説明

車両用の制御システム

本発明は車両用の制御システムに関する。この制御システムは、いくつかのメニュー面を含むメニュー構造において入力を選択及び/又はアクティブ化するために用いるいくつかの調整自由度を備えた手動操作手段と、メニュー構造を表現するいくつかの表示領域(210〜250)を含む画像ディスプレイ(2)とを備える。表示領域(210〜250)は、それぞれ、1つの入力を表示する少なくとも1つのフィールドを含む。本発明によれば、1つの表示領域(210〜250)における少なくとも1つのメニュー面において、少なくとも1つの第1入力(E8)又はパラメータを、第1又は第2の調整動作によって、選択及び/又はアクティブ化及び/又は調整することができる。この第1又は第2調整動作は、画像ディスプレイ上のアクティブな表示領域の少なくとも1つの表示入力及び/又はパラメータの整列方向に合致しており、直交する第3又は第4の調整動作によって、このアクティブな表示領域を終了させることができる。第2入力(E9)は、第1又は第2調整動作を保持することによってアクティブ化及び/又は調整することができる。第5の調整動作によって、変更されたパラメータは保存され、及び/又は、アクティブ化された表示領域(230.8)を終了させることができる。本発明は、又、これらの自動車における使用にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前段部分に記載の車両用の制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
マルチメディアの制御システムは、現代の車両においてその使用が増大の一途を辿っている。この1つの例は出願人が製造・販売するメルセデスベンツSクラスのCOMANDシステム(Cockpit Management and Data System)である。
【0003】
特許文献1は、特に車両用のこの種の制御システムを説明している。この制御システムは、複数のメニューレベルを含むメニュー構造において、ディスプレイ上に表示される2つの表示領域を含んでいる。第1の表示領域は、第2の表示領域の周囲の枠として配置される。第1のメニューレベルにおいて、第1の表示領域は、実行可能なアプリケーションに対応する項目で垂直及び水平に配置される項目を備えた8つのフィールドを表示する。項目は、手動操作手段をスライド又は傾動することによって選択されるが、この手動操作手段は、第1表示領域における当該項目の位置の方向に相当する複数の自由度を具備している。手動操作手段を押すと、選択された項目がアクティブ化される。このアクティブ化に続いて、第2のメニューレベルにおいて、垂直に配置された複数の項目が第2の表示領域に表示される。この項目は、第1のメニューレベルにおいてアクティブ化された項目に関連するものである。第2の表示領域に表示される項目は、手動操作手段を回転動作させることによって選択され、手動操作手段を押すとアクティブ化される。アクティブ化された第2表示領域及び第2メニューレベルは、手動操作手段を、第1表示領域におけるいずれかの項目の位置の方向にスライド又は傾動することによって終了される。続いて、制御システムは、第1メニューレベルの第1表示領域に戻される。
【0004】
【特許文献1】独国特許出願公開第197 52 056 A1号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、直観的な制御を可能にし、気を取られる情報の範囲を低減する車両用の改善された制御システムを規定することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、この目的を、請求項1及び請求項12の特徴を有する制御システムを提供することによって達成する。
【0007】
従属請求項は本発明の有利な発展形態を規定する。
【0008】
本発明の第1の態様は、少なくとも1つの表示領域における少なくとも1つのメニューレベルにおいて、少なくとも1つの第1の項目を、手動操作手段の第1及び/又は第2自由度による調整動作によって、選択、アクティブ化及び/又は設定することができるというアイディアに基づいている。操作手段の第1及び第2自由度は、アクティブな表示領域に表示される少なくとも1つの項目の方向に合致している。手動操作手段の第1又は第2自由度による調整動作をそのまま続けて保持することによって、少なくとも1つの第2の項目をアクティブ化又は設定することができる。少なくとも1つのアクティブな表示領域は、操作手段の第3及び/又は第4自由度によって終了させることができるが、この第3及び第4自由度は、表示されている少なくとも1つの第1項目の方向に直角である。
【0009】
少なくとも1つの第2項目の方向は少なくとも1つの第1項目の方向に対応していることが好ましい。
