説明

超電導磁石および磁気共鳴イメージング装置

【課題】クエンチ発生時に保護回路を用いて超電導コイルを保護するとともに、保護回路の発熱による冷媒の消費を抑えることができる。
【解決手段】磁気共鳴イメージング装置が有する静磁場磁石10が、冷媒を収容する冷媒容器12内に配置された超電導コイル13と、超電導コイル13にクエンチが発生した際に超電導コイル13を保護する保護回路14とを有する。そして、保護回路14は、冷媒容器12外の常温環境に設置されている。また、電流リード15が、冷媒容器12に固定され、超電導コイル13と保護回路14とを接続する。そして、電流リード15は、クエンチが発生した際に、冷媒が気化することによって冷却されて超電導状態となる高温超電導体で形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超電導磁石および磁気共鳴イメージング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、磁気共鳴イメージング装置では、被検体が置かれる撮像領域に静磁場を発生させる静磁場磁石として、超電導体を用いた電磁石である超電導磁石が実装されている。この超電導磁石は、一般的に、液体ヘリウムを冷媒として充填した冷媒容器の中に超電導体のコイル(以下、「超電導コイル」と呼ぶ)を配置することで作製される。
【0003】
超電導コイルは、液体ヘリウムで冷却されることで超電導状態に遷移すると、電気抵抗がゼロになり、その結果、大きな電流を流すことができるようになる。そのため、超電導磁石は、通常の電磁石よりも強力な磁場を発生させることができる。しかし、超電導磁石では、外的又は内的な要因によって超電導コイルの一部が超電導状態から常電導状態に戻ってしまう場合がある。
【0004】
このように、超電導コイルの一部が超電導状態から常電導状態にもどる事象は「クエンチ」と呼ばれる。このクエンチが発生すると、超電導コイルの電気抵抗が急激に大きくなり、それにともなって超電導コイルが大きく発熱する。そして、この発熱によって、超電導コイルが破損してしまう場合もある。
【0005】
そこで、超電導磁石にクエンチが発生した際に超電導コイルを保護するためのさまざまな技術が考案されている。例えば、保護抵抗素子やダイオードバンクなどの保護回路を用いた技術が知られている(例えば、特許文献1〜6参照)。この保護回路を用いた技術とは、超電導磁石に保護回路を設けておき、クエンチが発生した場合に、超電導コイルの電流を保護回路に流すことで超電導コイルの焼損を防ぐものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平6−85335号公報
【特許文献2】特開平5−137241号公報
【特許文献3】特開2007−234689号公報
【特許文献4】特開2006−126088号公報
【特許文献5】特開2003−109816号公報
【特許文献6】特開2001−274014号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述した従来の技術では、以下で説明するように、クエンチ発生時に保護回路の発熱によって冷媒が大量に消費されてしまうという課題があった。
【0008】
具体的には、上述した従来の技術では、一般的に、保護回路は超電導磁石の冷媒容器の内側に設置される。しかし、保護回路は、クエンチ発生時に超電導コイルの電流が流れることで大きく発熱する。そのため、クエンチが発生した際に、保護回路の発熱によって冷媒容器内の冷媒が大量に蒸散してしまう。
【0009】
なお、この課題は、磁気共鳴イメージング装置で用いられる超電導磁石に限って生じるものではなく、超電導コイルを保護するための保護回路が設けられた超電導磁石全般に生じるものである。
【0010】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、クエンチ発生時に保護回路を用いて超電導コイルを保護するとともに、保護回路の発熱による冷媒の消費を抑えることができる超電導磁石および磁気共鳴イメージング装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1記載の本発明は、超電導磁石が、冷媒容器内に配置された超電導コイルと、前記超電導コイルにクエンチが発生した際に前記超電導コイルを保護する保護回路とを備え、前記保護回路は、前記冷媒容器外の常温環境に設置されていることを特徴とする。
