説明

警備検針システム

【課題】 独居老人宅用の安否連絡サービス付きのホームセキュリティサービスを提供すること。
【解決手段】 センタ側コンピュータScは、緊急情報と連絡情報とメータ情報とを判別する判別部202と、緊急情報の場合には最適な送信先を設定し、連絡情報の場合には予め関連づけられた端末装置のメールアドレスを送信先として設定し、メータ情報の場合には、当該住戸を所管する対応組織を送信先と設定する送信先設定部203と、送信先に配置された対応側コンピュータが認識可能に当該情報を変換する情報変換部204と、を備え、対応側コンピュータSaは、緊急情報である場合には、その内容と住戸所在地とを対応員が認識可能に出力する内容出力部303と、メータ情報である場合には、徴収金額を算出する算出部304と、を備えた警備検針システムK。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、住戸の警備と各種メータ検針とを融合したシステムに関し、特に、各警備会社や水道局委託事業者やガス会社等ごとに独自に構築された既存のハードウェア資産を統合し、広範な警備・保安サービスと共に自動検針サービスを提供可能であって、独居老人にとっても利用しやすい警備検針システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、社会構造の変化や住環境の変化に対応すべく、いわゆるホームセキュリティを導入する住戸が増えている。ホームセキュリティの導入に際しては複数の警備会社の中から特定の警備会社と契約し、警備会社では、主として、不審者対応や、ガス漏れ火災などの緊急性の高いものに対応する。このようなサービスが提供されている住戸では、たとえば、不審者出没の信号が送られた場合に、警備員がその住戸に駆けつけ対応をおこなう。
【0003】
また、住戸では、水道、ガス、電気を引いているのが一般的であり、水道局、ガス局、電力会社では、メータ検針をおこない、必要な料金徴収をおこなっている。このような検針業務や集金業務は、民間企業に外部委託されることも多く、受託会社側で、検針者や徴収者が住戸へ派遣される。
【0004】
一方で、独居老人宅も増え、老人側から毎朝起きたら家族に電話をかけ、また、家族側から連絡を入れ無事を確認するという実体がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−251180号公報
【特許文献2】特開2006−048317号公報
【特許文献3】特開2006−048303号公報
【特許文献4】特開平11−211532号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の技術では以下の問題点があった。
まず、警備会社と契約住戸とは独自規格の伝送装置を用いて電話回線により接続するため装置費用が高く、結局、サービス価格が高額となってしまうという問題点があった。また、独自の装置であるので、警備会社を変えた場合には、その装置を使い回すことができず、この場合も結局サービス価格が高額になってしまうという問題点があった。
【0007】
また、独居老人は、たとえば家族や知人に実際には毎日特段変わったこともないのに安否について電話をかけるのは煩わしく感じてしまい、逆に、知人や家族から電話をかけてもらうとすると、たまたま外出していたり、手の空いていないときにかかってきたりして、電話をとることができないと知人や家族が心配することを懸念して外出もしづらくなるなど、結果として両者ともにストレスが生じてしまう。すなわち、おこなうこと自体のみに意義がある定常的かつ長期的な連絡は、ストレスを感じさせてしまうという問題点があった。
【0008】
また、近年では、プライバシーの問題や、番犬、在宅時間の関係で、各種メータが配備されている敷地内に足を踏み入れることができない、いわゆる難検針が増加しつつある。ここで、ホームセキュリティを導入している独居老人宅では、本来的には難検針でなくとも、独居老人が検針員を不審者と勘違いして警備員が駆けつけることも生じやすく、新たな類型の難検針が発生してしまう。このような難検針は、電話線を介した自動検針により解消できるが、ホームセキュリティの伝送装置と検針業務受託会社へ向ける回線との併存性や互換性、また回線保障が十分ではない、という問題点があった。
【0009】
本発明は上記に鑑みてなされたものであって、独居老人宅用の安否連絡サービス付きのホームセキュリティサービスを提供することにある。業者側にとっては業務重複を低減して人的資産を効率的に分散し、異常時には緊急対応サービスを速やかに提供し、独居老人にとってはストレスがかからず安否通知を可能とし、家族にとっては簡便な安否確認を可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の警備検針システムは、独居老人宅を契約住戸として伝送装置が設置された警備検針ステムにおいて、各契約住戸にある、冷蔵庫に取り付けられた冷蔵庫の開閉を検知する検知器、マットに取り付けられたマットへの加圧を検知する検知器、または、屋内に取り付けられたパッシブセンサによる人の動きの有無を検知する検知器と、各契約住戸の伝送装置からの情報を電話回線を通じて集中して受信するセンタ側に配置されたセンタ側コンピュータと、センタ側コンピュータからの送信を受けて対応員を住戸へ派遣することも可能に組織された各種対応組織側に配置された対応側コンピュータと、センタ側コンピュータから送信されたメールを表示する端末装置であって各契約住戸にかかる独居老人の家族の有する端末装置と、を含む警備検針システムであって、センタ側コンピュータが、伝送装置からの情報を入力するセンタ側情報入力手段と、センタ側情報入力手段により入力された情報に基づいて、安否に関わる緊急性の高い情報である緊急情報と、安否に関する緊急性の高くない情報である連絡情報と、水道メータ、ガスメータ、電気メータその他のメータ情報と、を判別する判別手段と、判別手段