説明

車両用アンテナのコネクタ

【課題】車両のガラスに設置されたアンテナ出力を取り出す第1のコネクタに、第2のコネクタをその横方向から接続できるようにして、取付時のガラスへの負荷をなくす。
【解決手段】車両用アンテナの端子にレッグ部28,29で接続する固定側コネクタ20Fと、信号増幅回路と受信装置へのケーブル22を備えて固定側コネクタ22Fに着脱可能に接続される移動側コネクタ22Mから構成されたコネクタ20において、固定側コネクタ22Fの本体27の上面にその短手方向に延伸するスライド溝13,14を形成し、移動側コネクタ20Mのボトムケース21の下面にはスライド溝13,14に嵌合可能なスライド突起23,24を設け、スライド溝13,14にスライド突起23,24を挿入して、固定側コネクタ22Fに対して横方向から移動側コネクタ22Fを結合してコネクタ20を形成するようにしたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車両用アンテナのコネクタに関し、特に、車両のフロントガラスやリヤガラスに設けられるアンテナと、受信装置に接続するケーブルとを接続する車両用アンテナのコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車等の車両の固定窓であるフロントガラスやリヤガラスには、車両に搭載されたラジオ放送やテレビ放送の電波の受信するためのアンテナが設けられている。アンテナで受信された電波は同軸ケーブル等のケーブルによってラジオ放送やテレビ放送の受信機に導かれる。このとき、ガラス上のアンテナとケーブルを接続するためにコネクタが使用される。コネクタは固定窓の内側に取り付けられる。
【0003】
リヤガラスにアンテナを設け、これにコネクタを接続する例は、例えば特許文献1に開示があるので、ここではフロントガラスに設けられたアンテナにコネクタを接続する例を説明する。図10は、自動車のフロントガラス1に取り付けられたコネクタ2、3の位置を示すものである。アンテナは図示していない。ここでは、例えば、コネクタ2がTV用であり、コネクタ3がラジオ用である。
【0004】
次に、図1を用いて従来のコネクタの構成を説明する。図1(a)は従来の車両の固定窓のガラス1(例えばフロントガラス1)に設けられたアンテナ(図示せず)と、車両に搭載された受信機に接続する同軸ケーブル(以後は単にケーブルと記す)22を結合する従来のコネクタ2を示すものである。この例では、ガラス1のアンテナの端子にレッグ部5が半田付されており、このレッグ部5に支えられた電極部6がある。電極部6はガラス1に垂直な金属板である。一方、コネクタ2は、図1(b)に示すように先端部に電極部6を受け入れる開口2Aがあり、後端部にケーブル22が接続している。コネクタ2の内部にアンプ回路が設けられていることもある。
【0005】
図1(c)は、図1(a)に示した電極部6にコネクタ2が接続された状態、及び図10に示したように、ガラス1の上に別のコネクタ3が直列に取り付けられた従来のコネクタ取付状況を説明するものである。従来のコネクタ2は、図1(a)に示したように、コネクタ2の長手方向からコネクタ2を電極部6に差し込んで接続していた。このために、コネクタ2とコネクタ3の間にコネクタ2を差し込むための作業スペースが必要であり、コネクタ2とコネクタ3の間を詰めることができず、コネクタ搭載位置の自由度が低いという問題点があった。
【0006】
そこで、図1(d)に示すように、車両のガラス1に設置されたアンテナにレッグ部7を接続させた接続用コネクタ(ホルダ)4Bをガラス1の上に設け、信号取出用のコネクタ4Aをこの接続用コネクタ4Bに対してガラス1に垂直な方向から結合させることができるコネクタ4がある。図1(e)は接続用コネクタ4Bに信号取出用のコネクタ4Aを結合させた状態を示すものである。この場合は、コネクタを直列に並べる場合でも両者の間に作業用スペースを確保する必要がない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−60626号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、図1(d)、(e)に示したコネクタ4では、接続用コネクタ4Bに信号取出用のコネクタ4Aを結合させる場合に、ガラス1の内側(室内側)から室外に向かって信号取出用のコネクタ4Aを接続用コネクタ4Bに対して押して結合するために、ガラス1に室外に向かう力が加わる。一般に、フロントガラスの車両への取り付けは、フレームに接着剤を塗布して車両の外側から行われる。このため、フロントガラスがフレームに確実に接着される前にコネクタの結合作業を行うと、室外に向かう力によってフロントガラスとフレームの接着部分にガラス浮きが発生する虞がある。
【0009】
そこで、本発明は、車両のフロントガラスに設置されたアンテナにコネクタを取り付ける場合に、コネクタの長手方向には作業スペースが不要であり、かつコネクタの結合時にフロントガラスに室外に向かう力が加わらない、設置が簡単な車両用アンテナのコネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成する本発明に係る車両用アンテナのコネクタは、車両用アンテナの端子に電気的に接続する第1のコネクタと、受信装置に接続するケーブルを備え、第1のコネクタに着脱可能に、かつ電気的に接続される第2のコネクタとから構成され、第1のコネクタには、端子に接続するレッグ部が設けられると共に、上面に少なくとも1つのスライド溝とスライド突起の何れか一方が、第1のコネクタの取付面に平行でかつ第2のコネクタの着脱方向に延伸されて設けられ、第2のコネクタには、第1のコネクタに設けられたスライド溝又はスライド突起に嵌合するスライド突起又はスライド溝が下面側に設けられ、第1と第2のコネクタにあるスライド溝とスライド突起には、両者のスライド方向に直角な方向への抜け止め機構が設けられており、第1と第2のコネクタの着脱をスライドして行うことを特徴としている。
【0011】
このような車両用アンテナのコネクタには、入力端子が第1のコネクタに接続し、出力端子がケーブルに接続するアンプ回路を備えた回路基板を第2のコネクタ内部に設け、アンプ回路の出力端子とケーブルの間に第3のコネクタを設けた形態が可能であり、この形態では第3のコネクタに接続するケーブルを第2のコネクタから取り外しできるので、内部回路に異常がある場合に第2のコネクタのみの交換が可能である。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る車両用アンテナのコネクタによれば、車両のフロントガラスやリヤガラス等の固定窓に設置されたアンテナに接続させた第1のコネクタに対して、第2のコネクタを固定窓に平行な方向からスライドさせて結合、或いは離脱させることができる。この結果、コネクタをその長手方向にコネクタを結合するための作業スペースを確保せずに並べて配置することができ、スペース効率を向上させることができる。また、コネクタの結合時にフロントガラスに室外に向かう力が加わらないので、フロントガラスが車両のフレームに完全に接着されていなくても、ガラス浮きが発生しない。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】(a)は従来の車両のガラス窓に設置されたアンテナに接続端子を取り付けてこれに雌型コネクタを接続する様子を示す側面図、(b)は(a)に示される雌型コネクタの正面図、(c)は車両のガラス窓に2つのアンテナが並んで設置され、(a)に示される接続端子にコネクタが取り付けられた従来のコネクタ取付状況を説明する図、(d)は車両のガラス窓に設置されたアンテナに接続用コネクタを取り付けてこれに信号取出用のコネクタを嵌合させる従来の車両用アンテナのコネクタの一例を示す図、(e)は(c)に示される接続用コネクタに信号取出用コネクタが取り付けられた状態を示す図である。
