説明

貼付装置及び貼付方法

【課題】 原反を構成する接着シートと剥離シートの予備剥離と再仮着を行い、これらの仮着強度を均一化し、接着シートを板状部材に貼付したときに、皺の発生や気泡の混入等を回避する貼付装置及び貼付方法を提供すること。
【解決手段】 貼付テーブル11と、当該貼付テーブル11に支持された半導体ウエハWに接着シートSを貼付する貼付ユニット12とにより貼付装置10が構成されている。貼付ユニット12は、剥離シートPSの一方の面に接着シートSが仮着された原反Lを繰り出す途中でこれらを剥離する予備剥離装置40と、予備剥離された接着シートSと剥離シートPSとを再仮着させる再仮着装置41と、半導体ウエハWに対して接着シートSを押圧して貼付するプレスロール45とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は貼付装置及び剥離方法に係り、更に詳しくは、半導体ウエハ等の板状部材に接着シートを貼付する際に、皺の発生や気泡の混入等を防止することのできる貼付装置及び貼付方法に関する。
【背景技術】
【0002】
回路面が形成された半導体ウエハ(以下、単に、「ウエハ」と称する)をチップに個片化した後、各チップをピックアップしてリードフレームに接着(ダイボンディング)することが行われている。このダイボンディングは、ウエハ処理工程において、ダイボンディング用感熱接着性の接着シートを予め貼付することにより行うことができる。
【0003】
前記接着シートの貼付装置としては、例えば、特許文献1に開示されている。同文献に開示された貼付装置は、ウエハの裏面側を上面側にした状態で当該ウエハを吸着支持するテーブルと、ウエハの上面側にダイボンディング用の接着シートを供給するシート供給装置と、ウエハの上面側に供給された接着シートを押圧して当該接着シートをウエハに貼付するプレスロールとを備えて構成されている。ここで、接着シートの一方の面は、カバーシート(剥離シート)が仮着されており、当該剥離シートは、接着シートをウエハに貼付した後に剥離される構成となっている。
【0004】
【特許文献1】特開2003−257898号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、接着シートに剥離シートを仮着した原反の中には、製品精度として要求される品質基準をクリアしていない場合が時として問題となる。具体的には、接着シートと剥離シートとの仮着強度が原反の延出方向において一様でない場合である。すなわち、前記延出方向に沿う特定の領域に関し、他の領域に比べて相対的に強く仮着されている領域や、弱く仮着されている領域があったり、製品ロットによって仮着強度にバラツキがあると、ウエハに接着シートを貼付して剥離シートを剥離する際に、その剥離抵抗に強弱を生ずることとなる。ダイボンディング用の感熱性接着シートは、剥離シートを剥離する段階では接着シートがウエハに完全接着していないため、仮着強度の強い領域における剥離シートの剥離によって接着シートをも巻き込んでしまう、という不都合を招来する。
【0006】
この場合、接着シートをウエハに貼り付ける前の段階で接着シートと剥離シートとを一旦剥離しておくことによって、剥離シートを剥離しながら接着シートを繰り出し、所定の張力で接着シートの貼付を行うことが考えられる。しかし、この場合には、剥離シートはウエハに貼り付けられる前に別のローラによって巻き取られることになるため、プレスロールが接着シートを直接的に押圧することとなり、接着シートに傷を付けてしまう場合を惹起せしめる他、接着シートの接着剤がプレスロールに付着し易くなる。
そこで、図6に示されるように、接着シートSに剥離シートPSが仮着された原反Lを繰り出す途中に予備剥離装置100を設け、接着シートSから剥離シートPSを予備剥離して接着シートSをウエハWに貼付する構成を検討した。
しかしながら、かかる構成では、前記接着シートSが感熱接着性の接着剤であるため、一度剥離シートPSから剥がされることで再接着することができず、接着シートSが皺になったり、垂れ下がったりする傾向をもたらし、ウエハWに接着シートSを接着したときに、皺や気泡を混入した状態で貼り合わせが行われてしまって製品不良を多発させる、という不都合を招来する。
【0007】
[発明の目的]
