説明

車両操作診断装置、車両操作診断方法及びコンピュータプログラム

【課題】運転者毎の状況を考慮して、車両操作を環境面や安全性の面から適切に評価してアドバイスを提供することを可能とした車両操作診断装置、車両操作診断方法及びコンピュータプログラムを提供する。
【解決手段】運転者の車両操作を診断した結果、診断項目毎に設定されたアドバイス提供条件を満たすと判定された場合には、過去に同一の診断結果に基づくアドバイスが提供された際において、アドバイス提供後の運転者の車両操作がアドバイス提供前に比べて改善しているか否か判定し(S4)、運転者の車両操作が改善していないと判定された場合にはアドバイスの提供を行わないように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運転者に車両操作に係るアドバイスを提供する車両操作診断装置、車両操作診断方法及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、運転者の環境運転技術や安全運転技術を向上させる為、及び運転者に環境問題や安全運転に対する興味を持たせる為に、走行時に運転者が行った車両操作が環境面及び安全性の面で適切であったか否かを診断し、アドバイスを提供するシステムが知られている。例えば、特開2007−293626号公報には、“アイドリング時間”、“燃費”、“車間距離”、“制限速度”、“急ブレーキ”、“カーブ手前の減速”等の複数の診断項目について、各診断項目に対して設定された診断判断基準に基づいてユーザが環境に貢献した運転や安全運転を行っているか否かを判定し、環境に貢献した運転や安全運転を行っていると判定した場合にポイントを付与し、更に、付与されたポイントが所定ポイント数以上貯まるとアドバイスを提供するシステムについて記載されている。
【0003】
そして、運転者は前記システムにより提供された環境面からのアドバイスを参照することによって、環境に貢献する為の適切な車両操作内容を学習することができ、運転者に環境に良い運転を継続させるモチベーションを与えることが可能となる。また、安全面からのアドバイスを参照することによって、自らの車両操作特性や各状況下での適切な車両操作内容を学習することができ、安全性の高い、より適切な車両操作を行うことが可能となる。更に、運転者に安全運転を継続させるモチベーションを与えることが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−293626号公報(第7頁〜第9頁、図2〜図4)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、上記特許文献1に記載の診断システムでは、同一の診断項目では全ての運転者に対して常に同じ診断判断基準に基づいて診断を行い、その診断結果のみに基づいてアドバイスを提供していた。しかしながら、運転者によっては、たとえ診断結果で否定的な結果が出た場合であっても、アドバイスの提供を行わない方が良い場合がある。
【0006】
例えば、“アイドリング時間”の診断項目についてはアイドリングを所定時間以上(例えば5分以上)継続して行った場合に、アイドリングを控えるアドバイスを提供することが考えられる。また、“急ブレーキ”の診断項目については急ブレーキを行った場合に、急ブレーキを控えるアドバイスを提供することが考えられる。
【0007】
しかしながら、寒冷地に住む運転者は、冬季では停車中においてアイドリングを行う必要がある。また、普段は安全運転を行っている運転者であっても、車や人が急に飛び出してきた場合等には、急ブレーキを行う必要がある。そして、上記特許文献1に記載されているような従来の診断システムでは、このような運転者に非の無い必要不可欠な車両操作であっても、診断結果で否定的な結果が出た場合には車両操作を正す為のアドバイスを提供していた。その場合に運転者に提供されるアドバイスは、運転者の運転操作を正しく評価したアドバイスではなく、その結果、運転者が提供されるアドバイスに煩わしさを感じる結果となっていた。
【0008】
本発明は前記従来における問題点を解消するためになされたものであり、アドバイスの提供条件を満たした場合に、アドバイスが提供される前の車両操作とアドバイスが提供された後の車両操作との比較結果に基づいて、アドバイスを提供するか否かを判定するので、運転者毎の状況を考慮して、車両操作を環境面や安全性の面から適切に評価してアドバイスを提供することを可能とした車両操作診断装置、車両操作診断方法及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するため本願の請求項1に係る車両操作診断装置(1)は、運転者の車両操作を診断するとともに、前記診断の結果が所定の提供条件を満たした場合に車両操作に係るアドバイスを提供するか否かを判定するアドバイス提供判定手段(13)と、前記アドバイス提供判定手段によってアドバイスを提供すると判定された場合に前記車両操作に係るアドバイスを提供するアドバイス提供手段(13)と、前記アドバイス提供手段によってアドバイスが提供される前の前記運転者の車両操作と該アドバイスが提供された後の前記運転者の車両操作とを比較する車両操作比較手段(13)と、を有し、前記アドバイス提供判定手段は、過去に前記アドバイス提供手段によりアドバイスが提供された際の前記車両操作比較手段の比較結果に基づいて、アドバイスを提供するか否かを判定することを特徴とする。
【0010】
