説明

車両用のハイブリッド型発電システム

本発明の車両用発電機は、バッテリーパックに機能的に接続された高温PEM型燃料電池システムを含む。PEM型燃料電池システムとバッテリーパックとの間に、電力調整器が機能的に接続されている。本発明の発電システムは、水蒸気改質器または自己熱改質器などの燃料処理装置を含む。前記改質器は、様々な種類の燃料を改質することができるように設計されている。本発明の発電システムは、同等の走行可能距離を有するバッテリー式電気自動車よりも潜在的に低いコストで、車両の走行可能距離を伸ばすことができる。これらの構成要素を統合して単一のシステムとすることにより、車両を燃料フレキシブルにすること、すなわちシステムのハードウェアを交換することなく様々な種類の燃料を使用することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2009年12月3日出願の米国特許仮出願第61/266,468号及び2010年5月28日出願の米国特許非仮出願第12/790,701号の利益を主張するものであり、上記両出願の開示内容は参照により本明細書に援用されるものとする。
【0002】
(技術分野)
本発明は概して、エネルギー貯蔵及び生成装置に関し、より具体的には、車両の駆動を支援するための該装置の使用に関する。
【背景技術】
【0003】
一般的に、電気自動車の駆動のための電力はバッテリーによって提供される。このようなバッテリーは一般的に、プラグイン機構を通じて、電力網からの電力を用いて充電される。最新式のバッテリーは、最新式の内燃機関、外燃機関または燃料電池よりも大幅に重いマスエンベロープ(mass envelope)内にエネルギーを電気的に蓄えることができる。このため、バッテリー式電気自動車の走行可能距離は、所望の走行可能距離を実現するのに必要とされるエネルギーを貯蔵するために必要なバッテリーの重量、サイズ及びコストによって制限される。そのため、バッテリー式電気自動車の走行可能距離は、一般に、同等の内燃機関、外燃機関または燃料電池を動力源とする車両の走行可能距離よりも短くなる。
【0004】
また、バッテリー式電気自動車のバッテリーの充電は、時間がかかり、かつ、大量のエネルギーを消費するプロセスであった。このことは、バッテリー式電気自動車の走行可能距離の問題に悪影響を及ぼす。運転手の目指す目的地に到達する前に車両の走行可能距離の限界に達するという、時間的な不利益が存在するからである。そのため、バッテリー式電気自動車のバッテリーの充電量が減少した状態のときに、該電気自動車の運転手の多くが体験するストレス感を表す「走行距離不安症(range anxiety)」という用語が作り出された。
【0005】
そして、バッテリー式電気自動車の大きな制約は、電気でしか燃料補給(すなわち充電)を行えないことである。そのため、電気自動車の環境影響は、大部分のユーザがほとんど管理できない事項である電力を生成する方法と結びついている。電力が主に石炭から生成される地域では、バッテリー式電気自動車の環境影響は、同等のガソリン車よりも大きくなるであろう。
【0006】
バッテリー式電気自動車の走行可能距離、燃料補給時間及び燃料補給源の問題を解決するために、内燃機関、外燃機関または燃料電池発電機を組み込むことが提案されている。これらの発電機は、利用可能な燃料を用いて燃料補給することができる。前記燃料の化学エネルギーを電気エネルギーへ変換することに関連する非効率を差し引いても、前記燃料の化学エネルギーによって電気自動車が持ち運ぶエネルギーは増加する。前記発電機は、主に、電気自動車のバッテリーを再充電するために、または、前記バッテリーから取り出す電気エネルギーの量を減らすために使用される。
【0007】
しかしながら、内燃機関をバッテリーパックと共に使用することは技術的に複雑であるため、過度のエネルギー損失をもたらす。その場合、電気自動車の効率は低下し、必要とされるエンジンのサイズは増大する。最大の障壁は、内燃機関から出力された力学エネルギーを、発電機によって電気エネルギーへ変換することである。さらに、前記発電機の電気出力は、電気自動車のバッテリーの電圧に適合するように変換する必要がある。これらのエネルギー変換ステップはエンジンの全体効率を減少させ、その上、エンジンの重量、サイズ及びコストを増加させる。
【0008】
さらに、内燃機関は、燃焼ムラのある燃焼過程及び燃焼室内での圧縮及び膨張過程に起因して、本質的に窒素酸化物(NOx)を排出する。高い燃焼温度及び高い圧力は、NOxの形成を促進する。NOxは地表近くで生成されるオゾンの前駆体であり、小児の肺疾患及び慢性ぜんそくの主要原因である。
【0009】
そして、燃焼機関は、様々な燃料を用いることができるが、複数種類の燃料を使用できることはめったにない。例えば、無鉛ガソリンエンジンがディーゼル燃料で作動する能力を有することは非常にまれである。この限界は、燃料の種類毎に必要とされる圧縮及び膨張の差異に起因する。さらに、各燃料は互いに異なる潤滑性及び材料要件を有しているため、可動部分は、互いに異なる種類の燃料で作動できるように設計が複雑になる。
【0010】
燃料電池は、バッテリーと同様に、化学エネルギーを電力へ直接的に変換する電気化学的発電機である。この直接的な変換は、非常に高効率の作動をもたらすことができる。最新式のコスト効果的な燃料電池は、燃料として水素を用いている。そのため、バッテリー式電気自動車の走行可能距離を伸ばす目的で燃料電池を使用するためには、水素を燃料として使用するか、または車両に改質器を搭載する必要がある。
