説明

誘電体セラミックおよび積層セラミックコンデンサ

【課題】積層セラミックコンデンサにおいて、誘電体セラミック層が薄層化されても、静電容量温度特性がEIA規格のX5R特性を満足し、高温での絶縁抵抗が高く、高温負荷寿命特性が良好な誘電体セラミックを提供する。
【解決手段】積層セラミックコンデンサ1において、誘電体セラミック層2を、次の誘電体セラミックから構成する。すなわち、ABO(Aは、Baを必ず含み、さらにCaおよびSrの少なくとも一方を含むことがある。Bは、Tiを必ず含み、さらにZrおよびHfの少なくとも一方を含むことがある。)を主成分とし、副成分として、VならびにMn、Fe、Cu、Mg、Ni、CrおよびCoから選ばれる少なくとも1種を含む。そして、この誘電体セラミック中における上記Vの平均価数を4.2〜4.9とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、誘電体セラミックおよび積層セラミックコンデンサに関するもので、特に、積層セラミックコンデンサに備える誘電体セラミック層のさらなる薄層化を可能とする誘電体セラミックの組成に関するものである。
【背景技術】
【0002】
積層セラミックコンデンサに備える誘電体セラミック層を構成する誘電体セラミックであって、誘電率が高く、かつ薄層化に適したものとして、BaTiO系のものが知られている。積層セラミックコンデンサにおいて、薄層化を進める場合、最も留意すべきは寿命特性である。寿命特性には、たとえば、高温にて負荷をかけた場合の寿命時間や、特定時間において発生する不良率などである。
【0003】
寿命特性を向上させるため、BaTiO系誘電体セラミックにVを添加する方法がある(たとえば、特許文献1参照)。なお、Vは、その価数が、3価、4価、5価の間で変動することがわかっているが、特許文献1には、Vを含有するBaTiOを主成分とする誘電体セラミックにおいて、セラミック中に含有するVの価数を3.8〜4.1に調整することが開示され、これによって、寿命特性や静電容量の温度特性が改善すると記載されている。
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の誘電体セラミックを、誘電体セラミック層を構成するために用いた場合、誘電体セラミック層の厚みをたとえば1μm以下にまで薄層化すると、十分な寿命特性が得られないことがあることがわかった。
【特許文献1】特開2006−347799号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、この発明の目的は、誘電体セラミック層の厚みがたとえば1μm以下と薄層化されても、積層セラミックコンデンサにおいて十分な寿命特性が得られる、誘電体セラミックを提供しようとすることである。
【0006】
この発明の他の目的は、上述した誘電体セラミックを用いて構成される積層セラミックコンデンサを提供しようとすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、ABO(Aは、Baを必ず含み、さらにCaおよびSrの少なくとも一方を含むことがある。Bは、Tiを必ず含み、さらにZrおよびHfの少なくとも一方を含むことがある。)を主成分とし、副成分として、V、ならびにMn、Fe、Cu、Mg、Ni、CrおよびCoから選ばれる少なくとも1種を含む、誘電体セラミックにまず向けられるものであって、上述した技術的課題を解決するため、当該誘電体セラミック中におけるVの平均価数が4.2〜4.9であることを特徴としている。
【0008】
Vの平均価数は、好ましくは、4.35〜4.9であり、より好ましくは、4.4〜4.7である。
【0009】
また、この発明に係る誘電体セラミックは、より特定的な好ましい実施態様では、主成分がBaTiOであり、副成分として、V、Mnおよび希土類元素を含む。
【0010】
この発明は、また、積層された複数の誘電体セラミック層および誘電体セラミック層間の特定の界面に沿って形成される複数の内部電極をもって構成される、コンデンサ本体と、コンデンサ本体の外表面上の互いに異なる位置に形成される、第1および第2の外部電極とを備え、内部電極は、第1の外部電極に電気的に接続されるものと第2の外部電極に電気的に接続されるものとが積層方向に関して交互に配置されている、積層セラミックコンデンサにも向けられる。
【0011】
この発明に係る積層セラミックコンデンサは、そこに備える誘電体セラミック層が、上述したこの発明に係る誘電体セラミックから構成されることを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
この発明に係る誘電体セラミックを用いれば、後述する実験例によって裏付けられるように、積層セラミックコンデンサにおいて、誘電体セラミック層の厚みがたとえば1μm以下となっても、静電容量温度特性としてのEIA規格のX5R特性を満足させることができ、また、高温での絶縁抵抗を高め、かつ高温負荷寿命特性を良好なものとすることができる。