また、請求項2に係る車両操作診断装置(1)は、請求項1に記載の車両操作診断装置であって、前記アドバイス提供判定手段(13)は、過去に前記アドバイス提供手段によりアドバイスが提供された際の前記車両操作比較手段の比較結果に基づいて、前記アドバイス提供手段によってアドバイスが提供された後の前記運転者の車両操作が該アドバイスの提供される前の前記運転者の車両操作よりも改善しているか否かを判定する改善判定手段(13)を備え、前記改善判定手段により前記運転者の車両操作が改善していないと判定された場合には、前記提供条件を満たした場合であっても前記アドバイス提供手段によるアドバイスの提供を行わないと判定することを特徴とする。
【0011】
また、請求項3に係る車両操作診断装置(1)は、請求項1に記載の車両操作診断装置であって、前記アドバイス提供判定手段(13)は、過去に前記アドバイス提供手段(13)によりアドバイスが提供された際の前記車両操作比較手段(13)の比較結果に基づいて、前記アドバイス提供手段によってアドバイスが提供された後の前記運転者の車両操作が該アドバイスの提供される前の前記運転者の車両操作よりも改善しているか否かを判定する改善判定手段(13)と、前記運転者の車両操作の診断の結果が前記提供条件を満たす頻度を取得する頻度取得手段(13)と、を備え、前記改善判定手段により前記運転者の車両操作が改善していると判定された場合であって、前記提供条件を満たす頻度が所定頻度以下である場合には、前記アドバイス提供手段によるアドバイスの提供を行わないと判定することを特徴とする。
【0012】
また、請求項4に係る車両操作診断装置(1)は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の車両操作診断装置であって、前記アドバイス提供判定手段(13)は、過去に同一の診断の結果に基づくアドバイスが前記アドバイス提供手段(13)により提供された際の前記車両操作比較手段(13)の比較結果に基づいて、アドバイスを提供するか否かを判定することを特徴とする。
【0013】
また、請求項5に係る車両操作診断方法は、運転者の車両操作を診断するとともに、前記診断の結果が所定の提供条件を満たした場合に車両操作に係るアドバイスを提供するか否かを判定するアドバイス提供判定ステップと、前記アドバイス提供判定ステップにおいてアドバイスを提供すると判定された場合に前記車両操作に係るアドバイスを提供するアドバイス提供ステップと、前記アドバイス提供ステップにおいてアドバイスが提供される前の前記運転者の車両操作と該アドバイスが提供された後の前記運転者の車両操作とを比較する車両操作比較ステップと、を有し、前記アドバイス提供判定ステップは、過去に前記アドバイス提供ステップにおいてアドバイスが提供された際の前記車両操作比較ステップの比較結果に基づいて、アドバイスを提供するか否かを判定することを特徴とする。
【0014】
更に、請求項6に係るコンピュータプログラムは、コンピュータに搭載され、運転者の車両操作を診断するとともに、前記診断の結果が所定の提供条件を満たした場合に車両操作に係るアドバイスを提供するか否かを判定するアドバイス提供判定機能と、前記アドバイス提供判定機能によってアドバイスを提供すると判定された場合に前記車両操作に係るアドバイスを提供するアドバイス提供機能と、前記アドバイス提供機能によってアドバイスが提供される前の前記運転者の車両操作と該アドバイスが提供された後の前記運転者の車両操作とを比較する車両操作比較機能と、を実行させるとともに、前記アドバイス提供判定機能は、過去に前記アドバイス提供機能によりアドバイスが提供された際の前記車両操作比較機能の比較結果に基づいて、アドバイスを提供するか否かを判定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
前記構成を有する請求項1に係る車両操作診断装置では、アドバイスの提供条件を満たした場合に、アドバイスが提供される前の車両操作とアドバイスが提供された後の車両操作との比較結果に基づいて、アドバイスを提供するか否かを判定するので、運転者毎の状況を考慮して、車両操作を環境面や安全性の面から適切に評価してアドバイスを提供することが可能となる。また、運転者がアドバイスに煩わしさを感じることなく、環境に良い運転や安全運転を継続させるモチベーションを与えることを可能とする。
【0016】
また、請求項2に係る車両操作診断装置では、アドバイスの提供条件に該当したとしても運転者にとって必要な車両操作(例えば、寒冷地に住む運転者が冬季に行う停車中のアイドリング等)については、診断結果で否定的な結果が出た場合であっても車両操作を正す為のアドバイスを提供しないので、該当する車両操作を行う度にアドバイスが提供されることを防止できる。
【0017】
また、請求項3に係る車両操作診断装置では、普段は環境面や安全性の面で適切な運転をしている場合において稀に発生する緊急時の急ブレーキ等の運転者に非の無い車両操作については、診断結果で否定的な結果が出た場合であっても車両操作を正す為のアドバイスを提供しないので、運転者の運転操作を正しく評価したアドバイスのみを提供することが可能となる。
【0018】
また、請求項4に係る車両操作診断装置では、過去に同じ診断結果に基づくアドバイスが提供された際のアドバイス前後の車両操作の比較結果に基づいて、アドバイスを提供するか否かを判定するので、提供条件を満たしたアドバイスが運転者の運転操作を正しく評価したアドバイスであるか否かを適切に判定することが可能となる。
【0019】
また、請求項5に係る車両操作診断方法では、アドバイスの提供条件を満たした場合に、アドバイスが提供される前の車両操作とアドバイスが提供された後の車両操作との比較結果に基づいて、アドバイスを提供するか否かを判定するので、運転者毎の状況を考慮して、車両操作を環境面や安全性の面から適切に評価してアドバイスを提供することが可能となる。また、運転者がアドバイスに煩わしさを感じることなく、環境に良い運転や安全運転を継続させるモチベーションを与えることを可能とする。
