調光スイッチ
【課題】照明負荷の可動状態を報知しつつ、電源スイッチの小型化及び長寿命化を図る。
【解決手段】交流電源ACと照明負荷Lとの間に挿入されて主回路10を構成するトライアック2と一端で接続する1組の抵抗3を備えている。この1組の抵抗3の他端側には、交流電源ACからの電圧が1組の抵抗3で電圧降下されて印加される弱電回路11が設けられている。この弱電回路11内には、電源スイッチ4とLED50とが直列に接続している。電源スイッチ4は、両端間の電気的な接続の開閉を行うことによってSBS6をオン状態にし、さらにトライアック2をオン状態にして照明負荷Lを可動させるものである。LED50は照明負荷Lの可動状態を報知するものである。
【解決手段】交流電源ACと照明負荷Lとの間に挿入されて主回路10を構成するトライアック2と一端で接続する1組の抵抗3を備えている。この1組の抵抗3の他端側には、交流電源ACからの電圧が1組の抵抗3で電圧降下されて印加される弱電回路11が設けられている。この弱電回路11内には、電源スイッチ4とLED50とが直列に接続している。電源スイッチ4は、両端間の電気的な接続の開閉を行うことによってSBS6をオン状態にし、さらにトライアック2をオン状態にして照明負荷Lを可動させるものである。LED50は照明負荷Lの可動状態を報知するものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明負荷を調光する調光スイッチに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、照明負荷を調光する調光スイッチの一例として、図10に示すような、交流電源ACと照明負荷Lとの間に挿入されて主回路90を形成するトライアック91と、トライアック91をターンオンさせるための回路92と、主回路90内に挿入された電源スイッチ93と、電源スイッチ93と並列に接続し照明負荷Lの可動状態を報知するLED94とを備える調光スイッチ9が知られている。この調光スイッチ9は、電源スイッチ93がオン状態(閉状態)になると照明負荷Lが点灯し、電源スイッチ93がオフ状態(開状態)になると照明負荷Lが消灯し、LED94が点灯する。
【0003】
また、従来の調光スイッチの他の例として、特許文献1には、交流電源の一端及び照明器具(照明負荷)の一端と接続する1対の端子と、1対の端子間に挿入されたトライアックと、1対の端子間に挿入されたネオンランプと、トライアック及びネオンランプと直列に接続しトライアックへの通電とネオンランプへの通電とを切り替えるスイッチ(電源スイッチ)とを備える調光スイッチが開示されている。この特許文献1の調光スイッチは、スイッチがトライアック側に切り替えられると照明器具が点灯し、スイッチがネオンランプ側に切り替えられると照明器具が消灯し、ネオンランプが点灯する。
【特許文献1】特開平11−162248号公報(段落0014及び第2図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、これら従来の調光スイッチの電源スイッチは、高電圧が印加される主回路内に挿入されているので、許容電圧を高くする必要があった。一般的に許容電圧が高くなるにつれて電源スイッチが大型となることから、従来の調光スイッチには、LEDによって照明負荷の可動状態を報知することができるものの、電源スイッチが大型になってしまうという問題があった。このため、従来の調光スイッチにおいて、他の素子を配置するスペースが小さくなり、例えば大型となる高容量のインバータを用いることができず、小型である低容量のものを用いなければならなかった。
【0005】
また、従来の調光スイッチには、高電圧が印加される主回路で電源スイッチが電気的な接続の開閉を行うと電源スイッチの電気的なストレスが大きくなることから、電源スイッチの寿命が短くなってしまうという問題もあった。
【0006】
本発明は上記の点に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、照明負荷の可動状態を報知しつつ、電源スイッチの小型化及び長寿命化を図ることができる調光スイッチを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明は、交流電源と照明負荷との間に挿入されて主回路を構成するトライアックと、前記トライアックの主端子の一方と一端で接続する第1の抵抗と、前記第1の抵抗の他端側に設けられ前記交流電源からの電圧が当該第1の抵抗で電圧降下されて印加される弱電回路とを備えるとともに、前記照明負荷の可動状態を報知するLEDと、前記LEDと直列に接続し両端間の電気的な接続の開閉を行うことによって前記トライアックを閉状態とし前記照明負荷を可動させる電源スイッチとを前記弱電回路内に備えることを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1の発明において、主端子間に印加される電圧とゲートに印加される対照電圧との電圧差がブレークオーバ電圧を超えると前記トライアックをターンオンさせるゲート電流を当該トライアックのゲートに出力するSBSと、前記第1の抵抗の他端と前記トライアックの主端子の他方との間に設けられ両端電圧に基づく電圧が前記SBSの前記主端子間に印加される電圧となる第1のコンデンサと、前記第1のコンデンサと直列回路を形成し抵抗値を可変することによって当該第1のコンデンサの充電速度を調節するボリュームと、前記第1の抵抗の他端と前記SBSのゲートとの間に設けられ第2の抵抗とダイオードとを有する直列回路であり前記SBSのゲートに前記対照電圧を印加する対照電圧発生回路と、前記SBSのゲートと前記トライアックの主端子の他方との間に挿入された第2のコンデンサとを前記弱電回路内に備えることを特徴とする。
【0009】
請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記電源スイッチ及び前記ボリュームとして3路スイッチ付ボリュームを備えることを特徴とする。
【0010】
請求項4の発明は、請求項2の発明において、前記電源スイッチが、押操作によって押駆動し両端間の電気的な接続の開閉を切り替える第1の押しボタンを有するプッシュスイッチであり、前記ボリュームが、押操作によって押駆動する第2の押しボタンと、前記第2の押しボタンを支持する固定軸部とを有するプッシュスイッチ付ボリュームであって、前記プッシュスイッチ及び前記プッシュスイッチ付ボリュームを前記第1の押しボタンと前記第2の押しボタンとの押駆動方向が同一方向となるように収納する器体を備えるとともに、前記第2の押しボタンと前記押駆動方向で対向する操作面部と、前記操作面部の端部から延設された側面部と、前記側面部の端部から延設され前記第1の押しボタンと前記押駆動方向で対向するスカート部とを有し、前記操作面部が前記器体の一の面から露出するように当該器体に収納され、前記押駆動方向の押操作によって前記第1の押しボタン及び前記第2の押しボタンに対して押駆動するハンドルを備えることを特徴とする。
【0011】
請求項5の発明は、請求項4の発明において、前記プッシュスイッチ付ボリュームの第2の押しボタンと前記ハンドルの操作面部との間に設けられた弾性体を備えることを特徴とする。
【0012】
請求項6の発明は、請求項5の発明において、前記ハンドルが、前記プッシュスイッチ付ボリュームの第2の押しボタンと対向する位置に設けられ前記弾性体を収納する収納部を有することを特徴とする。
【0013】
請求項7の発明は、請求項4〜6のいずれかの発明において、前記ハンドルが、前記操作面部から前記プッシュスイッチ付ボリュームの固定軸部の周囲に向かって延設された軸受けを有することを特徴とする。
【0014】
請求項8の発明は、請求項4〜7のいずれかの発明において、前記器体が、前記一の面から内方に突出して設けられた器体側リブを有し、前記ハンドルが、前記スカート部の端部から延設され前記器体側リブの内面と接触するハンドル側リブを有することを特徴とする。
【0015】
請求項9の発明は、請求項4〜7のいずれかの発明において、前記器体が、前記一の面から内方に突出して設けられた器体側リブを有し、前記ハンドルが、断面U字状に形成されて前記スカート部の端部から延設され前記器体側リブの外面と接触するハンドル側リブを有することを特徴とする。
【0016】
請求項10の発明は、請求項8又は9の発明において、前記ハンドル側リブと前記器体側リブとが線接触することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
請求項1の発明によれば、電源スイッチ及びLEDを主回路内に備える場合と比べて、電源スイッチの許容電力を小さくすることができるので、LEDによって照明負荷の可動状態を報知しつつ、電源スイッチを小型にすることができる。また、電源スイッチの電気的な接続の開閉を主回路内で切り替えるより弱電回路内で切り替えるほうが電源スイッチの電気的なストレスを低減することができるので、電源スイッチ及びLEDを主回路内に備える場合と比べて、電源スイッチの長寿命化を図ることができる。
【0018】
請求項2の発明によれば、トライアックが任意のタイミングで電気的な接続の開閉を行うことによる照明負荷のちらつきを低減することができる。
【0019】
請求項3の発明によれば、電源スイッチとボリュームを1個の素子にすることができるので、電源スイッチとボリュームを別個の素子として備える場合と比べて小型にすることができる。
【0020】
請求項4の発明によれば、プッシュスイッチ付ボリュームのプッシュスイッチ機能を電源スイッチとして用いることができない場合であっても、電源スイッチとしてプッシュスイッチを用い、ハンドルへの押操作によってプッシュスイッチの電気的な接続の開閉を切り替えることができる。
【0021】
請求項5の発明によれば、プッシュスイッチの第1の押しボタンの操作ストロークがプッシュスイッチ付ボリュームの第2の押しボタンと同じであっても、プッシュスイッチの電気的な接続の開閉を確実に切り替えることができる。
【0022】
請求項6の発明によれば、使用者がハンドルを用いてプッシュスイッチ付ボリュームの第2の押しボタンを押したときに、ハンドルのがたつきを低減することができる。
【0023】
請求項7の発明によれば、使用者がハンドルを用いてプッシュスイッチ付ボリュームの第2の押しボタンを押したときに、ハンドルのがたつきをより低減することができ、端押しを確実に行うことができる。
【0024】
請求項8の発明によれば、使用者がハンドルを用いてプッシュスイッチ付ボリュームの第2の押しボタンを押したときに、ハンドルのがたつきをさらに低減することができ、端押しをさらに確実に行うことができる。また、プッシュスイッチ付ボリュームの固定軸部から離れた位置にハンドル側リブ及び器体側リブを有することによってハンドルを傾かないようにすることができる。
【0025】
請求項9の発明によれば、使用者がハンドルを用いてプッシュスイッチ付ボリュームの第2の押しボタンを押したときに、ハンドルのがたつきをさらに低減することができ、端押しをさらに確実に行うことができる。
【0026】
請求項10の発明によれば、ハンドル側リブと器体側リブとが面接触する場合と比べて接触面積を小さくすることによって、ハンドルと器体との間に発生する摩擦を低減することができるので、使用者によるハンドルの操作を滑らかにすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
(実施形態1)
まず、本発明の実施形態1に係る調光スイッチ1の構成について図1,2を用いて説明する。この調光スイッチ1は、図1に示す照明負荷Lを調光するものであり、交流電源ACと照明負荷Lとの間に挿入されて主回路10を構成するトライアック2と、トライアック2の主端子の一方(端子23)と一端(図1の左端)で接続する1組の抵抗3と、1組の抵抗3の他端(図1の右端)とトライアック2の主端子の他方(端子24)との間に設けられた弱電回路11とを備えている。交流電源ACは例えば100Vの商用電源などである。また、照明負荷Lは例えば蛍光灯や白熱球などである。
【0028】
トライアック2は例えばシリコンなどの半導体で形成され、端子20,21及びフィルタ用のインダクタ22を介して交流電源AC及び照明負荷Lと直列に接続し、ゲート電流に応じて2つの端子23,24間の電気的な接続の開閉を切り替えるものである。トライアック2及びインダクタ22にはフィルタ用のコンデンサ25が並列に接続されている。
【0029】
1組の抵抗3は、2つの抵抗30,31が並列に接続されて構成するものである。各抵抗30,31の抵抗値は限定されるものではないが、好ましい範囲は50kΩ〜60kΩ(例えば56kΩ)である。上記より、1組の抵抗3は交流電源ACからの交流電圧を電圧降下させている。
【0030】