【図2】移動側と固定側の2つの部材を備える本発明の第1の実施例のコネクタの構成を示すものであり、(a)は移動側コネクタの正面図、(b)は(a)に示すコネクタをB方向から見た図、(c)は(a)に示すコネクタをC方向から見た図、(d)は(a)に示すコネクタをD方向から見た図、(e)は(a)に示すコネクタをE方向から見た図、(f)は固定側コネクタを上方から見た斜視図、(g)は固定側コネクタを下方から見た斜視図である。
【図3】図2(a)から(g)に示す本発明の第1の実施例の固定側コネクタに移動側コネクタを接続する様子を示すものであり、(a)は固定側コネクタに移動側コネクタを接続する様子を上方から見た斜視図、(b)は固定側コネクタに移動側コネクタを接続する様子を下方から見た斜視図である。
【図4】本発明の第1の実施例における固定側コネクタに移動側コネクタが結合された状態を示すものであり、(a)はコネクタの正面図、(b)は(a)に示すコネクタのB面を示す図、(c)は(a)に示すコネクタのC面を示す図、(d)は(a)に示すコネクタのD面を示す図、(e)は(a)に示すコネクタのE面を示す図である。
【図5】(a)は図4(c)のa−a断面図、(b)は図4(d)のb−b断面図、(c)は図4(d)のc−c断面図である。
【図6】(a)は図5に示した回路基板の一例を表面側から見た図、(b)は(a)に示した回路基板に実装されたアンプの内部構成を示すブロック回路図、(c)は図5に示した回路基板の別の一例を表面側から見た図である。
【図7】移動側と固定側の2つの部材を備える本発明の第1の実施例のコネクタの変形例の構成を示すものであり、(a)は移動側コネクタの下面に突設された突起が1条である構成を示す図、(b)は固定側コネクタからの移動側コネクタの抜けを防止する機構がテーパ面となっている構成を示す図、(c)は移動側コネクタにスライド溝を設け、固定側コネクタにスライド突起を設けた構成を示す図である。
【図8】(a)は本発明の第2の実施例の車両用アンテナのコネクタの構成を示す側面図、(b)は(a)に示されるコネクタの長手方向の断面図、(c)は(b)に示した状態から、ケーブルに取り付けられたコネクタが移動側コネクタに接続された状態を示す断面図である。
【図9】(a)は図9(a)に示した第2の実施例の車両用アンテナのコネクタの別の例の構成を示す側面図、(b)は(a)のF−F線における断面図である。
【図10】本発明の車両用アンテナのコネクタの設置位置を示す車両の部分平面図である。
【図11】移動側と固定側の2つの部材を備える本発明の第3の実施例のコネクタの移動側のコネクタの構成を示すものであり、(a)は移動側コネクタの正面図、(b)は(a)に示すコネクタをB方向から見た図、(c)は(a)に示すコネクタをC方向から見た図、(d)は(a)に示すコネクタをD方向から見た図、(e)は(a)に示すコネクタをE方向から見た図、(f)は(e)に示すコネクタのF−F線における局部断面図、(g)は(e)に示すコネクタのG−G線における局部断面図、(h)は(e)に示すコネクタをH方向から見た部分斜視図、(i)は(e)に示すコネクタをI方向から見た部分斜視図である。
【図12】(a)は、図11に示した移動側コネクタが取り付けられる固定側コネクタの一実施例の構成を示す平面図、(b)は(a)の斜視図、(c)は、図12(a)、(b)に示した実施例の変形実施例の構成を示す平面図、(d)は(c)の斜視図である。
【図13】(a)は図12(a)に示した固定側コネクタの長手方向の一方が車両のボディ側に取り付けられた時の図11に示した移動側コネクタの組み付け方向を示す図、(b)は移動側コネクタのロック突起が固定側コネクタのロック壁に当接した場合のロック機構の動作を説明する斜視図、(c)は図12(a)に示した固定側コネクタの長手方向の他方が車両のボディ側に取り付けられた時の図11に示した移動側コネクタの組み付け方向を示す図、(d)は移動側コネクタのロック突起が固定側コネクタのロック壁に当接した場合のロック機構の動作を説明する斜視図である。
【図14】(a)は図11に示した移動側コネクタが図12(a)に示した固定側コネクタに結合された状態を示す平面図、(b)は(a)に示したコネクタをB方向から見た側面図、(c)は(a)に示したコネクタをC方向から見た側面図、(d)は(b)に示したコネクタのD−D線における局部断面図、(e)は(b)に示したコネクタのE−E線における局部断面図である。
【図15】(a)は本発明の第3の実施例の変形例のコネクタの移動側のコネクタの構成を示す底面図、(b)は(a)に示す第3の実施例の変形例の移動側コネクタに結合する固定側コネクタの平面図、(c)は(a)に示す移動側コネクタのアーム部分を拡大して示す部分斜視図である。
【図16】移動側と固定側の2つの部材を備える本発明の第4の実施例のコネクタの移動側のコネクタの構成を示すものであり、(a)は移動側コネクタの正面図、(b)は(a)に示すコネクタをB方向から見た図、(c)は(a)に示すコネクタをC方向から見た図、(d)は(a)に示すコネクタをD方向から見た図、(e)は(a)に示すコネクタをE方向から見た図、(f)は第4の実施例のコネクタの移動側のコネクタを裏面側から見た斜視図である。
【図17】移動側と固定側の2つの部材を備える本発明の第4の実施例のコネクタの固定側のコネクタの構成を示すものであり、(a)は固定側コネクタの正面図、(b)は(a)に示すコネクタをB方向から見た図、(c)は(a)に示すコネクタをC方向から見た図、(d)は(a)に示すコネクタをD方向から見た図、(e)は(a)に示すコネクタをE方向から見た図、(f)は固定側コネクタの背面図、(g)は第4の実施例のコネクタの固定側のコネクタを表面側から見た斜視図である。
【図18】(a)は本発明の第4の実施例の移動側コネクタを固定側コネクタに結合させる様子を示す組み立て斜視図、(b)は第4の実施例の移動側コネクタを固定側コネクタにはめ込みスライドさせる直前の状態を示す側面図である。
【図19】(a)は本発明の第4の実施例の移動側コネクタと固定側コネクタの結合状態を示す平面図、(b)は(a)に示したコネクタの側面図、(c)は(a)に示したコネクタのC−C線における局部断面図、(d)は(c)に示したコネクタのD−D線における局部断面図、(e)は(c)に示したコネクタのE−E線における局部断面図、(f)は(c)に示したコネクタのF−F線における局部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下添付図面を用いて本発明に係る車両用アンテナのコネクタ実施の形態を、コネクタが車両のフロントガラスに設置される具体的な実施例に基づいて、詳細に説明する。
【0015】
図2(a)から(g)は本発明の第1の実施例のコネクタの構成を示すものである。図2(a)から(e)が第2のコネクタである移動側コネクタ20Mの構成を示している。また、図2(f)と(g)が第1のコネクタである固定側コネクタ20Fの構成を示している。移動側コネクタ20Mと固定側コネクタ20Fとはスライドして着脱される。図2において、(a)は移動側コネクタ20Mの正面図、(b)は(a)に示すコネクタ20MをB方向から見た図、(c)は(a)に示すコネクタ20MをC方向から見た図、(d)は(a)に示すコネクタ20MをD方向から見た図、(e)は(a)に示すコネクタ20MをE方向から見た図である。また、(f)は固定側コネクタ20Fを上方から見た斜視図、(g)は固定側コネクタ20Fを下方から見た斜視図を示している。
【0016】