【0010】
第2項目は、例えば、アクティブ化及び/又は設定された第1項目の詳細な表示を表現する。
【0011】
本発明の1つの有利な実施形態においては、少なくとも1つの第1項目がラインに並んだ形になっており、各ラインは同じ種類の選択可能なサブ項目を表現する。
【0012】
例えば、少なくとも1つの第1項目をカーソルによって設定することができる。このカーソルはバーの形になっており、手動操作手段を第1又は第2自由度方向に操作することによってラインの1つに位置設定することができる。
【0013】
例えば、少なくとも1つの第2項目はレベルインジケータの形である。現時点のレベルを、可変バーの形のカーソルによって表示することができ、手動操作手段を第1又は第2自由度方向に操作してそのまま保持することによって設定することができる。
【0014】
レベルは、第2項目において現在の位置又は経過した時間を示すことが望ましい。
【0015】
本発明の特に有利な実施形態においては、少なくとも1つの第1項目が、オーディオアプリケーション、ビデオアプリケーション及び/又はTVアプリケーションにおける、選択可能な複数のラジオ局、テレビ局、音楽タイトルあるいはビデオクリップに該当する。この場合、ラインの帯状配列の個々のラインの数は、例えば、CD又はDVDの音楽タイトルの数、あるいは、ビデオカセット又はDVDのビデオクリップの数に一致する。
【0016】
1つの代替的実施形態においては、少なくとも1つの第1項目が、オーディオアプリケーション、ビデオアプリケーション又はテレビアプリケーションにおける、「次のエントリー」機能又は「前のエントリー」をアクティブ化する。
【0017】
第2項目は、オーディオアプリケーション又はビデオアプリケーションにおける「早送り」機能又は「早戻し」機能をアクティブ化し、アクティブ化又は設定された第1項目の現在の位置を示すか、あるいは、上記のように変更することができる再生済みの演奏時間を示す。
【0018】
もし、少なくとも1つの第1項目がラジオ又はテレビの複数の局に該当するか、あるいは「次の局」又は「前の局」機能に対応している場合は、第2項目は自動局探索をアクティブ化する。この場合、第2項目のレベルインジケータは、探索される周波数範囲における現在の位置を示す。
【0019】
本発明の第2の態様は、パラメータを表現する項目を設定するために、メニュー構造の少なくとも1つのレベルにおいて、少なくとも1つの第1パラメータを、手動操作手段の第1又は第2自由度方向への調整動作によって変更することができるというアイディアに基づいている。この第1又は第2自由度は、アクティブな表示領域における変更可能なパラメータの方向に合致している。手動操作手段の第5自由度による調整動作によって、変更したパラメータを設定後に保存し、アクティブな表示領域を終了させることができる。
【0020】
本発明に従って手動操作手段の自由度をアクティブ化された表示領域における項目又はパラメータの方向へ割り付けることによって、各パラメータを直観的に制御すること、及び、そのアクティブな表示領域を直観的に終了させることが可能になる。これはユーザの制御操作を簡易化し、従って、その認識負荷を低減し、ユーザは道路上に生起している事柄にさらに集中し得るようになる。
【0021】
例えば、オーディオアプリケーションにおいては、少なくとも1つの第1パラメータは、「バランス」、「音量」、「低音」又は「高音」調整機能に該当する。
【0022】
本発明の1つの有利な発展形態においては、少なくとも1つの第2パラメータを、手動操作手段の第3又は第4自由度方向への調整動作によって変更することができる。この第3又は第4自由度は、アクティブな表示領域における変更可能な第2パラメータの方向に合致している。手動操作手段の第5自由度による調整動作によって、変更したパラメータを設定後に保存し、アクティブな表示領域を終了させることができる。
【0023】
例えば、オーディオアプリケーションにおいては、少なくとも1つの第2パラメータを、「フェーダ」、「音量」、「低音」、又は「高音」調整機能に該当させることができる。
【0024】
本発明の1つの有利な発展形態においては、第1及び第2パラメータを、同じメニューレベル及び同じ表示領域において変化させることができる。
【0025】
1つの有利な実施形態においては、アクティブな表示領域における少なくとも1つの項目又は少なくとも1つの設定可能なパラメータが垂直配置される場合、第1自由度が、手動操作手段のyの正の方向へのスライド動作に対応し、第2自由度が、手動操作手段のyの負の方向へのスライド動作に対応する。第3自由度は、手動操作手段のxの正の方向へのスライド動作に対応し、第4自由度は、手動操作手段のxの負の方向へのスライド動作に対応する。第5自由度は、手動操作手段をzの負の方向に押す動きに対応する。
