説明

超音波振動ユニット

【課題】 例えば霧化装置に用いられる超音波振動ユニットにおいて、振動源としての圧電セラミックスに形成した電極間が液体によって短絡され難くする。
【解決手段】 圧電セラミックス29は対向面に第1、第2の電極39a、39bを有する。圧電セラミックス29の一端辺には微細な小孔41を多数有する被振動板31を部分的に重ねる。圧電セラミックス29には第1、第2の電極39a、39bを大きく覆うように絶縁性の弾性板35a、35bを重ねる。弾性板35a、35bの上から圧電セラミックス29を押圧するようにして、第1、第2のケース部材37a、37bにて圧電セラミックス29全体を覆う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は超音波振動ユニットに係り、例えば水や薬液などの液体を霧化する霧化装置に用いて好適する超音波振動ユニットの改良に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、超音波振動ユニットを用い水や薬液などの液体を霧化する霧化装置としては、例えば図17に示す構成が知られている。
【0003】
すなわち、装置本体を兼ねた貯液部1の内側下部に例えば水3を溜め、貯液部1の上部内側に設けた支持部材5に超音波振動ユニット7の片側を支持させ、スポンジなどからなり貯液部1内の水3を上方へ供給する円錐柱状の供給部9を貯液部1の内底から超音波振動ユニット7まで延ばしてなる構成を有している。特許第2599844号公報(特許文献1)はこの種のものである。
【0004】
超音波振動ユニット7は、例えば図18A、Bに示すように、対向面に電極11a、11bを形成した方形の板状圧電セラミックス13の一方の端に被振動板15を部分的に重ねて固着し、電極11a、11bには端子17a、17b(同図Bでは図示せず。)を接続し、被振動板15には多数の小孔19を厚み方向に貫通形成するとともに、絶縁性の弾性体からなるチップ状の支持体21を介して半割状の絶縁性ケース23(いずれも同図Aでは図示せず。)で圧電セラミックス13を挟むように覆ってなる構成を有している。
【0005】
なお、被振動板15の小孔19は微細なものであり、図18Aでは図示を省略するとともに、同図Bでは誇張して示した。
【0006】
このような超音波振動ユニット7は、図17のようにケース23を支持部材5に固定し、端子17a、17bを介して電極11a、11bに所定の交流駆動電圧を印加して圧電セラミックス13に長さ(広がり)振動を発生させ、この振動に基づき被振動板15を振動させ、供給部9によって貯液部1下部から被振動板15まで給水された水3を多数の小孔19を介して霧化して外部へ送出するものである。なお、図17中の符号25は水3の出入れ口を塞ぐ止栓である。
【特許文献1】特許第2599844号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述した超音波振動ユニット7では、単に、半割状の絶縁性ケース23にて圧電セラミックス13を挟む構成であるから、供給部9によって貯液部1下部から被振動板15まで給水された水3や多数の小孔19から送出される霧がケース23内に入り易く、薄い圧電セラミックス13の周囲に付着し易い。
【0008】
そのため、付着した水等によって圧電セラミックス13の電極11a、11b間を短絡させるおそれがあり、駆動効率の維持向上や安全性の観点から解決が望まれている。
【0009】
本発明はこのような課題を解決するためになされたもので、振動源としての圧電セラミックスの電極間が液体によって短絡され難く、駆動効率の維持向上や安全性の確保が容易な超音波振動ユニットの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
そのような課題を解決するために本発明の超音波振動ユニットに係る第1の構成は、厚さ方向で対面する第1および第2の面に各々第1および第2の電極を有する板状の圧電セラミックスと、この圧電セラミックスの一端辺側に直接又は間接的に部分的に重ねてせり出すように配設された被振動板と、その圧電セラミックスの少なくとも第1および第2の面の略全面を覆うケースとを有し、そのケースの裏面と圧電セラミックスの第1又は第2の面との間に、第1又は第2の電極の少なくとも一方を覆う絶縁性弾性体を配設したことを特徴とする。
【0011】
また、本発明の超音波振動ユニットに係る第1の構成は、厚さ方向で対面する第1および第2の面に各々第1および第2の電極を有する板状の圧電セラミックスと、この圧電セラミックスの一端辺側に直接又は間接的に部分的に重ねてせり出すように配設された被振動板と、その圧電セラミックスの少なくとも第1および第2の面の略全面を覆うケースとを有し、そのケースの裏面と圧電セラミックスの第1又は第2の面との間に、第1又は第2の電極の少なくとも一方の周囲を囲む枠状又は環状の絶縁性弾性体を配設したことを特徴とする。
【0012】
また、本発明の超音波振動ユニットに係る第1の構成は、厚さ方向で対面する第1および第2の面に各々第1および第2の電極を有する板状の圧電セラミックスと、この圧電セラミックスの一端辺側に直接又は間接的に部分的に重ねてせり出すように配設された被振動板と、その圧電セラミックスの少なくとも第1および第2の面の略全面を覆うケースとを有し、上記第1又は第2の電極の少なくとも一方の上に導電性弾性体を配設するとともに、この導電性弾性体およびこの導電性弾性体が配設された側の電極又は他方の電極の少なくとも一方を絶縁体で覆ったことを特徴とする。
【0013】
また、本発明の超音波振動ユニットに係る第1の構成は、厚さ方向で対面する第1および第2の面に各々第1および第2の電極を有する板状の圧電セラミックスと、この圧電セラミックスの一端辺側に直接又は間接的に部分的に重ねてせり出すように配設された被振動板と、その圧電セラミックスの少なくとも第1および第2の面の略全面を覆うケースとを有し、上記圧電セラミックスの被振動板配設側において、そのケースと圧電セラミックス又は被振動板との間に絶縁性弾性体を配設したことを特徴とする。
【0014】
また、本発明の第1の構成において、上記ケースが圧電セラミックスの厚さ方向に分割された少なくとも2つの部材から形成され、その圧電セラミックスは、弾性体を介してそのケースの2つの部材で狭持される構成も可能である。