まず、移動側コネクタ20Mの構造について説明する。移動側コネクタ20Mは、ボトムケース21とトップケース25から構成されており、ボトムケース21にケーブル22が接続している。ボトムケース21とトップケース25は合成樹脂で構成することができる。また、ボトムケース21の内部には、後述する回路基板が収容されている。そして、トップケース25の長手方向の両方の側面には、トップケース25のボトムケース側の端面に開口するU字状の溝25Mが所定間隔を隔てて2ケ所に設けられており、このU字状の溝25Mにボトムケース21の上端面に形成されたループ状部21Lを嵌め込むことにより、トップケース25がボトムケース21に取り付けられる。
【0017】
ボトムケース21の下面には、ボトムケースの長手方向に直交する方向(移動側コネクタ20Mが固定側コネクタ20Fに着脱される方向)に延伸するように形成された2つの突起であるスライド突起23,24が設けられており、このスライド突起23,24の延伸方向の側面の一方にはこのスライド突起23,24が後述するスライド溝から抜けを防止する係止突条23P,24Pが設けられている。そして、2つのスライド突起23,24の頂面(ボトムケース21から見れば底面)には、ボトムケース21に内蔵された後述する回路基板に接続する接続端子31,32が露出している。
【0018】
また、これら2つのスライド突起23,24の間の部分には、移動側コネクタ20Mを固定側コネクタ20Fに固定するロック機構26が設けられている。ロック機構26は2本のアーム26Mとロック孔26Aを備えている。2本のアーム26Mはその基部がボトムケース21の底面の一方の縁部に突設され、その後ボトムケース21の底面に平行に延伸され、先端部が結合されている。ロック孔26Aは2本のアーム26Mと先端部との間に設けられており、アーム26Mの先端部はボトムケース21の側面より外側に突出している。ここで、スライド突起23,24はスライド溝13,14に対して、コネクタの横方向からスライドして結合される。そして、スライド突起23,24とスライド溝13,14は共に係合する際のスライド方向に延伸して設けられている。
【0019】
次に、固定側コネクタ20Fの構成について説明する。固定側コネクタ20Fは、図2(f)、(g)に示すように、本体27と、この本体27に植設されたレッグ部28,29とから構成されている。本体27の移動側コネクタ20Mと結合する側には、前述のスライド突起23,24を受け入れるスライド溝13,14がある。スライド溝13,14の側面には、スライド突起23,24に設けられた係止突条23P,24Pに対応する位置に、係止溝13R,14Rが設けられている。係止突条23P,24Pは係止溝13R,14Rにそれぞれ挿入される。また、スライド溝13,14の底面にはレッグ部28,29に接続する電極11,12が露出している。ここで、スライド突起23,24はスライド溝13,14に対してコネクタの横方向から係合させてスライドさせる。そして、スライド突起23,24とスライド溝13,14は共に係合する際のスライド方向に延伸して設けられている。
【0020】
また、本体27の両側に取り付けられたレッグ部28,29を水平面(取付面)に載置すると、本体27と水平面との間には所定の隙間が開くようにレッグ部28,29が折り曲げられている。この隙間については後述する。更に、本体27の取付面側(移動側コネクタ20Mと結合する側の反対側)には、移動側コネクタ20Mに設けられたロック機構26のアーム26Mを受け入れるロック溝16があり、ロック溝16の中には、ロック機構26のロック孔26Aに係合するロック突起17がある。そして、スライド溝13,14にスライド突起23,24が完全に収容された場合に、ロック機構26のロック孔26Aにロック突起17が係合される。
【0021】
以上のような構成の固定側コネクタ20Fにおけるレッグ部28,29は、例えば信号用とグランド用として使用するために別部品であるが、これらレッグ部28,29の本体27への取り付けは、樹脂を用いたインサート成型により行うことができる。
【0022】
図3(a)、(b)は、図2(a)から(g)に示した本発明の第1の実施例の固定側コネクタ20Fに移動側コネクタ20Mを接続してコネクタ20を形成する様子を示すものであり、(a)が上方から見たものであり、(b)が下方から見たものである。固定側コネクタ20Fは、予め取付面、例えばアンテナが設置された自動車の固定ガラスに、レッグ部28,29がアンテナと半田付等によって接続された状態で固定されている。
【0023】
移動側コネクタ20Mを固定側コネクタ20Fに接続する場合は、まず、固定されている固定側コネクタ20Fに対して、移動側コネクタ20Mのロック機構26のアーム26Mの先端部がある側の面を対向させる。次いで、移動側コネクタ20Mのボトムケース21の側面より外側に突出しているアーム26Mの先端部を、固定側コネクタ20Fのロック溝16に挿入する。この挿入過程で、移動側コネクタ20Mのボトムケース21の下面に設けられたスライド突起23,24を、固定側コネクタ20Fのスライド溝13,14に挿入する。この実施例のスライド突起23,24の挿入側の縁部には、スライド突起23,24の固定側コネクタ20Fへの挿入を容易にするために、テーパが付されている。
【0024】
移動側コネクタ20Mの固定側コネクタ20Fへの挿入は、ロック機構26のアーム26Mの基部側が固定側コネクタ20Fの本体に当接した状態で停止する。そしてこの時、移動側コネクタ20Mの側面と固定側コネクタ20Fの側面が面一になると共に、ロック溝16内のロック突起17が、ロック機構26のロック孔26Aに嵌合する。よって、移動側コネクタ20Mは固定側コネクタ20Fに対してロックされ、移動側コネクタ20Mが固定側コネクタ20Fから外れなくなる。
【0025】
図4は、前述の構成を備えた固定側コネクタ20Fに移動側コネクタ20Mが結合された状態のコネクタ20を示すものであり、(a)はコネクタ20の正面図、(b)は(a)に示すコネクタ20のB面を示す図、(c)は(a)に示すコネクタ20のC面を示す図、(d)は(a)に示すコネクタ20のD面を示す図、(e)は(a)に示すコネクタ20のE面を示す図である。コネクタ20の各部分についてはその詳細を図2において説明したので、図4では同じ構成部材に同じ符号を付してその説明を省略する。
【0026】
ここで、固定側コネクタ20Fの本体27の両側に取り付けられたレッグ部28,29を二点鎖線で示す取付面Gに載置した場合に、本体27と取付面Gとの間に開く隙間Sについて説明する。ロック機構26の2本のアーム26Mは、ボトムケース21に突設された後に、ボトムケース21の底面に平行に延伸されており、先端部が基部に対して揺動できるようになっている。従って、この隙間Sは、アーム26Mの先端部を外部から取付面G側に移動させるためのものである。そして、ロック機構26の先端部を取付面G側に移動させると、ロック機構26とロック突起17との結合が解除されるので、固定側コネクタ20Fから移動側コネクタ20Mを外すことができる。
【0027】
図5(a)は図4(c)のa−a断面を示すものであり、図5(b)は図4(d)のb−b断面を示すものであり、図5(c)は図4(d)のc−c断面を示すものであって、図2及び図4では説明できなかったコネクタ20の内部の構成を説明するものである。図5に示すように、コネクタ20には、トップケース25とボトムケース21で囲まれた内部空間8の中に回路基板30があり、この回路基板30にケーブル22が接続している。
【0028】
また、移動側コネクタ20Mのボトムケース21に露出する接続端子31,32は、図5(b)に示すように(この図に示されているのは接続端子31のみ)、接続端子31,32に突設されたピンによって回路基板30の上の回路に接続している。回路基板30の構成については図6で説明する。
【0029】
