車両用入力装置、ポインタ表示方法
【課題】複数の画面の配置を右ハンドル車と左ハンドル車で切り替えても、ハプティック型のポインティングデバイスによりポインタを操作可能な車両用入力装置等を提供する。
【解決手段】第1の画面の第1画面情報を生成する第1の生成手段と、第2の画面の第2画面情報を生成する第2の生成手段と、前記第1の画面又は前記第2の画面に表示されたポインタの操作を受け付ける反力機構付きデバイスと、を有する車両用入力装置であって、車両が右ハンドル車か左ハンドル車かの識別情報を提供する左右識別情報提供手段と、右ハンドル車の場合、第1の画面をディスプレイ20の右側に第2の画面を左側にそれぞれ配置する画像合成手段と、反力機構付きデバイスの操作位置を、ポインタが表示される第1の画面又は第2の画面のサイズに応じて、第1の画面又は前記第2の画面のポインタ位置に変換するポインタ表示手段と、を有する。
【解決手段】第1の画面の第1画面情報を生成する第1の生成手段と、第2の画面の第2画面情報を生成する第2の生成手段と、前記第1の画面又は前記第2の画面に表示されたポインタの操作を受け付ける反力機構付きデバイスと、を有する車両用入力装置であって、車両が右ハンドル車か左ハンドル車かの識別情報を提供する左右識別情報提供手段と、右ハンドル車の場合、第1の画面をディスプレイ20の右側に第2の画面を左側にそれぞれ配置する画像合成手段と、反力機構付きデバイスの操作位置を、ポインタが表示される第1の画面又は第2の画面のサイズに応じて、第1の画面又は前記第2の画面のポインタ位置に変換するポインタ表示手段と、を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポインタ又はカーソルの位置を所望のボタン表示の位置に合わせて各種操作を行う車両用入力装置に関し、特に、異なる画面の左右の配置をポインタの位置と共に変える車両用入力装置及びポインタ表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
車両には、乗員に情報を表示するためのディスプレイが配置されることがある。情報には軽重があるため運転者に近い側に重要な情報が表示されることが望ましいが、車両には同じ車種でも左ハンドル車と右ハンドル車が存在するため、運転者に近い側は一意に定まらない。そこで、左ハンドル車と右ハンドル車で、表示情報の配置を左右反転させることが考えられる(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1には、車両の位置情報から車両が走行する国を判別して、その国が右ハンドル車の占有率が高い地域か又は左ハンドル車の占有率が高い地域かを判定し、表示情報の配置を決定するナビゲーション装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−121160号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、車両で提供可能な表示情報の種類は、車載される機器の高度化や多様化に応じて増大している。しかしながら、運転席から視線移動が少なく、他の機器とも干渉しないスペースは限られているので、表示情報を表示するディスプレイの配置場所は限られている。
【0005】
そこで、センターコンソールやメータパネルにサイズの大きいディスプレイを配置して、異なる表示情報を異なる表示領域にそれぞれ表示する表示手法が採用されることが考えられる。しかしながら、サイズが大きくなると運転席から遠い表示領域が存在することになり、遠方の表示領域の視認性が低下するおそれがある。上記のように、車両には右ハンドル車と左ハンドル車が存在するが、この不都合を解消するため、特許文献1と同様に、ハンドルの配置に応じて、運転者に近い側により重要な表示情報が表示されるように、表示情報の配置を切り替えることが考えられる。
【0006】
ところで、画面にソフトキーとポインタを表示して、運転者がポインティングデバイスを操作して表示領域のポインタを移動させ、所望のソフトキーを選択する車両用入力装置が知られている。
【0007】
図1(a)は、このポインティングデバイスとポインタPの関係を模式的に説明する図の一例である。図1(a)では、ディスプレイ20に主画面と従画面が表示されている。主画面と従画面は、異なる表示情報が表示される表示領域である。説明を容易にするため、サイズの大きい方を主画面、サイズの小さい方を従画面と称し、従画面に運転者にとって重要な情報が表示されるものとする。したがって、図1(a)のような従画面の配置は、右ハンドルの車両の運転者にとって重要な表示情報が近くになるという意味で有効である。
【0008】
図1(a)では、主画面にポインタPが表示されている。運転席の周辺にはポインティングデバイスが配置されており、運転者はポインティングデバイスに視線を向けることなくポインティングデバイスを操作して、ポインタPを移動させることができる。
【0009】
このようなポインティングデバイスにおいて、操作した際の操作感をポインティングデバイスを通して操作者(運転者)に与える技術(ハプティック技術)が適用されることがある(以下、ハプティックデバイスという)。例えば、ソフトキーの位置にポインタPが存在する時、このハプティックデバイス30に引き込み力を作用させることで運転者は微小な位置あわせが不要になり、運転中でも良好な操作性で操作できる。操作感を与えるためハプティックデバイス30には反力発生機構が搭載されているが、反力発生機構は主画面におけるポインタPのポインタ座標に応じてアクチュエータを制御するため、ハプティックデバイス30の可動範囲とポインタPの移動範囲の関係は固定である。
【0010】
これにより、ポインタPとソフトキーの相対位置に応じて、適切な引き込み力がハプティックデバイス30に与えられる。一方、ハプティックデバイス30の可動範囲では、ポインタPは主画面の間しか移動できない。図示するように、ハプティックデバイス30の可動範囲では、主画面内でしかポインタPを移動できない。
【0011】
このようなハプティックデバイス30により操作されるポインタPが表示された主画面が、ディスプレイ20の右側に配置された場合を考える。この主画面と従画面の位置の切り替えは、例えば、左ハンドルの車両の運転者にとって従画面の表示情報が重要な場合に有効である。
【0012】
図1(b)は、主画面と従画面の配置を入れ替えた場合の、ハプティックデバイス30の可動範囲とポインタPの移動範囲の一例を示す図である。入れ替えたことにより、ポインタPも右側の主画面に表示される。しかしながら、ハプティックデバイス30の可動範囲とポインタPの移動範囲の関係が固定であるため、主画面と従画面の配置を入れ替えてもポインタPは主画面の全体を移動できない。すなわち、ポインタPは図1(b)の斜線の領域に進入することができず、運転者が選択できないソフトキーが存在してしまう可能性がある。
【0013】
この課題を解決するため、左ハンドル車専用又は右ハンドル車専用に、ハプティックデバイス30及びディスプレイ20を設計することも可能であるが、コスト増になるため現実的ではない。
【0014】
本発明は、上記課題に鑑み、複数の画面の配置を右ハンドル車と左ハンドル車で切り替えても、ハプティック型のポインティングデバイスによりポインタを操作可能な車両用入力装置及びポインタ表示方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記課題を解決するため、本発明は、第1の画面の第1画面情報を生成する第1の生成手段と、第2の画面の第2画面情報を生成する第2の生成手段と、前記第1の画面又は前記第2の画面に表示されたポインタの操作を受け付ける反力機構付きデバイスと、を有する車両用入力装置であって、当該車両用入力装置が搭載される車両が右ハンドル車か左ハンドル車かの識別情報を提供する左右識別情報提供手段と、前記車両が右ハンドル車の場合、前記第1の画面をディスプレイの右側に前記第2の画面を該ディスプレイの左側にそれぞれ配置する画像合成手段と、前記反力機構付きデバイスの操作位置を、ポインタが表示される前記第1の画面又は前記第2の画面のサイズに応じて、前記第1の画面又は前記第2の画面のポインタ位置に変換するポインタ表示手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
複数の画面の配置を右ハンドル車と左ハンドル車で切り替えても、ハプティック型のポインティングデバイスによりポインタを操作可能な車両用入力装置及びポインタ表示方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】ポインティングデバイスとポインタの関係を模式的に説明する図の一例である。
【図2】車両用入力装置による主画面と従画面の配置を模式的に示す図の一例である。
【図3】車両用入力装置の概略構成図の一例である。
【図4】左ハンドル車及び右ハンドル車の、主画面と従画面の描画位置を説明する図の一例である。
【図5】ハプティックデバイスの機能ブロック図の一例である。
【図6】画像合成部が主画面と従画面の配置を切り替える手順を示すフローチャート図の一例である。
【図7】ポインタ座標の決定手順の一例を示す図である。
【図8】ポインタ座標の決定を模式的に説明する図の一例である。
【図9】ポインタ座標の決定を模式的に説明する図の一例である。
【図10】主画面に従画面よりも重要な表示情報が含まれる場合に、右ハンドル車の主画面の配置を説明する図の一例である。
【図11】車両用入力装置の概略構成図の一例である(実施例2)。
【図12】重要度テーブルの一例を示す図である。
【図13】コンテンツ配置位置決定部が主画面と従画面の配置を決定する手順を示すフローチャート図の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しながら実施例を挙げて説明する。
【0019】
図2は、本実施形態の車両用入力装置100による主画面と従画面の配置を模式的に示す図の一例である。図2(a)は右ハンドル車の主画面と従画面の配置を、図2(b)は左ハンドル車の主画面と従画面の配置を、それぞれ示す。図2では、サイズの小さい従画面に運転者にとって重要な表示情報が表示されるとして説明する。
【0020】
右ハンドル車の場合は、ディスプレイ20の右側の方が運転者に近いので、車両用入力装置100は従画面をディスプレイ20の右側に配置する。また、左ハンドル車の場合は、ディスプレイ20の左側の方が運転者に近いので、車両用入力装置100は従画面をディスプレイ20の左側に配置する。したがって、運転者は、重要な情報をより近くで目視することができる。
【0021】
また、ハプティック型のポインティングデバイス(以下、ハプティックデバイス30という)が主画面の全体をポインタP(又はカーソル)で操作できるように、本実施形態の車両用入力装置100は、左ハンドル車か右ハンドル車かによって、ハプティックデバイス30のポインティング位置とディスプレイ20におけるポインタPのポインタ座標の対応づけを変更する。
