説明

車両用情報提供装置及び車両用情報提供方法

【課題】学習精度及び運転不全状態の情報提供の精度を向上可能な車両用情報提供の技術を提供する。
【解決手段】取得した運転状態の情報をからなる学習情報により運転者の運転特性を学習する。また、直近に取得した運転状態の情報に基づき直近の運転特性を求める。そして、学習した運転者の運転特性に対する直近の運転特性に基づき、運転者の運転不全状態を判定し、運転不全状態と判定した場合に運転者へ情報提供する。このとき、運転者の普段の運転特性が発現し難いと想定される走行状態のときの運転状態の情報を学習情報として使用することを禁止する。また、運転状態を運転不全状態と誤認知する因子がある走行状態の場合には、上記情報提供若しくは運転者の運転不全状態の判定を禁止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運転者の運転不全状態を検出して情報提供を行う車両用情報提供の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
運転者の運転不全状態を検出して警報の報知(情報提供)を行う技術としては、例えば特許文献1に記載の技術がある。この技術は、運転者毎に記憶した走行パターンと最新の走行状態とを比較して、走行状態が正常か異常か判定する。異常と判別した場合には警報を出す。ここで、逐次取得する運転者の操作と走行情報とに基づき補正値を更新する。そして、逐次更新する補正値を基本マップに加えて学習する走行マップを、上記判定用の走行パターンとして使用する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−301832号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術では、学習に使用する走行状態と最近の走行状態とを、同一の取得条件で取得して使用している。
しかしながら、運転者の走行パターン(運転特性)の学習に適した走行シーンと、走行状態が正常か異常かの判定に適した走行シーンとは、必ずしも一致しない。このため、同一の取得条件で、学習に使用する走行状態と最近の走行状態とを取得して使用すると、学習に対しノイズとなる情報を使用したり、不必要な警報(運転不全状態の情報)を提示したりする可能性が増大するおそれがある。
本発明は、上記のような点に着目してなされたもので、学習精度及び運転不全状態の情報提供の精度を向上可能な車両用情報提供の技術を課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明は、取得した運転状態の情報をからなる学習情報により運転者の運転特性を学習する。また、直近に取得した運転状態の情報に基づき直近の運転特性を求める。そして、学習した運転者の運転特性に対する直近の運転特性に基づき、運転者の運転不全状態を判定し、運転不全状態と判定した場合に運転者へ情報提供する。
このとき、運転者の普段の運転特性が発現し難いと想定される走行状態のときの運転状態の情報を学習情報として使用することを禁止する。また、運転状態を運転不全状態と誤認知する因子がある走行状態の場合には、上記情報提供若しくは運転者の運転不全状態の判定を禁止する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、走行状態に応じて、取得した運転状態の情報を選別して学習情報として使用する。また、学習とは異なる条件によって、警報する走行状態を選別して設定する。
すなわち、運転者の運転特性を学習する走行シーンと、運転不全状態の情報提供する走行シーンとを、その目的に応じてそれぞれ独立に設定する。
これによって、学習精度の向上、及び運転不全状態の情報提供の精度の向上が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明に基づく実施形態に係る車両の構成を示す概要図である。
【図2】本発明に基づく実施形態に係る情報提供装置の構成を示す図である。
【図3】第1学習・不全判定部に係る処理を説明する図である。
【図4】第1情報提供選択部における判定内容を示す図である。
【図5】第1情報提供選択部の処理を説明するための図である。
【図6】カーブ判定時の例を示す図である。
【図7】第1運転特性学習処理部の処理を説明する図である。
【図8】第1直近運転特性処理部の処理を説明する図である。
【図9】第2情報提供選択部の処理を説明するための図である。
【図10】第2情報提供選択部における判定内容を示す図である。
【図11】第2情報提供選択部の処理を説明するための図である。
【図12】第2運転特性学習処理部の処理を説明する図である。
【図13】第2直近運転特性処理部の処理を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
次に、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態に係る車両用情報提供装置を備えた車両のシステム構成図である。
本実施形態では、運転特性の種別として、運転ふらつき特性の場合と、先行車との車間に係る特性の場合の2つの特性を対象とする場合を例にして説明する。なお、運転特性の種別は1種類だけでも良いし、3種類以上あっても良い。
本実施形態では、運転ふらつき特性に対する運転操作として、ステアリング操作を対象とし、その運転状態の情報として操舵角θを使用する。また、先行車との車間に係る特性に対する運転状態の情報として、先行車との車間距離Dを使用する。
【0009】
(構成)
本実施形態の車両は、通常の車両と同様に、運転者の運転操作に応じた状態に車両挙動を制御する。すなわち、運転者が操作するアクセルペダル1のアクセル開度に応じた駆動力を発生するように、駆動コントローラ2がエンジンやモータなどの駆動輪を駆動する駆動源3を制御する。また、運転者が操作するブレーキペダル4のブレーキ開度に応じた制動力が発生するように、制動コントローラ5が各輪の制動装置6を制御する。また、運転者が操作するステアリングホイール7の操舵角θに応じて、ステアリング装置が操向輪を転舵する。
操舵角センサ20は、ステアリングホイール7の操舵角θを検出する。操舵角センサ20は、検出した操舵角θを情報提示コントローラに出力する。
車速センサ21は、各輪の車輪速を検出する。なお、各輪の車輪速から車速Vを求めることが出来る。
レーダ装置22は、先行車両との車間距離Dを取得する。
【0010】
また、横方向の運転支援制御手段10及び前後方向の運転支援制御手段11を備える。横方向の運転支援制御手段10は、車線に対して所定の位置に自車両が位置するように運転支援制御を行う。横方向の運転支援制御手段10としては、LKA、LDP、LDWなどが例示できる。例えば、LKAは、車線逸脱するおそれがあると判定すると作動して。車線逸脱を防止するように車両の状態に応じて操舵制御若しくは制駆動制御によって車線内に戻すヨーモーメントや横力を発生する。前後方向の運転支援制御手段11は、先行車に追従するように運転支援制御したり、一定速で走行するように運転支援制御を行ったりする。
上記のような車両に対し、運転不全状態判定の処理を行う第1情報提供手段12及び第2情報提供手段13を設ける。
【0011】
まず、第2情報提供手段13について説明する。
第2情報提供手段13は、図2に示すように、生理指標取得手段13Aと、第2不全状態検出手段13Bと、生理情報提供手段13Cとを備える。