【0011】
水素は多種多様な燃料供給源から生成することができるため、魅力的な車両用燃料である。電気自動車からは水蒸気しか排出されない。しかし、水素は、容積エネルギー密度が低い燃料である。つまり、所定体積中に含まれる水素のエネルギー量は比較的小さい。例えば、図1は、20kWhのバッテリーパックを充電するのに必要な燃料の量(ガロン)を示したグラフである。燃料電池システムを用いて車両のバッテリーに20kWhの電力を供給するためには、5000psiに圧縮された水素が14.2ガロン必要である。一方、ディーゼル油やガソリンの場合は2ガロンである。液体燃料は水素燃料よりもはるかに高いエネルギー量を有するので、改質に関連する効率損失が大きくても、必要とされる燃料量はより少なくなる。
【0012】
従来の燃料電池に水素以外の燃料を用いる場合でも、改質器は必要となる。改質器は、通常は触媒を用いた方法によって、燃料を水素リッチガスに変換する。しかし、最新式の改質器触媒は、燃料中の硫黄成分の影響を受けやすい。この理由により、ガソリン及びディーゼルの改質は、高度な専門的作業である。ほとんどのガソリン改質器またはディーゼル改質器は、改質器に入る硫黄の濃度を減少させるために、液体硫黄トラップ、水素化脱硫反応器、または分別器を用いている。これらの機器は、システム全体を複雑にし、かつコスト、サイズ及び重量を増大させる。
【0013】
燃料電池システムに様々な種類の燃料を使用することの別の障壁は、燃料処理装置により様々な燃料混合物を改質する必要があることである。例えば、一般的に用いられるガソリンは、ヘプタン、イソオクタン、シクロペンタン、エチルベンゼン及びエタノールの混合物からなる。そのため、ガソリン燃料処理装置は、複合燃料混合物を効率的に改質できなければならない。しかし、改質作業は吸熱性の水素生成反応と酸化エネルギー生成反応とのバランスを取る必要があるため、前記改質作業は複雑なものとなる。良くバランスの取れている改質器は、正味エネルギー生成がゼロとなるべきである。しかし、燃料混合物の各燃料(例えばガソリン)は、改質のために様々な量のエネルギーを必要とし、かつ、酸化されたときに様々な量のエネルギーを生成する。燃料流量や燃料組成の変更は改質反応を不安定にし、それにより、効率を低下させ、ハードウェアの信頼性を損なわせ、かつ、改質プロセスを停止させるおそれがある。
【0014】
改質物の組成は、燃料電池の性能に影響を与える。特に、一酸化炭素(CO)及び硫化水素は、改質反応の一部で生成され得る、よく知られている燃料電池被毒物質である。COは発生を防ぐことができないので問題がある。一方、硫化水素は、燃料から硫黄を除去することにより除去することができる。
【0015】
COは、燃料電池のアノード電極の活性部位と結合して該アノード電極を劣化させる。つまり、CO分子は、水素分子と電極部位を奪い合う。アノード電極のCO活性レベルは、温度に大きく依存する。燃料電池の温度が上昇すると、CO活性は減少し、水素活性が増加する。最新式の低温PEM型燃料電池は、改質物流中のCO濃度が30ppm(0.003%)以上になると性能が大きく低下する。低温PEM型燃料電池は、60℃ないし80℃で作動する。120℃ないし200℃で作動する高温PEM型燃料電池は、改質物流中のCO濃度が3%以下であれば、許容可能な性能を示す。
【0016】
COを制御するために、燃料処理装置は、水性ガスシフト改質器、パラジウム薄膜分離器、及び/または圧力スイング吸収装置を備えている。これらの反応器は、重量、サイズ及びコストを増加させ、かつ燃料電池システムを複雑にする。
【0017】
従って、そのような問題点を最小限に抑えることができるシステムが求められている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明は、燃料フレキシブルな燃料電池システムに関する。本発明の燃料電池システムは、同等の走行可能距離を有するバッテリー式電気自動車よりも潜在的に低コストで、車両の走行可能距離を大幅に伸ばすことができる。複数の構成要素を統合して1つのシステムにすることにより、車両を燃料フレキシブルにすること、すなわち、システムのハードウェアを変更することなく様々な種類の燃料を使用することが可能となる。本発明の燃料電池システムは、1種類以上の水素含有燃料を含む燃料供給源を含む。一実施形態では、前記燃料供給源は、複数種類の水素含有燃料を含むことができる。
【0019】
本発明の燃料電池システムは、燃料処理装置をさらに含む。前記燃料処理装置は、前記燃料供給源に流体連通されている。前記燃料処理装置は、前記燃料供給源から供給された前記1種類以上の水素含有燃料から水素を生成する。前記燃料処理装置は、一酸化炭素(CO)除去用の選択的酸化剤を使用しない。本発明の燃料電池システムは、前記燃料処理装置用のヒータをさらに含む。前記燃料処理装置は、少なくとも約600℃で作動することができる。前記燃料処理装置は、自己熱改質器、マイクロリス(microlith)型自己熱改質器、モノリス(monolith)型自己熱改質器、または水蒸気改質器であり得る。
【0020】
