車両用サンシェード構造体
【課題】左右のレールを正確に平行に配設することができ、且つ部品点数が少なく、軽量な車両用サンシェード構造体を提供する。
【解決手段】本発明の車両用サンシェード構造体200は、第1レール111、第1レールと対向するように配設された第2レール112、第1レールの一端部と第2レールの一端部とを結合するように配設された第1ロール軸121、及び第1レールの他端部と第2レールの他端部とを結合するように配設された第2ロール軸122、を備える平面形状が方形の枠体と、第1レールの側方に設けられた第1レールブラケット131と、第2レールの側方に設けられた第2レールブラケット132と、第1ロール軸及び第2ロール軸の各々に引き出し可能に巻回されたロールサンシェード15と、を備える。
【解決手段】本発明の車両用サンシェード構造体200は、第1レール111、第1レールと対向するように配設された第2レール112、第1レールの一端部と第2レールの一端部とを結合するように配設された第1ロール軸121、及び第1レールの他端部と第2レールの他端部とを結合するように配設された第2ロール軸122、を備える平面形状が方形の枠体と、第1レールの側方に設けられた第1レールブラケット131と、第2レールの側方に設けられた第2レールブラケット132と、第1ロール軸及び第2ロール軸の各々に引き出し可能に巻回されたロールサンシェード15と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用サンシェード構造体に関する。更に詳しくは、本発明は、左右のレールを正確に平行に配設することができ、平行度を高めるための専用の架け渡し部材を必要としないため、部品点数が少なく、且つ軽量な車両用サンシェード構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
車室内へ太陽光を取り入れるためのサンルーフ仕様の天井を備える車両が提供されている。例えば、車両の天井に設けられた開口と、風雨の侵入を防ぐためのガラス製のルーフと、必要に応じて太陽光を遮光するためのサンシェードとを有するサンルーフが知られている。また、サンシェードの開閉を容易にするためには、両側でサンシェードを支持しているレールの平行度が高いことが必須であり、この平行度を高めるため、左右のレールを各々の前端部においてフロントレールにより固定し、更に長さ方向の中間部にレールを架け渡したサンシェードが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
更に、固定されたルーフパネルに形成された開口と、この開口を閉鎖及び少なくとも部分的に開放するための、前後に並べて配置された透明な2個のリッドとを備える車両ルーフが知られている(例えば、特許文献2参照。)。この車両ルーフでは、各々のリッドに日除けユニットが支持され、この日除けユニットがそれぞれのリッドとともに移動可能である。
【0004】
【特許文献1】特開平9−226379号公報
【特許文献2】特開2001−347837号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載されたサンシェードでは、左右のレールの平行度を高めるため、専用の架け渡し部材が用いられており、部品点数が多くなるとともに、重量も大きくなる。また、このサンシェードでは、左右のレール、フロントレール及び架け渡し部材が天井材に接合されているため、天井材の変形により左右のレールの平行度が影響を受け易く、問題である。更に、特許文献2に記載された車両ルーフでは、日除けユニットが硬質で変形し難いリッドに取り付けられているため、平行度の面では問題ないが、この車両ルーフでは、天井材の開口の周縁の補強が別途必要となり、部品点数も多く、軽量化という観点でも問題である。
【0006】
本発明は、上記の従来の状況に鑑みてなされたものであり、左右のレールを正確に平行に配設することができ、平行度を高めるための専用の架け渡し部材を必要としないため、部品点数が少なく、且つ軽量であり、天井材に接合されるのが左右のレールのみであるため、左右のレールの平行度が天井材の変形による影響を受け難い車両用サンシェード構造体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は以下のとおりである。
1.第1レール、該第1レールと対向するように配設された第2レール、該第1レールの一端部と該第2レールの一端部とを結合するように配設された第1ロール軸、及び該第1レールの他端部と該第2レールの他端部とを結合するように配設された第2ロール軸、を備える平面形状が方形の枠体と、該第1レールの側方に設けられた第1レールブラケットと、該第2レールの側方に設けられた第2レールブラケットと、該第1ロール軸及び該第2ロール軸の各々に引き出し可能に巻回されたロールサンシェードと、を備えることを特徴とする車両用サンシェード構造体。
2.上記第1レールと上記第1レールブラケットとが一体に成形されており、上記第2レールと上記第2レールブラケットとが一体に成形されている上記1.に記載の車両用サンシェード構造体。
3.上記第1レールブラケット及び上記第2レールブラケットは、それぞれ、車両のルーフパネルが有する補強部材に固定されることになる凸部と、車両の天井材に固定されることになる凹部と、を有する上記1.又は2.に記載の車両用サンシェード構造体。
4.上記凸部の表面に面ファスナーが取り付けられている上記3.に記載の車両用サンシェード構造体。
5.上記枠体の四隅にレールホルダが配設され、該レールホルダにより、上記第1レールの上記一端部及び上記第2レールの上記一端部が各々上記1ロール軸と結合され、且つ該第1レールの上記他端部及び該第2レールの上記他端部がそれぞれ上記第2ロール軸と結合されている上記1.乃至4.のうちのいずれか1項に記載の車両用サンシェード構造体。
6.上記レールホルダに設けられたレール差し込み部に、上記第1レール及び上記第2レールの各々の両端部が差し込まれて組み付けられている上記5.に記載の車両用サンシェード構造体。