生理指標取得手段13Aは、運転者の生理状態を取得する。生理指標として、例えば、アルコール臭気装置でアルコール濃度(飲酒度)を取得したり、運転者の目の状態を画像処理して眠気度を取得したりする。
第2不全状態検出手段13Bは、生理指標取得手段13Aが取得した生理指標に基づき運転不全状態か否かを判定する。生理情報提供手段13Cは、第2不全状態検出手段13Bが運転不全状態と判定すると、その旨の報知を、情報提供装置14に供給する。
【0012】
ここで、情報提供装置14としては、表示装置、音声装置、シートベルト拘束装置、ステアリング振動装置が例示できる。表示装置としては、ナビゲーションシステムの画面を利用する。音声装置としては、ナビゲーションシステムのスピーカを利用する。シートベルト拘束装置は、シートベルトをパルス的に引き締める機能を持つ。シート振動装置は、シート下に埋め込んだ振動子によって、シートを振動する機能を持つ。ステアリング振動装置は、ステアリングに組み込んだ振動子によって、ステアリングを振動する機能を持つ。
【0013】
次に、第1情報提供手段12について、図2を参照して説明する。
第1情報提供手段12は、運転状態取得手段12A、第1学習・不全判定部12B、第2学習・不全判定部12C、及び情報提供手段12Dを備える。
第1学習・不全判定部12Bは、ふらつき特性についての学習及び運転不全判定を行う。
第2学習・不全判定部12Cは、車間に関する特性についての学習及び運転不全判定を行う。
第1学習・不全判定部12Bは、学習情報選択手段12Ba、運転特性学習手段12Bb、直近運転特性検出手段12Bc、運転不全状態判定手段12Bd、情報提供選択手段12Be、及びカーブ走行検出手段12Bfを備える。
【0014】
第2学習・不全判定部12Cは、学習情報選択手段12Ca、運転特性学習手段12Cb、直近運転特性検出手段12Cc、運転不全状態判定手段12Cd、及び情報提供選択手段12Ceを備える。
運転状態取得手段12Aは、運転操作や車両情報からなる運転状態の情報を逐次取得する。本実施形態では、ふらつき特性についての運転状態の情報として、操舵角センサ20から操舵角θを取得する。また、車間に係る特性についての運転状態の情報として、レーダ装置22から車間距離Dを取得する。
【0015】
運転特性学習手段12Bb、12Cbは、運転状態取得手段12Aが取得した運転状態の情報を学習情報として、運転者の運転特性を学習する。
第1学習・不全判定部12Bの運転特性学習手段12Bbでは、操舵角θの予測誤差分布及びその予測誤差分布に基づくステアリングエントロピーHplを、普段の運転者の運転特性の指標として学習する。
また、第2学習・不全判定部12Cの運転特性学習手段12Cbは、車間時間THWの分布を、普段の運転者の運転特性の指標として学習する。
【0016】
直近運転特性検出手段12Bc、12Ccは、運転状態取得手段12Aが取得した直近の運転状態の情報に基づき、運転者の直近の運転特性を検出する。
第1学習・不全判定部12Bの直近運転特性検出手段12Bcでは、直近の操舵角θの予測誤差分布及びその予測誤差分布に基づくステアリングエントロピーHpsを、直近の運転者の運転特性の指標として算出することで、直近の運転特性を検出する。
【0017】
第2学習・不全判定部12Cの直近運転特性検出手段12Ccでは、直近の車間時間THWの分布を、直近の運転者の運転特性の指標として算出することで、直近の運転特性を検出する。
各運転不全状態判定手段12Bd、12Cdは、運転特性学習手段12Bb、12Cbが学習する運転者の運転特性に対する、直近運転特性検出手段12Bc、12Ccが求めた直近の運転特性に基づき、運転者の運転不全状態を判定する。
【0018】
情報提供手段12Dは、各運転不全状態判定手段12Bd、12Cdが運転不全状態と判定した場合に運転者へ情報提供する。具体的には、情報提供装置に対して情報提供する旨の信号を出力する。
学習情報選択手段12Baは、運転者の普段の運転特性が発現し難いと想定される走行状態と判定しているときは、運転状態取得手段12Aが取得する運転状態の情報を学習情報として使用することを禁止する。
【0019】
第1学習・不全判定部12Bの学習情報選択手段12Baは、車速Vが所定以上、例えば40km以上の場合のときの情報を学習情報として選択する。但し、下記の条件のいずれかを満足する場合には、運転者の普段の運転特性が発現し難いと想定される走行状態と判定して、学習情報として使用することを禁止する。
・第1学習・不全判定部12B若しくは第2学習・不全判定部12Cの運転不全状態判定手段12Bd、12Cdが運転不全と判定しているとき、若しくは、運転不全と判定してから所定時間経過するまで
・第2情報提供手段13が運転不全と判定しているとき、若しくは、運転不全と判定してから所定時間経過するまで
・横方向の運転支援制御手段10が作動して、車両の横方向の挙動に制御が介入しているとき
【0020】
第2学習・不全判定部12Cの学習情報選択手段12Caは、車速Vが所定以上、例えば40km以上の場合のときの情報を学習情報として選択する。但し、下記の条件のいずれかを満足する場合には、運転者の普段の運転特性が発現し難いと想定される走行状態と判定して、学習情報として使用することを禁止する。
・第1学習・不全判定部12B若しくは第2学習・不全判定部12Cの運転不全状態判定手段12Bd、12Cdが運転不全と判定しているとき、若しくは、運転不全と判定してから所定時間経過するまで
・第2情報提供手段13が運転不全と判定しているとき、若しくは、運転不全と判定してから所定時間経過するまで
・前後方向の運転支援制御手段11が作動して、車両の前後方向の挙動に制御が介入しているとき
【0021】
また、情報提供選択手段12Be、12Ceは、運転状態を運転不全状態と誤認知する因子がある走行状態と判定しているときは、上記情報提供手段による情報提供を禁止する。運転状態を運転不全状態と誤認知する因子がある走行状態と判定しているときに、運転不全状態判定手段12Bdによる運転不全状態の判定を禁止しても良い。
【0022】
第1学習・不全判定部12Bの情報提供選択手段12Beは、車速Vが所定以上、例えば40km以上の場合のときの情報を情報提供状態とする。但し、下記の条件のいずれかを満足する場合には、運転状態を運転不全状態と誤認知する因子がある走行状態と判定して、情報提供を禁止する。
・イグニッションがONとなって走行開始から所定時間(例えば10分間)
・カーブ路を走行中と判定したとき
【0023】
第2学習・不全判定部12Cの情報提供選択手段12Ceは、車速Vが所定以上、例えば40km以上の場合のときの情報を情報提供状態とする。但し、下記の条件のいずれかを満足する場合には、運転状態を運転不全状態と誤認知する因子がある走行状態と判定して、情報提供を禁止する。
・イグニッションがONとなって走行開始から所定時間(例えば10分間)
・走行している道路が混雑中と判定した場合
カーブ走行検出手段12Bfは、操舵角θに基づき現在の走行状態がカーブ路を走行している状態か否かを判定する。
【0024】
(第1学習・不全判定部12Bの説明)
次に、上記第1情報提供手段12における、第1学習・不全判定部12Bに係わる処理について、図3を参照して説明する。
この処理は、所定サンプリング周期毎に作動する。