本発明の燃料電池システムは、1以上の高温PEM型燃料電池をさらに含む。前記燃料電池は、少なくとも100℃で作動することができる。前記燃料電池は、定常状態下及び非定常状態下で作動する。前記燃料電池は、前記燃料処理装置で生成された水素の供給を受けることができることができるように、前記燃料処理装置に流体連通されている。前記燃料電池の定常状態及び非定常状態の両状態において、水素が、前記燃料処理装置から前記燃料電池へ供給される。定常状態下では、前記燃料電池は約120℃ないし約200℃で作動することができる。前記燃料処理装置が自己熱改質器である場合、前記燃料電池から排出されたカソード排ガスを自己熱改質器に直接的に導入することにより、前記燃料電池で生成された水を回収することができる。
【0021】
本発明の燃料電池システムは、データ取得システムをさらに含み得る。一実施形態では、前記データ取得システムは、前記燃料処理装置の温度データを取得すべく前記燃料処理装置に機能的に接続されている。前記データ取得システムには制御装置が機能的に接続されている。前記制御装置は、前記燃料処理装置から取得した温度データに基づいて、前記燃料処理装置へ供給される燃料の流量、空気の流量及び/または水の流量を調節することができる。このことにより、本発明の燃料電池システムの効率を最適化することができる。前記制御装置は、前記燃料処理装置と前記燃料電池との間の流体連通を切断することなく、前記燃料処理装置へ供給される燃料の流量、空気の流量及び/または水の流量を調節することができる。別の実施形態では、前記制御装置は、前記燃料処理装置から取得した温度データに基づいて、前記燃料電池から取り出す電流の量を調節することができる。
【0022】
別の実施形態では、前記データ取得システムは、前記高温PEM型燃料電池の電圧データを取得すべく前記高温PEM型燃料電池に機能的に接続されている。前記データ取得システムには制御装置が機能的に接続されている。前記制御装置は、前記高温PEM型燃料電池から取得した電圧データに基づいて、前記燃料処理装置へ供給される燃料の流量、空気の流量及び/または水の流量を調節することができる。このことにより、本発明の燃料電池システムの効率を最適化することができる。前記制御装置は、前記燃料処理装置と前記燃料電池との間の流体連通を切断することなく、前記燃料処理装置へ供給される燃料の流量、空気の流量及び/または水の流量を調節することができる。前記制御装置及び/または前記データ取得システムは、前記燃料処理装置へ供給される燃料の流量、空気の流量及び/または水の流量を決定することができるように、ルックアップテーブル・データベースに機能的に接続されている。一実施形態では、前記制御装置は、前記高温PEM型燃料電池から取得した電圧データに基づいて、前記燃料電池から取り出す電流の量を調節することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】20kWhのバッテリーパックを再充電するのに必要な燃料の量(ガロン)を示すグラフである。
【図2】本発明の発電システムを有する電気自動車におけるエネルギーの流れを示す概略図である。
【図3】本発明の発電システムを有する電気自動車の一実施形態におけるエネルギーの流れを示す概略図である。
【図4】自己熱改質器を含む発電システムを有する電気自動車の一実施形態におけるエネルギーの流れを示す概略図である。
【図5】水蒸気改質器を含む発電システムを有する電気自動車の一実施形態におけるエネルギーの流れを示す概略図である。
【図6】ルックアップテーブルに基づくフィードバック制御ループを用いて、燃料処理装置へ供給される燃料の流量、空気の流量及び水の流量を最適化する方法を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明は、乗り物の駆動システムに関する。前記乗り物は、いくつかの例を挙げれば、例えば車、単車、列車、船、ボート、飛行機などの、少なくとも部分的には機械的な輸送手段であり得る。本明細書において様々な可能な態様が説明されるが、その詳細な説明は例示のみを目的とする。図2〜図6に本発明を示すが、本発明は図示した構造及び用途に限定されない。図示の単純化及び明瞭化のために、必要に応じて、別々の図面において同様の要素を示すのに参照番号を繰り返し使用する。
【0025】
図2を参照して、本発明の発電システム10は、車両12に任意の適切な方法で組み込むことができる。本発明の発電システム10は、燃料処理装置(fuel processor)14と、高温プロトン交換膜(PEM)型燃料電池16と、1種類以上のバッテリーを含み得るバッテリーパック18とを含む。バッテリーパック18は、任意の適切な種類のバッテリーを含み得る。一実施形態では、前記1以上のバッテリーはリチウムイオンバッテリーであり得る。
【0026】
図2に示すように、エネルギーは、燃料20の供給により、及び/または電力網22への接続により車両12に導入することができる。車両12に導入されたエネルギーは、バッテリーパック18及び燃料20によって持ち運ぶことができる。この発電システムでは、燃料電池16は、通常の走行サイクル時に、車両の平均消費電力の少なくとも一部をまかなうことができる電力を供給するように設計されている。燃料電池16は、主に、車両のバッテリー18を再充電するように、及び/またはバッテリー18から車両駆動システム24へ供給される電力量を減らすように設計されている。
【0027】