【0015】
また、本発明の第1の構成において、上前記ケースは、被振動板よりもこの長さ方向に大きく形成されるとともに厚さ方向に貫通する窓部を有し、その被振動板は窓部を横切るように延設配置される構成も可能である。
【0016】
また、本発明の第1の構成において、上記被振動板の先端部を上記ケースに弾性的に支持される構成も可能である。
【0017】
本発明の超音波振動ユニットに係る第2の構成は、厚さ方向で対面する第1および第2の面に各々第1および第2の電極を有し、中央部に貫通孔を有するリング板状の圧電セラミックスと、この圧電セラミックスの貫通孔を塞ぐようにその圧電セラミックスの第1又は第2の面に直接又は間接的に部分的に重ねて配設された被振動板と、その圧電セラミックスの少なくとも第1および第2の面の略全面を覆うケースとを有し、そのケースの裏面と圧電セラミックスの第1又は第2の面との間に、第1又は第2の電極の少なくとも一方を覆う絶縁性弾性体を配設したことを特徴とする。
【0018】
また、本発明の超音波振動ユニットに係る第2の構成は、厚さ方向で対面する第1および第2の面に各々第1および第2の電極を有し、中央部に貫通孔を有するリング板状の圧電セラミックスと、この圧電セラミックスの貫通孔を塞ぐようにその圧電セラミックスの第1又は第2の面に直接又は間接的に部分的に重ねて配設された被振動板と、その圧電セラミックスの少なくとも前記第1および第2の面の略全面を覆うケースとを有し、そのケースの裏面と圧電セラミックスの第1又は第2の面との間に、第1又は第2の電極の少なくとも一方の外周および内周を囲む環状の絶縁性弾性体を配設したことを特徴とする。
【0019】
また、本発明の超音波振動ユニットに係る第2の構成は、厚さ方向で対面する第1および第2の面に各々第1および第2の電極を有し、中央部に貫通孔を有するリング板状の圧電セラミックスと、この圧電セラミックスの貫通孔を塞ぐようにその圧電セラミックスの第1又は第2の面に直接又は間接的に部分的に重ねて配設された被振動板と、その圧電セラミックスの少なくとも第1および第2の面の略全面を覆うケースとを有し、第1又は第2の電極の少なくとも一方の上に導電性弾性体を配設するとともに、この導電性弾性体およびこの導電性弾性体が配設された側の電極又は他方の電極の少なくとも一方を絶縁体で覆ったことを特徴とする。
【0020】
また、本発明の超音波振動ユニットに係る第2の構成は、厚さ方向で対面する第1および第2の面に各々第1および第2の電極を有し、中央部に貫通孔を有するリング板状の圧電セラミックスと、この圧電セラミックスの貫通孔を塞ぐようにその圧電セラミックスの第1又は第2の面に直接又は間接的に部分的に重ねて配設された被振動板と、その圧電セラミックスの少なくとも第1および第2の面の略全面を覆うケースとを有し、その圧電セラミックスの被振動板配設側において、そのケースと圧電セラミックス又は被振動板との間に絶縁性弾性体を配設したことを特徴とする。
【0021】
また、本発明の第2の構成において、上記ケースが圧電セラミックスの厚さ方向に分割された少なくとも2つの部材から形成され、その圧電セラミックスは、弾性体を介してそれら2つの部材で狭持される構成も可能である。
【発明の効果】
【0022】
そのような手段を備えた本発明の超音波振動ユニットに係る第1の構成では、第1および第2の面に各々第1および第2の電極を有する板状の圧電セラミックスの一端辺側に、被振動板を直接又は間接的に部分的に重ねてせり出すように配設し、ケースによってその圧電セラミックスの少なくとも第1および第2の面の略全面を覆い、そのケースの裏面と圧電セラミックスの第1又は第2の面との間に、第1又は第2の電極の少なくとも一方を覆う絶縁性弾性体を配設したため、霧化装置などに用いた場合、圧電セラミックスの電極間が液体によって短絡され難く、駆動効率の維持向上や安全性の確保が容易である。また、第1又は第2の電極の少なくとも一方が絶縁性弾性体で覆われるため、当該電極の保護が図れるとともに、電極を覆う部材が絶縁性弾性体であるため、圧電セラミックスを保持する場合に好適である。
【0023】
本発明の第1の構成において、圧電セラミックスの第1又は第2の電極の少なくとも一方の周囲を囲む枠状又は環状の絶縁性弾性体を配設する構成でも、霧化装置などに用いた場合、圧電セラミックスの電極間が液体によって短絡され難く、駆動効率の維持向上や安全性の確保が容易である。また、圧電セラミックスの第1又は第2の電極の少なくとも一方の周囲を囲む部材が絶縁性弾性体であるため、圧電セラミックスを保持する場合に好適である。さらに、上述した利点に加えて、絶縁性弾性体の材料消費量が少なく安価となる。
【0024】
本発明の第1の構成において、圧電セラミックスの第1又は第2の電極の少なくとも一方の上に導電性弾性体を配設するとともに、この導電性弾性体およびこの導電性弾性体が配設された側の電極又は他方の電極の少なくとも一方を絶縁体で覆う構成でも、霧化装置などに用いた場合、圧電セラミックスの電極間が液体によって短絡され難く、駆動効率の維持向上や安全性の確保が容易である。また、第1又は第2の電極の少なくとも一方が絶縁体で覆われるため、当該電極の保護が図れるとともに、圧電セラミックスの第1又は第2の電極の少なくとも一方の上に導電性弾性体が配設されるため、圧電セラミックスを保持する場合に好適である。
【0025】
本発明の第1の構成において、圧電セラミックスの被振動板配設側において、ケースと圧電セラミックス又は被振動板との間に絶縁性弾性体を配設する構成では、霧化装置などに用いた場合、特に、液体が付着し易い被振動板配設側において確実に圧電セラミックスの電極間の短絡を防止することができる。
【0026】
本発明の第1の構成において、上記ケースが圧電セラミックスの厚さ方向に分割された少なくとも2つの部材から形成され、それらによって圧電セラミックスが絶縁性弾性体を介して狭持される構成では、霧化装置などに用いた場合、圧電セラミックスの電極間が液体によって短絡され難く、駆動効率の維持向上や安全性の確保が容易である。また、組立が容易であり、かつ、圧電セラミックスをケース内の所定位置に保持することができるとともに、電極の保護を図ることができる。
【0027】