【0020】
更に、請求項6に係るコンピュータプログラムでは、アドバイスの提供条件を満たした場合に、アドバイスが提供される前の車両操作とアドバイスが提供された後の車両操作との比較結果に基づいて、アドバイスを提供するか否かをコンピュータに判定させるので、運転者毎の状況を考慮して、車両操作を環境面や安全性の面から適切に評価してアドバイスを提供させることが可能となる。また、運転者がアドバイスに煩わしさを感じることなく、環境に良い運転や安全運転を継続させるモチベーションを与えることを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】第1実施形態に係るナビゲーション装置を示したブロック図である。
【図2】車両操作診断判定テーブルの一例を示した模式図である。
【図3】第1実施形態に係る車両操作診断処理プログラムのフローチャートである。
【図4】液晶ディスプレイに表示されるアドバイス提供画面を示した図である。
【図5】第1実施形態に係る車両操作学習処理プログラムのフローチャートである。
【図6】第2実施形態に係る車両操作診断処理プログラムのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明に係る車両操作診断装置についてナビゲーション装置に具体化した第1実施形態及び第2実施形態に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0023】
[第1実施形態]
先ず、第1実施形態に係るナビゲーション装置1の概略構成について図1を用いて説明する。図1は第1実施形態に係るナビゲーション装置1を示したブロック図である。
図1に示すように第1実施形態に係るナビゲーション装置1は、車両の現在位置を検出する現在位置検出部11と、各種のデータが記録されたデータ記録部12と、入力された情報に基づいて、各種の演算処理を行うナビゲーションECU(アドバイス提供判定手段、アドバイス提供手段、車両操作比較手段、改善判定手段、頻度取得手段)13と、ユーザからの操作を受け付ける操作部14と、ユーザに対して地図や運転者の車両操作を診断した診断結果に基づくアドバイス等に関する各種情報を表示する液晶ディスプレイ15と、経路案内に関する音声ガイダンスを出力するスピーカ16と、プログラムを記憶した記憶媒体であるDVDを読み取るDVDドライブ17と、交通情報センタ等の情報センタとの間で通信を行う通信モジュール18と、CANインターフェース19とから構成されている。
【0024】
以下に、ナビゲーション装置1を構成する各構成要素について順に説明する。
現在位置検出部11は、GPS21、車速センサ22、ステアリングセンサ23、ジャイロセンサ24、高度計(図示せず)等からなり、現在の車両の位置、方位、車両の走行速度等を検出することが可能となっている。ここで、特に車速センサ22は、車両の移動距離や車速を検出する為のセンサであり、車両の車輪の回転に応じてパルスを発生させ、パルス信号をナビゲーションECU13に出力する。そして、ナビゲーションECU13は発生するパルスを計数することにより車輪の回転速度や移動距離を算出する。尚、上記4種類のセンサをナビゲーション装置1が全て備える必要はなく、これらの内の1又は複数種類のセンサのみをナビゲーション装置1が備える構成としても良い。
【0025】
また、データ記録部12は、外部記憶装置及び記録媒体としてのハードディスク(図示せず)と、ハードディスクに記録された地図情報DB31や車両操作履歴DB32や車両操作診断判定テーブル33や所定のプログラム等を読み出すとともにハードディスクに所定のデータを書き込む為のドライバである記録ヘッド(図示せず)とを備えている。
【0026】
ここで、地図情報DB31は、経路案内、交通情報案内及び地図表示に必要な各種地図データが記録されている。
また、地図データは、具体的には、道路(リンク)形状に関するリンクデータ34、ノード点に関するノードデータ35、施設等の地点に関する情報であるPOIデータ、各交差点に関する交差点データ、経路を探索するための探索データ、地点を検索するための検索データ、地図、道路、交通情報等の画像を液晶ディスプレイ15に描画するための画像描画データ等から構成されている。
【0027】
また、車両操作履歴DB32は、過去に実行された運転者の車両操作の履歴を累積して記憶するDBである。そして、ナビゲーションECU13は、後述のように車両操作履歴DB32に記憶された運転者の車両操作履歴に基づいて、アドバイスが提供される前とアドバイスが提供された後の運転者の車両操作履歴を比較し、アドバイス提供後の運転者の車両操作がアドバイス提供前に比べて改善しているか否かの判定を行う。
【0028】
また、車両操作診断判定テーブル33は、走行時に運転者が行った車両操作が環境面や安全性の面で適切であったか否かを診断する処理(以下、車両操作診断処理という)を行うに際して、走行時に運転者が行った車両操作が環境面や安全性の面で適切であったか否かを診断するのに用いられるテーブルである。そして、車両操作診断判定テーブル33では、複数の診断項目と、診断項目毎に設定されたアドバイス提供条件と、アドバイス提供条件を満たした場合に提供されるアドバイスの内容とが関連付けて記憶される。
