説明

車両用情報記録装置

【課題】 カメラなどの車両情報取得手段との接続状態の異常を検出することができる車両用情報記録装置を提供する。
【解決手段】 CPU11が、JPEG IC15から与えられる画像情報の情報量が予め定める量、具体的には6592バイトの画像情報を、予め定める時間、たとえば10秒連続で検出したときに、カメラ6の接続異常が生じていると判断する。CPU11によって、カメラ6の接続異常が検出されると、カメラ6の接続異常であることを表す警告音がブザー8から出力されるか、またはLED17が点滅する。これによって車両の運転者などの利用者に、カメラ6の接続異常が生じていることを表す警告情報が報知される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に関する車両情報、たとえば車両に設けられるカメラで撮像された画像情報を記憶し、たとえば車両の状態に基づいて車両情報を記録媒体に記録する車両用情報記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の技術の車両用情報記録装置として、車両に設けられるカメラで撮像された画像情報を巡回的に記憶しておき、車両が事故に遭遇した場合には、それをトリガとして、記憶された複数の画像情報を記録媒体に記録する装置がある。このような装置では、複数の画像情報を切れ目なく(エンドレスで)記憶するため、事故直前の画像情報も記録媒体に記録することができる(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2000−006854号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
車両に設けられ、車両に関する車両情報を取得する車両情報取得手段、たとえばカメラは、ケーブルによって車両用情報記録装置と電気的に接続される。車両に外部から衝撃が与えられると、ケーブルが断線したり、車両用情報記録装置からケーブルが離脱したりして、カメラと車両用情報記録装置との接続状態が解除されるカメラの接続異常を生じる場合がある。このようなカメラの接続異常が生じると、車両用情報記録装置は、カメラで撮像された画像情報を取得することができず、車両が事故に遭遇したとき、カメラで撮像された事故の状況を表す画像情報を記録媒体に記録することができない。したがって前述のような問題を解消するために、カメラの接続異常を検出し、カメラの接続異常が生じていることを、たとえば車両の運転者に報知する車両用情報記録装置が要望されている。
【0005】
本発明の目的は、カメラなどの車両情報取得手段との接続状態の異常を検出することができる車両用情報記録装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明(1)に従えば、画像情報入力手段には、車両に設けられる撮像装置から与えられる画像情報が入力される。第1のメモリには、画像情報入力手段によって入力された画像情報が記録される。メモリ制御手段は、画像情報を記録すべき信号が与えられたとき、第1のメモリに記録された画像情報を、第2のメモリに記録させる。画像検出手段は、画像情報入力手段に画像情報が入力されているか否かを検出する。画像情報入力手段から画像情報が与えられていないことを、画像検出手段によって検出すると、報知手段は、出力手段に警告情報を出力させる。
【発明の効果】
【0007】
本発明(1)によれば、画像検出手段によって、画像情報入力手段に画像情報が入力されていないことが検出されると、報知手段によって、警告情報、たとえばカメラと接続するケーブルの断線、ケーブルの離脱などによってカメラとの接続状態が解除されるカメラの接続異常が生じていることを表す情報が出力手段に出力される。これによって利用者は、カメラの接続異常に起因して、画像情報入力手段に画像情報が入力されていないことを容易に把握することができる。したがって画像情報入力手段に画像情報が入力されず、画像情報が不揮発性メモリに記録されない状態のまま何ら対策が講じられることなく放置されることを防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下に、本発明を実施するための複数の形態について説明する。以下の説明において、先行する形態で説明している事項に対応する部分については同一の参照符を付し、重複する説明を略する場合がある。構成の一部のみを説明している場合、構成の他の部分は、先行して説明している形態と同様とする。実施の各形態で具体的に説明している部分の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、実施の各形態同士を部分的に組合せることも可能である。以下に説明する各実施の形態の車両用情報記録装置(以下「ドライブレコーダ」という場合がある)は、たとえばバッテリ電圧が12ボルトの乗用車に好適に搭載される。
【0009】
図1は、本発明の実施の一形態であるドライブレコーダ1の電気的構成を示すブロック図である。図2は、車両2へのカメラ取付け位置を説明するための図である。ドライブレコーダ1は、車両2に設けられる撮像装置であるカメラから与えられる画像情報を記憶するとともに、予め定める条件が成立した場合に、画像情報および音声情報などを、記録媒体、具体的には不揮発性メモリであるコンパクトフラッシュ(登録商標)カード(以下「CFカード」という場合がある)3に記録するように構成されている。CFカード3は、通電しなくても記憶が消えないフラッシュメモリと、外部との入出力を受け持つコントローラ回路とが電気的に接続されたものである。
【0010】
ドライブレコーダ1は、ドライブレコーダ本体5、撮像装置であるカメラ6、車室内の音声情報を取得するマイクロフォン(以下「マイク」という)7および警告情報を発するブザー8を有する。カメラ6およびマイク7は、ドライブレコーダ本体5に電気的に接続されて別体に設けられ、ブザー8はドライブレコーダ本体5に一体に設けられる。当該車両2には少なくとも一台のカメラ6が設けられる。
【0011】
カメラ6は、CCD(Charge Coupled Device)カメラによって実現される。このカメ
ラ6は、図2の矢符D1で表記する車両2の前方方向を撮影するために、たとえばルームミラー裏のフロントガラス2aに、図示外のブラケットを介して貼り付けられる。つまりこのカメラ6は車両前方に向けて固定される。ドライブレコーダ1では、オプションとして、当該車両2に二台目または三台目のカメラ6を設けることが可能であり、具体的には車室内の撮影用カメラ6A、または車両後方の撮影用カメラ6Bを設けることも可能である。ドライブレコーダ本体5には、これらのカメラ6で撮像するための撮影スイッチ9が電気的に接続されて別体に設けられる場合もある。
【0012】
ドライブレコーダ本体5には、CFカード3を挿抜可能な挿入口が形成されている。挿入口に挿抜可能な記録媒体は、前述のCFカード3に限らず、たとえばSD(Secure
Digital)メモリカード、メモリースティックおよびスマートメディアであってもよい。
【0013】
ドライブレコーダ本体5は、CPU(Central Processing Unit)11、フラッシュR
OM(Flash Read Only Memory;略称:F−ROM)12、記憶手段としてのRAM(
Random Access Memory)13、CFカードインターフェース(略称:CFカードIF)14、JPEG IC(JPEG:Joint Photographic coding Experts Group、IC:
Integrated Circuit)15、ビデオスイッチ(略称:ビデオSW)16および発光ダイオード(Light Emitting Diode;略称:LED)17を有する。
【0014】