により緊急情報と判別された場合には、当該緊急情報にかかる住戸の所在地に基づいて各種対応組織側の中から最適な送信先を設定し、判別手段により連絡情報と判別された場合には、当該連絡情報にかかる住戸に予め関連づけられた端末装置のメールアドレスを送信先として設定し、判別手段によりメータ情報と判別された場合には、当該メータ情報にかかる住戸を所管する対応組織を送信先と設定する送信先設定手段と、センタ側情報入力手段により入力された情報が緊急情報またはメータ情報である場合に、送信先に配置された対応側コンピュータが認識可能に当該情報を変換して変換済情報を作成する情報変換手段と、情報変換手段により作成された変換済情報を当該送信先へ送信する情報送信手段と、センタ側情報入力手段により入力された情報が連絡情報である場合に、送信先として設定されたメールアドレスに対して所定の定型文メールを送信するメール送信手段と、を備え、対応側コンピュータが、情報送信手段により送信された変換済情報を入力する対応側情報入力手段と、対応側情報入力手段により入力された変換済情報が緊急情報であるかメータ情報であるかを判定する判定手段と、判定手段により緊急情報と判定された場合には、緊急情報の内容とその住戸の所在地とを対応員が認識可能に出力する安否所在地情報出力手段と、判定手段によりメータ情報と判定された場合には、メータ情報に基づいて使用量および/または徴収金額を算出する算出手段と、を備え、伝送装置が、各契約住戸に設置された、検知器、火災警報機、非常用押釦、ガスメータ、水道メータ、電気メータ、非緊急用の連絡スイッチから、検知器からは検知情報、火災警報機からは火災発生情報、非常用押釦からは非常事態発生信号情報、ガスメータからはガス漏れ発生信号情報およびメータ情報、水道メータからは漏水発生信号情報およびメータ情報、電気メータからは漏電発生信号情報およびメータ情報、連絡スイッチからは押下信号情報を入力する信号メータ情報入力手段と、信号メータ情報入力手段により入力された信号情報またはメータ情報を、当該住戸の識別情報も付加してセンタ側コンピュータに送信する情報送信手段と、を備え、定型文のメールが「無事に過ごしている」旨の安否内容、または、冷蔵庫の前回の開閉からの経過時間、マットの前回の加圧からの経過時間、もしくは、パッシブセンサの前回の動体検知からの経過時間に基づいた安否内容であることを特徴とする警備検針システム。
【0011】
すなわち、請求項1にかかる発明は、従来の警備サービスと自動検針サービスを統合し、また、安否連絡サービスも提供する。これまで利用されなかった冷蔵庫の開閉情報、玄関・台所・風呂場等のマットへの加圧情報、廊下や便所扉の通過情報等も安否確認の基礎情報として利用する。伝送装置の仕様の違いをセンタ側コンピュータが吸収し伝送装置に依存することなく、非常時には契約住戸にとって最適な通報先(一般には最寄りの警備会社、ガス会社など)が選択されて対応員(警備員や保安員)が急行可能となり、また、自動検針も可能となり、加えて、定常連絡ツールとしてシステムの運用が可能となる。
【0012】
警備会社もガス局(または電力会社、または水道局)も、緊急対応が必要な場合があり業務が重複するところ、本システムによれば負荷分散が可能になり、かつ、緊急対応以外の場合にもハードウェア資産を活用して自動検針等をおこなうことが可能になる。この意味において本願では、これまで別物とされていた、警備会社、水道局、ガス局、電力会社(または、水道局、ガス局、電力会社から委託を受けた業者)の垣根をなくすものであるといえる。なお、これらを総称して対応組織と適宜称することとする。
【0013】
すなわち、本願で、対応組織とは、緊急の時には人員を住戸へ駆けつけさせることができるようにも組織化されたものをいい、警備会社、ガス会社、水道会社、電力会社、警察署、交番、派出所、消防署、その他の広義に警備と把握することができるサービスを提供する組織をいう。また、対応員とは、住戸へ派遣される人員をいう。
また、伝送装置とは、NCU(Network Control Unit:網制御装置)を含み、データ端末(たとえば、自動検針用水道メータ)からのコマンドや制御信号、あるいは電話網からの電流や信号音(ダイヤル・トーン,音など)にしたがって、発着信やダイヤル制御をおこなう装置をいう。
また、最適な送信先とは、緊急事態に対し、最も早く駆けつけることのできる最適な対応員が所在する対応組織をいう。
また、メータ情報にかかる住戸を所管する対応組織とは、メータ情報には緊急性がないため、直接の契約相手先をいう。翻って、最適な送信先とは、直接は契約していなくても駆けつけてくれる対応組織をいう。
緊急情報の例としては、火災、ガス漏れ、不審者、漏水などの何らかの緊急な対応が必要な情報を挙げることができる。
対応側コンピュータが認識可能に変換するとは、対応側コンピュータが認識可能なプロトコルないし情報授受形式をいう。
また、住戸の識別情報とは、電話番号や伝送装置のID、住所(所在地)その他の住戸を一意に特定する情報をいう。
なお、センタとは、一時的に情報を受け取る組織をいう。
【0014】
また、請求項2に記載の警備検針システムは、請求項1に記載の警備検針システムにおいて、センタ側コンピュータが、ガスのメータ情報、水道のメータ情報、もしくは、電気のメータ情報、または、検知情報、に基づいて、一定時間ないし一定期間、ガス、水道、もしくは、電気の利用実績のない住戸、または、一定時間ないし一定期間、冷蔵庫の利用、マット上の通過、もしくは、屋内所定位置の通過の実績のない住戸を検出する不使用検出手段と、不使用検出手段により利用実績がないと検出された場合に、送信先設定手段と情報変換手段と情報送信手段とメール送信手段とを制御して、冷蔵庫の利用、マット上の通過、もしくは、屋内所定位置の通過が認められない場合には、その旨を該当する端末装置のメールアドレスに送信し、それ以外に関して利用実績がない場合には、その旨を緊急情報として当該住戸の所在地情報と共に、所定の対応組織側へ送信する無入力制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0015】
