説明

貫通部を備えたウレタン成型品の成型装置及びこれを用いた製造方法

【課題】貫通部を備えたウレタン成型品を成形型から脱型するときの当該成型品に生じる破損のおそれを回避することができる貫通部を備えたウレタン成型品の成型装置及びこの装置を用いたウレタン成型品の製造方法を提供する。
【解決手段】ウレタンチップUc及びウレタン系接着剤を収容する下型11と、下型の下方から蒸気を供給する蒸気供給部12と、上型21と、下型及び上型を貫通しウレタン成型品に貫通部を形成する貫通形成部材31と、可動盤35と、下型に備えられ可動盤を進退させる昇降部40を備え、昇降部は、可動盤を下型側に前進させて貫通形成部材を下型の所定位置まで突出させ、上型によりウレタンチップをプレスし蒸気供給部から蒸気を下型内に導入してウレタン成型品を成形し、上型がウレタン成型品をプレスしているときに可動盤を下型から後退させて貫通形成部材を降下させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウレタン成型品の製造方法及び成型装置に関し、特に貫通部を備えたウレタン成型品の成型に適した製造方法及びこれを実施する成型装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ウレタンのチップ状物からウレタン成型品を製造する場合、ウレタンのチップ状物にウレタン系接着剤を添加し十分に混合する。この混合物を所定の型内に入れて適宜加熱する。接着剤にウレタン結合を生成させてチップ状物同士を結合させている(例えば特許文献1,2,3等参照)。
【0003】
この場合、板状やブロック等の比較的単純な形状であれば成型上特に問題ない。しかし、図1に示す成型品の一方から他方にかけて完全に貫通する貫通部2,3を有するウレタン成型品1を製造する場合、通常、図6に示す成型装置100が用いられる。ウレタン成型品の貫通部の位置、大きさに応じた突設部131が設けられた下型111にウレタンのチップ状物とウレタン系接着剤との混合物が投入され、上型121で押圧しながら蒸気供給部112より蒸気を下型内に供給し、プレス成型を行う。符号113が蒸気の通気孔である。
【0004】
ウレタン成型品を型から取り出すときには、下型111と上型112とを離し、出来上がった成型品Pを引き上げて取り出す。ところが、下型の形状から理解されるように、ウレタン成型品を下型から引き上げようとすると、ウレタン成型品Pは下型111の突設部131の抵抗を受けるため取り出しにくい。
【0005】
さらに、成型直後のウレタン成型品は蒸気の水分を含み、またウレタン系接着剤が完全に固化していないため全体的に軟らかい。そのため、ウレタン成型品を下型から引き上げるときに、下型の突設部とぶつかること等によって亀裂が生じたり分解してしまうことがある。ちょうど図7のように破損した成型品Pcのとおりである。ウレタン成型品の貫通部の周囲は脆弱箇所となりやすく、成型品の取り出しには細心の注意を払う必要がある。
【0006】
このことから、原材料の投入、プレス成型までは容易に進むものの、その後の脱型作業において大きく生産効率を下げてしまう問題点を抱えていた。
【特許文献1】特開平7−117155号公報
【特許文献2】特開2001−200462号公報
【特許文献3】特開2003−238729号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記の点に鑑みなされたものであり、貫通部を備えたウレタン成型品を成形型から脱型するときの当該成型品に生じる破損のおそれを回避することができる貫通部を備えたウレタン成型品の成型装置及びこの装置を用いたウレタン成型品の製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわち、請求項1の発明は、ウレタンチップとウレタン系接着剤とを混合しプレス加工により貫通部を備えたウレタン成型品を製造する成型装置であって、前記成型装置は、前記ウレタンチップ及び前記ウレタン系接着剤を収容する下型と、下型の下方から蒸気を該下型に供給する蒸気供給部と、前記下型を押圧する上型と、前記下型及び前記上型を貫通し、ウレタン成型品に貫通部を形成する貫通形成部材と、前記貫通形成部材を立設する可動盤と、前記下型に備えられ可動盤を該下型に対し進退させる昇降部とを備え、前記昇降部は、前記可動盤を前記下型側に前進させて前記貫通形成部材を前記下型の所定位置まで突出させ、前記上型によりウレタンチップをプレスし前記蒸気供給部から蒸気を前記下型内に導入してウレタン成型品を成形し、前記上型が前記ウレタン成型品をプレスしているときに前記可動盤を前記下型から後退させて前記貫通形成部材を降下させることを特徴とする貫通部を備えたウレタン成型品の成型装置に係る。