ドライブレコーダ本体5は、USB(Universal Serial Bus)ホスト機能を有する手段であるUSB HOST20、USBインタフェース(略称:USB IF)21、通信用ドライバ22、LCD(Liquid Crystal Display)操作器コネクタ23、バッファ24、車両2から与えられるHi/Lo信号の電源起動信号を含む車両信号を検出する起動信号検出回路部25、ウォッチドック機能を有するウォッチドックIC(略称:WD)26、バックアップ用電源部27、Gセンサ28、リアルタイムクロック(Real Time Clock;略称:RTC)29および車速パルスを集計する図示外のカウンタをさらに有する。LCD操作器コネクタ23には、乗務員データを入力可能なLCD操作器27が接続可能に構成されている。
【0015】
Gセンサ28は、車両2の前後方向および左右方向に作用する重力加速度、いわゆるGセンサ出力値を検出可能である。車両2の進行方向を前後方向とし、その一方が前方であり他方が後方である。また車両2の前方に向かって左右の方向を左右方向とする。前後方向および左右方向に直交する方向を上下方向とする。前記前後方向をY軸方向と定義し、前記左右方向をX軸方向と定義する。X軸方向のGセンサ出力値とY軸方向のGセンサ出力値とは、独立して検出されて記録される。
【0016】
F−ROM12は、ドライブレコーダ本体5を構成するハードウェア資源を統括的に制御するための制御プログラムを記憶する。RAM13は、第1SD−RAM(
Synchronous Dynamic Random Access Memory)31および第2SD−RAM32を備える。第1SD−RAM31は、JPEG IC15によってJPEG形式に変換された画像データを一時的に記憶する。第2SD−RAM32は、Gセンサ28によって検出されるGセンサ出力値、後述する車速センサ35によって検出される車両2の走行速度(以下「車速」という)情報、および起動信号検出回路部25によって検出される車両信号などの車両2に関する車両情報、前記JPEG形式に変換された画像情報、マイク7に入力される音声情報などを巡回して一時的に記憶する。RTC29は、CPU11、F−ROM12、第2SD−RAM32の動作の基準となるシステムクロック、ならびに現在時刻などを含む計時情報をCPU11に与える。
【0017】
CPU11には、F−ROM12、第2SD−RAM32、CFカードIF14、LED17、RTC29がそれぞれ電気的に接続される。CPU11には、JPEG IC15を介して第1SD−RAM31およびビデオSW16が電気的に接続されている。ビデオSW16は、複数のカメラ6が設けられる場合に、所定時間間隔で撮像する複数のカメラ6を切換えるための切換えスイッチである。
【0018】
CPU11には、USB HOST20を介してUSB IF21が電気的に接続されるとともに、通信用ドライバ(232Cドライバ)22、LCD操作器コネクタ23、バッファ24、WD26、Gセンサ28およびバックアップ用電源部27がそれぞれ電気的に接続されている。バッファ24は、起動信号検出回路部25に電気的に接続される。WD26には、バックアップ用電源部27が電気的に接続される。前記電源起動信号が得られない場合、通信用ドライバ22からの入力をスイッチ30でGPSアンテナ側への入力に切換える。この場合には、単独でGPSから車両2の位置を検出できる。バックアップ用電源部27は、車両に設けられる車両電源部50から電力の供給が停止したときに、CPU11に電力を供給する。
【0019】
本実施の形態のカメラ6およびマイク7は、車両情報取得手段に相当する。JPEG IC15は、画像情報入力手段に相当し、CPU11は、メモリ制御手段、画像検出手段、報知手段、異常検出手段、記録制御手段および検知手段に相当する。ブザー8およびLED17は、出力手段に相当する。第2SD−RAM32は、第1のメモリに相当し、CFカード3は、第2のメモリに相当する。
【0020】
図3は、Gセンサ出力値に基づいて、静止画像情報が一定間隔δおきにCFカード3に記録される態様を表す図である。図4は、画像情報の一部と位置情報等との関係を表す図である。CPU11は、カメラ6で撮像され、ドライブレコーダ本体5に入力された入力
画像をJPEG IC15によってJPEG形式の画像情報に変換して、そのJPEG形式に変換された画像情報を第1SD−RAM31に一時的に記憶させる。その後CPU11は、JPEG形式に変換された画像情報をフレーム単位で時系列順に第2SD−RAM32に順次記憶させる。このとき1枚(1フレーム)の静止画像は、たとえば「画像*.jpg」という形式で第2SD−RAM32に記憶される(図4参照)。前記「*」は整数である。
【0021】
CPU11は、静止画像の付加情報として、当該車両2のGセンサ出力値と、位置情報と、時刻情報と、車速センサ35(図1参照)からの車速情報と、マイク7からの音声情報とを、第2SD−RAM32に順次記憶させる。
【0022】
予め定める記録条件を満たした場合、CPU11は、ブザー8に記録開始の合図を出力させる。これとともにCPU11は、第2SD−RAM32に記憶されたJPEG変換画像、Gセンサ出力値、位置情報、時刻情報および車速情報をCFカード3に記録させる。本実施の形態では、たとえば1秒間に10枚(10フレーム)の静止画像がCFカード3に記録され、1イベント最大20秒間で200枚(200フレーム)の静止画像がCFカード3に記録可能に構成されている。1イベントとは、予め定める記録条件を満たした一つの状態と同義である。
【0023】
さらに述べると、たとえば図4に示すように、CFカード3には、最大20秒間で200枚の静止画像「画像1.jpg」,…,「画像200.jpg」から成る画像情報群が記録され、また前記画像情報群に含まれる各静止画像のファイル名「画像1」,…,「画像200」と、前記車両2の位置情報、時刻情報、Gセンサ出力値および車速情報を含む車両情報とがそれぞれ関連付けられた情報が、画像情報群の付加情報として、CFカード3に記録される。
【0024】
図5は、閾値を超過したGセンサ出力値40と、CFカード3に記録される画像情報の記録範囲Rhとの関係を表す図である。記録条件としてGセンサ出力値40が閾値GmaxまたはGminを超過すると、閾値超過時点を基準として最大20秒間の記録範囲にわたって、第2のSD−RAMにエンドレスで記録されたJPEG変換画像、そのGセンサ出力値、位置、時間および車速情報と、マイク7からの音声情報とをCFカード3に記録する。閾値超過時点をトリガ発生時という場合がある。トリガ発生前の記録時間Tbef秒に、トリガ発生後の記録時間Taft秒を加えた時間が、1イベントにおける記録範囲の合計時間に相当する。
【0025】
本実施の形態では、トリガ発生前の記録時間Tbefを12秒とし、トリガ発生後の記録時間Taftを8秒としている。トリガ発生前の記録時間Tbefは、8秒以上12秒以下の範囲で設定可能であり、トリガ発生後の記録時間Taftは、8秒以上12秒以下の範囲で設定可能である。換言すれば、1イベントにおける記録範囲Rhは、トリガ発生前8秒以上12秒以下、トリガ発生後8秒以上12秒以下の範囲で最大20秒間を設定可能になっている。
【0026】
図6は、Gセンサ出力値の閾値判定方法を説明するための図である。CPU11は、Gセンサ28の出力を取得し、閾値Gabeを超えたか否かを判定する。Gセンサ28は、前述のようにX、Y軸方向の重力加速度を検出する二軸タイプのセンサであり、車両2の前後方向および左右方向の重力加速度を検出可能に構成されている。したがって前後方向の衝突事故だけでなく、左右方向の衝突事故をも確実に検出することができ、その原因を分析することが可能となる。閾値判定は、前後方向の重力加速度と、左右方向の重力加速度とのベクトル和で実施する。この閾値は、設定により任意の値に変更可能になっている。
【0027】
次に、ドライブレコーダ1の自己診断について説明する。ドライブレコーダ1は、ドライブレコーダ1を構成する各部位の異常を自己診断する機能を有している。本実施の形態のドライブレコーダ1は、CPU11が、車両2に設けられる車両電源部50から供給されるACC信号がオン(ON)となる信号(以下「ACCオン信号」という)を受信し、カメラ6ならびにドライブレコーダ1を構成するJPEG IC15、Gセンサ28およびRTC29を動作させるためのアプリケーションプログラムが起動すると、初期化処理において自己診断を行うように構成されている。ドライブレコーダ1で自己診断する項目、異常の判断条件および診断タイミングを表1に示し、異常判断した後の動作を表2に示す。
