンデータについて、data−cの形状とdata−2の形状とが不一致であった場合には、『親子ではない』旨のメッセージを表示して(図12のステップS40)処理を終了する。
【0088】
このような「母子同時の認証」による認証結果が、本実施形態における最も信頼性が高い認証結果であり、この認証における取り違え発生は、ほとんどあり得ないと言える。
【0089】
次に、「子の認証」および「母の認証」について説明する。
【0090】
これらの認証は、母子の一方のみの静脈パターンを用いた認証である。
【0091】
図13は、母子の一方のみの静脈パターンを用いるときの認証システムの運用形態を表す概念図である。
【0092】
この運用形態では、母子の一方のみがスキャナ400に手をかざすことで静脈パターンがクライアント100に取り込まれ、その静脈パターンが、ICカード510やサーバ200に登録されている認証用データ800に含まれる静脈パターンと照合される。そして、照合の結果、静脈パターンが一致した場合には、スキャナ400に手をかざした者とのペアで静脈パターンが登録されている相手の氏名がクライアント100に表示される。
【0093】
以下、この図13とフローチャートとを参照して動作の詳細を説明する。
図14は、「子の認証」におけるクライアントの動作を表すフローチャートである。
【0094】
この「子の認証」では、まず、子の手のひらをスキャナ400にかざすことで読取部710によってスキャナ400が制御されて静脈パターンが読み取られ、画像データ(data−1)としてクライアント100に取り込まれる(図14のステップS41)。
【0095】
次に、data−1の形状と同じ形状のdata−cがICカード510内またはサーバ200内に存在するか否かが確認される(図14のステップS42)。この確認の結果、data−1の形状と同じ形状のdata−c(子の静脈パターン)が存在しなかった場合には、『静脈パターンは未登録である』旨のメッセージを出力して(図14のステップS43)処理を終了する。
【0096】
一方、data−1の形状と同じ形状のdata−cが存在していた場合には、そのdata−cを含んでいる認証用データ800がクライアント100に取り込まれ、その認証用データ800から母の氏名属性を取得する(図14のステップS44)。そして、その母の氏名属性が表している氏名を『母親は、<母の氏名>様です。』というフォーマットで表示して(図14のステップS45)処理を終了する。
【0097】
このように「子の認証」では、最終的に子の氏名ではなく母の氏名が表示されることによって、子供が認証されたことが確認される。
【0098】
図15は、「母の認証」におけるクライアントの動作を表すフローチャートである。
【0099】
この「母の認証」では、まず、母の手のひらをスキャナ400にかざすことで読取部710によってスキャナ400が制御されて静脈パターンが読み取られ、画像データ(data−1)としてクライアント100に取り込まれる(図15のステップS51)。
【0100】
次に、data−1の形状と同じ形状のdata−p(母の静脈パターン)がICカード510内またはサーバ200内に存在するか否かが確認される(図15のステップS52)。この確認の結果、data−1の形状と同じ形状のdata−pが存在しなかった場合には、『静脈パターンは未登録である』旨のメッセージを出力して(図15のステップS53)処理を終了する。
【0101】
一方、data−1の形状と同じ形状のdata−pが存在していた場合には、複数のペアパターンデータについてdata−1の形状と同じ形状のdata−pが見つかる可能性があり、そのdata−pを含んでいるすべての認証用データ800がクライアント100に取り込まれ、各認証用データ800から子の氏名属性を取得する(図15のステップS54)。そして、その子の氏名属性が表している氏名を『子どもは、<第1子の指名>様、<第2子の指名>様、…です』というフォーマットで表示して(図15のステップS55)処理を終了する。
【0102】
このように「母の認証」でも、最終的に母の氏名ではなく子の氏名が表示されることによって、母親が認証されたことが確認される。
【0103】
以下、本発明の種々の形態について付記する。
【0104】
(付記1)
静脈パターンに基づいた認証を行う認証装置において、
複数人それぞれについて体の部位の静脈パターンを読み取る第1の読取部と、
前記第1の読取部によって読み取られた複数の静脈パターンを表す認証用パターンデータを作成するパターンデータ作成部と、
前記パターンデータ作成部によって作成された認証用パターンデータを所定の登録場所に登録するデータ登録部と、