すなわち、請求項2にかかる発明は、電気ガス水道の利用が途絶えた場合に対応組織への自動通報が行われる。換言すれば、定常連絡サービスを緊急対応サービスへ切替え可能となる。また、冷蔵庫の開閉状況等も安否確認の情報として使用する。なお、冷蔵庫の開閉状況等は、場合によっては冬場などは比較的長時間使用しない(開けない)場合があるので、対応組織へは連絡せず家族のみに通知する。なお、一定時間ないし一定期間とは、たとえば、冷蔵庫にあっては24時間、マットにあっては48時間、所定位置の通過に関しては、24時間などとすることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の警備検針システムによれば、独居老人宅用の安否連絡サービス付きのホームセキュリティサービスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】警備会社の位置と水道会社の位置と水道会社のサービス提供エリアと、を示した概念図である。
【図2】警備会社Bが、通報7分以内に警備員を急行させることを保障するエリア(点線)と、水道会社Aが、7分以内に保安員を急行させることが可能なエリアを示した図である。
【図3】警備検針システムKの「警備」と「連絡」の流れを概説する説明図である。
【図4】住戸に設置された、各種メータ、非常用押釦、非緊急用の連絡スイッチ、非常警告灯、電話、伝送装置の接続関係を示した概念図である。
【図5】サーバ装置Scのハードウェア構成の一例を説明した説明図である。
【図6】警備検針システムの機能的構成例を示した説明図である。
【図7】冷蔵庫の扉部分に開閉検知器を取り付けた様子を示した図である。
【図8】帯電話に表示されるおもな項目を示した本文画面の例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
ここでは、まず、水道会社Aと警備会社Bを例に挙げ、警備検針システムを概説し、センタCとあわせて独居老人宅Dにおけるシステム運営を説明する。なお、本システムでは水道会社と警備会社の区別をなくすことが可能となり、これを対応組織と称することとしているが、適宜水道会社A、対応組織A、警備会社B、対応組織Bと、理解の便宜上混在させて用いるものとする。また、センタCに配置されたサーバ装置をサーバ装置Sc、水道会社Aと警備会社Bに配置されたサーバ装置をそれぞれサーバ装置SaおよびSbと、センタCを運営する組織自体を便宜的にセンタCと称することとする。
【0019】
なお、対応組織と対応員の待機所(詰所)は同一でない場合もあり、また、対応組織内では通報を受けてその情報を即時に詰所や中継局に転送するためにサーバ装置が複数異なった場所に配置されることもあるが、ここでは、説明の便宜のため、対応組織と対応員の待機所とは同一であり、サーバ装置も一台であるものと仮定する。
【0020】
(警備検針システムのシステム構成)
図1は、警備会社の位置と水道会社の位置と水道会社のサービス提供エリアと、を示した概念図である。図において、Aは水道会社Aの位置を、Bは警備会社Bの位置を、●と×は、水道会社Aのサービス提供エリア内にある住戸位置を示している。このうち、×は警備会社Bと契約した住戸の位置である。
【0021】
警備法上、契約住戸から通報があった場合、警備員は25分以内に現場に到着することが義務づけられている。図2は、警備会社Bが、通報7分以内に警備員を急行させることを保障するエリア(点線)と、水道会社Aが、7分以内に保安員を急行させることが可能なエリアを示した図である。図示したように、組織によって当然ながらサービスの質が異なってくる。独居老人宅Dに関しても、契約は警備会社Bと行っているものの、実際は水道会社Aの保安員の方が7分以内の急行対応が可能である。
【0022】
本発明の警備検針システムは、センタCを設置し、水道会社に警備会社の機能を付加し、警備会社に水道会社の機能を付加することにより、水道会社側にとっても警備会社側にとっても契約住戸にとっても利点を見いだせるシステム構築を実現するものである。
【0023】
すなわち、本システムによれば、緊急時には、契約している対応組織を意識することなく最も適切に(早く)緊急対応が可能な対応組織が選択され、非緊急時には、サーバリソースをメール配信機能に振り分け、後述の冷蔵庫の利用実績に基づいた安否連絡等を家族におこない、また、自動検針や料金徴収もおこなう。なお、以降において、本発明の警備検針システムを警備検針システムKと適宜表記するものとする。
【0024】
図3は、警備検針システムKの「警備」と「連絡」の流れを概説する説明図である。図4は、住戸に設置された、開閉検知器、各種メータ、非常用押釦、非緊急用の連絡スイッチ、非常警告灯、電話、伝送装置の接続関係を示した概念図である。
【0025】
図4に示したように、伝送装置401は、複数のポートを有し、電話402の接続はもちろんのこと、連絡スイッチ403、火災警報機404、自動検針機能・ガス警報機能付きのガスメータ405、自動検針機能・漏水警報機能付きの水道メータ406、自動検針機能・漏電警報機能付きの電気メータ408を接続し、また、非常用押釦407からの配線も引き込み、各種情報を入力し、電話回線409を通じてセンタCなどと接続する。
【0026】
また、住戸の外壁面または住戸屋外には非常警告灯410が備わり、非常用押釦407の押下に連動して点灯するようになっている。また非常警告灯410はサーバ装置Scからの制御により点灯するようにもしている。なお、連絡スイッチ403は、いわゆるユニバーサルデザインとなっており、スイッチの面積が広く、また、引き下ろしの取っ手が備わっており、取っ手を引くことによってもスイッチが入る構成となっている。
【0027】