7.上記レール差し込み部は、上記第1レール及び上記第2レールの各々の両端側を囲むような形態で、該第1レール及び該第2レールを保持しており、該レール差し込み部の上記枠体の内方側となる側面に切欠部が設けられ、該切欠部の切欠幅が、該ロールサンシェードの先端部に取り付けられ、且つ該第1レール及び該第2レールと互いに摺動する把持部材の厚さより小さい上記6.に記載の車両用サンシェード構造体。
8.上記第1ロール軸の一端部及び他端部が、各々、上記第1レールの上記一端部に設けられた貫通孔及び上記第2レールの上記一端部に設けられた貫通孔に挿通されて固定され、上記第2ロール軸の一端部及び他端部が、それぞれ、該第1レールの上記他端部に設けられた貫通孔及び該第2レールの上記他端部に設けられた貫通孔に挿通されて固定され、上記枠体が形成されている上記1.乃至4.のうちのいずれか1項に記載の車両用サンシェード構造体。
【発明の効果】
【0008】
本発明の車両用サンシェード構造体では、左右のレールと、ロールサンシェードが引き出し可能に巻回された前後のロール軸とにより、構造体の強度を支持するための枠体が形成されている。そのため、左右のレールの平行度が高く、且つ平行度を高めるための専用の架け渡し部材を必要とせず、部品点数が少なく、軽量であり、且つ天井材に接合されるのが左右のレールのみであるため、左右のレールの平行度が天井材の変形による影響を受け難い。また、ロールサンシェードを用いているため、サンルーフの開口を大きくすることができる。更に、天井材と車両用サンシェード構造体とが一体であるため、車体への組み付けが容易であり、作業性に優れる。
また、第1レールと第1レールブラケットとが一体に成形されており、第2レールと第2レールブラケットとが一体に成形されている場合は、より部品点数が少なく、且つ簡易な構造の車両用サンシェード構造体とすることができる。
更に、第1レールブラケット及び第2レールブラケットが、それぞれ、車両のルーフパネルが有する補強部材に固定されることになる凸部と、車両の天井材に固定されることになる凹部と、を有する場合は、ルーフパネルと、天井材と、車両用サンシェード構造体とを確実に固定することができる。
また、凸部の表面に面ファスナーが取り付けられている場合は、車両用サンシェード構造体が固定された天井材をルーフパネルの補強部材に組み付けるときの作業がし易く、且つ脱着可能であるため修理、清掃等の際に取り外すことができ、保守管理が容易であり、構造体が天井材とルーフパネルの補強部材とに固定されたときは、十分な剛性が確保されるためロールサンシェードの操作も容易である。
更に、枠体の四隅にレールホルダが配設され、レールホルダにより、第1レールの一端部及び第2レールの一端部が各々第1ロール軸と結合され、且つ第1レールの他端部及び第2レールの他端部がそれぞれ第2ロール軸と結合されている場合は、枠体の組み立てが容易であり、左右のレールの平行度の高い車両用サンシェード構造体とすることができる。
また、レールホルダに設けられたレール差し込み部に、第1レール及び第2レールの各々の両端側が差し込まれて組み付けられている場合は、枠体の組立がより容易であり、且つ左右のレールの平行度の高い車両用サンシェード構造体とすることができる。
更に、レール差し込み部は、第1レール及び第2レールの各々の両端側を囲むような形態で、第1レール及び第2レールを保持しており、レール差し込み部の枠体の内方側となる側面に切欠部が設けられ、切欠部の切欠幅が、ロールサンシェードの先端部に取り付けられ、且つ第1レール及び第2レールと互いに摺動する把持部材の厚さより小さい場合は、レール差し込み部の端面が把持部材のストッパーとなり、より取り扱い易い車両用サンシェード構造体とすることができる。
また、第1ロール軸の一端部及び他端部が、各々、第1レールの一端部に設けられた貫通孔及び第2レールの一端部に設けられた貫通孔に挿通されて固定され、第2ロール軸の一端部及び他端部が、それぞれ、第1レールの他端部に設けられた貫通孔及び第2レールの他端部に設けられた貫通孔に挿通されて固定され、枠体が形成されている場合は、簡易な構造であって、且つ枠体の組み立てがより容易であり、左右のレールの平行度の高い車両用サンシェード構造体とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の第1の実施形態を図1〜9を参照しながら説明する。
本発明の車両用サンシェード構造体100は、第1レール111、第1レール111と対向するように配設された第2レール112、第1レール111の一端部と第2レール112の一端部とを結合するように配設された第1ロール軸121、及び第1レール11の他端部と第2レール112の他端部とを結合するように配設された第2ロール軸122、を備える平面形状が方形の枠体と、第1レール111の側方に設けられた第1レールブラケット131と、第2レール112の側方に設けられた第2レールブラケット132と、第1ロール軸121及び第2ロール軸122の各々に引き出し可能に巻回されたロールサンシェード15と、を備える(図2参照)。
【0010】
本発明の車両用サンシェード構造体100は、サンルーフ仕様の車両のルーフパネルに設けられた開口部からの太陽光を遮光するため、天井材3の裏面側に配設される。また、車室内から見たときは、ロールサンシェードがロール軸に巻回された状態では、ロールサンシェード15を引き出す際に把持部材151を掴むために必要な部分のみが見え、ロールサンシェード15を引き出したときは、例えば、図1のように、ロールサンシェード15の一部と把持部材151の両端側を除く部分とが見える。この図1では、前後のロール軸121、122の各々に巻回されていたロールサンシェード15がともに引き出されているが、一方のロールサンシェード15のみを引き出してもよいし、それぞれのロールサンシェード15の先端部に取り付けられている把持部材151の各々の先端面を当接させ、全面を遮光するようにしてもよい。
【0011】
第1レール111と第1レールブラケット131とは、射出成形法等により一体に成形された成形品であってもよく、それぞれ別体として成形された部材を一体に固定して形成されていてもよい。また、第2レール112と第2レールブラケット132も、同様に一体成形品であってもよく、別体として成形された部材が一体に固定されていてもよい。別体として成形された部材を一体に固定する方法は特に限定されず、例えば、接着剤を用いて接合する、熱融着させる、ネジ止めする等の方法が挙げられる。第1レール111と第1レールブラケット131、及び第2レール112と第2レールブラケット132は、それぞれ一体成形品であることが好ましい。一体成形品であれば、部品点数が少なく、工程を減らすこともでき、車両用サンシェード構造体100の強度を高めることもできる。