まず、ステップS1010では、運転状態取得手段12Aが運転状態の情報を取得する。本実施形態では、操舵角センサ20からの入力に基づき、操舵角θを取得する。また、車速センサからの入力に基づき車速Vを取得する。ここで、本実施形態の第1情報提供手段12では、所定車速V以上、例えば40km/h以上の車速V状態での走行状態のときに、学習及び運転不全状態の判定(情報提示の判定)を行う。このため、車速Vの情報を取得している。
【0025】
次に、ステップS1015では、取得した運転状態の情報を記録する。この記録は、運転者の状態を正確に推定するために使用する。すなわち、過去のデータの統計値・分布や、運転行動履歴、運転支援システムの作動履歴、運転不全状態検出履歴を保存する。そして、直近の運転行動から現在の運転行動・運転状態を推定するために用いる。
次に、ステップS1020では、第1情報選択部30から、学習及び警報提示の実施判定のための情報FLG1st、FLG1infを取得する。第1情報選択部30の処理は後述する。
【0026】
次にステップS1030では、第1情報選択部30の判定に基づき、今回所得した運転状態の情報を学習情報として使用するか否かを判定する。FLG1stがON、すなわち学習情報として使用する場合にはステップS1040に移行する。一方、FLG1stがOFF、すなわち学習に反映しない場合はステップS1060に移行する。
ステップS1040では、学習のために第1運転特性学習処理部31を起動する。これによって、普段の運転特性の学習を行う。
【0027】
ステップS1060では、直近の運転特性の検出のために第1直近運転特性処理部32を起動する。これによって、直近の運転特性の検出を行う。
次に、ステップS1070で、ふらつき特性について学習が完了したか否かを判定する。学習が完了している場合にはステップS1080に移行する。学習が完了していない場合には、そのまま復帰する。学習の完了は、例えば学習に使用した学習情報の数が所定数以上となった場合とする。
【0028】
次にステップS1080では、運転不全状態の検出を行う。具体的には、ステップS1044とステップS1064で算出したそれぞれの予測誤差分布から相対エントロピーR_Hpを算出する。
学習しない場合には最も新しいpliを用いて相対Hpを算出する。
R_Hp =Σpsi・log(psi/pli
若しくは、下記式によって学習するステアリングエントロピーHplと、直近のステアリングエントロピーHpsとの差を算出する。
ΔHp =Hps −Hpl
【0029】
次にステップS1085では、第1情報選択部30の判定に基づき、警報提示を実施するか禁止するかを判定する。FLG1inf=ON、すなわち警報提示を実施すると判定した場合にはステップS1090へ移行する。一方、FLG1inf=OFF、すなわち警報提示を禁止すると判定する場合は、そのまま復帰する。
次にステップS1090では、ステップS1080で算出した相対エントロピーR_Hpが、運転不全状態と判定可能な運転不全閾値を超えるかどうか判定する。運転不全閾値を超える場合は、ステップS1100に移行する。一方、運転不全閾値を超えない場合は、そのまま復帰する。また、差ΔHpが所定閾値以上か否かで、運転不全状態か否かを判定する。
【0030】
次にステップS1100では、警報等の運転不全に係る情報の提示信号を情報提供装置14に出力する。警報は、視覚情報と聴覚情報によって運転者に伝える。視覚情報は、ナビのディスプレまたはメータに表示する。聴覚情報は、「運転に集中しましょう」などの運転への意識を高めるためのアナウンスを行う。振動で情報提示を行っても良い。その後、処理を終了する。
【0031】
次に、第1情報選択部30の処理について説明する。第1情報選択部30は、学習情報選択手段12Ba、情報提供選択手段12Beの判定処理を行う。
図4に示す内容に基づき、学習の有無及び警報提示の有無を判定する。図中、○が実施することを示し、×が実施しない(禁止する)ことを示す。
すなわち、走行状態の情報である「運転場面」と「運転者状態」から学習有無、警報提示有無をそれぞれ設定する。
【0032】
具体的には、次の内容である。
・カーブ走行中は、運転者の個人特性が出やすいので学習はする。一方、カーブ時ふらつき運転はしない(運転に意識が集中している)と想定できるため、警報提示しない。
・走行開始直後は、運転し始めで慣れていないため運転者特性が明確に分からないので、学習はするが、警報提示しない。
・運転不全状態と判定したとき、運転不全状態と判定してから所定時間の間は、学習はしないが、警報提示する。
・横方向の運転支援制御手段10が動作中等、ふらつき特性に影響のある運転支援制御が作動しているときは、運転者自身の運転特性ではないので学習はしない。
・他の運転不全判定処理12C、13によって不全と判定しているとき、及び不全
判定してから所定時間は、普段の運転状態では無いので学習はしない。
【0033】
次に、第1情報提供選択手段12Beの処理例を、図5を参照して説明する。
先ず、ステップS100にて、車速Vが所定車速V以上、例えば40km/h以上か否かを判定する。車速Vが所定車速V以上の場合には、ステップS110にてFLG1st、及びFLG1infを共にONとする。車速Vが所定車速V未満の場合には、ステップS220にて、FLG1st、及びFLG1infを共にOFFとして復帰する。
【0034】
すなわち、車速Vが所定以上の場合に学習及び警報提示の処理を行う。
次に、ステップS120では、カーブ走行検出手段12Bfの判定に基づき、現在の走行状態がカーブ走行中か否かを判定する。カーブ走行中と判定すると、ステップS130にてFLG1infをOFFとする。
次に、ステップS140では、現在の走行状態が走行開始直後か否かを判定する。走行開始直後と判定した場合には、ステップS150にてFLG1infをOFFにする。
【0035】
例えば、走行時間(イグニッションスイッチがONになり車速Vが所定(40km/h)以上の時間)が、10分以下の走行状態を、走行開始直後と判定する。車速Vが所定以上の走行状態を対象としているので、単に、イグニッションスイッチがONになってから所定時間(例えば10分)以下の走行状態を走行開始直後と判定しても良い。
次に、ステップS160では、不全状態と判定中及び不全状態と判定後所定時間(5分間)以内か判定する。この不全状態の判定は、例えばステップS1100における警告の提示の有無で判定する。
【0036】
上記条件を満足する場合には、ステップS170にてFLG1stをOFFとする。
次に、ステップS180では、ふらつき特性以外の他の運転不全状態検出(短車間状態検出)で運転不全と判定若しくは運転者の生理指標が運転に悪い影響を及ぼすと判定(たとえば飲酒運転などのアルコール検知など)した場合、及びその判定後から所定時間(5分間)以内か判定する。
【0037】
上記条件を満足する場合には、ステップS190にてFLG1stをOFFとする。
次に、ステップS200では、対象とする運転特性に影響する運転支援制御手段が作動中か否かを判定する。ふらつき特性の場合には、横方向運転支援制御10による制御(例えばLKA、LDP、LDWなど)が作動中か判定する。条件を満足する場合には、ステップS210にてFLG1stをOFFとする。
以上のようにして、情報提供選択手段12Beは、現在の走行状態に応じてFLGst、FLGinfを設定する。
【0038】
次に、カーブ走行検出手段12Bfの処理を説明する。