【0012】
また、請求項5記載の本発明は、被検体が置かれる撮像領域に静磁場を発生させる超電導磁石を有する磁気共鳴イメージング装置であって、前記超電導磁石は、冷媒容器内に配置された超電導コイルと、前記超電導コイルにクエンチが発生した際に前記超電導コイルを保護する保護回路とを備え、前記保護回路は、前記冷媒容器外の常温環境に設置されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1または5記載の本発明によれば、クエンチ発生時に保護回路を用いて超電導コイルを保護するとともに、保護回路の発熱による冷媒の消費を抑えることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、本実施例に係るMRI装置の構成を示す構成図である。
【図2】図2は、本実施例に係る静磁場磁石の構成を示すブロック図である。
【図3】図3は、電流リードの一例を示す図(1)である。
【図4】図4は、電流リードの一例を示す図(2)である。
【図5】図5は、クエンチ発生時に気化した冷媒が電流リードの流路を流れる様子を示す図である。
【図6】図6は、冷媒液化器を用いた場合の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本発明に係る超電導磁石および磁気共鳴イメージング装置の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に示す実施例では、本発明に係る超電導磁石を磁気共鳴イメージング装置の静磁場磁石として用いた場合について説明するが、この実施例によって本発明が限定されるものではない。また、以下では、磁気共鳴イメージング装置を「MRI(Magnetic Resonance Imaging)装置」と呼ぶ。
【実施例】
【0016】
まず、本実施例に係るMRI装置100の構成について説明する。図1は、本実施例に係るMRI装置100の構成を示す構成図である。図1に示すように、MRI装置100は、静磁場磁石10と、傾斜磁場コイル20と、RFコイル30と、天板40と、傾斜磁場電源50と、送信部60と、受信部70と、シーケンス制御装置80と、計算機システム90とを有する。
【0017】
静磁場磁石10は、被検体が置かれる撮像領域に静磁場を発生させる。具体的には、静磁場磁石10は、真空容器11と、冷媒容器12と、超電導コイル13とを有する。
【0018】
真空容器11は、概略円筒形状に形成されており、円筒の壁内が真空状態に保たれている。この真空容器11の筒内に形成された空間が、被検体が置かれる撮像領域となる。冷媒容器12は、概略円筒形状に形成されており、真空容器11内に収納されている。この冷媒容器12は、円筒の壁内に液体ヘリウムなどの冷媒を収容している。超電導コイル13は、冷媒容器12内に配置され、液体ヘリウムに浸漬されている。そして、超電導コイル13は、真空容器11の円筒内部にある撮像領域に静磁場を発生させる。
【0019】
傾斜磁場コイル20は、概略円筒形状に形成されており、静磁場磁石10の内側に固定されている。この傾斜磁場コイル20は、傾斜磁場電源50から供給される電流によって、撮像領域に設定されたX軸,Y軸,Z軸の方向に傾斜磁場を発生させる。
【0020】
RFコイル30は、傾斜磁場コイル20の内側に、被検体Pを挟んで対向するように固定されている。このRFコイル30は、送信部60から送信されるRFパルスを被検体Pに照射し、また、水素原子核の励起によって被検体Pから放出される磁気共鳴信号を受信する。
【0021】
天板40は、図示していない寝台に水平方向へ移動可能に設けられており、撮影時には被検体Pが載置されて撮像領域内へ移動される。傾斜磁場電源50は、シーケンス制御装置80からの指示に基づいて、傾斜磁場コイル20に電流を供給する。
【0022】
送信部60は、シーケンス制御装置80からの指示に基づいて、RFコイル30にRFパルスを送信する。受信部70は、RFコイル30によって受信された磁気共鳴信号を検出し、検出した磁気共鳴信号をデジタル化して得られる生データをシーケンス制御装置80に対して送信する。
【0023】