被認証者について前記部位の静脈パターンを読み取る第2の読取部と、
前記第2の読取部によって読み取られた静脈パターンを、前記データ登録部によって登録された認証用パターンデータに含まれる静脈パターンと照合することで該被認証者の認証を行う認証部とを備えたことを特徴とする認証装置。
【0105】
(付記2)
前記複数人が母子であることを特徴とする付記1記載の認証装置。
【0106】
(付記3)
前記第1の読取部および前記第2の読取部が、手のひらの静脈パターンを読み取るものであることを特徴とする付記1記載の認証装置。
【0107】
(付記4)
前記認証部が、静脈パターンの照合時にパターンの大きさは捨象して形状のみで照合するものであることを特徴とする付記1記載の認証装置。
【0108】
(付記5)
前記第1の読取部が、前記複数人の前記部位を並べることができる広さの読取領域を有し、その読取領域内にそれらの部位が並んだ状態でその読取領域を読み取ることで、複数の静脈パターンが並んだ1つのパターン画像を得るものであり、
前記パターンデータ作成部が、前記パターン画像を表す認証用パターンデータを作成するものであり、
前記認証部は、前記認証用パターンデータが表すパターン画像から各静脈パターンを識別して認証に用いるものであることを特徴とする付記1記載の認証装置。
【0109】
(付記6)
ICカードが装填されて、そのICカードにアクセスするリーダライタを備え、
前記データ登録部が、前記リーダライタに装填されたICカードを前記登録場所として用いて前記認証用パターンデータを登録するものであることを特徴とする付記1記載の認証装置。
【0110】
(付記7)
静脈パターンに基づいた認証を行う、複数の装置からなる認証システムにおいて、
複数人それぞれについて体の部位の静脈パターンを読み取る第1の読取部と、
前記第1の読取部によって読み取られた複数の静脈パターンを表す認証用パターンデータを作成するパターンデータ作成部と、
前記パターンデータ作成部によって作成された認証用パターンデータを所定の登録場所に登録するデータ登録部と、
被認証者について前記部位の静脈パターンを読み取る第2の読取部と、
前記第2の読取部によって読み取られた静脈パターンを、前記データ登録部によって登録された認証用パターンデータに含まれる静脈パターンと照合することで該被認証者の認証を行う認証部とを備えたことを特徴とする認証システム。
【0111】
(付記8)
コンピュータシステムに組み込まれて該コンピュータシステムに、静脈パターンに基づいた認証を行わせる認証プログラムにおいて、
前記コンピュータシステム上に、
複数人それぞれについて体の部位の静脈パターンを読み取る第1の読取部と、
前記第1の読取部によって読み取られた複数の静脈パターンを表す認証用パターンデータを作成するパターンデータ作成部と、
前記パターンデータ作成部によって作成された認証用パターンデータを所定の登録場所に登録するデータ登録部と、
被認証者について前記部位の静脈パターンを読み取る第2の読取部と、
前記第2の読取部によって読み取られた静脈パターンを、前記データ登録部によって登録された認証用パターンデータに含まれる静脈パターンと照合することで該被認証者の認証を行う認証部とを構築することを特徴とする認証プログラム。
【0112】
(付記9)
静脈パターンに基づいた認証に用いられる認証用パターンデータを作成するパターンデータ作成装置において、
複数人それぞれについて体の部位の静脈パターンを読み取る第1の読取部と、
前記第1の読取部によって読み取られた複数の静脈パターンを表す認証用パターンデータを作成するパターンデータ作成部とを備えたことを特徴とするパターンデータ作成装置。
【図面の簡単な説明】
【0113】
【図1】本発明の認証システムの一実施形態を示す図である。
【図2】図1に示すクライアントのハードウェア構成図である。
【図3】図1に示すサーバのハードウェア構成図である。
【図4】本発明の認証プログラムおよび認証装置それぞれの一実施形態を表す図である。
【図5】「母子の静脈パターンの登録」における認証システムの運用形態を表す概念図である。
【図6】「母子の静脈パターンの登録」におけるクライアントの動作を表すフローチャートである。
【図7】サーバの動作を表すフローチャートである。
【図8】「子の氏名属性の登録」におけるクライアントの動作を表すフローチャートである。
【図9】認証用データのデータ構造を表す図である。
【図10】「母の氏名属性の変更登録」におけるクライアントの動作を表すフローチャートである。
【図11】「母子同時の認証」における認証システムの運用形態を表す概念図である。
【図12】「母子同時の認証」におけるクライアントの動作を表すフローチャートである。