さらに、伝送装置401は、開閉検知器411を接続する。開閉検知器411は、冷蔵庫の扉に取り付けられ、24時間開閉がなかった場合に、センタCにその情報が伝送され、独居老人の家族の携帯電話またはパソコンに定型メールが送られるように構成されている。
【0028】
<緊急対応の場合>
図3において矢印で表したように、警備検針システムKでは、契約住戸Dから安否に関わる緊急情報の発信(火災発生信号情報、ガス漏れ発生信号情報、漏水発生信号情報、非常事態発生信号情報)があった場合に、一旦サーバ装置Scでその情報種別ないし内容を把握し、最適な通報先を設定して情報変換し、対応組織に通報し直し、対応員を派遣する。
【0029】
<非緊急対応の場合>
一方、独居老人宅である契約住戸Dから緊急対応が必要でない発信、たとえば、連絡スイッチ403の押下信号情報の入力、または過去24時間冷蔵庫が開けられていないことを検出した場合、サーバ装置Scは、遠隔地にいる家族の携帯電話に「今日も無事に過ごしている」という内容のメールや「長時間冷蔵庫の使用がありません」という内容の定型メールを送信する。
【0030】
<メータ情報の読取の場合>
また、サーバ装置Scは、ガスメータ405、水道メータ406、電気メータ408からメータ情報を読み取り、ガス会社、水道会社、電力会社等、必要な送信先にメータ情報を送信する。その後、受信側では、使用量算出、徴収金額算出、印刷、徴収済み管理などがおこなわれる。
【0031】
(サーバ装置Scのハードウェア構成)
図5は、サーバ装置Scのハードウェア構成の一例を説明した説明図である。サーバ装置Scは、そのハードウェア構成として、CPU101と、ROM102と、RAM103と、ハードディスク(HD)104と、グラフィックスカード105と、モニタ106と、キーボード(K/B)107と、マウス(MOUSE)108と、通信部109と、を有する。
【0032】
CPU101は、OSと共にサーバ装置Sc全体を制御し、また、各種のプログラムの処理制御をおこなう。具体的には、たとえば、CPU101は、ハードディスク104に格納されているプログラムにしたがって、通信部109から入力された住戸からの通報を受信し、緊急情報であれば最適な対応組織を選択し、当該対応組織の仕様に合うように通報を変換して通信部109を介して送信する制御をおこなう。また、緊急情報でなくメータ情報でもない情報(以降ではこれを連絡情報と称することとする。)であれば定型文を当該住戸に関連づけられた所定のメールアドレスに送信する制御をおこなう。また、メータ情報であれば当該住戸を所管する対応組織(ガス会社、水道会社、電力会社)の仕様に合うようにメータ情報を変換する制御をおこなう。このほかCPU101は、ハードディスク104に格納されている作業データをRAM103に一時保存する制御等もおこなう。
【0033】
ROM102は、ブートプログラム等を記憶する。使用の態様によっては、ROM102は、サーバ装置Scの制御プログラムを格納しておいてもよい。RAM103は、CPU101のワークエリアとして使用する。具体的には、ハードディスク104から読み出されたデータの内容やプログラム内容などを一時的に格納する。
【0034】
ハードディスク104は、オペレーティング装置(OS)、アプリケーションプログラム、各種のデータを記憶する。ハードディスクの構成については後述する。
【0035】
グラフィックスカード105は、モニタ106へ出力すべき画像信号を送出する。グラフィックスカード105は、出力すべき画像信号を格納するVRAMと、処理された画像信号をモニタ106へ出力する画像出力インターフェース(画像出力I/F)を備える。画像出力I/Fは、VRAMに展開されたRGB画像データをモニタ106へ出力する。
【0036】
通信部109は、電話回線を介して住戸からの情報を受信し、また、メールを送信したり、最適通報先のサーバへ向けて住戸からの異常情報信号の内容を転送する。また、メータ情報も送信する。送受信のためのハードウェア構成は、内容伝送が確実であればその態様は問わないが、たとえば、ネットワークカード、DSU、ターミナルアダプタなどにより構成できる。なお、通信部109は後述する通信プログラム142により制御される。
【0037】
このほか、図示は省略するが、サーバ装置Scは、フレキシブルディスクドライブ装置、CD−ROMドライブ装置、MOドライブ装置等を搭載することも可能である。
【0038】
ハードディスク104に格納されているプログラムないしソフトウェアについて説明する。ハードディスク104は、サーバ装置Sc全体を制御するOS141と、通信データの送受信を司る通信プログラム142と、入力した情報が緊急情報であるか、連絡情報であるか、メータ情報であるかを判別する判別プログラム143と、判別結果にしたがって、送信先を設定する設定プログラム144と、設定された送信先において情報(緊急情報またはメータ情報)を認識可能とすべく当該サーバ装置の処理プロトコルに沿うように当該情報を変換する変換プログラム145と、送信先の対応組織における対処状況を管理する対処管理プログラム146と、送信元の電話番号(または伝送装置401のID)と所在地とを対応させ、その所在地に基づいて第1送信先と第2送信先とを対応づけて格納した対応データベース147と、対応組織の通信プロトコルを格納した通信プロトコル記憶部148と、住戸の識別情報とメールアドレスと定型文であるメール内容とを対応づけて格納したメールデータベース149と、また、住戸の識別情報と、当該住戸を所管するのがどのガス会社、水道会社、および、電力会社であるかに関する情報とを対応づけて格納した所管情報データベース151と、を備える。
【0039】
また、ハードディスク104は、開閉検知情報、ガスのメータ情報、水道のメータ情報、または、電気のメータ情報に基づいて、一定時間ないし一定期間、冷蔵庫、ガス、水道、または、電気の利用実績のない住戸を検出し、通報やメール送信をおこなう不使用対応プログラム150も有する。
【0040】