【0022】
一例として、ハプティックデバイス30の可動範囲の縦方向のポインティング位置の分解能を256、横方向のポインティング位置の分解能を256とする。図2(a)に示すように右ハンドル車では、ハプティックデバイス30のポインティング位置の原点は、ディスプレイ20の左下角(=第1原点)に対応づけられ、ハプティックデバイス30のポインティング位置のエンド原点(255,255)は、ディスプレイ20の上辺所定点に対応づけられる。こうすることで、ハプティックデバイス30の可動範囲で主画面の全体をポインタPが移動できる。
【0023】
また、図2(b)では、ハプティックデバイス30のポインティング位置の原点は、ディスプレイ20の下辺所定点(=第2原点)に対応づけられ、ハプティックデバイス30のポインティング位置のエンド原点(255,255)は、ディスプレイ20の右上角に対応づけられる。こうすることで、ハプティックデバイス30の可動範囲で主画面の全体をポインタPが移動できる。
【0024】
このように、右ハンドル車か左ハンドル車かに応じて、ハプティックデバイス30のポインティング位置とディスプレイ20におけるポインタPのポインタ座標の対応づけを変更することで、主画面と従画面の配置を変更しても、運転者はハプティックデバイス30により主画面からソフトキーを操作することができる。ハプティックデバイス30やディスプレイ20にハード的な変更も不要なので、コスト増も最小限に抑制できる。
【実施例1】
【0025】
図3は、車両用入力装置100の概略構成図の一例を示す。車両用入力装置100の全体は、例えばディスプレイECU13により制御される。ディスプレイECU13には例えば、AV−LANを介してマルチメディアECU(Electronic Control Unit)11が、CANやFlexRayの車載LAN又は専用線を介してエアコン制御部12、ハプティックデバイス30、及び、LHD・RHD情報送信部14が接続されている。
【0026】
なお、マルチメディアECU11及びディスプレイECU13は、CPU、ROM、RAM、I/O、IC等を備えたマイコンを実体とする。以下で説明するマルチメディアECU11及びディスプレイECU13の機能は、ソフト的若しくはハード的に、又は、両者が協働して実現される。
【0027】
〔主画面描画情報〕
マルチメディアECU11は、ディスプレイ20に主画面として表示される主画面描画情報を生成し、ディスプレイECU13に送出する。なお、本実施例では、「主画面=サイズ大」、「従画面=サイズ小」、とするが、主画面と従画面のサイズが同程度であってもよい。
【0028】
主画面は、例えば、道路地図画面、地上デジタルテレビや衛星テレビの放送映像画面、DVDや携帯端末に記憶された映像の再生映像画面、又は、これら映像ソースを選択する選択画面、等である。道路地図画面には、経路案内やVICS情報も表示される。マルチメディアECU11は、このようにナビ機能を利用するので、例えばナビECUと称されることもある。
【0029】
また、主画面が、車両情報が表示される主画面用車両情報画面となることもある。主画面用車両情報画面は、例えば、ナイトビュー映像画面、各座席のアイコンと座席の状態(シートポジション、温度、ウィンドウ開閉状態等)を表示する画面、又は、警告メッセージ画面等である。
【0030】
本実施例では、主画面よりも従画面により重要な表示情報が表示されるものとする。また、主画面に、乗員の操作を受け付けるソフトキーが配置される場合等、主画面がハプティックデバイス30による操作の受け付け機能を備える場合、主画面にはポインタPが表示される。なお、ポインタPを描画するのはディスプレイECU13である。
【0031】
エアコン制御部12は、車両情報を提供する機器(例えばECU)の代表例であり、この他の機器から、車速情報、ナイトビュー映像、空気圧情報、残燃料情報、駆動用モータのモータトルク情報、バッテリ残量情報等がマルチメディアECU11に供給される。エアコン制御部12は、マルチメディアECU11だけでなくディスプレイECU13にも車両情報を提供する。
【0032】
〔従画面描画情報〕
また、ディスプレイECU13は、ディスプレイ20に従画面として表示される従画面描画情報を生成する。ディスプレイECU13は、ディスプレイ描画部16と画像合成部15の大きく2つの機能を有する。ディスプレイ描画部16は、従画面描画情報を生成し、画像合成部15に出力する。また、画像合成部15は、主画面描画情報と従画面描画情報を合成し、ディスプレイ20に表示する。
【0033】
従画面は、例えば、エアコンの動作状態、オーディオの動作状態、又は、車両状態を表示する状況表示画面である。また、縮小された道路地図画面、放送映像画面、再生映像画面、ナイトビュー画面等が従画面となることもある。
【0034】
このため、ディスプレイ描画部16には、エアコン制御部12から、設定温度、現在温度、風量、風向等のエアコンの動作状態が通知される。また、ディスプレイ描画部16には、マルチメディアECU11から、主画面で表示しているメディアソース(テレビ、ラジオ、DVD)の識別情報、選曲情報、音量情報等のオーディオの動作状態が通知される。また、ディスプレイ描画部16には、その他の機器から車速情報等の車両情報が通知される。また、ディスプレイ描画部16に、マルチメディアECU11から道路地図画面等の主画面描画情報が送信されることがある。
【0035】
ディスプレイ描画部16は、取得したエアコンの動作状態、オーディオの動作状態又は車両状態を、アイコン、文字、数値、記号として予め定められた位置に配置する従画面描画情報を生成する。また、ディスプレイ描画部16は、道路地図画面等の主画面描画情報を、従画面用に縮小して、従画面描画情報を生成する。
【0036】
このように、本実施形態では、従画面に主画面よりも重要な情報が表示される。すなわち、主画面が文字や数値をあまり含まないのに対し、従画面には種々の情報が文字や数値として表示されるため、運転者にとって重要であると考えられる。このため、従画面は運転者に近い位置に配置すべきと考えられる。
【0037】
画像合成部15については後述するが、画像合成部15は、主画面描画情報と従画面描画情報を合成してVRAMに書き込む。また、画像合成部15はポインタ表示部18を有し、ハプティックデバイス30からポインティング位置の位置情報を取得して、位置情報に対応したディスプレイ20の画素位置(ポインタ座標)にポインタPを表示する。ポインタPが表示されるのは主に主画面であるが、後述するように従画面の場合もある。
【0038】
〔LHD・RHD情報送信部14〕
LHD・RHD情報送信部14は、車両用入力装置100が搭載された車両が右ハンドル車か左ハンドル車かを識別する右左識別情報をディスプレイECU13に提供する。ハンドルの配置を変えること、又は、車両用入力装置100を別の車両に移設することは困難なので、左右識別情報は当該車両に固定である。この情報を他の機器(例えば、パワステECU、メータECU、ボディECU、エンジンECU等)が保持している場合はその機器がLHD・RHD情報送信部14である。また、左右識別情報は、右ハンドル車か左ハンドル車かの情報なので、LHD・RHD情報送信部14を、書き換え困難なROMの1bitの記憶領域、何らかの回路のショートの有無等で代用することもできる。
【0039】
なお、仮に、ハンドルの配置を変えること、又は、車両用入力装置100を別の車両に移設すること、が行われた場合、外部から車載LANに接続して、LHD・RHD情報送信部14に記憶された左右識別情報を書き換えることができる。
【0040】
〔ディスプレイ20〕
ディスプレイ20は、例えば液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等のフラットパネルディスプレイで構成される。ディスプレイ20は、運転者の視線移動が少なくて済むよう、センターコンソールの上部、インストルメントパネルの中央部、又は、メータ内等に配置されている。また、ディスプレイ20とは別に又はディスプレイ20と共に、HUD(Head Up Display)に、主画面と従画面を表示してもよい。
【0041】
本実施例では、左ハンドル車でも右ハンドル車でも、ハード的な構造を共通にするため、ディスプレイ20は1つであってVRAMやグラフィックチップも1つである。すなわち、主画面を右側に配置しても左側に配置しても、主画面と従画面の間以外に画面の切れ目が認識されることはない。
【0042】
主画面と従画面を隣接して配置するため、ディスプレイ20の形状は横長(縦横の比が1:2.0〜3.5程度)である。ディスプレイ20の画素数は、例えば、480×1024、480×1280、640×1280、640×1440、640×1920等、搭載スペースやコストに応じて決定される。
【0043】
ディスプレイ20の画素のうち主画面が占める画素数(主画面の広さ)はディスプレイ20毎に決まっている。以下では説明のため、ディスプレイ20の画素数を480×1280とし、主画面の画素数を480×840、従画面の画素数を480×440とする。このようにディスプレイ20の仕様が決まっていれば、右ハンドル車と左ハンドル車とでそれぞれ主画面の描画位置と従画面の描画位置を特定することができる。
【0044】
図4(a)は、左ハンドル車の主画面と従画面の描画位置を、図4(b)は右ハンドル車の主画面と従画面の描画位置を、説明する図の一例である。ディスプレイ20の画素数が480×1280なら、左ハンドル車では従画面の描画位置は、例えば、第1原点=(0,0)を基準に指定され、主画面の描画位置は第2原点=(440,0)を基準に指定される。右ハンドル車では主画面の描画位置は第1原点=(0,0)を基準に指定され、従画面の描画位置は第3原点=(840,0)を基準に指定される。
【0045】
〔ハプティックデバイス30〕
図5は、ハプティックデバイス30の機能ブロック図の一例である。ハプティックデバイス30は反力マップ記憶部31、反力制御部32、アクチュエータ33、位置センサ34、操作ノブ36、及び、操作スイッチ35を有する。操作ノブ36は、運転者のポインタ操作を受け付ける操作部材である。操作スイッチ35は、操作ノブ36を指先で操作できるよう運転者が手をハプティックデバイス30に添えた状態で、親指やその他の指で操作される位置に設けられた1つ以上のモーメンタリースイッチである(例えば、決定スイッチ、地図表示スイッチ、選択画面表示スイッチ、画面切り替えスイッチ等)。操作スイッチ35に対する押下は操作信号としてマルチメディアECU11に送信される。マルチメディアECU11は操作信号に対応した主画面描画情報を生成する。
【0046】
位置センサ34は、操作ノブ36の操作又はアクチュエータ33の作動により定まる、ハプティックデバイス30のポインティング位置を検出する。ポインティング位置の検出は、運転者の操作量やアクチュエータ33の回転量を監視する方法や、操作ノブ36の先端部が指し示す位置を電気信号として取り出す方法など、どのような方法でもよい。
【0047】