【0009】
請求項2の発明は、前記昇降部が前記下型の側面部に備えられている請求項1に記載の貫通部を備えたウレタン成型品の成型装置に係る。
【0010】
請求項3の発明は、前記昇降部が、油圧シリンダ及びピストンからなる請求項1又は2に記載の貫通部を備えたウレタン成型品の成型装置に係る。
【0011】
請求項4の発明は、ウレタンチップとウレタン系接着剤とを混合しプレス加工により貫通部を備えたウレタン成型品を製造する方法であって、前記ウレタンチップ及び前記ウレタン系接着剤を収容する下型と、下型の下方から蒸気を該下型に供給する蒸気供給部と、前記下型を押圧する上型と、前記下型及び前記上型を貫通し、ウレタン成型品に貫通部を形成する貫通形成部材と、前記貫通形成部材を立設する可動盤と、前記下型に備えられ可動盤を該下型に対し進退させる昇降部とを備えたウレタン成型品の成型装置を用い、前記昇降部により前記可動盤を前記下型側に前進させて前記貫通形成部材を前記下型の所定位置まで突出させ、前記下型に所定量のウレタンチップとウレタン系接着剤とを投入し、前記上型によりウレタンチップをプレスすると共に、前記蒸気供給部から蒸気を前記下型内に導入してウレタン成型品を成形し、前記上型が前記ウレタン成型品をプレスしているときに前記昇降部により前記可動盤を前記下型から後退させて前記貫通形成部材を降下させ、前記ウレタン成型品を前記下型から取り出しやすくしたことを特徴とする貫通部を備えたウレタン成型品の製造方法に係る。
【0012】
請求項5の発明は、前記昇降部が前記下型の側面部に備えられている請求項4に記載の貫通部を備えたウレタン成型品の製造方法に係る。
【0013】
請求項6の発明は、前記昇降部が、油圧シリンダ及びピストンからなる請求項4又は5に記載の貫通部を備えたウレタン成型品の製造方法に係る。
【発明の効果】
【0014】
請求項1の発明に係る貫通部を備えたウレタン成型品の成型装置によると、ウレタンチップ及びウレタン系接着剤を収容する下型と、下型の下方から蒸気を該下型に供給する蒸気供給部と、前記下型を押圧する上型と、前記下型及び前記上型を貫通し、ウレタン成型品に貫通部を形成する貫通形成部材と、前記貫通形成部材を立設する可動盤と、前記下型に備えられ可動盤を該下型に対し進退させる昇降部とを備え、前記昇降部は、前記可動盤を前記下型側に前進させて前記貫通形成部材を前記下型の所定位置まで突出させ、前記上型によりウレタンチップをプレスし前記蒸気供給部から蒸気を前記下型内に導入してウレタン成型品を成形し、前記上型が前記ウレタン成型品をプレスしているときに前記可動盤を前記下型から後退させて前記貫通形成部材を降下させるため、貫通部を備えたウレタン成型品を成形型から脱型するときの当該成型品に生じる破損のおそれを回避することができた。これに伴い、ウレタン成型品の生産効率の向上が実現できた。
【0015】
請求項2の発明に係る貫通部を備えたウレタン成型品の成型装置によると、請求項1の発明において、前記昇降部が前記下型の側面部に備えられているため、プレス成形時、昇降部が、蒸気供給部から下型へ供給される水蒸気の熱より被る影響を軽減することができる。
【0016】
請求項3の発明に係る貫通部を備えたウレタン成型品の成型装置によると、請求項1又は2の発明において、前記昇降部が、油圧シリンダ及びピストンからなるため、可動盤と下型の近接、離隔の動作をすばやく行うことができる。
【0017】