カーブ走行路の判定は、次のように行う。
次の条件を満足すると、カーブ走行中と判定する。
操舵角θが閾値1(例えば12deg)以上の状態が所定時間1(例えば1秒)以上継続すると、カーブ走行中と判定する。
また、次の条件を満足するとカーブ走行終了と判定する。
すなわち、操舵角θが、閾値1より小さい閾値2(例えば6deg)以下の状態が所定時間2(およそ10秒)継続すると、カーブ走行終了と判定する。
【0039】
ここで、ふらつき運転判定では、急な修正操舵を検出し、ふらつき判定している。急な修正操舵と、通常の操舵を判定するために所定時間1を設けている。
また、カーブ走行後も数秒間は、操舵操作が安定せず、また、次のカーブ(連続的なカーブ)の可能性がある。そこで、カーブ走行と見なす時間を操舵角θではなく時間(所定時間2)をトリガーとして判定する。なお、カーブ走行後、所定走行距離をカーブ走行と見なすようにしても良い。理由は同じである。
【0040】
また、カーブ走行とみなせない走行路において、操舵角θの分布を見ると90%tileが閾値2(およそ6deg)となっている。この値をカーブ走行を判定の閾値2とした。ただし、カーブ開始時は、ハンチングを懸念し、閾値2よりも所定量だけ大きい閾値1を設定している。この大きさは、閾値2の2倍として、通常の修正操舵がカーブ走行中と判定されないようにしている。
これによって、図6に例示する範囲ではカーブ走行と判定することになる。
【0041】
次に、第1運転特性学習処理部31及び第1直近運転特性処理部32の処理について説明する。
第1運転特性学習処理部31及び第1直近運転特性処理部32は、それぞれ普段の運転特性の指標と、直近の運転特性の指標(不安定運転指標)を更新して求める。
本実施形態では、ステアリングエントロピー法を用いて、運転特性の指標を更新して算出する。
【0042】
ここで、ステアリングエントロピー法について説明する。
一般的に、運転者の注意が運転に集中していない状態では、操舵が行われない時間が運転に集中した正常運転時よりも長くなり、大きな操舵角θの誤差が蓄積される。したがって、運転者の注意が運転に戻ったときの修正操舵量が大きくなる。ステアリングエントロピー法は、この特性に着目したものであり、特性値としてα値と、α値を基準に算出したステアリングエントロピーHpを用いる。基準となるステアリングエントロピーと、計測された操舵角θに基づいて算出したステアリングエントロピーとを比較することにより、基準に対する運転操作の不安定な状態を検出することが可能となる。
【0043】
なお、特性値としてのα値は、操舵角θの時系列データに基づいて一定時間内の操舵誤差を求め、その操舵誤差の分布(ばらつき)を測定して90パーセントタイル値(操舵誤差の90%が含まれる分布の範囲)を算出したものである。上記操舵誤差は、ステアリングを滑らかに操作したと仮定した場合の操舵角θの推定値と、実際の操舵角θとの差である。
【0044】
ステアリングエントロピー値としてのHp値は、操舵誤差分布のあいまいさ(不確実性)を表す。Hp値は、α値と同様に、ステアリング操作が滑らかで安定している場合は小さくなり、ガクガクと不安定な場合は大きくなる。Hp値はα値によって補正することで、運転者の技量や癖により影響を受けにくい運転者不安定度として用いることができる。
なお、操舵誤差は、道路線形や運転者の負荷の状態に影響を受けるため、運転者が無負荷の状態で、基準となる指標としての操舵誤差分布を計測する必要がある。そこで、長時間計測した操舵角θデータに基づいて指標としての操舵誤差分布を求める。
【0045】
次に、第1運転特性学習処理部31の処理を説明する。
先ずステップS1042にて、予測誤差PEの算出を行う。
その予測誤差PEは、下記式のように、予測操舵角θpと実際の操舵角θの差として求める。
PE= θ −θp
【0046】
予測操舵角θpは、過去の操舵角θに基づき、滑らかに操舵したら得られるであろうと推定する操舵角θである。例えば、現在の時点をnとした場合に、直近3点(n−3、n−2、n−1)の過去の操舵角θを用いてn−1時点を中心とする2次テイラー展開により算出する。具体的には、過去3回の150msごと(150ms前と300ms前と450ms前)の操舵角θa1、θa2、θa3から、下記式によって、予測操舵角θpを算出する。
θp=θa1+(θa1−θa2)
+(1/2)(((θa1−θa2)−(θa2−θa3))
次にステップS1044では、算出した予測操舵角θに基づき、学習用(普段用)の予測誤差分布を更新することで、最新の学習用(普段用)の予測誤差分布を算出する。ここで予測誤差分布は、頻度分布で表す。
【0047】
この予測誤差分布の各分布割合plの案出は、次のように実施する。
予測誤差分布を更新するためのタイムウインドウを設定する。ここでは、普段用のタイムウインドウNlとして2160秒(所定値)を設定する。また、予測誤差分布のビンの間隔を決定する値αを、所定値0.64に設定する。また、値αに基づき、予測誤差分布の各ビンの幅(B)をそれぞれ設定する。ビンの幅は、下記式のように、bin1〜bin8にαを乗算することで算出する。bin1〜bin9は、それぞれ[−5、−2.5、−1、−0.5、0.5、1、2.5、5]に設定する。
B1 =α× bin1
・・・
B9 =α× bin9
【0048】
そして、算出した現時点の予測誤差PEが、どこのビンの範囲内に該当するかどうか判定する。たとえば、αが0.64の場合、今回算出した操舵角θ予測誤差PEが0.2とすると、p5(−0.32〜0.32)のビンが範囲内と判定する。
そして、範囲外と判定した場合は、下記(1)式で更新する。一方、範囲内と判定した場合は下記(2)式で更新する。
pl =pl/(1+1/Nl) ・・・(1)
pl =(pl+1/Nl)/(1+1/Nl) ・・・(2)
【0049】
(1)式では、ビンの値を(1+1/Nl)で割ることで、確率密度が減少する。
(2)式では、ビンの値に(1/Nl)を足し、(1+1/Nl)で割る。つまり確率
これを、変数i=1から9まで変更して実施することで更新する。
次に、ステップS1046では、エントロピーHplの計算を行う。エントロピーHplの計算は以下の式を用いる。(Hplは「普段」のエントロピー)
Hpl=Σ(pl ×logpl ) (:i=1〜9)
【0050】
次に、第1直近運転特性処理部32の処理を図8を参照して説明する。使用する情報取得の期間以外は、第1運転特性学習処理部31と同じである。すなわち、タイムウインドウとして、直近用のNl:90秒(所定値)を使用する。
先ずステップS1062にて、予測誤差PEの算出を行う。
その予測誤差PEは、下記式のように、予測操舵角θpと実際の操舵角θの差として求める。
PE= θ −θp
θp=θa1+(θa1−θa2)
+(1/2)(((θa1−θa2)−(θa2−θa3))
次にステップS1064では、算出した予測操舵角θに基づき、直近の予測誤差分布を更新することで、直近の予測誤差分布を算出する。ここで予測誤差分布は、頻度分布で表す。
【0051】
この予測誤差分布の各分布割合psの案出は、次のように実施する。
予測誤差分布を更新するためのタイムウインドウを設定する。ここでは、直近用のタイムウインドウNsとして60秒(所定値)を設定する。また、予測誤差分布のビンの間隔を決定する値αを、所定値0.64に設定する。また、値αに基づき、予測誤差分布の各ビンの幅(B)をそれぞれ設定する。ビンの幅は、下記式のように、bin1〜bin8にαを乗算することで算出する。bin1〜bin9は、それぞれ[−5、−2.5、−1、−0.5、0.5、1、2.5、5]に設定する。