【0026】
アクティブな表示領域における少なくとも1つの項目又は少なくとも1つのパラメータが水平配置される場合は、第1自由度が、手動操作手段のxの正の方向へのスライド動作に対応し、第2自由度が、手動操作手段のxの負の方向へのスライド動作に対応する。第3自由度は、手動操作手段のyの正の方向へのスライド動作に対応し、第4自由度は、手動操作手段のyの負の方向へのスライド動作に対応する。第5自由度は、手動操作手段をzの負の方向に押す動きに対応する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
次に、本発明の有利な実施形態を添付の図面に基づいて以下に説明する。
【0028】
図1に見ることができるように、車両用の制御システム1は、ディスプレイ2、手動操作手段3、中央処理ユニット4、及び、複数の車載システムを含んでいる。この複数の車載システム5は、例えば、ナビゲーションシステム、エアーコンディショニングシステム、自動車電話、ビデオシステム、オーディオシステム、等であり、図ではまとめて1つの要素として示されている。車載システム5は信号を中央処理ユニット4に送り、中央処理ユニット4はこれらの信号からシステムの現在の状態を確認する。メニュー構造の種々のメニューレベルにおけるすべてのアプリケーション、機能、サブ機能、オプション及び/又は状況インジケータは、手動操作手段3によって制御される。これは、アクティブな表示領域に表示される項目を選択及び/又はアクティブ化する7つの自由度を備えている。それは、図1の矢印で示されるように、4つの方向、すなわち、xの正の方向、xの負の方向、yの正の方向、及びyの負の方向にスライドさせることができる。さらに、それは、図面の紙面に垂直なz軸(図示省略)の回りに時計方向又は反時計方向に回転させることができ、さらに、zの負の方向、すなわち紙面の垂直方向に押すことができる。
【0029】
手動操作手段3を時計方向に回すと、ディスプレイ2上のカーソルが、ディスプレイ2に示される項目の水平又は垂直の方向に基づいて右方向又は下向きに移動し、それを反時計方向に回すと、カーソルが左方向又は上向きに移動する。図1の手動操作手段3を、上向きすなわちフロントウィンドウの方向、つまりyの正の方向にスライドさせると、ディスプレイ2上のカーソルが上向きに動き、図1の下向きすなわち背後方向、つまりyの負の方向にスライドさせると、ディスプレイ2上のカーソルが下向きに動く。右向き、つまりxの正の方向にスライドさせると、ディスプレイ2上のカーソルが右向きに動き、左向き、つまりxの負の方向にスライドさせると、カーソルは左向きに動く。
【0030】
ディスプレイ2に表示される項目は、手動操作手段3をスライドさせるかあるいは回転させることによって選択及び/又はアクティブ化される。軸に沿う垂直方向のスライド、すなわちy方向のスライド、あるいは、軸に沿う水平方向のスライド、すなわちx方向のスライドに対して冗長的に、手動操作手段3をz軸の方向に回転させることができる。又、この場合、項目を選択するためにスライドさせる方向は、本発明に従って、アクティブな表示領域に示される項目の方向に合致している。それぞれの選択のスライド方向に対して直角方向にスライドさせると、アクティブな表示が終了される結果になる。さらに、選択された項目をアクティブ化するには、手動操作手段3を押すことが必要であるとしてもよい。
【0031】
図2に見ることができるように、ディスプレイ2は、第1メニューレベルにおいて、垂直に配置された5つの水平の表示領域210〜250からなる基本画像構成を備えている。この基本画像構成は、メニュー構造における複数の異なるメニューレベルにわたって一定である。ディスプレイ2は、例えばアスペクト比15:9の8インチスクリーンの形である。ディスプレイ2における表示領域210〜250の少なくとも1つの最初の表示領域の基本画像構成は、メニュー構造における複数の異なるメニューレベルにわたって一定である。図2においては、表示領域210、220、240及び250が、このような最初の表示領域の形になっている。
【0032】
表示領域210〜250の少なくとも1つの2番目の表示領域の基本画像構成は、メニュー構造における複数の異なるメニューレベルにわたって、アクティブ化されるアプリケーション、機能、サブ機能、オプション及び/又は状況インジケータに基づいて可変である。図2においては、表示領域230が、この種類の2番目の表示領域の形になっている。この中央の表示領域230の画像形態は種々異なってもよい。
【0033】