【0028】
【表1】

【0029】
【表2】

【0030】
ドライブレコーダ1では、CPU11がACCオン信号を受信し、かつ前記アプリケーションプログラムが起動したとき(以下「アプリ起動時」という場合がある)に、「RTC29」、「Gセンサ28」および「Gセンサ28の設置方向変更後のオフセット未設定」の各項目の自己診断をする。またドライブレコーダ1では、前記アプリケーションプログラムが動作しているとき(以下「アプリ動作中」という場合がある)に、「JPEG IC15」および「カメラ接続」の各項目の自己診断をする。
【0031】
まずアプリ起動時に実行される自己診断について説明する。RTC29の自己診断について説明する。RTC29の自己診断では、CPU11が、RTC29から与えられるRTC29のステータスビットを検査し、検査したステータスビットにエラーが生じているときに、RTC29が異常であると判断する。CPU11は、RTC29が異常であると判断した後、ブザー8から、RTC29が異常であることを表す警告音を出力させるとともに、LED17を点灯または点滅させる。このようにして車両2の運転者に、RTC29が異常であることを表す警告情報を報知する。
【0032】
警告情報の報知後、CPU11は、RTC29の日時を予め定める日時、たとえば「2001年1月1日0時0分0秒(2001/01/01 00:00:00)」に設定する。日時が設定された後、RTC29は計時し、CPU11、F−ROM12、第2SD−RAM32の動作の基準となるシステムクロック、ならびに現在時刻などを含む計時情報をCPU11に与える。
【0033】
次にGセンサ28の自己診断について説明する。Gセンサ28の自己診断では、CPU11が、X軸方向のGセンサ出力値およびY軸方向のGセンサ出力値のうちの少なくともいずれか一方が、予め定める加速度値以上、たとえば1G以上で、かつ予め定める時間、たとえば5秒連続で検出したとき、Gセンサ28が異常であると判断する。
【0034】
またCPU11は、ST端子を切換えて測定した入力電圧の変化が予め定める範囲、たとえば7ミリボルト以上32ミリボルト未満の範囲外、換言すれば前記入力電圧の変化が7ミリボルト未満または32ミリボルト以上であるとき、Gセンサ28が異常であると判断する。
【0035】
CPU11は、Gセンサ28が異常であると判断した後、ブザー8から、Gセンサ28が異常であることを表す警告音を出力させる処理、およびLED17を点滅させる処理の少なくともいずれか一方の処理をする。このようにして車両2の運転者に、Gセンサ28が異常であることを表す警告情報を報知する。車両2の運転者に警告情報を報知しているときは、Gセンサ28によるGセンサ出力値の検出動作を停止する。前記警告情報の報知は、CPU11が、車両2に設けられる車両電源部50から供給されるACC信号がオフ(OFF)となる信号(以下「ACCオフ信号」という)を受信するまで続ける。
【0036】
次に、Gセンサ28の設置方向変更後のオフセット未設定の自己診断について説明する。ドライブレコーダ1では、Gセンサ28を内蔵するドライブレコーダ本体5を完全に水平に設置できない状況が考えられるので、Gセンサ28の前後方向および左右方向のオフセットを補正するオフセット調整を行うようになっている。
【0037】
Gセンサ28の設置方向変更後のオフセット未設定の自己診断では、CPU11が、X軸方向のGセンサ出力値およびY軸方向のGセンサ出力値のうちの少なくともいずれか一方が、予め定める加速度値以上、たとえば0.7G以上で、かつ予め定める時間、たとえば5秒連続で検出したとき、Gセンサ28の設置方向の変更後、オフセット調整の設定モードに設定されていないと判断する。
【0038】
CPU11は、Gセンサ28の設置方向変更後、オフセット調整の設定モードが未設定であると判断した後、ブザー8から、オフセット調整の設定モードが未設定であることを表す警告音を出力させる処理、およびLED17を点滅させる処理の少なくともいずれか一方の処理をする。このようにして車両2の運転者に、オフセット調整の設定モードが未設定であることを表す警告情報を報知する。前記警告情報の報知は、CPU11が、車両2に設けられる車両電源部50から供給されるACCオフ信号を受信するまで続ける。
【0039】
次にアプリ動作中に実行される自己診断について説明する。JPEG IC15の自己診断について説明する。JPEG IC15の自己診断では、CPU11が、JPEG IC15から予め定める時間、たとえば16.7ミリ秒毎に発生する割り込みを常時監視し、予め定める時間、たとえば500ミリ秒の間に1回も割り込みが発生しない場合に、JPEG IC15が異常であると判断する。
【0040】
CPU11は、JPEG IC15が異常であると判断した後、ブザー8から、JPEG IC15が異常であることを表す警告音を出力させる処理、およびLED17を点滅させる処理の少なくともいずれか一方の処理をする。このようにして車両2の運転者に、JPEG IC15が異常であることを表す警告情報を報知する。車両2の運転者に警告情報を報知しているときは、JPEG IC15の動作を停止する。前記警告情報の報知は、CPU11が、車両2に設けられる車両電源部50から供給されるACCオフ信号を受信するまで続ける。
【0041】
次にカメラ6の接続状態の自己診断について説明する。図7は、カメラ6の接続状態の自己診断処理に関するCPU11の処理手順を示すフローチャートである。ステップs1では、起動処理を行う。起動処理では、CPU11が、起動信号検出回路部25によって検出された電源起動信号に基づいて、ドライブレコーダ本体5を電源起動する。ドライブレコーダ本体5が電源起動すると、ステップs2に移行する。
【0042】
ステップs2では、入力処理を行う。入力処理では、CPU11が、JPEG IC15から入力される画像情報を表す信号、Gセンサ28から入力されるGセンサ出力値を表す信号、車速センサ35から入力される車速情報を表す信号、バックアップ用電源部27を介して車両電源部50から入力されるACCオン信号およびACCオフ信号など、入力される全ての信号を取り込む。本実施の形態では、入力処理においてCPU11によって取り込まれる前記Gセンサ出力値40を表す信号に基づいて、たとえばGセンサ出力値40が、前述の閾値GmaxまたはGminを超過するという、画像情報をCFカード3に記録させる条件(以下「記録条件」という場合がある)が成立したときにONとなり、記録条件が成立していないときにOFFとなる記録条件成立フラグが、第2SD−RAM32に記憶される。また第2SD−RAM32には、カメラ接続異常フラグおよびハード異常フラグが記憶される。
【0043】
カメラ接続異常フラグは、カメラ6がドライブレコーダ本体5に接続されていないか、またはカメラ6およびJPEG IC15間が断線しているときにONとなり、カメラ6がドライブレコーダ本体5に接続されるとともに、カメラ6およびJPEG IC15間に断線などの異常がないときにOFFとなる。ハード異常フラグは、JPEG IC15が故障しているか、またはJPEG IC15およびCPU11間が断線しているときにONとなり、JPEG IC15が正常に動作し、かつJPEG IC15およびCPU11間に断線などの異常がないときにOFFとなる。ドライブレコーダ本体5が電源起動した段階において第2SD−RAM32に記憶される記録条件成立フラグ、カメラ接続異常フラグおよびハード異常フラグは、いずれもOFFである。CPU11が全ての入力信号を取り込むと、ステップs3に移行する。
【0044】
ステップs3では、CPU11が、カメラ接続異常フラグまたはハード異常フラグがONであるか否かを判断し、カメラ接続異常フラグまたはハード異常フラグがONであれば、ステップs15に移行し、カメラ接続異常フラグおよびハード異常フラグのいずれもOFFであればステップs4に移行する。
【0045】
ステップs4では、CPU11が、JPEG IC15から与えられる画像情報を巡回的に第2SD−RAM32に記憶させる。画像情報が第2SD−RAM32に記憶されると、ステップs5に移行する。
