説明

車両充電システム、車載装置及びその制御方法

【課題】充電器が多様な形態で設置されていても、充電箇所での充電し忘れを防止できる車両充電システム、このシステムに使用される車載装置及びその制御方法を提供する。
【解決手段】車両外に設けられ、駐車された車両11に対し、充電器23を示す情報G1を送信する通信部と、車両11に設けられ、情報G1を受信する通信部58と、車両に11設けられ、情報G1に基づいて充電器23の存在を報知する表示部56及び音声出力部57とを備えるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両充電システム、車載装置及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車やハイブリッド車両といった電動車両は、駆動源となるモーターに電力を供給する大型のバッテリーを備えている。現在、このバッテリーを商用電力や家庭用電力を用いて充電可能とする、いわゆるプラグイン方式のものが開発されており、プラグイン方式の開発に合わせて様々な充電器が開発されている(例えば、特許文献1参照)。
プラグイン方式の車両には、ガソリン車と比べると一回の充電で長距離を走行できない車両もあり、充電時間も現状では、急速充電器を使用して約15分〜30分程度の時間を要する。プラグイン方式の車両の普及を図るには、充電場所(充電スタンド)の整備が必要であり、その一環として、充電器を備えた公共の駐車スペースが徐々に整備されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−22099号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、この種の充電器は、開発途上であり、今後、インフラ整備に伴い、壁や床、車両の輪留め等の多様な形態で設置されることが予想される。
このように多様な形態で設置された場合、充電器が設置された駐車スペースに車両を駐車しても、運転者が充電器の存在を見落とす事態や、充電器の位置が判らない事態が生じ、充電箇所にも拘わらず充電し忘れてしまうことが十分に予想される。
【0005】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、充電器が多様な形態で設置されていても、充電箇所での充電し忘れを防止できる車両充電システム、このシステムに使用される車載装置及びその制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、駐車スペースに充電器を設け、駐車された車両を充電器で充電可能にした車両充電システムにおいて、前記車両外に設けられ、駐車された車両に対し、前記充電器を示す情報を送信する駐車側通信装置と、前記車両に設けられ、前記情報を受信する車両側通信装置と、前記車両に設けられ、前記情報に基づいて前記充電器の存在を報知する報知装置とを備えることを特徴とする。
この構成によれば、車両に設けられた報知装置が、車外の駐車側通信装置から送信された充電器を示す情報に基づいて充電器の存在を報知するので、充電器が駐車スペースの壁、床、車止め等の様々な形態で設置されていても、充電箇所での充電し忘れを防止できる。
【0007】
上記構成において、前記情報は、前記充電器の位置を示す画像情報であり、前記報知装置は、前記画像情報に基づいて前記充電器の位置を示す画像を表示する表示部、又は、前記位置情報を受信した場合に、前記充電器の存在を音声出力する音声出力部の少なくともいずれかを有するようにしてもよい。この構成によれば、車両の乗員に充電器の位置を知らせることができ、また、音声で充電器の存在を知らせることができる。
【0008】
また、上記構成において、前記車両のパーキングブレーキ及び車両扉の操作を検出する操作検出部を有し、前記パーキングブレーキが操作された場合に、前記表示部が前記画像情報に基づいて前記充電器の位置を示す画像を表示し、前記車両扉が開かれた場合に、前記音声出力部が前記充電器の存在を音声出力するようにしてもよい。この構成によれば、車両の乗員が運転を終えて車外に退出する前のタイミング、及び、車両扉が開かれた後のタイミングで充電器の存在を知らせることができる。また、乗員が、充電器の位置を示す画像の確認をし忘れた場合でも、車両扉が開かれた後の音声通知によって確認のし忘れに気づくことができる。
【0009】
また、上記構成において、前記駐車側通信装置は、前記駐車スペースに向かう指向性電波を送信するようにしてもよい。この構成によれば、付近に駐車した別の車両が受信しないようにすることができる。