なお、ここに説明したプログラムないしDBもしくは記憶部は、サーバ装置Scが実現する警備検針システムという観点から集約したプログラム集合を説明したに過ぎず、実際のプログラムは多数のコンポーネントやDLLなどにより構成される。後述する機能的構成は、これらのプログラムが単体もしくは複数で、場合によっては他の構成要素と協働して各種実現されるものである。
【0041】
(警備検針システムの機能的構成)
次に、警備検針システムの機能的構成を、伝送装置401と、サーバ装置Scと、サーバ装置Saと、携帯電話とのそれぞれの機能的構成の観点から説明する。なお、第1通報先であるか、第2通報先であるかの状況に応じた機能的な相違はあるものの、実質的な機能はサーバ装置Saもサーバ装置Sbも同じであるため、ここでは、サーバ装置Saを例示するものとする。
【0042】
図6は、警備検針システムの機能的構成例を示した説明図である。以下の説明では、第1通報先が対応組織A(水道会社A)であり、第2通報先が対応組織B(警備会社B)であるとする。
【0043】
サーバ装置Scは、情報入力部201と、判別部202と、送信先設定部203と、情報変換部204と、情報変換制御部205と、情報送信部206と、メール送信部210と、対応済情報受信部207と、待機解除・対応要請送信部208と、不使用検出部209を有する。
【0044】
また、サーバ装置Saは、情報入力部301と、判定部302と、内容出力部303と、算出部304と、印刷部305と、記憶部306と、情報確認入力部307と、対応済情報送信部308と、を有する。
【0045】
伝送装置401は、信号メータ情報入力部501と、情報送信部502と、点灯制御部503と、を有する。
【0046】
(サーバ装置Scの機能的構成)
情報入力部201は、住戸に設置された伝送装置401から住戸の識別情報と緊急情報、連絡情報、メータ情報等、具体的な情報を入力する。この住戸の識別情報は、一般的には電話番号や伝送装置のIDを意味する。ただし、最終的に所在地情報に置換されるのであればその態様を問わない。情報種別としては、緊急情報(火災発生信号情報、ガス漏れ発生信号情報、漏水発生信号情報、不審者出没等の非常事態発生信号情報、その他の要緊急対応信号情報)と、開閉検知器からの検知情報を含み非緊急情報である連絡情報と、メータ情報(水道メータ情報、ガスメータ情報、電気メータ情報、その他のメータ情報)と、が存在する。
【0047】
伝送装置401の構成は前述したとおりであるが、伝送装置401とサーバ装置Scとは電話回線(アナログ、デジタルを問わない)により接続されており、情報が電話回線を通じてサーバ装置Scに送信される。情報入力部201は、たとえば、通信部109と、OS141と、通信プログラム142などによりその機能を実現することができる。
【0048】
判別部202は、情報入力部201により入力された情報に基づいて、当該情報が、緊急情報であるか連絡情報であるかメータ情報であるかを判別する。判別は、伝送装置401のポートの番号情報に基づいておこなうことも可能である。判別部202は、たとえばOS141と、RAM103と、判別プログラム143、などによりその機能を実現することができる。
【0049】
送信先設定部203は、入力した情報が緊急情報と判別された場合には、当該緊急情報にかかる住戸の所在地に基づいて各種対応組織側の中から最適な送信先を設定する。このとき、送信先設定部203は、対応データベース147の中から、送信元の住所に基づいて第1通報先と第2通報先とを設定する。第1通報先とは一般的には最も短時間に対応員が急行できる対応組織をいう。独居老人宅Dは警備会社Bと契約しているが、ここでは水道会社Aが、対応員の派遣元となる。なお、第1通報先とは、必ずしも時間に限らず、火災などの場合には消防車対応が必要となるため、専門性を加味して決定されてもよい。なお、通報された時刻や情報の内容に応じて、第1通報先と、第2通報先を適宜選択可能にしてもよい。また、ここでは、通報先の選択肢は二つとして説明するが、より確実性を高めるために、通報先を三箇所以上設定するようにしてもよい。
【0050】
また、送信先設定部203は、入力した情報が連絡情報と判別された場合には、当該連絡情報にかかる住戸に予め関連づけられた端末装置のメールアドレスを送信先として設定する。このとき、送信先設定部203は、メールデータベース149の中から、送信元の住所に基づいてメールアドレスを選定する。後述するように、独居老人宅Dから、毎日定型メールが、離れて暮らす家族の携帯電話に送られることにより、独居老人も家族もストレスを感じることなく無事に過ごしていることを連絡・確認できるようになる。また、24時間冷蔵庫の使用がないと判断された場合、その旨を定型メールとして家族の携帯電話に送信される。
【0051】
また、送信先設定部203は、入力した情報がメータ情報と判別された場合には、当該メータ情報にかかる住戸を所管する対応組織を送信先と設定する。このメータ情報は緊急性を要さない自動検針の結果であるので、水道メータのメータ情報であれば、その地域の水道会社(ここでは水道会社A)を、ガスメータのメータ情報であれば都市ガスの場合はその地域の都市ガス会社を(LPガスの場合はボンベを扱っている会社を)、電気メータのメータ情報であればその地域の電力会社を、それぞれ送信先と設定する。このとき、送信先設定部203は、所管情報データベース151の中から、送信元の住所に基づいて送信先を設定する。
【0052】
送信先設定部203は、たとえば、設定プログラム144と、OS141(特にメーラ機能)と、対応データベース147、メールデータベース149、所管情報データベース151となどによりその機能を実現できる。
【0053】
