説明

超音波音圧測定装置

【課題】超音波音圧の絶対値を表わす測定が行え、その超音波音圧測定値を表示することのできる超音波音圧測定装置を提供することにある。
【解決手段】音圧検出プローブと、電圧測定手段と、パソコンと、温度センサーと、制御器と、を備え、パソコンは、超音波振動の周波数情報の所望の範囲における音圧検出プローブの周波数感度のパラメータ表と、プローブの先端の温度の所望の範囲における音圧検出プローブの温度感度のパラメータ表と、および電圧値・パスカル値変換表とを予めメモリに記憶しておき、複数のパラメータ表を用いて、入力された超音波音圧の電圧値に対して、補正と変換の計算処理を行うことにより、音圧測定時の音圧プローブの周波数感度や、温度感度に起因した誤差の生じない絶対値単位の超音波音圧測定値を得て正確に出力し、表示するように構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウエハー、ガラスマスク、液晶ガラス基板およびハードディスク盤などの超音波振動による洗浄に関し、特に超音波振動の超音波音圧測定に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体ウエハー、液晶用のガラス、ハードディスク盤等の精密加工品の精密洗浄には、高周波の超音波洗浄装置が用いられている。
精密洗浄の対象とする汚れは、1μm以下の付着粒子等であり、洗浄溜槽内に満たされた洗浄液中を伝わる超音波振動、又は、洗浄液と超音波振動との相乗効果により、汚れを剥離させるものである。
年々、半導体ウエハーおよび液晶用のガラスに代表されるように、被洗浄物の外形の大きさが大きくなる上、回路パターンの微細化が進み高密度回路が形成されるようになり、半導体ウエハーおよび液晶用のガラスの製造過程に組み入れられる洗浄装置にもますます洗浄むらを発生させない均一な高精密の洗浄が行える洗浄装置が求められるようになってきた。
従って、高精密の洗浄が行える超音波洗浄装置の洗浄効果の調査や、洗浄装置自体の性能評価の方法として、超音波音圧測定が広く用いられている。従来は、瞬時・瞬時の超音波音圧を電圧などにより表示器に表示するポータブル超音波音圧計を用いられていた。このような超音波音圧計に備えられた音圧検出プローブは、超音波周波数や周囲温度による偏差が生じ、また指示計が平均値指示であるため急峻な超音波音圧変化に追従できなかったりして、一般には超音波音圧の絶対値測定が行えるものではなかった。
近年の半導体などの精密洗浄用の超音波洗浄装置では、SI単位系によった超音波音圧測定を求められ、かつ、時間経過のデータなどにより品質評価が行える測定器が要望されてきた。
【0003】
図4は、従来技術の超音波振動体を用いて大型化した被洗浄物を洗浄する超音波洗浄装置による洗浄物の洗浄状況および超音波音圧測定の状況を表わす断面斜視図である。
洗浄液溜槽11の下面には超音波洗浄液の噴射のための孔であるスリット形状を有した洗浄液噴射孔13が形成されている。
この洗浄液噴射孔13(スリット)から超音波振動を伴った噴射洗浄液14が被洗浄物17の洗浄面に対して噴射して付着異物を除去する。なお洗浄液は、洗浄液供給口15より所定の液体圧力が加えられて洗浄液溜槽11内に供給される。
そこで例えば、液晶用のガラスのように大きな洗浄物であれば、被洗浄物17を矢印(X;スリット方向に直角)方向に移動させながら、洗浄物の全面をくまなく洗浄させる。
超音波音圧測定は、スリット13から噴射される噴射洗浄液14の超音波音圧を測定するために被洗浄物17に換え、ポータブル超音波音圧計20の音圧検出プローブ21を噴射される洗浄液14に充て、スリット13方向に移動させながら、およびスリット13と交差する方向に移動させながら超音波音圧を検出する。音圧検出プローブ21に有する音圧センサー(圧電素子)の検出電流がポータブル超音波音圧計20に入力され、ここで電圧値(Vrms)の指示計で表示され目視で音圧値として読み取る。このようにしてスリット13の全面の音圧の変化状況を指示計の読みで認識して行く。
従来は、洗浄箇所に超音波音圧むらが生じた場合これを電圧値(Vrms)の変化量として捉えるようなものであった。電圧値(Vrms)は平均値表示であるので、速い急峻な変化には追従できていない。
図5は、従来の超音波音圧測定装置で測定された測定位置対音圧特性図である。図では示されていないが周波数による超音波音圧差、温度による超音波音圧差が生じている。