最初の表示領域の形になっている4つの表示領域210、220、240及び250は、それぞれ、水平に配置された1つ以上の項目1.1〜5.7を表示することができる。例えば、図2の表示領域210、220、240及び250は、それぞれ、第1メニューレベルにおいて異なる数の項目を含んでいる。すなわち、第1表示領域210は1つの項目1.1を含み、第2表示領域220は5つの項目2.1〜2.5を含み、第4表示領域は項目を含まず、第5表示領域は7つの項目5.1〜5.7を含んでいる。図2においては、第1表示領域210がアクティブ化されて、斜線を付した項目1.1が選択されている。斜線表現はカーソルが項目1.1にあることを示すように意図されている。
【0034】
ディスプレイ2に示される表示領域210〜250における項目1.1〜5.7は、それらの内容の重要性又は使用頻度に応じて配置すればよい。項目が垂直方向に配置される場合は、項目1.1〜5.7を表示する個々のフィールドの幅は、例えば、一番長い項目の長さによって決定される。フィールドの幅は、追加的に又は代替的に表示領域におけるフィールドの数によっても決定される場合がある。
【0035】
図3は、第2表示領域220においてアプリケーション“Appl.2”をアクティブ化し、表示領域240においてサブ機能“SubF2”を選択しかつアクティブ化した後の、第3メニューレベルが表示されているディスプレイ2を示す。第3表示領域230においては、サブメニューの形の表示領域230.1がアクティブ化されている。カーソルは、表示領域230.1におけるスタート位置にあり、その位置から、2つの第1の項目E2及びE4を、手動操作手段3の適切なスライド動作によって選択しかつアクティブ化することができる。スタート位置は斜線を付したフィールドであり、符号E3が付されている。2つの第2の項目E1及びE5は、手動操作手段3をxの負及び正の方向にスライドさせて引き続いてその位置に保持することによって、選択し、アクティブ化することができる。
【0036】
xの正の方向へのスライド動作によって選択することができる第1の項目E4は、オーディオアプリケーション、ビデオアプリケーション及び/又はTVアプリケーションにおける、例えば「次のエントリー」機能に、xの負の方向へのスライド動作によって選択することができる第1の項目E2は、例えば「前のエントリー」機能に該当する。
【0037】
手動操作手段3をxの正の方向にスライドさせてそのまま保持することによって選択することができる第2項目E5は、オーディオアプリケーション及び/又はビデオアプリケーションにおける、例えば「早送り」機能に、xの負の方向にスライドさせてそのまま保持することによって選択することができる第2項目E1は、例えば「早戻し」機能に該当する。ラジオ又はテレビアプリケーションの場合には、第2項目は、周波数範囲内における高い側又は低い側に向けての局探索機能に該当する。
【0038】
図4は、第2表示領域220においてアプリケーションAudioをアクティブ化し、表示領域240においてサブ機能CDを選択しかつアクティブ化した後の、第3メニューレベルにおけるディスプレイ2を示す。第3表示領域230においては、破線の枠で囲った表示領域230.8がアクティブ化されており、この表示領域230.8は、ラインを帯状に配列した形の第1項目E9と、レベルインジケータの形の第2項目E10とを含んでいる。第2項目は、第1項目のアクティブ化されたサブ項目の詳細表示である。カーソルは、第1項目E9における垂直のバー231.1の形になっており、第7サブ項目の位置にある。図示の例示的実施形態においては、サブ項目はCD上の音楽のタイトルを表している。CDには、全体で20曲の音楽タイトルがあり、その内の7番目の音楽タイトルがアクティブ化されて現在再生されている。この状態で手動操作手段3をxの正の方向にスライドさせると8番目の音楽タイトルをアクティブ化することができ、xの負の方向にスライドさせると第6番目の音楽タイトルアクティブ化することができる。この場合、垂直バー231.1の形のカーソルは、それぞれ、第8及び第6サブ項目の位置に移動することになる。
【0039】
第2項目においては、カーソルは、水平方向に可変のバー231.2の形であり、第2項目E10の既に再生済みの部分を示している。この第2項目E10は第1項目E9においてアクティブ化された第7番目の音楽タイトルの全演奏時間を表している。手動操作手段3を第3自由度方向に操作すると、すなわち手動操作手段3をxの正の方向にスライドさせてそのまま保持すると、「早送り」機能がアクティブ化され、レベルインジケータにおける水平バー231.2の長さがxの正の方向に増大する。手動操作手段3を第4自由度方向に操作すると、すなわち手動操作手段3をxの負の方向にスライドさせてそのまま保持すると、「早戻し」機能がアクティブ化され、レベルインジケータにおける水平バー231.2の長さがxの正の方向に短縮する。
【0040】