本発明は、このような不都合に着目して案出されたものであり、その目的は、原反状態における剥離シートと接着シートとの仮着強度のバラツキがあっても、予備剥離を行うとともに、再仮着を行うことで、剥離シートと接着シートとの剥離強度を均一化し、所定の張力で接着シートを板状部材に貼付ができ、皺の発生や気泡の混入等を回避した上で、プレスロールによる押圧力が剥離シート介して接着シートに付与されるようにし、プレスロールへの接着剤の付着を防止することのできる貼付装置及び貼付方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するため、本発明は、板状部材を支持する貼付テーブルと、前記板状部材に接着シートを貼付する貼付ユニットとを備えた貼付装置において、
前記貼付ユニットは、剥離シートの一方の面に接着シートが仮着された原反を繰り出す途中で前記剥離シートから接着シートを剥離する予備剥離装置と、予備剥離された接着シートを前記剥離シートに再仮着させる再仮着装置と、前記板状部材に対して接着シートを押圧するプレスロールとを備え、
前記再仮着された接着シートを前記板状部材の被着面側にした状態で、前記剥離シートをプレスロールで押圧することで前記接着シートが板状部材に貼付される、という構成を採っている。
【0009】
前記貼付装置における板状部材は半導体ウエハであるとともに、前記接着シートはダイボンディングシート又は保護膜を形成するための保護用シートとすることができる。
【0010】
また、本発明は、剥離シートの一方の面に接着シートが仮着された原反を繰り出して前記接着シートを板状部材の被着面に貼付する方法において、
前記原反を繰り出す途中で前記剥離シートから接着シートを予備剥離し、
前記予備剥離された接着シートを前記剥離シートに再仮着させておき、
次いで、前記再仮着された接着シートを前記板状部材に相対させた状態で、前記剥離シートを押圧することで前記接着シートが板状部材に貼付される、という方法を採っている。
【0011】
前記貼付方法において、前記再仮着は熱又は静電気を付与することにより行うことができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、原反を繰り出した後に、接着シートと剥離シートとの予備剥離を行うとともに再仮着を行う構成であるため、図6に示されるように、接着シートSが剥離シートPSに再仮着できないことによる皺の発生や垂れ下がり等を効果的に防止することができ、ウエハWに接着シートSを接着したときに、皺や気泡を混入した状態で貼り合わせが行われる不都合を解消することができる。
また、接着シートの貼付は、剥離シートを介して押圧力を付与することにより行われるものであるため、すなわち、プレスロールが接着シートに接することのない状態で行われるものであるため、プレスロールへの接着剤の付着も回避可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0014】
図1には、ウエハの裏面側に接着シートを貼付する貼付装置の概略正面図が示されている。この図において、貼付装置10は、前工程における搬送手段を介して板状部材としてのウエハWを受け取って当該ウエハWを支持する貼付テーブル11と、この貼付テーブル11に吸着されたウエハWの裏面側(上面側)にダイボンディング用の感熱接着性接着シートSを貼付する貼付ユニット12とを備え、当該貼付ユニット12の側方には、接着シートSをウエハW毎に幅方向に切断する切断手段13が配置されている。なお、ウエハWは、その回路面側に保護テープPTが予め貼付されており、当該ウエハWは、保護テープPTが貼付された面が貼付テーブル11の上面に接する状態で支持される。
【0015】
前記貼付テーブル11は、上面側が吸着面として形成されているとともに、接着シートSを一定程度に溶融してウエハWに接着(仮着)を行うことのできる所定温度に保たれるようになっている。この貼付テーブル11は、図2及び図3に示されるように、ベーステーブル15と、当該ベーステーブル15の上面側に設けられた内側テーブル部16と、この内側テーブル部16を囲む外側テーブル部17とを備えて構成されている。内側テーブル部16は、ウエハWの支持面をなすように当該ウエハWと略同一平面形状に設けられ、その内部にヒータHが配置されてウエハWを所定温度に保つように構成されている。また、内側テーブル部16と外側テーブル部17との間に形成されたクリアランスC内には伝熱部材20が配置され、この伝熱部材20により、外側テーブル部17が内側テーブル部16の温度よりも低い温度に保たれるように設けられている。そのため、ウエハWよりも外側にはみ出る不要接着シート部分S1を弱い接着力で外側テーブル部17に接着し、接着シートSをウエハWに貼付したときの当該ウエハW上に皺等を発生させることはない。
【0016】