そして、車両操作診断処理では、ナビゲーションECU13は診断項目毎にアドバイス提供条件に関連する運転者の車両操作(例えば、アイドリンク時間、急ブレーキ操作など)を、アドバイス提供条件との比較を行うことにより診断する。そして、診断結果がアドバイス提供条件を満たしたか否かを判定する。その結果、アドバイス提供条件を満たしたと判定された場合に、条件を満たしたアドバイス提供条件に関連付けられたアドバイスを提供する。但し、後述のように過去に同一の診断結果(例えば、アイドリングが継続して5分以上実施)に基づくアドバイスが提供された際において、アドバイスが提供される前とアドバイスが提供された後の運転者の車両操作履歴を比較した結果、アドバイス提供後の運転者の車両操作がアドバイス提供前に比べて改善していないと判定された場合には、アドバイス提供条件を満たしていたとしてもアドバイスの提供は行わない。
【0029】
以下に、図2を用いて車両操作診断処理について複数の例を挙げて説明する。図2は車両操作診断判定テーブル33の一例について示した図である。
【0030】
図2に示すように、例えば、環境面から運転者の車両操作を診断する診断項目の一つである「燃費診断」では、ナビゲーションECU13は車両の燃料消費量について診断する。そして、その診断結果がアドバイス提供条件(車両の毎分当たりの燃料消費量が所定量以上)を満たした場合には、燃料消費量を減らして環境に貢献することをアドバイスする。具体的には「地球にやさしい運転を心がけましょう。」との案内を行う。
【0031】
また、環境面から運転者の車両操作を診断する診断項目の一つである「アイドリング診断」では、ナビゲーションECU13は車両のアイドリング時間について診断する。そして、その診断結果がアドバイス提供条件(アイドリングが継続して5分以上実施)を満たした場合には、アイドリング時間を減らして環境に貢献することをアドバイスする。具体的には「短い時間でもエンジンを切り、アイドリングをストップしましょう。」との案内を行う。
【0032】
また、安全性の面から運転者の車両操作を診断する診断項目の一つである「車間距離診断」では、ナビゲーションECU13は自車両の進行方向前方に他車両がある場合に、前方車両との車間距離について診断する。そして、その診断結果がアドバイス提供条件(前方車両との車間距離が所定距離未満)を満たした場合には、車間距離を広げて安全な運転を行うことをアドバイスする。具体的には「適切な車間距離をとりましょう。」との案内を行う。
【0033】
また、安全性の面から運転者の車両操作を診断する診断項目の一つである「急アクセル診断」では、ナビゲーションECU13は車両の急アクセル操作について診断する。そして、その診断結果がアドバイス提供条件(急アクセル操作の実行)を満たした場合には、急アクセルを控えて安全な運転を行うことをアドバイスする。具体的には「緩やかなアクセル操作を心がけましょう。」との案内を行う。
【0034】
また、安全性の面から運転者の車両操作を診断する診断項目の一つである「急ブレーキ診断」では、ナビゲーションECU13は車両の急ブレーキ操作について診断する。そして、その診断結果がアドバイス提供条件(急ブレーキ操作の実行)を満たした場合には、急ブレーキを控えて安全な運転を行うことをアドバイスする。具体的には「早めのブレーキを心がけましょう。」との案内を行う。
尚、説明は省略するが、車両操作診断処理では、他にも一時停止線手前での減速を診断したり、シートベルトの着用を診断すること等を行う。
【0035】
一方、ナビゲーションECU(エレクトロニック・コントロール・ユニット)13は、目的地が選択された場合に現在位置から目的地までの案内経路を設定する案内経路設定処理、走行時に運転者が行った車両操作が環境性や安全性の面で適切であったか否かを診断する車両操作診断処理等のナビゲーション装置1の全体の制御を行う電子制御ユニットである。そして、演算装置及び制御装置としてのCPU41、並びにCPU41が各種の演算処理を行うにあたってワーキングメモリとして使用されるとともに、経路が探索されたときの経路データ等が記憶されるRAM42、制御用のプログラムのほか、車両操作診断処理プログラム(図3参照)や車両操作学習処理プログラム(図5参照)等が記録されたROM43、ROM43から読み出したプログラムを記憶するフラッシュメモリ44等の内部記憶装置を備えている。
【0036】
操作部14は、走行開始地点としての出発地及び走行終了地点としての目的地を入力する際等に操作され、各種のキー、ボタン等の複数の操作スイッチ(図示せず)から構成される。そして、ナビゲーションECU13は、各スイッチの押下等により出力されるスイッチ信号に基づき、対応する各種の動作を実行すべく制御を行う。尚、液晶ディスプレイ15の前面に設けたタッチパネルによって構成することもできる。
【0037】
また、液晶ディスプレイ15には、道路を含む地図画像、交通情報、操作案内、操作メニュー、キーの案内、出発地から目的地までの案内経路、案内経路に沿った案内情報、ニュース、天気予報、時刻、メール、テレビ番組等が表示される。また、運転者の車両操作の診断が行われた場合には、診断結果を表示する。
【0038】
また、スピーカ16は、ナビゲーションECU13からの指示に基づいて案内経路に沿った走行を案内する音声ガイダンスや、交通情報の案内を出力する。また、運転者の車両操作の診断が行われた場合には、診断結果を音声で案内する。
【0039】
また、DVDドライブ17は、DVDやCD等の記録媒体に記録されたデータを読み取り可能なドライブである。そして、読み取ったデータに基づいて地図情報DB31の更新等が行われる。
【0040】
また、通信モジュール18は、交通情報センタ、例えば、VICS(登録商標:Vehicle Information and Communication System)センタやプローブセンタ等から送信された渋滞情報、規制情報、交通事故情報等の各情報から成る交通情報を受信する為の通信装置であり、例えば携帯電話機やDCMが該当する。
【0041】