B1 =α× bin1
・・・
B9 =α× bin9
【0052】
そして、算出した現時点の予測誤差PEが、どこのビンの範囲内に該当するかどうか判定する。たとえば、αが0.64の場合、今回算出した操舵角θ予測誤差PEが0.2とすると、p5(−0.32〜0.32)のビンが範囲内と判定する。
そして、範囲外と判定した場合は、下記(3)式で更新する。一方、範囲内と判定した場合は下記(4)式で更新する。
ps =ps/(1+1/Ns) ・・・(3)
ps =(ps+1/Ns)/(1+1/Ns) ・・・(4)
【0053】
(3)式では、ビンの値を(1+1/Ns)で割ることで、確率密度が減少する。
(4)式では、ビンの値に(1/Ns)を足し、(1+1/Ns)で割る。つまり確率密度が増加する。
これを、変数i=1から9まで変更して実施する。
次に、ステップS1066では、エントロピーHplの計算を行う。エントロピーHpsの計算は以下の式を用いる。(Hpsは「直近」のエントロピー)
Hps=Σ(ps ×logps ) (:i=1〜9)
【0054】
(第2学習・不全判定部12Cの説明)
次に、上記第1情報提供手段12における、第2学習・不全判定部12Cに係わる処理について、図9を参照して説明する。
この処理は、所定サンプリング周期毎に作動する。
まず、ステップS2010では、運転状態取得手段12Aが運転状態の情報を取得する。本実施形態では、レーザ装置の検出値に基づき、先行車との車間距離Dを取得する。なお、所定距離以上前方に先行車が存在しない場合には、車間距離Dとして大きな値を設定しておく。大きな値とは、学習及び情報提供の対象とならないだけ大きな車間距離Dに対応する値である。また、車速センサからの入力に基づき車速Vを取得する。
【0055】
次に、ステップS2015では、取得した運転状態の情報を記録する。
次に、ステップS2020では、第2情報選択部40から、学習及び警報提示の実施判定の情報FLG2st、FLG2infを取得する。第2情報選択部40の処理は後述する。
次にステップS2030では、第2情報選択部40の判定に基づき、今回所得した運転状態の情報を学習情報として使用するか否かを判定する。FLG2st=ON、すなわち学習情報として使用する場合にはステップS2040に移行する。一方、FLG2st=OFF、すなわち学習に反映しない場合はステップS2060に移行する。
【0056】
ステップS2040では、学習のために第2運転特性学習処理部41を起動する。これによって、普段の運転特性の学習を行う。
ステップS2060では、直近の運転特性の検出のために第2直近運転特性処理部42を起動する。これによって、直近の運転特性の検出を行う。
次に、ステップS2070で、車間距離Dに関する特性について学習が完了したか否かを判定する。学習が完了している場合にはステップS2080に移行する。学習が完了していない場合には、そのまま復帰する。学習の完了は、例えば学習に使用した学習情報の数が所定数以上となった場合とする。
【0057】
次にステップS2080では、運転不全状態の検出を行う。具体的には、学習及び直近に係る、それぞれの車間時間THWの各分布から逸脱度deffを算出する。
そして、次のようにして、運転不全状態の検出を行う。
すなわち、第2運転特性学習処理部41が算出した普段の車間時間THWの分布THWhと、第2直近運転特性処理部42が算出した直近の車間時間THWの分布THWsを比較する。
【0058】
普段の車間時間THWの分布THWhにおけるモード値を、基準値として設定する。そして、普段の車間時間THWの分布THWhにおける基準値よりも車間時間THWが短い側に、すなわちハイリスク側に位置する車間時間THWの確率Fhを求める。
同様に、直近の車間時間THWの分布THWsにおける上記基準値よりも車間時間THWが短い側に、すなわちハイリスク側に位置する車間時間THWの確率Fsを求める。
そして、逸脱度deffを下記式によって求める。
deff= Fs −Fh
【0059】
ここで、逸脱度deffがプラス方向に大きくなるほど、「直近」の運転者の運転が、「普段」の運転よりも車間時間THWが短くなる方向、すなわちハイリスク方向に偏っていることを表す。逸脱度deffがマイナス方向に大きくなるほど、「直近」の運転者の運転が「普段」の運転よりも車間時間THWが長くなる傾向、すなわちリスクの低下する傾向にあることを表す。
【0060】
次にステップS2085では、第2情報選択部40の判定に基づき、警報提示を実施するか禁止するかを判定する。FLG2inf=ON、すなわち警報提示を実施すると判定した場合にはステップS2090へ移行する。一方、FLG2inf=OFF、すなわち警報提示を禁止すると判定する場合は、そのまま復帰する。
次にステップS2090では、ステップS2080で算出した逸脱度が、運転不全状態と判定可能な運転不全閾値を超えるかどうか判定する。運転不全閾値を超える場合は、ステップS2100に移行する。一方、運転不全閾値を超えない場合は、そのまま復帰する。
【0061】
すなわち、deffが所定値以上の場合に、運転不全状態と判定する。
ここで上記基準値は、普段の車間時間THWの分布THWhにおける、車間時間THWが短い方からの所定値(15.7%tile:1σ相当)の位置を採用しても良い。
また、上記説明では、2つの分布の逸脱度として差deff= Fs −Fhを採用している。これに代えて、普段の車間時間THWの分布THWhにおける、車間時間THWが短い方からの所定%tileの位置を基準値として求め、直近の車間時間THWの分布THWsにおける基準値よりも車間時間THWが短い側に、すなわちハイリスク側に位置する車間時間THWの確率Fs自体の値によって、運転不全状態の有無の検出を実施しても良い。
【0062】
また、車間時間THWの代わりに、車間時間THWの逆数、車間距離D、車間距離Dの逆数を使用してもよい。
次にステップS2100では、警報等の運転不全に係る情報の提示信号を情報提供装置14に出力する。警報は、視覚情報と聴覚情報によって運転者に伝える。視覚情報は、ナビのディスプレまたはメータに表示し、聴覚情報は、「運転に集中しましょう」などの運転への意識を高めるためのアナウンスを実施する。振動によって情報提示を実施しても良い。その後、処理を終了する。
【0063】
次に、第2情報選択部40の処理について説明する。
本実施形態では、図10に示す内容に基づき、学習の有無及び警報提示の有無を判定する。図中、○が実施することを示し、×が実施しないことを示す。
すなわち、走行状態の情報である「運転場面」と「運転者状態」から学習有無、警報提示有無をそれぞれ設定する。
【0064】
具体的には、次の内容である。
・混雑時には短車間状態になりがちで、運転者の意識が低下しているわけではないので、警報提示しない。混雑が習慣的なものである場合があるので学習する。
・走行開始直後は、運転者特性が明確にわからないので、学習はするが警報提示しない。
・先行車追従制御が動作中は運転者自身の運転特性ではないので学習はしない。ただし、運転者の意思による加速によって先行車に接近することはできるので、警報提示は行う
・他の運転不全判定処理によって不全と判定しているときは、普段の運転状態では無いので学習はしない。