【0013】
この発明に係る誘電体セラミックにおいて、Vの平均価数が4.35〜4.9の範囲に限定されると、高温負荷寿命特性をさらに良好なものとすることができ、また、4.4〜4.7の範囲に限定されると、静電容量温度特性をさらに良好なものとすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1は、この発明に係る誘電体セラミックが適用される積層セラミックコンデンサ1を示す断面図である。
【0015】
積層セラミックコンデンサ1は、積層された複数の誘電体セラミック層2と誘電体セラミック層2間の特定の界面に沿って形成される複数の内部電極3および4とをもって構成される、コンデンサ本体5を備えている。コンデンサ本体5の外表面上の互いに異なる位置には、第1および第2の外部電極6および7が形成される。図1に示した積層セラミックコンデンサ1では、第1および第2の外部電極6および7は、コンデンサ本体5の互いに対向する各端面上に形成される。内部電極3および4は、第1の外部電極6に電気的に接続される第1の内部電極3と第2の外部電極7に電気的に接続される第2の内部電極4とがあり、これら第1および第2の内部電極3および4は、積層方向に関して交互に配置されている。
【0016】
このような積層セラミックコンデンサ1において、誘電体セラミック層2が、この発明に係る誘電体セラミックから構成される。この発明に係る誘電体セラミックは、ABO(Aは、Baを必ず含み、さらにCaおよびSrの少なくとも一方を含むことがある。Bは、Tiを必ず含み、さらにZrおよびHfの少なくとも一方を含むことがある。)を主成分とし、副成分として、VならびにMn、Fe、Cu、Mg、Ni、CrおよびCoから選ばれる少なくとも1種を含む。そして、この誘電体セラミック中における上記Vの平均価数が4.2〜4.9とされる。
【0017】
誘電体セラミック中のVの価数は、3価、4価および5価の3種類でほぼ占められる。これらの存在比は、XPS分析によって同定が可能であり、その平均値を「平均価数」としている。
【0018】
Vの価数を調整する方法としては、たとえば、次のような方法がある。すなわち、主成分の出発原料(たとえばBaCOおよびTiO)とV原料(V酸化物など)とを混合して得られた混合粉末を熱処理することによって、誘電体セラミックのための原料粉末が得られるが、この熱処理する際の雰囲気の酸素分圧を制御することにより、最終的なVの価数を調整することができる。なお、上記熱処理にあたっては、予め合成されたBaTiOとV酸化物との混合粉末を熱処理するようにしてもよい。
【0019】
上述のように、Vの平均価数が4.2〜4.9に調整された誘電体セラミックから誘電体セラミック層2を構成することにより、積層セラミックコンデンサ1において、誘電体セラミック層2の厚みがたとえば1μm以下となっても、静電容量温度特性としてのEIA規格のX5R特性を満足させることができ、また、高温での絶縁抵抗を高めることができ、さらに高温負荷寿命特性を良好なものとすることができる。
【0020】
また、Vの平均価数が4.35〜4.9の範囲に限定されることにより、高温負荷寿命特性をさらに良好なものとすることができる。
【0021】
また、Vの平均価数が4.4〜4.7の範囲に限定されることにより、静電容量温度特性をさらに良好なものとすることができる。
【0022】
次に、この発明による効果を確認するために実施した実験例について説明する。
【0023】
[実験例1]
実験例1では、誘電体セラミックのある特定の組成において、Vの平均価数が各種特性に及ぼす影響を見た。
【0024】
A)セラミック原料の作製
出発原料として、BaCO、TiO、VおよびMnOの各粉末を用意し、これらを、100BaTiO+0.5V+0.5Mnの組成比となるように秤量し、ボールミルにより72時間混合した後、表1に示す酸素分圧にて、トップ温度1000℃で2時間熱処理し、熱処理粉末を得た。
【0025】
他方、副成分として、Dy、MgO、SiOおよびBaCOの各粉末を用意し、上記熱処理粉末に対し、副成分粉末が、100BaTiO+0.5V+0.5Mn+1.0Dy+1.0Mg+1.0Si+2.0Baの組成比となるように秤量し、これら副成分粉末を上記熱処理粉末に加えてボールミルにより24時間混合した後、乾燥させ、セラミック原料粉末を得た。
【0026】
B)積層セラミックコンデンサの作製
上記セラミック原料粉末に、ポリビニルブチラール系バインダおよびエタノール系有機溶剤を加えて、ボールミルにより8〜30時間湿式混合し、セラミックスラリーを作製した。このセラミックスラリーを、ドクターブレード法によりシート成形し、セラミックグリーンシートを得た。次に、セラミックグリーンシート上に、Niを主成分とする導電性ペーストをスクリーン印刷し、内部電極となるべき導電性ペースト膜を形成した。