また、調光スイッチ1は弱電回路11内に、両端間の電気的な接続の開閉を行う電源スイッチ4と、電源スイッチ4と直列に接続し照明負荷Lの可動状態を報知するLED回路5と、トライアック2をターンオンさせるゲート電流をトライアック2のゲートに出力する双方向スイッチング素子(以下「SBS」という)6とを備えている。弱電回路11の許容電圧は交流電源ACからの交流電圧より低い電圧(例えば18V以下)である。そして、弱電回路11には、1組の抵抗3で電圧降下した交流電圧が印加される。
【0031】
電源スイッチ4は両端間がオフ状態となることによって、トライアック2をオン状態(閉状態)とし、照明負荷Lを可動させる。これに対して、両端間がオン状態となることによって、トライアック2をオフ状態(開状態)とし、照明負荷Lを停止させる。
【0032】
LED回路5は、LED50と、LED50に並列に接続されたダイオード51とを備えている。LED50とダイオード51とは互いに逆向きになるように接続されている。LED50は電源スイッチ4がオン状態になると電流が流れて点灯する。
【0033】
SBS6は、抵抗60を介して時定数回路61と一端(図1の右端)で接続し、トライアック2のゲートと他端(図1の左端)で接続している。時定数回路61は、1組の抵抗3の他端(図1の右端)とトライアック2の端子24との間に設けられた回路であり、両端電圧が抵抗60で電圧降下してSBS6に印加される電圧となるコンデンサ610と、それぞれが並列に接続してコンデンサ610と直列回路を形成するボリューム(可変抵抗)611,612とを備えている。各ボリューム611,612の最大抵抗値は例えば100kΩである。2つのボリューム611,612はそれぞれの抵抗値を可変することによってコンデンサ610の充電速度を調節する。具体的には、ボリューム611,612の抵抗値が大きくなるとコンデンサ610の充電速度が遅くなり、ボリューム611,612の抵抗値が小さくなるとコンデンサ610の充電速度が速くなる。
【0034】
また、弱電回路11内には、時定数回路61と並列に接続された定電圧回路62が設けられている。定電圧回路62は、2つのツェナーダイオード620,621がそれぞれの向きを逆にして直列に接続するものである。この定電圧回路62によって時定数回路61の両端電圧を一定にすることができるので、交流電源ACからの交流電圧が変動した場合であっても、コンデンサ610の両端電圧への影響を低減することができる。
【0035】
さらに、SBS6のゲートと1組の抵抗3の他端(図1の右端)との間には、抵抗630とダイオード631とを有する直列回路である対照電圧発生回路63が設けられている。対照電圧発生回路63は、電源スイッチ4がオフ状態になるとSBS6のゲートに対照電圧を印加する。
【0036】
SBS6は、図1に示すように、コンデンサ610の両端電圧から抵抗60で電圧降下された電圧と対照電圧との電圧差がブレークオーバ電圧を超えるとオン状態(閉状態)になり、トライアック2をターンオンさせるのに必要な大きさのゲート電流をトライアック2のゲートに出力する。上記ゲート電流が出力されると、トライアック2がオン状態(閉状態)になり、交流電源ACから1組の抵抗3に流れていた負荷電流が交流電源ACからトライアック2に流れるようになる。
【0037】
SBS6のゲートとトライアック2の端子24との間にはコンデンサ64が挿入されている。ここで、実施形態1に係る調光スイッチ1のようにコンデンサ64を備えている場合と、比較例としてコンデンサ64を備えていない場合について図2を用いて説明する。図2において、(d)が定電圧回路62のツェナー電圧、(e)がSBS6の対照電圧、(f)が照明負荷Lの両端電圧を示している。まず、コンデンサ64を備えていない場合、図2(a)に示すように、SBS6の対照電圧(図2(a)の(e))が定電圧回路62のツェナー電圧(図2(a)の(d))より高くなることがある(図2(a)のT)。このため、SBS6がオン状態になりトライアック2がオン状態になることによって照明負荷Lが予定外に点灯してしまうという現象が発生し(図2(a)の(f))、使用者が要望する調光ができなくなってしまう。
【0038】
これに対して、実施形態1に係る調光スイッチ1のようにコンデンサ64を備えている場合、図2(b)に示すように、SBS6の対照電圧(図2(b)の(e))をなまらせることによって、コンデンサ64を備えていない場合のようなSBS6の対照電圧が定電圧回路62のツェナー電圧(図2(b)の(d))より高くなることを防止することができるので、SBS6がオン状態になりトライアック2がオン状態になることによる照明負荷Lの予定外の点灯を防止することができる(図2(b)の(f))。
【0039】
次に、実施形態1に係る調光スイッチ1の動作について図1を用いて説明する。まず、交流電源ACから照明負荷Lへの電力供給を行わない場合について説明する。電源スイッチ4をオン状態に切り替えると、交流電源ACからの交流電流がLED50とダイオード51とを極性ごとに切り替えて流れることによってLED50が点灯する。このとき、コンデンサ610は充電されないのでSBS6が導通せず、トライアック2のゲートにはゲート電流が流れない。トライアック2がオフ状態(開状態)になるので、交流電源ACから照明負荷Lに対して点灯するのに十分な電力が供給されない。上記より、LED50の点灯によって照明負荷Lが停止状態であることを使用者に報知することができる。
【0040】
続いて、交流電源ACから照明負荷Lへの電力供給を行う場合について説明する。電源スイッチ4をオフ状態に切り替えると、LED50に電流が流れないので、LED50が消灯する。このとき、交流電源ACからの交流電流がボリューム611,612を介してコンデンサ610に流れる。コンデンサ610に流れた電流によってコンデンサ610が充電され、コンデンサ610の両端電圧が高くなっていく。上記の動作とは別に、対照電圧発生回路63が対照電圧をSBS6に印加する。その後、両端電圧から抵抗60で電圧降下された電圧と対照電圧との電圧差がSBS6のブレークダウン電圧を超えるとSBS6がオン状態になり、トライアック2のゲートにゲート電流が入力される。これにより、トライアック2がオン状態になり、交流電源ACから照明負荷Lに対して点灯するのに十分な電力が供給される。上記より、照明負荷Lを可動させることができる。また、LED50の消灯によって照明負荷Lが可動状態であることを使用者に報知することができる。
【0041】
次に、実施形態1に係る調光スイッチ1による照明負荷Lの調光について説明する。照明負荷Lを調光するためにはボリューム611,612の抵抗値を調整する。具体的には、ボリューム611,612の抵抗値を大きくしてコンデンサ610の充電速度を遅くさせると、SBS6がオン状態になりトライアック2がオン状態になるまでに長い時間を要する。これにより、照明負荷Lの点灯時間が短くなるので、明るさを抑えることができる。これに対して、ボリューム611,612の抵抗値を小さくしてコンデンサ610の充電速度を速くさせると、SBS6がオン状態になりトライアック2がオン状態になるまでの時間が短くなる。これにより、照明負荷Lの点灯時間が長くなるので、明るくすることができる。
【0042】
以上、実施形態1によれば、電源スイッチ4及びLED50を弱電回路11内に備えることによって、電源スイッチ4及びLED50を主回路10内に備える場合と比べて、電源スイッチ4の許容電力を小さくすることができるので、LED50によって照明負荷Lの可動状態を報知しつつ、電源スイッチ4を小型にすることができる。また、電源スイッチ4の電気的な接続の開閉を主回路10内で切り替えるより弱電回路11内で切り替えるほうが電源スイッチ4の電気的なストレスを低減することができるので、電源スイッチ4及びLED50を主回路10内に備える場合と比べて、電源スイッチ4の長寿命化を図ることができる。
【0043】
さらに、コンデンサ64を備えることによって、トライアック2が任意のタイミングで電気的な接続の開閉を行うことによる照明負荷Lのちらつきを低減することができる。
【0044】
(実施形態2)
本発明の実施形態2に係る調光スイッチ1aの構成について図1,3を用いて説明する。この調光スイッチ1aは、図1,3に示すように、トライアック2と、1組の抵抗3と、電源スイッチ4と、LED回路5とを実施形態1の調光スイッチ1(図1参照)と同様に備えているが、実施形態1の調光スイッチ1にはない以下に記載の特徴部分を有する。なお、図3のa、b及びcは図1のa、b及びcで1組の抵抗3の他端並びにトライアック2のゲート及び端子24と接続する。
【0045】
調光スイッチ1aは、実施形態1のSBS6に代えて図3に示すようなダイアック6aを備えている。ダイアック6aは実施形態1のSBS6と同様に、抵抗60を介して時定数回路61と一端(図3の右端)で接続し、トライアック2(図1参照)のゲートと他端(図3の左端)で接続している。このダイアック6aは、コンデンサ610の両端電圧から抵抗60で電圧降下された電圧がブレークオーバ電圧を超えるとオン状態(閉状態)になり、トライアック2をターンオンさせるのに必要な大きさのゲート電流をトライアック2のゲートに出力する。上記ゲート電流が出力されると、実施形態1と同様に、交流電源ACから1組の抵抗3に流れていた負荷電流が交流電源ACからトライアック2に流れるようになる。なお、調光スイッチ1aは実施形態1の調光スイッチ1と異なり、対照電圧発生回路63を備えていない。
【0046】
以上、実施形態2によれば、SBS6をダイアック6aに代えた構成であっても、実施形態1と同様に、電源スイッチ4及びLED50を主回路10内に備える場合と比べて、電源スイッチ4の小型化及び長寿命化を図ることができる。また、対照電圧発生回路63(図1参照)を必要としないので、SBS6を備える場合と比べて回路構成を簡単にすることができる。
【0047】
(実施形態3)
本発明の実施形態3に係る調光スイッチ1bの構成について図1,4を用いて説明する。この調光スイッチ1bは、図1,4に示すように、トライアック2と、1組の抵抗3と、LED回路5と、SBS6と、定電圧回路62と、対照電圧発生回路63と、コンデンサ64とを実施形態1の調光スイッチ1(図1参照)と同様に備えているが、実施形態1の調光スイッチ1にはない以下に記載の特徴部分を有する。なお、図4のa、b及びcは図1のa、b及びcで1組の抵抗3の他端並びにトライアック2のゲート及び端子24と接続する。
【0048】
調光スイッチ1bは、実施形態1の電源スイッチ4及びボリューム611,612(図1参照)に代えて図4に示すような3路スイッチ付ボリューム7を備えている。3路スイッチ付ボリューム7のボリューム機能70は時定数回路61aに設けられ実施形態1のボリューム611,612(図1参照)として用いられ、3路スイッチ機能71は実施形態1の電源スイッチ4(図1参照)として用いられる。3路スイッチ付ボリューム7は、ボリューム機能70と3路スイッチ機能71とが互いに干渉せずに独立して動作するものであってもよいし、3路スイッチ機能71において端子710と端子711とが導通しているときにボリューム機能70が動作し、端子710と端子712とが導通しているときにはボリューム機能70が停止するものであってもよい。
【0049】
以上、実施形態3によれば、実施形態1の電源スイッチ4とボリューム611,612を1個の素子(3路スイッチ付ボリューム7)にすることができるので、実施形態1のように電源スイッチ4とボリューム611,612(図1参照)を別個の素子として備える場合と比べて小型にすることができる。また、LED50に電流が流れるように3路スイッチ付ボリューム7の3路スイッチ機能71を切り替えることによって、実施形態1と同様にLED50が点灯する。さらに、例えばオフスイッチ付のロータリスイッチではオン状態でしかボリューム機能を動作することができないので電源スイッチとボリュームとを兼用することができないが、3路スイッチ付ボリューム7では兼用することができる。
【0050】
(実施形態4)
まず、本発明の実施形態4に係る調光スイッチ1cの構成について図5,6を用いて説明する。この調光スイッチ1cは、実施形態1の調光スイッチ1(図1参照)と同様に、トライアック2と、1組の抵抗3と、LED回路5と、SBS6と、定電圧回路62と、対照電圧発生回路63と、コンデンサ64とを備えているが、実施形態1の調光スイッチ1にはない以下に記載の特徴部分を有する。
【0051】
図5に示すように、調光スイッチ1cの電源スイッチはプッシュスイッチ4aであり、ボリュームはプッシュスイッチ付ボリューム65である。プッシュスイッチ4aは弱電回路用のものであり、押操作によって押駆動し両端間の電気的な接続の開閉を切り替える押しボタン40を備えている。一般的に許容電圧が大きくなるにつれて電源スイッチは大型となる。これにより、強電回路用のプッシュスイッチより小型にすることができるので、強電回路用のプッシュスイッチを備える場合と比べて、全体の大きさを変えることなく配線モジュール内で他の部品を配置するスペースを拡大することができる。配線モジュール内のスペースが拡大されることによって、例えば従来よりも大型である高容量タイプのインダクタを用いることができる。