図6(a)は図5に示した回路基板30の一例の構成を、ボトムケース21とトップケース25を除いて示すものである。破線で示すボトムケース21に設けられた接続端子31,32は、前述のようにピンで回路基板30まで導かれ、スルホール33,34で回路基板30の表側にある回路に接続される。この例では、スルホール33は回路で回路基板30の表側に実装されている集積回路40の入力端子に接続され、スルホール34は回路でケーブル22のアース線(外側導体)22Bに接続している。集積回路40はアンテナで受信された信号に対して増幅等の処理を施すものであり、処理された信号はケーブル22の中心導体(内側導体)22Aに出力される。
【0030】
この例では、回路基板30の一部が切りかかれているが、回路基板30には切欠部は無くても良く、ケーブル22の中心導体22Aは、図5(a)に示したように、回路基板30の裏面側から回路基板30にあるスルホールを介して回路基板に接続されても良いものである。
【0031】
図6(b)は図6(a)に示した集積回路40の内部構成を示すものである。集積回路40の内部にはアンテナ10に接続するフィルタ41、フィルタ41から出力される信号を増幅するアンプ42、アンプ42から出力される信号帯域を定めるフィルタ43があり、このフィルタ43は直流を阻止するコンデンサ44を介してケーブル22の中心導体22Aに接続している。このケーブル22は電源重畳ケーブルであり、重畳された電源電圧(直流)は、交流成分を遮断するコイル45を通じてアンプ42に供給される。
【0032】
図6(c)は、図6(a)に示したコネクタ20とは異なる回路基板30の構成を、ボトムケース21とトップケース25を除いて示すものである。図6(a)に示したコネクタ20の回路基板30では、接続端子31がホット側(信号伝達側)の端子であり、スルホール33で集積回路40の入力端子に接続されており、接続端子32がアース側の端子であって、スルホール34でケーブル22のアース線22Bに接続していた。一方、図3(c)に示したコネクタ20の回路基板30は、接続端子31がアース側の端子であり、スルホール34と回路でケーブル22のアース線22Bに接続しており、接続端子32がホット側(信号伝達側)の端子であって、スルホール33と回路で集積回路40の入力端子に接続されている。このように、接続端子31をアース側の端子、接続端子32をホット側の端子とすることも可能である。
【0033】
以上説明した実施例では、移動側コネクタ20Mにスライド突起23,24と係止突条23P,24Pがあり、固定側コネクタ20Fにスライド溝13,14と係止溝13P,14Pが設けられているが、移動側コネクタ20Mにスライド溝13,14と係止溝13P,14Pがあり、固定側コネクタ20Fにスライド突起23,24と係止突条23P,24Pが設けられていても良い。また、ロック機構26においても、固定側コネクタ20Fにロック孔26Aのあるロックアーム26M、移動側コネクタ20Mにロック溝16とロック突起17が設けられていても良い。
【0034】
図7(a)、(b)、(c)は、本発明の第1の実施例のコネクタの変形例の構成を示すものである。前述の実施例では、移動側コネクタ20Mの下面には、2つのスライド突起23,24が設けられていた。一方、図7(a)に示す変形例では、移動側コネクタ20Mの下面には、1つのスライド突起51が設けられているだけである。この場合、固定側コネクタ20Fの本体27に設けられるスライド溝15も1つだけである。その他の構成は第1の実施例と同じであるので、同じ構成部材には同じ符号を付してその説明を省略する。
【0035】
また、図7(b)に示す変形例は、移動側コネクタ20Mの下面に設けられるスライド突起23,24の、固定側コネクタ20Fのスライド溝13,14からの抜けを防止する機構が第1の実施例と異なる。第1の実施例では、スライド突起23,24の側面に設けられた係合突起23P、24Pと、スライド溝13,14に設けられた係合溝13R,14Rの係合によって、スライド突起23,24のスライド溝13,14からの抜けが防止されていた。一方、この変形例では、スライド突起23,24の側面がテーパ面23T,24Tとなっており、逆にスライド溝13,14の側面が逆テーパ面13T,14Tとなっていることによって、スライド突起23,24のスライド溝13,14からの抜けが防止されている。その他の構成は第1の実施例と同じであるので、同じ構成部材には同じ符号を付してその説明を省略する。
【0036】
更に、図7(c)に示す変形例は、移動側コネクタ20Mの下面にスライド溝35が設けられ、固定側コネクタ20Fの上面にスライド突起36が設けられたものであり、スライド溝35とスライド突起36の設置位置を移動側コネクタ20Mと固定側コネクタ20Fとで逆にする場合の構成の一例を示すものである。固定側コネクタ20Fからの移動側コネクタ20Mの抜けを防止する機構は、第1の実施例と同じである。その他の構成は第1の実施例と同じであるので、同じ構成部材には同じ符号を付してその説明を省略する。
【0037】
図8(a)は本発明の第2の実施例の車両用アンテナのコネクタ50の構成を示すものであり、図8(b)は(a)の断面を示すものである。第2の実施例のコネクタ50が第1の実施例のコネクタ20と相違する点は、ケーブル22のコネクタ50への接続方法である。第1の実施例のコネクタ20では、図5(a)に示したようにケーブル22は直接コネクタ20内に引き入れられ、コネクタ20に内蔵された回路基板30に半田付けによって接続されていた。
【0038】
一方、第2の実施例のコネクタ50は、図8(a)に示すように、固定側コネクタ50F、移動側コネクタ50M、及び着脱コネクタ60とから構成されている。固定側コネクタ50Fには、第1の実施例の固定側コネクタ20Fと同じものを使用することができる。また、移動側コネクタ50Mは、第1の実施例の移動側コネクタ20Mのケーブル接続部のみをコネクタ61に変更することによって作ることができ、他の部分の構成は、第1のコネクタ20の移動側コネクタ20Mと同じで良い。従って、第2の実施例の移動側コネクタ50Mにおいて、第1の実施例の移動側コネクタ20Mと同じ構成部分には同じ符号を付してその説明を省略する。
【0039】
第2の実施例では、移動側コネクタ50Mのボトムケース21のケーブル接続側に、雄型のコネクタ61をインサート成型によって形成し、雄型コネクタ61のピン62を回路基板30の出力端子に接続する。そして、移動側コネクタ50Mのケーブル接続側にコネクタ60を挿入できる開口部52を形成する。また、ケーブル22の先端部には、この雄型コネクタ61に結合することができる雌型の着脱コネクタ60を取り付けておく。この結果、移動側コネクタ50Mの開口部52を通じて、雄型コネクタ61に雌型の着脱コネクタ60を結合すれば、移動側コネクタ50Mにケーブル22を接続することができる。
【0040】
第2の実施例のように構成されたコネクタ50では、移動側コネクタ50Mに内蔵された回路基板30に実装された集積回路40に不具合が生じた場合、着脱コネクタ60を移動側コネクタ50Mから外すことにより、異常の生じた移動側コネクタ50Mのみを、正常な移動側コネクタ50Mに交換することができる。
【0041】
図9(a)は図8(a)に示した第2の実施例の車両用アンテナのコネクタ50の別の実施例のコネクタ50Aの構成を示すものであり、(b)は(a)のF−F線における断面を示している。この実施例のコネクタ50Aは、移動側コネクタ50Mと固定側コネクタ50Fとの結合が、コネクタ50Aの取り付け面に平行な方向ではなく、垂直方向となっている点が異なる。コネクタ50Aの固定側コネクタ50Fと移動側コネクタ50Mとを結合させる場合は、第1、第2の実施例のボトムケース21とトップケース25の結合に使用された機構を用いれば良い。
【0042】
即ち、移動側コネクタ50Mのボトムケース21の側面にU字状溝53を設けておき、固定側コネクタ50Fの本体27の側面にはループ状部54を設けておき、U字状溝53にループ状部54を結合させることによって、固定側コネクタ50Fに移動側コネクタ50Mを取り付ければ良い。
【0043】