【0004】
以上の超音波音圧測定を改善するようなものとして、音圧センサー手段を有し、電圧値から超音波音圧値を測定し、超音波音圧波形の周波数を算出し、この周波数に対応する補正係数を用いて超音波音圧値を補正し、補正された超音波音圧値を表示する超音波音圧測定装置がある。(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】特開2004−251845号公報(第7頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
年々、洗浄対象物である半導体ウエハーや液晶ガラスのような微細加工品は外形の大型化、回路の微細化が進み、精密洗浄の精度向上が求められて来ており、超音波洗浄装置の超音波振動の超音波音圧不均一に起因する微細粒子等の汚れ剥離不徹底や、外形の大型化、回路微細化が進むに伴い、同種の超音波洗浄装置を複数設備した生産ラインでの超音波洗浄装置間での洗浄特性の差が無視できなくなることが問題とされるようになり、更なる均一な超音波振動を発生させ、かつ、装置間での特性差が生じないような、同一精度を有する超音波洗浄装置が求められてきた。
超音波洗浄装置の高精度化に伴い、これを特性評価する測定装置も高精度化の要求が求められてきた。
超音波音圧測定装置に用いられる音圧出検出プローブは、音圧検出プローブに内蔵されているセンサーとして圧電素子が用いられる。この圧電素子が音圧を検出し、その超音波音圧が電圧(電流)の変化量として変換されて取り出されるものである。圧電素子はもともと周波数特性および温度特性を持っており、測定環境の違いによりセンサー感度が異なってくる問題がある。
更に、超音波洗浄装置では通常、純水およびその他の洗浄液といった液体に超音波を照射して洗浄が行われる。この液体中の超音波音圧を測定する場合、液体の流動、液面および装置内壁での超音波の反射などの状況により、超音波音圧値の検出値が大きく変動してしまうので、音圧の特性値として表わしにくいという問題点があった。
【0007】
本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解決するために、超音波音圧の絶対値を表わす測定が行え、その超音波音圧測定値を表示することのできる超音波音圧測定装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的を達成するために、本発明の超音波音圧測定装置は、超音波洗浄装置に備えられた超音波振動板から照射される超音波振動の洗浄液内の音圧を測定する超音波音圧測定装置であって、
音圧検出プローブと、
該音圧検出プローブが検出した検出電圧値を入力とし、該検出電圧値を表示し、パソコンとの通信インタフェース端子を有する電圧測定手段と、
該電圧測定手段の出力および所定のパラメータ情報が該通信インタフェース端子を介して入力とされ、必要な計算、表示および記録を行うパソコンと、
前記音圧検出プローブの先端の温度を温度情報として検出する温度センサーと、
前記超音波洗浄装置の前記超音波振動の周波数情報および前記温度センサーによって検出された前記温度情報を前記所定のパラメータ情報として入力とし、通信インタフェース変換して前記パソコンへ伝達する制御器と、を備え、
前記パソコンは、前記超音波振動の周波数情報の所望の範囲における音圧検出プローブの周波数感度のパラメータ表と、前記プローブの先端の温度の所望の範囲における音圧検出プローブの温度感度のパラメータ表と、および電圧値・パスカル値変換表とを予めメモリに記憶しておき、
該複数のパラメータ表を用いて、前記入力された超音波音圧の電圧値に対して、補正と変換の計算処理を行うことにより、音圧測定時の音圧プローブの周波数感度や、温度感度に起因した誤差の生じない絶対値単位の超音波音圧測定値を正確な出力とし、表示とするように構成とした。
更に、前記電圧測定手段はオシロスコープ又は高周波電圧計である。
更に、前記パソコンは、前記超音波音圧測定値の時間的変化を記録し、一定時間内の変化を統計的手法にて解析する構成としたものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明を実施することにより、測定時における各種の条件によって音圧検出プローブの感度が異なるので、これを補正して絶対値単位とした超音波音圧値が得られるので、更に、平均指示値および瞬時指示値を表示できるので、更に、超音波音圧値の時間経過を統計的に算出できるので超音波音圧が分布として識別できるので、超音波洗浄装置の高精度な測定ができ、信頼性の高い評価が行える
