説明

超音波センサ

【課題】 指向性を制御することができる超音波センサを実現する。
【解決手段】 超音波検出素子10と、受信面32aで受信した超音波を、底面32dに取り付けられた超音波検出素子10に伝達する振動伝達部材32とを備えた超音波センサ1において、受信面32aが被検出体に対して凸形状に形成されているため、受信面32aが平面状に形成されている場合に比べて指向性を広くすることができる。また、振動伝達部材32は、受信面32aの形状により、超音波の検出範囲を制御することができ、超音波の検出範囲を被検出体の存在する空間側の所定の角度範囲に設定することが可能に構成されているため、被検出体を検出する必要がある方向から伝達される超音波のみを検出することができる。つまり、指向性を制御することができる超音波センサ1を実現することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、超音波を受信する可能な超音波センサに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、この種の超音波センサとして、例えば、自動車(車両)に搭載されたものが知られている。この超音波センサは、送信手段から超音波を送信して、被検出体に当たって反射された超音波を受信手段により受信することにより、自動車の周囲にある物体の位置する方向測定や物体までの距離測定などを行う。このように、超音波センサを利用して、自動車の周囲を監視することにより、安全走行に役立てる技術の開発が進められている。
例えば、自動車の後部に超音波センサを搭載し、自動車の後方に存在する人間や障害物などに当たって反射された超音波を当該超音波センサで受信して検知するバックソナーを用い、人間や障害物などとの衝突を回避してバックでの駐車を支援する自動駐車支援システムなどが実用化されている。
更に、超音波センサの超音波検出素子としては、MEMS(Micro Electro Mechanical System)技術を利用して基板の薄肉部として形成された薄膜部上に圧電体薄膜からなる振動部が形成された、超音波センサの超音波検出素子が注目されている。
【0003】
ここで、超音波センサの素子を外部に露出させた状態で車両に搭載した場合、素子の表面に水滴やごみが付着すると、被検出体までの距離を正確に測定できなくなる。また、小石の衝突などの外力の負荷により破壊されるおそれがある。
そのため、素子の汚染や外力の負荷による破壊を防止するための保護構造を備えた超音波センサとして、例えば、特許文献1には、素子を外部に露出しないようにアルミケースに内装し、超音波を検出する圧電式振動検出素子を振動板を兼ねた保護部材に直接取り付けて、この保護部材の振動によって超音波を受信する超音波センサが開示されている。
【特許文献1】特開2002−58097号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような超音波センサにおいて、超音波の受信可能な範囲(以下、「指向性」と表す)は、振動板の面積に依存し、振動板前方の法線方向を中心とした狭い範囲に限定されてしまい、方向、広さともに指向性を自由に制御できないという問題があった。
【0005】
そこで、この発明は、指向性を制御することができる超音波センサを実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、超音波を送信する送信素子から送信され、被検出体にて反射された超音波を検出する超音波検出素子と、前記被検出体にて反射された超音波を受信する受信面が前記被検出体の存在する空間側に露出し、前記受信面で受信した超音波を、前記受信面と異なる面に取り付けられた前記超音波検出素子に伝達する振動伝達部材とを備えた超音波センサにおいて、前記振動伝達部材は、前記受信面が前記被検出体に対して凸形状に形成されている、という技術的手段を用いる。
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、超音波検出素子と、受信面で受信した超音波を、受信面と異なる面に取り付けられた超音波検出素子に伝達する振動伝達部材とを備えた超音波センサにおいて、受信面が被検出体に対して凸形状に形成されているため、受信面が平面状に形成されている場合に比べて指向性を広くすることができる。また、受信面の形状により、超音波の検出範囲を制御することができるので、指向性を制御することができる超音波センサを実現することができる。
【0008】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の超音波センサにおいて、前記振動伝達部材は、超音波の検出範囲を前記被検出体の存在する空間側の所定の角度範囲に設定することが可能に構成されている、という技術的手段を用いる。
【0009】
請求項2に記載の発明によれば、振動伝達部材は、超音波の検出範囲を被検出体の存在する空間側の所定の角度範囲に設定することが可能に構成されているため、被検出体を検出する必要がある方向から伝達される超音波のみを検出することができる。
これにより、超音波センサの用途に合わせて超音波の検出範囲を設定することができるとともに、ノイズを低減することができ、超音波の検出感度を向上させることができる。
【0010】
請求項3に記載の発明では、請求項1または請求項2に記載の超音波センサにおいて、前記受信面は、曲面により形成されている、という技術的手段を用いる。
