説明

車両の開閉体制御装置

【課題】開閉体のオート動作中に作動が停止された場合に、自動的に開閉体をオート動作に復帰させる開閉体制御装置を提供する。
【解決手段】開口部を開閉する開閉体と、開閉体を所定開度まで自動で駆動させる駆動手段14と、を備える車両の開閉体制御装置である。その開閉体制御装置10は、駆動手段への供給電圧が第1の所定値以下になった時に駆動手段による駆動を停止させる駆動停止手段102と、駆動手段による駆動の停止時において、車両のエンジンが始動中でありかつ供給電圧が第2の所定値以上になった場合には、駆動手段による駆動を再開させ、エンジンが始動中でない場合には、駆動手段による駆動を再開させない駆動再開手段103とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の開閉体制御装置に関し、特に車両の開閉体の駆動が駆動電圧の低下により停止した場合にその駆動を自動的に復帰させる制御に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、車両のパワーウィンド等の開閉体制御装置を開示する。この開閉体制御装置では、車両エンジンの始動時の電圧降下によって制御回路のリセット等が発生する場合において、開閉体またはモータの絶対位置の記憶データを適正に記憶保持する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−2293号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の開閉体制御装置では、車両のパワーウィンド等の開閉体のオート動作中にバッテリ電圧降下によってその動作が強制停止した場合、ユーザーが再びスイッチを操作して開閉体を作動させる必要があった。
【0005】
この問題を解消する為に、エンジンの始動操作(クランキング)等が終わってバッテリ電圧が通常の値に戻った時に、自動的にパワーウィンドのオート動作に復帰させることが考えられる。
【0006】
しかしこの場合、以下のような問題があった。すなわち、バッテリ電圧が、クランキングの様に必ず所定値以下(オート動作が強制停止される電圧以下)まで下がる場合と、エアコン、パワーステアリング、オーディオ、ヘッドライトの操作等、発電機(ACG)の発電量やバッテリ残量などの関係から所定値以下になる場合とならない場合とがあり、バッテリ電圧の低下によって開閉体の作動を停止させてしまう状態(原因)が不確定であった。
【0007】
また、ユーザーの立場からすると、クランキングの場合は毎回必ずパワーウィンドが停止するため、自動的に復帰しても違和感無く受け入れることができる。しかし、パワーステアリング操作等、予期しないタイミングでパワーウィンドが停止し、その後自動的に復帰するとパワーウィンド装置自体が故障したのではないかとの疑念を感じる恐れがある。
【0008】
そこで、本発明は、この従来技術の問題を軽減あるいは解消すること、すなわち、車両のパワーウィンド等の開閉体のオート動作中にバッテリ電圧降下によってその作動が強制停止された場合に、ユーザーに違和感を与えることなく自動的に開閉体をオート動作に復帰させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、開口部を開閉する開閉体と、開閉体を所定開度まで自動で駆動させる駆動手段と、を備える車両の開閉体制御装置を提供する。その開閉体制御装置は、駆動手段への供給電圧が第1の所定値以下になった時に駆動手段による駆動を停止させる駆動停止手段と、駆動手段による駆動の停止時において、車両のエンジンが始動中でありかつ供給電圧が第2の所定値以上になった場合には、駆動手段による駆動を再開させ、エンジンが始動中でない場合には、駆動手段による駆動を再開させない駆動再開手段と、を備える。
【0010】
本発明によれば、開閉体の駆動手段への供給電圧の降下の原因がクランキング等によるエンジンが始動中の場合にのみ一端停止した駆動手段による駆動を再開させるので、ユーザーが違和感を持つような条件と、違和感を持たない条件を切り分けて駆動手段の復帰動作をおこなうことが可能となる。
【0011】
本発明の一形態によると、駆動再開手段は、供給電圧が第1の所定値以下になる前に、エンジンの回転数が停止判定値以下であり、かつ供給電圧が第1の所定値以下になってから所定時間経過後にエンジンの回転が検出された場合に、駆動停止手段による駆動の停止時においてエンジンが始動中であると判断する。
【0012】