【0052】
プッシュスイッチ付ボリューム65は、押操作によって押駆動する押しボタン650と、押しボタン650を支持する固定軸部651とを備えている。このプッシュスイッチ付ボリューム65は、プッシュスイッチ機能がオン状態である場合に抵抗値を可変することができ、オフ状態である場合には抵抗値を可変することができないものである。このような場合、プッシュスイッチ付ボリューム65のプッシュスイッチ機能を電源スイッチとして兼用することができないので、電源スイッチとしてプッシュスイッチ4aを別途備えている。
【0053】
また、調光スイッチ1cは、外径寸法が既製の埋込型の配線器具(例えば、日本工業規格(JIS)で規定された大角形連用配線器具(JIS C8304参照))の2個モジュール寸法に形成された器体80を備えている。器体80は、開口が形成された箱状のボディ81及びカバー82から構成されている。ボディ81は側面部810に複数の係止突起811,811を備えている。
【0054】
カバー82は、前面部820と、前面部820の端部から後方に延設された側面部821と、側面部821の端部から後方に延設された複数の係止片822,822と、前面部820の裏面から内方に突出して設けられた円筒状の器体側リブ823(図6(a)参照)とを一体に備えている。前面部820の中央には、後述のハンドル85の操作面部850を外部に露出させる露出窓824が形成され、前面部820の左下部には、LED50を外部に露出させるLED窓825が形成されている。また、各係止片822には係止孔826が形成されている。さらに、カバー82は、ハンドル85が図6(a)のX軸方向に移動できるように露出窓824の下方にスペース827を確保している。
【0055】
器体80は、図5に示すボディ81の係止突起811とカバー82の係止孔826とが係止することによって、プッシュスイッチ4a及びプッシュスイッチ付ボリューム65を、2つの押しボタン40,650の押駆動方向が同一方向となるように収納する。
【0056】
さらに、調光スイッチ1cは、プッシュスイッチ4a及びプッシュスイッチ付ボリューム65を含む基板ブロック83と、基板ブロック83を覆うトライアックブロック84と、プッシュスイッチ4a及びプッシュスイッチ付ボリューム65の前面側に設けられたハンドル85と、プッシュスイッチ付ボリューム65の押しボタン650とハンドル85の操作面部850との間に設けられたばね86とを器体80に収納して備えている。
【0057】
基板ブロック83はプリント基板830を備えている。このプリント基板830には、プッシュスイッチ4a及びプッシュスイッチ付ボリューム65のそれぞれの押しボタン40,650が同一の押駆動方向(図5のX軸方向)となるように、プッシュスイッチ4a及びプッシュスイッチ付ボリューム65が実装されている。
【0058】
ハンドル85は、図6(a)に示すように、押しボタン650の押駆動方向(図6(a)のX軸方向)で一部が上記押しボタン650と対向する円板状の操作面部850と、操作面部850の外周縁から下方に延設された円筒状の側面部851と、側面部851の下端から外方に延設され押しボタン40の押駆動方向(図6(a)のX軸方向)で一部が上記押しボタン40と対向する円環状のスカート部852と、スカート部852の外周縁から下方に延設された円筒状のハンドル側リブ853と、操作面部850からプッシュスイッチ付ボリューム65の固定軸部651の周囲に向かって延設された軸受け854とを備えている。ハンドル側リブ853の外周面は器体側リブ823の内周面と接触している。
【0059】
また、操作面部850の中の押しボタン650と対向する位置には、ばね86を収納する収納部855が設けられている。この収納部855には、外周が円状となる凹部856が形成され、下端が操作面部850の裏面の通常位置(図6(a)の破線位置)より下方になるように凹部856の底面から突出する円柱状の突出部857が設けられている。このような凹部856と突出部857とを組み合わることによって、凹部856が形成されることなく操作面部850の裏面から突出部857が突出して設けられた場合と比べて、調光スイッチ1c全体における図6(a)のX軸方向の大きさを大きくすることなく、ばね86を収納するのに十分なスペースを図6(a)のX軸方向に確保することができる。なお、凹部856は操作面部850全体に対して一部分であるので、操作面部850の強度が急激に低下することはない。
【0060】
このような構造のハンドル85は、操作面部850がカバー82の前面部820から外部に露出するように器体80に収納され、使用者による押駆動方向(図6(a)の下方向)の押操作によって押しボタン40,650に対して押駆動する。なお、ハンドル85によって押駆動された場合に、プッシュスイッチ4aがオン状態になるときにプッシュスイッチ付ボリューム65がオフ状態になり、プッシュスイッチ4aがオフ状態になるときにプッシュスイッチ付ボリューム65がオン状態になるように、プッシュスイッチ4a及びプッシュスイッチ付ボリューム65を事前に調整しておく。
【0061】
次に、実施形態4に係る調光スイッチ1cの動作について、ばね86を備えていない場合とともに図6を用いて説明する。なお、プッシュスイッチ4a及びプッシュスイッチ付ボリューム65における2つの押しボタン40,650の操作ストロークは同じ距離である。まず、ばね86を備えていない場合、通常時においてハンドル85の操作面部850とプッシュスイッチ付ボリューム65の押しボタン650とは当接しているが、ハンドル85のスカート部852とプッシュスイッチ4aの押しボタン40とは離隔している。このような状態でハンドル85に押操作を行うと押しボタン650が押駆動し、さらに押操作を行うと押しボタン650が完全に押された状態となる。このとき、プッシュスイッチ4aの押しボタン40も押駆動していくが、通常時にスカート部852と離隔しているので、押しボタン650が完全に押された状態であっても、押しボタン40は必ずしも完全に押された状態とならない可能性がある。このため、プッシュスイッチ4aの電気的な接続の開閉が切り替わらないという事態が発生する。
【0062】
これに対して、実施形態4に係る調光スイッチ1cのようにばね86を備えている場合、図6(a)に示すように、通常時においてハンドル85がばね86の付勢力によって上方に位置している。つまり、ハンドル85の操作面部850とばね86の上端とが接触し、プッシュスイッチ付ボリューム65の押しボタン650とばね86の下端とが接触している。このとき、ハンドル85のスカート部852とプッシュスイッチ4aの押しボタン40とは離隔している。このような状態でハンドル85に図6(a)の下向きに押操作を行うと、最初、ハンドル85がばね86の付勢力に逆らって下方向に駆動するものの、ばね86が縮むことによって押しボタン650が押駆動されない、又はばね86を備えていない場合と比べて押駆動される距離が短い。さらに押操作を行うと、押しボタン650が押駆動されて完全に押された状態となる(図6(b)参照)。一方、押しボタン40は押しボタン650が押駆動される前からスカート部852によって押駆動されるので、押しボタン650が完全に押されたときには完全に押された状態となる(図6(b)参照)。これにより、プッシュスイッチ4aの電気的な接続の開閉を確実に切り替えることができる。
【0063】
以上、実施形態4によれば、プッシュスイッチ付ボリューム65のプッシュスイッチ機能を電源スイッチとして用いることができない場合であっても、電源スイッチとしてプッシュスイッチ4aを用い、ハンドル85への押操作によってプッシュスイッチ4aの電気的な接続の開閉を切り替えることができる。
【0064】
また、ばね86を備えることによって、プッシュスイッチ4aの押しボタン40の操作ストロークがプッシュスイッチ付ボリューム65の押しボタン650と同じであっても、プッシュスイッチ4aの電気的な接続の開閉を確実に切り替えることができる。
【0065】
さらに、ハンドル85が、ばね86の収納部855及び軸受け854を備えることによって、使用者がハンドル85を用いてプッシュスイッチ付ボリューム65の押しボタン650を押したときに、ハンドル85のがたつきを低減することができ、端押しを確実に行うことができる。また、プッシュスイッチ付ボリューム65の固定軸部651から離れた位置にハンドル側リブ853及び器体側リブ823を備えることによっても、上記と同様にハンドル85のがたつきをさらに低減することができ、端押しをさらに確実に行うことができるとともに、ハンドル85を傾かないようにすることができる。
【0066】
(実施形態5)
まず、本発明の実施形態5に係る調光スイッチ1dの構成について図7〜9を用いて説明する。この調光スイッチ1dは、実施形態1の調光スイッチ1(図1参照)と同様に、トライアック2と、1組の抵抗3と、LED回路5と、SBS6と、定電圧回路62と、対照電圧発生回路63と、コンデンサ64とを備えているが、実施形態1の調光スイッチ1にはない以下に記載の特徴部分を有する。
【0067】
図7に示すように、調光スイッチ1dの電源スイッチはプッシュスイッチ4bであり、ボリュームはプッシュスイッチ付ボリューム65aである。プッシュスイッチ4bは弱電回路用のものであり、押操作によって押駆動し両端間の電気的な接続の開閉を切り替える押しボタン40aを備えている。これにより、強電回路用のプッシュスイッチを備える場合と比べて、配線モジュール内で他の部品を配置するスペースを拡大することができる。
【0068】
プッシュスイッチ付ボリューム65aは、押操作によって押駆動する押しボタン650aと、押しボタン650aを支持する固定軸部651aとを備えている。このプッシュスイッチ付ボリューム65aは、プッシュスイッチ機能がオン状態である場合に抵抗値を可変することができ、オフ状態である場合には抵抗値を可変することができないものである。このような場合、プッシュスイッチ付ボリューム65aのプッシュスイッチ機能を電源スイッチとして兼用することができないので、電源スイッチとしてプッシュスイッチ4bを別途備えている。
【0069】
また、調光スイッチ1dは、外径寸法が既製の埋込型の配線器具(例えば、日本工業規格(JIS)で規定された大角形連用配線器具(JIS C8304参照))の1個モジュール寸法に形成された器体80aを備えている。器体80aは、開口が形成された箱状のボディ81a及びカバー82aから構成されている。ボディ81aの側面部810aには係止孔812が形成されている。
【0070】
カバー82aは、前面部820aと、前面部820aの端部から後方に延設された側面部821aと、側面部821aの端部から後方に延設された係止片822aと、前面部820aの裏面から内方に突出して設けられた円筒状の器体側リブ823a(図8(a)参照)とを一体に備えている。前面部820aの中央には、後述のハンドル85aの操作面部850aを外部に露出させる露出窓824aが形成され、前面部820aの右上部には、LED50を外部に露出させるLED窓825aが形成されている。また、カバー82aは、ハンドル85aが図8(a)のX軸方向に移動できるように露出窓824aの下方にスペース827aを確保している。
【0071】
器体80aは、図7に示すボディ81aの係止孔812とカバー82aの係止片822aとが係止することによって、プッシュスイッチ4b及びプッシュスイッチ付ボリューム65aを、2つの押しボタン40a,650aの押駆動方向が同一方向となるように収納する。
【0072】
さらに、調光スイッチ1dは、プッシュスイッチ4b及びプッシュスイッチ付ボリューム65aを含む基板ブロック83aと、基板ブロック83aを覆うトライアックブロック84aと、プッシュスイッチ4b及びプッシュスイッチ付ボリューム65aの前面側に設けられたハンドル85aと、プッシュスイッチ付ボリューム65aの押しボタン650aとハンドル85aの操作面部850aとの間に設けられたばね86aとを器体80aに収納して備えている。
【0073】
基板ブロック83aはプリント基板830aを備えている。このプリント基板830aには、プッシュスイッチ4b及びプッシュスイッチ付ボリューム65aのそれぞれの押しボタン40a,650aが同一の押駆動方向(図7のX軸方向)となるように、プッシュスイッチ4b及びプッシュスイッチ付ボリューム65aが実装されている。
【0074】