位置センサ34の分解能は256等のように決まっているので、位置センサ34が検出するポインティング位置の位置情報は(0,0)〜(255,255)の2次元の値を取る。この位置情報は画像合成部15に出力される。
【0048】
アクチュエータ33は操作ノブ36に対し、2次元平面内の任意の方向に反力を作用させる電気モータである。アクチュエータ33は、例えば、2次元平面のX方向とY方向のそれぞれに設けられ、それぞれの方向のトルクを制御することで、2次元平面内の任意の方向に反力を作用させる。
【0049】
反力を作用させる方向と大きさは反力マップ記憶部31に記憶されている。反力マップ記憶部31には、ポインティング位置に対応づけて、操作ノブ36に発生させるべき引き込み力が定義されている。
【0050】
引き込み力がソフトキーに対するものであるとすれば、ソフトキーの配置は主画面の表示情報によって異なるので、引き込み力は主画面毎に定義されている。本実施例では左ハンドル車と右ハンドル車でソフトキーの位置も変わるので、反力マップも左ハンドル車用と右ハンドル車用のものがある。
【0051】
反力制御部32は、ディスプレイECU13又はマルチメディアECU11から取得した主画面の識別情報に基づき反力マップを読み出し、これとポインティング位置に基づき、アクチュエータ33を制御する。
【0052】
なお、引き込み力は、例えば、各ソフトキーの中心にポインタPを引き込む力である。ポインタPがソフトキーの中心から大きく離れた状態では引き込み力はゼロであり、ポインタPがソフトキーの中心に近づくとソフトキーに引き込まれるように引き込み力が作用する。ポインタPがソフトキーに引き込まれると、引き込み力はゼロになる。このような引き込み力により、運転者は、ソフトキーに対しポインタPの座標位置の微小な位置あわせが不要となり操作性が向上する。
【0053】
〔画像合成部15〕
<主画面と従画面の配置>
画像合成部15は、左右識別情報に応じて、主画面と従画面の配置を切り替える。すなわち、画像合成部15は、左右識別情報に基づき、車両が左ハンドル車であれば、従画面を左側に、右ハンドル車であれば従画面を右側に配置する。
【0054】
図6は、画像合成部15が主画面と従画面の配置を切り替える手順を示すフローチャート図の一例である。図6の手順は、例えば、主画面又は従画面の表示情報が切り替わる毎に実行される。
【0055】
まず、画像合成部15は、主画面と従画面のどちらが運転者にとって重要かを判定する(S10)。本実施例では、一貫して従画面の方が重要であるとしているので、ステップS10の判定をスキップしてもよい。
【0056】
一方、主画面と従画面の重要度が、主画面の表示情報と従画面の表示情報とで相対的に決定する場合、画像合成部15は主画面と従画面のどちらが運転者にとって重要かを判定することもできる(実施例2)。
【0057】
次いで、画像合成部15は、左右識別情報に基づき、車両用入力装置100が搭載された車両が右ハンドル車か左ハンドル車かを判定する(S20)。
【0058】
画像合成部15は、右ハンドル車の場合、運転者に近い方であるディスプレイ20の右側に重要である従画面を表示し(S30)、左ハンドル車の場合、運転者に近い方であるディスプレイ20の左側に重要である従画面を表示する(S40)。
【0059】
具体的には、右ハンドル車の場合、画像合成部15は、従画面描画情報の描画位置を第3原点に指定する(従画面の位置を右側に指定する)描画コマンドをVRAMに書き込み、主画面描画情報の描画位置を第1原点に指定する(従画面の位置を左側に指定する)描画コマンドをVRAMに書き込む。
【0060】
左ハンドル車の場合、画像合成部15は、従画面描画情報の描画位置を第1原点に指定する(従画面の位置を左側に指定する)描画コマンドをVRAMに書き込み、主画面描画情報の描画位置を第2原点に指定する(主画面の位置を右側に指定する)描画コマンドをVRAMに書き込む。
【0061】
ステップS30、S40の処理では、ポインタ表示手段18はポインタPを主画面に配置する。このため、画像合成部15は、左右識別情報に応じてポインタPのポインタ座標を求める。
【0062】
<ポインタPの座標位置>
図7(a)はステップS30の処理のポインタ座標の決定手順の一例を、図7(b)はステップS40の処理のポインタ座標の決定手順の一例を、それぞれ示す。ステップS110の処理はステップS30とS40に共通である。
【0063】
ポインタ表示手段18は、ポインティングデバイスの一意のポインティング位置を、主画面において重複しない一意のポインタ座標に変換する(反力機構付きデバイス30の操作位置と主画面におけるポインタPの位置はほぼ1対1に対応する。)。したがって、ポインティング位置の位置情報は、主画面の絶対位置を指定する位置情報となる。
【0064】
・S110
図8(a)は、ポインタ表示手段18によるポインタ座標の決定を模式的に説明する図の一例である。まず、ポインタ表示手段18は、ポインティングデバイスの位置情報(x1,y1)を、ディスプレイ20の仮位置座標(x2,y2)に座標変換する。すなわち、(0,0)〜(255,255)の値を取る位置情報(x1,y1)を、主画面の画素位置に対応づける。図8では、主画面の仮の原点(0,0)を基準にした。
【0065】
主画面の画素数は480×840としたので、
x2=x1×840/256
y2=y1×480/256 である。
【0066】
・S130
また、ポインタ表示手段18は、左右識別情報に基づき、仮位置座標(x2,y2)から、最終的なポインタPのポインタ座標(x3,y3)を決定する。
図8(b)の左図は、左ハンドル車におけるポインタ座標(x3,y3)の決定を、図8(b)の右図は、右ハンドル車におけるポインタ座標(x3,y3)の決定を、模式的に説明する図の一例である。
【0067】
左ハンドル車の場合、図8(b)の左図から明らかなように、ポインタ座標のx3は、従画面のx方向の画素数440を足したものとなる。ポインタ座標のy3は、仮位置座標のy2と同じである。よって次のように表すことができる。
x3=x2+440(従画面の横画素数)
y3=y2
・S120
右ハンドル車の場合、図8(b)の右図から明らかなように、ポインタ座標(x3,y3)と仮位置座標(x2,y2)は等しい。よって次のように表すことができる。
x3=x2
y3=y2
以上から、ポインタ表示手段18は、左ハンドル車の場合にだけ、仮位置座標(x2,y2)のx2に従画面の横画素数を加えて、ポインタ座標x3を決定する。それ以外の場合は、x3=x2,y3=y2として、ポインタ座標を決定する。
【0068】
画像合成部15は、ポインタ座標(x3,y3)を指定してポインタPのアイコンの描画コマンドをVRAMに書き込む。ポインタ座標(x3,y3)の決定を、例えばサイクル時間毎に繰り返すことで、運転者による操作ノブ36の操作に応じて移動するポインタPを、ディスプレイ20の主画面に表示することができる。
【0069】
すなわち、運転者が操作ノブ36を操作すると、ポインタ表示手段18は、位置センサ34が検出するポインティング位置の位置情報(0,0)〜(255,255)に応答して、ポインタ座標(x3,y3)を算出し、ポインタPを移動させる。ハプティックデバイス30のポインティング位置の全範囲が主画面の全範囲に割り当てられているので、主画面がディスプレイ20の右側又は左側のどちらに配置されても、主画面上でポインタPが移動できない範囲をなくすことができる。
【0070】
なお、マルチメディアECU11やディスプレイ描画部16は、車両が左ハンドル車か右ハンドル車かによる影響を何ら受けないので、本実施例の車両用入力装置100の開発コストの増大も抑制できる。
【0071】
〔従画面にポインタPを表示する場合〕
これまでの説明では、主画面にだけポインタPを表示することを前提に説明したが、従画面にポインタPが表示されることもある。この場合について説明する。
【0072】
図9(a)は、ポインタ表示手段18によるポインタ座標の決定を模式的に説明する図の一例である。ポインタPは従画面に表示されている。ハプティックデバイス30が同時に操作できるポインタPは1つなので、ポインタPは主画面と従画面に排他的に表示される。ポインタPはデフォルトでは主画面に表示されるよう設定されている。そして、運転者が、例えば操作スイッチ35を操作することにより、画像合成部15がポインタPの表示先を主画面から従画面に切り替えることができるようになっている。運転者が再度、操作スイッチ35を操作すると、画像合成部15がポインタPの表示先を従画面から主画面に切り替える。
【0073】
仮位置座標の求め方は、主画面にポインタPを表示する場合と同様であるが、ハプティックデバイス30の可動範囲の全てを、従画面に対応づけてしまうと、ポインタPが主画面にある場合と従画面にある場合とで操作性が変わってしまう。例えば、主画面が従画面の2倍の広さであるなら、ハプティックデバイス30の操作量が同じでも、ポインタPは、従画面では主画面と比べて1/2しか移動しないこととなり、運転者が違和感を感じてしまう。
【0074】
このため、画像合成部15は、主画面と従画面とで操作性を統一させる。具体的には、主画面と従画面の広さの比率に応じて、ハプティックデバイス30の操作範囲を制限する。説明を容易にするため、主画面が従画面の2倍の広さであるとすれば、ポインタPが従画面にある場合、ポインタPが主画面にある場合よりも、ハプティックデバイス30の操作範囲を1/2にする。例えば、画像合成部15は、ポインタPが主画面と従画面のどちらに表示されているかを、ハプティックデバイス30に通知する。
【0075】
図9(a)では、ハプティックデバイス30の可動範囲の右半分を操作範囲とした。しがたって、位置情報(x1,y1)は(128,0)〜(255,255)の値を取る。この前提の元、ポインタ表示手段18は、ポインティングデバイスの位置情報(x1,y1)を、ディスプレイ20の仮位置座標(x2,y2)に座標変換する。
【0076】
従画面の画素数は480×440としたので、
x2=(x1−128)×440/128
y2=y1×480/256 である。
【0077】
なお、ハプティックデバイス30の可動範囲の右半分を操作範囲とするのでなく、ハプティックデバイス30の中央を中心に可動範囲の半分を操作範囲にしてもよいし、ハプティックデバイス30の可動範囲の左半分を操作範囲としてもよい。操作範囲の制限は、反力制御部32が、操作範囲外では操作ノブ36に、操作が困難なほどの大きな抵抗を与えるようにアクチュエータ33を制御することで、実現できる。
【0078】
そして、画像合成部15は、左右識別情報に基づき、仮位置座標(x2,y2)から、最終的なポインタPのポインタ座標(x4,y4)を決定する。
図9(b)の左図は、左ハンドル車におけるポインタ座標(x4,y4)の決定を、図9(b)の右図は、右ハンドル車におけるポインタ座標(x4,y4)の決定を、模式的に説明する図の一例である。
【0079】
左ハンドル車の場合、図9(b)の左図から明らかなように、ポインタ座標(x4,y4)と仮位置座標(x2,y2)は等しい。よって次のように表すことができる。