具体的指標としては、図2超音波音圧分布特性図により従来の7倍程度の測定位置分解能が得られ、図3超音波音圧の周波数特性図により周波数測定精度は従来の3倍程度の改善が得られ、高精度化の特殊効果が得られた。

【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1は本発明の超音波音圧測定装置のシステム系統図である。
1は音圧検出プローブであり、これに内蔵されているセンサーには超音波複合圧電素子が用いられている。この超音波複合圧電素子が超音波音圧を検出し、その超音波音圧が電圧(電流)の変化量として変換されて取り出されるものである。図示していないが音圧検出プローブを移動させる移動機構を有し、超音波洗浄装置のスリット面をくまなく移動させることができる。
2は電圧測定手段、例えばオシロスコープまたは高周波電圧計であり、超音波複合圧電素子1にて検出された電圧(Vp−p)を入力とし、この電圧の変化量を超音波音圧波形にして表示すると同時に、GPIBインタフェースを介して超音波音圧信号を出力する。
3はパソコンであり、オシロスコープから出力される超音波音圧波形を示す電圧(Vp−p)値がGPIB(通信)インタフェースを介して入力され、超音波洗浄装置の内壁形状情報をキーインして、補正処理プログラム、絶対値換算プログラムおよび統計処理プログラムの駆動により計算処理された超音波音圧データの記憶・表示を行う。
4は制御器であり、温度センサーからの温度情報および超音波洗浄装置の励振電源からの周波数情報を入力し、これをGPIBインタフェース信号に変換してパソコンへ伝達するものである。ここで超音波音圧測定装置及び超音波洗浄装置の電源制御を行ってもよい。
5は温度センサーであり、音圧検出プローブ1に装着されている音圧センサー付近に付加し、温度情報を出力する。
本発明の超音波音圧測定装置は、上記の超音波音圧検出プローブ1、オシロスコープ2、パソコン3、制御器4、温度センサー5および音圧検出プローブを移動させる移動機構を備えたものである。
10は噴射形超音波洗浄装置、11は洗浄液溜槽、12は超音波振動体、13は洗浄液噴射孔(スリット)、14は噴射洗浄液、15は洗浄液供給口、16は高周波励振電源、17は被洗浄物である。
噴射形超音波洗浄装置10は、噴射洗浄液14を噴射させるための孔である洗浄液噴射孔(スリット)13および洗浄液供給口15を有する洗浄液溜槽11と、洗浄液溜槽11の中にあって洗浄液中に超音波を伝搬させる高周波励振電源16によって1MHz近傍の周波数で高周波励振させられる超音波振動体12とにより構成されている。
実際の洗浄においては、超音波振動板から照射されスリット13から超音波振動を伴って噴射する噴射洗浄液14がX方向に移動する被洗浄物17に向けて流出され洗浄が行われ付着異物を除去する。
【0011】
上記本発明の実施例の超音波音圧測定装置のシステムの動作概要を説明する。
先ず超音波洗浄装置10での通常の洗浄動作を説明する。洗浄液供給口5から水圧を加えられた洗浄液が供給され、洗浄液溜槽11に洗浄液が溜められ、超音波振動体12を形成している超音波振動素子が発振した振動を共振させる振動板を介して超音波振動が洗浄液に伝搬され、超音波振動を伴った加圧された噴射洗浄液14がスリット13から噴射し、この噴射洗浄液が被洗浄物17の洗浄面に対し放射され、このことによって被洗浄物17がスリット形状に洗浄が行われ、被洗浄物17がX方向(スリット方向に直角方向)に移動することによって被洗浄物17が面に対しての洗浄が行われ、洗浄物の全面をくまなく洗浄し、付着異物を除去する動作である。
次に、本発明の超音波音圧測定装置の超音波音圧測定の動作を説明する。
超音波音圧測定は、スリット13から噴射される洗浄液14の超音波音圧を測定するために被洗浄物17に換え、超音波複合圧電素子等が組み込まれた音圧検出プローブ1を噴射される洗浄液14に充て、スリット13方向およびスリット13と交差する方向に移動させながら超音波音圧を検出する。