【0012】
車両用サンシェード構造体100を車体に取り付ける方法は特に限定されず、天井材3のみに固定してもよいし、天井材3とルーフパネル2とに固定してもよい(図6〜9参照)。本発明の車両用サンシェード構造体100は軽量であるため、天井材3のみに固定することにより十分に支持することができるが、天井材3の基体は樹脂成形品であるため、天井材3とルーフパネル2とに固定することが好ましい。この天井材3とルーフパネル2とに固定する場合の形態は特に限定されないが、車両のルーフパネル2が有する補強部材21に固定されることになる凸部131a、132aと、車両の天井材3に固定されることになる凹部131b、132bとを有する、第1レールブラケット131及び第2レールブラケット132を備える車両用サンシェード構造体100であることが好ましい(図2及び図8参照)。
【0013】
凸部131a、132aを補強部材21に固定する方法、及び凹部131b、132bを天井材3に固定する方法は特に限定されないが、各々、接着剤を用いて接合し、固定することができる。また、凸部131a、132aと補強部材21とは、凸部131a、132aの表面に取り付けられた面ファスナー14(図2及び図8参照)と、補強部材21の所定位置に取り付けられた面ファスナー14(図8参照)とにより固定することもできる。このように、凸部131a、132aと補強部材21とを面ファスナー14により固定する形態では、車両用サンシェード構造体100が固定された天井材3を組み付けるときの作業が容易である。更に、脱着可能であるため修理、清掃等の際に取り外すことができ、保守管理も容易である。
【0014】
左右のレール111、112と前後のロール軸121、122とを結合する方法は特に限定されないが、例えば、レールホルダ16を用いて結合することができる。即ち、枠体の四隅にレールホルダ16が配設され、このレールホルダ16により、第1レール111の一端部及び第2レール112の一端部が各々第1ロール軸121と結合され、且つ第1レール111の他端部及び第2レール112の他端部がそれぞれ第2ロール軸122と結合されている形態とすることができる(図2参照)。
【0015】
レールホルダ16を用いてレール111、112とロール軸121、122とを結合する方法も特に限定されない。レール111、112は、例えば、レールホルダ16に設けられたレール差し込み部161(図5参照)に、第1レール111及び第2レール112の各々の両端部を差し込むことにより組み付けることができる(第1レール111の場合の図3及び図4参照)。
【0016】
更に、レール差し込み部161は、第1レール111及び第2レール112の各々の両端側を囲むような形態で、第1レール111及び第2レール112を保持しており(図3及び図4参照)、レール差し込み部161の枠体の内方側となる側面に切欠部161a(図5参照)が設けられ、この切欠部161aの切欠幅(図5の切欠部161aの切欠幅w参照)が、ロールサンシェード15の先端部に取り付けられ、且つ第1レール111及び第2レール112と互いに摺動して移動する把持部材151の厚さ(図5の把持部材151の厚さt参照)より小さいことが好ましい。これにより、巻き取り時、把持部材151の両端部の側方端面が切欠部161aの縁部のレール差し込み部161の端面に当接して、把持部材151が停止するため、遮光が必要となったとき、ロールサンシェード15を容易に引き出すことができる。
【0017】
また、ロール軸121、122は、例えば、第1ロール軸121及び第2ロール軸122の各々の両端部に形成された嵌合凸部(第1ロール軸121の場合の図5における嵌合凸部121a参照)を、レールホルダ16の内壁面に設けられた嵌合凹部162(図5参照)に差し込むことにより組み付けることができる。
尚、図5において、付勢部材121b(第1ロール軸121の他端部、第2ロール軸122の一端部及び他端部に近接して同様の付勢部材が配設されている。)は、より具体的には、巻き取り用バネであり、ロールサンシェード15を巻き取られる方向に付勢するための部材である。
【0018】
以上、詳述した第1の実施形態では、レール111、112とロール軸121、122とはレールホルダ16を用いて結合されているが、レール111、112とロール軸121、122との結合は、下記の第2の実施形態のように、より簡略な結合形態とすることもできる。
【0019】
以下、この第2の実施形態について図10〜11を参照しながら説明する(尚、この図10〜11は別形態の構造体に係る図であるが、同じ部材には同符号を付する。)。
この第2の実施形態では、枠体は、第1ロール軸121の一端部及び他端部が、各々、第1レール111の一端部に設けられた貫通孔(第2レール112の場合の図11における貫通孔112a参照)及び第2レール112の一端部に設けられた貫通孔に挿通されて固定され、第2ロール軸122の一端部及び他端部が、それぞれ、第1レール111の他端部に設けられた貫通孔及び第2レールの他端部に設けられた貫通孔に挿通されて固定されて形成されている。
【0020】
この第2の実施形態では、レールホルダ16のような結合のための他の部材を必要とすることなく、枠体を形成することができ、部品点数が少なく、組み立ても容易である。また、この第2の実施形態では、第1ロール軸121(図11参照、第2ロール軸122の場合も同様である。)には、ロールサンシェード15を巻き取り方向に付勢するための付勢部材が内蔵されており、部品点数がより少なく、組み立てもより容易である。
【0021】
更に、この第2の実施形態でも、車両用サンシェード構造体200は、第1の実施形態の場合と同様にして遮光のために用いることができる。また、第1レール111と第1レールブラケット131、及び第2レール112と第2レールブラケット132とが、各々、一体成形品であってもよく、別体として成形された部材が一体に固定されていてもよいことも、第1の実施形態の場合と同様である。また、この車両用サンシェード構造体200は、第1の実施形態の場合と同様にして車体に取り付けることができ、凸部131a、132aと補強部材21とを面ファスナー14により固定することが好ましいことも第1の実施形態の場合と同様である。