x4=x2
y4=y2
また、右ハンドル車の場合、図9(b)の右図から明らかなように、ポインタ座標のx4は、主画面のx方向の画素数840を足したものとなる。ポインタ座標のy4は、仮位置座標のy2と同じである。よって次のように表すことができる。
x4=x2+840(従画面の横画素数)
y4=y2
このように、画像合成部15は、ポインタPが従画面にあっても、ハプティックデバイス30の操作に応じて、従画面の全範囲にポインタPを表示することができる。また、ハプティックデバイス30の操作量に対するポインタPの移動量の割り当てを主画面と同じにすることで、ポインタPが従画面又は主画面のどちらにあっても操作性を統一できる。
【0080】
〔主画面の方が重要性の高い場合〕
本実施例では、「主画面=サイズ大」、「従画面=サイズ小」とした。しかし、主画面に重要な情報(文字等)が含まれる場合は、主画面を運転者の近い側に表示することが好ましい。
【0081】
図10(a)は、主画面に従画面よりも重要な表示情報が含まれる場合における、右ハンドル車の主画面と従画面の配置を、図10(b)は、左ハンドル車の主画面と従画面の配置を、それぞれ示す図の一例である。主画面にポインタPがある場合、右ハンドル車の場合では、従画面に重要な表示情報が表示される場合の左ハンドル車と同様にポインタ座標(x3,y3)を算出すればよい(図8(b)左図)。左ハンドル車の場合では、従画面に重要な表示情報が表示される場合の右ハンドル車と同様にポインタ座標(x3,y3)を算出すればよい(図8(b)右図)。
このように、従画面が重要であると定義されていても、主画面が重要であると定義されていても、本実施例では、左ハンドル車でも右ハンドル車でも運転者に近い側に重要な画面が表示することができる。また、主画面又は従画面のうち、ポインタPが移動できない領域が生じることもない。
【実施例2】
【0082】
実施例1では、主画面よりも従画面が重要であるという関係が固定であるとして説明したが、本実施例では、主画面と従画面の相対的な重要度を比較することで、主画面又は従画面の内容に応じて主画面と従画面の配置を切り替えることができる車両用入力装置100について説明する。
【0083】
図11は、車両用入力装置100の概略構成図の一例を示す。図11において図3と同一部には同一の符号を付しその説明は省略する。図11の車両用入力装置100は、ディスプレイECU13にコンテンツ配置位置決定部17を有する。コンテンツ配置位置決定部17は、ディスプレイECU13から主画面と従画面の識別情報(又は重要度情報)を取得し、どちらの画面が相対的に重要かを判定する。そして、LHD・RHD情報送信部14から左右識別情報を取得し、右ハンドル車か左ハンドル車かに基づき、主画面と従画面の配置を画像合成部15に指示する。
【0084】
〔コンテンツに基づく主画面と従画面の配置の決定〕
コンテンツ配置位置決定部17は、例えば、主画面と従画面の識別情報と、各画面の重要度が登録された重要度テーブルを有する。
図12は、重要度テーブルの一例を示す図である。重要度テーブルには、主画面毎に重要度が、従画面毎に重要度が、それぞれ登録されている。図12では数値が小さいほど重要度が大きいとする。例えば、主画面が道路地図画面で、従画面が状況表示画面の場合、従画面の方が重要度が高い。主画面が選択画面で、従画面が状況表示画面の場合、主画面の方が重要度が高い。このように、コンテンツ配置位置決定部17は、主画面と従画面の識別情報を取得すれば、どちらがより重要かを判定できる。
【0085】
なお、重要度テーブルには、予めデフォルトの重要度が登録されているが、運転車は主画面及び従画面の重要度を編集することができる。また、重要度テーブルはディスプレイECU13が有していてもよい。この場合、コンテンツ配置位置決定部17は、ディスプレイECU13から、主画面と従画面のどちらが重要かの重要度情報を取得できる
また、コンテンツ配置位置決定部17は、左右識別情報により、車両が右ハンドル車か左ハンドル車かを判定している。コンテンツ配置位置決定部17は、右ハンドル車の場合、より重要であると判定した画面をディスプレイ20の右側に、左ハンドル車の場合、より重要であると判定した画面をディスプレイ20の左側に、配置するよう画像合成部15に指示する。
【0086】
こうすることで、主画面と従画面の内容に応じて、運転者の近くに表示すべき画面を動的に決定することができる。
【0087】
<乗員(運転者)による配置の選択>
また、重要度テーブルを利用することなく、運転者が主画面と従画面の配置を決定できるようにしてもよい。主画面と従画面のどちらの情報が重要かは、運転者によって変わりうるからである。また、単に運転者が好みで主画面と従画面の配置を換えたい場合もある。また、運転者以外の乗員が主画面と従画面の配置を好みで決めたい場合もある。
【0088】
運転者や乗員が主画面と従画面の配置を決定できるようにする場合、例えば主画面又は操作スイッチ35の1つに「切り替えボタン」を設け、ディスプレイECU13が、運転者から切り替えボタンの操作を受け付ける。コンテンツ配置位置決定部17は、切り替えボタンが押下される毎に主画面と従画面の配置の左右を切り替える。
【0089】
〔配置を決定する手順〕
図13は、コンテンツ配置位置決定部17が主画面と従画面の配置を決定する手順を示すフローチャート図の一例である。図13の手順は、例えば、主画面又は従画面が切り替わる毎に実行される。
【0090】
まず、コンテンツ配置位置決定部17は、重要度テーブルを参照して、主画面と従画面のどちらの重要度の方が高いかを判定する(S11)。
【0091】
主画面の方が重要度が高い場合、コンテンツ配置位置決定部17は、左右識別情報に基づき、車両用入力装置100が搭載された車両が右ハンドル車か左ハンドル車かを判定する(S21)。
【0092】
右ハンドル車の場合、コンテンツ配置位置決定部17は、運転者に近い方であるディスプレイ20の右側に重要である主画面を配置すると決定する(S31)。左ハンドル車の場合、運転者に近い方であるディスプレイ20の左側に重要である主画面を配置すると決定する(S32)。なお、コンテンツ配置位置決定部17は、主画面と従画面の配置を画像合成部15に指示する。
【0093】
ステップS11に戻り、従画面の方が重要度が高い場合、コンテンツ配置位置決定部17は、左右識別情報に基づき、車両用入力装置100が搭載された車両が右ハンドル車か左ハンドル車かを判定する(S22)。
【0094】
右ハンドル車の場合、コンテンツ配置位置決定部17は、運転者に近い方であるディスプレイ20の右側に重要である従画面を配置すると決定する(S41)。左ハンドル車の場合、運転者に近い方であるディスプレイ20の左側に重要である従画面を配置すると決定する(S42)。なお、コンテンツ配置位置決定部17は、主画面と従画面の配置を画像合成部15に指示する。
【0095】
以降、画像合成部15は、実施例1と同様にポインタ座標を決定して、ポインタPを主画面又は従画面に表示する。
【0096】
本実施例の車両用入力装置100によれば、実施例1の効果に加え、主画面と従画面の配置を、画面の重要度や乗員の好みに応じて切り替えることができる。
【符号の説明】
【0097】
11 マルチメディアECU
12 エアコン制御部
13 ディスプレイECU
14 LHD・RHD情報送信部
15 画像合成部
16 ディスプレイ描画部
17 コンテンツ配置位置決定部
18 ポインタ表示部
20 ディスプレイ
30 ハプティックデバイス
100 車両用入力装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポインタ又はカーソルの位置を所望のボタン表示の位置に合わせて各種操作を行う車両用入力装置に関し、特に、異なる画面の左右の配置をポインタの位置と共に変える車両用入力装置及びポインタ表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
車両には、乗員に情報を表示するためのディスプレイが配置されることがある。情報には軽重があるため運転者に近い側に重要な情報が表示されることが望ましいが、車両には同じ車種でも左ハンドル車と右ハンドル車が存在するため、運転者に近い側は一意に定まらない。そこで、左ハンドル車と右ハンドル車で、表示情報の配置を左右反転させることが考えられる(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1には、車両の位置情報から車両が走行する国を判別して、その国が右ハンドル車の占有率が高い地域か又は左ハンドル車の占有率が高い地域かを判定し、表示情報の配置を決定するナビゲーション装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−121160号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、車両で提供可能な表示情報の種類は、車載される機器の高度化や多様化に応じて増大している。しかしながら、運転席から視線移動が少なく、他の機器とも干渉しないスペースは限られているので、表示情報を表示するディスプレイの配置場所は限られている。
【0005】
そこで、センターコンソールやメータパネルにサイズの大きいディスプレイを配置して、異なる表示情報を異なる表示領域にそれぞれ表示する表示手法が採用されることが考えられる。しかしながら、サイズが大きくなると運転席から遠い表示領域が存在することになり、遠方の表示領域の視認性が低下するおそれがある。上記のように、車両には右ハンドル車と左ハンドル車が存在するが、この不都合を解消するため、特許文献1と同様に、ハンドルの配置に応じて、運転者に近い側により重要な表示情報が表示されるように、表示情報の配置を切り替えることが考えられる。
【0006】
ところで、画面にソフトキーとポインタを表示して、運転者がポインティングデバイスを操作して表示領域のポインタを移動させ、所望のソフトキーを選択する車両用入力装置が知られている。
【0007】
図1(a)は、このポインティングデバイスとポインタPの関係を模式的に説明する図の一例である。図1(a)では、ディスプレイ20に主画面と従画面が表示されている。主画面と従画面は、異なる表示情報が表示される表示領域である。説明を容易にするため、サイズの大きい方を主画面、サイズの小さい方を従画面と称し、従画面に運転者にとって重要な情報が表示されるものとする。したがって、図1(a)のような従画面の配置は、右ハンドルの車両の運転者にとって重要な表示情報が近くになるという意味で有効である。
【0008】
図1(a)では、主画面にポインタPが表示されている。運転席の周辺にはポインティングデバイスが配置されており、運転者はポインティングデバイスに視線を向けることなくポインティングデバイスを操作して、ポインタPを移動させることができる。
【0009】