音圧検出プローブ1に有する音圧センサー(超音波複合圧電素子等)の検出電流(電圧)オシロスコープ2に入力され、ここで電圧値(Vp−p)の指示値で超音波音圧波形が表示され、目視で超音波音圧波形から超音波音圧値の変化量として電圧値で読み取ることができる。同時に電圧値(Vp−p)の指示値で超音波音圧波形を表わす超音波音圧波形信号がオシロスコープ2に有するGPIBインタフェースから出力されパソコンに入力される。
パソコンは、超音波振動の周波数の所望の範囲における超音波振動の音圧値を周波数(音圧検出プローブの周波数感度)パラメータ表にし、プローブの先端の温度の所望の範囲における超音波振動の音圧値を温度(音圧検出プローブの温度感度)パラメータ表にし、必要により超音波洗浄装置の内壁形状の所望の形状種類における超音波振動の音圧値を内壁形状パラメータ表にし、および電圧値・パスカル値変換表にした各表を予めメモリに記憶しておき、この各表を用いて、入力された超音波音圧の電圧値に対して補正と変換の計算処理を行うことにより、音圧測定時の音圧プローブの周波数感度や、温度感度に起因した誤差の生じない絶対値単位の超音波音圧測定値を得て正確な出力・表示するものである。
補正処理プログラムの処理動作により、温度パラメータ表と温度情報による補正、周波数パラメータ表と周波数情報による補正、内壁形状パラメータ表と内壁形状情報によって槽内反射による補正および水圧による補正等の各種の補正処理を行う。
次に、絶対値換算プログラムの処理動作により、補正された超音波音圧波形信号は電圧値(Vp−p)から超音波音圧値(SI単位kPa;圧力パスカル)に換算するための絶対値計算が行われ、これを記憶し、表示する。
更に、統計処理プログラムの処理動作により、メモリに記憶された時系列の絶対値となった超音波音圧データを用いて統計処理の計算が行われ、その結果の記憶、表示が行われる。
補正処理プログラムには、音圧検出プローブの検出された超音波音圧が超音波振動の周波数変化および温度変化に対してどのように変化するか、これを補正データとして、予め校正された周波数パラメータ表、温度パラメータ表、内壁形状パラメータ表、電圧・パスカル変換表の4つの表(テーブル)テーブルが補正・変換のために備えられている。
このようにしてスリット13から噴射される超音波洗浄液における圧力の絶対値単位とした超音波音圧測定が行える構成とし、スリット形状全面の音圧の分布状況をパソコンの表示またはプリントにて認識し、超音波洗浄装置10の洗浄特性が高精度にて評価される。
【0012】
図2は本発明の超音波音圧測定装置の超音波音圧分布特性図である。
横軸が測定位置(単位mm)を表わし、超音波音圧検出プローブ1の移動方向(Y)の距離である。例示の測定位置はスタート(0mm)から終点(110mm)であり、超音波洗浄装置10のスリット13の長さ方向の距離である。
縦軸が測定された超音波音圧値(単位kPa)を表わし、超音波音圧の絶対値として測定された値である。
本発明の超音波音圧測定装置から得られる超音波音圧分布特性曲線は実線で示されるA特性曲線および点線で示されるB特性曲線がある。
A特性曲線は速い超音波音圧変化を捉えることができるように、超音波音圧の瞬間最大値(ピーク検出)を求めた特性曲線である。このA特性曲線からは、測定対象である超音波洗浄装置10の超音波音圧が瞬時低下して超音波音圧むらを起こすような位置を評価でき、および超音波音圧が瞬時高騰して被洗浄物にダメージを与えるような位置を評価できる。A特性曲線は、温度および周波数の補正処理と超音波音圧の電圧値から超音波音圧のパスカル圧力値へ変換する絶対値換算処理とが行われたものとしてパソコンから表示およびプリント出力されたものである。
B特性曲線は比較的遅い超音波音圧変化となる平均値を捉えることができるように、超音波音圧の平均値を求めた特性曲線である。このB特性曲線からは、測定対象である超音波洗浄装置10の超音波音圧測定位置全体の超音波音圧分布状況を概念的に把握する評価ができる。図示はしていないが、標準偏差の把握、上限規定値・下限規定値を逸脱する超音波音圧値となる位置の把握などの統計量が得られ品質・信頼性の評価が行われる。B特性曲線は、温度および周波数の補正処理と超音波音圧の電圧値から超音波音圧のパスカル圧力値へ変換する絶対値換算処理と統計処理とが行われたものとしてパソコンから表示およびプリント出力されたものである。
A特性曲線およぶB特性曲線ともに、音圧検出プローブ1をわずかにX軸方向に移動させて、再びY軸方向に移動させながら測定位置を変えて測定する繰り返しにより、図示してはいないが3次元の超音波音圧分布特性図を得ることもできる。それによって、スリット13から噴射される洗浄液全面の超音波音圧分布特性図が表示される。