ハンドル85aは、図8(a)に示すように、押しボタン650aの押駆動方向(図8(a)の上下方向)で一部が上記押しボタン650aと対向する円板状の操作面部850aと、操作面部850aの外周縁から下方に延設された円筒状の側面部851aと、側面部851aの下端から外方に延設された円環状のスカート部852aと、操作面部850aからプッシュスイッチ付ボリューム65aの固定軸部651aの周囲に向かって延設された軸受け854aとを備えている。
【0075】
また、操作面部850aの中の押しボタン650aと対向する位置には、ばね86aを収納する収納部855aが設けられている。この収納部855aには、外周が円状となる凹部856aが形成され、凹部856aの底面から円柱状の突出部857aが下方に突出して設けられている。
【0076】
さらに、ハンドル85aは、スカート部852aの外周縁から延設され押しボタン40aの押駆動方向(図8(a)の上下方向)で一部が押しボタン40aと対向する断面U字状のハンドル側リブ853aを備えている。ハンドル側リブ853aは、スカート部852aから延設された内側面部870と、内側面部870の下端から外方に延設された底面部871と、底面部871の外周端から上方に延設された外側面部872と、内側面部870の外面側において等間隔で外方に突出して設けられた上下方向に細長い4つの突出部873,・・・(図9参照)とを備えている。このハンドル側リブ853は、図8(b)に示すように、4つの突出部873,・・・のそれぞれの先端で器体側リブ823aの内周面と接触する。つまり、ハンドル側リブ853aは器体側リブ823aの外周面と面接触し、器体側リブ823aの内周面と4箇所で線接触して挟持している。なお、突出部873の数は4つに限定されるものではなく、用途に応じて適宜設定されるものである。
【0077】
このような構造のハンドル85aは、図8(a)に示すように、操作面部850aがカバー82aの前面部820aから外部に露出するように器体80aに収納され、使用者による押駆動方向(図8(a)の下方向)の押操作によって押しボタン40a,650aに対して押駆動する。なお、ハンドル85aによって押駆動された場合に、プッシュスイッチ4bがオン状態になるときにプッシュスイッチ付ボリューム65aがオフ状態になり、プッシュスイッチ4bがオフ状態になるときにプッシュスイッチ付ボリューム65aがオン状態になるように、プッシュスイッチ4b及びプッシュスイッチ付ボリューム65aを事前に調整しておく。
【0078】
次に、実施形態5に係る調光スイッチ1dの動作について、ばね86aを備えていない場合とともに図8を用いて説明する。なお、プッシュスイッチ4b及びプッシュスイッチ付ボリューム65aにおける押しボタン40a,650aの操作ストロークは同じ距離である。まず、ばね86aを備えていない場合、通常時においてハンドル85aの操作面部850aとプッシュスイッチ付ボリューム65aの押しボタン650aとは当接しているが、ハンドル85aのハンドル側リブ853aとプッシュスイッチ4bの押しボタン40aとは離隔している。このような状態でハンドル85aに押操作を行うと押しボタン650aが押駆動し、さらに押操作を行うと押しボタン650が完全に押された状態となる。このとき、プッシュスイッチ4bの押しボタン40aも押駆動していくが、通常時にハンドル側リブ853aと離隔しているので、押しボタン650aが完全に押された状態であっても、押しボタン40aは必ずしも完全に押された状態とならない可能性がある。このため、プッシュスイッチ4bの電気的な接続の開閉が切り替わらないという事態が発生する。
【0079】
これに対して、実施形態5に係る調光スイッチ1dのようにばね86aを備えている場合、図8(a)に示すように、通常時においてハンドル85aがばね86aの付勢力によって上方に位置している。つまり、ハンドル85aの操作面部850aとばね86aの上端とが当接し、プッシュスイッチ付ボリューム65aの押しボタン650aとばね86aの下端とが当接している。このとき、ハンドル85aのスカート部852aとプッシュスイッチ4bの押しボタン40aとは離隔している。このような状態でハンドル85aに図8(a)の下向きに押操作を行うと、最初、ハンドル85aがばね86aの付勢力に逆らって下方向に駆動するものの、ばね86aが縮むことによって押しボタン650aが押駆動されない、又はばね86aを備えていない場合と比べて押駆動される距離が短い。さらに押操作を行うと、押しボタン650が押駆動されて完全に押された状態となる。一方、押しボタン40aは押しボタン650aが押駆動される前からハンドル側リブ853aによって押駆動されるので、押しボタン650aが完全に押されたときには完全に押された状態となる。これにより、プッシュスイッチ4bの電気的な接続の開閉を確実に切り替えることができる。
【0080】
以上、実施形態5によれば、プッシュスイッチ付ボリューム65aのプッシュスイッチ機能を電源スイッチとして用いることができない場合であっても、電源スイッチとしてプッシュスイッチ4bを用い、ハンドル85aへの押操作によってプッシュスイッチ4bの電気的な接続の開閉を切り替えることができる。
【0081】
また、ばね86aを備えることによって、プッシュスイッチ4bの押しボタン40aの操作ストロークがプッシュスイッチ付ボリューム65aの押しボタン650aと同じであっても、プッシュスイッチ4bの電気的な接続の開閉を確実に切り替えることができる。
【0082】
さらに、ハンドル85aが、ばね86aの軸受け854a及び収納部855aを備えることによって、使用者がハンドル85aを用いてプッシュスイッチ付ボリューム65aの押しボタン650aを押したときに、ハンドル85aのがたつきを低減することができ、端押しを確実に行うことができる。また、プッシュスイッチ付ボリューム65aの固定軸部651aから離れた位置にハンドル側リブ853a及び器体側リブ823aを備えることによって、上記と同様にハンドル85aのがたつきをさらに低減することができ、端押しをさらに確実に行うことができるとともに、ハンドル85aを傾かないようにすることができる。
【0083】
また、ハンドル側リブ853aが器体側リブ823aの内周面と線接触し、器体側リブ823aの内周面と面接触する場合と比べて接触面積を小さくすることによって、ハンドル85aと器体80aとの間に発生する摩擦を低減することができるので、使用者によるハンドル85aの操作を滑らかにすることができる。
【0084】
なお、実施形態5の変形例として、ハンドル85aのハンドル側リブ853aが突出部873を備えるのではなく、器体側リブ823aが突出部を備えてもよい。このような構成であっても、実施形態5と同様に、使用者によるハンドル85aの操作を滑らかにすることができる。
【0085】
また、実施形態3〜5の変形例として、SBS6に代えて実施形態2と同様のダイアック6aを備えてもよい。このような構成であっても、実施形態3〜5と同様の効果を奏するとともに、対照電圧発生回路63(図1参照)を必要としないので、SBS6を備える場合と比べて回路構成を簡単にすることができる。
【0086】
なお、実施形態1〜5の変形例として、1組の抵抗3の抵抗は2個に限定されるものではなく、1個であってもよいし3個以上であってもよい。また、並列接続に限定されるものではなく、直列接続であってもよいし並列接続と直列接続の両方を用いてもよい。このような構成であっても実施形態1〜5と同様の効果を奏する。
【0087】
また、実施形態1〜5の他の変形例として、ボリューム611,612は2個に限定されるものではなく、1個であってもよいし3個以上であってもよい。また、ボリューム611,612は並列接続に限定されるものではなく、直列接続であってもよい。このような構成であっても実施形態1〜5と同様の効果を奏する。
【0088】
さらに、実施形態1〜5の他の変形例として、トライアック2に代えて単方向のサイリスタを備えてもよい。このような構成であっても実施形態1〜5と同様の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】本発明の実施形態1の回路図である。
【図2】調光スイッチの動作を示すものであって、(a)が従来例の調光スイッチの波形図、(b)が本発明の実施形態1に係る調光スイッチの波形図である。
【図3】本発明の実施形態2の回路図である。
【図4】本発明の実施形態3に係る調光スイッチの要部の回路図である。
【図5】本発明の実施形態4に係る調光スイッチの分解斜視図である。
【図6】同上に係る調光スイッチの要部であって、(a)が通常時の断面図、(b)がハンドル操作時の断面図である。
【図7】本発明の実施形態5に係る調光スイッチの分解斜視図である。
【図8】同上に係る調光スイッチであって、(a)が断面図、(b)が(a)のA−A断面図である。
【図9】同上に係る調光スイッチのハンドルの斜視図である。
【図10】従来例の回路図である。
【符号の説明】
【0090】
1,1a〜1d 調光スイッチ
10 主回路
11 弱電回路
2 トライアック
3 1組の抵抗
4 電源スイッチ
50 LED
6 SBS
61,61a 時定数回路
610 コンデンサ
611,612 ボリューム
AC 交流電源
L 照明負荷
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明負荷を調光する調光スイッチに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、照明負荷を調光する調光スイッチの一例として、図10に示すような、交流電源ACと照明負荷Lとの間に挿入されて主回路90を形成するトライアック91と、トライアック91をターンオンさせるための回路92と、主回路90内に挿入された電源スイッチ93と、電源スイッチ93と並列に接続し照明負荷Lの可動状態を報知するLED94とを備える調光スイッチ9が知られている。この調光スイッチ9は、電源スイッチ93がオン状態(閉状態)になると照明負荷Lが点灯し、電源スイッチ93がオフ状態(開状態)になると照明負荷Lが消灯し、LED94が点灯する。
【0003】
また、従来の調光スイッチの他の例として、特許文献1には、交流電源の一端及び照明器具(照明負荷)の一端と接続する1対の端子と、1対の端子間に挿入されたトライアックと、1対の端子間に挿入されたネオンランプと、トライアック及びネオンランプと直列に接続しトライアックへの通電とネオンランプへの通電とを切り替えるスイッチ(電源スイッチ)とを備える調光スイッチが開示されている。この特許文献1の調光スイッチは、スイッチがトライアック側に切り替えられると照明器具が点灯し、スイッチがネオンランプ側に切り替えられると照明器具が消灯し、ネオンランプが点灯する。
【特許文献1】特開平11−162248号公報(段落0014及び第2図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、これら従来の調光スイッチの電源スイッチは、高電圧が印加される主回路内に挿入されているので、許容電圧を高くする必要があった。一般的に許容電圧が高くなるにつれて電源スイッチが大型となることから、従来の調光スイッチには、LEDによって照明負荷の可動状態を報知することができるものの、電源スイッチが大型になってしまうという問題があった。このため、従来の調光スイッチにおいて、他の素子を配置するスペースが小さくなり、例えば大型となる高容量のインバータを用いることができず、小型である低容量のものを用いなければならなかった。
【0005】
また、従来の調光スイッチには、高電圧が印加される主回路で電源スイッチが電気的な接続の開閉を行うと電源スイッチの電気的なストレスが大きくなることから、電源スイッチの寿命が短くなってしまうという問題もあった。
【0006】
本発明は上記の点に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、照明負荷の可動状態を報知しつつ、電源スイッチの小型化及び長寿命化を図ることができる調光スイッチを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明は、交流電源と照明負荷との間に挿入されて主回路を構成するトライアックと、前記トライアックの主端子の一方と一端で接続する第1の抵抗と、前記第1の抵抗の他端側に設けられ前記交流電源からの電圧が当該第1の抵抗で電圧降下されて印加される弱電回路とを備えるとともに、前記照明負荷の可動状態を報知するLEDと、前記LEDと直列に接続し両端間の電気的な接続の開閉を行うことによって前記トライアックを閉状態とし前記照明負荷を可動させる電源スイッチとを前記弱電回路内に備えることを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1の発明において、主端子間に印加される電圧とゲートに印加される対照電圧との電圧差がブレークオーバ電圧を超えると前記トライアックをターンオンさせるゲート電流を当該トライアックのゲートに出力するSBSと、前記第1の抵抗の他端と前記トライアックの主端子の他方との間に設けられ両端電圧に基づく電圧が前記SBSの前記主端子間に印加される電圧となる第1のコンデンサと、前記第1のコンデンサと直列回路を形成し抵抗値を可変することによって当該第1のコンデンサの充電速度を調節するボリュームと、前記第1の抵抗の他端と前記SBSのゲートとの間に設けられ第2の抵抗とダイオードとを有する直列回路であり前記SBSのゲートに前記対照電圧を印加する対照電圧発生回路と、前記SBSのゲートと前記トライアックの主端子の他方との間に挿入された第2のコンデンサとを前記弱電回路内に備えることを特徴とする。