このようなポインティングデバイスにおいて、操作した際の操作感をポインティングデバイスを通して操作者(運転者)に与える技術(ハプティック技術)が適用されることがある(以下、ハプティックデバイスという)。例えば、ソフトキーの位置にポインタPが存在する時、このハプティックデバイス30に引き込み力を作用させることで運転者は微小な位置あわせが不要になり、運転中でも良好な操作性で操作できる。操作感を与えるためハプティックデバイス30には反力発生機構が搭載されているが、反力発生機構は主画面におけるポインタPのポインタ座標に応じてアクチュエータを制御するため、ハプティックデバイス30の可動範囲とポインタPの移動範囲の関係は固定である。
【0010】
これにより、ポインタPとソフトキーの相対位置に応じて、適切な引き込み力がハプティックデバイス30に与えられる。一方、ハプティックデバイス30の可動範囲では、ポインタPは主画面の間しか移動できない。図示するように、ハプティックデバイス30の可動範囲では、主画面内でしかポインタPを移動できない。
【0011】
このようなハプティックデバイス30により操作されるポインタPが表示された主画面が、ディスプレイ20の右側に配置された場合を考える。この主画面と従画面の位置の切り替えは、例えば、左ハンドルの車両の運転者にとって従画面の表示情報が重要な場合に有効である。
【0012】
図1(b)は、主画面と従画面の配置を入れ替えた場合の、ハプティックデバイス30の可動範囲とポインタPの移動範囲の一例を示す図である。入れ替えたことにより、ポインタPも右側の主画面に表示される。しかしながら、ハプティックデバイス30の可動範囲とポインタPの移動範囲の関係が固定であるため、主画面と従画面の配置を入れ替えてもポインタPは主画面の全体を移動できない。すなわち、ポインタPは図1(b)の斜線の領域に進入することができず、運転者が選択できないソフトキーが存在してしまう可能性がある。
【0013】
この課題を解決するため、左ハンドル車専用又は右ハンドル車専用に、ハプティックデバイス30及びディスプレイ20を設計することも可能であるが、コスト増になるため現実的ではない。
【0014】
本発明は、上記課題に鑑み、複数の画面の配置を右ハンドル車と左ハンドル車で切り替えても、ハプティック型のポインティングデバイスによりポインタを操作可能な車両用入力装置及びポインタ表示方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記課題を解決するため、本発明は、第1の画面の第1画面情報を生成する第1の生成手段と、第2の画面の第2画面情報を生成する第2の生成手段と、前記第1の画面又は前記第2の画面に表示されたポインタの操作を受け付ける反力機構付きデバイスと、を有する車両用入力装置であって、当該車両用入力装置が搭載される車両が右ハンドル車か左ハンドル車かの識別情報を提供する左右識別情報提供手段と、前記車両が右ハンドル車の場合、前記第1の画面をディスプレイの右側に前記第2の画面を該ディスプレイの左側にそれぞれ配置する画像合成手段と、前記反力機構付きデバイスの操作位置を、ポインタが表示される前記第1の画面又は前記第2の画面のサイズに応じて、前記第1の画面又は前記第2の画面のポインタ位置に変換するポインタ表示手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
複数の画面の配置を右ハンドル車と左ハンドル車で切り替えても、ハプティック型のポインティングデバイスによりポインタを操作可能な車両用入力装置及びポインタ表示方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】ポインティングデバイスとポインタの関係を模式的に説明する図の一例である。
【図2】車両用入力装置による主画面と従画面の配置を模式的に示す図の一例である。
【図3】車両用入力装置の概略構成図の一例である。
【図4】左ハンドル車及び右ハンドル車の、主画面と従画面の描画位置を説明する図の一例である。
【図5】ハプティックデバイスの機能ブロック図の一例である。
【図6】画像合成部が主画面と従画面の配置を切り替える手順を示すフローチャート図の一例である。
【図7】ポインタ座標の決定手順の一例を示す図である。
【図8】ポインタ座標の決定を模式的に説明する図の一例である。
【図9】ポインタ座標の決定を模式的に説明する図の一例である。
【図10】主画面に従画面よりも重要な表示情報が含まれる場合に、右ハンドル車の主画面の配置を説明する図の一例である。
【図11】車両用入力装置の概略構成図の一例である(実施例2)。
【図12】重要度テーブルの一例を示す図である。
【図13】コンテンツ配置位置決定部が主画面と従画面の配置を決定する手順を示すフローチャート図の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しながら実施例を挙げて説明する。
【0019】
図2は、本実施形態の車両用入力装置100による主画面と従画面の配置を模式的に示す図の一例である。図2(a)は右ハンドル車の主画面と従画面の配置を、図2(b)は左ハンドル車の主画面と従画面の配置を、それぞれ示す。図2では、サイズの小さい従画面に運転者にとって重要な表示情報が表示されるとして説明する。
【0020】
右ハンドル車の場合は、ディスプレイ20の右側の方が運転者に近いので、車両用入力装置100は従画面をディスプレイ20の右側に配置する。また、左ハンドル車の場合は、ディスプレイ20の左側の方が運転者に近いので、車両用入力装置100は従画面をディスプレイ20の左側に配置する。したがって、運転者は、重要な情報をより近くで目視することができる。
【0021】
また、ハプティック型のポインティングデバイス(以下、ハプティックデバイス30という)が主画面の全体をポインタP(又はカーソル)で操作できるように、本実施形態の車両用入力装置100は、左ハンドル車か右ハンドル車かによって、ハプティックデバイス30のポインティング位置とディスプレイ20におけるポインタPのポインタ座標の対応づけを変更する。
【0022】
一例として、ハプティックデバイス30の可動範囲の縦方向のポインティング位置の分解能を256、横方向のポインティング位置の分解能を256とする。図2(a)に示すように右ハンドル車では、ハプティックデバイス30のポインティング位置の原点は、ディスプレイ20の左下角(=第1原点)に対応づけられ、ハプティックデバイス30のポインティング位置のエンド原点(255,255)は、ディスプレイ20の上辺所定点に対応づけられる。こうすることで、ハプティックデバイス30の可動範囲で主画面の全体をポインタPが移動できる。
【0023】
また、図2(b)では、ハプティックデバイス30のポインティング位置の原点は、ディスプレイ20の下辺所定点(=第2原点)に対応づけられ、ハプティックデバイス30のポインティング位置のエンド原点(255,255)は、ディスプレイ20の右上角に対応づけられる。こうすることで、ハプティックデバイス30の可動範囲で主画面の全体をポインタPが移動できる。
【0024】
このように、右ハンドル車か左ハンドル車かに応じて、ハプティックデバイス30のポインティング位置とディスプレイ20におけるポインタPのポインタ座標の対応づけを変更することで、主画面と従画面の配置を変更しても、運転者はハプティックデバイス30により主画面からソフトキーを操作することができる。ハプティックデバイス30やディスプレイ20にハード的な変更も不要なので、コスト増も最小限に抑制できる。
【実施例1】
【0025】
図3は、車両用入力装置100の概略構成図の一例を示す。車両用入力装置100の全体は、例えばディスプレイECU13により制御される。ディスプレイECU13には例えば、AV−LANを介してマルチメディアECU(Electronic Control Unit)11が、CANやFlexRayの車載LAN又は専用線を介してエアコン制御部12、ハプティックデバイス30、及び、LHD・RHD情報送信部14が接続されている。
【0026】
なお、マルチメディアECU11及びディスプレイECU13は、CPU、ROM、RAM、I/O、IC等を備えたマイコンを実体とする。以下で説明するマルチメディアECU11及びディスプレイECU13の機能は、ソフト的若しくはハード的に、又は、両者が協働して実現される。
【0027】
〔主画面描画情報〕
マルチメディアECU11は、ディスプレイ20に主画面として表示される主画面描画情報を生成し、ディスプレイECU13に送出する。なお、本実施例では、「主画面=サイズ大」、「従画面=サイズ小」、とするが、主画面と従画面のサイズが同程度であってもよい。
【0028】
主画面は、例えば、道路地図画面、地上デジタルテレビや衛星テレビの放送映像画面、DVDや携帯端末に記憶された映像の再生映像画面、又は、これら映像ソースを選択する選択画面、等である。道路地図画面には、経路案内やVICS情報も表示される。マルチメディアECU11は、このようにナビ機能を利用するので、例えばナビECUと称されることもある。
【0029】
また、主画面が、車両情報が表示される主画面用車両情報画面となることもある。主画面用車両情報画面は、例えば、ナイトビュー映像画面、各座席のアイコンと座席の状態(シートポジション、温度、ウィンドウ開閉状態等)を表示する画面、又は、警告メッセージ画面等である。
【0030】
本実施例では、主画面よりも従画面により重要な表示情報が表示されるものとする。また、主画面に、乗員の操作を受け付けるソフトキーが配置される場合等、主画面がハプティックデバイス30による操作の受け付け機能を備える場合、主画面にはポインタPが表示される。なお、ポインタPを描画するのはディスプレイECU13である。
【0031】
エアコン制御部12は、車両情報を提供する機器(例えばECU)の代表例であり、この他の機器から、車速情報、ナイトビュー映像、空気圧情報、残燃料情報、駆動用モータのモータトルク情報、バッテリ残量情報等がマルチメディアECU11に供給される。エアコン制御部12は、マルチメディアECU11だけでなくディスプレイECU13にも車両情報を提供する。
【0032】
〔従画面描画情報〕
また、ディスプレイECU13は、ディスプレイ20に従画面として表示される従画面描画情報を生成する。ディスプレイECU13は、ディスプレイ描画部16と画像合成部15の大きく2つの機能を有する。ディスプレイ描画部16は、従画面描画情報を生成し、画像合成部15に出力する。また、画像合成部15は、主画面描画情報と従画面描画情報を合成し、ディスプレイ20に表示する。
【0033】
従画面は、例えば、エアコンの動作状態、オーディオの動作状態、又は、車両状態を表示する状況表示画面である。また、縮小された道路地図画面、放送映像画面、再生映像画面、ナイトビュー画面等が従画面となることもある。
【0034】