本発明の第1の構成において、そのケースに設けた窓部をその被振動板が横切るように延設配置される構成では、被振動板の保護を図ることが可能である。
【0028】
本発明の第1の構成において、その被振動板の先端部をそのケースに弾性的に支持させる構成では、被振動板の振動を妨げることなく、被振動板のねじり変形やたわみ変形を防止する効果も期待できる。
【0029】
本発明の超音波振動ユニットに係る第2の構成では、第1および第2の面に各々第1および第2の電極を有するリング板状の圧電セラミックスに対し、この圧電セラミックスの貫通孔を塞ぐように被振動板を直接又は間接的に部分的に重ねて配設し、ケースによってその圧電セラミックスの少なくとも第1および第2の面の略全面を覆い、そのケースの裏面と圧電セラミックスの第1又は第2の面との間に、第1又は第2の電極の少なくとも一方を覆う絶縁性弾性体を配設したため、霧化装置などに用いた場合、圧電セラミックスの電極間が液体によって短絡され難く、駆動効率の維持向上や安全性の確保が容易である。また、第1および第2の電極の少なくとも一方が絶縁性弾性体で覆われるため、当該電極の保護が図れるとともに、電極を覆う部材が絶縁性弾性体であるため、圧電セラミックスを保持する場合に好適である。
【0030】
本発明の第2の構成において、圧電セラミックスの第1又は第2の電極の少なくとも一方の外周および内周を囲む環状の絶縁性弾性体を配設する構成でも、霧化装置などに用いた場合、圧電セラミックスの電極間が液体によって短絡され難く、駆動効率の維持向上や安全性の確保が容易である。また、圧電セラミックスの第1又は第2の電極の少なくとも一方の外周および内周を囲む環状の部材が絶縁性弾性体であるため、圧電セラミックスを保持する場合に好適である。さらに、上述した利点に加えて、絶縁性弾性体の材料消費量が少なく安価である。
【0031】
本発明の第2の構成において、圧電セラミックスの第1又は第2の電極の少なくとも一方の上に導電性弾性体を配設するとともに、この導電性弾性体およびこの導電性弾性体が配設された側の電極又は他方の電極の少なくとも一方を絶縁体で覆う構成でも、霧化装置などに用いた場合、圧電セラミックスの電極間が液体によって短絡され難く、駆動効率の維持向上や安全性の確保が容易である。また、第1又は第2の電極の少なくとも一方が絶縁体で覆われるため、当該電極の保護が図れるとともに、圧電セラミックスの第1又は第2の電極の少なくとも一方の上に導電性弾性体が配設されるため、圧電セラミックスを保持する場合に好適である。
【0032】
本発明の第2の構成において、圧電セラミックスの被振動板配設側において、ケースと圧電セラミックス又は被振動板との間に絶縁性弾性体を配設する構成では、霧化装置などに用いた場合、特に、液体の付着し易い被振動板配設側において確実に圧電セラミックスの電極間の短絡を防止することができる。
【0033】
本発明の第2の構成において、上記ケースが圧電セラミックスの厚さ方向に分割された少なくとも2つの部材から形成され、これらによって圧電セラミックスが絶縁性弾性体を介して狭持される構成では、霧化装置などに用いた場合、圧電セラミックスの電極間が液体によって短絡され難く、駆動効率の維持向上や安全性の確保が容易である。また、組立が容易であり、かつ、圧電セラミックスをケース内の所定位置に保持することができるとともに、電極の保護を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下、本発明に係る実施の形態を図面を参照して説明する。
【0035】
図1、図2は本発明に係る超音波振動ユニットの第1の構成を示す断面図および分解斜視図である。
【0036】
図1および図2において、超音波振動ユニット27は、板状の圧電セラミックス29と、これに部分的に重ねてせり出すように配設された被振動板31と、圧電セラミックス29に重ねられた金属製の端子板33a、33bと、これに重ねられた絶縁性弾性板35a、35b(第1および第2の絶縁性弾性体)および全体を覆うケース37を有して構成されている。尚、端子板33a、33bとして、例えばFPC(可撓性プリント基板)等を用いてもよい。
【0037】
圧電セラミックス29は、従来公知の超音波圧電材料、例えばチタン酸ジルコン酸鉛やこの鉛をモリブデンに代えた材料から概略矩形に近似した薄板状に成形されるとともに厚み方向の分極が施されている。
【0038】
圧電セラミックス29は、図3に示すように、その厚さ方向で対面する第1の面(図中上面)d1には、銀、銅、ニッケルなどの導電材料からなる第1の電極39aが、第2の面(図中下面)d2には同様な第2の電極39bが圧電セラミックス29の外形形状より若干小さな形状で形成されている。
【0039】
これら第1および第2の電極39a、39bには、これらより若干小さな形状の端子板33a、33bが電気的に接触した状態で重ねられるとともに、一部がリード部として延設されている。
【0040】
被振動板31は、例えばニッケル材料などの導電材料板から圧電セラミックス29の一端辺と同じ幅寸法で長方形に形成され、圧電セラミックス29に例えば第1の電極37aを介して間接的に重ねられて固着され、圧電セラミックス29に片持ち支持されて先端が開放自由端となっている。
【0041】
なお、被振動板31は、圧電セラミックス29に直接的に重ねる構成も当然可能である。
【0042】
被振動板31には、微細な小孔41がその厚み方向に複数(無数)貫通形成されており、これら小孔41は圧電セラミックス29との当接面(図中下面)側の直径を対向面側の直径より大きくして先細りとなっている。図1では小孔41の図示を省略するとともに、図2では誇張して図示されている。
【0043】
絶縁性弾性板35a、35bは、共に例えば合成ゴムやエラストマーなどの弾力性の良好な絶縁性材料から圧電セラミックス29の外形形状とほぼ同形状で薄板状に形成されており、圧電セラミックス29の両対向面にて端子板33a、33bの上から第1および第2の電極39a、39bに重ねられている。
【0044】
すなわち、弾性板35a、35bは、圧電セラミックス29の第1および第2の電極39a、39bよりはみ出るような大きさに形成され、電極39a、39bを覆っている。
【0045】
ケース37は、絶縁性合成樹脂から枠形で半割状に成形された第1および第2のケース部材37a、37bからなり、圧電セラミックス29の外形形状と同じ収納内形状を有している。