ところで、車両用アンテナのコネクタは、見栄え上、車両のボディの車室側に設けられるトリムに隠すように設置されるので、コネクタの高さ、及び幅は極力小さいことが望まれている。以上のように構成された実施例のコネクタ20、50は、固定側コネクタと移動側コネクタの結合をコネクタの幅方向のスライドで行うようにし、ロック機構も固定側コネクタに設けた溝内に移動側コネクタに設けたロック部材を挿入するようにして行っているので、コネクタの高さ方向に複雑な機構が扶養となり、コネクタの高さを抑えることができる。
【0044】
また、移動側コネクタのスライド突起の幅を変更しておけば、移動側コネクタを固定側コネクタに誤って挿入する虞がなくなる。前述の実施例のコネクタでは、通常は固定側コネクタに対して、移動側コネクタは車両の窓の中央部側からスライドさせて結合させるようになっている。
【0045】
ところで、前述の第1及び第2の実施例のコネクタ20,50は、ロック機構26の構成により、移動側コネクタ20M,50Mを、固定側コネクタ20F,50Fの一方の側からスライドさせて結合させるものであった。そこで、ロック機構の構成を変更し、移動側コネクタを固定側コネクタのどちらの側からもスライドさせて結合させることができる第3の実施例のコネクタ70を図11から図14を用いて説明する。なお、第3の実施例のコネクタ70は、第1及び第2の実施例のコネクタ20,50に対して、ロック機構の構成のみが異なるので、第3の実施例のコネクタ70において第1及び第2の実施例のコネクタ20,50と構成が同じ部分については同じ符号を付してその説明を省略する。
【0046】
図11は移動側コネクタと固定側コネクタを備える本発明の第3の実施例のコネクタ70の、移動側のコネクタ70Mの構成を示すものである。図11(a)は移動側コネクタ70Mの正面図であり、この図に示される移動側コネクタ70Mを、矢印で示されるB方向、C方向、D方向、及びE方向から見た図がそれぞれ図11(b)、(c)、(d)、及び(e)である。また、図11(f)は図11(e)のF−F線における局部断面図、図11(g)は図11(e)のG−G線における局部断面図である。更に、図11(h)は図11(e)に示すコネクタ70MをH方向から見たものであり、図11(i)は図11(e)に示すコネクタ70MをI方向から見たものである。
【0047】
移動側コネクタ70Mに設けられた2つのスライド突起23,24の間の部分には、移動側コネクタ70Mを固定側コネクタに固定するロック機構71が設けられている。ロック機構71は3本のアーム72A,72B,72Cを備えている。3本のアーム72A,72B,72Cの頂面と2つのスライド突起23,24の頂面との間には段差があり、3本のアーム72A,72B,72Cの頂面の方が、2つのスライド突起23,24の頂面よりも低くなっている。
【0048】
2本のアーム72A,72Bは所定の間隔を隔てて設けられ、その基部がボトムケース21の底面の一方の縁部に突設され、その後ボトムケース21の底面に対してスペースを開けて平行に延伸され、先端部が結合されている。この結合部には、ボトムケース21の側面から外に突出するロック解除タブ73Aが設けられている。また、結合部のロック解除タブ73Aの反対側には、3本目のアーム72Cがスリット74を隔てて2本のアーム72A,72Bに平行に設けられている。
【0049】
3本目のアーム72Cの先端部はボトムケース21の側面から外に突出しており、この先端部がロック解除タブ73Bとなっている。また、2本のアーム72A,72Bの先端部近傍にはロック突起75A,75Bがそれぞれ突設されており、3本目のアーム72Cの先端部近傍にもロック突起75Cが突設されている。ロック突起75A,75Bは、アーム72A,72Bの先端部側がアーム72A,72Bに対して垂直面になっており、アーム72A,72Bの基部側が斜面となっている。同様に、ロック突起75Cは、アーム72Cの先端部側がアーム72Cに対して垂直面になっており、アーム72Cの基部側が斜面となっている。
【0050】
このようなロック機構71では、図11(h)に示すように、ロック解除タブ73Aを矢印S方向に押し下げ、アーム72A,72Bの先端部を下方に移動させることができる。同様に、図11(i)に示すように、ロック解除タブ73Bを矢印S方向に押し下げ、アーム72Cの先端部を下方に移動させることができる。このロック解除タブ73A、73Bを用いたロック解除動作については後に詳述する。
【0051】
図12(a)、(b)は、図11に示した移動側コネクタ70Mが取り付けられる固定側コネクタ70Fの一実施例の構成を示すものである。固定側コネクタ70Fの本体27の移動側コネクタ70Mと結合する側には、移動側コネクタ70Mのスライド突起23,24を受け入れるスライド溝13,14の間の部分に、固定側コネクタ70Fのロック機構71に対応するロック機構76がある。ロック機構76は、3本のガイド通路76A,76B,76Cと、ロック壁77A,77B,77Cと、ガイド壁78とから構成されている。
【0052】
ガイド壁78は固定側コネクタ70Fの幅方向に平行に等間隔で4本設けられている。ガイド壁78の高さは、移動側コネクタ70Mのスライド突起23,24の頂面とアーム72A,72B,72Cの頂面との間の段差に等しい。3本のガイド通路76A,76B,76Cは、この4本のガイド壁78に挟まれた部分であり、それぞれのガイド通路76A,76B,76Cの端部には、ガイド壁78に連続するロック壁77A,77B,77Cが設けられている。ロック壁77Aと77Bは同じ側にあり、ロック壁77Cは反対側にある。
【0053】
図12(c)、(d)は、図11に示した移動側コネクタ70Mが取り付けられる固定側コネクタ70Fの変形実施例の構成を示すものである。固定側コネクタ70Fの変形実施例が、図12(a)、(b)に示した実施例と異なる点は、ガイド壁78がない点のみである。したがって、変形実施例の図12(a)、(b)に示した実施例と同じ構成部材には同じ符号を付してその説明を省略する。以上のように構成された第3の実施例の移動側コネクタ70Mは、固定側コネクタ70Fの左右のどちらからでも結合することができる。これを図13を用いて説明する。
【0054】
図13(a)は、図12(a)に示した固定側コネクタ70Fの長手方向の一方、例えばガイド通路76A,76Bの開口側とロック壁77Cがある側が、車両のボディ側に取り付けられた状態を示すものである。この状態では、移動側コネクタ70Mは車両のボディ側から固定側コネクタ70Fに組み付けることができない。
【0055】
この場合は、移動側コネクタ70Mのロック解除タブ73B側を固定側コネクタ70Fに向け、第1と第2の実施例と同様に、固定側コネクタ70Fのスライド溝13,14に、移動側コネクタ70Mのスライド突起23,24を挿入し、固定側コネクタ70Fに対して移動側コネクタ70Mをスライドさせる。このとき、移動側コネクタ70Mのアーム72Cに設けられたロック突起75Cが、固定側コネクタ70Fのガイド通路76Cをガイド壁78にガイドされて移動する。
【0056】
移動側コネクタ70Mを固定側コネクタ70Fに対してスライドさせると、やがて図13(b)に示すように、移動側コネクタ70Mのアーム72A,72Bに設けられたロック突起75A,75Bが、固定側コネクタ70Fのロック壁77A,77Bに当接する。ロック突起75A,75Bのアーム72A,72Bの基部側は斜面となっているので、このまま移動側コネクタ70Mを固定側コネクタ70Fに対してスライドさせ続けると、ロック壁77A,77Bがロック突起75A,75Bの斜面の上を滑る状態になり、アーム72A,72Bが矢印U方向に撓む。
【0057】
そして、移動側コネクタ70Mにあるロック突起75Cの端部が、固定側コネクタ70Fにあるロック壁77Cに当接した時点で、突起75A,75Bがロック壁77A,77Bを乗り越えるので、アーム72A,72Bが元の位置に戻る。この状態でロック突起75A,75Bの垂直面がロック壁77A,77Bに係合するので、移動側コネクタ70Mが固定側コネクタ70Fにロックされる。