また、前記貼付テーブル11は、図1に示されるように、ガイドレール21上を移動可能なスライダドプレート22に支持されており、図示しない駆動手段を駆動させたときに、前工程におけるウエハWを受け取り可能な位置と、前記貼付ユニット12の下部領域を経て右側に通過した位置との間で往復移動可能に設けられている。また、貼付テーブル11は、昇降装置25を介して上下に昇降可能に設けられている。この昇降装置25は、前記スライドプレート22上に固定されたガイドブロック27と、前記ベーステーブル15の下面側から垂下して前記ガイドブロック27に沿って昇降可能な脚部材28と、図示しないシリンダ等からなる昇降力付与機構とにより構成されている。
【0017】
前記貼付テーブル11の上面には、貼付ユニット12から繰り出される帯状の原反Lを幅方向に切断するためのカッター受け溝11Aが形成されているとともに、貼付テーブル11の移動方向に沿う両側面の上部には、ラック30と、当該ラック30の外側面に取り付けられたガイドバー31が設けられている。
【0018】
前記貼付ユニット12は、貼付テーブル11の上方に配置された板状のフレームFの領域内に設けられている。この貼付ユニット12は、接着シートSに剥離シートPSを仮着してロール状に巻回された原反Lを供給可能に支持する支持ロール32と、原反Lに繰り出し力を付与するドライブロール33及びピンチロール34と、支持ロール32とピンチロール34との間に配置された二つのガイドロール38,38及びこれらガイドロール38,38間に設けられたダンサロール39と、ピンチロール34に対して原反Lの繰出方向上流側に設けられた予備剥離装置40と、前記ドライブロール33よりも下流側に設けられるとともに、予備剥離された接着シートSに剥離シートPSを再び仮着させる再仮着装置41と、原反Lのリード端領域を貼付テーブル11の上面に押圧してこれを挟み込む押圧部材43と、接着シートSをウエハWの裏面側に順次押し付けて当該接着シートSをウエハWに接着させるヒータ内蔵型のプレスロール45と、原反Lの繰り出し方向において、プレスロール45の直前位置に配置されたテンションロール46及びガイドロール47とを備えて構成されている。ここで、前記再仮着装置41は、原反Lを挟み込むように配置された一対のヒータ内蔵型のロール41A,41Bにより構成されている。また、押圧部材43の下面側は吸着部を有し、原反Lの端部を吸着保持するようになっている。
【0019】
前記シート予備剥離装置40は、図4に示されるように、原反Lの繰出方向に沿って移動可能な移動部材50と、当該移動部材50を移動させるシリンダ装置51とにより構成されている。移動部材50は、フレームFの面内に設けられたスリット54を前後方向に貫通する支持軸55と、この支持軸55の前端(手前側端)に固定されてフレームFの面より前方に向かって原反Lの幅と同程度以上の長さを備えた翼状の片状体56とにより構成されている。この片状体56は、接着シートSと剥離シートPSとの間に配置され、これら各シートS、PSに接する緩やかな円弧面が左右両側に位置する形状とされ、その上下各端は非常に小さな曲面となる尖頭形状に設けられ、前記シリンダ装置51の駆動によって上下に移動したときに、積層状態にある接着シートSと剥離シートPSとを強制的且つスムースに分離して予備剥離を実行するようになっている。なお、移動部材50は、片状体56に代えてロール状部材等を用いることを妨げない。
【0020】
前記ドライブロール33は、フレームFの背面側に設けられたモータM(図1参照)によってそれぞれ回転駆動されるようになっている。また、押圧部材43、プレスロール45及びテンションロール46は、それぞれシリンダ60,61,62を介して上下に移動可能に設けられている。プレスロール45は、図2に示されるように、その両端側がブラケット64を介してシリンダ61に連結されており、その回転中心軸66の両端側にはピニオン67,67と、これらピニオン67,67の各外側位置に、コロ68,68が配置されている。ピニオン67,67はラック30,30にそれぞれ噛み合い可能に設けられている一方、コロ68,68は、前記ガイドバー31,31上をプレスロール45の回転とは関係なく転動するように構成されている。
【0021】
図1に示されるように、前記切断手段13は、貼付テーブル11の移動方向に沿って延びるアーム部70と、このアーム部70の先端側下面に設けられた一軸ロボット71を介して進退可能に設けられたカッターユニット72とを含む。カッターユニット72は、一軸ロボット71に沿って移動するブラケット74に支持されたカッター上下用シリンダ75と、当該カッター上下用シリンダ75の先端に取り付けられたカッター77とにより構成されている。ここで、カッター上下用シリンダ75は、略鉛直面内において回転可能となる状態でブラケット74に取り付けられおり、これにより、カッター77の先端位置が略鉛直面内で円弧軌跡に沿う状態でカッター刃の角度調整を可能とする。また、前記一軸ロボット71により、アーム部70の延出方向に沿って進退可能とされている。切断手段13は、貼付テーブル11の移動方向に対して直交する方向に向けられたガイド79に沿って移動可能に支持されている。従って、カッター77の先端が貼付テーブル11のカッター受け溝11Aに入り込む姿勢とされて切断手段13全体がガイド79に沿って移動したときに、原反Lを幅方向に切断することができる。