バッテリー18は、燃料電池16に機能的に接続されている。また、バッテリー18は、車両の電気駆動システム24にも機能的に接続されている。本明細書において用いられる「機能的に接続される」という表現は、直接的な接続または間接的な接続を含んでおり、物理的に直接接触しない接続も含まれる。一実施形態では、「機能的に接続される」は、バッテリー18と燃料電池16との間での電力の伝達、及びバッテリー18から車両電気駆動システム24への電力の伝達を可能にする電力電子装置及び制御電子装置(図示せず)を用いることを含む。また、図3に示すように、燃料電池16は、バッテリーパック18及び車両駆動システム24に対して並列に接続することもできる。燃料電池16からバッテリー18への電流の流れを電圧調節によって制御するために、制御された電力調整器またはDC/DC変換器26などの燃料電池電力調整器を、燃料電池16とバッテリーパック18との間に機能的に配置することができる。
【0028】
一実施形態では、燃料電池システム16によって特定の出力が生成されるように、燃料電池16及び燃料処理装置14は、個別の条件においてのみ作動され得る。前記個別の条件は、例えば、500Wでのトリクル充電及び温度維持や、5kWでのバッテリー充電などであり得る。
【0029】
一実施形態では、燃料電池16は、高温PEM型燃料電池であり得る。高温PEM型燃料電池16は、100℃を超える温度においてプロトン伝導可能な固体電解質または半固体電解質を含み得る。高温PEM型燃料電池16は、定常状態作動時に、120℃〜200℃の温度帯で作動することができる。この温度範囲において、燃料電池16は、3%以下のCO濃度及び10ppm以下の硫化水素濃度で作動することができる。また、前記作動温度では、改質物質中の低水素濃度に対する燃料電池16の感受性を減少させることができる。
【0030】
低温燃料電池、すなわち、定常状態作動時の作動温度が120℃以下の燃料電池は、本発明に適さないだろう。例えば、低温燃料電池は、高CO濃度(例えば3%)に対処することができないので、一酸化炭素に被毒されやすい。さらに、低温燃料電池は、複数種類の炭化水素系燃料を扱うことができない。加えて、高温燃料電池は湿度の影響を受けないが、低温燃料電池は湿度の影響を大きく受ける。そのため、低温燃料電池は、湿度に起因して生じ得る種々の問題を防ぐための様々な余分な機能を含むため、非常に複雑な構造となる。
【0031】
高温PEM型燃料電池システム16は、燃料電池システム16の一部である外部フインを通じて、または燃料電池システム16の一部を構成する冷却板を介して空気を送風するファンを使用する空冷式にすることができる。空冷の使用は、燃料電池システムにおいて冷却液、ラジエーター及びポンプを不要とすることができ、それにより燃料電池システム16の全体コスト、重量及びサイズを小さくすることができる。燃料電池16は、カソード空気を使用する空冷式にすることができる。
【0032】
本発明の発電システム10は、任意の適切な種類の燃料処理装置14を含み得る。例えば、燃料処理装置14は、1種類以上の炭化水素系燃料を処理して水素を生成することができる改質器システムであり得る。改質器システムの例としては、水蒸気改質器や自己熱改質器が挙げられる。自己熱改質器は、起動が高速であり、かつ様々な燃料に含まれている硫黄に対して良好な耐性を有することが分かっている。前記改質器システムは、様々な燃料混合物を改質することができるように設計される。したがって、燃料供給源28は、複数種類の水素含有燃料を含むことができる。各燃料は炭化水素系であり得る。前記複数種類の燃料は、互いに異なる種類であり得る。前記複数種類の燃料は、燃料供給源28において互いに混合してもよいし、または互いに別々にしておいてもよい。前記複数種類の燃料は、燃料処理装置14に、同時に導入されるか、または互いに異なる時点で別々に導入される。燃料処理装置14の変換効率及び熱力学効率は、燃料混合物によって異なり得る。燃料処理装置14は、少なくとも約600℃の温度で作動可能であり得る。
【0033】
本発明の発電システム10は、燃料処理装置14へ供給される燃料混合物の組成を調べるための分析器(図示せず)を含み得る。しかし、システム10に分析器を設置することは複雑でありまた高価であり得る。そこで、燃料処理装置14の作動時に、空燃比並びに水燃比を変更することにより、改質物の品質の最適化を図るようにする。例えば、改質物の品質は、改質物ガス中の水素濃度及びCO濃度のリアルタイム分析により、及び/または、燃料電池システムの改質器やアノード排ガスバーナーの内部の温度分布により推定することができる。
【0034】
自己熱改質器30を含む燃料処理装置14を有する発電システム10の例が図4に示されている。この発電システム10は、様々な構成要素を含むことができる。概して、本発明の発電システム10は、改質サブシステム32と、燃料電池サブシステム34を含む。燃料電池サブシステム34は、高温PEM型燃料電池16と、排ガス燃焼器36とを含む。排ガス燃焼器36は、主として、水素と、燃料電池の電気化学的酸化反応に関与しなかった他のガスとを酸化する。燃料電池16は、燃焼器36に流体連通されている。これにより、燃料電池16から排出されたアノード排ガス38は、燃焼器36へ供給される。アノード排ガス38は、燃料電池アノードから発生したガス流である。アノード排ガス38は、燃料電池反応に関与しなかったガスと、燃料電池16で反応しなかった水素の一部とを含み得る。空気圧縮機40は、任意の適切な空気源(例えば大気)から空気を導入して圧縮することができる。空気圧縮機40は、燃料電池16及び燃焼器36に流体連通されており、燃料電池16及び燃焼器36へ空気を供給する。燃焼器36で生成された燃焼生成物42は、大気中に排出される。あるいは、図4に示すように、燃焼器36で生成された燃焼生成物42は、大気中に排出される前に、熱交換させるべく気化器44へ供給される。