【0009】
請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記電源スイッチ及び前記ボリュームとして3路スイッチ付ボリュームを備えることを特徴とする。
【0010】
請求項4の発明は、請求項2の発明において、前記電源スイッチが、押操作によって押駆動し両端間の電気的な接続の開閉を切り替える第1の押しボタンを有するプッシュスイッチであり、前記ボリュームが、押操作によって押駆動する第2の押しボタンと、前記第2の押しボタンを支持する固定軸部とを有するプッシュスイッチ付ボリュームであって、前記プッシュスイッチ及び前記プッシュスイッチ付ボリュームを前記第1の押しボタンと前記第2の押しボタンとの押駆動方向が同一方向となるように収納する器体を備えるとともに、前記第2の押しボタンと前記押駆動方向で対向する操作面部と、前記操作面部の端部から延設された側面部と、前記側面部の端部から延設され前記第1の押しボタンと前記押駆動方向で対向するスカート部とを有し、前記操作面部が前記器体の一の面から露出するように当該器体に収納され、前記押駆動方向の押操作によって前記第1の押しボタン及び前記第2の押しボタンに対して押駆動するハンドルを備えることを特徴とする。
【0011】
請求項5の発明は、請求項4の発明において、前記プッシュスイッチ付ボリュームの第2の押しボタンと前記ハンドルの操作面部との間に設けられた弾性体を備えることを特徴とする。
【0012】
請求項6の発明は、請求項5の発明において、前記ハンドルが、前記プッシュスイッチ付ボリュームの第2の押しボタンと対向する位置に設けられ前記弾性体を収納する収納部を有することを特徴とする。
【0013】
請求項7の発明は、請求項4〜6のいずれかの発明において、前記ハンドルが、前記操作面部から前記プッシュスイッチ付ボリュームの固定軸部の周囲に向かって延設された軸受けを有することを特徴とする。
【0014】
請求項8の発明は、請求項4〜7のいずれかの発明において、前記器体が、前記一の面から内方に突出して設けられた器体側リブを有し、前記ハンドルが、前記スカート部の端部から延設され前記器体側リブの内面と接触するハンドル側リブを有することを特徴とする。
【0015】
請求項9の発明は、請求項4〜7のいずれかの発明において、前記器体が、前記一の面から内方に突出して設けられた器体側リブを有し、前記ハンドルが、断面U字状に形成されて前記スカート部の端部から延設され前記器体側リブの外面と接触するハンドル側リブを有することを特徴とする。
【0016】
請求項10の発明は、請求項8又は9の発明において、前記ハンドル側リブと前記器体側リブとが線接触することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
請求項1の発明によれば、電源スイッチ及びLEDを主回路内に備える場合と比べて、電源スイッチの許容電力を小さくすることができるので、LEDによって照明負荷の可動状態を報知しつつ、電源スイッチを小型にすることができる。また、電源スイッチの電気的な接続の開閉を主回路内で切り替えるより弱電回路内で切り替えるほうが電源スイッチの電気的なストレスを低減することができるので、電源スイッチ及びLEDを主回路内に備える場合と比べて、電源スイッチの長寿命化を図ることができる。
【0018】
請求項2の発明によれば、トライアックが任意のタイミングで電気的な接続の開閉を行うことによる照明負荷のちらつきを低減することができる。
【0019】
請求項3の発明によれば、電源スイッチとボリュームを1個の素子にすることができるので、電源スイッチとボリュームを別個の素子として備える場合と比べて小型にすることができる。
【0020】
請求項4の発明によれば、プッシュスイッチ付ボリュームのプッシュスイッチ機能を電源スイッチとして用いることができない場合であっても、電源スイッチとしてプッシュスイッチを用い、ハンドルへの押操作によってプッシュスイッチの電気的な接続の開閉を切り替えることができる。
【0021】
請求項5の発明によれば、プッシュスイッチの第1の押しボタンの操作ストロークがプッシュスイッチ付ボリュームの第2の押しボタンと同じであっても、プッシュスイッチの電気的な接続の開閉を確実に切り替えることができる。
【0022】
請求項6の発明によれば、使用者がハンドルを用いてプッシュスイッチ付ボリュームの第2の押しボタンを押したときに、ハンドルのがたつきを低減することができる。
【0023】
請求項7の発明によれば、使用者がハンドルを用いてプッシュスイッチ付ボリュームの第2の押しボタンを押したときに、ハンドルのがたつきをより低減することができ、端押しを確実に行うことができる。
【0024】
請求項8の発明によれば、使用者がハンドルを用いてプッシュスイッチ付ボリュームの第2の押しボタンを押したときに、ハンドルのがたつきをさらに低減することができ、端押しをさらに確実に行うことができる。また、プッシュスイッチ付ボリュームの固定軸部から離れた位置にハンドル側リブ及び器体側リブを有することによってハンドルを傾かないようにすることができる。
【0025】
請求項9の発明によれば、使用者がハンドルを用いてプッシュスイッチ付ボリュームの第2の押しボタンを押したときに、ハンドルのがたつきをさらに低減することができ、端押しをさらに確実に行うことができる。
【0026】
請求項10の発明によれば、ハンドル側リブと器体側リブとが面接触する場合と比べて接触面積を小さくすることによって、ハンドルと器体との間に発生する摩擦を低減することができるので、使用者によるハンドルの操作を滑らかにすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
(実施形態1)
まず、本発明の実施形態1に係る調光スイッチ1の構成について図1,2を用いて説明する。この調光スイッチ1は、図1に示す照明負荷Lを調光するものであり、交流電源ACと照明負荷Lとの間に挿入されて主回路10を構成するトライアック2と、トライアック2の主端子の一方(端子23)と一端(図1の左端)で接続する1組の抵抗3と、1組の抵抗3の他端(図1の右端)とトライアック2の主端子の他方(端子24)との間に設けられた弱電回路11とを備えている。交流電源ACは例えば100Vの商用電源などである。また、照明負荷Lは例えば蛍光灯や白熱球などである。
【0028】
トライアック2は例えばシリコンなどの半導体で形成され、端子20,21及びフィルタ用のインダクタ22を介して交流電源AC及び照明負荷Lと直列に接続し、ゲート電流に応じて2つの端子23,24間の電気的な接続の開閉を切り替えるものである。トライアック2及びインダクタ22にはフィルタ用のコンデンサ25が並列に接続されている。
【0029】
1組の抵抗3は、2つの抵抗30,31が並列に接続されて構成するものである。各抵抗30,31の抵抗値は限定されるものではないが、好ましい範囲は50kΩ〜60kΩ(例えば56kΩ)である。上記より、1組の抵抗3は交流電源ACからの交流電圧を電圧降下させている。
【0030】
また、調光スイッチ1は弱電回路11内に、両端間の電気的な接続の開閉を行う電源スイッチ4と、電源スイッチ4と直列に接続し照明負荷Lの可動状態を報知するLED回路5と、トライアック2をターンオンさせるゲート電流をトライアック2のゲートに出力する双方向スイッチング素子(以下「SBS」という)6とを備えている。弱電回路11の許容電圧は交流電源ACからの交流電圧より低い電圧(例えば18V以下)である。そして、弱電回路11には、1組の抵抗3で電圧降下した交流電圧が印加される。
【0031】
電源スイッチ4は両端間がオフ状態となることによって、トライアック2をオン状態(閉状態)とし、照明負荷Lを可動させる。これに対して、両端間がオン状態となることによって、トライアック2をオフ状態(開状態)とし、照明負荷Lを停止させる。
【0032】
LED回路5は、LED50と、LED50に並列に接続されたダイオード51とを備えている。LED50とダイオード51とは互いに逆向きになるように接続されている。LED50は電源スイッチ4がオン状態になると電流が流れて点灯する。
【0033】
SBS6は、抵抗60を介して時定数回路61と一端(図1の右端)で接続し、トライアック2のゲートと他端(図1の左端)で接続している。時定数回路61は、1組の抵抗3の他端(図1の右端)とトライアック2の端子24との間に設けられた回路であり、両端電圧が抵抗60で電圧降下してSBS6に印加される電圧となるコンデンサ610と、それぞれが並列に接続してコンデンサ610と直列回路を形成するボリューム(可変抵抗)611,612とを備えている。各ボリューム611,612の最大抵抗値は例えば100kΩである。2つのボリューム611,612はそれぞれの抵抗値を可変することによってコンデンサ610の充電速度を調節する。具体的には、ボリューム611,612の抵抗値が大きくなるとコンデンサ610の充電速度が遅くなり、ボリューム611,612の抵抗値が小さくなるとコンデンサ610の充電速度が速くなる。
【0034】
また、弱電回路11内には、時定数回路61と並列に接続された定電圧回路62が設けられている。定電圧回路62は、2つのツェナーダイオード620,621がそれぞれの向きを逆にして直列に接続するものである。この定電圧回路62によって時定数回路61の両端電圧を一定にすることができるので、交流電源ACからの交流電圧が変動した場合であっても、コンデンサ610の両端電圧への影響を低減することができる。
【0035】
さらに、SBS6のゲートと1組の抵抗3の他端(図1の右端)との間には、抵抗630とダイオード631とを有する直列回路である対照電圧発生回路63が設けられている。対照電圧発生回路63は、電源スイッチ4がオフ状態になるとSBS6のゲートに対照電圧を印加する。
【0036】
SBS6は、図1に示すように、コンデンサ610の両端電圧から抵抗60で電圧降下された電圧と対照電圧との電圧差がブレークオーバ電圧を超えるとオン状態(閉状態)になり、トライアック2をターンオンさせるのに必要な大きさのゲート電流をトライアック2のゲートに出力する。上記ゲート電流が出力されると、トライアック2がオン状態(閉状態)になり、交流電源ACから1組の抵抗3に流れていた負荷電流が交流電源ACからトライアック2に流れるようになる。
【0037】
SBS6のゲートとトライアック2の端子24との間にはコンデンサ64が挿入されている。ここで、実施形態1に係る調光スイッチ1のようにコンデンサ64を備えている場合と、比較例としてコンデンサ64を備えていない場合について図2を用いて説明する。図2において、(d)が定電圧回路62のツェナー電圧、(e)がSBS6の対照電圧、(f)が照明負荷Lの両端電圧を示している。まず、コンデンサ64を備えていない場合、図2(a)に示すように、SBS6の対照電圧(図2(a)の(e))が定電圧回路62のツェナー電圧(図2(a)の(d))より高くなることがある(図2(a)のT)。このため、SBS6がオン状態になりトライアック2がオン状態になることによって照明負荷Lが予定外に点灯してしまうという現象が発生し(図2(a)の(f))、使用者が要望する調光ができなくなってしまう。
【0038】
これに対して、実施形態1に係る調光スイッチ1のようにコンデンサ64を備えている場合、図2(b)に示すように、SBS6の対照電圧(図2(b)の(e))をなまらせることによって、コンデンサ64を備えていない場合のようなSBS6の対照電圧が定電圧回路62のツェナー電圧(図2(b)の(d))より高くなることを防止することができるので、SBS6がオン状態になりトライアック2がオン状態になることによる照明負荷Lの予定外の点灯を防止することができる(図2(b)の(f))。
【0039】
次に、実施形態1に係る調光スイッチ1の動作について図1を用いて説明する。まず、交流電源ACから照明負荷Lへの電力供給を行わない場合について説明する。電源スイッチ4をオン状態に切り替えると、交流電源ACからの交流電流がLED50とダイオード51とを極性ごとに切り替えて流れることによってLED50が点灯する。このとき、コンデンサ610は充電されないのでSBS6が導通せず、トライアック2のゲートにはゲート電流が流れない。トライアック2がオフ状態(開状態)になるので、交流電源ACから照明負荷Lに対して点灯するのに十分な電力が供給されない。上記より、LED50の点灯によって照明負荷Lが停止状態であることを使用者に報知することができる。