【0022】
次に、本実施形態における接着シートSの貼付方法について説明する。
【0023】
ウエハWは、前記保護テープPTが貼付された面が下面側に位置する状態で、貼付テーブル11上に移載され、ウエハWの裏面が上面側として貼付テーブル11に吸着支持される。
【0024】
図1に示されるように、貼付テーブル11が貼付ユニット12の直下に位置すると、押圧部材43の下面側に吸着保持されている原反Lのリード端領域が、押圧部材43の下降によって貼付テーブル11の上面に当接することとなる。原反Lのリード端が押圧部材43で外側テーブル部17に押し付けられる前に、片状体56は、図1に示される位置から上方に向かって一往復して予備剥離領域を形成して停止する。また、予備剥離された接着シートSと剥離シートPSは、再仮着装置41を構成するロール41A,41Bを通過するときに、これらロール41A,41Bの熱によって仮着強度が前記延出方向に沿って一定となるように再仮着される。この仮着強度は、接着シートSや剥離シートPSの材質、厚みや、貼付装置10の機械特性等に応じて可変設定が可能である。この後、片状体56が停止している時に、プレスロール45が下降してウエハWの上面との間に原反Lを挟み込み、ウエハW領域以外の不要接着シート部分S1(図3参照)は外側テーブル部17に当接することとなる。次いで、押圧部材43が吸着を解除して上昇する。この時、プレスロール45の両端側に設けられたコロ68がガイドバー31の上面に接すると同時に、ラック30にピニオン67が噛み合って当該ピニオン67がラック30に沿って回転移動可能な状態となる。この状態で、貼付テーブル11が図1中右側に移動し、ラック30とピニオン67との噛み合いにより、プレスロール45が回転するとともに、コロ68がガイドバー31上をガイド面として転動し、順次繰り出される原反Lの接着シートSがウエハWの上面に貼付されることとなる。この貼付に際しては、ウエハWの外周よりはみ出る不要接着シート部分S1が、外側テーブル部17に弱い接着力で接着しているため、プレスロール45がウエハW上を回転移動しているときに、原反Lのテンションとプレスロール45の押圧力によって引っ張られることにより皺を発生させるような不都合は生じない。なお、プレスロール45は内蔵する加熱手段であるヒータによって接着シートSがウエハWに仮着できる温度を維持するように制御されている。
【0025】
このようにして原反Lの接着シートSがウエハWに貼付されて、前記押圧部材43がカッター受け溝11Aを通過した直後の上方位置に至ると、図5に示されるように、押圧部材43が下降して原反Lを貼付テーブル11に当接させる。この後、切断手段13のカッター77が前記カッター受け溝11A内に入り込み、カッターユニット72を支持しているアーム部70が図5中紙面直交方向に移動して接着シートSを幅方向に切断する。幅方向の切断が完了すると、前記押圧部材43は当該押圧部材43の下面側に位置する原反Lを吸着して上昇位置に戻り、次のウエハWへの接着に備える。また、切断手段13は、カッター上下用シリンダ75の上昇により、カッター77の刃先位置が上昇する位置に変位し、貼付テーブル11の上面位置から離れる方向に退避することとなる。
【0026】
このようにして原反Lの接着シートSが貼付されたウエハWは、図示しない外周カット用テーブルに移載されて、切断手段13で前記不要接着シート部分S1が切断され、当該不要接着シート部分S1とウエハW上に位置する剥離シートPSとが図示しない除去装置にて除去され、ウエハWを順次移載しつつリングフレームへのマウント工程と、保護テープPTの剥離工程の後工程に付されることとなる。
【0027】
以上説明したように、本実施形態に係る貼付装置10によれば、原反Lを構成する接着シートSと剥離シートPSとの予備剥離を行った後に再仮着を行う構成としたから、図6に示されるように、接着シートSが剥離シートPSに再仮着できないことで接着シートの適正な張力が失われることにより、当該接着シートに皺を発生させたり、垂れ下がりを生じさせてしまうことを防止することができ、皺や気泡の混入を回避た状態で接着シートSをウエハWに接着することが可能となる。しかも、プレスロール45は剥離シートPSを介して接着シートSに押圧力を付与する構成となるため、接着剤がプレスロール45に付着してしまう不都合も生じない。