請求項4の発明に係る貫通部を備えたウレタン成型品の製造方法によると、ウレタンチップとウレタン系接着剤とを混合しプレス加工により貫通部を備えたウレタン成型品を製造する方法であって、前記ウレタンチップ及び前記ウレタン系接着剤を収容する下型と、下型の下方から蒸気を該下型に供給する蒸気供給部と、前記下型を押圧する上型と、前記下型及び前記上型を貫通し、ウレタン成型品に貫通部を形成する貫通形成部材と、前記貫通形成部材を立設する可動盤と、前記下型に備えられ可動盤を該下型に対し進退させる昇降部とを備えたウレタン成型品の成型装置を用い、前記昇降部により前記可動盤を前記下型側に前進させて前記貫通形成部材を前記下型の所定位置まで突出させ、前記下型に所定量のウレタンチップとウレタン系接着剤とを投入し、前記上型によりウレタンチップをプレスすると共に、前記蒸気供給部から蒸気を前記下型内に導入してウレタン成型品を成形し、前記上型が前記ウレタン成型品をプレスしているときに前記昇降部により前記可動盤を前記下型から後退させて前記貫通形成部材を降下させ、前記ウレタン成型品を前記下型から取り出しやすくしたため、貫通部を備えたウレタン成型品を成形型から脱型するときの当該成型品に生じる破損のおそれを回避することができる。また、脱型作業時の生産効率を向上することができる。
【0018】
請求項5の発明に係る貫通部を備えたウレタン成型品の製造方法によると、請求項4の発明において、前記昇降部が前記下型の側面部に備えられているため、プレス成形時、昇降部が、蒸気供給部から下型へ供給される水蒸気の熱より被る影響を軽減することができる。
【0019】
請求項6の発明に係る貫通部を備えたウレタン成型品の製造方法によると、請求項4又は5の発明において、前記昇降部が、油圧シリンダ及びピストンからなるため、可動盤と下型の近接、離隔の動作をすばやく行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下添付の図面に従って本発明を説明する。
図1は貫通部を備えたウレタン成型品の斜視図、図2はプレス前の貫通部を備えたウレタン成型品の成型装置の断面図、図3は図1のプレス後の断面図、図4は貫通形成部材を下型から離した時点の断面図、図5はウレタン成型品の取り出し時の断面図である。
【0021】
図1に示すウレタン成型品1は、ウレタンチップとウレタン系接着剤との混合後、水蒸気の熱と水分を伴ってウレタン系接着剤が硬化し、プレス加工を経たうえで得ることができる成型品である。当該成型品の形状は板状、ブロック状等の適宜の形状である。特に、成型品に貫通部を有していることに特徴がある。図示の例では円筒形状の貫通部2と、内部に四角形状に奥まった貫通部3とを備えている。図示のとおり、貫通部2,3を備えたウレタン成型品1によると、部位4や部位5の辺りが脆弱となるため、当該部位において成型品に亀裂や変形が生じやすい。
【0022】
図2ないし図5に示すウレタン成型品の成型装置10は、前記の図1に開示の貫通部を有するウレタン成型品1の製造に対応した成型装置である。図示のウレタン成型品の成型装置10には、下型11と、この下型11の下方から蒸気を該下型に供給する蒸気供給部12と、下型11を上方から押圧する上型21と、下型及び上型を貫通して出来上がるウレタン成型品に貫通部を形成する貫通形成部材31と、貫通形成部材が立設されている可動盤35と、下型11に備えられ可動盤を該下型に対し進退させる昇降部(昇降装置)40が備えられている。
【0023】
図2のとおり、下型11には、ウレタンチップUc及びウレタン系接着剤、必要により解繊された反毛繊維がそれぞれ計量後に混合されて適量収容される。蒸気は図示しないボイラ等から蒸気供給部12へ供給され、下型11の下部11bに設けられた複数の通気孔13を通じて下型内へ導入される。上型21は図示しない油圧シリンダにより下型11内への前進後退駆動される。符号22,23は上型における貫通穴である。
【0024】
貫通形成部材31には、図1に例示の貫通部を有するウレタン成型品1の貫通部2,3の形状を仕上げるように対応した形状であり、円柱部材31a、四角柱部材31bが設けられている。貫通形成部材31(円柱部材31a、四角柱部材31b)は可動盤35に立設され、可動盤35の上下動に伴い下型内への前進、下型からの後退可能である。
【0025】
下型11と可動盤35は昇降部40により進退駆動可能である。この昇降部(昇降装置)40は下型11の側面部15に備えられている。実施例では、下型の左右に1基ずつ配置されている。なお、昇降部は下型の大きさ(すなわちウレタン成型品の大きさ)に応じて配置場所、配置数が規定される。図示の昇降部40には、油圧シリンダ41とピストン42が備えられている。昇降部を油圧駆動とすることにより、前記の可動盤35と下型11の近接、離隔の動作をすばやく行うことができる。むろん、昇降部にはボールねじ、クランク駆動装置、あるいは適宜の歯車等を用いることもできる。
【0026】