【0027】
次に、導電性ペースト膜が形成された複数のセラミックグリーンシートを積層し、コンデンサ本体となるべき生の積層体を得た。この生の積層体を窒素雰囲気中において300℃の温度で加熱することによって、バインダを燃焼させた後、酸素分圧10−10MPaのH−N−HOガスからなる還元性雰囲気中において1200℃の温度で2時間焼成し、焼結したコンデンサ本体を得た。
【0028】
次に、コンデンサ本体の両端面に、B−LiO−SiO−BaOガラスフリットを含有するCuペーストを塗布し、窒素雰囲気中において800℃の温度で焼き付け、内部電極と電気的に接続された外部電極を形成し、試料となる積層セラミックコンデンサを得た。
【0029】
このようにして得られた積層セラミックコンデンサの外形寸法は、幅1.6mm、長さ3.2mmおよび厚さ1.0mmであり、内部電極間に介在する誘電体セラミック層の厚みは1.0μmであった。また、有効誘電体セラミック層の数は50であり、1層あたりの対向電極面積は3.2mmであった。
【0030】
C)特性評価
まず、誘電率εおよび誘電損失tanδを、温度25℃、120Hz、0.5Vrmsの条件下で測定した。
【0031】
また、温度変化に対する静電容量の変化率、すなわち静電容量温度特性を求めた。ここで、温度変化に対する静電容量の変化率については、25℃での静電容量を基準とした−25℃〜85℃の範囲での変化率の最大値を示した。−25℃〜85℃の範囲での変化率が±15%以内であれば、EIA規格のX5R特性を満足することになる。
【0032】
また、高温負荷寿命試験を実施した。高温負荷寿命試験では、温度105℃にて、10Vおよび20Vの各電圧(それぞれ、10kV/mmおよび20kV/mm)を印加した。高温負荷寿命試験は、100個の試料について行ない、1000時間経過するまでに絶縁抵抗値が200kΩ以下になった試料を不良と判定し、不良個数を求めた。
【0033】
また、高温での絶縁抵抗(R)を求めた。すなわち、温度125℃にて10V(10kV/mm)の電圧を印加し、60秒後の電流値から絶縁抵抗(R)を算出し、log(R/Ω)として表した。
【0034】
さらに、XPS分析により、3価のV、4価のV、および5価のVの存在モル比を同定し、これらの平均をとって平均価数を求めた。
【0035】
以上の結果が表1に示されている。
【0036】
【表1】

【0037】
表1からわかるように、Vの平均価数が4.2〜4.9の範囲内となった試料2〜7では、誘電率εが2900以上、静電容量温度特性がX5R特性を満たし、高温(125℃)での絶縁抵抗がlog(R/Ω)にして9.0以上、高温負荷寿命試験における不良個数が、10kV/mmにおいて0となった。
【0038】
また、Vの価数がより限定的に4.35〜4.9の範囲にある試料3〜7によれば、20kV/mmの高温負荷寿命試験においても、不良個数が0となった。
【0039】
さらに、Vの価数が4.4〜4.7の範囲にある試料4〜6によれば、静電容量温度特性が一層良好となった。
【0040】
これらに対して、Vの価数が4.2未満である試料1では、静電容量温度特性、高温絶縁抵抗および高温負荷寿命特性が低下した。他方、Vの価数が4.9を超える試料8では、高温絶縁抵抗が低下した。
【0041】
[実験例2]
実験例2では、実験例1における熱処理粉末中の副成分としてのMnに代えて他の元素を用いた。
【0042】
A)セラミック原料粉末の作製
出発原料として、BaCO、TiOおよびV、ならびに第1副成分としてのFe、MgO、NiO、CuO、CoおよびCrの各酸化物粉末を用意し、これらを100BaTiO+0.5V+0.5(第1副成分元素)の組成となるように秤量した。表2に、各試料において用いた第1副成分元素種が示されている。
【0043】
次に、上記出発原料粉末をボールミルにより72時間混合した後、酸素分圧1.52×10−11MPaにおいて、トップ温度1000℃で2時間熱処理し、熱処理粉末を得た。
【0044】
他方、第2副成分として、MnO、Dy、MgO、SiOおよびBaCOの各粉末を用意し、これら第2副成分粉末を、上記熱処理粉末に対し、100BaTiO+0.5V+0.5Mn+1.0Dy+1.0Mg+1.0Si+2.0Baの組成になるように秤量した。なお、第2副成分としてのMgについては、第1副成分がMgである試料102においてのみ、不足分の0.5Mgのみを添加した。
【0045】
次に、上記熱処理粉末および第2副成分粉末をボールミルにより24時間混合した後、乾燥させ、セラミック原料粉末を得た。
【0046】
B)積層セラミックコンデンサの作製
上記セラミック原料粉末を用い、実験例1の場合と同様の方法により、試料となる積層セラミックコンデンサを作製した。
【0047】
C)特性評価