【0011】
請求項3に記載の発明によれば、受信面は、曲面により形成されているため、法線方向が連続的に変化して、超音波の検出範囲が重なり合うので、指向性が制御された所定の角度範囲内において、超音波が検出できない方向が存在しないようにすることができる。
【0012】
請求項4に記載の発明では、請求項3に記載の超音波センサにおいて、前記受信面は、半球面状に形成されている、という技術的手段を用いる。
【0013】
請求項4に記載の発明によれば、受信面は、半球面状に形成されているため、受信面が露出している前方の全方位に対して法線を有するので、超音波センサは180°の指向性を有し、超音波センサ前方の全方位の被検出体を検出することができる。
【0014】
請求項5に記載の発明では、請求項1または請求項2に記載の超音波センサにおいて、前記受信面は、複数の平面により構成され、凸多面体の表面を形成する、という技術的手段を用いる。
【0015】
請求項5に記載の発明によれば、複数の平面により構成され、凸多面体の表面を形成するように受信面を構成することができる。これにより、各平面が法線方向を中心とした指向性を有するため、各平面の配置により、超音波の検出範囲を制御することができる。
【0016】
請求項6に記載の発明では、請求項5に記載の超音波センサにおいて、前記各平面の二面角(X)と、超音波が各平面から振動伝達部材の内部に伝達可能な最大入射角(θmax)とが、下式の関係を満たす、という技術的手段を用いる。
X≧180°−2θmax (1)
【0017】
請求項6に記載の発明によれば、各平面の二面角(X)と、超音波が各平面から前記振動伝達部材の内部に伝達可能な最大入射角(θmax)とが(1)式を満たす。このように各平面を配置することにより、各平面における超音波の検出範囲を重なり合わせることができ、指向性が制御された所定の角度範囲内において、超音波が検出できない方向が存在しないようにすることができる。
【0018】
請求項7に記載の発明では、請求項1ないし請求項6のいずれか1つに記載の超音波センサにおいて、前記振動伝達部材は、樹脂系材料により形成された、という技術的手段を用いる。
【0019】
請求項7に記載の発明によれば、振動伝達部材は、樹脂系材料により形成されているため、振動伝達部材の音響インピーダンスを空気と素子の中間にできるため、音響マッチングを取ることができ、反射音を低減することができるため、高感度化が可能になる。更に、金属系材料を用いた場合に比べて、指向性を広くすることができる。
【0020】
請求項8に記載の発明では、請求項7に記載の超音波センサにおいて、前記樹脂系材料は、ポリカーボネート系樹脂である、という技術的手段を用いる。
【0021】
請求項8に記載の発明によれば、ポリカーボネート系樹脂は、表面加工を施すことによって、堅牢で耐候性に優れているため、例えば、車載用の超音波センサに好適に用いることができる。
【0022】
請求項9に記載の発明では、請求項1ないし請求項8のいずれか1つに記載の超音波センサにおいて、前記超音波検出素子は、前記基板の薄肉部に圧電材料を用いて構成され、振動によって生じる歪みにより振動を検出する圧電式の振動検出部を備えた、という技術的手段を用いる。
【0023】
請求項9に記載の発明によれば、振動検出部は、圧電材料を用いて構成され、振動により生じる歪みにより振動を検出する圧電式の振動検出部であるため、歪みの変化による電圧信号の変化が大きいので、超音波の検出感度を向上させることができる。
【0024】
請求項10に記載の発明では、請求項1ないし請求項8のいずれか1つに記載の超音波センサにおいて、前記超音波検出素子は、前記基板の薄肉部に一対の電極を有し、振動によって生じる容量変化によって振動を検出する容量式の振動検出部を備えた、という技術的手段を用いる。
【0025】
請求項10に記載の発明によれば、振動検出部は、一対の電極を有し、振動によって生じる容量変化によって振動を検出する容量式の振動検出部であるため、容量変化の変化を電圧信号へ変換する際の係数値を設定できるため、超音波の検出感度を向上させることができる。
【0026】
請求項11に記載の発明では、請求項1ないし請求項8のいずれか1つに記載の超音波センサにおいて、基板を用いてMEMS(Micro Electro Mechanical System)技術により形成された、という技術手段を用いる。
【0027】
請求項11に記載の発明によれば、MEMS(Micro Electro Mechanical System)技術により振動検出部が薄肉に形成されているため、振動検出部の変位を増大させることができるので、超音波の検出感度を向上させることができる。
【0028】
請求項12に記載の発明では、請求項1ないし請求項11のいずれか1つに記載の超音波センサにおいて、複数の前記振動伝達部材と前記超音波検出素子との組がアレイ状に配置されて形成された、という技術的手段を用いる。
【0029】
請求項12に記載の発明によれば、超音波センサは、複数の前記振動伝達部材と前記超音波検出素子との組がアレイ状に配置されて形成されているので、各超音波検出素子で受信した超音波の時間差、位相差を求めることにより、その各差に基づいて、被検出体との距離だけでなく、被検出体の位置も測定することができる。
【0030】