このため、ディスプレイ描画部16には、エアコン制御部12から、設定温度、現在温度、風量、風向等のエアコンの動作状態が通知される。また、ディスプレイ描画部16には、マルチメディアECU11から、主画面で表示しているメディアソース(テレビ、ラジオ、DVD)の識別情報、選曲情報、音量情報等のオーディオの動作状態が通知される。また、ディスプレイ描画部16には、その他の機器から車速情報等の車両情報が通知される。また、ディスプレイ描画部16に、マルチメディアECU11から道路地図画面等の主画面描画情報が送信されることがある。
【0035】
ディスプレイ描画部16は、取得したエアコンの動作状態、オーディオの動作状態又は車両状態を、アイコン、文字、数値、記号として予め定められた位置に配置する従画面描画情報を生成する。また、ディスプレイ描画部16は、道路地図画面等の主画面描画情報を、従画面用に縮小して、従画面描画情報を生成する。
【0036】
このように、本実施形態では、従画面に主画面よりも重要な情報が表示される。すなわち、主画面が文字や数値をあまり含まないのに対し、従画面には種々の情報が文字や数値として表示されるため、運転者にとって重要であると考えられる。このため、従画面は運転者に近い位置に配置すべきと考えられる。
【0037】
画像合成部15については後述するが、画像合成部15は、主画面描画情報と従画面描画情報を合成してVRAMに書き込む。また、画像合成部15はポインタ表示部18を有し、ハプティックデバイス30からポインティング位置の位置情報を取得して、位置情報に対応したディスプレイ20の画素位置(ポインタ座標)にポインタPを表示する。ポインタPが表示されるのは主に主画面であるが、後述するように従画面の場合もある。
【0038】
〔LHD・RHD情報送信部14〕
LHD・RHD情報送信部14は、車両用入力装置100が搭載された車両が右ハンドル車か左ハンドル車かを識別する右左識別情報をディスプレイECU13に提供する。ハンドルの配置を変えること、又は、車両用入力装置100を別の車両に移設することは困難なので、左右識別情報は当該車両に固定である。この情報を他の機器(例えば、パワステECU、メータECU、ボディECU、エンジンECU等)が保持している場合はその機器がLHD・RHD情報送信部14である。また、左右識別情報は、右ハンドル車か左ハンドル車かの情報なので、LHD・RHD情報送信部14を、書き換え困難なROMの1bitの記憶領域、何らかの回路のショートの有無等で代用することもできる。
【0039】
なお、仮に、ハンドルの配置を変えること、又は、車両用入力装置100を別の車両に移設すること、が行われた場合、外部から車載LANに接続して、LHD・RHD情報送信部14に記憶された左右識別情報を書き換えることができる。
【0040】
〔ディスプレイ20〕
ディスプレイ20は、例えば液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等のフラットパネルディスプレイで構成される。ディスプレイ20は、運転者の視線移動が少なくて済むよう、センターコンソールの上部、インストルメントパネルの中央部、又は、メータ内等に配置されている。また、ディスプレイ20とは別に又はディスプレイ20と共に、HUD(Head Up Display)に、主画面と従画面を表示してもよい。
【0041】
本実施例では、左ハンドル車でも右ハンドル車でも、ハード的な構造を共通にするため、ディスプレイ20は1つであってVRAMやグラフィックチップも1つである。すなわち、主画面を右側に配置しても左側に配置しても、主画面と従画面の間以外に画面の切れ目が認識されることはない。
【0042】
主画面と従画面を隣接して配置するため、ディスプレイ20の形状は横長(縦横の比が1:2.0〜3.5程度)である。ディスプレイ20の画素数は、例えば、480×1024、480×1280、640×1280、640×1440、640×1920等、搭載スペースやコストに応じて決定される。
【0043】
ディスプレイ20の画素のうち主画面が占める画素数(主画面の広さ)はディスプレイ20毎に決まっている。以下では説明のため、ディスプレイ20の画素数を480×1280とし、主画面の画素数を480×840、従画面の画素数を480×440とする。このようにディスプレイ20の仕様が決まっていれば、右ハンドル車と左ハンドル車とでそれぞれ主画面の描画位置と従画面の描画位置を特定することができる。
【0044】
図4(a)は、左ハンドル車の主画面と従画面の描画位置を、図4(b)は右ハンドル車の主画面と従画面の描画位置を、説明する図の一例である。ディスプレイ20の画素数が480×1280なら、左ハンドル車では従画面の描画位置は、例えば、第1原点=(0,0)を基準に指定され、主画面の描画位置は第2原点=(440,0)を基準に指定される。右ハンドル車では主画面の描画位置は第1原点=(0,0)を基準に指定され、従画面の描画位置は第3原点=(840,0)を基準に指定される。
【0045】
〔ハプティックデバイス30〕
図5は、ハプティックデバイス30の機能ブロック図の一例である。ハプティックデバイス30は反力マップ記憶部31、反力制御部32、アクチュエータ33、位置センサ34、操作ノブ36、及び、操作スイッチ35を有する。操作ノブ36は、運転者のポインタ操作を受け付ける操作部材である。操作スイッチ35は、操作ノブ36を指先で操作できるよう運転者が手をハプティックデバイス30に添えた状態で、親指やその他の指で操作される位置に設けられた1つ以上のモーメンタリースイッチである(例えば、決定スイッチ、地図表示スイッチ、選択画面表示スイッチ、画面切り替えスイッチ等)。操作スイッチ35に対する押下は操作信号としてマルチメディアECU11に送信される。マルチメディアECU11は操作信号に対応した主画面描画情報を生成する。
【0046】
位置センサ34は、操作ノブ36の操作又はアクチュエータ33の作動により定まる、ハプティックデバイス30のポインティング位置を検出する。ポインティング位置の検出は、運転者の操作量やアクチュエータ33の回転量を監視する方法や、操作ノブ36の先端部が指し示す位置を電気信号として取り出す方法など、どのような方法でもよい。
【0047】
位置センサ34の分解能は256等のように決まっているので、位置センサ34が検出するポインティング位置の位置情報は(0,0)〜(255,255)の2次元の値を取る。この位置情報は画像合成部15に出力される。
【0048】
アクチュエータ33は操作ノブ36に対し、2次元平面内の任意の方向に反力を作用させる電気モータである。アクチュエータ33は、例えば、2次元平面のX方向とY方向のそれぞれに設けられ、それぞれの方向のトルクを制御することで、2次元平面内の任意の方向に反力を作用させる。
【0049】
反力を作用させる方向と大きさは反力マップ記憶部31に記憶されている。反力マップ記憶部31には、ポインティング位置に対応づけて、操作ノブ36に発生させるべき引き込み力が定義されている。
【0050】
引き込み力がソフトキーに対するものであるとすれば、ソフトキーの配置は主画面の表示情報によって異なるので、引き込み力は主画面毎に定義されている。本実施例では左ハンドル車と右ハンドル車でソフトキーの位置も変わるので、反力マップも左ハンドル車用と右ハンドル車用のものがある。
【0051】
反力制御部32は、ディスプレイECU13又はマルチメディアECU11から取得した主画面の識別情報に基づき反力マップを読み出し、これとポインティング位置に基づき、アクチュエータ33を制御する。
【0052】
なお、引き込み力は、例えば、各ソフトキーの中心にポインタPを引き込む力である。ポインタPがソフトキーの中心から大きく離れた状態では引き込み力はゼロであり、ポインタPがソフトキーの中心に近づくとソフトキーに引き込まれるように引き込み力が作用する。ポインタPがソフトキーに引き込まれると、引き込み力はゼロになる。このような引き込み力により、運転者は、ソフトキーに対しポインタPの座標位置の微小な位置あわせが不要となり操作性が向上する。
【0053】
〔画像合成部15〕
<主画面と従画面の配置>
画像合成部15は、左右識別情報に応じて、主画面と従画面の配置を切り替える。すなわち、画像合成部15は、左右識別情報に基づき、車両が左ハンドル車であれば、従画面を左側に、右ハンドル車であれば従画面を右側に配置する。
【0054】
図6は、画像合成部15が主画面と従画面の配置を切り替える手順を示すフローチャート図の一例である。図6の手順は、例えば、主画面又は従画面の表示情報が切り替わる毎に実行される。
【0055】
まず、画像合成部15は、主画面と従画面のどちらが運転者にとって重要かを判定する(S10)。本実施例では、一貫して従画面の方が重要であるとしているので、ステップS10の判定をスキップしてもよい。
【0056】
一方、主画面と従画面の重要度が、主画面の表示情報と従画面の表示情報とで相対的に決定する場合、画像合成部15は主画面と従画面のどちらが運転者にとって重要かを判定することもできる(実施例2)。
【0057】
次いで、画像合成部15は、左右識別情報に基づき、車両用入力装置100が搭載された車両が右ハンドル車か左ハンドル車かを判定する(S20)。
【0058】
画像合成部15は、右ハンドル車の場合、運転者に近い方であるディスプレイ20の右側に重要である従画面を表示し(S30)、左ハンドル車の場合、運転者に近い方であるディスプレイ20の左側に重要である従画面を表示する(S40)。
【0059】
具体的には、右ハンドル車の場合、画像合成部15は、従画面描画情報の描画位置を第3原点に指定する(従画面の位置を右側に指定する)描画コマンドをVRAMに書き込み、主画面描画情報の描画位置を第1原点に指定する(従画面の位置を左側に指定する)描画コマンドをVRAMに書き込む。
【0060】
左ハンドル車の場合、画像合成部15は、従画面描画情報の描画位置を第1原点に指定する(従画面の位置を左側に指定する)描画コマンドをVRAMに書き込み、主画面描画情報の描画位置を第2原点に指定する(主画面の位置を右側に指定する)描画コマンドをVRAMに書き込む。
【0061】
ステップS30、S40の処理では、ポインタ表示手段18はポインタPを主画面に配置する。このため、画像合成部15は、左右識別情報に応じてポインタPのポインタ座標を求める。
【0062】
<ポインタPの座標位置>
図7(a)はステップS30の処理のポインタ座標の決定手順の一例を、図7(b)はステップS40の処理のポインタ座標の決定手順の一例を、それぞれ示す。ステップS110の処理はステップS30とS40に共通である。
【0063】
ポインタ表示手段18は、ポインティングデバイスの一意のポインティング位置を、主画面において重複しない一意のポインタ座標に変換する(反力機構付きデバイス30の操作位置と主画面におけるポインタPの位置はほぼ1対1に対応する。)。したがって、ポインティング位置の位置情報は、主画面の絶対位置を指定する位置情報となる。
【0064】
・S110
図8(a)は、ポインタ表示手段18によるポインタ座標の決定を模式的に説明する図の一例である。まず、ポインタ表示手段18は、ポインティングデバイスの位置情報(x1,y1)を、ディスプレイ20の仮位置座標(x2,y2)に座標変換する。すなわち、(0,0)〜(255,255)の値を取る位置情報(x1,y1)を、主画面の画素位置に対応づける。図8では、主画面の仮の原点(0,0)を基準にした。