【0028】
以上のように、本発明を実施するための最良の構成、方法等は、前記記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。
すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示、説明されているが、本発明の技術的思想及び目的の範囲から逸脱することなく、以上説明した実施形態に対し、形状、位置若しくは配置等に関し、必要に応じて当業者が様々な変更を加えることができるものである。
【0029】
例えば、前記実施形態では、再仮着装置41としてヒータ内蔵型の一対のロール41A,41Bを採用した場合を図示、説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、ヒータ内蔵型としない場合であってもよく、この場合には、一定の加熱温度に保たれたチャンバを設けて当該チャンバ内にロールを配置すればよい。また、接着シートSと剥離シートPSに静電気を帯電させてこれらを相互に仮接着することもできる。要するに、本発明における再仮着は、仮着強度が原反Lの延出方向に沿って一様に再調整できる構成であれば足りる。
【0030】
また、ダイボンディング用の接着シートSをウエハWに貼付する装置として図示、説明したが、感熱接着性を有するシートであれば他のシートであってもよく、例えば、ドライレジストフィルムや、保護膜形成用のシート等をウエハWに貼付する場合にも適用することができる。
【0031】
更に、本発明は、ウエハ以外の板状部材にシートを貼付する場合を含む。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】貼付装置の概略正面図。
【図2】貼付テーブルの概略斜視図。
【図3】貼付テーブルの断面図。
【図4】予備剥離装置を示す概略斜視図。
【図5】貼付テーブルが原反貼付終了位置に移動した状態を示す概略正面図。
【図6】予備剥離を行って接着シートをウエハに貼付する時の不都合を説明するための概略正面図。
【符号の説明】
【0033】
10 貼付装置
11 貼付テーブル
12 貼付ユニット
40 予備剥離装置
41 再仮着装置
45 プレスロール
L 原反
W 半導体ウエハ(板状部材)
PS 剥離シート
S 接着シート(感熱接着性接着シート)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状部材を支持する貼付テーブルと、前記板状部材に接着シートを貼付する貼付ユニットとを備えた貼付装置において、
前記貼付ユニットは、剥離シートの一方の面に接着シートが仮着された原反を繰り出す途中で前記剥離シートから接着シートを剥離する予備剥離装置と、予備剥離された接着シートを前記剥離シートに再仮着させる再仮着装置と、前記板状部材に対して接着シートを押圧するプレスロールとを備え、
前記再仮着された接着シートを前記板状部材の被着面に向けた状態で、前記剥離シートをプレスロールで押圧することで前記接着シートが板状部材に貼付されることを特徴とする貼付装置。
【請求項2】
前記板状部材は半導体ウエハであるとともに、前記接着シートはダイボンディングシート又は保護膜を形成するための保護用シートであることを特徴とする請求項1記載の貼付装置。
【請求項3】
剥離シートの一方の面に接着シートが仮着された原反を繰り出して前記接着シートを板状部材の被着面に貼付する方法において、
前記原反を繰り出す途中で前記剥離シートから接着シートを予備剥離し、
前記予備剥離された接着シートを前記剥離シートに再仮着させておき、
次いで、前記再仮着された接着シートを前記板状部材に向けた状態で、前記剥離シートを押圧することで前記接着シートが板状部材に貼付されることを特徴とする貼付方法。
【請求項4】
前記再仮着は熱又は静電気を付与することにより行われることを特徴とする請求項3記載の貼付方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−165308(P2006−165308A)
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−355312(P2004−355312)
【出願日】平成16年12月8日(2004.12.8)
【出願人】(000102980)リンテック株式会社 (1,750)
【Fターム(参考)】