また、CAN(コントローラエリアネットワーク)インターフェース19は、車両内に設置された各種制御ECU間で多重通信を行う車載ネットワーク規格であるCANに対して、データの入出力を行うインターフェースである。そして、ナビゲーションECU13は、CANを介して、車両を制御する各種制御ECU(例えば、アクセル制御ECU、ブレーキ制御ECU、エンジン制御ECU、ミリ波レーダ制御ECUなど)と相互通信可能に接続される。更に、ナビゲーションECU13は、CANを介して各種制御ECUから取得した各パラメータ(アクセル開度、ブレーキ量、アイドリングの有無、燃費、前方車両との車間距離など)に基づいて、後述のように運転者の車両操作の診断を行う。
【0042】
続いて、前記構成を有するナビゲーション装置1において実行する車両操作診断処理プログラムについて図3に基づき説明する。図3は第1実施形態に係る車両操作診断処理プログラムのフローチャートである。ここで、車両操作診断処理プログラムは、車両のACCがONされた後に所定時間間隔(例えば200msec毎)で実行され、走行時に運転者が行った車両操作が環境面や安全性の面で適切であったか否かを診断するプログラムである。尚、以下の図3、図5にフローチャートで示されるプログラムは、ナビゲーションECU13が備えているRAM42、ROM43等に記憶されており、CPU41により実行される。
【0043】
先ず、車両操作診断処理プログラムでは、ステップ(以下、Sと略記する)1において、CPU41は車両に関する車両情報(具体的には、車速、アクセル開度、ブレーキ量、アイドリングの有無、燃費、前方車両との車間距離など)を車速センサ22、ステアリングセンサ23、ジャイロセンサ24等の各種センサやCANを介して取得する。
【0044】
次に、S2においてCPU41は、前記S1で取得した車両情報に基づいて、運転者の車両操作の診断を行う。具体的には、CPU41は、前記S1で取得した車両情報と車両操作診断判定テーブル33(図2)に基づいて、診断項目毎に設定されたアドバイス提供条件に関連する運転者の車両操作(例えば、アイドリンク時間、急ブレーキ操作など)を、アドバイス提供条件との比較を行うことにより診断する。そして、いずれかの診断項目のアドバイス提供条件を満たしているか判定する。
【0045】
続いて、S3においてCPU41は、前記S2の車両操作診断の結果、いずれかの診断項目のアドバイス提供条件を満たしているか判定する。そして、いずれかの診断項目のアドバイス提供条件を満たしていると判定された場合(S3:YES)には、S4へと移行する。それに対して、いずれの診断項目のアドバイス提供条件も満たしていないと判定された場合(S3:NO)には、アドバイスの提供を行うことなく当該車両操作診断処理プログラムを終了する。
【0046】
S4においてCPU41は、アドバイス提供条件を満たしたと判定された診断項目に対応する車両操作改善フラグをRAM42から読み出し、フラグがONとなっているか否かを判定する。ここで、車両操作改善フラグは、アドバイスが提供された後に運転者の車両操作が改善したか否かを示すフラグである。そして、CPU41は後述の車両操作学習処理プログラム(図5参照)において、アドバイスが提供される前とアドバイスが提供された後の運転者の車両操作履歴を比較した結果、アドバイス提供後の運転者の車両操作がアドバイス提供前に比べて改善していると判定された場合に、提供されたアドバイスに係る診断項目の車両操作改善フラグをONする。一方、運転者の車両操作が改善していないと判定された場合には、提供されたアドバイスに係る診断項目の車両操作改善フラグをOFFする。
即ち、S4においてCPU41は、過去に同一の診断結果に基づくアドバイスが提供された際において、アドバイス提供後の運転者の車両操作がアドバイス提供前に比べて改善しているか否かが判定される。
【0047】
そして、アドバイス提供条件を満たしたと判定された診断項目に対応する車両操作改善フラグがONであると判定された場合(S4:YES)、即ち、過去に同一の診断結果に基づくアドバイスが提供された際において、アドバイス提供後の運転者の車両操作がアドバイス提供前に比べて改善している場合には、S5へと移行する。一方、アドバイス提供条件を満たしたと判定された診断項目に対応する車両操作改善フラグがOFFであると判定された場合(S4:NO)、即ち、過去に同一の診断結果に基づくアドバイスが提供された際において、アドバイス提供後の運転者の車両操作がアドバイス提供前に比べて改善していない場合には、アドバイスの提供を行うことなく当該車両操作診断処理プログラムを終了する。その結果、アドバイス提供条件に該当したとしても運転者にとって必要な車両操作(例えば、寒冷地に住む運転者が冬季に行う停車中のアイドリング等)については、該当する車両操作を行う度にアドバイスが提供されることを防止できる。
【0048】
また、S5においてCPU41は、条件を満たしたアドバイス提供条件に関連付けられたアドバイスを液晶ディスプレイ15やスピーカ16を用いて運転者に提供する。
ここで、図4は前記S5で液晶ディスプレイ15に表示されるアドバイス提供画面を示した図である。尚、図4に示す例では、車両がアイドリングを継続して5分以上実施し、且つ過去にアイドリンク診断に係るアドバイスが提供された際において、アドバイスが提供後に運転者の車両操作が改善している場合に表示されるアドバイス提供画面を示す。アドバイス提供画面では、アイドリング時間を減少させ、環境への貢献を促す為に「短い時間でもエンジンを切り、アイドリングをストップしましょう。」とのメッセージを地図画面上に配置されたウィンドウ71に表示する。それによって、運転者に次回以降のアイドリング時間の減少を促すことが可能となる。
【0049】