シーケンス制御装置80は、計算機システム90による制御のもと、傾斜磁場電源50、送信部60および受信部70をそれぞれ駆動することによって被検体Pのスキャンを行う。そして、シーケンス制御装置80は、スキャンを行った結果、受信部70から生データが送信されると、その生データを計算機システム90に送信する。
【0024】
計算機システム90は、MRI装置100全体を制御する。具体的には、この計算機システム90は、操作者から各種入力を受け付ける入力部や、操作者から入力される撮像条件に基づいてシーケンス制御装置80にスキャンを実行させるシーケンス制御部、シーケンス制御装置80から送信された生データに基づいて画像を再構成する画像再構成部、再構成された画像などを記憶する記憶部、再構成された画像など各種情報を表示する表示部、操作者からの指示に基づいて各機能部の動作を制御する主制御部などを有する。
【0025】
このような構成のもと、本実施例では、静磁場磁石10が、さらに、超電導コイル13にクエンチが発生した際に超電導コイル13を保護するための保護回路などを有している。そして、本実施例に係る静磁場磁石10では、クエンチ発生時に保護回路を用いて超電導コイル13を保護するとともに、保護回路の発熱による冷媒の消費を抑えることができるようにしている。以下では、かかる静磁場磁石10の構成をさらに具体的に説明する。
【0026】
図2は、本実施例に係る静磁場磁石10の構成を示すブロック図である。図2に示すように、静磁場磁石10は、真空容器11と、冷媒容器12と、超電導コイル13と、保護回路14と、電流リード15と、PCS(Persistent Current Switch)16aと、PCSヒータ16bと、昇圧ヒータ18とを有する。
【0027】
保護回路14は、超電導コイル13にクエンチが発生した際に、超電導コイル13に流れる電流を消費することで、超電導コイル13を保護する。この保護回路14は、例えば、保護抵抗素子やダイオードバンクなどである。
【0028】
ここで、保護回路14は、図2に示すように、冷媒容器12外の常温環境に設置されている。このように、保護回路14を冷媒容器12外の常温環境に設置することによって、クエンチ発生時に保護回路14が発熱しても、発生した熱によって冷媒容器12内の冷媒が蒸散することはない。これにより、超電導コイル13にクエンチが発生した際の冷媒の消費量を抑えることができる。
【0029】
電流リード15は、超電導コイル13と保護回路14とを接続する常設型電流リードであり、「固定電極」等とも呼ばれる。この電流リード15は、高温超電導体で形成されている。すなわち、電流リード15は、常温状態では電導度が低くなり、低温状態では電導度が高くなる。
【0030】
したがって、電流リード15は、通常運転時には、熱を伝えにくい状態になるので、冷媒容器12の外部から中部へ侵入する熱の量を低減することができる。これにより、冷媒容器12の外部から侵入する熱によって生じる冷媒の蒸散が抑制される。
【0031】
この一方で、電流リード15は、超電導コイル13にクエンチが発生した場合には、冷媒容器12内の冷媒が気化することによって冷却されて超電導状態となる。したがって、クエンチ発生時に、電流リード15を介して超電導コイル13から保護回路14へ自動的に電流が流れるので、保護回路14を確実に保護することができる。すなわち、電流リード15は、クエンチが発生した際に超電導コイル13から保護回路14へ電流を流すスイッチの役割を果たす。
【0032】
また、電流リード15は、クエンチによって気化した冷媒を電流リードの内部に流通させる流路を有している。図3および4は、電流リード15の一例を示す図である。図3に示すように、例えば、電流リード15は、一方の端部から他方の端部へ貫通する1つの流路15aを有するように、管状の部材で形成される。または、例えば、電流リード15は、図4に示すように、一方の端部から他方の端部へ貫通する複数の流路15aを有するように、多孔質の部材で形成される。
【0033】
図5は、クエンチ発生時に気化した冷媒が電流リード15の流路を流れる様子を示す図である。図5に示すように、電流リード15は、冷媒容器12の壁部を貫通するように固定することもできる。また、電流リード15は、冷媒容器12の内側で超電導コイル13に接続され、冷媒容器12の外側で保護回路14および磁石励磁・消磁用電源17に接続される。
【0034】