本発明の一形態によれば、所定の条件が成立した時点から所定時間経過した後にエンジンが始動中であると判断しているので、駆動手段への供給電圧が所定値以上になってからも直に駆動手段による駆動を復帰させるのではなく、毎回決まった所定時間の経過後に復帰させることができ、ユーザーの違和感をより確実に緩和することが可能となる。
【0013】
また、エンジンの回転数に応じてエンジンの作動状態を検知するので、CAN等の通信機構を利用する必要がないので、通信機構を簡略化することが可能となる。
【0014】
本発明の一形態によると、所定時間は、エンジンの回転数が停止判定値以下になった時からゼロになるまでの時間よりも長く設定される。
【0015】
本発明の一形態によれば、エンジンの停止条件が成立した後に、エンジンの回転数が停止判定値以下になった後も、エンジンが完全に停止するまでは多少の時間がかかる。この間に何らかの原因で駆動電圧が所定値以下になった場合、所定時間が短いとエンジン始動中と誤検知する恐れがある。そのため、所定時間をエンジンの回転数が停止判定値以下になってからエンジンが完全に停止するまでの時間よりも長く設定することでその誤検知を防ぐことが可能となる。
【0016】
本発明の一形態によると、駆動再開手段は、駆動停止手段による駆動の停止後に、エンジンの回転数が始動判定値よりも大きくなった時に駆動手段による駆動を再開する。
【0017】
本発明の一形態によれば、エンジンの回転数が始動判定値以上になったことを条件としているので、エンジンが確実に作動したことを確認でき、再度クランキングを行うことによって駆動を再開した開閉体が再び停止してユーザーに違和感を持たせてしまうことを防ぐことが可能となる。
【0018】
本発明の一形態によると、車両はアイドルストップ機構を備え、駆動再開手段は、エンジンの始動が、アイドルストップからの復帰始動の場合にのみ駆動手段による駆動を再開させる。
【0019】
本発明の一形態によれば、通常のエンジン始動において、エンジンが冷気状態にあるとエンジン始動に失敗して、再度クランキングが必要になる場合がある。この時に開閉体の復帰作動をさせていると、再度のクランキング時に再び開閉体が止まってしまい、ユーザーに違和感を与える恐れがある。しかし、アイドルストップからの復帰始動の場合、エンジンの暖気状態からの復帰なのでエンジン始動に失敗する恐れがなく、開閉体が再び止まることを抑制することが可能となる。
【0020】
また、エンジン始動に失敗した後に開閉体を復帰させると、バッテリから駆動電流が消費されるために、再度のクランキングに支障をきたす恐れがあるが、初回始動では開閉体の復帰をさせないことからそれを抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一実施例に従う、車両の開閉体制御装置およびこれに関連する車両構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施例に従う、開閉体制御装置による制御タイミングを説明するための図である。
【図3】本発明の一実施例に従う、開閉体制御装置による処理フローを示す図である。
【図4】本発明の他の一実施例に従う、開閉体制御装置による処理フローを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明の一実施例に従う、車両の開閉体制御装置およびこれに関連する車両構成を示すブロック図である。なお、以下の説明では開閉体として車両のドアに設けられるパワーウィンド(P/W)を例にとり説明しているが、本発明の適用対象はこれに限られず車両の屋根に設けられるサンルーフ等のバッテリからの供給電圧により駆動可能な全ての開閉体が含まれ得る。また、本発明の適用対象となる車両には、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジンを搭載した車両のみならず、エンジンとモータ(発電機)を組み合わせたハイブリッド車両も含まれる。
【0023】
開閉体制御装置10は、車両のエンジン12の電子制御装置(ECU)からエンジンの回転数(NE)およびNEを算出するためのパルス信号(NEP)等の信号を受け取る。開閉体制御装置10は、さらに、車両に設けられたアイドルストップ(I/S)機構12からのオン/オフ信号、バッテリ13からの電圧信号Vs、イグニッション(IGN)機構からのオン/オフ信号、P/Wのスイッチ機構からのオン/オフ信号等を受け取る。ここで、I/S機構とは、運転走行中に車両を停止した際にエンジンを一時的に停止して、走行再開時にエンジンを再始動することにより、車両の燃費向上を図るための機構である。