【図13】母子の一方のみの静脈パターンを用いるときの認証システムの運用形態を表す概念図である。
【図14】「子の認証」におけるクライアントの動作を表すフローチャートである。
【図15】「母の認証」におけるクライアントの動作を表すフローチャートである。
【符号の説明】
【0114】
10 認証システム
100 クライアント
101 本体部
102 ディスプレイ
103 キーボード
104 マウス
105 CD−ROM
106 MO
111 CPU(中央演算処理装置)
112 RAM
113 HDD(ハードディスクドライブ)
114 MOドライブ
115 CDドライブ
116 通信用ボード
110 バス
120 ハードディスク
200 サーバ
300 通信網
400 スキャナ
500 ICカードリーダライタ
510 ICカード
600 認証プログラム
610 読取部
620 データ作成部
630 登録部
640 認証部
700 認証装置
710 読取部
720 データ作成部
730 登録部
740 認証部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
静脈パターンに基づいた認証を行う認証装置において、
複数人それぞれについて体の部位の静脈パターンを読み取る第1の読取部と、
前記第1の読取部によって読み取られた複数の静脈パターンを表す認証用パターンデータを作成するパターンデータ作成部と、
前記パターンデータ作成部によって作成された認証用パターンデータを所定の登録場所に登録するデータ登録部と、
被認証者について前記部位の静脈パターンを読み取る第2の読取部と、
前記第2の読取部によって読み取られた静脈パターンを、前記データ登録部によって登録された認証用パターンデータに含まれる静脈パターンと照合することで該被認証者の認証を行う認証部とを備えたことを特徴とする認証装置。
【請求項2】
前記認証部が、静脈パターンの照合時にパターンの大きさは捨象して形状のみで照合するものであることを特徴とする請求項1記載の認証装置。
【請求項3】
前記第1の読取部が、前記複数人の前記部位を並べることができる広さの読取領域を有し、その読取領域内にそれらの部位が並んだ状態でその読取領域を読み取ることで、複数の静脈パターンが並んだ1つのパターン画像を得るものであり、
前記パターンデータ作成部が、前記パターン画像を表す認証用パターンデータを作成するものであり、
前記認証部は、前記認証用パターンデータが表すパターン画像から各静脈パターンを識別して認証に用いるものであることを特徴とする請求項1記載の認証装置。
【請求項4】
静脈パターンに基づいた認証を行う、複数の装置からなる認証システムにおいて、
複数人それぞれについて体の部位の静脈パターンを読み取る第1の読取部と、
前記第1の読取部によって読み取られた複数の静脈パターンを表す認証用パターンデータを作成するパターンデータ作成部と、
前記パターンデータ作成部によって作成された認証用パターンデータを所定の登録場所に登録するデータ登録部と、
被認証者について前記部位の静脈パターンを読み取る第2の読取部と、
前記第2の読取部によって読み取られた静脈パターンを、前記データ登録部によって登録された認証用パターンデータに含まれる静脈パターンと照合することで該被認証者の認証を行う認証部とを備えたことを特徴とする認証システム。
【請求項5】
コンピュータシステムに組み込まれて該コンピュータシステムに、静脈パターンに基づいた認証を行わせる認証プログラムにおいて、
前記コンピュータシステム上に、
複数人それぞれについて体の部位の静脈パターンを読み取る第1の読取部と、
前記第1の読取部によって読み取られた複数の静脈パターンを表す認証用パターンデータを作成するパターンデータ作成部と、
前記パターンデータ作成部によって作成された認証用パターンデータを所定の登録場所に登録するデータ登録部と、
被認証者について前記部位の静脈パターンを読み取る第2の読取部と、
前記第2の読取部によって読み取られた静脈パターンを、前記データ登録部によって登録された認証用パターンデータに含まれる静脈パターンと照合することで該被認証者の認証を行う認証部とを構築することを特徴とする認証プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2008−108104(P2008−108104A)
【公開日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−290989(P2006−290989)
【出願日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】