【0065】
主画面の画素数は480×840としたので、
x2=x1×840/256
y2=y1×480/256 である。
【0066】
・S130
また、ポインタ表示手段18は、左右識別情報に基づき、仮位置座標(x2,y2)から、最終的なポインタPのポインタ座標(x3,y3)を決定する。
図8(b)の左図は、左ハンドル車におけるポインタ座標(x3,y3)の決定を、図8(b)の右図は、右ハンドル車におけるポインタ座標(x3,y3)の決定を、模式的に説明する図の一例である。
【0067】
左ハンドル車の場合、図8(b)の左図から明らかなように、ポインタ座標のx3は、従画面のx方向の画素数440を足したものとなる。ポインタ座標のy3は、仮位置座標のy2と同じである。よって次のように表すことができる。
x3=x2+440(従画面の横画素数)
y3=y2
・S120
右ハンドル車の場合、図8(b)の右図から明らかなように、ポインタ座標(x3,y3)と仮位置座標(x2,y2)は等しい。よって次のように表すことができる。
x3=x2
y3=y2
以上から、ポインタ表示手段18は、左ハンドル車の場合にだけ、仮位置座標(x2,y2)のx2に従画面の横画素数を加えて、ポインタ座標x3を決定する。それ以外の場合は、x3=x2,y3=y2として、ポインタ座標を決定する。
【0068】
画像合成部15は、ポインタ座標(x3,y3)を指定してポインタPのアイコンの描画コマンドをVRAMに書き込む。ポインタ座標(x3,y3)の決定を、例えばサイクル時間毎に繰り返すことで、運転者による操作ノブ36の操作に応じて移動するポインタPを、ディスプレイ20の主画面に表示することができる。
【0069】
すなわち、運転者が操作ノブ36を操作すると、ポインタ表示手段18は、位置センサ34が検出するポインティング位置の位置情報(0,0)〜(255,255)に応答して、ポインタ座標(x3,y3)を算出し、ポインタPを移動させる。ハプティックデバイス30のポインティング位置の全範囲が主画面の全範囲に割り当てられているので、主画面がディスプレイ20の右側又は左側のどちらに配置されても、主画面上でポインタPが移動できない範囲をなくすことができる。
【0070】
なお、マルチメディアECU11やディスプレイ描画部16は、車両が左ハンドル車か右ハンドル車かによる影響を何ら受けないので、本実施例の車両用入力装置100の開発コストの増大も抑制できる。
【0071】
〔従画面にポインタPを表示する場合〕
これまでの説明では、主画面にだけポインタPを表示することを前提に説明したが、従画面にポインタPが表示されることもある。この場合について説明する。
【0072】
図9(a)は、ポインタ表示手段18によるポインタ座標の決定を模式的に説明する図の一例である。ポインタPは従画面に表示されている。ハプティックデバイス30が同時に操作できるポインタPは1つなので、ポインタPは主画面と従画面に排他的に表示される。ポインタPはデフォルトでは主画面に表示されるよう設定されている。そして、運転者が、例えば操作スイッチ35を操作することにより、画像合成部15がポインタPの表示先を主画面から従画面に切り替えることができるようになっている。運転者が再度、操作スイッチ35を操作すると、画像合成部15がポインタPの表示先を従画面から主画面に切り替える。
【0073】
仮位置座標の求め方は、主画面にポインタPを表示する場合と同様であるが、ハプティックデバイス30の可動範囲の全てを、従画面に対応づけてしまうと、ポインタPが主画面にある場合と従画面にある場合とで操作性が変わってしまう。例えば、主画面が従画面の2倍の広さであるなら、ハプティックデバイス30の操作量が同じでも、ポインタPは、従画面では主画面と比べて1/2しか移動しないこととなり、運転者が違和感を感じてしまう。
【0074】
このため、画像合成部15は、主画面と従画面とで操作性を統一させる。具体的には、主画面と従画面の広さの比率に応じて、ハプティックデバイス30の操作範囲を制限する。説明を容易にするため、主画面が従画面の2倍の広さであるとすれば、ポインタPが従画面にある場合、ポインタPが主画面にある場合よりも、ハプティックデバイス30の操作範囲を1/2にする。例えば、画像合成部15は、ポインタPが主画面と従画面のどちらに表示されているかを、ハプティックデバイス30に通知する。
【0075】
図9(a)では、ハプティックデバイス30の可動範囲の右半分を操作範囲とした。しがたって、位置情報(x1,y1)は(128,0)〜(255,255)の値を取る。この前提の元、ポインタ表示手段18は、ポインティングデバイスの位置情報(x1,y1)を、ディスプレイ20の仮位置座標(x2,y2)に座標変換する。
【0076】
従画面の画素数は480×440としたので、
x2=(x1−128)×440/128
y2=y1×480/256 である。
【0077】
なお、ハプティックデバイス30の可動範囲の右半分を操作範囲とするのでなく、ハプティックデバイス30の中央を中心に可動範囲の半分を操作範囲にしてもよいし、ハプティックデバイス30の可動範囲の左半分を操作範囲としてもよい。操作範囲の制限は、反力制御部32が、操作範囲外では操作ノブ36に、操作が困難なほどの大きな抵抗を与えるようにアクチュエータ33を制御することで、実現できる。
【0078】
そして、画像合成部15は、左右識別情報に基づき、仮位置座標(x2,y2)から、最終的なポインタPのポインタ座標(x4,y4)を決定する。
図9(b)の左図は、左ハンドル車におけるポインタ座標(x4,y4)の決定を、図9(b)の右図は、右ハンドル車におけるポインタ座標(x4,y4)の決定を、模式的に説明する図の一例である。
【0079】
左ハンドル車の場合、図9(b)の左図から明らかなように、ポインタ座標(x4,y4)と仮位置座標(x2,y2)は等しい。よって次のように表すことができる。
x4=x2
y4=y2
また、右ハンドル車の場合、図9(b)の右図から明らかなように、ポインタ座標のx4は、主画面のx方向の画素数840を足したものとなる。ポインタ座標のy4は、仮位置座標のy2と同じである。よって次のように表すことができる。
x4=x2+840(従画面の横画素数)
y4=y2
このように、画像合成部15は、ポインタPが従画面にあっても、ハプティックデバイス30の操作に応じて、従画面の全範囲にポインタPを表示することができる。また、ハプティックデバイス30の操作量に対するポインタPの移動量の割り当てを主画面と同じにすることで、ポインタPが従画面又は主画面のどちらにあっても操作性を統一できる。
【0080】
〔主画面の方が重要性の高い場合〕
本実施例では、「主画面=サイズ大」、「従画面=サイズ小」とした。しかし、主画面に重要な情報(文字等)が含まれる場合は、主画面を運転者の近い側に表示することが好ましい。
【0081】
図10(a)は、主画面に従画面よりも重要な表示情報が含まれる場合における、右ハンドル車の主画面と従画面の配置を、図10(b)は、左ハンドル車の主画面と従画面の配置を、それぞれ示す図の一例である。主画面にポインタPがある場合、右ハンドル車の場合では、従画面に重要な表示情報が表示される場合の左ハンドル車と同様にポインタ座標(x3,y3)を算出すればよい(図8(b)左図)。左ハンドル車の場合では、従画面に重要な表示情報が表示される場合の右ハンドル車と同様にポインタ座標(x3,y3)を算出すればよい(図8(b)右図)。
このように、従画面が重要であると定義されていても、主画面が重要であると定義されていても、本実施例では、左ハンドル車でも右ハンドル車でも運転者に近い側に重要な画面が表示することができる。また、主画面又は従画面のうち、ポインタPが移動できない領域が生じることもない。
【実施例2】
【0082】
実施例1では、主画面よりも従画面が重要であるという関係が固定であるとして説明したが、本実施例では、主画面と従画面の相対的な重要度を比較することで、主画面又は従画面の内容に応じて主画面と従画面の配置を切り替えることができる車両用入力装置100について説明する。
【0083】
図11は、車両用入力装置100の概略構成図の一例を示す。図11において図3と同一部には同一の符号を付しその説明は省略する。図11の車両用入力装置100は、ディスプレイECU13にコンテンツ配置位置決定部17を有する。コンテンツ配置位置決定部17は、ディスプレイECU13から主画面と従画面の識別情報(又は重要度情報)を取得し、どちらの画面が相対的に重要かを判定する。そして、LHD・RHD情報送信部14から左右識別情報を取得し、右ハンドル車か左ハンドル車かに基づき、主画面と従画面の配置を画像合成部15に指示する。
【0084】
〔コンテンツに基づく主画面と従画面の配置の決定〕
コンテンツ配置位置決定部17は、例えば、主画面と従画面の識別情報と、各画面の重要度が登録された重要度テーブルを有する。
図12は、重要度テーブルの一例を示す図である。重要度テーブルには、主画面毎に重要度が、従画面毎に重要度が、それぞれ登録されている。図12では数値が小さいほど重要度が大きいとする。例えば、主画面が道路地図画面で、従画面が状況表示画面の場合、従画面の方が重要度が高い。主画面が選択画面で、従画面が状況表示画面の場合、主画面の方が重要度が高い。このように、コンテンツ配置位置決定部17は、主画面と従画面の識別情報を取得すれば、どちらがより重要かを判定できる。
【0085】
なお、重要度テーブルには、予めデフォルトの重要度が登録されているが、運転車は主画面及び従画面の重要度を編集することができる。また、重要度テーブルはディスプレイECU13が有していてもよい。この場合、コンテンツ配置位置決定部17は、ディスプレイECU13から、主画面と従画面のどちらが重要かの重要度情報を取得できる
また、コンテンツ配置位置決定部17は、左右識別情報により、車両が右ハンドル車か左ハンドル車かを判定している。コンテンツ配置位置決定部17は、右ハンドル車の場合、より重要であると判定した画面をディスプレイ20の右側に、左ハンドル車の場合、より重要であると判定した画面をディスプレイ20の左側に、配置するよう画像合成部15に指示する。
【0086】
こうすることで、主画面と従画面の内容に応じて、運転者の近くに表示すべき画面を動的に決定することができる。
【0087】
<乗員(運転者)による配置の選択>
また、重要度テーブルを利用することなく、運転者が主画面と従画面の配置を決定できるようにしてもよい。主画面と従画面のどちらの情報が重要かは、運転者によって変わりうるからである。また、単に運転者が好みで主画面と従画面の配置を換えたい場合もある。また、運転者以外の乗員が主画面と従画面の配置を好みで決めたい場合もある。
【0088】