情報変換部204は、情報入力部201により入力された情報が緊急情報である場合に、その情報を、送信先設定部203により設定された第1通報先(対応組織A)と第2通報先(対応組織B)のそれぞれに配置されたサーバ(サーバ装置Saおよびサーバ装置Sb)側で認識可能に変換する。また、情報変換部204は、情報入力部201により入力された情報がメータ情報である場合に、その情報を、送信先設定部203により設定された所管の対応組織側で認識可能に変換する。すなわち、情報変換部204が存在することにより、個々の対応組織側の受信装置の仕様にそった情報へ変換されることとなる。この変換された情報を変換済情報と称することとする。
【0054】
換言すると、センタCが介在することにより、伝送装置や送受信プロトコルの相違を吸収することが可能となり、その住戸に設置される伝送装置に依存しないサービス提供が可能となる。なお、情報変換部204では、通信プロトコル記憶部148からサーバ装置Saおよびサーバ装置Sbで認識されるプロトコルを入手する。
【0055】
情報変換制御部205は、緊急情報に関しては、当該変換済情報に、さらに、通報先の警備会社が第1通報先であるのか第2通報先であるのかの情報を組み込む。すなわち、優先順位に関する情報を付加する。これにより、第1通報先では、至急対応すべき状態と認識し、第2通報先では、待機班としての準備をすべき状態であると認識できる。すなわち、情報変換部204と情報変換制御部205が存在することにより、警備の確実性が担保されることとなる。
【0056】
また、情報変換制御部205は、後述する不使用検出部209により一定時間ないし一定期間、情報の入力がないと検出された場合に、送信先設定部203と情報変換部204と情報送信部206とを制御して、その旨を緊急情報として当該住戸の所在地情報と共に、所定の対応組織側へ送信する。この所定の対応組織とは、最寄りの対応組織としてもよいし、所管の対応組織とすることもできる。
【0057】
情報変換部204は、たとえば、変換プログラム145と、通信プロトコル記憶部148などによりその機能を実現することができる。また、情報変換制御部205は、たとえば、変換プログラム145と、設定プログラム144と、不使用対応プログラム150と、対応データベース147と、通信プログラム142と、OS141などによりその機能を実現することができる。
【0058】
情報送信部206は、情報変換部204により作成された変換済情報を、対応組織へ向けて送信する。送信に際しては、データ送受信の確実性を担保し、また、従来のインフラを利用するため電話回線を用いる。
【0059】
一方、ガスのメータ情報、水道のメータ情報、または、電気のメータ情報に基づいて、一定時間ないし一定期間、ガス、水道、または、電気の利用実績のない住戸があった場合、当該住戸に何らかの異常が発生したとして、当該住戸の非常警告灯410を点灯する指示を送信する。また、これと共に、所定の対応組織に緊急対応すべき旨の変換済情報を送信する。独居老人宅Dを例にとると、たとえば48時間電気、ガス、水道の利用が認められない場合、警備会社Bへ緊急情報(の変換済情報)としてその旨を送信する。これにより、平常状態と非常状態とを関連を持たせて、質の高い警備サービスを提供可能となる。
【0060】
情報送信部206は、たとえば、通信プログラム142と、対処管理プログラム146と、OS141と、通信部109などによりその機能を実現することができる。
【0061】
メール送信部210は、情報入力部201により入力された情報が連絡情報である場合に、送信先として設定されたメールアドレス(家族の携帯電話やパソコン)に対して所定の定型文メールを送信する。この定型文は、メールデータベース149に格納された定型文である。メール送信部210は、たとえば、通信プログラム142と、メールデータベース149と、通信部109等によりその機能を実現することができる。
【0062】
待機解除・対応要請送信部208は、情報送信部206から第1通報先へ変換済情報を送信してからの時間を計測し、所定の時間内に第1通報先にて対応した旨の連絡(返信)があった場合には、第2通報先へ待機解除信号を送信し、所定の時間を経過しても対応した旨の連絡がない場合には、第2通報先(警備会社B)へ対応要請信号を送信する。対応要請信号を送出する際には、変換済情報に第1通報先である旨の情報を付加して、改めて情報送信部206から送信する対応であってもよい。
【0063】
待機解除・対応要請送信部208は、たとえば、対処管理プログラム146と、通信プログラム142と、通信部109と、OS141などによりその機能を実現することができる。
【0064】
不使用検出部209は、ガスのメータ情報、水道のメータ情報、もしくは、電気のメータ情報に基づいて、または、開閉検知情報に基づいて、一定時間ないし一定期間、ガス、水道、電気の利用実績のない住戸を検出し、冷蔵庫の利用実績がない場合には、その旨を該当する端末装置のメールアドレスに送信すべく送信先設定部203とメール送信部210を制御し、冷蔵庫以外に関して利用実績がない場合には、その旨を緊急情報として当該住戸の所在地情報と共に、所定の対応組織側へ送信すべく、情報変換部204と情報送信部206を制御する。これにより、たとえば独居老人宅で異変が起きていないかどうかを検出可能となり、緊急度が高くない場合もある冷蔵庫の開閉状況に基づく安否情報も送出可能となる。不使用検出部209は、たとえばOS141と、不使用対応プログラム150などによりその機能を実現することができる。
【0065】
(サーバ装置Saの機能的構成)
次に、サーバ装置Saの機能的構成について説明する。サーバ装置Saは、先にも挙げたように、その機能的構成として、情報入力部301と、判定部302と、内容出力部303と、算出部304と、印刷部305と、記憶部306と、情報確認入力部307と、対応済情報送信部308と、を有する。
【0066】
情報入力部301は、サーバ装置Scから、緊急情報と連絡情報とメータ情報の変換済情報を受信する。
【0067】
また、判定部302は、情報入力部301により入力された変換済情報が緊急情報であるかメータ情報であるかを判定する。
【0068】