【0065】
次に、第2情報選択部40の処理例を、図11を参照して説明する。
先ず、ステップ300にて、車速Vが所定車速V以上、例えば40km/h以上か否かを判定する。車速Vが所定車速V以上の場合には、更に、ステップS310にて、車間距離Dが所定値未満か否かを判定する。車間距離Dが所定値未満の場合には、ステップS320にて、FLG2st、及びFLG2infを共にONとする。
一方、車速Vが所定車速V未満の場合若しくは車間距離Dが所定値以上の場合には、ステップS440にて、FLG2st、及びFLG2infを共にOFFとする。その後、復帰する。
【0066】
すなわち、車速Vが所定以上の場合に学習及び警報提示の処理を行う。しかし、車速Vが所定値未満か前方に先行車が所定距離内に存在しない場合には、学習及び警報提示の処理を実施しない。
次にステップS330では、走行状態の情報として、先行車との車間距離Dや道路混雑状況(VICSなど)を取得する。
【0067】
次に、ステップS340では、現在の走行状態が混雑中(渋滞中)か否かを判定する。混雑中と判定した場合には、ステップS350にて、FLG2infをOFFにする。
例えば、ナビのVICS情報等、自車両の外にあるインフラ設備から交通情報を取得し、その交通情報から、現在の走行状態が混雑中(渋滞中)か否かを判定する。
次に、ステップS360では、現在の走行状態が走行開始直後か否かを判定する。走行開始直後と判定した場合には、ステップS370にて、FLG2infをOFFにする。
【0068】
例えば、走行時間(イグニッションスイッチがONになり車速Vが所定(40km/h)以上の時間)が、10分以下の走行状態を、走行開始直後と判定する。車速Vが所定以上の走行状態を対象としているので、単に、イグニッションスイッチがONになってから所定時間(例えば10分)以下の走行状態を走行開始直後と判定しても良い。
次に、ステップS380では、運転不全状態と判定中及び不全状態と判定後所定時間(5分間)以内か判定する。この不全状態の判定は、警告の提示の有無で判定する。
【0069】
上記条件を満足する場合には、ステップS190にて、FLG2stをOFFとする。
次に、ステップS400では、車間距離Dに係る特性以外の、他の運転不全状態検出(ふらつき状態検出)で運転不全と判定若しくは運転者の生理指標が運転に悪い影響を及ぼすと判定(たとえば飲酒運転などのアルコール検知など)した場合、及びその判定後から所定時間(5分間)以内か判定する。
【0070】
上記条件を満足する場合には、ステップS410にて、FLG2stをOFFとする。
次に、ステップS420では、車間距離Dの運転特性に影響する運転支援制御が作動中か否かを判定する。ふらつき特性の場合には、車間維持運転支援の制御(例えばACCなど)が作動中か判定する。条件を満足する場合には、ステップS430にてFLG2stをOFFとする。
以上のようにして、情報提供選択手段12Beは、現在の走行状態に応じてFLGst、FLGinfを設定する。
【0071】
次に、第2運転特性学習処理部41について、図12を参照して説明する。
まず、ステップS2042にて、自車両の走行状態を検出する。ここで、自車両の走行状態として、車速センサ21によって検出される自車速Vと、レーダ装置22によって検出される自車両と先行車との車間距離Dを取得する。
そして、車間時間THWを算出する。車間時間THWは、下記式のように、車間距離Dを自車速Vで除したものであり、先行車の現在位置に自車両が到達するまでの時間を示す。この車間時間THWは、想定される将来の先行車の車速V変化による相対車速Vrが変化すると仮定したときの影響度合を示す物理量である。
THW=D/V
そして、ステップS2044では、2160秒(所定値)分以上の運転状態の情報である車間時間THWを用いて、車間時間THWの分布を算出する。
【0072】
次に、車間時間THWの分布の算出について説明する。
ここで、車間時間THWの分布を算出するために、「普段」を定義する所定時間内の車間時間THWの確率密度を、車間時間THWを取得する度に算出する。そこで、車間時間THWのデータをいれる複数のビンを用意する。各ビンはTHW=0からTHW=4まで、0.2刻みで設定し、合計20個のビンBin(配列)を用意する。
B1 =bin1
・・・
B20 =bin20
【0073】
「普段」を定義する所定時間(タイムウインドウ)は、上述したように例えば2160秒とする。設定したタイムウインドウ内のデータ個数をNと定義する。
そして、確率密度をリアルタイムに計算する。
すなわち、車間時間THWの新しいデータを取得するたびに、新しい車間時間THWがどのビンに該当するかを判断する。新しいデータが入るビンと、入らないビンと確率密度の計算方法が異なる。すあわち、パラメータiを1〜20まで変更して下記の処理を行う。
新しいデータが入るビンの確率密度Bini(:i=1〜20)は、以下の式を用いて更新する。
bini={bini+(1/N)}/(1+(1/N)) ・・・(5)
新しいデータが入らないビンの確率密度Biniは、以下の式を用いて更新する。
bini=bini/(1+(1/N)) ・・・(6)
【0074】
次に、第2直近運転特性処理部42の処理について図13を参照して説明する。
第2直近運転特性処理部42の処理も、第2運転特性学習処理部41の処理は同じである。
第2直近運転特性処理部42では、現在から直近、例えば60秒(所定値)分の車間時間THWを用いて、車間時間THWの分布を算出する。
【0075】
次に、車間時間THWの分布の算出について説明する。
ここで、車間時間THWの分布を算出するために、「直近」を定義する所定時間内の車間時間THWの確率密度を車間時間THWを算出するたびに行う。そこで、車間時間THWのデータをいれる複数のビンを用意する。各ビンはTHW=0からTHW=4まで、0.2刻みで設定され、合計20個のビンBin(配列)を用意する。
B1 =bin1
・・・
B20 =bin20
「直近」を定義する所定時間(タイムウインドウ)は、上述したように例えば60秒とする。設定したタイムウインドウ内のデータ個数をNと定義する。
【0076】
次に、確率密度をリアルタイムに計算する。
車間時間THWの新しいデータを取得するたびに、新しい車間時間THWがどのビンに該当するかを判断する。新しいデータが入るビンと、入らないビンと確率密度の計算方法が異なる。iを1〜20まで変更して下記の処理を行う。
新しいデータが入るビンの確率密度Bini(:i=1〜20)は、以下の式を用いて更新する。
bini={bini+(1/N)}/(1+(1/N)) ・・・(7)
新しいデータが入らないビンの確率密度Biniは、以下の式を用いて更新する。
bini=bini/(1+(1/N)) ・・・(8)
【0077】
(動作・作用)
逐次取得する運転状態の情報に基づき、運転特性として、ふらつき特性及び車間に係る特性をそれぞれ学習する。また、直近の短時間に取得した運転状態の情報に基づき、運転特性として、ふらつき特性及び車間に係る特性をそれぞれ検出する。このとき、分布によって各運転特性の情報を学習及び検出する。
そして、ふらつき特性及び車間に係る特性毎に、学習した普段の運転特性に対する直近の運転特性に基づき、運転不全状態か否かを判定する。そして、運転不全状態と判定すると、その旨の情報を運転者に提供する。
【0078】