【0035】
改質サブシステム32は、燃料供給源28と、凝縮器48と、貯水部50と、気化器44と、燃料処理装置14とを含む。燃料処理装置14は、水性ガスシフト改質器52と自己熱改質器30とを含む。自己熱改質器30は、マイクロリス(microlith)型自己熱改質器またはモノリス(monolith)型自己熱改質器であり得る。空気圧縮機40は、自己熱改質器30に流体連通されている。空気圧縮機40から供給された空気は、燃料供給源28から供給された1種類以上の燃料20と共に、自己熱改質器30へ供給される。
【0036】
燃料供給源28は、自己熱改質器30に流体連通されている。したがって、1種類以上の燃料20が、自己熱改質器30へ供給される。自己熱改質器30へ供給する途中で、1種類以上の燃料20を凝縮器48に通して熱交換させることにより、燃料20を予熱するかまたは気化させ、かつ燃料電池カソード排気64から水を液化する。その代わりにまたはそれに加えて、1種類以上の燃料20を気化器44に通して熱交換させることにより、改質器30へ導入される前の燃料をさらに加熱する。燃焼器36で生成された燃焼生成物42は、熱交換させるべく気化器44へ供給される。
【0037】
前記空燃混合気は、自己熱改質器30によって処理した後、水性ガスシフト改質器52へ供給される。加えて、水54が、貯水部50からシフト改質器52及び/または自己熱改質器30へ供給される。燃料処理装置14で生成された改質物56は、燃料電池16へ供給される。冷却空気58及び圧縮空気60が、燃料電池16へ供給される。上述したように、燃料電池16から排出されたアノード排ガス38は、排ガス燃焼器36へ供給される。
【0038】
燃料処理装置14へ導入するための水の回収は、様々な方法で実現され得る。図4に示すシステムでは、燃料処理装置14へ導入するための水の回収は、カソード排ガス64に含まれている水を凝縮することにより達成することができる。カソード排ガス64は、燃料電池16のカソードに存在する枯渇空気及び水であり得る。カソード排ガス64は、熱交換させるべく凝縮器48に通される。回収された水66は、貯水部50に貯留される。回収された水66は、後ほど、低温水性ガスシフト改質器52などの燃料処理装置14へ供給される。水が回収された後のカソード排ガス64は、大気中に排出される。
【0039】
水の回収は、他の適切な方法で行うこともできる。例えば、水の回収は、未処理のカソード排ガス64を燃料処理装置14へ導くことにより実現され得る。カソード排ガス64は、大抵の炭化水素混合物の改質反応を促進することができる量の水及び酸素を含み得る。このような方法は、凝縮器48を小型化させることができ、かつ燃料電池16で生成された熱を有益に使用することができるので、システム10の効率を高めることができる。
【0040】
本発明の発電システム10は、データ取得システム68を含むことができる。データ取得システム68は、燃料処理装置14から温度データを取得するため及び/または燃料電池16から電圧データを取得するために、燃料処理装置14及び/または燃料電池16に機能的に接続されている。1以上のセンサ70が、所望するデータを取得するために、燃料処理装置14及び/または燃料電池16に機能的に接続されている。燃料処理装置14から取得される温度データは、燃料処理装置14に沿った温度分布であり得る。データ取得システム68は、制御装置72に機能的に接続されている。制御装置72は、ハードウェア、ソフトウェアまたはそれらの任意の組み合わせから構成することができる。一実施形態では、制御装置72は、データ取得システム68の一部であり得る。例えば、制御装置72は、データ取得システム68にインストールされたソフトウェアであり得る。別の実施形態では、制御装置72はデータ取得システム68から離間配置されているが、データ取得システム68に機能的に接続されている。
【0041】
制御装置72は、システム10の様々な従属部品に機能的に接続することができる。例えば、制御装置72は、燃料供給源、空気圧縮機及び/または貯水部から燃料処理装置へ供給される流体の流量を制御するために、燃料供給源、空気圧縮機及び/または貯水部に機能的に接続することができる。一実施形態では、データ取得システム68が取得した燃料電池の電圧データ及び/または改質器の温度データを使用して、改質器に供給される燃料の流量、空気の流量及び/または水の流量を変更することにより、水素変換効率を最適化する。すなわち、前記流量の1つ以上を増加または減少させる。水素改質器に供給される燃料の流量、空気の流量及び/または水の流量の変更は、改質器と燃料電池との間の流体連通を切断、迂回(バイパス)及び/または遮断することなく行われる。その代わりにまたはそれに加えて、制御装置72を、燃料電池のパワーマネージャ(power manager)に機能的に接続することもできる。制御装置72は、パワーマネージャを介して、燃料電池から取り出す電流の量を調節することができる。
【0042】