【0058】
図14(a)〜(e)は以上のようなスライド動作により、移動側コネクタ70Mが固定側コネクタ70Fに結合された状態を示すものであり、図14(b)が図14(a)の矢印B方向から見たものであり、図14(c)が図14(a)の矢印C方向から見たものである。また、図14(d)は図14(b)のD−D線における局部断面を示しており、図14(e)は図14(b)のE−E線における局部断面を示している。
【0059】
図14(d)、(e)から分かるように、移動側コネクタ70Mが固定側コネクタ70Fに結合された状態では、移動側コネクタ70Mのロック突起75Cの端部が、固定側コネクタ70Fにあるロック壁77Cに当接しており、ロック突起75Aの端部がロック壁77Aに当接している。図示はしないが、ロック突起75Bの端部もロック壁77Bに当接している。よって、この状態では移動側コネクタ70Mが固定側コネクタ70Fから外れることがない。
【0060】
図13(c)は、図12(a)に示した固定側コネクタ70Fの長手方向の他方、例えばとロック壁77A,77Bとガイド通路76Cの開口側がある側が、車両のボディ側に取り付けられた状態を示すものである。この状態では、移動側コネクタ70Mは車両のボディ側から固定側コネクタ70Fに組み付けることができない。
【0061】
この場合は、移動側コネクタ70Mのロック解除タブ73A側を固定側コネクタ70Fに向け、第1と第2の実施例と同様に、固定側コネクタ70Fのスライド溝13,14に、移動側コネクタ70Mのスライド突起23,24を挿入し、固定側コネクタ70Fに対して移動側コネクタ70Mをスライドさせる。このとき、移動側コネクタ70Mのアーム72A,72Bに設けられたロック突起75A,75Bが、固定側コネクタ70Fのガイド通路76A,76Bをガイド壁78にガイドされて移動する。
【0062】
移動側コネクタ70Mを固定側コネクタ70Fに対してスライドさせると、やがて図13(d)に示すように、移動側コネクタ70Mのアーム72Cに設けられたロック突起75Cが、固定側コネクタ70Fのロック壁7Cに当接する。ロック突起75Cのアーム72Cの基部側は斜面となっているので、このまま移動側コネクタ70Mを固定側コネクタ70Fに対してスライドさせ続けると、ロック壁77Cがロック突起75Cの斜面の上を滑る状態になり、アーム72Cが矢印V方向に撓む。
【0063】
そして、移動側コネクタ70Mにあるロック突起75A,75Bの端部が、固定側コネクタ70Fにあるロック壁77A,77Bに当接した時点で、ロック突起75Cがロック壁77Cを乗り越えるので、アーム72Cが元の位置に戻る。この状態でロック突起75Cの垂直面がロック壁77Cに係合するので、移動側コネクタ70Mが固定側コネクタ70Fにロックされる。この状態は既に説明した図14(a)〜(e)に示す状態であり、固定側コネクタ70Fに対して移動側コネクタ70Mをどちらの側から組み付けても結合後の状態は同じである。
【0064】
一方、結合された状態の移動側コネクタ70Mを固定側コネクタ70Fから外す場合には、図14(d)に示すロック解除タブ73Bを矢印K方向に押し上げれば、ロック突起75Cのロック壁77Cとの当接が外れるので、移動側コネクタ70Mを固定側コネクタ70Fに対して矢印X方向にスライドさせ、固定側コネクタ70Fから移動側コネクタ70Mを外すことができる。逆に、図14(d)に示すロック解除タブ73Aを矢印L方向に押し上げれば、図14(e)に示すロック突起75Aのロック壁77Aとの係合が外れる(突起75Bとロック壁77Bとの係合も外れる)ので、移動側コネクタ70Mを固定側コネクタ70Fに対して矢印Y方向にスライドさせ、固定側コネクタ70Fから移動側コネクタ70Mを外すことができる。
【0065】
以上、固定側コネクタ70Fに対して左右のどちらの側からも移動側コネクタ70Mを組み付けることが可能な第3の実施例のコネクタ70を説明した。この実施例では、移動側コネクタ70Mのロック機構71にロック突起75A,75B,75Cの設けられたアーム72A,72B,72Cがあり、固定側コネクタ70Fのロック機構76にロック壁77A、77B,77Cが設けられているが、逆に、移動側コネクタ70Mのロック機構71にロック壁77A、77B,77Cが設けられ、固定側コネクタ70Fのロック機構76にロック突起75A,75B,75Cの設けられたアーム72A,72B,72Cが設けられていても良い。
【0066】
また、第3の実施例ではロック機構71が3本のアームとその先端部にあるロック突起とから構成されていたが、アームの数は2本で構成する変形例が可能である。この変形例を図15を用いて説明する。
【0067】
図15(a)は本発明の第3の実施例の変形例のコネクタの移動側のコネクタ70mの構成を示すものであり、(b)は(a)に示す移動側コネクタ70mに結合する固定側コネクタ70fを示している。また、図15(c)は(a)に示す移動側コネクタ70mのアーム72a、72bを拡大して示すものである。この変形例の移動側コネクタ70mと固定側コネクタ70fは、第3の実施例の移動側コネクタ70Mと固定側コネクタ70Fに対して、ロック機構71Aと76Aの構成のみが異なる。よって、この変形例の第3の実施例と同じ構成部分については同じ符号を付してその説明を省略し、ここではロック機構71Aと76Aの構成だけを説明する。
【0068】
ロック機構71Aは2本のアーム72a,72bを備えている。2本のアーム72a,72bの頂面と2つのスライド突起23,24の頂面との間には第3の実施例同様に段差がある。2本のアーム72a,72bは所定の間隔を隔てて設けられ、アーム72aはその基部がボトムケース21の底面の一方の縁部に突設され、アーム72bはその基部がボトムケース21の底面の他方の縁部に突設されている。2本のアーム72a,72bはその後ボトムケース21の底面に対してスペースを開けて平行に延伸され、それぞれの先端部はボトムケース21の側面から外に突出し、ロック解除タブ73a,73bとなっている。
【0069】
また、2本のアーム72a,72bの先端部近傍にはロック突起75a,75bがそれぞれ突設されている。ロック突起75a,75bは、それぞれロック解除タブ73a,73b側がアーム72a,72bに対して垂直面になっており、アーム72a,72bの基部側が斜面となっている。ロック機構71Aでは、ロック解除タブ73a,73bを用いてアーム72a,72bの先端部を揺動させることができることも同様である。
【0070】
次に、図15(a)に示した移動側コネクタ70mに対応する固定側コネクタ70fのロック機構76Aの構成を図15(b)により説明する。ロック機構76Aは、2本のガイド通路76a,76bと、ロック壁77a,77bと、ガイド壁78Aとから構成されている。ガイド壁78Aは固定側コネクタ70fの幅方向に平行に等間隔で3本設けられている。ガイド壁78Aの高さは第3の実施例と同じである。2本のガイド通路76a,76bは、この3本のガイド壁78Aに挟まれた部分であり、それぞれのガイド通路76a,76bの端部には、ガイド壁78Aに連続するロック壁77a,77bが設けられている。ロック壁77aとロック壁77bは固定側コネクタ70fの幅方向の同じ側にはなく、反対側に位置している。
【0071】
以上のように構成されたロック機構71Aと76Aを備える移動側コネクタ70mと固定側コネクタ70fの組み付け動作、及び解除動作は、前述の第3の実施例と同様であるので、これ以上の説明を省略する。
【0072】