【0046】
ステップs5では、CPU11が、JPEG IC15から単一色の画像情報が10秒連続で入力されたか否かを判断する。ステップs5において、単一色の画像情報が10秒連続で入力された場合は、CPU11が、カメラ6がドライブレコーダ本体5に接続されていないか、またはカメラ6およびJPEG IC15間が断線している異常(以下「カメラ接続異常」という場合がある)が発生していると判断して、ステップs16に移行する。ステップs5において、単一色の画像情報が10秒連続で入力されていない場合は、ステップs6に移行する。ステップs5における単一色の画像情報は、たとえば、最も情報量の多い単一色の画像情報である黒色画像であって、情報量がたとえば6592バイトの画像である。ステップs5では、単一色の画像情報が連続で入力される時間を10秒としているが、これに限定されるものではなく、10秒以上の時間にしてもよい。
【0047】
ステップs6では、CPU11が、JPEG IC15から与えられる画像情報の情報量(以下「Ip」という場合がある)が予め定める量であるか否か、具体的に述べるとIpが、最も情報量の少ない単一色の画像情報の情報量(以下「Imin」という場合がある)と等しいか否か、すなわちIp=Iminであるか否かを判断する。ステップs6においてIp=Iminである場合は、CPU11が、前記カメラ接続異常が発生していると判断して、ステップs16に移行する。ステップs6においてIp=Iminでない場合は、ステップs7に移行する。ステップs6における最も情報量の少ない単一色の画像情報は、たとえば青色画像である。
【0048】
ステップs7では、CPU11が、JPEG IC15から与えられる画像情報の情報量Ipが予め定める量未満であるか否か、具体的に述べるとIpがImin未満か否か、すなわちIp<Iminであるか否かを判断する。ステップs7においてIp<Iminである場合は、CPU11が、JPEG IC15が故障しているか、またはJPEG IC15およびCPU11間が断線している異常(以下「ハード異常」という場合がある)が発生していると判断して、ステップs19に移行する。ステップs7においてIp<Iminでない場合、換言すると、IpがIminを超えて、最も情報量の多い単一色の画像情報の情報量(以下「Imax」という場合がある)未満である場合、すなわちImin<Ip<Imaxである場合は、ステップs8に移行する。ステップs7における最も情報量の少ない単一色の画像情報は、たとえば青色画像である。
【0049】
ステップs8では、CPU11が、第2SD−RAM32に記憶されている記録条件成立フラグがONであるか否かを判断し、記録条件成立フラグがONであればステップs12に移行し、記録条件成立フラグがOFFであればステップs9に移行する。
【0050】
ステップs9では、CPU11が、記録条件が成立しているか否かを判断し、記録条件が成立している場合はステップs10に移行し、記録条件が成立していなければステップs22に移行する。ステップs10では、CPU11が、第2SD−RAM32に記憶されている記録条件成立フラグをONにする。記録条件成立フラグがONになると、ステップs11に移行する。
【0051】
ステップs11では、CPU11が、第2SD−RAM32に記憶されている記録条件成立直前12秒間の画像情報をCFカード3に記録させる。記録条件成立直前12秒間の画像情報がCFカード3に記録されると、ステップs13に移行する。ステップs12では、CPU11が、第2SD−RAM32に記憶されている画像情報をCFカード3へ記録させる。画像情報がCFカード3に記録されると、ステップs13に移行する。
【0052】
ステップs13では、CPU11が、記録条件が成立した時点から8秒間にわたる画像情報のCFカード3への記録が完了したか否かを判断し、完了したと判断した場合はステップs14に移行し、完了していないと判断した場合はステップs4に戻る。ステップs14では、CPU11が、第2SD−RAM32に記憶されている記録条件成立フラグをOFFにする。記録条件成立フラグがOFFになると、ステップs22に移行する。
【0053】
ステップs15では、CPU11が、カメラ接続異常フラグがONであるか否かを判断し、ONであればステップs17に移行し、OFFであればハード異常フラグがONであると判断してステップs20に移行する。
【0054】
ステップs16では、CPU11が、第2SD−RAM32に記憶されているカメラ接続異常フラグをONにする。カメラ接続異常フラグがONになると、ステップs17に移行する。ステップs17では、CPU11が、第1ブザー鳴動信号を出力して、ブザー8に与える。ブザー8は、CPU11から第1ブザー鳴動信号が与えられると、前記カメラ接続異常が発生していることを表す警告音を、たとえば予め定める第1の音色で出力する。ステップs17において第1ブザー鳴動信号が出力されると、ステップs18に移行する。ステップs18では、CPU11が、第1LED点滅信号を出力して、LED17に与える。LED17は、CPU11から第1LED点滅信号が与えられると、前記カメラ異常が発生していることを表す予め定める第1の点滅周期で点滅する。ステップs18において第1LED点滅信号が出力されると、ステップs22に移行する。前述のように、ブザー8から第1の音色で警告音を出力し、第1の点滅周期でLED17を点滅することによって、利用者、たとえば運転者に、カメラ接続異常が発生していることを報知することができる。
【0055】
ステップs19では、CPU11が、第2SD−RAM32に記憶されているハード異常フラグをONにする。ハード異常フラグがONになると、ステップs20に移行する。ステップs20では、CPU11が、第2ブザー鳴動信号を出力して、ブザー8に与える。ブザー8は、CPU11から第2ブザー鳴動信号が与えられると、前記ハード異常が発生していることを表す警告音を、たとえば前記第1の音色とは異なる第2の音色で出力する。ステップs20において第2ブザー鳴動信号が出力されると、ステップs21に移行する。ステップs21では、CPU11が、第2LED点滅信号を出力して、LED17に与える。LED17は、CPU11から第2LED点滅信号が与えられると、前記第1の点滅周期とは異なる周期であり、ハード異常が発生していることを表す第2の点滅周期で点滅する。ステップs21において第2LED点滅信号が出力されると、ステップs22に移行する。前述のように、ブザー8から第2の音色で警告音を出力し、第2の点滅周期でLED17を点滅することによって、利用者、たとえば運転者に、ハード異常が発生していることを報知することができる。
【0056】
ステップs22では、CPU11が、カメラ6の接続状態の自己診断処理の終了を表す終了信号、たとえば車両電源部50からのACCオフ信号を受信したか否かを判断し、受信していればステップs23に移行し、受信していなければステップs2に戻る。
【0057】
ステップs23では、第2SD−RAM32に記憶されているカメラ接続異常フラグおよびハード異常フラグをOFFにする。これによってブザー8からの警告音の出力動作を停止するとともに、LED17の点滅動作を停止する。ステップs23において、カメラ接続異常フラグおよびハード異常フラグがOFFになると、全ての処理手順を終了する。
【0058】
本実施の形態におけるカメラ6の接続状態の自己診断処理では、CPU11が、JPEG IC15から出力された単一色の画像情報、本実施の形態では、最も情報量の多い黒色画像であって、情報量がたとえば6592バイトの画像が10秒連続で入力されたことを検出したときに、カメラ6がドライブレコーダ本体5に接続されていないか、またはカメラ6およびJPEG IC15間が断線しているという異常、すなわちカメラ接続異常が発生していると判断する。またCPU11が、JPEG IC15から出力された画像情報の情報量Ipと、最も情報量の少ない単一色の画像情報の情報量Iminとが等しいと判断したときに、前記カメラ接続異常が発生していると判断する。
【0059】