【0024】
開閉体制御装置10は、受け取った各種信号を基に、以下に述べる複数の機能を実行して、P/W15を駆動させるための駆動手段(モータ等)14を制御する。
【0025】
開閉体制御装置10は、P/Wのスイッチ機構からのオン信号を受け取って、駆動手段(モータ等)14によるP/W15の駆動(開閉動作)を開始させる手段101として機能する。P/W15の駆動(開閉動作)には、P/W15を所定開度まで自動で駆動させるオート開閉動作が含まれる。開閉体制御装置10は、P/Wのスイッチ機構からのオフ信号を受け取って、駆動手段(モータ等)14によるP/W15の駆動を停止させる手段102として機能する。駆動停止手段102は、さらに駆動手段14への供給電圧Vsが第1の所定値以下になった時に駆動手段による駆動を停止させる機能も有する。
【0026】
開閉体制御装置10は、駆動手段14による駆動停止時において、車両のエンジンが始動中でありかつ供給電圧Vsが第2の所定値以上になった場合には、駆動手段14による駆動を再開させ、エンジンが始動中でない場合には、駆動手段14による駆動を再開させない駆動再開手段103として機能する。この駆動再開手段103の機能についてはさらに後述する。
【0027】
開閉体制御装置10は、中央演算処理装置(CPU)、メモリ、タイマーを備えるコンピュータである。CPUは、受信した各種信号(データ)から演算等を行い、駆動手段(モータ等)14を制御するための制御信号を生成する。メモリには、この制御を実現するためのコンピュータ・プログラムおよび該プログラムの実施に必要なデータ、テーブルおよびマップを格納することができる。タイマーは、CPUが制御信号を生成および所定のタイミングで出力するために使われる時間を計測(カウント)する。タイマーは、例えばエンジンの回転数NEが停止判定値以下となった時からの経過時間、あるいは供給電圧Vsが第1の所定値以下になった時からの経過時間等を計測する。
【0028】
図2は、本発明の一実施例に従う、開閉体制御装置10による制御タイミングの一例を説明するための図である。図2では、アイドルストップ(I/S)からの復帰の例を示しているが、イグニッション(IGN)キー操作による始動の場合も、I/S開始による供給電圧Vsの低下(V1からV2へ)を除いて基本的に同様なタイミング制御となる。
【0029】
図2の各段の信号列等は、上からバッテリ13による供給電圧Vs、エンジンの停止条件(オン、オフ)を示す信号、エンジンの回転数NEを算出するためのパルス信号列NEP、エンジンの回転数NE、P/Wのオート動作の状態である。なお、供給電圧Vsはバッテリ13の電圧に限られず、交流発電機(ACG)の発電電圧、あるいは供給電流等を利用してもよい。すなわち、駆動手段14への供給電力が低下しその駆動が停止してしまう状態を検出可能な物理量であればよい。
【0030】
図2において、最初にユーザーがP/Wのスイッチ機構のオート動作スイッチをオンにしてP/Wの開閉のオート動作が進行中であるとする。このとき、車両が停止してI/Sが開始し、供給電圧VsがV1からV2に低下する。同時に、エンジンの停止条件を示す信号がオフからオンに切り替わる(A1)。それにより、エンジンの停止条件は動作中から停止になる。パルス信号列NEPのパルス幅は拡大していき(周期が長くなり)、同時にエンジンの回転数NEは低下していく。
【0031】
エンジンの回転数NEが、停止判定値であるNE1(rpm)になった時からタイマーが作動し、回転数NEがゼロになるまでの時間T2が計測(カウント)される。時間T1はエンジンが完全に停止(NE=0)するまでの移行時間となる。
【0032】
その後、クランキングの開始により供給電圧VsがV2から低下し、第1の所定値であるVth1よりも低下したとする。このとき、エンジンの停止条件を示す信号がオンからオフに切り替わる(A2)。それにより、エンジンの停止条件は停止から動作中になる。同時にP/Wの開閉のオート動作は一時停止状態(A3)になり、駆動手段14による駆動は停止する。
【0033】
クランキングの開始により、エンジンは始動し、パルス信号列NEPのパルス幅は短くなっていき、同時にエンジンの回転数NEは増加していく。また、クランキングの開始からタイマーによる時間計測が始まり、その経過時間が計測される。供給電圧Vsは変動しながら上昇し、第2の所定値であるVth2を超えてV1に戻り、クランキングが終了する。
【0034】