水素改質器へ供給される燃料の流量、空気の流量及び/または水の流量の制御は、フィードバック制御ループにより達成することができる。このフィードバック制御ループは、可能性のある様々な水素含有燃料またはその混合物についての最適な温度を決定するためのルックアップテーブルに基づくものであり得る。図6は、そのようなフィードバック制御ループの一例を示す。データ取得システム68は、燃料電池サブシステム及び/または改質器サブシステムからデータを取得することができる。取得されるデータには、空気の流量、水の流量及び/または燃料の流量の現在値が含まれる。燃料処理器に沿った温度分布も取得され得る。このデータに基づいて、データ取得システム68及び/または制御装置72は、ルックアップテーブル73に機能的に接続されている。ルックアップテーブル73は、燃料処理装置へ供給される様々な所与の空気、水及び/または燃料の流量での、様々な燃料についての温度分布のデータベースを含む。取得した温度分布に最も近い温度分布をルックアップテーブルから求める。これに基づいて、所与の燃料電池出力レベルでの作動を最適化するために、水、空気及び/または燃料の流量を調節する。制御装置72及び/またはデータ取得システム68は、燃料供給源、空気圧縮機及び/または貯水部へ信号を送信し、燃料供給源、空気圧縮機及び/または貯水部から燃料処理装置へ供給される燃料、空気及び/または水の流量を調節する。
【0043】
ルックアップテーブルの代わりにまたはそれに加えて、フィードバック制御ループは、学習済みのニューラルネットワークまたはニューロファジー制御装置に基づくものであり得る。この制御装置は、水素改質器へ供給される燃料の流量、空気の流量及び/または水の流量を最適化するために、前記流量のうちの1つを選択的に変更することができることに留意されたい。
【0044】
より高度な炭化水素改質器74を使用したシステムを用いることもできる。そのようなシステムの一例が図5に示されている。このシステム10は、改質器サブシステム32と燃料電池サブシステム34とを含む。燃料電池サブシステム34は、高温PEM型燃料電池16を含む。送風機76が、燃料電池16に流体連通されている。この場合、水の回収は、改質器(図示せず)及び燃焼器78から排出された排ガスを使用することにより実現することができる。燃料電池16から排出されたアノード排ガス38は、燃焼器78へ供給される。燃焼器78で生成された熱が、水蒸気改質器74へ供給される。燃焼器78で加熱された排ガス38は、熱交換器80に通され、熱交換させられる。排ガス38は、その後、排ガス38から水を回収することができるウォータトラップ82に通される。ウォータトラップ82で回収された水は貯水部50に貯蔵される。水が抽出された後の排ガス38は大気中に排出される。
【0045】
貯水部50は、水蒸気改質器74などの燃料処理装置14に流体連通されている。一実施形態では、貯水部50から供給された水は熱交換器80に通され、熱交換器80と熱交換して水蒸気が生成される。生成された水蒸気は、水蒸気改質器74へ供給される。
【0046】
このシステム10は、データ取得装置68、センサ70及び制御装置72をさらに含むことができる。図4に示した実施形態において説明したデータ取得システム68、センサ70及び制御装置72は、図5の実施形態においても同様に適用可能である。なお、この実施形態では、燃料処理装置14に空気が供給されないことに留意されたい。したがって、制御装置72は、燃料処理装置14へ供給される燃料及び/また水の流量を調節する。
【0047】
本明細書において説明した発電システムは、大きな利益を提供することができる。例えば、本発明の発電システムは、同等の走行可能距離を有するバッテリー式電気自動車よりも潜在的に低コストで、車両の走行可能距離を大幅に伸ばすことができ。さらに、バッテリーパックと、高温PEM型燃料電池と、燃料処理装置とを統合して単一のシステムにすることにより、車両を燃料フレキシブルにすること、すなわちシステムのハードウェアを交換することなく様々な種類の燃料を使用することが可能となる。本発明の燃料電池システムに使用するための適切な燃料の例をいくつか挙げると、ガソリン、ディーゼル油、バイオ由来燃料、メタノール、エタノール、プロパン、ブタン及び天然ガス及び/またはアルコールなどがある。前記燃料は、任意の水素含有燃料、炭化水素燃料、または他の水素燃料供給源(例えばアンモニア)であり得る。可能性のある燃料の例にが、ガソリン、ディーゼル油、E−85、E−100、メタノール、及びバイオディーゼル油が含まれる。前記燃料は、互いに異なる種類の燃料を組み合わせたものであり得る。これらの燃料は、同時に加えられるか、または互いに異なる時点で別々に加えられる。既存のシステムに対するこのような向上が可能である理由は、本発明の発電システムでは、各構成要素間の相乗的プロセスを増加させることができ、それにより、技術的限界を減少させることができるからである。
【0048】
本発明の発電システムは、全ての他のシステムと比べて、作動性及び性能を向上させることができる。例えば、本発明の発電システムは、平均的な走行距離を実現(またはほぼ実現)することができるエネルギーをバッテリーに確実に充電することができるようにし、それにより、所定の走行距離を実現するために車両が持ち運ばなければならない燃料の量を減らすことができる。前記バッテリーパックは、車両に必要な電力の大部分を供給することができる。一方、燃料電池は、運転サイクルの平均電力要求または1日当たりの車両の平均電力要求をまかなうことができる。したがって、燃料電池に要求される出力を、純粋な燃料電池車と比べて減少させることができる。燃料電池への電力要求を減少させることにより、燃料電池発電機のコストを減少させることができる。加えて、このことにより、改質器のサイズ及びコストを低減させることができる。