【0046】
第1のケース部材37a(図中上側)は第1の弾性板35aおよび被振動板31の一部が嵌る深さを有し、第2のケース部材37b(図中下側)は第2の弾性板35bおよび圧電セラミックス29がはまる深さを有するとともに、圧電セラミックス29から延設される被振動板31のため第1のケース部材37の一部が切り欠かれている。
【0047】
なお、図では第1のケース部材37aが第2のケース部材37bより明らかに厚みが薄く図示されているが、圧電セラミックス29や被振動板31は1mm程度又はそれより薄いから、製品化した場合には外観上の厚み寸法はほぼ同じである。
【0048】
それら第1および第2のケース部材37a、37bは、弾性板35a、35bの上から圧電セラミックス29を若干押圧するようにして互いに開口端面を重ねて接着剤など適当な手段にて固着一体化されるとともに、被振動板31を突出させるようにして圧電セラミックス29全体を被覆している。
【0049】
そのため、第1および第2のケース部材37a、37bの裏面と圧電セラミックス29の上記第1および第2の面d1、d2との間にあって、それら第1および第2の電極39a、39b全体が隠れるように弾性板35a、35bにて圧接した状態で覆われ、第1および第2の電極39a、39bは、弾性板35a、35bによって防水的にシールされた状態なっている。
【0050】
すなわち、弾性板35a、35bが、水等の付着による第1および第2の電極39a、39b間の短絡を防止する短絡防止機能を有している。
【0051】
また、圧電セラミックス29は、弾性板35a、35bを介して第1および第2のケース部材37a、37bで挟持されて、ケース部材37の所定の位置に保持されている。
【0052】
このような超音波振動ユニット27は、端子板33a、33bを介して例えば133KHzで20Vp−pの交流電圧を圧電セラミックス29に印加すると、動作説明図である図4に示すように、圧電セラミックス29が長さ方向(図3中の矢符)に振動するから、圧電セラミックス29に端部を支持された被振動板31には振動波が生じる。
【0053】
なお、図4では分かり易くするために、被振動板31の振動形態を誇張して概略的に示したものである。
【0054】
このように、本発明の超音波振動ユニット27は、圧電セラミックス29の厚さ方向の対向面である第1および第2の面d1、d1に第1および第2の電極39a、39bをその圧電セラミックス29の外形形状より若干小さな形状で形成し、その圧電セラミックス29の一端辺に被振動板31を部分的に重ねられて固着してその先端を開放自由端とし、被振動板31には微細な小孔41を多数形成し、その圧電セラミックス29の第1および第2の面d1、d1には第1および第2の電極39a、39bの全体が隠れるように絶縁性弾性板35a、35bを重ねて覆い、第1および第2のケース部材37a、37bにてそれら弾性板35a、35bの上から圧電セラミックス29を押圧するようにして覆うとともに、被振動板31を第1および第2のケース部材37a、37bの接合部から突出させた構成となっている。
【0055】
そのため、第1および第2のケース部材37a、37b内の弾性板35a、35bが防水的にシールされた状態なり、水等などが第1および第2の電極39a、39bに接触し難く、それら第1および第2の電極39a、39b間の短絡が防止される。
【0056】
しかも、圧電セラミックス29の第1および第2の面d1、d2と第1および第2のケース部材37a、37bとの間にあって、第1および第2の電極39a、39bをこれより大きな形状の弾性板35a、35bによって大きく覆ってなるから、短絡防止機能が確実に機能する。
【0057】
上述した第1の構成において、短絡防止の機能を発揮する弾性板35a、35bは、第1および第2の電極39a、39b全体を大きく覆う板状であったが、本発明ではこれに限定されない。
【0058】
例えば、図5および図6に示すように、板状の弾性板35a、35bに代えて、圧電セラミックス29の第1および第2の面d1、d2よりも小さく形成された第1および第2の電極39a、39bの周囲を囲む矩形の枠状の絶縁性弾性枠43a、43b(第3および第4の弾性体)を配設し、圧電セラミックス29の第1および第2の面d1、d2と第1および第2のケース部材37a、37b裏面との間で圧接するようその間に介在させた構成も可能である。
【0059】
なお、他の構成は上述した図1および図2の構成と同様であり、弾性枠43a、43bも弾性板35a、35bと同様な材料から形成され、第1および第2の電極39a、39b間の短絡防止機能を発揮する。
【0060】
このような構成においても、圧電セラミックス29に形成された第1および第2の電極39a、39bの外周が、圧電セラミックス29の第1および第2の面d1、d2と第1および第2のケース部材37a、37b裏面との間で圧接された弾性枠43a、43bによって防水的にシールされるから、それら第1および第2の電極39a、39bの間の短絡が防止され、また、弾性枠43a、43bが板状ではなく枠状であるから、その材料消費量が少なく安価である。
【0061】
なお、この実施の形態にあっては、第1および第2の電極39a、39bが矩形状であるため、第1および第2の電極39a、39bの周囲を囲む絶縁性弾性枠43a、43bも矩形の枠状としているが、例えば、第1および第2の電極39a、39bを円形状とした場合には、第1および第2の電極39a、39bの周囲を囲む絶縁性弾性枠43a、43bも環状の形状とすることもできる。
【0062】
また、図7に示すように、板状の弾性板35a、35bに加えて、第1および第2のケース部材37a、37bの被振動板31の突出側において、第1および第2のケース部材37a、37bの端面と被振動板31との間に細い絶縁性弾性棒45a、45b(第5および第6の弾性体)を圧接するようその間に介在させた構成も可能である。
【0063】
この構成においても、上述した図1および図2の構成と同様であり、弾性棒45a、45bも弾性板35a、35bと同様な材料から形成され、第1および第2の電極39a、39b間の短絡防止機能を発揮する。
【0064】