【0040】
続いて、交流電源ACから照明負荷Lへの電力供給を行う場合について説明する。電源スイッチ4をオフ状態に切り替えると、LED50に電流が流れないので、LED50が消灯する。このとき、交流電源ACからの交流電流がボリューム611,612を介してコンデンサ610に流れる。コンデンサ610に流れた電流によってコンデンサ610が充電され、コンデンサ610の両端電圧が高くなっていく。上記の動作とは別に、対照電圧発生回路63が対照電圧をSBS6に印加する。その後、両端電圧から抵抗60で電圧降下された電圧と対照電圧との電圧差がSBS6のブレークダウン電圧を超えるとSBS6がオン状態になり、トライアック2のゲートにゲート電流が入力される。これにより、トライアック2がオン状態になり、交流電源ACから照明負荷Lに対して点灯するのに十分な電力が供給される。上記より、照明負荷Lを可動させることができる。また、LED50の消灯によって照明負荷Lが可動状態であることを使用者に報知することができる。
【0041】
次に、実施形態1に係る調光スイッチ1による照明負荷Lの調光について説明する。照明負荷Lを調光するためにはボリューム611,612の抵抗値を調整する。具体的には、ボリューム611,612の抵抗値を大きくしてコンデンサ610の充電速度を遅くさせると、SBS6がオン状態になりトライアック2がオン状態になるまでに長い時間を要する。これにより、照明負荷Lの点灯時間が短くなるので、明るさを抑えることができる。これに対して、ボリューム611,612の抵抗値を小さくしてコンデンサ610の充電速度を速くさせると、SBS6がオン状態になりトライアック2がオン状態になるまでの時間が短くなる。これにより、照明負荷Lの点灯時間が長くなるので、明るくすることができる。
【0042】
以上、実施形態1によれば、電源スイッチ4及びLED50を弱電回路11内に備えることによって、電源スイッチ4及びLED50を主回路10内に備える場合と比べて、電源スイッチ4の許容電力を小さくすることができるので、LED50によって照明負荷Lの可動状態を報知しつつ、電源スイッチ4を小型にすることができる。また、電源スイッチ4の電気的な接続の開閉を主回路10内で切り替えるより弱電回路11内で切り替えるほうが電源スイッチ4の電気的なストレスを低減することができるので、電源スイッチ4及びLED50を主回路10内に備える場合と比べて、電源スイッチ4の長寿命化を図ることができる。
【0043】
さらに、コンデンサ64を備えることによって、トライアック2が任意のタイミングで電気的な接続の開閉を行うことによる照明負荷Lのちらつきを低減することができる。
【0044】
(実施形態2)
本発明の実施形態2に係る調光スイッチ1aの構成について図1,3を用いて説明する。この調光スイッチ1aは、図1,3に示すように、トライアック2と、1組の抵抗3と、電源スイッチ4と、LED回路5とを実施形態1の調光スイッチ1(図1参照)と同様に備えているが、実施形態1の調光スイッチ1にはない以下に記載の特徴部分を有する。なお、図3のa、b及びcは図1のa、b及びcで1組の抵抗3の他端並びにトライアック2のゲート及び端子24と接続する。
【0045】
調光スイッチ1aは、実施形態1のSBS6に代えて図3に示すようなダイアック6aを備えている。ダイアック6aは実施形態1のSBS6と同様に、抵抗60を介して時定数回路61と一端(図3の右端)で接続し、トライアック2(図1参照)のゲートと他端(図3の左端)で接続している。このダイアック6aは、コンデンサ610の両端電圧から抵抗60で電圧降下された電圧がブレークオーバ電圧を超えるとオン状態(閉状態)になり、トライアック2をターンオンさせるのに必要な大きさのゲート電流をトライアック2のゲートに出力する。上記ゲート電流が出力されると、実施形態1と同様に、交流電源ACから1組の抵抗3に流れていた負荷電流が交流電源ACからトライアック2に流れるようになる。なお、調光スイッチ1aは実施形態1の調光スイッチ1と異なり、対照電圧発生回路63を備えていない。
【0046】
以上、実施形態2によれば、SBS6をダイアック6aに代えた構成であっても、実施形態1と同様に、電源スイッチ4及びLED50を主回路10内に備える場合と比べて、電源スイッチ4の小型化及び長寿命化を図ることができる。また、対照電圧発生回路63(図1参照)を必要としないので、SBS6を備える場合と比べて回路構成を簡単にすることができる。
【0047】
(実施形態3)
本発明の実施形態3に係る調光スイッチ1bの構成について図1,4を用いて説明する。この調光スイッチ1bは、図1,4に示すように、トライアック2と、1組の抵抗3と、LED回路5と、SBS6と、定電圧回路62と、対照電圧発生回路63と、コンデンサ64とを実施形態1の調光スイッチ1(図1参照)と同様に備えているが、実施形態1の調光スイッチ1にはない以下に記載の特徴部分を有する。なお、図4のa、b及びcは図1のa、b及びcで1組の抵抗3の他端並びにトライアック2のゲート及び端子24と接続する。
【0048】
調光スイッチ1bは、実施形態1の電源スイッチ4及びボリューム611,612(図1参照)に代えて図4に示すような3路スイッチ付ボリューム7を備えている。3路スイッチ付ボリューム7のボリューム機能70は時定数回路61aに設けられ実施形態1のボリューム611,612(図1参照)として用いられ、3路スイッチ機能71は実施形態1の電源スイッチ4(図1参照)として用いられる。3路スイッチ付ボリューム7は、ボリューム機能70と3路スイッチ機能71とが互いに干渉せずに独立して動作するものであってもよいし、3路スイッチ機能71において端子710と端子711とが導通しているときにボリューム機能70が動作し、端子710と端子712とが導通しているときにはボリューム機能70が停止するものであってもよい。
【0049】
以上、実施形態3によれば、実施形態1の電源スイッチ4とボリューム611,612を1個の素子(3路スイッチ付ボリューム7)にすることができるので、実施形態1のように電源スイッチ4とボリューム611,612(図1参照)を別個の素子として備える場合と比べて小型にすることができる。また、LED50に電流が流れるように3路スイッチ付ボリューム7の3路スイッチ機能71を切り替えることによって、実施形態1と同様にLED50が点灯する。さらに、例えばオフスイッチ付のロータリスイッチではオン状態でしかボリューム機能を動作することができないので電源スイッチとボリュームとを兼用することができないが、3路スイッチ付ボリューム7では兼用することができる。
【0050】
(実施形態4)
まず、本発明の実施形態4に係る調光スイッチ1cの構成について図5,6を用いて説明する。この調光スイッチ1cは、実施形態1の調光スイッチ1(図1参照)と同様に、トライアック2と、1組の抵抗3と、LED回路5と、SBS6と、定電圧回路62と、対照電圧発生回路63と、コンデンサ64とを備えているが、実施形態1の調光スイッチ1にはない以下に記載の特徴部分を有する。
【0051】
図5に示すように、調光スイッチ1cの電源スイッチはプッシュスイッチ4aであり、ボリュームはプッシュスイッチ付ボリューム65である。プッシュスイッチ4aは弱電回路用のものであり、押操作によって押駆動し両端間の電気的な接続の開閉を切り替える押しボタン40を備えている。一般的に許容電圧が大きくなるにつれて電源スイッチは大型となる。これにより、強電回路用のプッシュスイッチより小型にすることができるので、強電回路用のプッシュスイッチを備える場合と比べて、全体の大きさを変えることなく配線モジュール内で他の部品を配置するスペースを拡大することができる。配線モジュール内のスペースが拡大されることによって、例えば従来よりも大型である高容量タイプのインダクタを用いることができる。
【0052】
プッシュスイッチ付ボリューム65は、押操作によって押駆動する押しボタン650と、押しボタン650を支持する固定軸部651とを備えている。このプッシュスイッチ付ボリューム65は、プッシュスイッチ機能がオン状態である場合に抵抗値を可変することができ、オフ状態である場合には抵抗値を可変することができないものである。このような場合、プッシュスイッチ付ボリューム65のプッシュスイッチ機能を電源スイッチとして兼用することができないので、電源スイッチとしてプッシュスイッチ4aを別途備えている。
【0053】
また、調光スイッチ1cは、外径寸法が既製の埋込型の配線器具(例えば、日本工業規格(JIS)で規定された大角形連用配線器具(JIS C8304参照))の2個モジュール寸法に形成された器体80を備えている。器体80は、開口が形成された箱状のボディ81及びカバー82から構成されている。ボディ81は側面部810に複数の係止突起811,811を備えている。
【0054】
カバー82は、前面部820と、前面部820の端部から後方に延設された側面部821と、側面部821の端部から後方に延設された複数の係止片822,822と、前面部820の裏面から内方に突出して設けられた円筒状の器体側リブ823(図6(a)参照)とを一体に備えている。前面部820の中央には、後述のハンドル85の操作面部850を外部に露出させる露出窓824が形成され、前面部820の左下部には、LED50を外部に露出させるLED窓825が形成されている。また、各係止片822には係止孔826が形成されている。さらに、カバー82は、ハンドル85が図6(a)のX軸方向に移動できるように露出窓824の下方にスペース827を確保している。
【0055】
器体80は、図5に示すボディ81の係止突起811とカバー82の係止孔826とが係止することによって、プッシュスイッチ4a及びプッシュスイッチ付ボリューム65を、2つの押しボタン40,650の押駆動方向が同一方向となるように収納する。
【0056】
さらに、調光スイッチ1cは、プッシュスイッチ4a及びプッシュスイッチ付ボリューム65を含む基板ブロック83と、基板ブロック83を覆うトライアックブロック84と、プッシュスイッチ4a及びプッシュスイッチ付ボリューム65の前面側に設けられたハンドル85と、プッシュスイッチ付ボリューム65の押しボタン650とハンドル85の操作面部850との間に設けられたばね86とを器体80に収納して備えている。
【0057】
基板ブロック83はプリント基板830を備えている。このプリント基板830には、プッシュスイッチ4a及びプッシュスイッチ付ボリューム65のそれぞれの押しボタン40,650が同一の押駆動方向(図5のX軸方向)となるように、プッシュスイッチ4a及びプッシュスイッチ付ボリューム65が実装されている。
【0058】
ハンドル85は、図6(a)に示すように、押しボタン650の押駆動方向(図6(a)のX軸方向)で一部が上記押しボタン650と対向する円板状の操作面部850と、操作面部850の外周縁から下方に延設された円筒状の側面部851と、側面部851の下端から外方に延設され押しボタン40の押駆動方向(図6(a)のX軸方向)で一部が上記押しボタン40と対向する円環状のスカート部852と、スカート部852の外周縁から下方に延設された円筒状のハンドル側リブ853と、操作面部850からプッシュスイッチ付ボリューム65の固定軸部651の周囲に向かって延設された軸受け854とを備えている。ハンドル側リブ853の外周面は器体側リブ823の内周面と接触している。
【0059】
また、操作面部850の中の押しボタン650と対向する位置には、ばね86を収納する収納部855が設けられている。この収納部855には、外周が円状となる凹部856が形成され、下端が操作面部850の裏面の通常位置(図6(a)の破線位置)より下方になるように凹部856の底面から突出する円柱状の突出部857が設けられている。このような凹部856と突出部857とを組み合わることによって、凹部856が形成されることなく操作面部850の裏面から突出部857が突出して設けられた場合と比べて、調光スイッチ1c全体における図6(a)のX軸方向の大きさを大きくすることなく、ばね86を収納するのに十分なスペースを図6(a)のX軸方向に確保することができる。なお、凹部856は操作面部850全体に対して一部分であるので、操作面部850の強度が急激に低下することはない。
【0060】
このような構造のハンドル85は、操作面部850がカバー82の前面部820から外部に露出するように器体80に収納され、使用者による押駆動方向(図6(a)の下方向)の押操作によって押しボタン40,650に対して押駆動する。なお、ハンドル85によって押駆動された場合に、プッシュスイッチ4aがオン状態になるときにプッシュスイッチ付ボリューム65がオフ状態になり、プッシュスイッチ4aがオフ状態になるときにプッシュスイッチ付ボリューム65がオン状態になるように、プッシュスイッチ4a及びプッシュスイッチ付ボリューム65を事前に調整しておく。