請求項13に記載の発明では、請求項12に記載の超音波センサにおいて、前記各振動伝達部材は、前記各振動伝達部材の中央部間の距離が、空気中を伝達する超音波の波長の1/2に等しい、または、ほぼ等しくなるように配置されている、という技術的手段を用いる。
【0031】
請求項13に記載の発明によれば、各振動伝達部材は、各振動伝達部材の中央部間の距離が、空気中を伝達する超音波の波長の1/2に等しい、または、ほぼ等しくなるように配置されているため、受信した超音波の位相差からも時間差を検出することができるので、受信した超音波の時間差を精度良く検出することができ、被検出体との距離及び位置の測定精度を向上させることができる。
【0032】
請求項14に記載の発明では、請求項1ないし請求項13のいずれか1つに記載の超音波センサにおいて、車両のヘッドランプカバー、リアランプのカバー、ウインカのカバー、バックランプのカバー、ドアミラー、または、バンパに設けられている、という技術的手段を用いる。
【0033】
請求項14に記載の発明によれば、超音波センサは、車両に搭載して用いることができ、用途に合わせて、各種部材に設けることができる。例えば、超音波センサを車両前方の障害物センサなどに適用する場合には、ヘッドランプカバー、または、バンパに設けることができる。超音波センサを車両側方の障害物センサとして用いる場合には、ウインカのカバー、または、ドアミラーに設けることができる。超音波センサを車両後方の障害物センサとして用いる場合には、リアランプのカバー、または、バックランプのカバーに設けることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
〈第1実施形態〉
この発明に係る超音波センサの第1実施形態について、図を参照して説明する。ここでは、超音波センサを車両に搭載して障害物センサとして使用する場合を例に説明する。
図1は、第1実施形態に係る超音波センサの縦断面説明図である。図2は、超音波検出素子の説明図である。図2(A)は、超音波検出素子を車両内部側から見た平面説明図であり、図2(B)は、図2(A)のA−A矢視断面説明図である。図3は、第1実施形態に係る超音波センサの変更例の縦断面説明図である。図4は、第1実施形態に係る超音波センサの変更例の縦断面説明図である。図4(A)は、上下(U−D)方向の縦断面説明図であり、図4(B)は、左右(L−R)方向の縦断面説明図である。図5は、第1実施形態に係る超音波センサの車両への搭載位置の説明図である。
ここで、図1〜4において、図中の上方向が車両の外部を示す。また、図4において、図4(A)の右方向が車両の上方向、左方向が車両の下方、図4(B)の右方向が車両の運転席側から見た右方向、左方向が車両の運転席側から見た左方向にそれぞれ対応する。
なお、各図では、説明のために一部を拡大し、一部を省略して示している。
【0035】
(超音波センサの構造)
図1(A)及び(B)に示すように、超音波センサ1は、超音波発生素子から車両前方に送信され、車両前方に存在する被検出体(障害物)で反射された超音波を検出する超音波検出素子10と、超音波検出素子10が取り付けられており、超音波を受信し、超音波検出素子10に振動を伝達する振動伝達部材32とを備えている。
超音波センサ1は、振動伝達部材32は、車両60の所定の位置、本実施形態ではバンパ20(図5)に取り付けられている。
【0036】
(超音波検出素子の構造)
図2(A)及び(B)に示すように、超音波検出素子10は、SOI(Silicon On Insulator)構造の四角形状の半導体基板11を用いて形成されている。半導体基板11は、シリコンからなる支持部材11aの上面11m上に、第1絶縁膜11b、シリコン活性層11c、第2絶縁膜11dがこの順番で積層されて形成されている。
半導体基板11の中央部は、MEMS技術により、支持部材11a及び第1絶縁膜11bの中央部が四角形状に除去される。これにより、支持部材11aは中央部が四角形にくり抜かれた平板状に、残されたシリコン活性層11c及び第2絶縁膜11dは、四角形の薄膜状に形成されている。
【0037】
第2絶縁膜11d上には、薄膜状に形成された部分を覆って、圧電式の振動検出部12が形成されている。振動検出部12は、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)からなる圧電体薄膜12aを下面電極13及び上面電極14で挟んで形成されている。下面電極13及び上面電極14は回路素子(図示せず)にバンプにより電気的に接続されている。
これにより、支持部材11aにより端部が持ち上げられた振動部15が形成される。振動部15は、所定の共振周波数を有しており、被検出体で反射されて超音波検出素子10に伝達された超音波を受信し、共振する。この共振により生じる振動部15の変位を振動検出部12により電圧信号に変換して、超音波を検出する。
圧電式の振動検出部12は、歪みの変化による電圧信号の変化が大きいので、超音波の検出感度を向上させることができる。また、MEMS技術により振動検出部12が薄肉に形成されているため、振動検出部12の変位を増大させることができるので、超音波の検出感度を向上させることができる。
このように、MEMS技術を利用して作製された超音波検出素子10は、超音波の受信感度が高いため超音波検出素子として好適である。
【0038】