また、上記構成において、前記駐車側通信装置は、前記充電器に設けられるようにしてもよい。この構成によれば、充電器とは別の場所に駐車側通信装置の配置スペースを設ける必要がなく、スペースの有効利用が可能になる。
【0010】
また、本発明は、駐車スペースに設けられた充電器で充電可能な車両に搭載される車載装置において、車両外から送信される前記充電器の位置情報を受信する車両側通信装置と、前記位置情報に基づいて前記充電器の位置を報知する報知装置とを備えることを特徴とする。この構成によれば、充電器が駐車スペースの壁、床、車止め等の様々な形態で設置されていても、充電箇所での充電し忘れを防止できる。
また、本発明は、駐車スペースに設けられた充電器で充電可能な車両に搭載される車載装置の制御方法において、車両外から送信される前記充電器の存在を示す情報を受信する受信ステップと、前記情報に基づいて前記充電器の存在を報知する報知ステップとを実行することを特徴とする。この構成によれば、充電器が駐車スペースの壁、床、車止め等の様々な形態で設置されていても、充電箇所での充電し忘れを防止できる。
【0011】
また、本発明は、以上説明した車載装置およびその制御方法に適用する他、この発明を実施するための制御プログラムを電気通信回線を介して一般ユーザーに配布する態様や、そのようなプログラムを、CD−ROMや、フロッピーディスク(登録商標)や光記録ディスクといった、コンピューターに読み取り可能な記録媒体に格納して一般ユーザーに配布する態様でも実施され得る。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、充電器が駐車スペースの壁、床、車止め等の様々な形態で設置されていても、充電箇所での充電し忘れを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態に係る車両充電システムの概要図である。
【図2】カーナビゲーション装置と充電器の構成を周辺構成と共に示すブロック図である。
【図3】画像情報の一例を示す図である。
【図4】充電器報知処理を示すフローチャートである。
【図5】表示部の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る車両充電システムの概要を示す図である。
この車両充電システム1は、車両11に搭載されるバッテリーBTを充電する充電スタンド21を多数の地域に配備し、各充電スタンド21で車両11のバッテリーBTを充電できるようにしたシステムである。
多数の地域に配備される充電スタンド21は、駐車スペースSと、車両一台分の駐車スペースS毎に設けられる充電器23とを備えて構成され、各々の充電器23は、駐車スペースSの壁、床、車止めSK等の様々な位置に設置されている。なお、図1では、充電器23が車止めSKの内部に設置されている場合を示している。
【0015】
充電器23は、当該充電器23から延びる充電ケーブル24を備え、この充電ケーブル24の先端には接続プラグ(電力出力端子)25が設けられ、この接続プラグ25を車両11側に接続することにより、充電器23に供給されている商用電力を車両11に供給し、車両11のバッテリーBTを充電することができる。この充電器23でバッテリーBTを充電する構成は公知の構成を広く適用可能である。
【0016】
車両11は、バッテリーBTを商用電力や家庭用電力を用いて充電可能なプラグイン方式の車両(プラグイン車両)であり、バッテリーBTの電力で駆動する電気自動車(Electric Vehicle:EV)やハイブリッド車両(Plug−in Hybrid Vehicle:PHV)である。この車両11は、外部に露出するプラグ接続口(電力入力端子)12を備え、このプラグ接続口12に充電器23の接続プラグ25が接続され、充電器23によりバッテリーBTが充電される。
【0017】
また、この車両11には、カーナビゲーション装置50が搭載されている。
このカーナビゲーション装置50は、車両11の経路案内を行う公知のナビゲーション機能に加え、充電器23との通信機能(通信部58)、各種情報を表示する表示機能(表示部56)、各種音声を出力する音声出力機能(音声出力部57)を有する車載装置に構成されている。
【0018】
図2は、カーナビゲーション装置50と充電器23の構成を周辺構成と共に示すブロック図である。
カーナビゲーション装置50は、GPSユニット51と、ジャイロユニット52と、自己が搭載された車両11側から車両11の走行状態を示す信号が入力されるインターフェース(I/F)部53と、記憶部54と、指示入力部55と、表示部56と、音声出力部57と、通信部(車両側通信装置)58と、VICS(商標登録)(Vehicle Information and Communication System)受信モジュール59と、これら各部を中枢的に制御する制御部61とを備えている。