【0049】
さらに、前記バッテリーは、燃料電池からの出力を変更すること及び改質器からの水素出力を変更することの必要性を最小化するかまたはなくすることができる。改質器の燃料フレキシビリティにおける主な障壁は、様々な燃料混合物を改質することができるようにするための、触媒式改質器及び流体フロー設計の複雑さに起因する。しかしながら、改質器へ供給される水素の流量を単一のまたは一連の個別の量にすることにより、燃料混合物のための反応器の設計を劇的に単純化することができる。このことはまた、改質器におけるターンダウン比の問題を解決することができる。したがって、改質器の触媒ベッドを様々な種類の燃料混合物に適合するように設計することができ、それにより、改質器において過渡温度挙動を生じさせることなく所定の水素流量を実現することができる。改質器の起動プロセスの一部として、PID(比例・積分・微分)制御装置により、単一の所望の水素流量を実現するための正しい反応物流量を識別することができる。また、このプロセスを、全作動サイクルを通じて維持するようにすることができる。加えて、出力の変更をなくすることにより、燃料電池スタック及びそれに関連するシステムの設計の複雑さを低減させることができる。とりわけ、個別の作動条件のために、冷却、反応物フローの設計、排ガス燃焼器の設計、及び水回収サブシステムを最適化することができる。
【0050】
本発明の燃料電池システムを用いることにより、所定の走行距離を実現するのに必要なバッテリーの数を、バッテリー式電気自動車と比べて減少させることができる。本発明の燃料電池システムのエネルギー量は、車両に貯蔵される燃料のエネルギー量である。液体燃料を使用する改質器及び燃料電池システムは、最新式のバッテリーよりもはるかに高い質量エネルギー密度を有する。そのため、バッテリー式電気自動車の場合よりも軽い車両重量で、所望の走行距離を実現することができる。
【0051】
高温PEM型燃料電池システムの使用は、改質ガス流において許容可能な水素濃度、一酸化炭素濃度及び硫化水素の濃度の範囲を広げ、それにより、前記システムにおける燃料フレキシビリティが可能となる。高温PEM型燃料電池は、120℃ないし200℃の間の温度で作動することができる。そのため、改質物の品質の変化が燃料電池に与える影響の大きさは小さくなり、改質物の品質の変化をもたらす燃料の変更により、燃料電池の性能が損なわれたり大きく妨げられたりすることはない。加えて、高温PEM型燃料電池システムの使用により、パラジウム薄膜、圧力スイング吸収装置または選択的酸化剤などの高価な水素浄化スキームの必要性をなくすることができる。
【0052】
本発明の燃料電池システムの存在により、急速充電バッテリーパックにおける複雑さを減少させることができる。バッテリー充電におけるトリクル充電は、時間のかかるものであった。しかし、前記トリクル充電を本発明の燃料電池システムで行うことにより、車両を電力網に接続しなければならない時間を短縮することができる。
【0053】
電気自動車の車内空調による損失をなくすかまたは減らすことができる。車内空調(AC及び車内暖房)は、車両エネルギーのかなりの部分を消費する。そのため、車内空調を使用すると、車両の走行可能距離は減少する。本発明の高温PEM型燃料電池システム及び改質器は、冬季においては、バッテリーを充電しながら、車内へ熱を提供することができる。駐車中に充電が終了した場合、ユーザは暖房の効いている車両に戻ることができる。夏季の間は、本発明の燃料電池システムは、車両の空調ユニットを作動させるのに必要なエネルギーをまかなうことができる。電気自動車は、最初は、公務員、郵便局または警察に配備され得るので、そのような車両は、車内を長時間に渡って順化させながらアイドリングする能力が必要とされる。本発明の燃料電池の存在は、このことを可能にする。
【0054】
例示的な実施形態を参照して本発明を説明してきたが、当業者には明らかなように、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な改変を加えることができ、かつある構成要素を均等物と置き換えることができる。加えて、本発明の範囲から逸脱することなく、特定の状況または材料に適合するように、本発明の教示に様々な修正を加えることもできる。したがって、本発明は、例示としてのみ与えられた本明細書中に記載された特定の詳細に限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲内で様々な変更及び修正が可能であることを理解されたい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料フレキシブルな燃料電池システムであって、
少なくとも1種類の水素含有燃料を含む燃料供給源と、
前記燃料供給源に流体連通されており、前記燃料供給源から供給された前記少なくとも1種類の水素含有燃料から水素を生成し、かつ一酸化炭素除去用の選択的酸化剤を使用しない燃料処理装置と、
前記燃料処理装置用のヒータと、