【0022】
尚、本発明では、上記の実施形態の記載に限られず、目的等によって、本発明の範囲内で種々変更した実施形態とすることができる。例えば、第1の実施形態では、ロール軸の一端側及び他端部に近接して付勢部材が別部材として配設されており、この付勢部材によりロールサンシェードが巻き取られる構成になっているが、第2の実施形態のように、付勢部材が内蔵されたロール軸を用いることもできる。
【0023】
また、第1の実施形態では、レールの枠体の内方側となる側面に帯状凹部が設けられており、この帯状凹部を、ロールサンシェードを引き出す、又は巻き取るための把持部材の両端部が摺動しながら移動する構成になっており、一方、第2の実施形態では、把持部材の両端部に凹部が設けられており、この凹部が、レールの枠体の内方側となる側面に設けられた帯状凸部を摺動しながら移動する構成になっているが、この構成はいずれであってもよく、第1の実施形態の構成を第2の実施形態に適用することもでき、第2の実施形態の構成を第1の実施形態に適用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】ロールサンシェードを両側から引き出した状態を車室内からみたときの模式的な斜視図である。
【図2】天井材の裏面に取り付けられた車両用サンシェード構造体の一例を、天井材の裏面側からみたときの模式的な斜視図である。
【図3】図2の車両用サンシェード構造体において、レールとロール軸とが結合されている四隅のうちの一部を枠体の外方からみた模式的な一部斜視図である。
【図4】レールとロール軸とが結合されている四隅のうちの一部を枠体の内方からみた模式的な一部斜視図である。
【図5】レールホルダを分解したときの内部の構造等の模式的な斜視図である。
【図6】車両の一部と、車両用サンシェード構造体の前方側の一部の模式的な説明図である。
【図7】車両の一部と、車両用サンシェード構造体の後方側の一部の模式的な説明図である。
【図8】前方側からみて右側の車両の一部と、車両用サンシェード構造体の右方側の一部の模式的な説明図である。
【図9】前方側からみて右側の車両の一部と、車両用サンシェード構造体の右方側の一部の、図8とは異なる位置での模式的な説明図である。
【図10】天井材の裏面に取り付けられた車両用サンシェード構造体の他例を、天井材の裏面側からみたときの模式的な斜視図である。
【図11】図10の車両用サンシェード構造体において、レールとロール軸とが結合されている四隅のうちの一部を枠体の外方からみた模式的な一部斜視図である。
【符号の説明】
【0025】
100、200;車両用サンシェード構造体、111;第1レール、112;第2レール、112a;貫通孔、121;第1ロール軸、121a;嵌合凸部、121b;付勢部材(巻き取り用バネ)、122;第2ロール軸、12a;固定ネジ、131;第1レールブラケット、131a;凸部、131b;凹部、132;第2レールブラケット、132a;凸部、132b;凹部、14;面ファスナー、15;ロールサンシェード、151;把持部材、16;レールホルダ、161;レール差し込み部、161a;切欠部、162;嵌合凹部、163;付勢部材嵌合用凹部、164;ホルダカバー、2;ルーフパネル、21;補強部材、3;天井材、4;ガラス製ルーフ、41;接続部材、51;フロントウィンドウ、52;サイドウィンドウ、61;フロントピラー、62;センターピラー、7;サンバイザ、8;バックミラー、9;室内灯。
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用サンシェード構造体に関する。更に詳しくは、本発明は、左右のレールを正確に平行に配設することができ、平行度を高めるための専用の架け渡し部材を必要としないため、部品点数が少なく、且つ軽量な車両用サンシェード構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
車室内へ太陽光を取り入れるためのサンルーフ仕様の天井を備える車両が提供されている。例えば、車両の天井に設けられた開口と、風雨の侵入を防ぐためのガラス製のルーフと、必要に応じて太陽光を遮光するためのサンシェードとを有するサンルーフが知られている。また、サンシェードの開閉を容易にするためには、両側でサンシェードを支持しているレールの平行度が高いことが必須であり、この平行度を高めるため、左右のレールを各々の前端部においてフロントレールにより固定し、更に長さ方向の中間部にレールを架け渡したサンシェードが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
更に、固定されたルーフパネルに形成された開口と、この開口を閉鎖及び少なくとも部分的に開放するための、前後に並べて配置された透明な2個のリッドとを備える車両ルーフが知られている(例えば、特許文献2参照。)。この車両ルーフでは、各々のリッドに日除けユニットが支持され、この日除けユニットがそれぞれのリッドとともに移動可能である。
【0004】
【特許文献1】特開平9−226379号公報
【特許文献2】特開2001−347837号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載されたサンシェードでは、左右のレールの平行度を高めるため、専用の架け渡し部材が用いられており、部品点数が多くなるとともに、重量も大きくなる。また、このサンシェードでは、左右のレール、フロントレール及び架け渡し部材が天井材に接合されているため、天井材の変形により左右のレールの平行度が影響を受け易く、問題である。更に、特許文献2に記載された車両ルーフでは、日除けユニットが硬質で変形し難いリッドに取り付けられているため、平行度の面では問題ないが、この車両ルーフでは、天井材の開口の周縁の補強が別途必要となり、部品点数も多く、軽量化という観点でも問題である。
【0006】