クランキング開始からの経過時間が所定時間T1になった後にエンジンの回転が確認された時点、言い換えればNEPパルスが検出された時点でP/Wの開閉のオート動作を再開させる(A4)。この所定時間T1はクランキングの開始から終了までの時間よりも長く設定され、また上述した時間T2よりも長く設定することができる。このように、本発明の一実施形態においては、クランキングが終了し供給電圧VsがV1に戻った時点で直ちにP/Wの開閉のオート動作を再開させるのではなく、供給電圧VsがV1に戻り所定時間T1が経過しかつパルス信号NEPが検出された時点で再開させる。
【0035】
エンジンの回転数NEが上昇する過程で、始動判定値であるNE2(rpm)が設定される。P/Wの開閉のオート動作を再開させるタイミングとして、時間T1の経過後を基準とする代わりに、エンジンの回転数NEがこの始動判定値NE2以上になった時点を基準とすることもできる。なお、この始動判定値NE2(rpm)は既出の停止判定値NE1(rpm)よりも大きな回転数として設定される。
【0036】
図3は、本発明の一実施例に従う、開閉体制御装置10によって実行される処理フローである。この処理フローは、開閉体制御装置10のCPUがメモリに格納している処理プログラムを呼び出して、所定の時間間隔で実行される。なお、以下の処理フローにおいて使われるパラメータ(用語)のうち図2の説明において使用されたパラメータ(用語)と同じものは同様な意味をもつものとして使われている。
【0037】
ステップS10において、P/Wの開閉のオート動作中であるか否かを判定する。具体的には、ユーザーによってP/Wのスイッチ機構のオート動作スイッチがオンにされ、P/W機構15においてP/Wの開閉動作が終了していないかを確認する。この判定がYesの場合は次のステップS11に進み、Noの場合は処理を終了する。
【0038】
ステップS11において、バッテリ13による供給電圧Vsが第1の所定値Vth1以下であるか否かを判定する。この判定がYesの場合は次のステップS12に進み、Noの場合は処理を終了する。
【0039】
ステップS12において、P/Wの開閉のオート動作を停止させる。より具体的には、駆動手段14による駆動を停止させる。
【0040】
ステップS13において、エンジンが始動中であるか否かを判定する。具体的には、例えば、IGNキーによるエンジン始動操作、I/S後のエンジン始動、エンジン始動を示すNEPパルスの検出、あるいはエンジンの回転数NEが所定値以上に上昇していること等の少なくとも1つまたは2以上が検知されたことをもってエンジンが始動中であると判定する。この判定がYesの場合は次のステップS14に進み、Noの場合は処理を終了する。
【0041】
ステップS14において、バッテリ13による供給電圧Vsが第2の所定値Vth2以上であるか否かを判定する。この判定がYesの場合は次のステップS15に進み、Noの場合は処理を終了する。
【0042】
ステップS15において、P/Wの開閉のオート動作を再開させる。より具体的には、駆動手段14による駆動を再開させる。
【0043】
この本発明の一実施例に従う処理フローによれば、P/Wの駆動手段への供給電圧Vsの降下の原因がクランキング等によるエンジンが始動中の場合にのみ一端停止した駆動手段による駆動を再開させることができ、ユーザーが違和感を持つような条件と、違和感を持たない条件を切り分けて駆動手段の復帰動作をおこなうことが可能となる。
【0044】
図4は、本発明の他の一実施例に従う、開閉体制御装置10によって実行される処理フローである。この処理フローは、開閉体制御装置10のCPUがメモリに格納している処理プログラムを呼び出して、所定の時間間隔で実行される。なお、以下の処理フローにおいて使われるパラメータ(用語)のうち図2の説明において使用されたパラメータ(用語)と同じものは同様な意味をもつものとして使われている。
【0045】
ステップS20において、P/Wの開閉のオート動作中であるか否かを判定する。具体的な判定方法は図3のステップS10の場合と同様である。この判定がYesの場合は次のステップS21に進み、Noの場合は処理を終了する。
【0046】
ステップS21において、エンジン回転数NEが停止判定値NE1(rpm)以下であるか否かを判定する。この判定がYesの場合は次のステップS22に進み、Noの場合は処理を終了する。
【0047】
ステップS22において、バッテリ13による供給電圧Vsが第1の所定値Vth1以下であるか否かを判定する。この判定がYesの場合は次のステップS23に進み、Noの場合は処理を終了する。
【0048】
ステップS23において、P/Wの開閉のオート動作を停止させる。より具体的には、駆動手段14による駆動を停止させる。