サブ機能CDの代わりにサブ機能DVD、カセット又はビデオがアクティブ化された場合も、選択及び/又は設定操作は同様に進行する。ラジオ又はテレビ機能の場合は、第1項目のサブ項目はラジオ又はテレビの局を表し、第2項目は、自由度に対応して、表示される周波数範囲内での「高い側に向けての局探索」又は「低い側に向けての局探索」機能をアクティブ化することができる。
【0041】
表示領域230は、さらに、別の表示領域230.7を示している。この表示領域230.7は、選択され及び/又はアクティブ化された第1項目内のサブ項目のさらに詳細な表示を表現するもので、ユーザが選択することはできない。表示領域230.7は、水平に配置されたリストの形になっており、図示の実施例においては3つの項目を含んでいる。表示領域230.7は、表示領域230.8における第2項目E10と同じく、表示領域230.8の第1項目E9に連結されている。項目E6は、第1項目E9の現在選択され及び/又はアクティブ化されているサブ項目の番号を表す。項目E7は、選択され及び/又はアクティブ化されているサブ項目のタイトルを表し、項目E8は、アクティブ化されたサブ項目の再生済みの演奏時間を示す。表示領域230.7は、純粋な表示機能を有しており、従ってユーザがこれを選択することはできない。例えば、これを、視覚的な表示を変更して、例えば、異なる色彩及び/又は強さで示すことは可能である。
【0042】
図5は、第3表示領域230内における、設定パラメータPara1〜Para6用の異なる表示領域230.2〜230.6の例を示す。表示領域230.3及び230.4は、手動操作手段3のyの正又は負の方向へのスライド動作、あるいは、手動操作手段3の時計方向又は反時計方向の回転動作によって、パラメータPara1及びPara2の垂直方向に表示されたパラメータを設定するのに用いられる。
【0043】
表示領域230.5及び230.6は、手動操作手段3のxの正又は負の方向へのスライド動作、あるいは、手動操作手段3の時計方向又は反時計方向の回転動作によって、水平方向に配置されたパラメータPara3及びPara4を設定するのに用いられる。
【0044】
表示領域230.2は、2つのパラメータPara5及びPara6を同時に設定するために用いられる。この設定用のカーソル231は、略図的に示される車両室内で動くことができる十字線の形になっており、パラメータPara5の現在値が水平に配置されるバーによって示され、パラメータPara6の現在値が垂直に配置されるバーによって示される。パラメータPara5は、手動操作手段3の回転動作又は垂直方向のスライド動作によって設定され、パラメータPara6は、手動操作手段3の水平方向のスライド動作によって設定される。
【0045】
例としては、例えばオーディオアプリケーションの場合、パラメータPara1〜Para4は、低音、高音、音量等の音響機能を表し、パラメータPara5及びPara6は、バランス及びフェードイン/アウトのような音響機能を表す。
【0046】
これらの表示領域230.2〜230.6の1つは、手動操作手段3を押すことによって終了される。パラメータの設定に続いて、手動操作手段3を押すと、設定された現在のパラメータ値Para1〜Para6が保存され、アクティブ化された表示領域230.2〜230.6は終了される。
【0047】
本発明に従って手動操作手段の自由度をアクティブ化された表示領域における少なくとも1つの項目の方向へ割り付けることと、内部関係を有する2つの項目を同様な動きによって制御する可能性とによって、高い認識値が提供され、それによってアクティブな各表示領域を直観的に制御すること、及び、そのアクティブな表示領域を直観的に終了させることが可能になる。
【0048】
本発明に従って手動操作手段の自由度を、アクティブ化された表示領域において、設定可能なパラメータを表現する項目の方向へ割り付けることによって、各パラメータを直観的に制御すること、及び、アクティブな表示領域を直観的に終了させることが可能になる。
【0049】
本発明による制御システムはユーザの制御操作を簡易化し、従ってその認識負荷を低減し、それによって、ユーザが道路上に生起している事柄にさらに集中し得るようになる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】車両用の制御システムのブロック図を示す。
【図2】図1のディスプレイの第1メニューレベルにおける図解的表現を示す。
【図3】図1のディスプレイの表示領域の別のメニューレベルにおける図解的表現を示す。
【図4】図1のディスプレイの表示領域のさらに別のメニューレベルにおける図解的表現を示す。
【図5】図1のディスプレイのさらに別のメニューレベルにおける図解的表現を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のメニューレベルを有するメニュー構造において項目を選択及び/又はアクティブ化するための複数の自由度を有する手動操作手段(3)と、