次に、ナビゲーション装置1において実行する車両操作学習処理プログラムについて図5に基づき説明する。図5は第1実施形態に係る車両操作学習処理プログラムのフローチャートである。ここで、車両操作学習処理プログラムは、前記S5においてアドバイスが提供されてから所定時間後(例えば24時間後)に実行され、アドバイスが提供された後に運転者の車両操作が改善したか否かを判定するプログラムである。
【0050】
先ず、車両操作学習処理プログラムでは、S11においてCPU41は、前記S5でアドバイスが提供された前後所定時間内(例えば、前後24時間以内)の運転者の車両操作履歴を車両操作履歴DB32から読み出す。
【0051】
次に、S12においてCPU41は、アドバイスが提供される前とアドバイスが提供された後の運転者の車両操作履歴を比較する。尚、比較されるのは提供されたアドバイスに関連する運転者の車両操作(例えば、アイドリンク時間に関するアドバイスが提供された場合にはアイドリング時間)である。
【0052】
そして、S13においてCPU41は、前記S12の運転者の車両操作履歴の比較結果に基づいて、アドバイスが提供される前よりアドバイスが提供された後の運転者の車両操作が改善しているか否か判定する。具体的には、アイドリンク時間に関するアドバイスが提供された場合には、アドバイス提供後のアイドリングの合計時間がアドバイス提供前より短くなっている場合に、運転者の車両操作が改善していると判定する。また、急ブレーキに関するアドバイスが提供された場合には、アドバイス提供後の急ブレーキの回数がアドバイス提供前より少なくなっている場合に、運転者の車両操作が改善していると判定する。
【0053】
前記S13の判定の結果、アドバイスが提供される前よりアドバイスが提供された後の運転者の車両操作が改善していると判定された場合(S13:YES)には、提供されたアドバイスの診断項目に対応する車両操作改善フラグをRAM42から読み出し、フラグをONに設定する(S14)。
【0054】
一方、アドバイスが提供される前よりアドバイスが提供された後の運転者の車両操作が改善していないと判定された場合(S13:NO)には、提供されたアドバイスの診断項目に対応する車両操作改善フラグをRAM42から読み出し、フラグをOFFに設定する(S15)。その後、当該車両操作学習処理プログラムを終了する。
【0055】
以上詳細に説明した通り、第1実施形態に係るナビゲーション装置1、ナビゲーション装置1による車両操作診断方法及びナビゲーション装置1のナビゲーションECU13により実行されるコンピュータプログラムでは、運転者の車両操作を診断した結果、診断項目毎に設定されたアドバイス提供条件を満たすと判定された場合には、過去に同一の診断結果に基づくアドバイスが提供された際において、アドバイス提供後の運転者の車両操作がアドバイス提供前に比べて改善しているか否か判定し(S4)、運転者の車両操作が改善していないと判定された場合にはアドバイスの提供を行わないように構成するので、運転者毎の状況を考慮して、車両操作を環境面や安全性の面から適切に評価してアドバイスを提供することが可能となる。また、運転者がアドバイスに煩わしさを感じることなく、環境に良い運転や安全運転を継続させるモチベーションを与えることを可能とする。
そして、アドバイスの提供条件に該当したとしても運転者にとって必要な車両操作(例えば、寒冷地に住む運転者が冬季に行う停車中のアイドリング等)については、診断結果で否定的な結果が出た場合であっても車両操作を正す為のアドバイスを提供しないので、該当する車両操作を行う度にアドバイスが提供されることを防止できる。
また、過去に同じ診断結果に基づくアドバイスが提供された際のアドバイス前後の車両操作の比較結果に基づいて、アドバイスを提供するか否かを判定するので、提供条件を満たしたアドバイスが運転者の運転操作を正しく評価したアドバイスであるか否かを適切に判定することが可能となる。
【0056】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係るナビゲーション装置について、図6に基づいて説明する。尚、以下の説明において上記図1乃至図5の第1実施形態に係るナビゲーション装置1等の構成と同一符号は、前記第1実施形態に係るナビゲーション装置1等の構成と同一あるいは相当部分を示すものである。
【0057】
この第2実施形態に係るナビゲーション装置の概略構成は、第1実施形態に係るナビゲーション装置1とほぼ同じ構成である。また、各種制御処理も第1実施形態に係るナビゲーション装置1とほぼ同じ制御処理である。
ただし、第2実施形態に係るナビゲーション装置は、アドバイスの前後で運転者の車両操作が改善しているか否かに加えて、アドバイス提供条件を満たす頻度についても考慮してアドバイスを行うか否か判定する点で第1実施形態に係るナビゲーション装置1と異なっている。
【0058】
以下に、第2実施形態に係るナビゲーション装置において実行する車両操作診断処理プログラムについて図6に基づき説明する。ここで、第2実施形態に係る車両操作診断処理プログラムは、車両のACCがONされた後に所定時間間隔(例えば200msec毎)で実行され、走行時に運転者が行った車両操作が環境面や安全性の面で適切であったか否かを診断するプログラムである。
【0059】
先ず、S21においてCPU41は車両に関する車両情報(具体的には、車速、アクセル開度、ブレーキ量、アイドリングの有無、燃費、前方車両との車間距離など)を車速センサ22、ステアリングセンサ23、ジャイロセンサ24等の各種センサやCANを介して取得する。
【0060】
次に、S22においてCPU41は、前記S21で取得した車両情報に基づいて、運転者の車両操作の診断を行う。尚、前記S22で実行される車両操作の診断処理については、第1実施形態の車両操作診断処理プログラムにおいて実行される前記S2の処理と同様の処理であるので、説明は省略する。