【0061】
次に、実施形態4に係る調光スイッチ1cの動作について、ばね86を備えていない場合とともに図6を用いて説明する。なお、プッシュスイッチ4a及びプッシュスイッチ付ボリューム65における2つの押しボタン40,650の操作ストロークは同じ距離である。まず、ばね86を備えていない場合、通常時においてハンドル85の操作面部850とプッシュスイッチ付ボリューム65の押しボタン650とは当接しているが、ハンドル85のスカート部852とプッシュスイッチ4aの押しボタン40とは離隔している。このような状態でハンドル85に押操作を行うと押しボタン650が押駆動し、さらに押操作を行うと押しボタン650が完全に押された状態となる。このとき、プッシュスイッチ4aの押しボタン40も押駆動していくが、通常時にスカート部852と離隔しているので、押しボタン650が完全に押された状態であっても、押しボタン40は必ずしも完全に押された状態とならない可能性がある。このため、プッシュスイッチ4aの電気的な接続の開閉が切り替わらないという事態が発生する。
【0062】
これに対して、実施形態4に係る調光スイッチ1cのようにばね86を備えている場合、図6(a)に示すように、通常時においてハンドル85がばね86の付勢力によって上方に位置している。つまり、ハンドル85の操作面部850とばね86の上端とが接触し、プッシュスイッチ付ボリューム65の押しボタン650とばね86の下端とが接触している。このとき、ハンドル85のスカート部852とプッシュスイッチ4aの押しボタン40とは離隔している。このような状態でハンドル85に図6(a)の下向きに押操作を行うと、最初、ハンドル85がばね86の付勢力に逆らって下方向に駆動するものの、ばね86が縮むことによって押しボタン650が押駆動されない、又はばね86を備えていない場合と比べて押駆動される距離が短い。さらに押操作を行うと、押しボタン650が押駆動されて完全に押された状態となる(図6(b)参照)。一方、押しボタン40は押しボタン650が押駆動される前からスカート部852によって押駆動されるので、押しボタン650が完全に押されたときには完全に押された状態となる(図6(b)参照)。これにより、プッシュスイッチ4aの電気的な接続の開閉を確実に切り替えることができる。
【0063】
以上、実施形態4によれば、プッシュスイッチ付ボリューム65のプッシュスイッチ機能を電源スイッチとして用いることができない場合であっても、電源スイッチとしてプッシュスイッチ4aを用い、ハンドル85への押操作によってプッシュスイッチ4aの電気的な接続の開閉を切り替えることができる。
【0064】
また、ばね86を備えることによって、プッシュスイッチ4aの押しボタン40の操作ストロークがプッシュスイッチ付ボリューム65の押しボタン650と同じであっても、プッシュスイッチ4aの電気的な接続の開閉を確実に切り替えることができる。
【0065】
さらに、ハンドル85が、ばね86の収納部855及び軸受け854を備えることによって、使用者がハンドル85を用いてプッシュスイッチ付ボリューム65の押しボタン650を押したときに、ハンドル85のがたつきを低減することができ、端押しを確実に行うことができる。また、プッシュスイッチ付ボリューム65の固定軸部651から離れた位置にハンドル側リブ853及び器体側リブ823を備えることによっても、上記と同様にハンドル85のがたつきをさらに低減することができ、端押しをさらに確実に行うことができるとともに、ハンドル85を傾かないようにすることができる。
【0066】
(実施形態5)
まず、本発明の実施形態5に係る調光スイッチ1dの構成について図7〜9を用いて説明する。この調光スイッチ1dは、実施形態1の調光スイッチ1(図1参照)と同様に、トライアック2と、1組の抵抗3と、LED回路5と、SBS6と、定電圧回路62と、対照電圧発生回路63と、コンデンサ64とを備えているが、実施形態1の調光スイッチ1にはない以下に記載の特徴部分を有する。
【0067】
図7に示すように、調光スイッチ1dの電源スイッチはプッシュスイッチ4bであり、ボリュームはプッシュスイッチ付ボリューム65aである。プッシュスイッチ4bは弱電回路用のものであり、押操作によって押駆動し両端間の電気的な接続の開閉を切り替える押しボタン40aを備えている。これにより、強電回路用のプッシュスイッチを備える場合と比べて、配線モジュール内で他の部品を配置するスペースを拡大することができる。
【0068】
プッシュスイッチ付ボリューム65aは、押操作によって押駆動する押しボタン650aと、押しボタン650aを支持する固定軸部651aとを備えている。このプッシュスイッチ付ボリューム65aは、プッシュスイッチ機能がオン状態である場合に抵抗値を可変することができ、オフ状態である場合には抵抗値を可変することができないものである。このような場合、プッシュスイッチ付ボリューム65aのプッシュスイッチ機能を電源スイッチとして兼用することができないので、電源スイッチとしてプッシュスイッチ4bを別途備えている。
【0069】
また、調光スイッチ1dは、外径寸法が既製の埋込型の配線器具(例えば、日本工業規格(JIS)で規定された大角形連用配線器具(JIS C8304参照))の1個モジュール寸法に形成された器体80aを備えている。器体80aは、開口が形成された箱状のボディ81a及びカバー82aから構成されている。ボディ81aの側面部810aには係止孔812が形成されている。
【0070】
カバー82aは、前面部820aと、前面部820aの端部から後方に延設された側面部821aと、側面部821aの端部から後方に延設された係止片822aと、前面部820aの裏面から内方に突出して設けられた円筒状の器体側リブ823a(図8(a)参照)とを一体に備えている。前面部820aの中央には、後述のハンドル85aの操作面部850aを外部に露出させる露出窓824aが形成され、前面部820aの右上部には、LED50を外部に露出させるLED窓825aが形成されている。また、カバー82aは、ハンドル85aが図8(a)のX軸方向に移動できるように露出窓824aの下方にスペース827aを確保している。
【0071】
器体80aは、図7に示すボディ81aの係止孔812とカバー82aの係止片822aとが係止することによって、プッシュスイッチ4b及びプッシュスイッチ付ボリューム65aを、2つの押しボタン40a,650aの押駆動方向が同一方向となるように収納する。
【0072】
さらに、調光スイッチ1dは、プッシュスイッチ4b及びプッシュスイッチ付ボリューム65aを含む基板ブロック83aと、基板ブロック83aを覆うトライアックブロック84aと、プッシュスイッチ4b及びプッシュスイッチ付ボリューム65aの前面側に設けられたハンドル85aと、プッシュスイッチ付ボリューム65aの押しボタン650aとハンドル85aの操作面部850aとの間に設けられたばね86aとを器体80aに収納して備えている。
【0073】
基板ブロック83aはプリント基板830aを備えている。このプリント基板830aには、プッシュスイッチ4b及びプッシュスイッチ付ボリューム65aのそれぞれの押しボタン40a,650aが同一の押駆動方向(図7のX軸方向)となるように、プッシュスイッチ4b及びプッシュスイッチ付ボリューム65aが実装されている。
【0074】
ハンドル85aは、図8(a)に示すように、押しボタン650aの押駆動方向(図8(a)の上下方向)で一部が上記押しボタン650aと対向する円板状の操作面部850aと、操作面部850aの外周縁から下方に延設された円筒状の側面部851aと、側面部851aの下端から外方に延設された円環状のスカート部852aと、操作面部850aからプッシュスイッチ付ボリューム65aの固定軸部651aの周囲に向かって延設された軸受け854aとを備えている。
【0075】
また、操作面部850aの中の押しボタン650aと対向する位置には、ばね86aを収納する収納部855aが設けられている。この収納部855aには、外周が円状となる凹部856aが形成され、凹部856aの底面から円柱状の突出部857aが下方に突出して設けられている。
【0076】
さらに、ハンドル85aは、スカート部852aの外周縁から延設され押しボタン40aの押駆動方向(図8(a)の上下方向)で一部が押しボタン40aと対向する断面U字状のハンドル側リブ853aを備えている。ハンドル側リブ853aは、スカート部852aから延設された内側面部870と、内側面部870の下端から外方に延設された底面部871と、底面部871の外周端から上方に延設された外側面部872と、内側面部870の外面側において等間隔で外方に突出して設けられた上下方向に細長い4つの突出部873,・・・(図9参照)とを備えている。このハンドル側リブ853は、図8(b)に示すように、4つの突出部873,・・・のそれぞれの先端で器体側リブ823aの内周面と接触する。つまり、ハンドル側リブ853aは器体側リブ823aの外周面と面接触し、器体側リブ823aの内周面と4箇所で線接触して挟持している。なお、突出部873の数は4つに限定されるものではなく、用途に応じて適宜設定されるものである。
【0077】
このような構造のハンドル85aは、図8(a)に示すように、操作面部850aがカバー82aの前面部820aから外部に露出するように器体80aに収納され、使用者による押駆動方向(図8(a)の下方向)の押操作によって押しボタン40a,650aに対して押駆動する。なお、ハンドル85aによって押駆動された場合に、プッシュスイッチ4bがオン状態になるときにプッシュスイッチ付ボリューム65aがオフ状態になり、プッシュスイッチ4bがオフ状態になるときにプッシュスイッチ付ボリューム65aがオン状態になるように、プッシュスイッチ4b及びプッシュスイッチ付ボリューム65aを事前に調整しておく。
【0078】
次に、実施形態5に係る調光スイッチ1dの動作について、ばね86aを備えていない場合とともに図8を用いて説明する。なお、プッシュスイッチ4b及びプッシュスイッチ付ボリューム65aにおける押しボタン40a,650aの操作ストロークは同じ距離である。まず、ばね86aを備えていない場合、通常時においてハンドル85aの操作面部850aとプッシュスイッチ付ボリューム65aの押しボタン650aとは当接しているが、ハンドル85aのハンドル側リブ853aとプッシュスイッチ4bの押しボタン40aとは離隔している。このような状態でハンドル85aに押操作を行うと押しボタン650aが押駆動し、さらに押操作を行うと押しボタン650が完全に押された状態となる。このとき、プッシュスイッチ4bの押しボタン40aも押駆動していくが、通常時にハンドル側リブ853aと離隔しているので、押しボタン650aが完全に押された状態であっても、押しボタン40aは必ずしも完全に押された状態とならない可能性がある。このため、プッシュスイッチ4bの電気的な接続の開閉が切り替わらないという事態が発生する。
【0079】
これに対して、実施形態5に係る調光スイッチ1dのようにばね86aを備えている場合、図8(a)に示すように、通常時においてハンドル85aがばね86aの付勢力によって上方に位置している。つまり、ハンドル85aの操作面部850aとばね86aの上端とが当接し、プッシュスイッチ付ボリューム65aの押しボタン650aとばね86aの下端とが当接している。このとき、ハンドル85aのスカート部852aとプッシュスイッチ4bの押しボタン40aとは離隔している。このような状態でハンドル85aに図8(a)の下向きに押操作を行うと、最初、ハンドル85aがばね86aの付勢力に逆らって下方向に駆動するものの、ばね86aが縮むことによって押しボタン650aが押駆動されない、又はばね86aを備えていない場合と比べて押駆動される距離が短い。さらに押操作を行うと、押しボタン650が押駆動されて完全に押された状態となる。一方、押しボタン40aは押しボタン650aが押駆動される前からハンドル側リブ853aによって押駆動されるので、押しボタン650aが完全に押されたときには完全に押された状態となる。これにより、プッシュスイッチ4bの電気的な接続の開閉を確実に切り替えることができる。
【0080】
以上、実施形態5によれば、プッシュスイッチ付ボリューム65aのプッシュスイッチ機能を電源スイッチとして用いることができない場合であっても、電源スイッチとしてプッシュスイッチ4bを用い、ハンドル85aへの押操作によってプッシュスイッチ4bの電気的な接続の開閉を切り替えることができる。
【0081】