少なくとも100℃で作動することができ、定常状態下及び非定常状態下で作動し、かつ前記燃料処理装置で生成された水素の供給を受けることができるように前記燃料処理装置に流体連通されている少なくとも1つの高温PEM型燃料電池とを含み、
前記燃料電池の定常状態及び非定常状態の両状態において、前記燃料処理装置から前記燃料電池へ水素を供給するようにしたことを特徴とするシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のシステムであって、
前記燃料処理装置が、自己熱改質器であることを特徴とするシステム。
【請求項3】
請求項2に記載のシステムであって、
前記燃料処理装置が、マイクロリス型自己熱改質器であることを特徴とするシステム。
【請求項4】
請求項2に記載のシステムであって、
前記燃料処理装置が、モノリス型自己熱改質器であることを特徴とするシステム。
【請求項5】
請求項1に記載のシステムであって、
前記燃料処理装置が水蒸気改質器であることを特徴とするシステム。
【請求項6】
請求項1に記載のシステムであって、
前記燃料処理装置が、少なくとも約600℃で作動することができることを特徴とするシステム。
【請求項7】
請求項1に記載のシステムであって、
前記燃料電池が、定常状態下で、約120℃ないし約200℃で作動することができることを特徴とするシステム。
【請求項8】
請求項1に記載のシステムであって、
前記燃料供給源が、複数種類の水素含有燃料を含むことを特徴とするシステム。
【請求項9】
請求項1に記載のシステムであって、
前記燃料処理装置の温度データを取得すべく前記燃料処理装置に機能的に接続されたデータ取得システムをさらに含むことを特徴とするシステム。
【請求項10】
請求項9に記載のシステムであって、
前記データ取得システムに機能的に接続された制御装置をさらに含み、
前記制御装置により、前記燃料処理装置から取得した温度データに基づいて、前記燃料処理装置へ供給される燃料の流量、空気の流量及び水の流量のうちの少なくとも1つを調節することによって、当該燃料電池システムの効率を最適化するようにしたことを特徴とするシステム。
【請求項11】
請求項10に記載のシステムであって、
前記制御装置により、前記燃料処理装置と前記燃料電池との間の流体連通を切断することなく、前記燃料処理装置へ供給される燃料の流量、空気の流量及び水の流量のうちの少なくとも1つを調節するようにしたことを特徴とするシステム。
【請求項12】
請求項9に記載のシステムであって、
前記データ取得システムに機能的に接続された制御装置をさらに含み、
前記制御装置により、前記燃料処理装置から取得した温度データに基づいて、前記燃料電池から取り出す電流の量を調節するようにしたことを特徴とするシステム。
【請求項13】
請求項1に記載のシステムであって、
前記高温PEM型燃料電池の電圧データを取得すべく前記高温PEM型燃料電池に機能的に接続されたデータ取得システムをさらに含むことを特徴とするシステム。
【請求項14】
請求項13に記載のシステムであって、
前記データ取得システムに機能的に接続された制御装置をさらに含み、
前記制御装置により、前記高温PEM型燃料電池から取得した電圧データに基づいて、前記燃料処理装置へ供給される燃料の流量、空気の流量及び水の流量のうちの少なくとも1つを調節するようにしたことを特徴とするシステム。
【請求項15】
請求項14に記載のシステムであって、
前記制御装置により、前記燃料処理装置と前記燃料電池との間の流体連通を切断することなく、前記燃料処理装置へ供給される燃料の流量、空気の流量及び水の流量のうちの少なくとも1つを調節するようにしたことを特徴とするシステム。
【請求項16】
請求項14に記載のシステムであって、
前記燃料処理装置へ供給される燃料の流量、空気の流量及び水の流量のうちの少なくとも1つを決定することができるように、前記制御装置または前記データ取得システムの一方がルックアップテーブル・データベースに機能的に接続されていることを特徴とするシステム。
【請求項17】
請求項13に記載のシステムであって、
前記データ取得システムに機能的に接続された制御装置をさらに含み、
前記制御装置により、前記高温PEM型燃料電池の前記電圧データに基づいて、前記燃料電池から取り出す電流の量を調節するようにしたことを特徴とするシステム。
【請求項18】
請求項2に記載のシステムであって、
前記少なくとも1つの高温PEM型燃料電池から排出されたカソード排ガスを前記自己熱改質器へ直接的に導入することにより、前記少なくとも1つの高温PEM型燃料電池で生成された水を回収するようにしたことを特徴とするシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2013−513209(P2013−513209A)
【公表日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−542222(P2012−542222)
【出願日】平成22年12月3日(2010.12.3)
【国際出願番号】PCT/US2010/058929
【国際公開番号】WO2011/069086
【国際公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【出願人】(509319018)エナフューエル インコーポレイテッド (3)
【氏名又は名称原語表記】ENERFUEL,INC.
【Fターム(参考)】