このとき、対象とする運転特性において、運転者の普段の運転特性が発現し難いと想定される走行状態と判定しているときに取得した運転状態の情報を、普段の運転特性の学習に使用することを禁止する。
これによって、ノイズとなる情報を排除して学習するので、学習する運転特性の精度が向上する。
また、対象とする運転特性において、運転不全と誤認識する因子がある走行状態と判定しているときには、情報の提供を禁止する。
これによって、不必要な運転不全についての情報提供を抑えることが出来る。
このように、本実施形態では、取得した運転状態の情報を一律に学習及び情報提供有無の情報として使用することを止め、個々の適切な条件によって、学習及び情報提供有無に使用する。
【0079】
(本実施形態の効果)
(1)運転状態取得手段12Aは、運転操作や車両情報からなる運転状態の情報を取得する。運転特性学習手段12Bb、12Cbは、運転状態取得手段12Aが取得した運転状態の情報を学習情報として、運転者の運転特性を学習する。直近運転特性検出手段12Bc、12Ccは、運転状態取得手段12Aが取得した直近の運転状態の情報に基づき、運転者の直近の運転特性を検出する。運転不全状態判定手段12Bd、12Cdは、運転特性学習手段12Bb、12Cbが学習する運転者の運転特性に対する、直近運転特性検出手段12Bc、12Ccが検出した直近の運転特性に基づき、運転者の運転不全状態を判定する。情報提供手段12Dは、運転不全状態判定手段12Bd、12Cdが運転不全状態と判定した場合に運転者へ情報提供する。
【0080】
そして、学習情報選択手段12Ba、12Caは、運転者の普段の運転特性が発現し難いと想定される走行状態と判定しているときは、運転状態取得手段12Aが取得する運転状態の情報を学習情報として使用することを禁止する。情報提供選択手段12Be、12Ceは、取得した運転状態を運転不全状態と誤認知する因子がある走行状態と判定しているときは、上記情報提供手段による情報提供若しくは運転不全状態判定手段12Bd、12Cdによる運転不全状態の判定を禁止する。
【0081】
走行状態に応じて、取得した運転状態の情報を選別して学習情報として使用する。また、学習とは異なる条件によって、警報する走行状態を選別して設定する。すなわち、運転者の運転特性を学習する走行シーンと、運転不全状態の情報提供する走行シーンとを、その目的に応じてそれぞれ独立に設定する。
これによって、学習精度の向上、及び運転不全状態の情報提供の精度の向上が可能となる。
【0082】
(2)情報提供選択手段12Be、12Ceは、対象とする運転特性に影響を与える運転支援制御が作動していると判定すると、運転状態を運転不全状態と誤認知する因子がある走行状態と判定する。
検出する運転特性に影響を与える運転支援制御が作動している場合には、取得した運転状態は、必ずしも運転者の運転特性を反映していない。
よって、検出する運転特性に影響を与える運転支援制御の作動を、運転不全状態と誤認知する因子とみなすことで、情報提供の精度が向上する。
【0083】
(3)学習情報選択手段12Ba、12Caは、運転不全状態判定手段12Bd、12Cdが運転者の運転不全状態と判定すると、運転者の普段の運転特性が発現し難いと想定される走行状態と判定する。
運転者の運転不全状態な状態では、普段の運転者の特性では無いため学習情報から除去する。この結果、学習の精度が向上する。
【0084】
(4)学習情報選択手段12Ba、12Caは、運転不全状態判定手段12Bdが運転者の運転不全状態との判定終了後、所定時間を、運転者の普段の運転特性が発現し難いと想定される走行状態と判定する。
運転者の運転不全状態との判定終了後、所定時間は、運転が安定せず普段の運転者の特性では無い場合が多いため、学習情報から除去する。この結果、学習の精度が向上する。
【0085】
(5)学習する運転者の運転特性の種別が運転のふらつき特性の場合、上記情報提供選択手段12Beは、カーブ走行中と判定すると、運転状態を運転不全状態と誤認知する因子がある走行状態と判定する。
カーブ走行中は、運転者の個人特性が出やすいので学習はするが、所定速度以上でカーブ走行中は、ふらつき運転はしないと想定出来るため、情報提示を禁止する。
特に、操舵角θによる予測分布で判定する場合には、運転不全状態と誤認知する可能性が高まる。
これによって、運転不全についての情報提示の精度が向上する。
【0086】
(6)カーブ走行検出手段12Bfは、操舵角情報に基づきカーブ走行中か否かを判定する。
これによって、カーブ走行を検出可能となる。
(7)カーブ走行検出手段12Bfは、所定閾値以上の操舵角θが所定時間継続するとカーブ走行中と判定する。
これによって、修正操舵をカーブ走行と誤認識することを抑えて、カーブ走行を検出することが出来る。
【0087】
(8)上記カーブ走行と判定する開始の閾値と、カーブ走行終了と判定する終了の閾値とは異なる値である。
開始の閾値と終了の閾値にヒステリシスを持たせる事で、カーブ走行の検出のハンチングを抑える。このことはまた、連続カーブ時に連続してカーブ判定が可能となる。
(9)カーブ走行検出手段12Bfは、操舵角θがカーブ走行終了と判定する閾値未満となってからの所定時間をカーブ走行中と判定する。
これによって連続カーブ時におけるカーブ間もカーブ走行と判定することが可能となる。
(10)カーブ走行検出手段12Bfは、操舵角θがカーブ走行終了と判定する閾値未満となってからの所定距離走行するまでカーブ走行中と判定する。
これによって連続カーブ時におけるカーブ間もカーブ走行と判定することが可能となる。
【0088】
(11)学習する運転者の運転特性の種別が先行車との車間に係る特性の場合、情報提供選択手段12Ceは、道路が混雑していると判定すると、運転状態を運転不全状態と誤認知する因子がある走行状態と判定する。
混雑時には、運転者の意図とは異なる要件で短車間状態隣りがちである。すなわち、運転状態を運転不全状態と誤認知する因子となる。
混雑時には情報提示を禁止することで、情報提示の精度が向上する。
但し、混雑が習慣的なものである場合があるので、学習情報としては使用する。
(12)自車両の外部(交通情報を発信可能なインフラ設備)から取得した交通情報に基づき、道路が混雑しているか否かを判定する。
これによって、走行状態が道路の混雑であることを検出することが可能となる。
【0089】
(13)学習する運転者の運転特性の種別を複数有し、当該運転特性の種別毎に、運転特性学習手段12Bb、12Cb、直近運転特性検出手段12Bc、12Cc、運転不全状態判定手段12Bd、12Cd、学習情報選択手段12Ba、12Ca、及び情報提供選択手段12Be、12Ceを備える。そして、いずれか一つの運転特性の種別に対応する運転不全状態判定手段12Bd、12Cdが運転不全状態と判定しているときは、その他の運転特性の種別に対応する学習情報選択手段12Ba、12Cbは、運転状態取得手段12Aが取得する運転状態の情報を学習情報として使用することを禁止する。
他の種別の運転特性で運転不全状態と判定されている場合は、普段の運転状態ではない。
このときの情報を学習に使用することを禁止することで、学習が向上する。
【0090】
(14)生理指標取得手段13Aは、運転者の生理指標を取得する。第2不全状態検出手段13Bは、生理指標取得手段13Aが取得した生理指標に基づき運転者の不全状態を検出する。上記学習情報選択手段12Ba、12Caは、第2不全状態検出手段13Bが不全状態を検出しているときは、運転状態取得手段12Aが取得する運転状態の情報を学習情報として使用することを禁止する。