図16は移動側と固定側の2つの部材を備える本発明の第4の実施例のコネクタの移動側のコネクタ80Mの構成を示すものであり、(a)は移動側コネクタ80Mの正面図である。また、図16(b)〜(e)は図16(a)に示す移動側コネクタ80Mを、それぞれ矢印B方向、C方向、D方向、及びE方向から見た図を示している。更に、図16(f)は第4の実施例の移動側のコネクタ80Mを裏面側から見たものである。なお、第4の実施例のコネクタにおいて、先に説明した第1の実施例と同じ構成部材については同じ符号を付してその説明を省略する。
【0073】
移動側コネクタ80Mは、ボトムケース21とトップケース25の構成、及びボトムケース21の内部にある回路基板、移動側コネクタ80Mに接続するケーブル22の構成は第1の実施例と同様である。ここでは、移動側コネクタ80Mの、ケーブル22が接続しない側を先端部、ケーブル22が接続する側を後端部とする。ボトムケース21の下面には、ボトムケース21の長手方向に所定間隔を隔てて、先端部側に第1のスライド部81が突設されており、後端部側に第2のスライド部82が突設されている。また、第2のスライド部82の後端部側にはロック機構83が設けられている。
【0074】
第1のスライド部81は直方体をしており、両側面の上部にはボトムケース21の長手方向に平行な方向(移動側コネクタ80Mが固定側コネクタに着脱される方向)に延伸するスライド突条81L,81Rが突設されている。スライド突条81L,81Rの上側の面は、第1のスライド部81の頂面と同じ面になっている。また、第1のスライド部81の先端部側には、後述する固定側コネクタのスライド溝にスライド突条81L,81Rがうまく挿入されるようにするためのガイド突起81Gが設けられている。スライド突条81L,81Rは、移動側コネクタ80Mが後述する固定側コネクタに装着された時に、移動側コネクタ80Mが固定側コネクタから外れないようにする抜け止めの機能も有する。第1のスライド部81の頂面には接続端子31が露出している。
【0075】
第2のスライド部82は第1のスライド部81と同様の形状をしており、両側面の上部にスライド突条82L,82Rが突設されている。スライド突条82L,82Rの上側の面は、第2のスライド部82の頂面と同じ面になっており、第2のスライド部82の先端部側にガイド突起82Gが設けられていることも同様である。スライド突条82L,82Rも、移動側コネクタ80Mが後述する固定側コネクタに装着された時に、移動側コネクタ80Mが固定側コネクタから外れないようにする抜け止めの機能を有する。第2のスライド部82の頂面には接続端子32が露出している。
【0076】
第2のスライド部82の後端部側の端面には、移動側コネクタ80Mのスライド動作を停止させるための係止壁84があり、この係止壁84にロック機構83が取り付けられている。ロック機構83は2本のアーム83L、83Rとロック突起85L,85Rを備えている。2本のアーム83L、83Rはその基部が係止壁84の先端部に突設され、その後ボトムケース21の底面に平行に延伸されている。よって、2本のアーム83L、83Rはその基部を中心にして揺動可能である。2本のアーム83L、83は先端部がボトムケース21の後端部よりも外側の部分で連結されてロック解除タブ86となっている。ロック突起85L,85Rは先端部側が斜面になっており、後端部側が2本のアーム83L、83に対して垂直な面になっている。
【0077】
図17は本発明の第4の実施例のコネクタの固定側のコネクタ80Fの構成を示すものであり、(a)が固定側コネクタ80Fの正面図を示している。そして、図17(a)に示す固定側コネクタ80Fを矢印B方向、C方向、D方向、及びE方向から見た図がそれぞれ図17(b)〜(e)に示されている。そして、図16(f)は固定側コネクタ80Fの背面図であり、図16(g)は固定側コネクタを表面側から見た斜視図である。
【0078】
固定側コネクタ80Fは、本体87と、この本体87に植設されたレッグ部28,29とから構成されている。ここでは、レッグ部28がある側を後端部側、レッグ部29がある側を先端部側とする。本体87の移動側コネクタ80Mと結合する側には、前述の第1のスライド部81を受け入れる案内穴88と段差部89がある。案内穴88の形状は、移動側コネクタ80Mの第1のスライド部81を挿通させることができる形状である。また、段差部89は、本体87の後端部側を本体87の頂面に平行に切り欠いたものである。
【0079】
本体87の先端部側には、案内穴88に連通するガイド穴87Aがあり、移動側コネクタ80Mの第1のスライド部81を収容するようになっている。したがって、ガイド穴87Aの本体87の幅方向の断面形状は、第1のスライド部81の幅方向の断面形状よりも僅かに大きな形状をしている。そして、ガイド穴87Aの底面にはレッグ部29に接続する電極11が露出している。また、本体87の段差部89に隣接する部分には、段差部89に連通するガイド穴87Bがあり、移動側コネクタ80Mの第2のスライド部82を収容するようになっている。したがって、ガイド穴87Bの本体87の幅方向の断面形状は、第2のスライド部82の幅方向の断面形状よりも僅かに大きな形状をしている。そしてガイド穴87Bの底面にはレッグ部28に接続する電極12が露出している。
【0080】
更に、段差部89の頂面の両側には、移動側コネクタ80Mのロック機構83のアーム83L,83Rに突設されたロック突起85L,85Rを受け入れるためのロック溝89L,89Rがある。段差部89の深さは、移動側コネクタ80Mの係止壁84の高さと同じである。
【0081】
図18(a)は図16に示した移動側コネクタ80Mを、図17に示した固定側コネクタ80Fに結合させる直前の様子を示すものであり、図18(b)は移動側コネクタ80Mを固定側コネクタ80Fにはめ込み、スライドさせる直前の状態を示すものである。固定側コネクタ80Fは、予め取付面、例えばアンテナが設置された自動車の固定ガラスに、レッグ部28,29がアンテナと半田付等によって接続された状態で固定されている。
【0082】
移動側コネクタ80Mを固定側コネクタ80Fに接続する場合は、図18(a)に示すように、まず、固定されている固定側コネクタ80Fに対して、移動側コネクタ80Mの第1のスライド部81を案内穴88に挿入し、同時に第2のスライド部82を段差部89の上に置く。この状態が図18(b)に示す状態である。この状態では、移動側コネクタ80Mの第1のスライド部81のガイド突起81Gと第2のスライド部82のガイド突起82Gが、それぞれ固定側コネクタ80Fのガイド穴87Aとガイド穴87Bに対向している。
【0083】
図18(b)に示す状態から移動側コネクタ80Mを矢印FW方向にスライドさせると、第1のスライド部81がガイド穴87Aに収容されていき、第2のスライド部82がガイド穴87Bに収容されていく。移動側コネクタ80Mの移動は、係止壁84が段差部89の壁面84Wに当接して終了する。この時、ロック機構83のロック突起85L,85Rがそれぞれロック溝89L,89Rに係合する。この状態が図19(a)〜(f)に示す状態である。
【0084】
図19(a)は移動側コネクタ80Mと固定側コネクタ80Fが結合したコネクタ80を上側から見たものである。また、図19(b)は図19(a)のコネクタ80を側面から見たものであり、係止壁84が段差部89の壁面84Wに当接している状態、及びロック突起85Lがロック溝89Lに係合している状態が分かる。そして、前述の実施例と同様に、ロック解除タブ86を上方に引き上げれば、ロック突起85L及び図示されないロック突起85Lが、ロック溝89L及び図示されないロック溝89Rから外れるので、移動側コネクタ80Mを固定側コネクタ80Fから取り外すことができる。
【0085】