運転者や乗員が主画面と従画面の配置を決定できるようにする場合、例えば主画面又は操作スイッチ35の1つに「切り替えボタン」を設け、ディスプレイECU13が、運転者から切り替えボタンの操作を受け付ける。コンテンツ配置位置決定部17は、切り替えボタンが押下される毎に主画面と従画面の配置の左右を切り替える。
【0089】
〔配置を決定する手順〕
図13は、コンテンツ配置位置決定部17が主画面と従画面の配置を決定する手順を示すフローチャート図の一例である。図13の手順は、例えば、主画面又は従画面が切り替わる毎に実行される。
【0090】
まず、コンテンツ配置位置決定部17は、重要度テーブルを参照して、主画面と従画面のどちらの重要度の方が高いかを判定する(S11)。
【0091】
主画面の方が重要度が高い場合、コンテンツ配置位置決定部17は、左右識別情報に基づき、車両用入力装置100が搭載された車両が右ハンドル車か左ハンドル車かを判定する(S21)。
【0092】
右ハンドル車の場合、コンテンツ配置位置決定部17は、運転者に近い方であるディスプレイ20の右側に重要である主画面を配置すると決定する(S31)。左ハンドル車の場合、運転者に近い方であるディスプレイ20の左側に重要である主画面を配置すると決定する(S32)。なお、コンテンツ配置位置決定部17は、主画面と従画面の配置を画像合成部15に指示する。
【0093】
ステップS11に戻り、従画面の方が重要度が高い場合、コンテンツ配置位置決定部17は、左右識別情報に基づき、車両用入力装置100が搭載された車両が右ハンドル車か左ハンドル車かを判定する(S22)。
【0094】
右ハンドル車の場合、コンテンツ配置位置決定部17は、運転者に近い方であるディスプレイ20の右側に重要である従画面を配置すると決定する(S41)。左ハンドル車の場合、運転者に近い方であるディスプレイ20の左側に重要である従画面を配置すると決定する(S42)。なお、コンテンツ配置位置決定部17は、主画面と従画面の配置を画像合成部15に指示する。
【0095】
以降、画像合成部15は、実施例1と同様にポインタ座標を決定して、ポインタPを主画面又は従画面に表示する。
【0096】
本実施例の車両用入力装置100によれば、実施例1の効果に加え、主画面と従画面の配置を、画面の重要度や乗員の好みに応じて切り替えることができる。
【符号の説明】
【0097】
11 マルチメディアECU
12 エアコン制御部
13 ディスプレイECU
14 LHD・RHD情報送信部
15 画像合成部
16 ディスプレイ描画部
17 コンテンツ配置位置決定部
18 ポインタ表示部
20 ディスプレイ
30 ハプティックデバイス
100 車両用入力装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の画面の第1画面情報を生成する第1の生成手段と、
第2の画面の第2画面情報を生成する第2の生成手段と、
前記第1の画面又は前記第2の画面に表示されたポインタの操作を受け付ける反力機構付きデバイスと、を有する車両用入力装置であって、
当該車両用入力装置が搭載される車両が右ハンドル車か左ハンドル車かの識別情報を提供する左右識別情報提供手段と、
前記車両が右ハンドル車の場合、前記第1の画面をディスプレイの右側に前記第2の画面を該ディスプレイの左側にそれぞれ配置する画像合成手段と、
前記反力機構付きデバイスの操作位置を、ポインタが表示される前記第1の画面又は前記第2の画面のサイズに応じて、前記第1の画面又は前記第2の画面のポインタ位置に変換するポインタ表示手段と、
を有することを特徴とする車両用入力装置。
【請求項2】
前記ポインタ表示手段は、前記反力機構付きデバイスの可動部の可動範囲が、前記第1の画面又は前記第2の画面の略全体を賄うように、前記操作位置を前記ポインタ位置に変換する、
ことを特徴とする請求項1記載の車両用入力装置。
【請求項3】
前記第1の画面のコンテンツ及び前記第2の画面のコンテンツに基づき、前記ディスプレイにおける前記第1の画面及び前記第2の画面の配置を決定する配置位置決定手段、
を有することを特徴とする請求項1又は2項記載の車両用入力装置。
【請求項4】
前記第1の画面のコンテンツ及び前記第2の画面のコンテンツの重要度を登録した重要度テーブルを有し、
前記配置位置決定手段は、前記重要度テーブルに基づき、重要度が高い方のコンテンツを表示する前記第1の画面又は前記第2の画面を、前記ディスプレイの運転席に近い側に配置すると決定する、
ことを特徴とする請求項3記載の車両用入力装置。
【請求項5】
前記配置決定手段は、乗員からの操作を受け付け、前記ディスプレイにおける前記第1の画面及び前記第2の画面の配置を切り替える、
ことを特徴とする請求項3記載の車両用入力装置。
【請求項6】
前記第1の画面、又は、前記第1の画面とはサイズの異なる前記第2の画面のいずれにポインタが表示されても、
前記ポインタ表示手段は、前記反力機構付きデバイスの操作量が同じなら、ポインタの移動量も同程度になるよう、前記操作位置をポインタ位置に変換する、
ことを特徴とする請求項1〜5いずれか1項記載の車両用入力装置。
【請求項7】
前記第1の画面のサイズが前記第2の画面のサイズより小さく、かつ、前記第1の画面にポインタが表示される場合、
前記反力機構付きデバイスは、前記第1の画面のサイズと前記第2の画面のサイズの比に応じて前記可動部の可動範囲を制限する、
ことを特徴とする請求項6記載の車両用入力装置。
【請求項8】
前記第1の画面は車載機器の設定や状況を表示する状況表示画面であり、前記第2の画面は道路地図画面である、
ことを特徴とする請求項1〜7いずれか1項記載の車両用入力装置。
【請求項9】
前記ディスプレイの縦横比は、縦1に対し横が2より大きい、
ことを特徴とする請求項1〜8いずれか1項記載の車両用入力装置。
【請求項10】
第1の画面の第1画面情報を生成する第1の生成手段と、
第2の画面の第2画面情報を生成する第2の生成手段と、
前記第1の画面又は前記第2の画面に表示されたポインタの操作を受け付ける反力機構付きデバイスと、を有する車両用入力装置のポインタ表示方法であって、
左右識別情報提供手段が、当該車両用入力装置が搭載される車両が右ハンドル車か左ハンドル車かの識別情報を提供するステップと、
画像合成手段が、前記車両が右ハンドル車の場合、前記第1の画面をディスプレイの右側に前記第2の画面を該ディスプレイの左側にそれぞれ配置するステップと、
ポインタ表示手段が、反力機構付きデバイスの操作位置を、ポインタが表示される前記第1の画面又は前記第2の画面のサイズに応じて、前記第1の画面又は前記第2の画面のポインタ位置に変換するステップと、
を有することを特徴とするポインタ表示方法。
【請求項1】
第1の画面の第1画面情報を生成する第1の生成手段と、
第2の画面の第2画面情報を生成する第2の生成手段と、
前記第1の画面又は前記第2の画面に表示されたポインタの操作を受け付ける反力機構付きデバイスと、を有する車両用入力装置であって、
当該車両用入力装置が搭載される車両が右ハンドル車か左ハンドル車かの識別情報を提供する左右識別情報提供手段と、
前記車両が右ハンドル車の場合、前記第1の画面をディスプレイの右側に前記第2の画面を該ディスプレイの左側にそれぞれ配置する画像合成手段と、
前記反力機構付きデバイスの操作位置を、ポインタが表示される前記第1の画面又は前記第2の画面のサイズに応じて、前記第1の画面又は前記第2の画面のポインタ位置に変換するポインタ表示手段と、
を有することを特徴とする車両用入力装置。
【請求項2】
前記ポインタ表示手段は、前記反力機構付きデバイスの可動部の可動範囲が、前記第1の画面又は前記第2の画面の略全体を賄うように、前記操作位置を前記ポインタ位置に変換する、
ことを特徴とする請求項1記載の車両用入力装置。
【請求項3】
前記第1の画面のコンテンツ及び前記第2の画面のコンテンツに基づき、前記ディスプレイにおける前記第1の画面及び前記第2の画面の配置を決定する配置位置決定手段、
を有することを特徴とする請求項1又は2項記載の車両用入力装置。
【請求項4】
前記第1の画面のコンテンツ及び前記第2の画面のコンテンツの重要度を登録した重要度テーブルを有し、
前記配置位置決定手段は、前記重要度テーブルに基づき、重要度が高い方のコンテンツを表示する前記第1の画面又は前記第2の画面を、前記ディスプレイの運転席に近い側に配置すると決定する、
ことを特徴とする請求項3記載の車両用入力装置。
【請求項5】
前記配置決定手段は、乗員からの操作を受け付け、前記ディスプレイにおける前記第1の画面及び前記第2の画面の配置を切り替える、
ことを特徴とする請求項3記載の車両用入力装置。
【請求項6】
前記第1の画面、又は、前記第1の画面とはサイズの異なる前記第2の画面のいずれにポインタが表示されても、
前記ポインタ表示手段は、前記反力機構付きデバイスの操作量が同じなら、ポインタの移動量も同程度になるよう、前記操作位置をポインタ位置に変換する、
ことを特徴とする請求項1〜5いずれか1項記載の車両用入力装置。
【請求項7】
前記第1の画面のサイズが前記第2の画面のサイズより小さく、かつ、前記第1の画面にポインタが表示される場合、
前記反力機構付きデバイスは、前記第1の画面のサイズと前記第2の画面のサイズの比に応じて前記可動部の可動範囲を制限する、
ことを特徴とする請求項6記載の車両用入力装置。
【請求項8】
前記第1の画面は車載機器の設定や状況を表示する状況表示画面であり、前記第2の画面は道路地図画面である、
ことを特徴とする請求項1〜7いずれか1項記載の車両用入力装置。
【請求項9】
前記ディスプレイの縦横比は、縦1に対し横が2より大きい、
ことを特徴とする請求項1〜8いずれか1項記載の車両用入力装置。
【請求項10】
第1の画面の第1画面情報を生成する第1の生成手段と、
第2の画面の第2画面情報を生成する第2の生成手段と、
前記第1の画面又は前記第2の画面に表示されたポインタの操作を受け付ける反力機構付きデバイスと、を有する車両用入力装置のポインタ表示方法であって、
左右識別情報提供手段が、当該車両用入力装置が搭載される車両が右ハンドル車か左ハンドル車かの識別情報を提供するステップと、
画像合成手段が、前記車両が右ハンドル車の場合、前記第1の画面をディスプレイの右側に前記第2の画面を該ディスプレイの左側にそれぞれ配置するステップと、
ポインタ表示手段が、反力機構付きデバイスの操作位置を、ポインタが表示される前記第1の画面又は前記第2の画面のサイズに応じて、前記第1の画面又は前記第2の画面のポインタ位置に変換するステップと、
を有することを特徴とするポインタ表示方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2011−193040(P2011−193040A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−54904(P2010−54904)
【出願日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
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