このような構成においては、圧電セラミックス29に固着された被振動板31側が、弾性棒45a、45bによって第1および第2のケース部材37a、37bと被振動板31との間が防水的にシールされるから、ケース37内への水等の侵入が阻止され、第1および第2の電極39a、39bの間の短絡が防止される。
【0065】
なお、弾性板35a、35bに加えて弾性棒45a、45bを用いれば、より高い短絡防止機能を確保できるが、絶縁性弾性板35a、35bを省略して弾性棒45a、45bのみによっても、短絡防止機能を確保できる利点がある。
【0066】
さらに、図示はしないが、図7の構成において、第1および第2のケース部材37a、37bの被振動板31側の合わせ部(辺)を、第1および第2の電極39a、39bの被振動板31側の辺より被振動板31側に延出し、その延出端と圧電セラミックス29の第1および第2の面d1、d2との間に、絶縁性弾性棒45a、45bを介在させるようにして圧電セラミックス29に圧接させて防水シールとする構成も可能であり、このような構成でも同様な効果を得ることができる。
【0067】
そして、第1の構成において、上述した半割状の第1および第2のケース部材37a、37bからなるケース37も、圧電セラミックス29のみを覆う形状に限定されない。
【0068】
例えば、図8〜図10に示すように、圧電セラミックス29のみを覆う部分から一体的にコ字状に延設させた第1および第2のケース部材47a、47bによって窓部49を有するケース47を形成し、その窓部49を横切るように被振動板31を圧電セラミックス29から突出させるとともに、被振動板31の突出先願部を第1および第2のケース部材47a、47bの延設先端辺で、弾性片51で弾性的に挟持する構成も可能である。
【0069】
このような構成の超音波振動ユニット27では、被振動板31が窓部49を横切るように圧電セラミックス29から突出されるとともに、被振動板31の突出先願部が第1および第2のケース部材47a、47bの延設先端辺で絶縁性弾性片51で弾性的に挟持されるから、被振動板31に他の部材などが不用意に接触し難くなって安定的な動作確保が容易に可能となる。
【0070】
しかも、上述した図16に示したように、柱状の供給部9が被振動板31に圧接した状態にあっても、被振動板31の大きな変形が抑えられ、被振動板31に対する供給部9の圧接状態が良好に確保され、確実な霧化動作を確保できる利点がある。
【0071】
もっとも、被振動板31の突出先願部を第1および第2のケース部材47a、47bにて僅かな間隔を置いて配置して弾性片51を省略させたり、被振動板31の突出先願部を第1および第2のケース部材47a、47bの間に配置させなくとも、被振動板31に他の部材などを不用意に接触し難くすることは可能である。
【0072】
また、上述した第1の構成において、圧電セラミックス29の第1および第2の面d1、d2側のいずれか一方の面において、弾性板35a、35b、弾性枠43a、43b、弾性棒45a、45bのいずれか一方を配設しても本発明の目的達成が可能である。
【0073】
なお、上述した実施の形態にあっては、端子板33a、33bとして金属製の材料を用い、かつ、この端子板33a、33bを絶縁性の弾性板35a、35bで覆うものを例示したが、例えば、端子板33a、33bとして導電性の弾性体を用い、かつ、この導電性の弾性体からなる端子板を、弾性板35a、35bに代えて絶縁性の材料で例えばコーティングしてもよい。
【0074】
また、圧電セラミックス29の第1および第2の電極39a、39b間の短絡が防止できる構成であれば、ケース37を金属性としてもよく、この場合には、ケース37が放熱効果を発揮することができる。
【0075】
次に本発明に係る超音波振動ユニットの第1の構成の変形例について、図11の断面図を用いて説明する。
【0076】
上述した超音波振動ユニット27においては、圧電セラミックス29に設けた端子板33a、33bがケース37の端面から外部に延出する構成を例示したが、この変形例においては、ケース37の上面および下面に端子33c、33dを設けている。
【0077】
端子33c、33dは頂面がお椀状の曲面を有するリベット状のもので、端子33cは第1のケース部材37aに形成された貫通孔に進退可能に配設されており、また、端子33dが第2のケース部材37bに形成された貫通孔に進退可能に配設されている。
【0078】
端子33cの底部中央部と第1の電極39aとの間には、導電性部材からなるつる巻ばね100aが縮装されており、また、端子33dの底部中央部と第2の電極39bとの間には、導電性部材からなるつる巻ばね100bが縮装されている。
【0079】
これらのつる巻ばね100a、100bによって、第1の電極39aと端子33cとの電気的接続、および第2の電極39bと端子33dとの電気的接続が図られている。
【0080】
また、第1のケース部材37aと圧電セラミックス29との間には、弾性枠43aが配設され、第2のケース部材37bと圧電セラミックス29との間には、弾性枠43bが配設されおり、圧電セラミックス29は、弾性枠43a、43bで弾性的に保持されている。
【0081】
このような構成においても、圧電セラミックス29に形成された第1および第2の電極39a、39bの外周が、圧電セラミックス29の第1および第2の面d1、d2と第1および第2のケース部材37a、37b裏面との間で圧接された弾性枠43a、43bによって防水的にシールされるから、それら第1および第2の電極39a、39bの間の短絡が防止されるし、弾性枠43a、43bが板状ではなく枠状であるから、その材料消費量が少なく安価である。
【0082】
次に、本発明に係る霧化装置用超音波振動ユニットの第2の構成を説明する。
【0083】
図12および図13は、本発明に係る霧化装置用超音波振動ユニットの第2の構成を示す断面図および分解斜視図である。
【0084】
図12および図13において、超音波振動ユニット53は、中央部に貫通孔55を有するリング板状の圧電セラミックス57と、貫通孔55を塞ぐようにして圧電セラミックス57に部分的に重ねて配設された円板状の被振動板59と、これらに重ねられた絶縁性弾性板61a、61b(第7、第8の弾性体)および全体を覆うケース63を有して構成されている。
【0085】
圧電セラミックス57は、図1の圧電セラミックス29と同じ材料から薄いリング板状に成形されるとともに厚み方向分極が施されている。