更に、図19(c)は図19(a)のC−C線における局部断面を示すものであり、図19(d)、(e)、(f)はそれぞれ、図19(c)に示したコネクタ80のD−D線、E−E線、及びF−F線における局部断面を示すものである。移動側コネクタ80Mと固定側コネクタ80Fが結合した状態では、第1のスライド部81のスライド突条81L,81Rが固定側コネクタ80Fの本体87と係合しており、第2のスライド部82のスライド突条82L,82Rが固定側コネクタ80Fの本体87と係合しているので、移動側コネクタ80Mは、固定側コネクタ80Fに対して上方には抜けないことが分かる。
【0086】
第4の実施例のコネクタ80では、固定側コネクタ80Fに対して移動側コネクタ80Mを上からはめ込み、移動側コネクタ80Mを固定側コネクタ80Fの先端側にスライドさせることによって結合を行っているが、移動側コネクタ80Mに所定間隔だけ離して第1のスライド部81と第2のスライド部82とを設けたことにより、結合時に固定側コネクタ80Fに対する移動側コネクタ80Mのスライド量を低減することができるので、組み付け作業スペースを低減することができる。また、固定側コネクタ80Fと移動側コネクタ80Mとは第1のスライド部81と第2のスライド部82の2箇所で結合しているので、固定側コネクタ80Fに対して移動側コネクタ80Mが外れ易くなることがなく、結合時のガタつきも無い。
【0087】
なお、第4の実施例では移動側コネクタ80Mの第1のスライド部81と第2のスライド部82にスライド突条81L,81Rを設け、固定側コネクタ80Fの本体87にガイド穴87A,87Bを設けているが、移動側コネクタ80Mの第1のスライド部81と第2のスライド部82にスライド溝を設け、固定側コネクタ80Fの本体87にスライド突条を設けても良いものである。同様に、ロック機構83のロック突起とロック溝を移動側コネクタ80Mと固定側コネクタ80Fで逆に設けても良いものである。
【符号の説明】
【0088】
1 ガラス
8 内部空間
11,12 電極
13、14、15 スライド溝
13P、14P 係合突起
16 ロック溝
17 ロック突起
20 第1の実施例のコネクタ
20F 固定側コネクタ
20M 移動側コネクタ
21 ボトムケース
22 同軸ケーブル
23,24 スライド突起
25 トップケース
26 ロック部材
26M アーム
26A ロック孔
27 固定側コネクタの本体
28,29 レッグ部
30 回路基板
31,32 接続端子
40 集積回路
50 本発明の第2の実施例のコネクタ
60 着脱コネクタ
61 雄型コネクタ
70 第3の実施例のコネクタ
70F 固定側コネクタ
70M 移動側コネクタ
71、76 ロック機構
72A,72B,72C アーム
73A,73B ロック解除タブ
75A,75B,75C ロック突起
76A,76B,76C ロック機構
77A,77B,77C ロック壁
78 ガイド壁
80 第4の実施例のコネクタ
80F 固定側コネクタ
80M 移動側コネクタ
81 第1のスライド部
82 第2のスライド部
83 ロック機構
84 係止壁
85L,85R ロック突起
86 ロック解除タブ
88 案内穴
89 段差部
89L、89R ロック溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用アンテナの端子に電気的に接続する第1のコネクタと、
受信装置に接続するケーブルを備え、前記第1のコネクタに着脱可能に、かつ電気的に接続される第2のコネクタとから構成され、
前記第1のコネクタには、前記端子に接続するレッグ部が設けられると共に、上面に少なくとも1つのスライド溝とスライド突起の何れか一方が、前記第1のコネクタの取付面に平行でかつ前記第2のコネクタの着脱方向に延伸されて設けられ、
前記第2のコネクタには、前記第1のコネクタに設けられたスライド溝又はスライド突起に嵌合するスライド突起又はスライド溝が下面側に設けられ、
前記第1と第2のコネクタにある前記スライド溝と前記スライド突起には、両者のスライド方向に直角な方向への抜け止め機構が設けられており、
前記第1と第2のコネクタの着脱をスライドして行うことを特徴とする車両用アンテナのコネクタ。
【請求項2】
前記抜け止め機構が、前記スライド突起のスライド方向の側面に設けられたテーパ面と、前記テーパ面に対向する前記スライド溝の側面に設けられた逆テーパ面であることを特徴とする請求項1に記載の車両用アンテナのコネクタ。
【請求項3】
前記抜け止め機構が、前記スライド突起のスライド方向の側面に設けられた突条と、前記突条に対向する前記スライド溝の側面に設けられて前記突条を受け入れる凹部であることを特徴とする請求項1に記載の車両用アンテナのコネクタ。
【請求項4】
前記抜け止め機構が、前記スライド突起のスライド方向の側面に設けられた凹部と、前記凹部に対向する前記スライド溝の側面に設けられた突条であることを特徴とする請求項1に記載の車両用アンテナのコネクタ。
【請求項5】
前記第1のコネクタのスライド溝内又はスライド突起の表面には、前記レッグ部に導通する導電体が露出しており、
前記第2のコネクタのスライド突起又はスライド溝には、前記第1と第2のコネクタの嵌合時に前記導電体に接続する端子が設けられていることを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の車両用アンテナのコネクタ。
【請求項6】
前記第1と第2のコネクタには、ロック孔とロック突起がそれぞれ設けられており、前記スライド突起が前記スライド溝に完全に収容された場合に、前記ロック孔と前記ロック突起が係合することを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の車両用アンテナのコネクタ。
【請求項7】
入力端子が前記第1のコネクタに接続し、出力端子が前記ケーブルに接続するアンプ回路を備えた回路基板が前記第2のコネクタ内部に設けられ、
前記アンプ回路の出力端子と前記ケーブルの間に第3のコネクタが設けられており、前記ケーブルが前記第2のコネクタから取り外しできるようになっていることを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載の車両用アンテナのコネクタ。
【請求項8】
前記第3のコネクタは、前記第2のコネクタ側が雄型コネクタであり、前記ケーブルの先端部に接続するコネクタが雌型コネクタであることを特徴とする請求項7に記載の車両用アンテナのコネクタ。
【請求項9】
前記第1と第2のコネクタには、ロック壁と、このロック壁に係合可能なロック突起を先端部近傍に備えた揺動アームの何れか一方が設けられており、
前記スライド突起が前記スライド溝に完全に収容される直前に、前記ロック壁と前記ロック突起が当接し、
この状態から前記揺動アームを撓ませながら前記第1のコネクタに対して前記第2のコネクタを更にスライドさせると、前記ロック突起が前記ロック壁を乗り越えた時点で、前記ロック突起が前記ロック壁に係合することを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の車両用アンテナのコネクタ。
【請求項10】
前記ロック壁と前記揺動アームのペアは少なくとも2組設けられており、少なくとも1つの前記揺動アームの基部は前記第1か第2のコネクタの一方の側面に設けられており、他の前記揺動アームの基部は前記第1か第2のコネクタの他方の側面に設けられていて、
前記第1のコネクタに対して前記第2のコネクタは、前記第1のコネクタの両方の側面の何れの側からも組み付けが可能に構成されていることを特徴とする請求項9に記載の車両用アンテナのコネクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2010−182639(P2010−182639A)
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−27653(P2009−27653)
【出願日】平成21年2月9日(2009.2.9)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】