振動伝達部材32は、樹脂系材料により、半球状の受信面32aを有する受信部32bと、受信部32bと同じ径に形成された円板形状の取付部32cとにより形成されている。樹脂系材料は、音響インピーダンスは空気より大きく、検出素子より小さいために、空気との音響マッチングをとることによって、受信感度を大きくすることができる。
本実施形態では、振動伝達部材32は、ポリカーボネート系樹脂により形成されている。振動伝達部材32は、切削加工や射出成形などにより形成することができる。ポリカーボネート系樹脂は、表面加工を行うことによって堅牢で耐候性に優れているため、車載用の超音波センサ1に好適に用いることができる。
【0039】
バンパ20には、振動伝達部材32を挿通可能な大きさに貫通形成された取付部20aが設けられている。振動伝達部材32は、取付部32cの側面部において、取付部20aとの間に超音波の伝達を防止する振動減衰部材33を介して、受信面32aの全面をバンパ20の外部に露出させた状態で、接着剤などで取付部20aに取り付けられている。
超音波検出素子10は、支持部材11aの取付面11nにおいて取付部32cの底面32dに取り付けられている。
超音波検出素子10は、バンパ20の外部から視認できない位置に取り付けられているため、振動伝達部材32は、異物や水分などから超音波検出素子10を保護する保護部材としても作用する。
【0040】
振動減衰部材33は、振動伝達部材32より音響インピーダンスが小さく、減衰定数が高い材料、例えば、シリコンゴムにより形成されている。更に、振動伝達部材32には、弾性率が低い材料及び密度が小さい材料が好適に用いられる。例えば、ゴム系材料、発泡樹脂などの気孔を含む樹脂、スポンジなどを用いることができる。
このような材料により形成された振動減衰部材33が、バンパ20と振動伝達部材32との間に介在することにより、超音波がバンパ20から取付部20aを介して振動伝達部材32の側面部12cに伝達されてノイズの原因となることを防止することができる。
【0041】
(超音波の伝達)
超音波センサ1は、図示しない超音波送信素子により送信され、被検出体により反射された超音波を、振動伝達部材32の受信面32aにおいて受信する。受信面32aにおいて受信された超音波のうち、後述する入射角の関係を満たすものが、振動伝達部材32の内部に進行し、底面32dから支持部材11aを介して超音波検出素子10に伝達される。
【0042】
超音波が空気から振動伝達部材32の受信面32aに入射する入射角(空気と振動伝達部材32との界面の法線方向に対する角度)をθ1、振動伝達部材32に入射角θ1で入射した超音波が進行する透過角をθ2、超音波の空気中での音速をv1、超音波の振動伝達部材32中での音速をv2とすると、屈折率Nは次式で表される。
【0043】
N=sinθ1/sinθ2=v1/v2 (1)
【0044】
入射角θ1が大きくなると、透過角θ2も大きくなる。θ2が90°になるときの入射角θ1を最大入射角θmaxとすると、θ1がθmaxより大きい場合には、超音波は振動伝達部材32の内部に進行できない。
このように、振動伝達部材32により超音波を受信すると、検出可能な超音波は、受信面32aの法線方向を中心に、最大入射角θmaxの範囲に限定される。つまり、受信面32aの法線方向を中心に、最大入射角θmaxの範囲で超音波を検出することができる。
【0045】
振動伝達部材32を金属系材料、例えば、アルミニウムで形成した場合、最大入射角θmaxは約4°となる。一方、樹脂系材料、例えば、ポリカーボネートを用いた場合には、入射角θmaxは約7°となり、金属系材料を用いた場合に比べて、指向性を広くすることができる。
【0046】
ここで、受信面32aは半球面状に形成されているため、受信面32aに沿って法線方向が連続的に変化し、受信面32aが露出している車両60前方の全方位に対して法線を有する。このため、超音波の検出範囲が重なり合うため、検出できない方向が存在しない。つまり、超音波センサ1は180°の指向性を有し、車両60前方の全方位の障害物を検出することができる。
【0047】
振動伝達部材32の内部に進行した超音波は、振動伝達部材32を伝搬する超音波は、振動伝達部材32の取付部32cの底面32dから支持部材11aの取付面11nに対して固体内の振動として伝達される。
支持部材11aに伝達された超音波は、支持部材11a内を伝達し、振動部15を振動させる。そして、振動部15が振動することにより、振動検出部12から回路素子(図示せず)に対して電圧信号が出力される。
回路素子は、ECUに電気的に接続されており、超音波検出素子10から出力される電圧信号に基づいて演算処理を行う。例えば、送信した超音波と受信した超音波との時間差や位相差を求めることにより、障害物との距離測定などを行うことができる。
【0048】
ここで、受信面30aで受信した超音波により振動部15が共振するような構成を採用すると、伝達される振動が増幅されるため、検出感度を高くすることができるので好ましい。共振振動は、振動部15の材質、面積、厚さ、形状によって決まる。これらのパラメータにより、振動部15の共振を設計することができる。
【0049】
なお、振動伝達部材32として樹脂材料を例示しているが、屈折率が小さく、堅牢であれば、各種金属材料、ガラス、セラミックス、ゴムなども用いることができる。
振動伝達部材32の材料の選択や塗装によりバンパ20と色調を揃えることにより、超音波センサ1の存在を目立たなくすることができる。従って、意匠性に優れた超音波センサ1を作製することができ、バンパ20の美観を保つことができる。