【0019】
GPSユニット51は、GPSアンテナ51aを介してGPS衛星からのGPS電波を受信し、GPS電波に重畳されたGPS信号から、車両11の現在位置を示す位置座標と進行方向とを演算により取得する。
ジャイロユニット52は、図示しないジャイロセンサーを備え、ジャイロセンサーにより検出した車両11の相対的な方位情報を制御部61へ出力する。
インターフェース部53には、車両11側から車両11の走行状態を示す信号として、車両11が具備するパーキングブレーキ(本実施形態ではサイドブレーキ)が操作されたか否か(サイドブレーキが引かれたか否か)を示すパーキングブレーキ信号PS、車速を示す車速パルス信号SS、車両11が具備する扉(車両扉)の開閉状態を示す扉信号TSが入力される。
これらの信号PS,SS,TSは制御部61に出力され、制御部61では、パーキングブレーキ信号PS及び車速パルス信号SSに基づいて、車両11の移動速度や、車両11が現在走行中であるか、停止中であるかを判別し、扉信号TSに基づいて扉が開いているか閉じているかを判別する。
【0020】
また、インターフェース部53には、車両11のバッテリーBTの残量に比例するバッテリー電圧を示すバッテリー信号BSが入力され、制御部61では、このバッテリー信号BSに基づいてバッテリーBTの残量を算出する。
ここで、バッテリーBTには、車両11を駆動するモーターMを駆動するエネルギーとしての電気が蓄えられており、バッテリーBTの残量は、車両11を駆動するための駆動用エネルギー量に対応している。
すなわち、制御部61は、車両11が走行中か停止中か否かを検出する走行/停止検出部、パーキングブレーキ及び車両扉の操作を検出する操作検出部、及び、バッテリー残量を算出する残量算出部としての機能を具備している。
【0021】
記憶部54は、比較的大きなデータ格納領域を有する記録媒体を有するハードディスクドライブ装置、あるいは、CD/DVDドライブ装置を有して構成されている。この記憶部54には、経路案内のための制御プログラム、後述する充電器23の報知処理を行うための制御プログラムのほか、地図情報や経路案内に供される表示画像データ等の各種データを格納した経路案内データベース54a等の各種データが記憶される。
経路案内データベース54aには、各種施設及び観光地等の経路案内の目的地及び立寄地点として選択可能なスポットが複数登録されている。上記スポットとしては、上記した充電スタンド21、ガソリンスタンド、ショッピングセンター、野球場などの競技場、コンサートホール、デパート、テーマパーク、景勝地、温泉地、宿泊施設、レストランなどの飲食店、パーキング、高速道路のパーキングエリア、サービスエリアなど様々なものが挙げられる。充電スタンド21やガソリンスタンドは、車両11を駆動するためのエネルギーとしての燃料或いは電力を補給可能なエネルギー補給スポットである。
【0022】
指示入力部55は、ユーザーが操作する不図示の操作キーや、ユーザーが操作する不図示のリモートコントローラーからの信号を受信する受光部等を有し、これらの操作を介してユーザーの指示を入力し、制御部61に通知する。
表示部56は、表示パネル56aと、表示パネル56aを駆動する表示制御部56bとを備え、この表示パネル56aとしては、例えば液晶ディスプレイパネルやEL(Electro Luminescent)ディスプレイパネル等を用いて構成することができる。表示制御部56bは、描画プロセッサーを有し、制御部61の制御の下、地図等の画像情報や表示指示を含む描画コマンドに基づいて表示を行うように表示パネル56aを駆動する。
【0023】
音声出力部57は、スピーカー57aと、スピーカー57aを駆動する音声出力制御部57bとを備え、スピーカー57aは、車両11の扉等に設けられたスピーカー、或いは、カーナビゲーション装置50に設けられるスピーカーで構成される。音声出力制御部57bは、図示しないD/Aコンバータ、アンプ等を備え、制御部61の制御の下、音声信号を増幅してスピーカー57aを駆動し、対応する音声を車室内に音声出力する。
【0024】
通信部(車両側通信装置)58は、近距離無線通信用のアンテナ58aを備え、近距離に存在する通信機器と無線通信を行い、該通信機器の送信信号を受信する。
VICS受信モジュール59は、FMアンテナ59aを介してFM多重放送受信部59bでFM多重放送波を受信し、FM多重放送波に重畳された交通情報を取得して制御部61に出力する。
【0025】
制御部61は、各種の演算処理を行うCPU61a、CPU61aにより実行される各種制御プログラムやデータが不揮発的に記憶されるROM61b、及び、CPU61aの作業領域として機能し、各種データを一時的に記憶するRAM61c等を備えるコンピューターの構成を具備している。