他のシステムによって運転特性で運転不全状態と判定されている場合は、普段の運転状態ではない。
このときの情報を学習に使用することを禁止することで、学習が向上する。
【符号の説明】
【0091】
10 運転支援制御手段
11 運転支援制御手段
12 第1情報提供手段
12A 運転状態取得手段
12B 第1学習・不全判定部
12Ba 学習情報選択手段
12Bb 運転特性学習手段
12Bc 直近運転特性検出手段
12Bd 運転不全状態判定手段
12Be 情報提供選択手段
12Bf カーブ走行検出手段
12C 第2学習・不全判定部
12Ca 学習情報選択手段
12Cb 運転特性学習手段
12Cc 直近運転特性検出手段
12Cd 運転不全状態判定手段
12Ce 情報提供選択手段
12D 情報提供手段
13 第2情報提供手段
13A 生理指標取得手段
13B 不全状態検出手段
13C 生理情報提供手段
14 情報提供装置
20 操舵角センサ
21 車速センサ
22 レーダ装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
運転操作や車両情報からなる運転状態の情報を取得する運転状態取得手段と、
運転状態取得手段が取得した運転状態の情報を学習情報として、運転者の運転特性を学習する運転特性学習手段と、
運転状態取得手段が取得した直近の運転状態の情報に基づき、運転者の直近の運転特性を検出する直近運転特性検出手段と、
運転特性学習手段が学習する運転者の運転特性に対する、直近運転特性検出手段が検出した直近の運転特性に基づき、運転者の運転不全状態を判定する運転不全状態判定手段と、
運転不全状態判定手段が運転不全状態と判定した場合に運転者へ情報提供する情報提供手段と、
運転者の普段の運転特性が発現し難いと想定される走行状態と判定しているときは、運転状態取得手段が取得する運転状態の情報を学習情報として使用することを禁止する学習情報選択手段と、
取得する運転状態を運転不全状態と誤認知する因子がある走行状態と判定しているときは、上記情報提供手段による情報提供若しくは運転不全状態判定手段による運転不全状態の判定を禁止する情報提供選択手段と、
を備えることを特徴とする車両用情報提供装置。
【請求項2】
情報提供選択手段は、対象とする運転特性に影響を与える運転支援制御が作動していると判定すると、運転状態を運転不全状態と誤認知する因子がある走行状態と判定することを特徴とする請求項1に記載した車両用情報提供装置。
【請求項3】
学習情報選択手段は、運転不全状態判定手段が運転者の運転不全状態と判定すると、運転者の普段の運転特性が発現し難いと想定される走行状態と判定することを特徴とすることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載した車両用情報提供装置。
【請求項4】
学習情報選択手段は、運転不全状態判定手段が運転者の運転不全状態との判定終了後、所定時間を、運転者の普段の運転特性が発現し難いと想定される走行状態と判定することを特徴とすることを特徴とする請求項3に記載した車両用情報提供装置。
【請求項5】
カーブ走行中を検出するカーブ走行検出手段を備え、
学習する運転者の運転特性の種別が運転のふらつき特性の場合、上記情報提供選択手段は、カーブ走行中と判定すると、運転状態を運転不全状態と誤認知する因子がある走行状態と判定することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載した車両用情報提供装置。
【請求項6】
カーブ走行検出手段は、操舵角情報に基づきカーブ走行中か否かを判定することを特徴とする請求項5に記載した車両用情報提供装置。
【請求項7】
カーブ走行検出手段は、所定閾値以上の操舵角が所定時間継続するとカーブ走行中と判定することを特徴とする請求項6に記載した車両用情報提供装置。
【請求項8】
上記カーブ走行と判定する開始の閾値と、カーブ走行終了と判定する終了の閾値とは異なる値であることを特徴とする請求項7に記載した車両用情報提供装置。
【請求項9】
カーブ走行検出手段は、操舵角がカーブ走行終了と判定する閾値未満となってからの所定時間をカーブ走行中と判定することを特徴とする請求項7又は請求項8のいずれか1項に記載した車両用情報提供装置。
【請求項10】
カーブ走行検出手段は、操舵角がカーブ走行終了と判定する閾値未満となってからの所定距離走行するまでカーブ走行中と判定することを特徴とする請求項7〜請求項9のいずれか1項に記載した車両用情報提供装置。
【請求項11】
学習する運転者の運転特性の種別が先行車との車間に係る特性の場合、情報提供選択手段は、道路が混雑していると判定すると、運転状態を運転不全状態と誤認知する因子がある走行状態と判定することを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載した車両用情報提供装置。
【請求項12】
自車両の外部から取得した交通情報に基づき、道路が混雑しているか否かを判定することを特徴とする請求項11に記載した車両用情報提供装置。
【請求項13】
学習する運転者の運転特性の種別を複数有し、当該運転特性の種別毎に、運転特性学習手段、直近運転特性検出手段、運転不全状態判定手段、学習情報選択手段、及び情報提供選択手段を備え、
いずれか一つの運転特性の種別に対応する運転不全状態判定手段が運転不全状態と判定しているときは、その他の運転特性の種別に対応する学習情報選択手段は、運転状態取得手段が取得する運転状態の情報を学習情報として使用することを禁止する、
ことを特徴とする請求項1〜請求項12のいずれか1項に記載した車両用情報提供装置。
【請求項14】
運転者の生理指標を取得する生理指標取得手段と、生理指標取得手段が取得した生理指標に基づき運転者の不全状態を検出する第2不全状態検出手段と、を備え、
上記学習情報選択手段は、第2不全状態検出手段が不全状態を検出しているときは、運転状態取得手段が取得する運転状態の情報を学習情報として使用することを禁止する、
ことを特徴とする請求項1〜請求項13のいずれか1項に記載した車両用情報提供装置。
【請求項15】
取得した運転状態の情報からなる学習情報によって運転者の運転特性を学習すると共に、直近に取得した運転状態の情報に基づき直近の運転特性を求め、学習した運転者の運転特性に対する直近の運転特性に基づき運転者の運転不全状態を判定し、運転不全状態と判定した場合には運転者へ情報提供し、
運転者の普段の運転特性が発現し難いと想定される走行状態のときの運転状態の情報を学習情報として使用することを禁止し、
運転状態を運転不全状態と誤認知する因子がある走行状態の場合には、上記情報提供若しくは運転者の運転不全状態の判定を禁止する、
ことを特徴とする車両用情報提供方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−198118(P2010−198118A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−39627(P2009−39627)
【出願日】平成21年2月23日(2009.2.23)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】