【0050】
(変更例)
図3に示すように、受信面32aを半球面より小さい形状に形成することもできる。なお、図3では、超音波検出素子10は、支持部材11aの一部のみ示してある。これにより、超音波を受信する指向性は、受信面32aの端部における法線方向Vより最大入射角θmaxだけ広角なADとなり、受信面32aが半球面に形成されている場合に比べて超音波の検出範囲を制限することができる。また、バンパ20の表面から突出する受信部30bの高さを小さくすることができるため、超音波センサ1の存在を目立たなくすることができる。
【0051】
受信面32aは、球面に限らず、外側に凸形状の曲面により形成してもよい。例えば、図4(A)に示すように、上下(U−R)方向の縦断面が被検出体側の端部が面取りされた略長方形状であり、図4(B)に示すように、受信部32bの左右(L−R)方向の縦断面が半円状、つまり、円柱を軸を含んだ面で切断した半円柱状となるように形成してもよい。
この構成を用いると、左右(L−R)方向には、180°の指向性を有し、上下(U−D)方向には、2θmaxの指向性を有する超音波センサ1を作製することができる。このような、超音波センサ1を用いると、上下方向に検出する必要のないもの、例えば、地面などが存在する場合に、上下方向の指向性を狭くすることにより、検出しないようにすることができる。
【0052】
その他、受信面32aを種々の形状の曲面により形成することにより、指向性を制御することができる。ここで、曲面では法線方向が連続的に変化するため、超音波の検出範囲が重なり合うので、指向性が制御された所定の角度範囲内において、超音波が検出できない方向が存在しないようにすることができる。
【0053】
超音波センサ1は、バンパ20以外の車両の部材に取り付けて使用することができる。例えば、図5に示すように、ヘッドランプカバー21に取り付けることができる。この構成を用いると、障害物などで反射した超音波が車両の一部に遮られることがないので、確実に超音波センサ1で検出することができ、障害物センサなどに超音波センサ1を適用する場合に有効である。
更に、超音波センサ1の用途に合わせて、他の部材に取り付けることもできる。例えば、超音波センサ1を車両側方の障害物センサとして用いる場合には、ウインカのカバー22、ドアミラー23などに取り付けることもできる。車両後方の障害物センサとして用いる場合には、リアランプのカバー24、バックランプのカバー25などに取り付けることもできる。
【0054】
本実施形態では、支持部材11aは中央部が四角形にくり抜かれた平板状に、残されたシリコン活性層11c及び第2絶縁膜11dは、四角形の薄膜状に形成されているが、支持部材11a及び第1絶縁膜11bの中央部を四角形状に除去せずに、平板状のまま用いることもできる。
また、振動伝達部材32は、中空に形成することもできる。
超音波センサ1は、車両60以外にも、例えば、室内で使用するロボットなどに搭載することもできる。
【0055】
〈第1実施形態の効果〉
(1)超音波検出素子10と、受信面32aで受信した超音波を、底面32dに取り付けられた超音波検出素子10に伝達する振動伝達部材32とを備えた超音波センサ1において、受信面32aが被検出体に対して凸形状に形成されているため、受信面32aが平面状に形成されている場合に比べて指向性を広くすることができる。
また、振動伝達部材32は、受信面32aの形状により、超音波の検出範囲を制御することができ、超音波の検出範囲を被検出体の存在する空間側の所定の角度範囲に設定することが可能に構成されているため、被検出体を検出する必要がある方向から伝達される超音波のみを検出することができる。つまり、指向性を制御することができる超音波センサ1を実現することができる。また、ノイズを低減することができ、超音波の検出感度を向上させることができる。
【0056】
(2)受信面32aは、曲面により形成されているため、法線方向が連続的に変化して、超音波の検出範囲が重なり合うので、指向性が制御された所定の角度範囲内において、超音波が検出できない方向が存在しないようにすることができる。
受信面32aを半球面状に形成した場合には、受信面32aが露出している前方の全方位に対して法線を有するので、超音波センサは180°の指向性を有し、車両60前方の全方位の被検出体を検出することができる。
【0057】
(3)振動伝達部材32は、樹脂系材料により形成されているため、金属系材料などに比べて音響インピーダンスが小さいため、空気との音響インピーダンスの差を小さくすることができるので、空気との界面における超音波の反射を抑制し、入射する超音波を増大させることができる。また、超音波検出素子10に比べて音響インピーダンスが小さいため、振動伝達部材32から伝達する振動の減衰を小さくすることができる。つまり、超音波が空気から直接超音波検出素子10に伝達する場合に比べて、空気から樹脂系材料で形成された振動伝達部材32を介して超音波検出素子10の場合に伝達する場合の方が、超音波検出素子10に伝達される超音波を増大させることができ、検出感度を向上させることができる。更に、金属系材料を用いた場合に比べて、指向性を広くすることができる。
特に、ポリカーボネート系樹脂は、堅牢で耐候性に優れているため、例えば、車載用の超音波センサ1に好適に用いることができる。