内容出力部303は、判定部302により、入力された情報が緊急情報であると判定された場合に、その住戸の所在地と異常の内容と第1通報先であることとを対応員が認識可能に出力する。出力形式は、モニタ表示であっても音声表示であってもよい。また、対応組織Aのシステム仕様によっては、対応員が持ち歩くPDAないしページャ、または無線で出力させるようにしてもよい。これにより、対応員は、どの住戸に対してどのような対応をすればよいか認識できる。
【0069】
算出部304は、判定部302により、入力された情報がメータ情報であると判定された場合に、メータ情報に基づいてその住戸における水道、ガス、電気の使用量と徴収金額を算出する。これは、適宜サーバ装置Saに、所管する各住戸と前回までのメータ値とを対応づけて格納しておくことにより算出可能となる。また、水道料は管の径により単価が異なるので、適宜この料金表も格納しておき、徴収金額を算出する。
【0070】
なお、自動検針機能付きの水道メータを対応組織側で購入し、契約者に対して低廉な価格でリースし、徴収金額にリース料を上乗せするようにすることも可能である。これは、単に検針機能付きメータに取り替えると割高であるところ、ホームセキュリティを導入する際には必ず伝送装置の取付けまたは工事が必要となり、この資産を利用するという視点に立てば総じて割安になり、住戸側にとっても業者側にとっても、導入のメリットが生じることとなる。
【0071】
印刷部305は、算出部304により算出された使用量および/または徴収金額を、当該住戸の宛名と共に印刷する。これにより、所管の対応組織側では、作業が自動化され、業務負担が低減することとなる。
【0072】
なお、徴収業務を、対応員がおこなうようにしてもよい。これにより、対応員が、平常時に暇をもてあますことなく、地域パトロールその他の業務(保守・点検)も可能となり、地域に根ざした保安活動が可能となる。
【0073】
記憶部306は、徴収された水道料金および/またはガス料金および/または電気料金を徴収済み情報としてサーバ装置Saに記憶する。記憶部306は、住戸の情報(ID)、前回までのメータ情報、今回のメータ情報、使用量、徴収金額、未収・徴収済などの情報を、関連づけて記憶させておくこともできる。
【0074】
情報確認入力部307は、対応員が、内容出力部303により出力された情報を確認した旨の情報を入力する。これにより、情報が対応員に伝わったことが確認できる。入力の態様は、専用のボタン(確認ボタン)であってもよいし、対応組織内でサーバ装置Saの前にいる所員が確認アイコン等を押下する等してもよい。
【0075】
また、対応済情報送信部308は、情報確認入力部307により情報が入力された場合に、サーバ装置Scに対して対応済である旨の対応済情報を送信する。なお、この対応済情報は、待機解除・対応要請送信部208に入力されることになる。
【0076】
なお、以上の例はサーバ装置Saについての説明であるが、サーバ装置Sbについても同様である。ただし、サーバ装置Sbの場合は、情報入力部301では、異常情報について第2通報先である旨も付加される。
【0077】
(伝送装置等の機能的構成)
信号メータ情報入力部501は、各契約住戸に設置された、開閉検知器411,火災警報機404、非常用押釦407、ガスメータ405、水道メータ406、電気メータ408、連絡スイッチ403から、開閉検知器411からは開閉検知情報、火災警報機404からは火災発生信号情報、非常用押釦407からは非常事態発生信号情報、ガスメータ405からはガス漏れ発生信号情報およびメータ情報、水道メータ406からは漏水発生信号情報およびメータ情報、電気メータ408からは漏電発生信号情報およびメータ情報、連絡スイッチ403からは押下信号情報を入力する。
【0078】
情報送信部502は、信号メータ情報入力部501により入力された信号情報またはメータ情報を、当該住戸の識別情報も付加してセンタ側のサーバ装置Scに送信する。
【0079】
点灯制御部503は、非常用押釦407が押下された場合または不使用検出部209により情報の入力がないと検出された場合に、非常警告灯410を点灯する。
【0080】
図7は、冷蔵庫の扉部分に開閉検知器411を取り付けた様子を示した図である。開閉検知器411は最後の開閉後24時間経過した後に、検知信号を伝送装置401に入力し、これがサーバ装置Scにより処理され家族へのメール送信が実行される。図8は、携帯電話に表示されるおもな項目を示した本文画面の例を示した図である。なお、最後の開閉からの経過時間を連絡するようにしても良い。
【0081】
以上説明したように、本発明によれば、冷蔵庫の開閉情報も用いて、独居老人宅用の安否確認がとれるホームセキュリティサービスを提供することができる。なお、実施の態様はこれに限らず、たとえば、伝送装置401のポートが少ない場合には、連絡スイッチ403をなくして開閉検知器411を残すようにしてもよい。
【0082】
上記の態様における冷蔵庫の開閉情報以外でも、たとえば、玄関・台所・風呂場等のマットへの加圧情報を用いて、独居老人の「活動」を検知するようにしても良い。このほか、パッシブセンサを廊下や便所扉付近に取り付け、屋内の所定位置通過情報を用いて、独居老人の活動を検知するようにしても良い。
【産業上の利用可能性】
【0083】
以上では、開閉検知器が24時間経過後に、その旨を家族にメール送信する態様について説明したが、たとえば、36時間経過後には、その旨を家族にメール送信すると共に、緊急情報として並行処理するようにして、対応員が巡回に行くようにしても良い。
【符号の説明】
【0084】
104 ハードディスク
106 モニタ
109 通信部
142 通信プログラム
143 判別プログラム
144 設定プログラム
145 変換プログラム
146 対処管理プログラム
147 対応データベース
148 通信プロトコル記憶部
149 メールデータベース
150 不使用対応プログラム
151 所管情報データベース
201 情報入力部
202 判別部
203 送信先設定部
204 情報変換部