本発明は、上記の従来の状況に鑑みてなされたものであり、左右のレールを正確に平行に配設することができ、平行度を高めるための専用の架け渡し部材を必要としないため、部品点数が少なく、且つ軽量であり、天井材に接合されるのが左右のレールのみであるため、左右のレールの平行度が天井材の変形による影響を受け難い車両用サンシェード構造体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は以下のとおりである。
1.第1レール、該第1レールと対向するように配設された第2レール、該第1レールの一端部と該第2レールの一端部とを結合するように配設された第1ロール軸、及び該第1レールの他端部と該第2レールの他端部とを結合するように配設された第2ロール軸、を備える平面形状が方形の枠体と、該第1レールの側方に設けられた第1レールブラケットと、該第2レールの側方に設けられた第2レールブラケットと、該第1ロール軸及び該第2ロール軸の各々に引き出し可能に巻回されたロールサンシェードと、を備えることを特徴とする車両用サンシェード構造体。
2.上記第1レールと上記第1レールブラケットとが一体に成形されており、上記第2レールと上記第2レールブラケットとが一体に成形されている上記1.に記載の車両用サンシェード構造体。
3.上記第1レールブラケット及び上記第2レールブラケットは、それぞれ、車両のルーフパネルが有する補強部材に固定されることになる凸部と、車両の天井材に固定されることになる凹部と、を有する上記1.又は2.に記載の車両用サンシェード構造体。
4.上記凸部の表面に面ファスナーが取り付けられている上記3.に記載の車両用サンシェード構造体。
5.上記枠体の四隅にレールホルダが配設され、該レールホルダにより、上記第1レールの上記一端部及び上記第2レールの上記一端部が各々上記1ロール軸と結合され、且つ該第1レールの上記他端部及び該第2レールの上記他端部がそれぞれ上記第2ロール軸と結合されている上記1.乃至4.のうちのいずれか1項に記載の車両用サンシェード構造体。
6.上記レールホルダに設けられたレール差し込み部に、上記第1レール及び上記第2レールの各々の両端部が差し込まれて組み付けられている上記5.に記載の車両用サンシェード構造体。
7.上記レール差し込み部は、上記第1レール及び上記第2レールの各々の両端側を囲むような形態で、該第1レール及び該第2レールを保持しており、該レール差し込み部の上記枠体の内方側となる側面に切欠部が設けられ、該切欠部の切欠幅が、該ロールサンシェードの先端部に取り付けられ、且つ該第1レール及び該第2レールと互いに摺動する把持部材の厚さより小さい上記6.に記載の車両用サンシェード構造体。
8.上記第1ロール軸の一端部及び他端部が、各々、上記第1レールの上記一端部に設けられた貫通孔及び上記第2レールの上記一端部に設けられた貫通孔に挿通されて固定され、上記第2ロール軸の一端部及び他端部が、それぞれ、該第1レールの上記他端部に設けられた貫通孔及び該第2レールの上記他端部に設けられた貫通孔に挿通されて固定され、上記枠体が形成されている上記1.乃至4.のうちのいずれか1項に記載の車両用サンシェード構造体。
【発明の効果】
【0008】
本発明の車両用サンシェード構造体では、左右のレールと、ロールサンシェードが引き出し可能に巻回された前後のロール軸とにより、構造体の強度を支持するための枠体が形成されている。そのため、左右のレールの平行度が高く、且つ平行度を高めるための専用の架け渡し部材を必要とせず、部品点数が少なく、軽量であり、且つ天井材に接合されるのが左右のレールのみであるため、左右のレールの平行度が天井材の変形による影響を受け難い。また、ロールサンシェードを用いているため、サンルーフの開口を大きくすることができる。更に、天井材と車両用サンシェード構造体とが一体であるため、車体への組み付けが容易であり、作業性に優れる。
また、第1レールと第1レールブラケットとが一体に成形されており、第2レールと第2レールブラケットとが一体に成形されている場合は、より部品点数が少なく、且つ簡易な構造の車両用サンシェード構造体とすることができる。
更に、第1レールブラケット及び第2レールブラケットが、それぞれ、車両のルーフパネルが有する補強部材に固定されることになる凸部と、車両の天井材に固定されることになる凹部と、を有する場合は、ルーフパネルと、天井材と、車両用サンシェード構造体とを確実に固定することができる。
また、凸部の表面に面ファスナーが取り付けられている場合は、車両用サンシェード構造体が固定された天井材をルーフパネルの補強部材に組み付けるときの作業がし易く、且つ脱着可能であるため修理、清掃等の際に取り外すことができ、保守管理が容易であり、構造体が天井材とルーフパネルの補強部材とに固定されたときは、十分な剛性が確保されるためロールサンシェードの操作も容易である。
更に、枠体の四隅にレールホルダが配設され、レールホルダにより、第1レールの一端部及び第2レールの一端部が各々第1ロール軸と結合され、且つ第1レールの他端部及び第2レールの他端部がそれぞれ第2ロール軸と結合されている場合は、枠体の組み立てが容易であり、左右のレールの平行度の高い車両用サンシェード構造体とすることができる。
また、レールホルダに設けられたレール差し込み部に、第1レール及び第2レールの各々の両端側が差し込まれて組み付けられている場合は、枠体の組立がより容易であり、且つ左右のレールの平行度の高い車両用サンシェード構造体とすることができる。
更に、レール差し込み部は、第1レール及び第2レールの各々の両端側を囲むような形態で、第1レール及び第2レールを保持しており、レール差し込み部の枠体の内方側となる側面に切欠部が設けられ、切欠部の切欠幅が、ロールサンシェードの先端部に取り付けられ、且つ第1レール及び第2レールと互いに摺動する把持部材の厚さより小さい場合は、レール差し込み部の端面が把持部材のストッパーとなり、より取り扱い易い車両用サンシェード構造体とすることができる。
また、第1ロール軸の一端部及び他端部が、各々、第1レールの一端部に設けられた貫通孔及び第2レールの一端部に設けられた貫通孔に挿通されて固定され、第2ロール軸の一端部及び他端部が、それぞれ、第1レールの他端部に設けられた貫通孔及び第2レールの他端部に設けられた貫通孔に挿通されて固定され、枠体が形成されている場合は、簡易な構造であって、且つ枠体の組み立てがより容易であり、左右のレールの平行度の高い車両用サンシェード構造体とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の第1の実施形態を図1〜9を参照しながら説明する。