前述のように本実施の形態では、JPEG IC15から出力された画像情報の情報量に基づいて、CPU11が、カメラ接続異常が発生しているか否かを判断するように構成されているので、たとえば暗闇で撮像された画像情報として情報量が6592バイトの黒色画像がJPEG IC15から出力されてCPU11に入力された場合でも、10秒連続でCPU11に入力されていなければ、暗闇で撮像された画像として判断される。これによってCPU11が、カメラ6およびJPEG IC15間が断線するなどのカメラ接続異常に起因して、所望する画像情報がJPEG IC15から出力されていないという誤判定をすることを防止することができる。ここで前記画像情報の情報量の検出は、CPU11が行う。具体的に述べると、CPU11は、JPEG IC15から与えられて第1SD−RAM31に記憶された画像情報の情報量、およびJPEG IC15から与えられて第2SD−RAM32に記憶された画像情報の情報量のいずれかを検出する。
【0060】
CPU11は、カメラ接続異常が発生していると判断した後、ブザー8から、カメラ接続異常が発生していることを表す警告音を第1の音色で出力させる処理、およびLED17を第1の点滅周期で点滅させる処理をする。このようにして車両2の運転者に、カメラ6の接続異常が発生していることを表す警告情報を報知する。車両2の運転者に警告情報を報知しているときは、カメラ6による撮像動作を停止する。前記警告情報の報知は、CPU11が、車両2に設けられる車両電源部50から供給されるACCオフ信号を受信するまで続ける。
【0061】
このように本実施の形態によれば、CPU11によって、カメラ接続異常が発生していることが検出されると、カメラ接続異常が発生していることを表す警告音がブザー8から出力され、またLED17が点滅する。これによって車両の運転者などの利用者に、カメラ接続異常が発生していることを表す警告情報が報知される。
【0062】
これによって利用者は、前記警告情報によって、カメラ6と接続するケーブルの断線、ケーブルの離脱などによってカメラ6とドライブレコーダ本体5との接続状態が解除されたり、カメラ6およびJPEG IC15間が断線したりするカメラ接続異常が発生していることを把握することができ、カメラ接続異常に起因して、JPEG IC15に、所望する画像情報が入力されていないことを把握することができる。
【0063】
したがってJPEG IC15に所望する画像情報が入力されず、画像情報がCFカード3に記録されない状態のまま何ら対策が講じられることなく放置されることを防ぐことができる。
【0064】
また本実施の形態では、CPU11が、JPEG IC15から与えられる画像情報の情報量Ipが、最も情報量の少ない単一色の画像情報の情報量Imin未満であると判断したときに、JPEG IC15が故障しているか、またはJPEG IC15およびCPU11間が断線している異常、すなわちハード異常が発生していると判断する。
【0065】
CPU11は、ハード異常が発生していると判断した後、ブザー8から、ハード異常が発生していることを表す警告音を第2の音色で出力させる処理、およびLED17を第2の点滅周期で点滅させる処理をする。このようにして車両2の運転者に、ハード異常が発生していることを表す警告情報を報知する。前記警告情報の報知は、CPU11が、車両2に設けられる車両電源部50から供給されるACCオフ信号を受信するまで続ける。
【0066】
このように本実施の形態によれば、CPU11によって、ハード異常が発生していることが検出されると、ハード異常が発生していることを表す警告音がブザー8から出力され、またLED17が点滅する。これによって車両の運転者などの利用者に、ハード異常が発生していることを表す警告情報が報知される。
【0067】
これによって利用者は、前記警告情報によって、JPEG IC15の故障したり、JPEG IC15およびCPU11間が断線したりするハード異常が発生していることを把握することができ、ハード異常に起因して、CPU11に、所望する画像情報が入力されていないことを把握することができる。したがってCPU11に所望する画像情報が入力されず、画像情報がCFカード3に記録されない状態のまま何ら対策が講じられることなく放置されることを防ぐことができる。
【0068】
また本実施の形態によれば、CPU11によって、Gセンサ28の異常が検出されると、Gセンサ28が異常であることを表す警告音がブザー8から出力され、またLED17が点滅する。これによって車両の運転者などの利用者に、Gセンサ28に異常が生じていることを表す警告情報が報知される。
【0069】
これによって利用者は、前記警告情報によって、Gセンサ28に異常が生じていることを容易に把握することができる。したがってGセンサ28の異常に起因して、画像情報がCFカード3に記録されない状態のまま何ら対策が講じられることなく放置されることを防ぐことができる。
【0070】
前述の図7に示すフローチャートのステップs3において、カメラ接続異常フラグおよびハード異常フラグのいずれもONである場合は、ステップs15に移行した後、ステップs17に移行して第1ブザー鳴動信号を出力し、ステップs18において第1LED点滅信号を出力することによって、カメラ接続異常の発生の報知を、ハード異常の発生の報知よりも優先させる構成になっているが、このような構成に限定されるものではない。本発明の実施の他の形態では、ハード異常の発生の報知を、カメラ接続異常の発生の報知よりも優先させる構成にしてもよい。このような構成を実現するためには、ステップs15におけるカメラ接続異常フラグがONであるか否かの判断を、ハード異常フラグがONであるか否かの判断に代えればよい。これによって、ステップs3において、カメラ接続異常フラグおよびハード異常フラグのいずれもONである場合は、ステップs15に移行した後、ステップs20に移行して第2ブザー鳴動信号を出力し、ステップs21において第2LED点滅信号を出力することになり、ハード異常の発生の報知を、カメラ接続異常の発生の報知よりも優先させる構成にすることができる。
【0071】
前述の本発明の実施の形態では、ブザー8から、カメラ接続異常が発生していることを表す警告音を出力させる処理、およびカメラ異常が発生していることを表す予め定める第1の点滅周期でLED17を点滅させる処理をするように構成され、またブザー8から、ハード異常が発生していることを表す警告音を出力させる処理およびハード異常が発生していることを表す予め定める第2の点滅周期でLED17を点滅させる処理をするように構成されているが、このような構成に限定されるものではない。本発明の実施の他の形態では、ブザー8から警告音を出力させる処理およびLED17を点滅させる処理の少なくともいずれか一方の処理をするように構成されてもよい。
【0072】
本発明の実施のさらに他の形態では、カメラ接続異常フラグおよびハード異常フラグのいずれもONである場合、CPU11が、第1ブザー鳴動信号および第2ブザー鳴動信号とは異なる第3ブザー鳴動信号を出力して、ブザー8に与え、ブザー8が、CPU11から与えられる第3ブザー鳴動信号に従って、カメラ接続異常およびハード異常が発生していることを表す警告音を、前記第1の音色および前記第2の音色とは異なる第3の音色で出力するようにしてもよい。またカメラ接続異常フラグおよびハード異常フラグのいずれもONである場合、CPU11が、第1LED点滅信号および第2LED点滅信号とは異なる第3LED点滅信号を出力して、LED17に与え、LED17が、CPU11から与えられる第3LED点滅信号に従って、前記第1の点滅周期および前記第2の点滅周期とは異なる点滅周期であり、カメラ接続異常およびハード異常が発生していることを表す第3の点滅周期で点滅するようにしてもよい。
【0073】
前述の本発明の実施の形態では、カメラ接続異常発生時とハード異常発生時とで、ブザー8から出力する警告音の音色およびLED17の点滅周期をそれぞれ異ならせる構成にしているが、このような構成に限定されるものではない。本発明の実施のさらに他の形態では、カメラ接続異常発生時とハード異常発生時とで、ブザー8から出力する警告音の音色およびLED17の点滅周期をそれぞれ同一にする構成にしてもよい。