【0013】
図3は本発明の超音波音圧測定装置の超音波音圧の周波数特性図である。
図3のC特性曲線は、音圧検出プローブ1の出力がオシロスコープ2に入力されて、オシロスコープ2で測定、表示されたmVを単位とした直接の超音波音圧対周波数特性である。周波数の値によって、基準値pに比べ大きく変動していることが分かる。この各周波数に対する変動分qを周波数パラメータ表(周波数補正テーブル)として予め備える。
図3のD特性曲線は、周波数補正テーブルによって補正された実測の超音波音圧(単位kPa)−周波数特性曲線である。ほぼ基準値pに沿った値であることが示されている。
図示してはいないが音圧検出プローブ1の温度に対する変動についても、各温度に対する変動分を温度補正テーブルとして予め備える。
図示してはいないが、同様にして温度パラメータ表、内壁形状パラメータ表が得られる。
【産業上の利用可能性】
【0014】
本発明は、半導体ウエハー、ガラスマスク、液晶ガラス基板、ハードディスク盤など精密加工品の製造ラインにおける精密洗浄を必要とされる製造業に主として利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の超音波音圧測定装置のシステム系統図である。
【図2】本発明の超音波音圧測定装置の超音波音圧分布特性図である。
【図3】本発明の超音波音圧測定装置の超音波音圧の周波数特性図である。
【図4】従来の超音波音圧測定装置のシステム系統図である。
【図5】従来の超音波音圧測定装置で測定された測定位置対音圧特性図である。
【符号の説明】
【0016】
1、21 音圧検出プローブ
2 オシロスコープ
3 パソコン
4 制御器
5 温度センサー
10 噴射形超音波洗浄装置
11 洗浄液溜槽
12 超音波振動体
13 洗浄液噴射孔(スリット)
14 噴射洗浄液
15 洗浄液供給口
16 高周波励振電源
17 被洗浄物
20 超音波音圧計

【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波洗浄装置に備えられた超音波振動板から照射される超音波振動の洗浄液内の音圧を測定する超音波音圧測定装置であって、
音圧検出プローブと、
該音圧検出プローブが検出した検出電圧値を入力とし、該検出電圧値を表示し、パソコンとの通信インタフェース端子を有する電圧測定手段と、
該電圧測定手段の出力および所定のパラメータ情報が該通信インタフェース端子を介して入力され、必要な計算、表示および記録を行うパソコンと、
前記音圧検出プローブの先端の温度を温度情報として検出する温度センサーと、
前記超音波洗浄装置の前記超音波振動の周波数情報および前記温度センサーによって検出された前記温度情報を前記所定のパラメータ情報として入力とし、通信インタフェース変換して前記パソコンへ伝達する制御器と、を備え、
前記パソコンは、前記超音波振動の周波数の所望の範囲における音圧検出プローブの周波数感度のパラメータ表にし、
前記プローブの先端の温度の所望の範囲における音圧検出プローブの温度感度のパラメータ表にし、
および電圧値・パスカル値変換表にした各表を予めメモリに記憶しておき、
該各表を用いて、前記入力された超音波音圧の電圧値に対して補正と変換の計算処理を行うことにより、音圧測定時の音圧プローブの周波数感度や、温度感度に起因した誤差の生じない絶対値単位の超音波音圧測定値を得て正確な出力・表示するように構成した超音波音圧測定装置。
【請求項2】
前記電圧測定手段はオシロスコープ又は高周波電圧計である請求項1に記載の超音波音圧測定装置。
【請求項3】
前記パソコンは、前記超音波音圧測定値の時間的変化を記録し、一定時間内の変化を統計的手法にて解析する構成とした請求項1または請求項2に記載の超音波音圧測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−292625(P2007−292625A)
【公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−121568(P2006−121568)
【出願日】平成18年4月26日(2006.4.26)
【出願人】(000166650)株式会社日立国際電気エンジニアリング (100)
【Fターム(参考)】