前記メニュー構造を表示する複数の表示領域(210〜250)を備え、前記表示領域(210〜250)は、それぞれ、前記項目(1.1〜5.7)の1つを表示する少なくとも1つのフィールドを含むディスプレイ(2)を有する車両用の制御システム(1)において、
前記表示領域(210〜250)の少なくとも1つにおける前記メニュー構造の少なくとも1つのレベルにおいて、
少なくとも1つの第1項目(E2、E4、E8)を、前記手動操作手段(3)の複数の自由度の内の第1又は第2自由度による調整動作によって、選択及び/又はアクティブ化及び/又は設定することができ、前記第1及び第2自由度は、前記ディスプレイ(2)上のアクティブな表示領域(230.8、230.1)における少なくとも1つの第1項目(E1〜E5、E8)の方向に合致しており、
前記第1又は第2自由度による調整動作後に前記手動操作手段(3)をそのまま保持することによって、少なくとも1つの第2項目(E1、E5、E9)をアクティブ化及び/又は設定することができ、
前記少なくとも1つのアクティブな表示領域(230.1、230.8)が、前記手動操作手段(3)の第3又は第4自由度による調整動作によって終了され、その場合この第3及び第4自由度は、前記少なくとも1つの第1項目(E1〜E5、E8)の方向に直角であることを特徴とする車両用の制御システム(1)。
【請求項2】
前記少なくとも1つの第2項目(E9)が、前記少なくとも1つの第1項目(E8)と同じ方向を有することを特徴とする請求項1に記載の制御システム。
【請求項3】
前記第2項目(E9)が、アクティブ化及び/又は設定された前記第1項目(E8)の詳細な表示を表現することを特徴とする請求項1又は2に記載の制御システム。
【請求項4】
前記少なくとも1つの第1項目(E8)がラインを帯状に配列した形になっており、各ラインは同じ種類の選択可能なサブ項目を表すことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の制御システム。
【請求項5】
前記少なくとも1つの第1項目(E8)をカーソル(231.1)によって設定することができ、このカーソル(231.1)はバーの形になっており、前記手動操作手段(3)を前記第1又は第2自由度によって操作することによって、前記ラインの1つに位置設定できることを特徴とする請求項4に記載の制御システム。
【請求項6】
前記少なくとも1つの第2項目(E8)がレベルインジケータの形になっており、現在のレベルを可変バーの形のカーソル(231.2)によって表示できることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の制御システム。
【請求項7】
前記現在のレベルを、前記手動操作手段(3)を前記第1又は第2自由度によって操作してそのまま保持することによって設定できることを特徴とする請求項6に記載の制御システム。
【請求項8】
前記レベルが、前記第2項目(E9)において、現在の位置又は経過した時間を示すことを特徴とする請求項6又は7に記載の制御システム。
【請求項9】
前記少なくとも1つの第1項目(E8)が、オーディオアプリケーション、ビデオアプリケーション及び/又はテレビアプリケーションにおける、選択可能な複数のラジオ又はテレビ局あるいは音楽タイトルあるいはビデオクリップを表すことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の制御システム。
【請求項10】
前記少なくとも1つの第1項目(E2、E4)が、オーディオアプリケーション及び/又はビデオアプリケーション及び/又はテレビアプリケーションにおける、「次のエントリー」機能又は「前のエントリー」機能をアクティブ化するために表示されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の制御システム。
【請求項11】
前記少なくとも1つの第2項目(E1、E5、E9)が、オーディオアプリケーション、ビデオアプリケーション及び/又はテレビアプリケーションにおける、「早送り」機能又は「早戻し」機能あるいは「局探索」機能をアクティブ化及び/又は表示することを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の制御システム。
【請求項12】
複数のメニューレベルを含むメニュー構造において項目を選択及び/又はアクティブ化するための複数の自由度を有する手動操作手段(3)と、
前記メニュー構造を表示する複数の表示領域(210〜250)を備え、前記表示領域(210〜250)は、それぞれ、前記項目(1.1〜5.7)の1つを表示する少なくとも1つのフィールドを含むディスプレイ(2)を有する車両用の制御システム(1)において、