【0086】
圧電セラミックス57は、その厚さ方向で対面する第1の面d1には、銀、銅、ニッケルなどの導電材料からなる第1の電極65aが、第2の面d2には同様な第2の電極65bが、各々圧電セラミックス57の幅形状より若干小さな環状帯状に形成されており、これら第1および第2の電極65a、65bには、適宜、端子板(図示省略)が電気的に接触した状態で重ねられる。
【0087】
被振動板59は、例えばニッケル材料などの導電材料板からなり、圧電セラミックス57に例えば第2の電極65aを介して間接的に重ねられて固着されているが、圧電セラミックス57に直接的に重ねる構成も当然可能であるし、微細な小孔67が形成されているのも、上述した被振動板31と同様である。
【0088】
弾性板61a、61bは、共に上述した弾性板35a、35bと同様な弾力性材料から圧電セラミックス57の形状や幅とほぼ同様にリング板状に形成され、水等による第1および第2の電極65a、65b間の短絡を防止するものであり、圧電セラミックス57の両対向面にて第1および第2の電極65a、65bに重ねられている。
【0089】
すなわち、弾性板61a、61bは、圧電セラミックス57の第1および第2の電極65a、65bより大径かつはみ出るような形状で形成されてそれら第1および第2の電極65a、65b全体を覆っている。
【0090】
ケース63は、上述したケース37と同様に絶縁性合成樹脂からリング状かつ半割状に成形された第1および第2のケース部材63a、63bを合わせてなり、圧電セラミックス57の外形形状と同じ横断面凹状の収納内形状を有している。
【0091】
第1のケース部材63a(図中上側)は圧電セラミックス57と弾性板61aが嵌る深さを有し、第2のケース部材63b(図中下側)は弾性板61bがはまる深さを有するとともに、圧電セラミックス57の貫通孔55を塞ぐ被振動板59のために一部が切り欠かれている。
【0092】
なお、図では第1のケース部材63aが第2のケース部材63bより厚く図示されているが、製品化した場合には外観上の厚み寸法はほぼ同じである点も上述した実施の形態と同様である。
【0093】
第1および第2のケース部材63a、63bは、弾性板61a、61bの上から圧電セラミックス57を若干押圧するようにして互いに開口端面を重ねて接着剤など適当な手段にて固着一体化されるとともに、被振動板59を突出させるようにして圧電セラミックス57全体を被覆している。
【0094】
そのため、第1および第2のケース部材63a、63bの裏面と圧電セラミックス57の上記第1および第2の面d1、d2との間にあって、それら第1および第2の電極65a、65bが弾性板61a、61bで覆われ、弾性板61a、61bが、水滴の付着による第1および第2の電極65a、65b間の短絡を防止する短絡防止機能を発揮する。
【0095】
また、圧電セラミックス57は、弾性板61a、61bを介して第1および第2のケース部材63a、63bで挟持されて、ケース部材63の所定の位置に保持されている。
【0096】
このような超音波振動ユニット53においても、例えば133KHzで20Vp−pの交流電圧を圧電セラミックス57に印加すると、圧電セラミックス57が径方向に振動するから、圧電セラミックス57の貫通孔55を塞ぐ被振動板59にが軸方向に振動し、被振動板59の片面に供給された液体が小孔67で霧化される。
【0097】
このように、本発明に係る超音波振動ユニット53の第2の構成は、貫通孔55を有するリング板状の圧電セラミックス57の対向面である第1および第2の面d1、d1に第1および第2の電極65a、65bをその圧電セラミックス57の幅形状より若干小さな形状で形成し、微細な小孔67を多数形成した被振動板59をその圧電セラミックス57に部分的に重ねてその貫通孔55を塞ぎ、その圧電セラミックス57の第1および第2の面d1、d1には第1および第2の電極65a、65bを覆うように弾性板61a、61bを重ね、第1および第2のケース部材63a、63bにてそれら弾性板61a、61bの上から圧電セラミックス57を若干押圧するようにして覆うとともに、被振動板59を貫通孔55に露出させる構成となっている。
【0098】
そのため、第1および第2のケース部材63a、63b内の弾性板61a、61bが防水的にシールされた状態なり、それら第1および第2の電極65a、65b間の短絡が防止される。
【0099】
しかも、圧電セラミックス57の第1および第2の面d1、d2と第1および第2のケース部材63a、63bとの間にあって、第1および第2の電極65a、65bを弾性板61a、61bによって大きく覆って圧接されてなるから、短絡防止機能が確実に機能する。
【0100】
この第2の構成においても、短絡防止機能を発揮する弾性板61a、61bは第1および第2の電極65a、65b全体を大きく覆う板状に限定されない。
【0101】
例えば、図14および図15に示すように、板状の弾性板61a、61bに代えて、圧電セラミックス57の外形より小径で形成された第1および第2の電極65a、65bの外周および内周を囲む大小1対ずつの絶縁性弾性環69a、69b(第9、第10の弾性体)を配設し、圧電セラミックス57の第1および第2の面d1、d2と第1および第2のケース部材63a、63b両裏面との間で圧接するようその間に介在させた構成も可能である。
【0102】
なお、他の構成は上述した図12および図13の構成と同様であり、弾性環69a、69bも弾性板61a、61bと同様な材料から形成されており、図15中では被振動板59の図示は省略した。
【0103】
このような構成においても、圧電セラミックス57に形成された第1および第2の電極65a、65bの外周および内周が、圧電セラミックス57の第1および第2の面d1、d2と第1および第2のケース部材63a、63b両裏面との間で圧接された弾性環69a、69bによって防水的にシールされるから、それら第1および第2の電極65a、65bの間の短絡が防止されるうえ、弾性環69a、69bがループ状であるから、その材料消費量も少なく安価である。
【0104】