実験例1の場合と同様に特性評価を行なった。その結果が表2に示されている。
【0048】
【表2】

【0049】
表2からわかるように、実験例1において用いた熱処理粉末中の副成分としてのMnに代えて、Cu、Mg、Ni、Cr、CoおよびFeを用いても、実験例1の場合と同様の効果が得られた。
【0050】
[実験例3]
実験例3では、セラミック原料の製造過程において、予め合成されたBaTiOに対し、Vを添加した。
【0051】
A)セラミック原料の作製
まず、出発原料として、BaTiO粉末を用意した。
【0052】
他方、副成分原料として、V、MnO、Dy、MgO、SiOおよびBaCOの各粉末を用意した。
【0053】
次に、この発明の範囲内にある試料201では、100BaTiO+0.5V+0.5Mnとなるように、BaTiO、VおよびMnOの各粉末を秤量し、ボールミルにて72時間混合した後、酸素分圧1.52×10−11MPaにおいて、トップ温度1000℃で2時間仮焼した。その後、100BaTiO+0.5V+0.5Mn+1.0Dy+1.0Mg+1.0Si+2.0Baとなるように、Dy、MgO、SiOおよびBaCOの各粉末を秤量し、ボールミルにて24時間混合し、乾燥させ、試料201に係るセラミック原料を得た。
【0054】
他方、この発明の範囲外の比較例としての試料202では、100BaTiO+0.5V+0.5Mn+1.0Dy+1.0Mg+1.0Si+2.0Baとなるように、BaTiO、V、MnO、Dy、MgO、SiOおよびBaCOの各粉末を秤量し、ボールミルにて24時間混合し、乾燥させ、試料202に係るセラミック原料を得た。
【0055】
B)積層セラミックコンデンサの作製
上記試料201および202の各々に係るセラミック原料粉末を用い、実験例1の場合と同様の方法により、各試料に係る積層セラミックコンデンサを作製した。
【0056】
C)特性評価
特性評価を、実験例1の場合と同様に行なった。その結果が表3に示されている。
【0057】
【表3】

【0058】
表3を参照して、この発明の範囲内にある試料201からわかるように、出発原料として、予め合成されたBaTiOを用いても、Vの価数を所定の範囲内に調整すれば、良好な特性が得られた。
【0059】
これに対して、比較例としての試料202からわかるように、Vを仮焼せずに添加したのみの場合には、Vの価数が所定の範囲内に入らず、信頼性が低下した。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】この発明に係る誘電体セラミックを適用して構成される積層セラミックコンデンサ1の断面図である。
【符号の説明】
【0061】
1 積層セラミックコンデンサ
2 誘電体セラミック層
3,4 内部電極
5 コンデンサ本体
6,7 外部電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ABO(Aは、Baを必ず含み、さらにCaおよびSrの少なくとも一方を含むことがある。Bは、Tiを必ず含み、さらにZrおよびHfの少なくとも一方を含むことがある。)を主成分とし、副成分として、V、ならびにMn、Fe、Cu、Mg、Ni、CrおよびCoから選ばれる少なくとも1種を含む、誘電体セラミックであって、
当該誘電体セラミック中における前記Vの平均価数が4.2〜4.9である、誘電体セラミック。
【請求項2】
前記Vの平均価数が4.35〜4.9である、請求項1に記載の誘電体セラミック。
【請求項3】
前記Vの平均価数が4.4〜4.7である、請求項2に記載の誘電体セラミック。
【請求項4】
前記主成分がBaTiOであり、前記副成分として、V、Mnおよび希土類元素を含む、請求項1ないし3のいずれかに記載の誘電体セラミック。
【請求項5】
積層された複数の誘電体セラミック層および前記誘電体セラミック層間の特定の界面に沿って形成される複数の内部電極をもって構成される、コンデンサ本体と、前記コンデンサ本体の外表面上の互いに異なる位置に形成される、第1および第2の外部電極とを備え、前記内部電極は、前記第1の外部電極に電気的に接続されるものと前記第2の外部電極に電気的に接続されるものとが積層方向に関して交互に配置されている、積層セラミックコンデンサであって、
前記誘電体セラミック層が請求項1ないし4のいずれかに記載の誘電体セラミックから構成される、積層セラミックコンデンサ。

【図1】
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【公開番号】特開2009−208979(P2009−208979A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−51739(P2008−51739)
【出願日】平成20年3月3日(2008.3.3)
【出願人】(000006231)株式会社村田製作所 (3,635)
【Fターム(参考)】