【0049】
ステップS24において、バッテリ13による供給電圧Vsが第2の所定値Vth2以上であるか否かを判定する。この判定がYesの場合は次のステップS25に進み、Noの場合は処理を終了する。
【0050】
ステップS25において、供給電圧Vsが第1の所定値Vth1以下になった時からの経過時間が所定時間T1以上になっているか否かを判定する。この判定がYesの場合は次のステップS26に進み、Noの場合は処理を終了する。
【0051】
ステップS26において、エンジンの回転が検出されたか否かを判定する。具体的には、例えば、エンジン始動を示すNEPパルスが検出されたこと、あるいはエンジンの回転数NEが所定値以上に上昇していること等の少なくとも1つまたは2以上が検知されたことをもってエンジンの回転が検出されたと判定する。この判定がYesの場合は次のステップS27に進み、Noの場合は処理を終了する。
【0052】
ステップS27において、P/Wの開閉のオート動作を再開させる。より具体的には、駆動手段14による駆動を再開させる。
【0053】
この本発明の一実施例に従う処理フローによれば、所定の条件(ステップS21、S22)が成立した時点から所定時間T1が経過した後にエンジンが始動中であると判断できるので、駆動手段への供給電圧Vsが所定値Vth2以上になってからも直に駆動手段による駆動を復帰させるのではなく、毎回決まった所定時間T1の経過後に復帰させることができ、ユーザーの違和感をより確実に緩和することが可能となる。
【0054】
また、エンジンの回転数NEに応じてエンジンの作動状態を検知するので、CAN等の通信機構を利用する必要がないので、通信機構を簡略化することが可能となる。
【0055】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこのような実施形態に限定されることはなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において改変して用いることができる。
【符号の説明】
【0056】
10 開閉制御装置
11 エンジン
12 アイストップ(I/S)機構
13 バッテリ
14 パワーウィンド(P/W)の駆動手段(モータ)
15 パワーウィンド(P/W)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を開閉する開閉体と、前記開閉体を所定開度まで自動で駆動させる駆動手段と、を備える車両の開閉体制御装置であって、
前記駆動手段への供給電圧が第1の所定値以下になった時に前記駆動手段による駆動を停止させる駆動停止手段と、
前記駆動手段による駆動の停止時において、前記車両のエンジンが始動中でありかつ前記供給電圧が第2の所定値以上になった場合には、前記駆動手段による駆動を再開させ、前記エンジンが始動中でない場合には、前記駆動手段による駆動を再開させない駆動再開手段と、
を備える、車両の開閉体制御装置。
【請求項2】
前記駆動再開手段は、前記供給電圧が前記第1の所定値以下になる前に、前記エンジンの回転数が停止判定値以下であり、かつ前記供給電圧が前記第1の所定値以下になってから所定時間経過後に前記エンジンの回転が検出された場合に、前記駆動停止手段による駆動の停止時において前記エンジンが始動中であると判断する、請求項1に記載の車両の開閉体制御装置。
【請求項3】
前記所定時間は、前記エンジンの回転数が前記停止判定値以下になった時からゼロになるまでの時間よりも長く設定される、請求項2に記載の車両の開閉体制御装置。
【請求項4】
前記駆動再開手段は、前記駆動停止手段による駆動の停止後に、前記エンジンの回転数が始動判定値よりも大きくなった時に前記駆動手段による駆動を再開する、請求項1〜3のいずれかに記載の車両の開閉体制御装置。
【請求項5】
前記車両はアイドルストップ機構を備え、
前記駆動再開手段は、前記エンジンの始動が、アイドルストップからの復帰始動の場合にのみ前記駆動手段による駆動を再開させる、請求項1〜4のいずれかに記載の車両の開閉体制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−2039(P2012−2039A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−140699(P2010−140699)
【出願日】平成22年6月21日(2010.6.21)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】