本発明の車両用サンシェード構造体100は、第1レール111、第1レール111と対向するように配設された第2レール112、第1レール111の一端部と第2レール112の一端部とを結合するように配設された第1ロール軸121、及び第1レール11の他端部と第2レール112の他端部とを結合するように配設された第2ロール軸122、を備える平面形状が方形の枠体と、第1レール111の側方に設けられた第1レールブラケット131と、第2レール112の側方に設けられた第2レールブラケット132と、第1ロール軸121及び第2ロール軸122の各々に引き出し可能に巻回されたロールサンシェード15と、を備える(図2参照)。
【0010】
本発明の車両用サンシェード構造体100は、サンルーフ仕様の車両のルーフパネルに設けられた開口部からの太陽光を遮光するため、天井材3の裏面側に配設される。また、車室内から見たときは、ロールサンシェードがロール軸に巻回された状態では、ロールサンシェード15を引き出す際に把持部材151を掴むために必要な部分のみが見え、ロールサンシェード15を引き出したときは、例えば、図1のように、ロールサンシェード15の一部と把持部材151の両端側を除く部分とが見える。この図1では、前後のロール軸121、122の各々に巻回されていたロールサンシェード15がともに引き出されているが、一方のロールサンシェード15のみを引き出してもよいし、それぞれのロールサンシェード15の先端部に取り付けられている把持部材151の各々の先端面を当接させ、全面を遮光するようにしてもよい。
【0011】
第1レール111と第1レールブラケット131とは、射出成形法等により一体に成形された成形品であってもよく、それぞれ別体として成形された部材を一体に固定して形成されていてもよい。また、第2レール112と第2レールブラケット132も、同様に一体成形品であってもよく、別体として成形された部材が一体に固定されていてもよい。別体として成形された部材を一体に固定する方法は特に限定されず、例えば、接着剤を用いて接合する、熱融着させる、ネジ止めする等の方法が挙げられる。第1レール111と第1レールブラケット131、及び第2レール112と第2レールブラケット132は、それぞれ一体成形品であることが好ましい。一体成形品であれば、部品点数が少なく、工程を減らすこともでき、車両用サンシェード構造体100の強度を高めることもできる。
【0012】
車両用サンシェード構造体100を車体に取り付ける方法は特に限定されず、天井材3のみに固定してもよいし、天井材3とルーフパネル2とに固定してもよい(図6〜9参照)。本発明の車両用サンシェード構造体100は軽量であるため、天井材3のみに固定することにより十分に支持することができるが、天井材3の基体は樹脂成形品であるため、天井材3とルーフパネル2とに固定することが好ましい。この天井材3とルーフパネル2とに固定する場合の形態は特に限定されないが、車両のルーフパネル2が有する補強部材21に固定されることになる凸部131a、132aと、車両の天井材3に固定されることになる凹部131b、132bとを有する、第1レールブラケット131及び第2レールブラケット132を備える車両用サンシェード構造体100であることが好ましい(図2及び図8参照)。
【0013】
凸部131a、132aを補強部材21に固定する方法、及び凹部131b、132bを天井材3に固定する方法は特に限定されないが、各々、接着剤を用いて接合し、固定することができる。また、凸部131a、132aと補強部材21とは、凸部131a、132aの表面に取り付けられた面ファスナー14(図2及び図8参照)と、補強部材21の所定位置に取り付けられた面ファスナー14(図8参照)とにより固定することもできる。このように、凸部131a、132aと補強部材21とを面ファスナー14により固定する形態では、車両用サンシェード構造体100が固定された天井材3を組み付けるときの作業が容易である。更に、脱着可能であるため修理、清掃等の際に取り外すことができ、保守管理も容易である。
【0014】
左右のレール111、112と前後のロール軸121、122とを結合する方法は特に限定されないが、例えば、レールホルダ16を用いて結合することができる。即ち、枠体の四隅にレールホルダ16が配設され、このレールホルダ16により、第1レール111の一端部及び第2レール112の一端部が各々第1ロール軸121と結合され、且つ第1レール111の他端部及び第2レール112の他端部がそれぞれ第2ロール軸122と結合されている形態とすることができる(図2参照)。
【0015】
レールホルダ16を用いてレール111、112とロール軸121、122とを結合する方法も特に限定されない。レール111、112は、例えば、レールホルダ16に設けられたレール差し込み部161(図5参照)に、第1レール111及び第2レール112の各々の両端部を差し込むことにより組み付けることができる(第1レール111の場合の図3及び図4参照)。
【0016】
更に、レール差し込み部161は、第1レール111及び第2レール112の各々の両端側を囲むような形態で、第1レール111及び第2レール112を保持しており(図3及び図4参照)、レール差し込み部161の枠体の内方側となる側面に切欠部161a(図5参照)が設けられ、この切欠部161aの切欠幅(図5の切欠部161aの切欠幅w参照)が、ロールサンシェード15の先端部に取り付けられ、且つ第1レール111及び第2レール112と互いに摺動して移動する把持部材151の厚さ(図5の把持部材151の厚さt参照)より小さいことが好ましい。これにより、巻き取り時、把持部材151の両端部の側方端面が切欠部161aの縁部のレール差し込み部161の端面に当接して、把持部材151が停止するため、遮光が必要となったとき、ロールサンシェード15を容易に引き出すことができる。
【0017】