【0074】
図8は、本発明の実施の一形態のドライブレコーダ1の一部の構成を示すブロック図である。本実施の形態のドライブレコーダ1のバックアップ用電源部27は、バックアップ回路部27A、内部電源変換部51および電力検出手段である主電源用電力検出部52を備えて構成される。
【0075】
車両2に設けられる車両電源部(以下「主電源部」という場合がある)50の出力部50bは、バックアップ回路部27Aの入力部27aに電気的に接続されるとともに、主電源用電力検出部52の入力部52aに電気的に接続される。バックアップ回路部27Aの出力部27bは、内部電源変換部51の入力部51aに電気的に接続される。内部電源変換部51の出力部51bおよび主電源用電力検出部52の出力部52bは、CPU11に電気的に接続される。
【0076】
本実施の形態のバックアップ回路部27Aは、ダイオード55およびコンデンサ56を備えて構成される。具体的に述べると、車両電源部50の出力部50bは、ダイオード55のアノード55aに電気的に接続される。ダイオード55のカソード55bと内部電源変換部51との間には、他端がグランドに接続されたコンデンサ56が接続されている。ダイオード55のカソード55bとコンデンサ56の正極端子との接続点は、内部電源変換部51の入力部51aに電気的に接続されている。コンデンサ56は、電解コンデンサによって実現されてもよいし、電気二重層コンデンサによって実現されてもよい。
【0077】
バックアップ回路部27Aでは、車両電源部50から電力が供給されているときは、供給される電力を用いてコンデンサ56を充電し、また車両電源部50から電力が供給されていないときは、コンデンサに蓄えられた電荷を放電することによって、内部電源変換部51に電力を供給する。
【0078】
内部電源変換部51は、バックアップ回路部27Aから与えられた電圧を、CPU11で用いられる電圧に変換し、変換した電圧をCPU11に与える。内部電源変換部51は、たとえばレギュレータによって実現される。
【0079】
主電源用電力検出部52は、車両電源部50から電力が供給されているか否かを検出し、その検出結果をCPU11に与える。車両電源部50から電力が供給されているか否かは、具体的には車両電源部50から供給される電圧値または電流値が零であるか否かを判断することによって検出する。さらに述べると、主電源用電力検出部52は、車両電源部50から供給される電圧値または電流値が零であれば、車両電源部50から電力が供給されていないことを検出する。
【0080】
図9は、第2SD−RAM32に記憶された画像情報を間引きしてCFカード3に記録する場合の第2記録処理の動作を説明するための図である。図10は、第2SD−RAM32に記憶された画像情報を間引きしてCFカード3に記録する第2記録処理に関するCPU11の処理手順を示すフローチャートである。
【0081】
CPU11は、カメラ6で撮像され、第2SD−RAM32に記憶された画像情報をCFカード3に記録すべき指令、具体的には前記指令を表す信号が与えられ、かつ主電源用電力検出部52が、車両電源部50から電力が供給されていることを検出したとき(以下「通常時」という場合がある)、前記信号が与えられた時刻を含む予め定める時間内に第2SD−RAM32に記憶された画像情報を、第2SD−RAM32に記憶された日時が古いフレームから順番にCFカード3に記録させる第1記録処理を実行する。
【0082】
CPU11は、カメラ6で撮像され、第2SD−RAM32に記憶された画像情報をC
Fカード3に記録すべき指令を表す信号が与えられ、かつ主電源用電力検出部52が、車両電源部50から電力が供給されていないことを検出したとき(以下「電源断時」という場合がある)、バックアップ用電源部27から供給される電力を用いて、第2SD−RAM32に記憶された画像情報の少なくとも一部分、具体的には第2SD−RAM32に記憶された画像情報から一部のフレームを間引きした残余の部分がCFカード3に記録可能となるように、第1記録処理とは異なる第2記録処理を実行する。
【0083】
本実施の形態では、通常時に、1秒間に10フレームの静止画像をCFカード3に記録可能に構成されており、電源断時に、予め定めるフレーム数おきにフレームを間引きして1秒間に5フレームの静止画像をCFカード3に記録可能に構成されている。
【0084】
図10に示すフローチャートは、ドライブレコーダ本体5が電源起動する条件で本処理が開始する。本処理は、CPU11によって実行される。本処理開始後、ステップa1に移行する。ステップa1では、第2SD−RAM32に記憶された画像情報のCFカード3への記録指令が与えられたか否かを判断し、記録指令が与えられた場合はステップa2に移行し、記録指令が与えられない場合は、全ての処理手順を終了する。
【0085】
第2SD−RAM32に記憶された画像情報のCFカード3への記録指令は、たとえばGセンサ出力値が閾値GmaxまたはGminを超過したときに、CPU11に与えられる。したがって第2SD−RAM32に記憶された画像情報のCFカード3への記録指令が与えられたか否かは、たとえばGセンサ出力値が閾値GmaxまたはGminを超過した否かに基づいてCPU11が判断する。
【0086】
ステップa2では、車両電源部50から電力が供給されているか否かを判断し、供給されていればステップa3に移行し、供給されていなければステップa4に移行する。ステップa3では、前述の第1記録処理を実行させる。第1記録処理を実行した後は、全ての処理手順を終了する。ステップa4では、前述の第2記録処理を実行させる。第2記録処理を実行した後は、全ての処理手順を終了する。
【0087】
前述のように本実施の形態によれば、第2SD−RAM32は、車両に関する情報を巡回的に記憶する。CPU11は、所定の条件が成立したとき、たとえば車両2の前後方向および左右方向に作用する重力加速度を表すGセンサ出力値が予め定める閾値を越えたときに、第2SD−RAM32に記憶された車両に関する情報をCFカード3に記録する。バックアップ用電源部27は、車両電源部50からCPU11への電力供給のバックアップを行う。車両電源部50から電力が供給されるCPU11が、バックアップ用電源部27からの電力の供給がなされた場合に、第2SD−RAM32に記憶された車両に関する情報のうちの一部が、CFカード3に記録されるように構成される。前記情報のうちの一部とは、バックアップ用電源部27がCPU11への電力の供給をすることができる期間に相当する情報、さらに述べるとバックアップ用電源部27からCPU11へ電力を供給することができる期間にCFカード3に記録できる情報(データ)量である。
【0088】
したがってCPU11は、車両電源部50から電力が供給されなくなった場合でも、バックアップ用電源部27から供給される電力を用いて、第2SD−RAM32に記憶された車両に関する情報のうちの一部をCFカード3に確実に記録することができる。
【0089】
また前述のように本実施の形態によれば、カメラ6で撮像された画像情報を記録すべき指令を表す信号が与えられ、かつ主電源用電力検出部52が車両電源部50から電力が供給されていることを検出したときは、第2SD−RAM32にフレーム単位で、前記指令が与えられた時刻を含む予め定める時間内に記憶された画像情報を、第2SD−RAM32に記憶された日時が古いフレームから順番にCFカード3に記録させる第1記録処理が、CPU11によって実行される。
【0090】
また、カメラ6で撮像された画像情報を記録すべき指令を表す信号が与えられ、かつ主電源用電力検出部52が車両電源部50から電力が供給されていないことを検出したときは、バックアップ用電源部27から供給される電力を用いて、第2SD−RAM32にフレーム単位で記憶された画像情報の少なくとも一部分がCFカード3に記録可能となるように、前記第1記録処理とは異なる第2記録処理が、CPU11によって実行される。具体的には、第2SD−RAM32にフレーム単位で記憶された画像情報のうち、第2SD−RAM32に記憶された画像情報から一部のフレームを間引きした残余の部分がCFカード3に記録可能となるように、CPU11によって第2記録処理が実行される。