205 情報変換制御部
206 情報送信部
207 対応済情報受信部
208 待機解除・対応要請送信部
209 不使用検出部
210 メール送信部
301 情報入力部
302 判定部
303 内容出力部
304 算出部
305 印刷部
306 記憶部
307 情報確認入力部
308 対応済情報送信部
401 伝送装置
402 電話
403 連絡スイッチ
404 火災警報機
405 ガスメータ
406 水道メータ
407 非常用押釦
408 電気メータ
409 電話回線
410 非常警告灯
411 開閉検知器
501 信号メータ情報入力部
502 情報送信部
503 点灯制御部
A 対応組織(水道会社)
B 対応組織(警備会社)
C センタ
D 契約住戸(独居老人宅)
K 警備検針システム
Sa 対応組織側サーバ装置
Sb 対応組織側サーバ装置
Sc センタ側サーバ装置


【特許請求の範囲】
【請求項1】
独居老人宅を契約住戸として伝送装置が設置された警備検針ステムにおいて、
各契約住戸にある、冷蔵庫に取り付けられた冷蔵庫の開閉を検知する検知器、マットに取り付けられたマットへの加圧を検知する検知器、または、屋内に取り付けられたパッシブセンサによる人の動きの有無を検知する検知器と、
各契約住戸の伝送装置からの情報を電話回線を通じて集中して受信するセンタ側に配置されたセンタ側コンピュータと、
センタ側コンピュータからの送信を受けて対応員を住戸へ派遣することも可能に組織された各種対応組織側に配置された対応側コンピュータと、
センタ側コンピュータから送信されたメールを表示する端末装置であって各契約住戸にかかる独居老人の家族の有する端末装置と、
を含む警備検針システムであって、
センタ側コンピュータは、
伝送装置からの情報を入力するセンタ側情報入力手段と、
センタ側情報入力手段により入力された情報に基づいて、安否に関わる緊急性の高い情報である緊急情報と、安否に関する緊急性の高くない情報である連絡情報と、水道メータ、ガスメータ、電気メータその他のメータ情報と、を判別する判別手段と、
判別手段により緊急情報と判別された場合には、当該緊急情報にかかる住戸の所在地に基づいて各種対応組織側の中から最適な送信先を設定し、判別手段により連絡情報と判別された場合には、当該連絡情報にかかる住戸に予め関連づけられた端末装置のメールアドレスを送信先として設定し、判別手段によりメータ情報と判別された場合には、当該メータ情報にかかる住戸を所管する対応組織を送信先と設定する送信先設定手段と、
センタ側情報入力手段により入力された情報が緊急情報またはメータ情報である場合に、送信先に配置された対応側コンピュータが認識可能に当該情報を変換して変換済情報を作成する情報変換手段と、
情報変換手段により作成された変換済情報を当該送信先へ送信する情報送信手段と、
センタ側情報入力手段により入力された情報が連絡情報である場合に、送信先として設定されたメールアドレスに対して所定の定型文メールを送信するメール送信手段と、
を備え、
対応側コンピュータは、
情報送信手段により送信された変換済情報を入力する対応側情報入力手段と、
対応側情報入力手段により入力された変換済情報が緊急情報であるかメータ情報であるかを判定する判定手段と、
判定手段により緊急情報と判定された場合には、緊急情報の内容とその住戸の所在地とを対応員が認識可能に出力する安否所在地情報出力手段と、
判定手段によりメータ情報と判定された場合には、メータ情報に基づいて使用量および/または徴収金額を算出する算出手段と、
を備え、
伝送装置は、
各契約住戸に設置された、検知器、火災警報機、非常用押釦、ガスメータ、水道メータ、電気メータ、非緊急用の連絡スイッチから、検知器からは検知情報、火災警報機からは火災発生情報、非常用押釦からは非常事態発生信号情報、ガスメータからはガス漏れ発生信号情報およびメータ情報、水道メータからは漏水発生信号情報およびメータ情報、電気メータからは漏電発生信号情報およびメータ情報、連絡スイッチからは押下信号情報を入力する信号メータ情報入力手段と、
信号メータ情報入力手段により入力された信号情報またはメータ情報を、当該住戸の識別情報も付加してセンタ側コンピュータに送信する情報送信手段と、
を備え、
定型文のメールが「無事に過ごしている」旨の安否内容、または、冷蔵庫の前回の開閉からの経過時間、マットの前回の加圧からの経過時間、もしくは、パッシブセンサの前回の動体検知からの経過時間に基づいた安否内容であることを特徴とする警備検針システム。
【請求項2】
センタ側コンピュータは、
ガスのメータ情報、水道のメータ情報、もしくは、電気のメータ情報、または、検知情報、に基づいて、
一定時間ないし一定期間、ガス、水道、もしくは、電気の利用実績のない住戸、または、一定時間ないし一定期間、冷蔵庫の利用、マット上の通過、もしくは、屋内所定位置の通過の実績のない住戸を検出する不使用検出手段と、
不使用検出手段により利用実績がないと検出された場合に、送信先設定手段と情報変換手段と情報送信手段とメール送信手段とを制御して、冷蔵庫の利用、マット上の通過、もしくは、屋内所定位置の通過が認められない場合には、その旨を該当する端末装置のメールアドレスに送信し、それ以外に関して利用実績がない場合には、その旨を緊急情報として当該住戸の所在地情報と共に、所定の対応組織側へ送信する無入力制御手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の警備検針システム。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−53859(P2011−53859A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−201306(P2009−201306)
【出願日】平成21年9月1日(2009.9.1)
【出願人】(509246264)株式会社セーフティネクスト (2)
【Fターム(参考)】