制御部61は、指示入力部55を介して入力したユーザー指示に基づいてカーナビゲーション装置50の各部を中枢的に制御するコンピューターとして機能し、GPSユニット51とジャイロユニット52との検出結果に基づき車両11の現在地及び進行方向を特定し、現在地周辺の地図を表示させる。また、制御部61は、経路案内アプリケーションを実行することにより、目的地あるいは目的地を設定するための情報が入力された場合、目的地までの案内経路あるいは目的地に至り出発地に戻る案内経路を探索し、地図上に表示して目的地まであるいは目的地を経由して出発地に戻る経路案内処理を実行する。
【0026】
また、制御部61は、通信部(車両側通信装置)58の動作を制御し、外部の通信機器の送信信号(本実施形態では充電器23の送信信号)を受信したか否かを監視しており、充電器23から後述する無線信号を受信した場合に、後述する充電器23の報知処理を実行する。
一方、充電スタンド21の充電器23は、図2に示すように、カーナビゲーション装置50の通信部58と通信可能な通信部(駐車側通信装置)31と、充電器23の位置(本実施形態では、車止めSKの中)を示す画像情報G1等のデータが記憶される記憶部32とを備えている。
【0027】
通信部31は、近距離無線通信用のアンテナ31aを備え、近距離に存在する通信機器と無線通信を行い、該通信機器に向けて無線信号を送信する。この通信部31は、アンテナ31aに指向性を有するアンテナ(指向性アンテナ)を用いることにより、充電器23が設置された単一の駐車スペースSに向かう指向性電波(無線信号の電波(無線電波))を送信する(図1参照)。
ここで、カーナビゲーション装置50の通信部58のアンテナ58aは、無指向性アンテナ或いは広指向性アンテナが用いられ、車両11の前面を奥側にして駐車する前面駐車の場合、車両11の背面を奥側にした駐車する背面駐車の場合のいずれの場合でも、充電器23の通信部31から指向性電波を受信可能である。
【0028】
本実施形態では、通信部31が、記憶部32に記憶されている充電器23の位置を示す画像情報G1を送信する処理を所定の時間間隔を空けて繰り返し実行している。
図3は、記憶部32に記憶される画像情報G1を示している。この画像情報G1は、単一の駐車スペースSにおける充電器23の位置を示す図形情報、及び、充電器23の位置を文字や矢印を付して示す文字情報を含む画像データであり、公知の圧縮方式で圧縮された圧縮画像データである。なお、画像情報G1は、静止画像に限らず、動画像でもよい。
【0029】
ところで、充電器23が駐車スペースSの壁、床、車止めSK等の様々な位置に設置されている場合、車両11の乗員(運転者)が充電器23の存在を見落とす場合や充電器23の位置(接続プラグ25の位置)が判らない場合が生じてしまう。
そこで、本実施形態では、車両11が充電器23を有する駐車スペースSに駐車されると、カーナビゲーション装置50では、車両11の乗員に向けて充電器23の位置を報知する充電器23の報知処理(充電器報知処理)が実行されるようになっている。
以下、充電器報知処理について説明する。
【0030】
図4は、充電器報知処理を示すフローチャートである。なお、充電器報知処理は、車両11が運転状態の場合(車両11のスタートスイッチがオンの場合)に所定の周期で繰り返し実行される。
カーナビゲーション装置50において、まず、制御部61は、充電器23から無線で送られる送信信号(画像情報G1)を受信したか否かを判定し(ステップS1)、受信していない場合は当該報知処理を一端終了する一方、受信した場合は、画像情報G1を記憶部54に記憶した後に、ステップS2の処理に移行する。従って、このカーナビゲーション装置50を搭載する車両11が、充電器23を有する駐車スペースSに入ると、ステップS2の処理へと移行する。
【0031】
ステップS2の処理では、制御部61は、当該装置50に表示部があるか否かを判定し、表示部がある場合は続くステップS3の処理へ移行する一方、表示部がない場合はステップS5の処理へ移行する。
ここで、カーナビゲーション装置50のROM61b又は記憶部54には、当該装置50が表示機能を具備しているか、或いは、表示部を有しているかといった設定情報が記憶されており、制御部61は、この設定情報を参照することにより、表示部があるか否か(表示機能を有しているか否か)を判定する。
本装置50では、表示機能を具備する(=表示部56を有する)ので、ステップS2では肯定結果が得られ、ステップS3の処理へ移行する。
【0032】