【0058】
(4)振動部15が薄肉に形成されているため、振動部15の変位を増大させることができるので、超音波の検出感度を向上させることができる。また、振動検出部12は、圧電材料を用いて構成され、振動により生じる歪みにより振動を検出する圧電式の振動検出部12であるため、歪みの変化による電圧信号の変化が大きいので、超音波の検出感度を向上させることができる。
【0059】
(5)本実施形態の超音波センサ1は、車両60に搭載して用いることができ、用途に合わせて、各種部材に設けることができる。例えば、超音波センサを車両前方の障害物センサなどに適用する場合には、ヘッドランプカバー21、または、バンパ20に設けることができる。超音波センサ1を車両側方の障害物センサとして用いる場合には、ウインカのカバー22、または、ドアミラー23に設けることができる。超音波センサを車両後方の障害物センサとして用いる場合には、リアランプのカバー24、または、バックランプのカバー25に設けることができる。
【0060】
〈第2実施形態〉
この発明に係る超音波センサの第2実施形態について、図を参照して説明する。図6は、第2実施形態に係る超音波センサの縦断面説明図である。図7は、超音波の検出範囲と二面角との関係を示す説明図である。図8は、第2実施形態に係る超音波センサの変更例の縦断面説明図である。図8(A)は、上下(U−D)方向の縦断面説明図であり、図8(B)は、左右(L−R)方向の縦断面説明図である。図9は、第2実施形態に係る超音波センサの変更例の縦断面説明図である。
なお、第1実施形態と同様の構成については、同じ符号を使用するとともに説明を省略する。また、図面を見やすくするために、図中の各平面の二面角は、以下の文中に記載している数値とは、必ずしも一致しない。
【0061】
図6に示すように、超音波センサ2では、振動伝達部材42は、樹脂系材料により、受信面42aを有する受信部42bと、受信部42bと一体的に形成された取付部42cとから構成されている。振動伝達部材42の受信部42bの受信面42aは、四角形状の複数の平面により構成され、凸多面体の表面を形成している。本実施形態では、受信面42aの中央部から上下方向、左右方向にそれぞれ3つの平面が存在し、それぞれ左右対称に配置されている。また、各平面は、隣接する2つの面がなす角度である二面角(X)が166°になるように配置されている。
超音波検出素子10は、支持部材11aの取付面11nにおいて取付部42cの底面42dに取り付けられている。
【0062】
各平面は、各平面においる超音波の検出範囲が受信可能な角度が重なり合うように配置されている。図7に示すように、隣接する平面42mと平面42nにおいて、超音波の検出範囲は、それぞれの法線Vm、Vnを中心に最大入射角θmaxの範囲である。それぞれの検出範囲が重なり合うためには、次式の関係が成立すればよい。
【0063】
X≧180°−2θmax (1)
【0064】
ここで、ポリカーボネートでは、2θmaxは約14°となるため、二面角Xは166°以上であれば、超音波センサ1の検出範囲を重なり合わせることができる。これにより、指向性が制御された所定の角度範囲内において、超音波が検出できない方向が存在しないようにすることができる。本実施形態では、各平面における指向性は14°であり、受信面32aは縦断面が7つの平面により構成されているので、90°の指向性を得ることができる。
このように、各平面を(1)式の関係を満足するように配置することにより、超音波センサ2の検出範囲を重なり合わせることができ、指向性を制御することができる。
【0065】
(変更例)
上述の超音波センサ2では、受信面42aを構成する各平面を対称に配置したが、受信面42aは各平面を特定の方向に対しては非対称に配置して構成してもよい。
例えば、図8に示すように、振動伝達部材42は、受信部42bの左右(L−R)方向の縦断面が長方形状、上下(U−R)方向の縦断面では、3つの平面が上方に向かって車両側に徐々に傾斜した形状に形成されている。ここで、二面角Xは166°である。
この構成を用いると、左右(L−R)方向には、2θmax(約14°)の狭い指向性を有し、上下(U−D)方向には、車両60正面から上方に約45°の指向性を有する超音波センサ2を作製することができる。
振動伝達部材42をこのように構成した超音波センサ2では、車両60正面から下方向に検出する必要のないもの、例えば、地面などが存在する場合に、下方向からの超音波を検出しないようにすることができるので、ノイズを低減することができ、検出感度を向上させることができる。
【0066】
また、特定方向の超音波のみ検出する構成を用いることもできる。例えば、図9に示すように、車両60正面方向の法線を有する平面と、この平面の左右方向に二面角152°をなす2つの平面とから構成される受信面42aを有する振動伝達部材42を採用することができる。これによれば、車両60正面、右30°、左30°を法線方向とし、それぞれ2θmax(約14°)の狭い指向性を有した超音波センサ3を作製することができる。
この構成を用いると、超音波の検出方向を特定方向のみに限定することができる。
【0067】
超音波センサ2が、車両60前方の全方位を検出範囲とするように構成してもよい。ポリカーボネート系樹脂で構成した場合、二面角Xを166°以上とし、縦断面が12面以上で構成されるように各平面を配置すればよい。