【0091】
これによって、たとえば車両が事故に遭遇し、その事故の衝撃によって、車両電源部50から電力が供給されなくなった場合でも、バックアップ用電源部27から供給される電力を用いて、第2SD−RAM32に記憶された画像情報から一部のフレームを間引きした残余の部分をCFカード3に確実に記録することができる。したがってCFカード3に記録された画像情報に基づいて、たとえば事故の状況および車両の運転状況を詳細に分析することが可能となる。
【0092】
また、たとえば第2SD−RAM32に記憶された画像情報から、予め定めるフレーム数おきに一部のフレームを間引きした残余の画像情報をCFカード3に記録することによって、カメラ6で撮像された画像情報を記録すべき指令を表す信号が与えられた時刻を含む予め定める時間における各フレームの時間関係は維持される。したがって、CFカード3に記録された画像情報が、前記予め定めるフレーム数おきに一部のフレームが間引きされた残余の画像情報であったとしても、たとえば事故の状況および車両の運転状況を比較的容易に把握して分析することが可能となる。
【0093】
図11は、第2SD−RAM32に記憶された画像情報を、日時が新しい順番にCFカード3に記録する場合の第2記録処理の動作を説明するための図である。CPU11は、通常時に、第2SD−RAM32に記憶された画像情報をCFカード3に記録すべき指令を表す信号が与えられた時刻を含む予め定める時間内に第2SD−RAM32に記憶された画像情報を、第2SD−RAM32に記憶された日時が古いフレームから順番にCFカード3に記録させる第1記録処理を実行する。
【0094】
電源断時には、第2SD−RAM32に記憶された画像情報のうち、記憶された日時が新しいフレームは、前記日時が古いフレームに比べて、事故の状況分析および車両の運転状況の分析をするうえで重要な画像情報となる。
【0095】
そこで本実施の形態では、電源断時には、第2SD−RAM32に記憶された画像情報から一部のフレームを間引きした残余の部分をCFカード3に記録する前述の図9および図10のステップa4に示す第2記録処理に代えて、以下のような第2記録処理をCPU11が実行するように構成される。
【0096】
すなわち、電源断時に、バックアップ用電源部27から供給される電力を用いて、第2SD−RAM32に記憶された画像情報の少なくとも一部分、具体的には所定の条件が成立して画像情報をCFカード3に記録すべき指令を表す信号が与えられ、かつ主電源用電力検出部52が車両電源部50から電力が供給されていないことを検出した時刻に第2SD−RAM32に記憶されたフレームを含む日時が新しいフレームから順番に、前記検出した時刻からその時刻以前に遡ってCFカード3に記録可能となるように、第1記録処理とは異なる第2記録処理をCPU11が実行する。前記所定の条件とは、たとえば車両2の前後方向および左右方向に作用する重力加速度を表すGセンサ出力値が予め定める閾値
を越えた場合である。
【0097】
前述のように本実施の形態によれば、カメラ6で撮像された画像情報を記録すべき指令を表す信号が与えられ、かつ主電源用電力検出部52が車両電源部50から電力が供給されていないことを検出したときは、バックアップ用電源部27から供給される電力を用いて、第2SD−RAM32にフレーム単位で記憶された画像情報の少なくとも一部分がCFカード3に記録可能となるように、前記第1記録処理とは異なる第2記録処理が、CPU11によって実行される。
【0098】
具体的には、画像情報をCFカード3に記録すべき指令を表す信号が与えられ、主電源用電力検出部52が車両電源部50から電力が供給されていないことを検出した時刻に第2SD−RAM32に記憶されたフレームを含む日時が新しいフレームから順番にCFカード3に記録可能となるように、CPU11によって第2記録処理が実行される。
【0099】
これによって、たとえば車両が事故に遭遇し、その事故の衝撃によって、車両電源部50から電力が供給されなくなった場合でも、バックアップ用電源部27から供給される電力を用いて、第2SD−RAM32に記憶された画像情報のうち、画像情報をCFカード3に記録すべき指令を表す信号が与えられ、かつ主電源用電力検出部52が車両電源部50から電力が供給されていないことを検出した時刻に第2SD−RAM32に記憶されたフレームを含む日時が新しいフレームおよびその日時に近いフレームを、CFカード3に確実に記録することができる。
【0100】
したがってCFカード3に記録された画像情報、さらに述べると事故の状況分析および車両の運転状況の分析をするうえで重要なフレームを含む画像情報に基づいて、たとえば事故の状況および車両の運転状況を詳細に分析することが可能となる。
【0101】
次に本発明の実施の他の形態のドライブレコーダに関して説明する。図12は、本発明の実施の他の形態のドライブレコーダの一部の構成を示すブロック図である。本実施の形態のドライブレコーダは、図1に示す実施の形態のバックアップ用電源部27とは構成が異なるバックアップ用電源部45を備えて構成される。補助電源手段であるバックアップ用電源部45は、バックアップ回路部27A、内部電源変換部51、電力検出手段である主電源用電力検出部52、および検出手段である補助電源用電力検出部53を備えて構成される。
【0102】
本実施の形態のバックアップ回路部27A、内部電源変換部51および主電源用電力検出部52の各構成および各機能は、前述の図8に示すバックアップ回路部27A、内部電源変換部51および主電源用電力検出部52と同様であるので、同一の参照符を付して説明を省略する。また本実施の形態のバックアップ用電源部45の構成は、前述の図8に示すバックアップ用電源部27の構成と類似しているので、異なる部分についてのみ説明する。
【0103】
バックアップ回路部27Aの出力部27b、さらに具体的に述べると、ダイオード55のカソード55bとコンデンサ56の正極端子との接続点は、内部電源変換部51の入力部51aに電気的に接続されるとともに、補助電源用電力検出部53の入力部53aに電気的に接続される。補助電源用電力検出部53の出力部53bは、CPU11に電気的に接続される。
【0104】
補助電源用電力検出部53は、バックアップ回路部27Aから出力される電圧値または電流値を検出し、その検出結果をCPU11に与える。CPU11は、補助電源用電力検出部53から与えられる電圧値または電流値に基づいて、第2SD−RAM32に記憶さ
れた画像情報のCFカード3への記録が可能であるか否かを判断し、可能である場合は、第2記録処理として、前述の図9に示すように画像情報を間引きしてCFカード3に記録させるか、または前述の図11に示すように画像情報を日時が新しい順番にCFカード3に記録させる。
【0105】
図13は、CFカード3への画像情報の記録の終了処理に関するCPU11の処理手順を示すフローチャートである。図13に示すフローチャートは、ドライブレコーダ本体5が電源起動する条件で本処理が開始する。本処理は、CPU11によって実行される。本処理開始後、ステップb1に移行する。
【0106】
ステップb1は、図10に示すステップa1と同様の処理であり、ステップb2は、図10に示すステップa2と同様の処理であるので、処理の詳細な説明は省略する。ステップb2で、車両電源部50から電力が供給されていれば、図10に示すフローチャートのステップa3に移行する。
【0107】
ステップb3では、第2記録処理として、前述の図9に示すように、第2SD−RAM32に記憶された画像情報を間引きしてCFカード3に記録させるか、または前述の図11に示すように、第2SD−RAM32に記憶された画像情報を日時が新しい順番にCFカード3に記録させて、ステップb4に移行する。
【0108】
ステップb4では、補助電源用電力検出部53から与えられたバックアップ用電源部27からの出力電圧値または出力電流値が、第2SD−RAM32に記憶された画像情報のCFカード3への記録が不可能な値であるか否かを判断し、前記画像情報のCFカード3への記録が不可能であれば、ステップb5に移行し、前記画像情報のCFカード3への記録が可能であれば、ステップb3に戻り、前述の第2記録処理を引続いて実行させる。