【0061】
続いて、S23においてCPU41は、前記S2の車両操作診断の結果、いずれかの診断項目のアドバイス提供条件を満たしているか判定する。そして、いずれかの診断項目のアドバイス提供条件を満たしていると判定された場合(S23:YES)には、S24へと移行する。それに対して、いずれの診断項目のアドバイス提供条件も満たしていないと判定された場合(S23:NO)には、アドバイスの提供を行うことなく当該車両操作診断処理プログラムを終了する。
【0062】
S24においてCPU41は、過去の所定時間内(例えば、過去72時間以内)の運転者の車両操作履歴を車両操作履歴DB32から読み出し、前記S23でアドバイス提供条件を満たしたと判定されたアドバイス提供条件を、過去に車両が満たした頻度を取得する。
【0063】
次に、S25においてCPU41は、前記S23でアドバイス提供条件を満たしたと判定された診断項目に対応する車両操作改善フラグをRAM42から読み出し、フラグがONとなっているか否か、即ち、過去に同一の診断結果に基づくアドバイスが提供された際において、アドバイス提供後の運転者の車両操作がアドバイス提供前に比べて改善しているか否かを判定する。尚、車両操作改善フラグについては第1実施形態に係るナビゲーション装置1と同内容であるので、詳細は省略する。
【0064】
そして、アドバイス提供条件を満たしたと判定された診断項目に対応する車両操作改善フラグがONであると判定された場合(S25:YES)、即ち、過去に同一の診断結果に基づくアドバイスが提供された際において、アドバイス提供後の運転者の車両操作がアドバイス提供前に比べて改善している場合には、S26へと移行する。一方、アドバイス提供条件を満たしたと判定された診断項目に対応する車両操作改善フラグがOFFであると判定された場合(S25:NO)、即ち、過去に同一の診断結果に基づくアドバイスが提供された際において、アドバイス提供後の運転者の車両操作がアドバイス提供前に比べて改善していない場合には、S27へと移行する。
【0065】
次に、S26においてCPU41は、前記S24で取得したアドバイスの提供条件を満たす頻度(即ち、前記S23でアドバイス提供条件を満たしたと判定されたアドバイス提供条件を過去に車両が満たした頻度)が所定頻度以下か否か判定する。ここで、所定頻度はアドバイスの提供条件によって異なる。例えば、アドバイスの提供条件が“アイドリンクが継続して5分以上実施”である場合には、1回/日とする。また、アドバイスの提供条件が“急ブレーキ操作実行”である場合には、1回/時間とする。
【0066】
そして、前記S23でアドバイス提供条件を満たしたと判定されたアドバイス提供条件を過去に車両が満たした頻度が所定頻度以下であると判定された場合(S26:YES)には、アドバイスの提供を行うことなく当該車両操作診断処理プログラムを終了する。その結果、普段は環境面や安全性の面で適切な運転をしている場合において稀に発生する緊急時の急ブレーキ等の運転者に非の無い車両操作については、診断結果で否定的な結果が出た場合であっても車両操作を正す為のアドバイスを提供することを防止できる。
【0067】
一方、前記S23でアドバイス提供条件を満たしたと判定されたアドバイス提供条件を過去に車両が満たした頻度が所定頻度より高いと判定された場合(S26:NO)には、S27へと移行する。
【0068】
続いて、S27においてCPU41は、条件を満たしたアドバイス提供条件に関連付けられたアドバイスを液晶ディスプレイ15やスピーカ16を用いて運転者に提供する(図4参照)。
【0069】
以上詳細に説明した通り、第2実施形態に係るナビゲーション装置1、ナビゲーション装置1による車両操作診断方法及びナビゲーション装置1のナビゲーションECU13により実行されるコンピュータプログラムでは、運転者の車両操作を診断した結果、診断項目毎に設定されたアドバイス提供条件を満たすと判定された場合には、過去に同一の診断結果に基づくアドバイスが提供された際において、アドバイス提供後の運転者の車両操作がアドバイス提供前に比べて改善しているか否か判定し(S25)、更に、アドバイス提供条件を満たしたと判定されたアドバイス提供条件を過去に車両が満たした頻度が所定頻度以下であるか否かを判定し(S26)、運転者の車両操作が改善し、且つアドバイス提供条件を過去に車両が満たした頻度が所定頻度以下であると判定された場合には、アドバイスの提供を行わないように構成するので、運転者毎の状況を考慮して、車両操作を環境面や安全性の面から適切に評価してアドバイスを提供することが可能となる。また、運転者がアドバイスに煩わしさを感じることなく、環境に良い運転や安全運転を継続させるモチベーションを与えることを可能とする。
例えば、普段は環境面や安全性の面で適切な運転をしている場合において稀に発生する緊急時の急ブレーキ等の運転者に非の無い車両操作については、診断結果で否定的な結果が出た場合であっても車両操作を正す為のアドバイスを提供しないので、運転者の運転操作を正しく評価したアドバイスのみを提供することが可能となる。
また、過去に同じ診断結果に基づくアドバイスが提供された際のアドバイス前後の車両操作の比較結果に基づいて、アドバイスを提供するか否かを判定するので、提供条件を満たしたアドバイスが運転者の運転操作を正しく評価したアドバイスであるか否かを適切に判定することが可能となる。
【0070】
尚、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。