また、図16に示すように、リング板状の弾性板61a、61b(図12参照)に加えて、第1および第2のケース部材63a、63bの貫通孔55側において、第1および第2のケース部材63a、63bの端面と被振動板59との間にリング状の絶縁性弾性環71a、71b(第11、第12の弾性体)を圧接するようその間に介在させる構成も可能である。
【0105】
その他の構成は上述した図12および図13の構成と同様であり、弾性環71a、71bも弾性板61a、61bと同様な材料から形成されている。
【0106】
このような構成においても、弾性板61a、61bの短絡防止機能に加えて、圧電セラミックス57の貫通孔55側すなわち被振動板59側が、弾性環71a、71bによって第1および第2のケース部材63a、63bと被振動板59との間を防水的にシールするため、それら第1および第2の電極65a、65bの間の短絡が防止される。
【0107】
なお、弾性板61a、61bに加えて弾性環71a、71bを用いれば、より高い短絡防止機能を確保できるが、弾性板61a、61bを省略して弾性環71a、71bのみによっても、短絡防止機能を確保できる利点がある。
【0108】
さらに、図示はしないが、図16の構成において、第1および第2のケース部材63a、63bの一部を、貫通孔55側であって第1および第2の電極65a、65bより更に内側において、弾性環71a、71bを介在させるようにして圧電セラミックス57に圧接させる構成も可能であり、このような構成でも同様な効果を得ることができる。
【0109】
そして、第2の構成においても、圧電セラミックス57の第1および第2の面側のいずれか一方の面において、弾性板61a、61b、弾性環69a、69b、71a、71bのいずれか一方を配設しても本発明の目的達成が可能であることは言うまでもない。
【0110】
ところで、本発明に係る超音波振動ユニット27、53を水3や薬液などの液体を散布する霧化装置に使用する場合、液体の種類によっては被振動板31、59に形成する小孔41、65の内径や形成密度を種々に変更する必要がある一方、小孔41、65が微細過ぎて肉眼では分かり難く、超音波振動ユニット27、53がどの種類の液体用のものか判別し難い。
【0111】
そこで、被振動板31、59の種類に対応させてケース37、63の色を変更させたり、被振動板31、59の種類に対応させた目視的に確認できる表示をケース37、63に付せば有用である。
【0112】
また、本発明に係る超音波振動ユニット27、53は、粉体などを飛散させる場合など、各種の装置や用途の振動源として用いることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0113】
【図1】本発明の超音波振動ユニットに係る第1の構成について実施の形態を示す断面図である。
【図2】図1に示す超音波振動ユニットの分解斜視図である。
【図3】図1に示す超音波振動ユニットにおいてケースを除いた状態を示す断面図である。
【図4】図1に示す超音波振動ユニットの動作を説明する図である。
【図5】本発明の超音波振動ユニットに係る第1の構成において、別の実施の形態を示す断面図である。
【図6】図5に示す超音波振動ユニットの分解斜視図である。
【図7】本発明の超音波振動ユニットに係る第1の構成において、別の実施の形態を示す断面図である。
【図8】本発明の超音波振動ユニットに係る第1の構成において、更に別の実施の形態を示す断面図である。
【図9】図8に示す超音波振動ユニットの斜視図である。
【図10】図8に示す超音波振動ユニットの平面図である。
【図11】本発明の超音波振動ユニットに係る第1の構成において、更に別の変形例を示す断面図である。
【図12】本発明の超音波振動ユニットに係る第2の構成について実施の形態を示す断面図である。
【図13】図12に示す超音波振動ユニットの分解斜視図である。
【図14】本発明の超音波振動ユニットに係る第2の構成において、別の実施の形態を示す断面図である。
【図15】図14に示す超音波振動ユニットの分解斜視図である。
【図16】本発明の超音波振動ユニットに係る第2の構成において、更に別の実施の形態を示す断面図である。
【図17】本発明の参考となる霧化装置を示す概略断面図である。
【図18】従来の超音波振動ユニットを示す平面図および断面図である。
【符号の説明】
【0114】
1 貯液部(装置本体)
3 水(液体)
5 支持部材
7、27、53 超音波振動ユニット
9 供給部
11a、11b 電極
13、29、57 圧電セラミックス
15、31、59 被振動板
17a、17b、33c、33d 端子
19、41、67 小孔
21 支持部
23、37、47、63 ケース
25 止栓
33a、33b 端子板
35a 弾性板(第1の弾性体)
35b 弾性板(第1の弾性体)
37a、47a、63a 第1のケース部材
37b、47b、63b 第2のケース部材
39a、65a 第1の電極
39b、65b 第2の電極
41、67 小孔
43a 弾性枠(第3の弾性体)
43b 弾性枠(第4の弾性体)
45a 弾性棒(第5の弾性体)
43b、69b 絶縁性弾性棒(第6の絶縁性弾性体)
49 窓部
51 絶縁性弾性片
55 貫通孔
61a 弾性板(第7の弾性体)
61b 弾性板(第8の弾性体)
69a 弾性環(第9の弾性体)
69b 弾性環(第10の弾性体)
71a 弾性環(第11の弾性体)
71b 弾性環(第12の弾性体)
100a、100b ばね
d1 第1の面
d2 第2の面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
厚さ方向で対面する第1および第2の面に各々第1および第2の電極を有する板状の圧電セラミックスと、
この圧電セラミックスの一端辺側に直接又は間接的に部分的に重ねてせり出すように配設された被振動板と、
前記圧電セラミックスの少なくとも前記第1および第2の面の略全面を覆うケースと、
を有し、前記圧電セラミックスの振動に基づいて前記被振動板を超音波振動させる超音波振動ユニットにおいて、
前記ケースの裏面と前記圧電セラミックスの前記第1又は第2の面との間に、前記第1又は第2の電極の少なくとも一方を覆う絶縁性弾性体を配設したことを特徴とする超音波振動ユニット。
【請求項2】
厚さ方向で対面する第1および第2の面に各々第1および第2の電極を有する板状の圧電セラミックスと、
この圧電セラミックスの一端辺側に直接又は間接的に部分的に重ねてせり出すように配設された被振動板と、