また、ロール軸121、122は、例えば、第1ロール軸121及び第2ロール軸122の各々の両端部に形成された嵌合凸部(第1ロール軸121の場合の図5における嵌合凸部121a参照)を、レールホルダ16の内壁面に設けられた嵌合凹部162(図5参照)に差し込むことにより組み付けることができる。
尚、図5において、付勢部材121b(第1ロール軸121の他端部、第2ロール軸122の一端部及び他端部に近接して同様の付勢部材が配設されている。)は、より具体的には、巻き取り用バネであり、ロールサンシェード15を巻き取られる方向に付勢するための部材である。
【0018】
以上、詳述した第1の実施形態では、レール111、112とロール軸121、122とはレールホルダ16を用いて結合されているが、レール111、112とロール軸121、122との結合は、下記の第2の実施形態のように、より簡略な結合形態とすることもできる。
【0019】
以下、この第2の実施形態について図10〜11を参照しながら説明する(尚、この図10〜11は別形態の構造体に係る図であるが、同じ部材には同符号を付する。)。
この第2の実施形態では、枠体は、第1ロール軸121の一端部及び他端部が、各々、第1レール111の一端部に設けられた貫通孔(第2レール112の場合の図11における貫通孔112a参照)及び第2レール112の一端部に設けられた貫通孔に挿通されて固定され、第2ロール軸122の一端部及び他端部が、それぞれ、第1レール111の他端部に設けられた貫通孔及び第2レールの他端部に設けられた貫通孔に挿通されて固定されて形成されている。
【0020】
この第2の実施形態では、レールホルダ16のような結合のための他の部材を必要とすることなく、枠体を形成することができ、部品点数が少なく、組み立ても容易である。また、この第2の実施形態では、第1ロール軸121(図11参照、第2ロール軸122の場合も同様である。)には、ロールサンシェード15を巻き取り方向に付勢するための付勢部材が内蔵されており、部品点数がより少なく、組み立てもより容易である。
【0021】
更に、この第2の実施形態でも、車両用サンシェード構造体200は、第1の実施形態の場合と同様にして遮光のために用いることができる。また、第1レール111と第1レールブラケット131、及び第2レール112と第2レールブラケット132とが、各々、一体成形品であってもよく、別体として成形された部材が一体に固定されていてもよいことも、第1の実施形態の場合と同様である。また、この車両用サンシェード構造体200は、第1の実施形態の場合と同様にして車体に取り付けることができ、凸部131a、132aと補強部材21とを面ファスナー14により固定することが好ましいことも第1の実施形態の場合と同様である。
【0022】
尚、本発明では、上記の実施形態の記載に限られず、目的等によって、本発明の範囲内で種々変更した実施形態とすることができる。例えば、第1の実施形態では、ロール軸の一端側及び他端部に近接して付勢部材が別部材として配設されており、この付勢部材によりロールサンシェードが巻き取られる構成になっているが、第2の実施形態のように、付勢部材が内蔵されたロール軸を用いることもできる。
【0023】
また、第1の実施形態では、レールの枠体の内方側となる側面に帯状凹部が設けられており、この帯状凹部を、ロールサンシェードを引き出す、又は巻き取るための把持部材の両端部が摺動しながら移動する構成になっており、一方、第2の実施形態では、把持部材の両端部に凹部が設けられており、この凹部が、レールの枠体の内方側となる側面に設けられた帯状凸部を摺動しながら移動する構成になっているが、この構成はいずれであってもよく、第1の実施形態の構成を第2の実施形態に適用することもでき、第2の実施形態の構成を第1の実施形態に適用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】ロールサンシェードを両側から引き出した状態を車室内からみたときの模式的な斜視図である。
【図2】天井材の裏面に取り付けられた車両用サンシェード構造体の一例を、天井材の裏面側からみたときの模式的な斜視図である。
【図3】図2の車両用サンシェード構造体において、レールとロール軸とが結合されている四隅のうちの一部を枠体の外方からみた模式的な一部斜視図である。
【図4】レールとロール軸とが結合されている四隅のうちの一部を枠体の内方からみた模式的な一部斜視図である。
【図5】レールホルダを分解したときの内部の構造等の模式的な斜視図である。
【図6】車両の一部と、車両用サンシェード構造体の前方側の一部の模式的な説明図である。
【図7】車両の一部と、車両用サンシェード構造体の後方側の一部の模式的な説明図である。
【図8】前方側からみて右側の車両の一部と、車両用サンシェード構造体の右方側の一部の模式的な説明図である。
【図9】前方側からみて右側の車両の一部と、車両用サンシェード構造体の右方側の一部の、図8とは異なる位置での模式的な説明図である。
【図10】天井材の裏面に取り付けられた車両用サンシェード構造体の他例を、天井材の裏面側からみたときの模式的な斜視図である。
【図11】図10の車両用サンシェード構造体において、レールとロール軸とが結合されている四隅のうちの一部を枠体の外方からみた模式的な一部斜視図である。
【符号の説明】
【0025】
100、200;車両用サンシェード構造体、111;第1レール、112;第2レール、112a;貫通孔、121;第1ロール軸、121a;嵌合凸部、121b;付勢部材(巻き取り用バネ)、122;第2ロール軸、12a;固定ネジ、131;第1レールブラケット、131a;凸部、131b;凹部、132;第2レールブラケット、132a;凸部、132b;凹部、14;面ファスナー、15;ロールサンシェード、151;把持部材、16;レールホルダ、161;レール差し込み部、161a;切欠部、162;嵌合凹部、163;付勢部材嵌合用凹部、164;ホルダカバー、2;ルーフパネル、21;補強部材、3;天井材、4;ガラス製ルーフ、41;接続部材、51;フロントウィンドウ、52;サイドウィンドウ、61;フロントピラー、62;センターピラー、7;サンバイザ、8;バックミラー、9;室内灯。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1レール、該第1レールと対向するように配設された第2レール、該第1レールの一端部と該第2レールの一端部とを結合するように配設された第1ロール軸、及び該第1レールの他端部と該第2レールの他端部とを結合するように配設された第2ロール軸、を備える平面形状が方形の枠体と、