例えば、第1実施形態及び第2実施形態では、通常時はアドバイス提供条件を満たす度にアドバイスを提供する構成としているが、アドバイス提供条件を満たした回数をカウントし、カウント値が所定値に到達した時点でアドバイスを提供するように構成しても良い。例えば、図2に示す「アイドリング診断」では、アイドリングが継続して5分以上実施された回数をカウントし、そのカウント値が所定値(例えば5)に到達した時点で、「短い時間でもエンジンを切り、アイドリングをストップしましょう。」とのメッセージを案内するように構成する。
【0071】
また、第1実施形態及び第2実施形態では、アドバイス提供条件を満たした時点で該当するアドバイスを提供するように構成しているが、ACCをONした場合や定期的にそれまでにアドバイス提供条件を満たしたアドバイスをまとめて提供するように構成しても良い。
【符号の説明】
【0072】
1 ナビゲーション装置
13 ナビゲーションECU
31 地図情報DB
32 車両操作履歴DB
33 車両操作診断判定テーブル
41 CPU
42 RAM
43 ROM

【特許請求の範囲】
【請求項1】
運転者の車両操作を診断するとともに、前記診断の結果が所定の提供条件を満たした場合に車両操作に係るアドバイスを提供するか否かを判定するアドバイス提供判定手段と、
前記アドバイス提供判定手段によってアドバイスを提供すると判定された場合に前記車両操作に係るアドバイスを提供するアドバイス提供手段と、
前記アドバイス提供手段によってアドバイスが提供される前の前記運転者の車両操作と該アドバイスが提供された後の前記運転者の車両操作とを比較する車両操作比較手段と、を有し、
前記アドバイス提供判定手段は、過去に前記アドバイス提供手段によりアドバイスが提供された際の前記車両操作比較手段の比較結果に基づいて、アドバイスを提供するか否かを判定することを特徴とする車両操作診断装置。
【請求項2】
前記アドバイス提供判定手段は、
過去に前記アドバイス提供手段によりアドバイスが提供された際の前記車両操作比較手段の比較結果に基づいて、前記アドバイス提供手段によってアドバイスが提供された後の前記運転者の車両操作が該アドバイスの提供される前の前記運転者の車両操作よりも改善しているか否かを判定する改善判定手段を備え、
前記改善判定手段により前記運転者の車両操作が改善していないと判定された場合には、前記提供条件を満たした場合であっても前記アドバイス提供手段によるアドバイスの提供を行わないと判定することを特徴とする請求項1に記載の車両操作診断装置。
【請求項3】
前記アドバイス提供判定手段は、
過去に前記アドバイス提供手段によりアドバイスが提供された際の前記車両操作比較手段の比較結果に基づいて、前記アドバイス提供手段によってアドバイスが提供された後の前記運転者の車両操作が該アドバイスの提供される前の前記運転者の車両操作よりも改善しているか否かを判定する改善判定手段と、
前記運転者の車両操作の診断の結果が前記提供条件を満たす頻度を取得する頻度取得手段と、
を備え、
前記改善判定手段により前記運転者の車両操作が改善していると判定された場合であって、前記提供条件を満たす頻度が所定頻度以下である場合には、前記アドバイス提供手段によるアドバイスの提供を行わないと判定することを特徴とする請求項1に記載の車両操作診断装置。
【請求項4】
前記アドバイス提供判定手段は、過去に同一の診断の結果に基づくアドバイスが前記アドバイス提供手段により提供された際の前記車両操作比較手段の比較結果に基づいて、アドバイスを提供するか否かを判定することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の車両操作診断装置。
【請求項5】
運転者の車両操作を診断するとともに、前記診断の結果が所定の提供条件を満たした場合に車両操作に係るアドバイスを提供するか否かを判定するアドバイス提供判定ステップと、
前記アドバイス提供判定ステップにおいてアドバイスを提供すると判定された場合に前記車両操作に係るアドバイスを提供するアドバイス提供ステップと、
前記アドバイス提供ステップにおいてアドバイスが提供される前の前記運転者の車両操作と該アドバイスが提供された後の前記運転者の車両操作とを比較する車両操作比較ステップと、を有し、
前記アドバイス提供判定ステップは、過去に前記アドバイス提供ステップにおいてアドバイスが提供された際の前記車両操作比較ステップの比較結果に基づいて、アドバイスを提供するか否かを判定することを特徴とする車両操作診断方法。
【請求項6】
コンピュータに搭載され、
運転者の車両操作を診断するとともに、前記診断の結果が所定の提供条件を満たした場合に車両操作に係るアドバイスを提供するか否かを判定するアドバイス提供判定機能と、
前記アドバイス提供判定機能によってアドバイスを提供すると判定された場合に前記車両操作に係るアドバイスを提供するアドバイス提供機能と、
前記アドバイス提供機能によってアドバイスが提供される前の前記運転者の車両操作と該アドバイスが提供された後の前記運転者の車両操作とを比較する車両操作比較機能と、を実行させるとともに、
前記アドバイス提供判定機能は、過去に前記アドバイス提供機能によりアドバイスが提供された際の前記車両操作比較機能の比較結果に基づいて、アドバイスを提供するか否かを判定することを特徴とするコンピュータプログラム。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2010−237969(P2010−237969A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−85445(P2009−85445)
【出願日】平成21年3月31日(2009.3.31)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】