開示の成型装置10において、蒸気供給部12は下型11の下方位置に配置されている。プレス成形時、下型へ供給する水蒸気を蒸気供給部に流通させるため、常時下型11の下部11bは高温に晒される。そこで、昇降部40が蒸気の熱より被る影響を軽減するため、下型11の下部11bを避けた位置に配置される。例えば、油圧配管の熱劣化、シリンダ等の形状変形のおそれ等を回避するためである。なお、昇降部(昇降装置)を下型の側面部に備えることにより、成型装置自体の高さを抑えることができ、総じてコンパクトにもなる。
【0027】
続いてウレタン成型品の成型装置10を用いた製造方法を説明する。はじめに図2から理解されるように、昇降部40の油圧シリンダ41とピストン42の駆動により可動盤35は下型11側に前進される。こうして、可動盤35に備えられた貫通形成部材31(31a,31b)は下型内の所定位置まで突出される。ウレタンチップUc及びウレタン系接着剤、必要により解繊された反毛繊維はそれぞれ計量後に混合されて、この状態の下型11内に適量投入される。
【0028】
図3のように、上型21の降下に伴い下型内のウレタンチップは圧縮されてプレス成形が始まる。同時に蒸気供給部12へ供給された蒸気は、下型11の下部11bに設けられた複数の通気孔13を通じて下型内へ導入される。水蒸気の熱と水分によりウレタン系接着剤の架橋、硬化が促進し、ウレタンチップは互いに密着して一体化する。この時点で貫通部を有するウレタン成型品1が形成される。図示のプレス時、貫通形成部材31の先端部32(円柱部材31aの先端部32a,四角柱部材31bの先端部32b)は、上型21(その貫通穴22,23)も突き抜けた位置にある。
【0029】
続く図4においては、下型11と上型21の圧締によりウレタン成型品1のプレス状態が維持された状態で、昇降部40の油圧シリンダ41とピストン42の駆動により可動盤35は下型11側から後退される。可動盤35の後退に連動して貫通形成部材31(31a,31b)も下型11の下方に後退する。可動盤(貫通形成部材)が下型から後退するときの移動量は、下型自体の形状、出来上がるウレタン成型品の形状、取り出しやすさ等に基づいて設定される。図示の実施例の成型装置10においては、貫通形成部材31の先端部32(先端部32a,先端部32b)は、ウレタン成型品1の上面1u以下、特には下型11の内低面14よりも下方位置まで降下する位置まで可動盤を後退している。符号16,17は下型の貫通穴、18,19は蒸気供給部の貫通穴である。
【0030】
そして図5のように、一連の水蒸気の供給、プレス成形を終えた後、上型21が下型11から離隔され、出来上がったウレタン成型品1が下型11から取り出される。図示の成型装置10から把握されるとおり、可動盤35を移動させることにより、実施例では、貫通形成部材31の先端部32は下型11の内低面14よりも降下させている。図示の貫通形成部材の先端部は下型の貫通穴16,17内にある。このため、成型後のウレタン成型品1を下型11から取り出そうとするとき、ウレタン成型品1の貫通部2,3(図1参照)は貫通形成部材と引っかかることはない。なお、下型11から上型21が離れてウレタン成型品1のプレス状態が解除された状態で、昇降部40の油圧シリンダ41とピストン42の駆動により可動盤35を下型11側から後退させることもできる。
【0031】
ウレタン成型品の製造方法においても、各図から把握されるように、成型装置の昇降部40は、下型11の下部11bを避けた位置に配置される。また、昇降部40の油圧シリンダ41とピストン42の駆動により可動盤35は下型11側に前進される。
【0032】
ウレタン成型品が貫通部を有している場合、その形状が複雑になるため、強度的に脆弱部分が生じやすく、貫通形成部材との接触による影響を受けやすい。このことから、ウレタン成型品の脱型時に、予め成型品の取り出し作業の邪魔となる貫通形成部材を下型から後退させることによって、ウレタン成型品は貫通形成部材の抵抗を受けずに無理なく下型内から引き上げられる。従って、成型後のウレタン成型品の下型からの取り出し作業は容易となる。
【0033】
なお、ウレタン成型品の成型装置の下型は、成型し終えたウレタン成型品の取り出しを容易にするため、下型の壁面部分が僅かに開いて隙間を形成することもできる。所望のウレタン成型品の大きさ、形状、原料となるウレタンチップの大きさや形状等を考慮して、下型、上型、及び貫通形成部材の形状、プレス圧力等も最適に設定される。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】貫通部を備えたウレタン成型品の斜視図である。