そして、クエンチが発生した際には、図5に示すように、冷媒容器12内の冷媒が気化し、気化した冷媒が電流リード15内の流路15aを通って冷媒容器12の外へ流れ出す。このように、気化した冷媒が電流リード15内の流路15aを流れることによって、クエンチが発生した際に電流リード15が効率よく冷却される。
【0035】
このように、電流リード15が流路15aを有することによって、クエンチ発生時に、電流リード15を短時間で超電導状態に転移させることができる。これにより、超電導コイル13の電流が保護回路14に流れ始めるまでの時間が短縮されるので、クエンチ発生時に、超電導コイル13を迅速に保護することができる。
【0036】
PCS16aは、超電導線を有する熱式の永久電流スイッチであり、超電導線が超電導状態となったときにオンとなり、超電導線が常電導状態となったときにオフとなる。このPCS16aは、超電導コイル13と並列に接続されている。PCSヒータ16bは、静磁場磁石10の外部にある外部電源に接続されており、超電導コイル13の励磁および消磁が行われる際に、PCS16aが有する超電導線の温度を上下させることで、PCS16aのオン/オフを制御する。
【0037】
磁石励磁・消磁用電源17は、超電導コイル13の励磁または消磁が行われる際に用いられる電源である。この磁石励磁・消磁用電源17は、超電導コイル13の励磁または消磁が行われる際には、電流リード15を介して超電導コイル13に接続される。
【0038】
なお、超電導コイル13の励磁または消磁が行われる際には、PCS16aを制御するためにPCSヒータ16bが熱を発するので、冷媒容器12内の冷媒が蒸散する。このとき、蒸散した冷媒によって電流リード15が冷却されるので、電流リード15が超電導状態となる。したがって、超電導コイル13の励磁または消磁が行われる際には、電流リード15を介して磁石励磁・消磁用電源17から超電導コイル13へ自動的に電流が供給されるようになる。
【0039】
昇圧ヒータ18は、静磁場磁石10の外部にある外部電源に接続されており、冷媒容器12内の冷媒を過熱することで冷媒を気化させる。この昇圧ヒータ18を用いて冷媒容器12内の冷媒を気化させると、気化した冷媒によって電流リード15が冷却され、電流リード15が超電導状態になる。したがって、例えば、超電導コイル13の励磁または消磁が行われる場合に、操作者が昇圧ヒータ18を用いて冷媒を過熱することによって、電流リード15を介して磁石励磁・消磁用電源17から超電導コイル13へ電流を供給することができる。
【0040】
上述してきたように、本実施例では、静磁場磁石10が、冷媒を収容する冷媒容器12内に配置された超電導コイル13と、超電導コイル13にクエンチが発生した際に超電導コイル13を保護する保護回路14とを有する。そして、保護回路14は、冷媒容器12外の常温環境に設置されている。これにより、超電導コイル13にクエンチが発生した際に保護回路14が発熱しても、保護回路14によって発生した熱で冷媒容器12内の冷媒が蒸散することはない。
【0041】
したがって、本実施例によれば、クエンチ発生時に保護回路を用いて超電導コイルを保護するとともに、保護回路の発熱による冷媒の消費を抑えることができる。また、将来的に液体ヘリウムなどの冷媒の資源枯渇が懸念されている状況において、高額な冷媒の消散を抑えることができるので、MRI装置100および静磁場磁石10のランニングコストを低減することが可能になる。
【0042】
また、本実施例では、電流リード15が、冷媒容器12に貫通して、超電導コイル13と保護回路14とを接続する。そして、電流リード15は、クエンチが発生した際に冷媒が気化することによって冷却されて超電導状態となる高温超電導体で形成されている。
【0043】
したがって、本実施例によれば、通常運転時に、冷媒容器12の外部から中部へ侵入する熱の量を低減することができ、冷媒容器12の外部から侵入する熱によって生じる冷媒の蒸散を抑制することが可能である。さらに、クエンチ発生時に、電流リード15を介して超電導コイル13から保護回路14へ自動的に電流が流れるので、保護回路14を確実に保護することができる。
【0044】
また、本実施例によれば、電流リード15は、クエンチによって気化した冷媒を内部に流通させる流路を有する。これにより、クエンチが発生した際に電流リード15が効率よく冷却されるので、クエンチ発生時に電流リード15が短時間で超電導状態に転移する。
【0045】