なお、超音波センサ2の用途に応じて、平面の数、二面角は任意である。また、各平面の二面角が同一であるように構成する必要はなく、受信面42aが異なる二面角を有する平面からなる構成を採用することもできる。
【0068】
〈第2実施形態の効果〉
(1)超音波センサ2の振動伝達部材42の受信面42aは、複数の平面により構成され、凸多面体の表面を形成するように構成されているため、各平面が法線方向を中心とした指向性を有するので、各平面の配置により、超音波の検出範囲を制御することができる。
【0069】
(2)各平面の二面角(X)と、超音波が各平面から振動伝達部材42の内部に伝達可能な最大入射角(θmax)とが(1)式を満たすように各平面を配置することにより、各平面における超音波の検出範囲を重なり合わせることができ、指向性が制御された所定の角度範囲内において、超音波が検出できない方向が存在しないようにすることができる。
【0070】
〈第3実施形態〉
この発明に係る超音波センサの第3実施形態について、図を参照して説明する。図10は、第3実施形態に係る超音波センサの説明図である。図10(A)は、第3実施形態に係る超音波センサを振動伝達部材側から見た平面説明図であり、図10(B)は、図10(A)のB−B矢視断面図である。
なお、第1実施形態と同様の構成については、同じ符号を使用するとともに説明を省略する。
【0071】
本実施形態の超音波センサ3では、複数組の振動伝達部材32及び超音波検出素子10がアレイ状に並んで配置されている。図10(A)及び(B)に示すように、本実施形態では、縦横方向に2個ずつ計4個の振動伝達部材32及び超音波検出素子10(うち2個を図示)が配置され、被検出体の位置の3次元検知が可能な超音波センサ3が構成されている。本実施形態では、各振動伝達部材32は、角板状に形成された取付部32cにおいて一体的に形成されているが、個別に配置してもよい。
これにより、各超音波検出素子10で受信した超音波の時間差、位相差を求めることにより、その各差に基づいて、被検出体との距離だけでなく、被検出体の位置も測定することができる。
【0072】
また、各振動伝達部材32は、互いに隣り合った各振動伝達部材32の中央部の間隔dが、超音波の半波長に等しくなるように配置されている。
このように各振動伝達部材32を構成すると、受信した超音波の位相差からも時間差を検出することができるので、超音波の時間差を精度良く検出することができ、被検出体との距離及び位置の測定精度を向上させることができる。
【0073】
振動伝達部材32及び超音波検出素子10の数及び配置は、用途に応じて任意である。例えば、2次元検知を行うなら、振動伝達部材32及び超音波検出素子10の組を2組用意すればよい。
【0074】
〈第3実施形態の効果〉
(1)複数の振動伝達部材32と超音波検出素子10との組がアレイ状に配置されているため、各超音波検出素子10で受信した超音波の時間差、位相差を求めることにより、その各差に基づいて、被検出体との距離だけでなく、被検出体の位置も測定することができる。
【0075】
(2)各振動伝達部材32は、互いに隣り合った各振動伝達部材32の中央部の間隔dが、超音波の半波長に等しくなるように配置されているため、受信した超音波の位相差からも時間差を検出することができるので、受信した超音波の時間差を精度良く検出することができ、被検出体との距離及び位置の測定精度を向上させることができる。
【0076】
〈その他の実施形態〉
(1)底面32dと支持部材11aとから形成される空間に、空気と超音波検出素子10の間の音響インピーダンスを有し、振動部15の振動を妨げない物質、例えば、シリコンオイルを充填することができる。この構成によれば、空気と底面32dとの界面における振動の減衰、反射を抑制することができるので、超音波の検出感度を向上させることができる。
【0077】
(2)超音波検出素子10として、MEMS技術を利用して形成された一対の電極を備え、この電極間の容量変化により振動を検出する容量式の振動検出部を備えた容量式の超音波検出素子を用いることができる。
容量式の振動検出部は、容量変化の変化を電圧信号へ変換する際の係数値を設定できるため、超音波の検出感度を向上させることができる。
また、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)系材料などバルク状の圧電体材料を上下面から電極で挟んで形成された超音波検出素子を用いることもできる。
【0078】
(3)各実施形態では、超音波を受信可能な超音波検出素子について示したが、超音波検出素子は、超音波を送信可能な素子を用いてもよい。この構成を用いると、振動伝達部材32を介して、超音波を所定の角度範囲で送信することができる。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】第1実施形態に係る超音波センサの縦断面説明図である。
【図2】超音波検出素子の説明図である。図2(A)は、超音波検出素子を車両内部側から見た平面説明図であり、図2(B)は、図2(A)のA−A矢視断面説明図である。
【図3】第1実施形態に係る超音波センサの変更例の縦断面説明図である。
【図4】第1実施形態に係る超音波センサの変更例の縦断面説明図である。図4(A)は、上下(U−D)方向の縦断面説明図であり、図4(B)は、左右(L−R)方向の縦断面説明図である。