前記圧電セラミックスの少なくとも前記第1および第2の面の略全面を覆うケースと、
を有し、前記圧電セラミックスの振動に基づいて前記被振動板を超音波振動させる超音波振動ユニットにおいて、
前記ケースの裏面と前記圧電セラミックスの前記第1又は第2の面との間に、前記第1又は第2の電極の少なくとも一方の周囲を囲む枠状又は環状の絶縁性弾性体を配設したことを特徴とする超音波振動ユニット。
【請求項3】
厚さ方向で対面する第1および第2の面に各々第1および第2の電極を有する板状の圧電セラミックスと、
この圧電セラミックスの一端辺側に直接又は間接的に部分的に重ねてせり出すように配設された被振動板と、
前記圧電セラミックスの少なくとも前記第1および第2の面の略全面を覆うケースと、
を有し、前記圧電セラミックスの振動に基づいて前記被振動板を超音波振動させる超音波振動ユニットにおいて、
前記第1又は第2の電極の少なくとも一方の上に導電性弾性体を配設するとともに、この導電性弾性体及び当該導電性弾性体が配設された側の電極又は他方の電極の少なくとも一方を絶縁体で覆ったことを特徴とする超音波振動ユニット。
【請求項4】
厚さ方向で対面する第1および第2の面に各々第1および第2の電極を有する板状の圧電セラミックスと、
この圧電セラミックスの一端辺側に直接又は間接的に部分的に重ねてせり出すように配設された被振動板と、
前記圧電セラミックスの少なくとも前記第1および第2の面の略全面を覆うケースと、
を有し、前記圧電セラミックスの振動に基づいて前記被振動板を超音波振動させる超音波振動ユニットにおいて、
前記圧電セラミックスの前記被振動板配設側において、前記ケースと前記圧電セラミックス又は前記被振動板との間に絶縁性弾性体を配設したことを特徴とする超音波振動ユニット。
【請求項5】
前記ケースが前記圧電セラミックスの厚さ方向に分割された少なくとも2つの部材から形成され、前記圧電セラミックスは、前記弾性体を介して前記ケースの前記2つの部材で狭持されてなる請求項1から4のいずれか1項に記載の超音波振動ユニット。
【請求項6】
前記ケースは、前記被振動板よりもこの長さ方向に大きく形成されるとともに厚さ方向に貫通する窓部を有し、前記振動板は前記窓部を横切るように延設配置されてなる請求項1から6のいずれか1項に記載の超音波振動ユニット。
【請求項7】
前記被振動板の先端部が前記ケースに弾性的に支持されてなる請求項6に記載の超音波振動ユニット。
【請求項8】
厚さ方向で対面する第1および第2の面に各々第1および第2の電極を有し、中央部に貫通孔を有するリング板状の圧電セラミックスと、
この圧電セラミックスの前記貫通孔を塞ぐように前記圧電セラミックスの前記第1又は第2の面に直接又は間接的に部分的に重ねて配設された被振動板と、
前記圧電セラミックスの少なくとも前記第1および第2の面の略全面を覆うケースと、
を有し、前記圧電セラミックスの振動に基づいて前記被振動板を超音波振動させる超音波振動ユニットにおいて、
前記ケースの裏面と前記圧電セラミックスの前記第1又は第2の面との間に、前記第1又は第2の電極の少なくとも一方を覆う絶縁性弾性体を配設したことを特徴とする超音波振動ユニット。
【請求項9】
厚さ方向で対面する第1および第2の面に各々第1および第2の電極を有し、中央部に貫通孔を有するリング板状の圧電セラミックスと、
この圧電セラミックスの前記貫通孔を塞ぐように前記圧電セラミックスの前記第1又は第2の面に直接又は間接的に部分的に重ねて配設された被振動板と、
前記圧電セラミックスの少なくとも前記第1および第2の面の略全面を覆うケースと、
を有し、前記圧電セラミックスの振動に基づいて前記被振動板を超音波振動させる超音波振動ユニットにおいて、
前記ケースの裏面と前記圧電セラミックスの前記第1又は第2の面との間に、前記第1又は第2の電極の少なくとも一方の外周及び内周を囲む環状の絶縁性弾性体を配設したことを特徴とする超音波振動ユニット。
【請求項10】
厚さ方向で対面する第1および第2の面に各々第1および第2の電極を有し、中央部に貫通孔を有するリング板状の圧電セラミックスと、
この圧電セラミックスの前記貫通孔を塞ぐように前記圧電セラミックスの前記第1又は第2の面に直接又は間接的に部分的に重ねて配設された被振動板と、
前記圧電セラミックスの少なくとも前記第1および第2の面の略全面を覆うケースと、
を有し、前記圧電セラミックスの振動に基づいて前記被振動板を超音波振動させる超音波振動ユニットにおいて、
前記第1又は第2の電極の少なくとも一方の上に導電性弾性体を配設するとともに、この導電性弾性体及び当該導電性弾性体が配設された側の電極又は他方の電極の少なくとも一方を絶縁体で覆ったことを特徴とする超音波振動ユニット。
【請求項11】
厚さ方向で対面する第1および第2の面に各々第1および第2の電極を有し、中央部に貫通孔を有するリング板状の圧電セラミックスと、
この圧電セラミックスの前記貫通孔を塞ぐように前記圧電セラミックスの前記第1又は第2の面に直接又は間接的に部分的に重ねて配設された被振動板と、
前記圧電セラミックスの少なくとも前記第1および第2の面の略全面を覆うケースと、
を有し、前記圧電セラミックスの振動に基づいて前記被振動板を超音波振動させる超音波振動ユニットにおいて、
前記圧電セラミックスの前記被振動板配設側において、前記ケースと前記圧電セラミックス又は前記被振動板との間に絶縁性弾性体を配設したことを特徴とする超音波振動ユニット。
【請求項12】
前記ケースが前記圧電セラミックスの厚さ方向に分割された少なくとも2つの部材から形成され、前記圧電セラミックスは、前記弾性体を介して前記ケースの前記2つの部材で狭持されてなる請求項8から11のいずれか1項に記載の超音波振動ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2006−281170(P2006−281170A)
【公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−108268(P2005−108268)
【出願日】平成17年4月5日(2005.4.5)
【出願人】(396026710)株式会社オプトニクス精密 (34)
【出願人】(000136354)株式会社フコク (97)
【Fターム(参考)】