また、ばね86aを備えることによって、プッシュスイッチ4bの押しボタン40aの操作ストロークがプッシュスイッチ付ボリューム65aの押しボタン650aと同じであっても、プッシュスイッチ4bの電気的な接続の開閉を確実に切り替えることができる。
【0082】
さらに、ハンドル85aが、ばね86aの軸受け854a及び収納部855aを備えることによって、使用者がハンドル85aを用いてプッシュスイッチ付ボリューム65aの押しボタン650aを押したときに、ハンドル85aのがたつきを低減することができ、端押しを確実に行うことができる。また、プッシュスイッチ付ボリューム65aの固定軸部651aから離れた位置にハンドル側リブ853a及び器体側リブ823aを備えることによって、上記と同様にハンドル85aのがたつきをさらに低減することができ、端押しをさらに確実に行うことができるとともに、ハンドル85aを傾かないようにすることができる。
【0083】
また、ハンドル側リブ853aが器体側リブ823aの内周面と線接触し、器体側リブ823aの内周面と面接触する場合と比べて接触面積を小さくすることによって、ハンドル85aと器体80aとの間に発生する摩擦を低減することができるので、使用者によるハンドル85aの操作を滑らかにすることができる。
【0084】
なお、実施形態5の変形例として、ハンドル85aのハンドル側リブ853aが突出部873を備えるのではなく、器体側リブ823aが突出部を備えてもよい。このような構成であっても、実施形態5と同様に、使用者によるハンドル85aの操作を滑らかにすることができる。
【0085】
また、実施形態3〜5の変形例として、SBS6に代えて実施形態2と同様のダイアック6aを備えてもよい。このような構成であっても、実施形態3〜5と同様の効果を奏するとともに、対照電圧発生回路63(図1参照)を必要としないので、SBS6を備える場合と比べて回路構成を簡単にすることができる。
【0086】
なお、実施形態1〜5の変形例として、1組の抵抗3の抵抗は2個に限定されるものではなく、1個であってもよいし3個以上であってもよい。また、並列接続に限定されるものではなく、直列接続であってもよいし並列接続と直列接続の両方を用いてもよい。このような構成であっても実施形態1〜5と同様の効果を奏する。
【0087】
また、実施形態1〜5の他の変形例として、ボリューム611,612は2個に限定されるものではなく、1個であってもよいし3個以上であってもよい。また、ボリューム611,612は並列接続に限定されるものではなく、直列接続であってもよい。このような構成であっても実施形態1〜5と同様の効果を奏する。
【0088】
さらに、実施形態1〜5の他の変形例として、トライアック2に代えて単方向のサイリスタを備えてもよい。このような構成であっても実施形態1〜5と同様の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】本発明の実施形態1の回路図である。
【図2】調光スイッチの動作を示すものであって、(a)が従来例の調光スイッチの波形図、(b)が本発明の実施形態1に係る調光スイッチの波形図である。
【図3】本発明の実施形態2の回路図である。
【図4】本発明の実施形態3に係る調光スイッチの要部の回路図である。
【図5】本発明の実施形態4に係る調光スイッチの分解斜視図である。
【図6】同上に係る調光スイッチの要部であって、(a)が通常時の断面図、(b)がハンドル操作時の断面図である。
【図7】本発明の実施形態5に係る調光スイッチの分解斜視図である。
【図8】同上に係る調光スイッチであって、(a)が断面図、(b)が(a)のA−A断面図である。
【図9】同上に係る調光スイッチのハンドルの斜視図である。
【図10】従来例の回路図である。
【符号の説明】
【0090】
1,1a〜1d 調光スイッチ
10 主回路
11 弱電回路
2 トライアック
3 1組の抵抗
4 電源スイッチ
50 LED
6 SBS
61,61a 時定数回路
610 コンデンサ
611,612 ボリューム
AC 交流電源
L 照明負荷
【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流電源と照明負荷との間に挿入されて主回路を構成するトライアックと、
前記トライアックの主端子の一方と一端で接続する第1の抵抗と、
前記第1の抵抗の他端側に設けられ前記交流電源からの電圧が当該第1の抵抗で電圧降下されて印加される弱電回路と
を備えるとともに、
前記照明負荷の可動状態を報知するLEDと、
前記LEDと直列に接続し両端間の電気的な接続の開閉を行うことによって前記トライアックを閉状態とし前記照明負荷を可動させる電源スイッチと
を前記弱電回路内に備えることを特徴とする調光スイッチ。
【請求項2】
主端子間に印加される電圧とゲートに印加される対照電圧との電圧差がブレークオーバ電圧を超えると前記トライアックをターンオンさせるゲート電流を当該トライアックのゲートに出力するSBSと、
前記第1の抵抗の他端と前記トライアックの主端子の他方との間に設けられ両端電圧に基づく電圧が前記SBSの前記主端子間に印加される電圧となる第1のコンデンサと、
前記第1のコンデンサと直列回路を形成し抵抗値を可変することによって当該第1のコンデンサの充電速度を調節するボリュームと、
前記第1の抵抗の他端と前記SBSのゲートとの間に設けられ第2の抵抗とダイオードとを有する直列回路であり前記SBSのゲートに前記対照電圧を印加する対照電圧発生回路と、
前記SBSのゲートと前記トライアックの主端子の他方との間に挿入された第2のコンデンサと
を前記弱電回路内に備えることを特徴とする請求項1記載の調光スイッチ。
【請求項3】
前記電源スイッチ及び前記ボリュームとして3路スイッチ付ボリュームを備えることを特徴とする請求項2記載の調光スイッチ。
【請求項4】
前記電源スイッチが、押操作によって押駆動し両端間の電気的な接続の開閉を切り替える第1の押しボタンを有するプッシュスイッチであり、前記ボリュームが、押操作によって押駆動する第2の押しボタンと、前記第2の押しボタンを支持する固定軸部とを有するプッシュスイッチ付ボリュームであって、
前記プッシュスイッチ及び前記プッシュスイッチ付ボリュームを前記第1の押しボタンと前記第2の押しボタンとの押駆動方向が同一方向となるように収納する器体を備えるとともに、
前記第2の押しボタンと前記押駆動方向で対向する操作面部と、前記操作面部の端部から延設された側面部と、前記側面部の端部から延設され前記第1の押しボタンと前記押駆動方向で対向するスカート部とを有し、前記操作面部が前記器体の一の面から露出するように当該器体に収納され、前記押駆動方向の押操作によって前記第1の押しボタン及び前記第2の押しボタンに対して押駆動するハンドルを備える
ことを特徴とする請求項2記載の調光スイッチ。
【請求項5】
前記プッシュスイッチ付ボリュームの第2の押しボタンと前記ハンドルの操作面部との間に設けられた弾性体を備えることを特徴とする請求項4記載の調光スイッチ。
【請求項6】
前記ハンドルが、前記プッシュスイッチ付ボリュームの第2の押しボタンと対向する位置に設けられ前記弾性体を収納する収納部を有することを特徴とする請求項5記載の調光スイッチ。
【請求項7】
前記ハンドルが、前記操作面部から前記プッシュスイッチ付ボリュームの固定軸部の周囲に向かって延設された軸受けを有することを特徴とする請求項4〜6のいずれか記載の調光スイッチ。
【請求項8】
前記器体が、前記一の面から内方に突出して設けられた器体側リブを有し、
前記ハンドルが、前記スカート部の端部から延設され前記器体側リブの内面と接触するハンドル側リブを有する
ことを特徴とする請求項4〜7のいずれか記載の調光スイッチ。
【請求項9】
前記器体が、前記一の面から内方に突出して設けられた器体側リブを有し、
前記ハンドルが、断面U字状に形成されて前記スカート部の端部から延設され前記器体側リブの外面と接触するハンドル側リブを有する
ことを特徴とする請求項4〜7のいずれか記載の調光スイッチ。
【請求項10】
前記ハンドル側リブと前記器体側リブとが線接触することを特徴とする請求項8又は9記載の調光スイッチ。
【請求項1】
交流電源と照明負荷との間に挿入されて主回路を構成するトライアックと、
前記トライアックの主端子の一方と一端で接続する第1の抵抗と、
前記第1の抵抗の他端側に設けられ前記交流電源からの電圧が当該第1の抵抗で電圧降下されて印加される弱電回路と
を備えるとともに、
前記照明負荷の可動状態を報知するLEDと、
前記LEDと直列に接続し両端間の電気的な接続の開閉を行うことによって前記トライアックを閉状態とし前記照明負荷を可動させる電源スイッチと
を前記弱電回路内に備えることを特徴とする調光スイッチ。
【請求項2】
主端子間に印加される電圧とゲートに印加される対照電圧との電圧差がブレークオーバ電圧を超えると前記トライアックをターンオンさせるゲート電流を当該トライアックのゲートに出力するSBSと、
前記第1の抵抗の他端と前記トライアックの主端子の他方との間に設けられ両端電圧に基づく電圧が前記SBSの前記主端子間に印加される電圧となる第1のコンデンサと、
前記第1のコンデンサと直列回路を形成し抵抗値を可変することによって当該第1のコンデンサの充電速度を調節するボリュームと、
前記第1の抵抗の他端と前記SBSのゲートとの間に設けられ第2の抵抗とダイオードとを有する直列回路であり前記SBSのゲートに前記対照電圧を印加する対照電圧発生回路と、
前記SBSのゲートと前記トライアックの主端子の他方との間に挿入された第2のコンデンサと
を前記弱電回路内に備えることを特徴とする請求項1記載の調光スイッチ。
【請求項3】
前記電源スイッチ及び前記ボリュームとして3路スイッチ付ボリュームを備えることを特徴とする請求項2記載の調光スイッチ。
【請求項4】
前記電源スイッチが、押操作によって押駆動し両端間の電気的な接続の開閉を切り替える第1の押しボタンを有するプッシュスイッチであり、前記ボリュームが、押操作によって押駆動する第2の押しボタンと、前記第2の押しボタンを支持する固定軸部とを有するプッシュスイッチ付ボリュームであって、
前記プッシュスイッチ及び前記プッシュスイッチ付ボリュームを前記第1の押しボタンと前記第2の押しボタンとの押駆動方向が同一方向となるように収納する器体を備えるとともに、
前記第2の押しボタンと前記押駆動方向で対向する操作面部と、前記操作面部の端部から延設された側面部と、前記側面部の端部から延設され前記第1の押しボタンと前記押駆動方向で対向するスカート部とを有し、前記操作面部が前記器体の一の面から露出するように当該器体に収納され、前記押駆動方向の押操作によって前記第1の押しボタン及び前記第2の押しボタンに対して押駆動するハンドルを備える
ことを特徴とする請求項2記載の調光スイッチ。
【請求項5】
前記プッシュスイッチ付ボリュームの第2の押しボタンと前記ハンドルの操作面部との間に設けられた弾性体を備えることを特徴とする請求項4記載の調光スイッチ。
【請求項6】
前記ハンドルが、前記プッシュスイッチ付ボリュームの第2の押しボタンと対向する位置に設けられ前記弾性体を収納する収納部を有することを特徴とする請求項5記載の調光スイッチ。
【請求項7】
前記ハンドルが、前記操作面部から前記プッシュスイッチ付ボリュームの固定軸部の周囲に向かって延設された軸受けを有することを特徴とする請求項4〜6のいずれか記載の調光スイッチ。
【請求項8】
前記器体が、前記一の面から内方に突出して設けられた器体側リブを有し、
前記ハンドルが、前記スカート部の端部から延設され前記器体側リブの内面と接触するハンドル側リブを有する
ことを特徴とする請求項4〜7のいずれか記載の調光スイッチ。
【請求項9】
前記器体が、前記一の面から内方に突出して設けられた器体側リブを有し、
前記ハンドルが、断面U字状に形成されて前記スカート部の端部から延設され前記器体側リブの外面と接触するハンドル側リブを有する
ことを特徴とする請求項4〜7のいずれか記載の調光スイッチ。
【請求項10】
前記ハンドル側リブと前記器体側リブとが線接触することを特徴とする請求項8又は9記載の調光スイッチ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2008−53189(P2008−53189A)
【公開日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−231369(P2006−231369)
【出願日】平成18年8月28日(2006.8.28)
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年8月28日(2006.8.28)
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
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