【図2】プレス前の貫通部を備えたウレタン成型品の成型装置の断面図である。
【図3】図1のプレス後の断面図である。
【図4】貫通形成部材を下型から離した時点の断面図である。
【図5】ウレタン成型品の取り出し時の断面図である。
【図6】従来のウレタン成型品の成型装置のプレス時の断面図である。
【図7】図6のウレタン成型品の取り出し時の断面図である。
【符号の説明】
【0035】
1 ウレタン成型品
2,3 貫通部
10 ウレタン成型品の成型装置
11 下型
12 蒸気供給部
13 通気孔
14 内底面
15 側面部
21 上型
31 貫通形成部材
32 先端部
35 可動盤
40 昇降部
41 油圧シリンダ
42 ピストン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウレタンチップとウレタン系接着剤とを混合しプレス加工により貫通部(2,3)を備えたウレタン成型品(1)を製造する成型装置(10)であって、
前記成型装置は、前記ウレタンチップ及び前記ウレタン系接着剤を収容する下型(11)と、下型の下方から蒸気を該下型に供給する蒸気供給部(12)と、前記下型を押圧する上型(21)と、前記下型及び前記上型を貫通し、ウレタン成型品に貫通部を形成する貫通形成部材(31)と、前記貫通形成部材を立設する可動盤(35)と、前記下型に備えられ可動盤を該下型に対し進退させる昇降部(40)とを備え、
前記昇降部は、前記可動盤を前記下型側に前進させて前記貫通形成部材を前記下型の所定位置まで突出させ、前記上型によりウレタンチップをプレスし前記蒸気供給部から蒸気を前記下型内に導入してウレタン成型品を成形し、前記上型が前記ウレタン成型品をプレスしているときに前記可動盤を前記下型から後退させて前記貫通形成部材を降下させる
ことを特徴とする貫通部を備えたウレタン成型品の成型装置。
【請求項2】
前記昇降部が前記下型の側面部(15)に備えられている請求項1に記載の貫通部を備えたウレタン成型品の成型装置。
【請求項3】
前記昇降部が、油圧シリンダ(41)及びピストン(42)からなる請求項1又は2に記載の貫通部を備えたウレタン成型品の成型装置。
【請求項4】
ウレタンチップとウレタン系接着剤とを混合しプレス加工により貫通部(2,3)を備えたウレタン成型品(1)を製造する方法であって、
前記ウレタンチップ及び前記ウレタン系接着剤を収容する下型(11)と、下型の下方から蒸気を該下型に供給する蒸気供給部(12)と、前記下型を押圧する上型(21)と、前記下型及び前記上型を貫通し、ウレタン成型品に貫通部を形成する貫通形成部材(31)と、前記貫通形成部材を立設する可動盤(35)と、前記下型に備えられ可動盤を該下型に対し進退させる昇降部(40)とを備えたウレタン成型品の成型装置(10)を用い、
前記昇降部により前記可動盤を前記下型側に前進させて前記貫通形成部材を前記下型の所定位置まで突出させ、前記下型に所定量のウレタンチップとウレタン系接着剤とを投入し、前記上型によりウレタンチップをプレスすると共に、前記蒸気供給部から蒸気を前記下型内に導入してウレタン成型品を成形し、前記上型が前記ウレタン成型品をプレスしているときに前記昇降部により前記可動盤を前記下型から後退させて前記貫通形成部材を降下させ、前記ウレタン成型品を前記下型から取り出しやすくしたことを特徴とする貫通部を備えたウレタン成型品の製造方法。
【請求項5】
前記昇降部が前記下型の側面部(15)に備えられている請求項4に記載の貫通部を備えたウレタン成型品の製造方法。
【請求項6】
前記昇降部が、油圧シリンダ(41)及びピストン(42)からなる請求項4又は5に記載の貫通部を備えたウレタン成型品の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−115899(P2010−115899A)
【公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−292167(P2008−292167)
【出願日】平成20年11月14日(2008.11.14)
【出願人】(396012562)
【Fターム(参考)】