少なくとも1つの項目が、前記メニュー構造の少なくとも1つのレベルにおいて設定できる少なくとも1つの関連パラメータ(Para1〜Para6)を有し、
少なくとも1つの第1パラメータ(Para3、Para4、Para6)を、前記複数の自由度の内の第1及び/又は第2自由度による前記手動操作手段(3)の調整動作によって変更することができ、その際、その第1及び/又は第2自由度は、前記アクティブな表示領域(230.2、230.5、230.6)における前記変更可能なパラメータ(Para3、Para4、Para6)の方向に合致しており、
第5自由度による前記手動操作手段(3)の調整動作によって、前記変更された第1パラメータ(Para3、Para4、Para6)が保存され、前記アクティブな表示領域(230.2、230.5、230.6)が終了される、
ことを特徴とする車両用の制御システム(1)。
【請求項13】
前記少なくとも1つの第1パラメータ(Para3、Para4、Para6)が、オーディオアプリケーションにおける「バランス」、「音量」、「低音」又は「高音」機能を表すことを特徴とする請求項12に記載の制御システム。
【請求項14】
少なくとも1つの第2パラメータ(Para1、Para2、Para5)を、前記複数の自由度の内の第3及び/又は第4自由度による前記手動操作手段(3)の調整動作によって変更することができ、
前記第3及び/又は第4自由度は、前記アクティブな表示領域(230.2、230.3、230.4)における前記変更可能なパラメータ(Para1、Para2、Para5)の方向に合致しており、
前記第5自由度による前記手動操作手段(3)の調整動作によって、前記変更された第2パラメータ(Para1、Para2、Para5)が保存され、前記アクティブな表示領域(230.2、230.3、230.4)が終了されることを特徴とする請求項12又は13に記載の制御システム。
【請求項15】
前記少なくとも1つの第2パラメータ(Para1、Para2、Para5)が、オーディオアプリケーションにおける「フェーダ」、「音量」、「低音」又は「高音」機能を表すことを特徴とする請求項14に記載の制御システム。
【請求項16】
前記第1及び第2パラメータ(Para3、Para4、Para6、Para1、Para2、Para5)が、同じメニューレベル及び同じ表示領域(230.2)において変更されることを特徴とする請求項14又は15に記載の制御システム。
【請求項17】
前記アクティブな表示領域(230.1、230.3、230.4)における少なくとも1つの項目又は少なくとも1つのパラメータ(Para1、Para2)が垂直配置される場合、
−前記第1自由度が、前記手動操作手段(3)のyの正の方向へのスライド動作であり、
−前記第2自由度が、前記手動操作手段(3)のyの負の方向へのスライド動作であり、
−前記第3自由度が、前記手動操作手段(3)のxの正の方向へのスライド動作であり、
−前記第4自由度が、前記手動操作手段(3)のxの負の方向へのスライド動作であり、かつ、
−前記第5自由度が、前記手動操作手段(3)を、xyz座標系におけるzの負の方向に押す動きである、
ことを特徴とする請求項1〜16のいずれか1項に記載の制御システム。
【請求項18】
前記アクティブな表示領域(230.5、230.6、230.8)における少なくとも1つの項目(E1〜E5、E8、E9)又は少なくとも1つのパラメータ(Para3、Para4)が水平配置される場合、
−前記第1自由度が、前記手動操作手段(3)のxの正の方向へのスライド動作であり、
−前記第2自由度が、前記手動操作手段(3)のxの負の方向へのスライド動作であり、
−前記第3自由度が、前記手動操作手段(3)のyの正の方向へのスライド動作であり、
−前記第4自由度が、前記手動操作手段(3)のyの負の方向へのスライド動作であり、かつ、
−前記第5自由度が、前記手動操作手段(3)を、xyz座標系におけるzの負の方向に押す動きである、
ことを特徴とする請求項1〜16のいずれか1項に記載の制御システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2007−522001(P2007−522001A)
【公表日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−545969(P2006−545969)
【出願日】平成16年12月7日(2004.12.7)
【国際出願番号】PCT/EP2004/013893
【国際公開番号】WO2005/063522
【国際公開日】平成17年7月14日(2005.7.14)
【出願人】(598051819)ダイムラークライスラー・アクチェンゲゼルシャフト (1,147)
【Fターム(参考)】