したがって、本実施例によれば、超電導コイル13の電流が保護回路14に流れ始めるまでの時間が短縮されるので、クエンチ発生時に、超電導コイル13を迅速に保護することができる。
【0046】
なお、本実施例では、高温超電導体の電流リード15を用いて冷媒容器12に侵入する熱の量を抑えることで、冷媒の消費を抑える場合について説明したが、例えば、冷媒液化装置を用いることで、冷媒の消費を抑えるようにしてもよい。
【0047】
図6は、冷媒液化器19を用いた場合の変形例を示す図である。図6に示すように、例えば、静磁場磁石10に冷媒液化器19を設置する。
【0048】
冷媒液化器19は、常温環境から冷媒容器12に侵入する熱によって蒸発した冷媒を液化する。具体的には、冷媒液化器19は、電流リード15を介して侵入する熱を十分に補うことができる量の冷媒を液化する。このように、静磁場磁石10に冷媒液化器19を設置することによって、通常運転時における冷媒の消費をなくし、かつ、クエンチ発生時における冷媒の消費量を低減することができる。
【0049】
なお、冷媒液化器19を用いる場合には、蒸発した冷媒を再度液化することで、総体的に冷媒の消費量を抑えることができるので、電流リード15は、高温超電導体ではなく、常電導体で形成されたものであってもよい。または、電流リード15の替わりに、磁場の有無を検知する磁場センサー、および、磁場センサーによって磁場が消えたことが検知された場合にオンになるスイッチが用いられてもよい。その場合には、クエンチ発生時に静磁場磁石10によって発生していた静磁場が消失すると、スイッチがオンになり、超電導コイル13から保護回路14へ自動的に電流が流れるようになる。
【0050】
なお、上記実施例では、冷媒を使用した超電導コイルについて説明したが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、冷媒を使用しない直冷式超電導コイルに適用した場合には、超電導コイル本体の発熱を抑えることができるので、クエンチが発生した後の復旧に要する工数を低減することが可能になる。
【符号の説明】
【0051】
100 MRI装置(磁気共鳴イメージング装置)
10 静磁場磁石
11 真空容器
12 冷媒容器
13 超電導コイル
14 保護回路
15 電流リード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷媒を収容する冷媒容器内に配置された超電導コイルと、
前記超電導コイルにクエンチが発生した際に前記超電導コイルを保護する保護回路とを備え、
前記保護回路は、前記冷媒容器外の常温環境に設置されていることを特徴とする超電導磁石。
【請求項2】
前記冷媒容器に固定され、前記超電導コイルと前記保護回路とを接続する固定電極をさらに備え、
前記固定電極は、前記クエンチが発生した際に前記冷媒が気化することによって冷却されて超電導状態となる高温超電導体で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の超電導磁石。
【請求項3】
前記固定電極は、前記クエンチによって気化した冷媒を電極内部に流通させる流路を有することを特徴とする請求項2に記載の超電導磁石。
【請求項4】
前記常温環境から前記冷媒容器に侵入する熱によって蒸発した冷媒を液化する冷媒液化手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1、2または3に記載の超電導磁石。
【請求項5】
被検体が置かれる撮像領域に静磁場を発生させる超電導磁石を有する磁気共鳴イメージング装置であって、
前記超電導磁石は、
冷媒容器内に配置された超電導コイルと、
前記超電導コイルにクエンチが発生した際に前記超電導コイルを保護する保護回路とを備え、
前記保護回路は、前記冷媒容器外の常温環境に設置されていることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−24802(P2011−24802A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−174111(P2009−174111)
【出願日】平成21年7月27日(2009.7.27)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】