【図5】第1実施形態に係る超音波センサの車両への搭載位置の説明図である。
【図6】第2実施形態に係る超音波センサの縦断面説明図である。
【図7】超音波の検出範囲と二面角との関係を示す説明図である。
【図8】第2実施形態に係る超音波センサの変更例の縦断面説明図である。図8(A)は、上下(U−D)方向の縦断面説明図であり、図8(B)は、左右(L−R)方向の縦断面説明図である。
【図9】第2実施形態に係る超音波センサの変更例の縦断面説明図である。
【図10】第3実施形態に係る超音波センサの説明図である。図10(A)は、第3実施形態に係る超音波センサを振動伝達部材側から見た平面説明図であり、図10(B)は、図10(A)のB−B矢視断面図である。
【符号の説明】
【0080】
1、2、3 超音波センサ
10 超音波検出素子
11a 支持部材
12 振動検出部
15 振動部
20 バンパ
20a 取付部
21 ヘッドランプカバー
22 ウインカのカバー
23 ドアミラー
24 リアランプのカバー
25 バックランプのカバー
32 振動伝達部材
32a 受信面
32b 受信部材
32d 底面
60 車両
AD 指向性
X 二面角
θmax 最大入射角

【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波を送信する送信素子から送信され、被検出体にて反射された超音波を検出する超音波検出素子と、前記被検出体にて反射された超音波を受信する受信面が前記被検出体の存在する空間側に露出し、前記受信面で受信した超音波を、前記受信面と異なる面に取り付けられた前記超音波検出素子に伝達する振動伝達部材とを備えた超音波センサにおいて、
前記振動伝達部材は、前記受信面が前記被検出体に対して凸形状に形成されていることを特徴とする超音波センサ。
【請求項2】
前記振動伝達部材は、超音波の検出範囲を前記被検出体の存在する空間側の所定の角度範囲に設定することが可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の超音波センサ。
【請求項3】
前記受信面は、曲面により形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の超音波センサ。
【請求項4】
前記受信面は、半球面状に形成されていることを特徴とする請求項3に記載の超音波センサ。
【請求項5】
前記受信面は、複数の平面により構成され、凸多面体の表面を形成することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の超音波センサ。
【請求項6】
前記各平面の二面角(X)と、超音波が各平面から前記振動伝達部材の内部に伝達可能な最大入射角(θmax)とが、下式の関係を満たすことを特徴とする請求項5に記載の超音波センサ。
X≧180°−2θmax (1)
【請求項7】
前記振動伝達部材は、樹脂系材料により形成されたことを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1つに記載の超音波センサ。
【請求項8】
前記樹脂系材料は、ポリカーボネート系樹脂であることを特徴とする請求項7に記載の超音波センサ。
【請求項9】
前記超音波検出素子は、前記基板の薄肉部に圧電材料を用いて構成され、振動によって生じる歪みにより振動を検出する圧電式の振動検出部を備えたことを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか1つに記載の超音波センサ。
【請求項10】
前記超音波検出素子は、前記基板の薄肉部に一対の電極を有し、振動によって生じる容量変化によって振動を検出する容量式の振動検出部を備えたことを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか1つに記載の超音波センサ。
【請求項11】
前記超音波検出素子は、基板を用いてMEMS(Micro Electro Mechanical System)技術により形成されたことを特徴とする請求項1ないし請求項10のいずれか1つに記載の超音波センサ。
【請求項12】
複数の前記振動伝達部材と前記超音波検出素子との組がアレイ状に配置されて形成されたことを特徴とする請求項1ないし請求項11のいずれか1つに記載の超音波センサ。
【請求項13】
前記各振動伝達部材は、前記各振動伝達部材の中央部間の距離が、空気中を伝達する超音波の波長の1/2に等しい、または、ほぼ等しくなるように配置されていることを特徴とする請求項12に記載の超音波センサ。
【請求項14】
車両のヘッドランプカバー、リアランプのカバー、ウインカのカバー、バックランプのカバー、ドアミラー、または、バンパに設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項13のいずれか1つに記載の超音波センサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−99049(P2008−99049A)
【公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−279432(P2006−279432)
【出願日】平成18年10月13日(2006.10.13)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】