ステップS3の処理は、制御部61が、パーキングブレーキが操作されるまで待機する処理であり、パーキングブレーキが操作されると、制御部61は、記憶部54に記憶された画像情報G1を読み出して表示部56に表示させる(ステップS4)。
続くステップS5の処理では、制御部61は、車両11が停車し、扉が開くまで待機する。そして、車両11が停車し、扉が開くと、制御部61は、車両11の乗員(運転者)に対し、充電器23が近くにあることを音声で報知すべく、所定の音声信号を音声出力部57に出力し、スピーカー57aから車室内に放音させる(ステップS6)。すなわち、表示部56及び音声出力部57は、画像情報G1に基づいて充電器23の存在を報知する報知装置として機能する。
【0033】
ここで、図5は、表示部56の表示例を示している。この図に示すように、制御部61は、画像情報G1に対応する画像の所定領域(非情報領域)に、当該制御部61がバッテリー信号BSから算出したバッテリー残量を示す画像G2を挿入した画像G3を表示する。
このため、車両11の乗員は、車室内で充電器23の位置と現在のバッテリー残量とを容易に知ることができる。
【0034】
このように、カーナビゲーション装置50においては、車両11のパーキングブレーキが操作されると、表示部56に画像G3が表示されるので、運転者が駐車スペースSに車両11を駐車位置まで進入させた後に行うブレーキ操作(パーキングブレーキ操作)を行うと、画像G3が表示される。従って、運転者が運転を終えた直後で、かつ、車外に退出する前のタイミングで充電器23の位置を乗員(運転者)に知らせることができる。
さらに、車両11の扉が開くと、直ちに充電器23があることが音声で報知されるので、乗員が表示部56の画像G3に気づかなかった場合でも、音声によって充電器23の存在を確認でき、画像G3を見て充電器23の位置を視覚で確認することができる。
ここで、車両11内に表示部がない場合には(ステップSS:NO)、ステップS5以降の処理が実行されるようになっており、これによれば、表示部を備えない車両11でも、車両11内のスピーカー57aからの音声によって充電器23の存在を知ることができ、乗員が充電器23の存在を見落とす事態を回避することができる。
【0035】
以上説明したように、本実施の形態によれば、駐車された車両11に対し、充電器23の存在を示す画像情報G1を送信する通信部(駐車側通信装置)31を備えると共に、車両11側に、画像情報G1を受信する通信部(車両側通信装置)58と、画像情報G1に基づいて充電器23の位置を示す画像を表示する表示部56と、画像情報G1に基づいて充電器23の存在を音声出力する音声出力部57とを備えるので、これら表示部56及び音声出力部57が、車両11の乗員に充電器23の存在を報知する報知装置として機能し、充電器23が駐車スペースSの壁、床、車止めSK等の様々な形態で設置されていても、車両11の乗員が充電器23の存在を見落とす事態や、充電器23の位置が判らない事態が生じるのを回避することができる。これにより、充電可能な充電スタンド21にも拘わらず、充電し忘れてしまうことを確実に防止することができる。
【0036】
また、制御部61がパーキングブレーキ及び車両扉の操作を検出する操作検出部として機能し、パーキングブレーキが操作された場合に、表示部56が充電器23の位置を示す画像G3を表示し、車両扉が開かれた場合に、音声出力部57が充電器23の存在を音声出力するので、車両11の乗員が運転を終えて車外に退出する前のタイミングで充電器23の位置を視覚で確認可能にできる。
しかも、この確認をし忘れた場合でも、車両扉が開かれた後の音声通知によって確認のし忘れに気づくことができる。従って、充電箇所での充電し忘れをより確実に防止することができる。
また、車両11内に表示部がない場合でも、音声通知によって充電器32の存在を知らせることができるので、表示部がない車両でも、充電箇所での充電し忘れを回避できる。
【0037】
また、通信部(駐車側通信装置)31は、駐車スペースSに向かう指向性電波で画像情報G1を送信するので、付近に駐車した別の車両が受信しないようにすることができる。
また、この通信部31は、充電器23に設けられるので、車両11の近くに配備される充電器23を利用して通信部31を配置でき、充電器23とは別の場所に通信部31の配置スペースを設ける必要がなく、スペースの有効利用が可能になる。
【0038】
上述した実施形態は、あくまで本発明の一態様に過ぎず、本発明の範囲内で任意に変形が可能である。例えば、上述の実施形態では、充電器23の位置を示す画像(画像情報G1)とバッテリー残量を示す画像G2とを組み合わせた画像G3を表示部56に表示する場合を説明したが、画像G2を挿入せず、画像G1を表示部56にそのまま表示してもよい。また、上述の実施形態では、充電器23を示す情報として画像情報G1を送信する場合を説明したが、充電器23の位置を示す音声情報も送信し、この音声情報に基づいて音声報知するようにしてもよい。この構成によれば、充電器23の位置を示す音声内容で音声報知することが可能になり、音声で充電器23の位置を知らせることができる。