該第1レールの側方に設けられた第1レールブラケットと、
該第2レールの側方に設けられた第2レールブラケットと、
該第1ロール軸及び該第2ロール軸の各々に引き出し可能に巻回されたロールサンシェードと、を備えることを特徴とする車両用サンシェード構造体。
【請求項2】
上記第1レールと上記第1レールブラケットとが一体に成形されており、上記第2レールと上記第2レールブラケットとが一体に成形されている請求項1に記載の車両用サンシェード構造体。
【請求項3】
上記第1レールブラケット及び上記第2レールブラケットは、それぞれ、車両のルーフパネルが有する補強部材に固定されることになる凸部と、車両の天井材に固定されることになる凹部と、を有する請求項1又は2に記載の車両用サンシェード構造体。
【請求項4】
上記凸部の表面に面ファスナーが取り付けられている請求項3に記載の車両用サンシェード構造体。
【請求項5】
上記枠体の四隅にレールホルダが配設され、該レールホルダにより、上記第1レールの上記一端部及び上記第2レールの上記一端部が各々上記第1ロール軸と結合され、且つ該第1レールの上記他端部及び該第2レールの上記他端部がそれぞれ上記第2ロール軸と結合されている請求項1乃至4のうちのいずれか1項に記載の車両用サンシェード構造体。
【請求項6】
上記レールホルダに設けられたレール差し込み部に、上記第1レール及び上記第2レールの各々の両端部が差し込まれて組み付けられている請求項5に記載の車両用サンシェード構造体。
【請求項7】
上記レール差し込み部は、上記第1レール及び上記第2レールの各々の両端側を囲むような形態で、該第1レール及び該第2レールを保持しており、該レール差し込み部の上記枠体の内方側となる側面に切欠部が設けられ、
該切欠部の切欠幅が、該ロールサンシェードの先端部に取り付けられ、且つ該第1レール及び該第2レールと互いに摺動する把持部材の厚さより小さい請求項6に記載の車両用サンシェード構造体。
【請求項8】
上記第1ロール軸の一端部及び他端部が、各々、上記第1レールの上記一端部に設けられた貫通孔及び上記第2レールの上記一端部に設けられた貫通孔に挿通されて固定され、上記第2ロール軸の一端部及び他端部が、それぞれ、該第1レールの上記他端部に設けられた貫通孔及び該第2レールの上記他端部に設けられた貫通孔に挿通されて固定され、上記枠体が形成されている請求項1乃至4のうちのいずれか1項に記載の車両用サンシェード構造体。
【請求項1】
第1レール、該第1レールと対向するように配設された第2レール、該第1レールの一端部と該第2レールの一端部とを結合するように配設された第1ロール軸、及び該第1レールの他端部と該第2レールの他端部とを結合するように配設された第2ロール軸、を備える平面形状が方形の枠体と、
該第1レールの側方に設けられた第1レールブラケットと、
該第2レールの側方に設けられた第2レールブラケットと、
該第1ロール軸及び該第2ロール軸の各々に引き出し可能に巻回されたロールサンシェードと、を備えることを特徴とする車両用サンシェード構造体。
【請求項2】
上記第1レールと上記第1レールブラケットとが一体に成形されており、上記第2レールと上記第2レールブラケットとが一体に成形されている請求項1に記載の車両用サンシェード構造体。
【請求項3】
上記第1レールブラケット及び上記第2レールブラケットは、それぞれ、車両のルーフパネルが有する補強部材に固定されることになる凸部と、車両の天井材に固定されることになる凹部と、を有する請求項1又は2に記載の車両用サンシェード構造体。
【請求項4】
上記凸部の表面に面ファスナーが取り付けられている請求項3に記載の車両用サンシェード構造体。
【請求項5】
上記枠体の四隅にレールホルダが配設され、該レールホルダにより、上記第1レールの上記一端部及び上記第2レールの上記一端部が各々上記第1ロール軸と結合され、且つ該第1レールの上記他端部及び該第2レールの上記他端部がそれぞれ上記第2ロール軸と結合されている請求項1乃至4のうちのいずれか1項に記載の車両用サンシェード構造体。
【請求項6】
上記レールホルダに設けられたレール差し込み部に、上記第1レール及び上記第2レールの各々の両端部が差し込まれて組み付けられている請求項5に記載の車両用サンシェード構造体。
【請求項7】
上記レール差し込み部は、上記第1レール及び上記第2レールの各々の両端側を囲むような形態で、該第1レール及び該第2レールを保持しており、該レール差し込み部の上記枠体の内方側となる側面に切欠部が設けられ、
該切欠部の切欠幅が、該ロールサンシェードの先端部に取り付けられ、且つ該第1レール及び該第2レールと互いに摺動する把持部材の厚さより小さい請求項6に記載の車両用サンシェード構造体。
【請求項8】
上記第1ロール軸の一端部及び他端部が、各々、上記第1レールの上記一端部に設けられた貫通孔及び上記第2レールの上記一端部に設けられた貫通孔に挿通されて固定され、上記第2ロール軸の一端部及び他端部が、それぞれ、該第1レールの上記他端部に設けられた貫通孔及び該第2レールの上記他端部に設けられた貫通孔に挿通されて固定され、上記枠体が形成されている請求項1乃至4のうちのいずれか1項に記載の車両用サンシェード構造体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−90743(P2009−90743A)
【公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−261398(P2007−261398)
【出願日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【出願人】(000241500)トヨタ紡織株式会社 (2,945)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【出願人】(000241500)トヨタ紡織株式会社 (2,945)
【Fターム(参考)】
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