【0039】
また、上述の実施形態では、カーナビゲーション装置50が通信部(車両側通信装置)58、表示部56及び音声出力部57を具備する場合を説明したが、これに限らず、カーナビゲーション装置50以外の車載装置にこれらを具備させてもよく、また、これら通信部(車両側通信装置)58、表示部56及び音声出力部57を独立して車両11に搭載してもよい。また、表示部56及び音声出力部57のいずれか一方側だけで充電器23の存在を報知するようにしてもよい。
【0040】
また、上述の実施形態では、充電器23の報知処理を行うための制御プログラムを予め車載装置(カーナビゲーション装置50)内に記録しておく場合について述べたが、この制御プログラムを、磁気記録媒体、光記録媒体、半導体記録媒体などのコンピューターが読み取り可能な記録媒体に格納し、コンピューターが記録媒体からこの制御プログラムを読み取って実行するようにしてもよい。また、この制御プログラムを通信ネットワーク(電気通信回線)を介して配信サーバーなどからダウンロードできるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0041】
1 車両充電システム
11 車両
21 充電スタンド
23 充電器
31 通信部(駐車側通信装置)
50 カーナビゲーション装置(車載装置)
56 表示部(報知装置)
57 音声出力部(報知装置)
58 通信部(車両側通信装置)
61 制御部(操作検出部)
BT バッテリー
G1 画像情報
G2 バッテリー残量を示す画像

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駐車スペースに充電器を設け、駐車された車両を充電器で充電可能にした車両充電システムにおいて、
前記車両外に設けられ、駐車された車両に対し、前記充電器を示す情報を送信する駐車側通信装置と、
前記車両に設けられ、前記情報を受信する車両側通信装置と、
前記車両に設けられ、前記情報に基づいて前記充電器の存在を報知する報知装置とを備えることを特徴とする車両充電システム。
【請求項2】
前記情報は、前記充電器の位置を示す画像情報であり、
前記報知装置は、前記画像情報に基づいて前記充電器の位置を示す画像を表示する表示部、又は、前記位置情報を受信した場合に、前記充電器の存在を音声出力する音声出力部の少なくともいずれかを有することを特徴とする請求項1に記載の車両充電システム。
【請求項3】
前記車両のパーキングブレーキ及び車両扉の操作を検出する操作検出部を有し、
前記パーキングブレーキが操作された場合に、前記表示部が前記画像情報に基づいて前記充電器の位置を示す画像を表示し、前記車両扉が開かれた場合に、前記音声出力部が前記充電器の存在を音声出力することを特徴とする請求項2に記載の車両充電システム。
【請求項4】
前記駐車側通信装置は、前記駐車スペースに向かう指向性電波を送信することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の車両充電システム。
【請求項5】
前記駐車側通信装置は、前記充電器に設けられることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の車両充電システム。
【請求項6】
駐車スペースに設けられた充電器で充電可能な車両に搭載される車載装置において、
車両外から送信される前記充電器の位置情報を受信する車両側通信装置と、
前記位置情報に基づいて前記充電器の位置を報知する報知装置とを備えることを特徴とする車載装置。
【請求項7】
駐車スペースに設けられた充電器で充電可能な車両に搭載される車載装置の制御方法において、
車両外から送信される前記充電器の存在を示す情報を受信する受信ステップと、前記情報に基づいて前記充電器の存在を報知する報知ステップとを実行することを特徴とする車載装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−135135(P2012−135135A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−285638(P2010−285638)
【出願日】平成22年12月22日(2010.12.22)
【出願人】(000001487)クラリオン株式会社 (1,722)
【Fターム(参考)】