【0109】
ステップb5では、ステップb3の第2記録処理を終了させる。ステップb5の処理後、全ての処理手順を終了する。
【0110】
前述のように本実施の形態では、バックアップ用電源部27から供給される電力を用いて、第2SD−RAM32に記憶された画像情報をCFカード3に記録する第2記録処理が実行されているときに、バックアップ用電源部27からの電力の供給が停止すると、電力の供給が停止した時刻に記録された画像情報をCFカード3から読出せなくなったり、また記録された画像情報が破壊したりするという問題が発生する場合がある。
【0111】
そこで本実施の形態では、第2記録処理が実行されているときに、バックアップ用電源部27からの電力の供給が停止したか否かを判断するようにしている。さらに具体的には、図13のフローチャートのステップb4に示すように、補助電源用電力検出部53から与えられたバックアップ用電源部27からの出力電圧値または出力電流値が、第2SD−RAM32に記憶された画像情報のCFカード3への記録が不可能な値であるか否かを、CPU11が判断する。CPU11によって、前記画像情報のCFカード3への記録が不可能であると判断された場合、第2記録処理を終了させるようにしている。
【0112】
これによって、第2記録処理が実行されているときに、バックアップ用電源部27からの電力の供給が停止し、電力の供給が停止した時刻に記録された画像情報をCFカード3から読出せなくなったり、また記録された画像情報が破壊したりするという問題が発生することを未然に防止することができる。
【0113】
図14は、CFカード3への画像情報の記録の禁止処理に関するCPU11の処理手順を示すフローチャートである。図14に示すフローチャートは、ドライブレコーダ本体5
が電源起動する条件で本処理が開始する。本処理は、CPU11によって実行される。本処理開始後、ステップc1に移行する。
【0114】
ステップc1は、図10に示すステップa1と同様の処理であり、ステップc2は、図10に示すステップa2と同様の処理であるので、処理の詳細な説明は省略する。ステップc2で、車両電源部50から電力が供給されていれば、図10に示すフローチャートのステップa3に移行する。
【0115】
ステップc3では、バックアップ用電源部27に充電された電力量(以下「充電電力量」という場合がある)が、予め定める電力量未満であればステップc4に移行し、予め定める電力量以上であればステップc5に移行する。本実施の形態において、前記予め定める電力量は、第2SD−RAM32に記憶された画像情報のうち、1フレームの静止画像をCFカード3に記録可能な電力量である。
【0116】
ステップc4では、前述の図9に示すように、第2SD−RAM32に記憶された画像情報を間引きしてCFカード3に記録させるか、または前述の図11に示すように、第2SD−RAM32に記憶された画像情報を日時が新しい順番にCFカードに記録させる第2記録処理を禁止させる。ステップc4の処理後は、全ての処理手順を終了する。
【0117】
ステップc5では、前述の第2記録処理を実行させる。ステップc5の処理後は、全ての処理手順を終了する。
【0118】
前述のように本実施の形態では、バックアップ用電源部27から供給される電力を用いて、第2SD−RAM32に記憶された画像情報をCFカード3に記録する第2記録処理を実行するにあたって、バックアップ用電源部27の充電電力量が予め定める電力量未満である場合に第2記録処理を実行させようとすると、第2SD−RAM32に記憶された画像情報をCFカード3に記録させることができなかったり、記録させることができたとしても、破損した画像情報が記録されてしまったりするという問題が発生する。
【0119】
そこで本実施の形態では、バックアップ用電源部27から供給される電力を用いて、第2SD−RAM32に記憶された画像情報をCFカード3に記録する第2記録処理を実行する前に、図14のフローチャートのステップc3に示すように、バックアップ用電源部27の充電電力量が予め定める電力量未満であるか否かを、CPU11が判断する。CPU11によって、バックアップ用電源部27の充電電力量が予め定める電力量未満であると判断された場合は、第2記録処理を禁止させるようにしている。
【0120】
これによってバックアップ用電源部27の充電電力量が予め定める電力量未満である場合に第2記録処理が実行されてしまい、第2SD−RAM32に記憶された画像情報をCFカード3に記録させることができなかったり、記録させることができたとしても、破損した画像情報がCFカード3に記録されてしまったりするという問題が発生することを未然に防止することができる。
【0121】
次に本発明の実施のさらに他の形態のドライブレコーダ1に関して説明する。図15は、本発明の実施のさらに他の形態のドライブレコーダの一部の構成を示すブロック図である。本実施の形態のドライブレコーダは、図1に示す実施の形態のバックアップ用電源部27とは構成が異なるバックアップ用電源部60を備えて構成される。補助電源手段であるバックアップ用電源部60は、バックアップ回路部60A、内部電源変換部51、電力検出手段である主電源用電力検出部52、および検出手段である補助電源用電力検出部53を備えて構成される。
【0122】
本実施の形態の内部電源変換部51、主電源用電力検出部52および補助電源用電力検出部53の各構成および各機能は、前述の図12に示す内部電源変換部51、主電源用電力検出部52および補助電源用電力検出部53と同様であるので、同一の参照符を付して説明を省略する。また本実施の形態のバックアップ用電源部60の構成は、前述の図12に示すバックアップ用電源部45の構成と類似しており、バックアップ回路部60Aの構成のみが異なるので、バックアップ回路部60Aの構成についてのみ説明する。
【0123】
本実施の形態のバックアップ回路部60Aは、第1ダイオード61、第2ダイオード62、第3ダイオード63、第4ダイオード64、およびコンデンサ56を備えて構成される。具体的に述べると、車両電源部50の出力部50bは、第1ダイオード61のアノード61aに電気的に接続される。第1ダイオード61のカソード61bは、第2ダイオード62のアノード62aおよび第3ダイオード63のアノード63aに電気的にそれぞれ接続される。
【0124】
第2ダイオード62のカソード62bは、他端がグランドに接続されたコンデンサ56の正極端子に接続される。第2ダイオード62のカソード62bとコンデンサ56の正極端子との接続点は、第4ダイオード64のアノード64aおよび補助電源用電力検出部53の入力部53aに電気的にそれぞれ接続される。第3ダイオード63のカソード63bおよび第4ダイオード64のカソード64bは、内部電源変換部51に電気的にそれぞれ接続される。
【0125】
前述の図15に示すバックアップ用電源部60を備える実施の形態でも、前述の図12に示す実施の形態と同様に、図13および図14に示すフローチャートに従った処理を実行することができ、前述の図12に示す実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0126】
前述の各実施の形態は、本発明の例示に過ぎず、発明の範囲内において構成を変更することができる。前述の各実施の形態では、第2記録処理として、第2SD−RAM32に記憶された画像情報から一部のフレームを間引きした残余の部分をCFカード3に記録するドライブレコーダの構成について述べたが、必ずしもこのような構成に限定されない。
【0127】
本発明の他の実施の形態では、第2記録処理として、前記第2SD−RAM32に記憶された画像情報から一部のフレームを間引きした残余の部分のうち、画像情報をCFカード3に記録すべき指令を表す信号が与えられ、かつ主電源用電力検出部52が車両電源部50から電力が供給されていないことを検出した時刻に第2SD−RAM32に記憶された日時が新しいフレームから順番にCFカード3に記録するように構成されてもよい。このように構成される場合でも、前述の図9および図11に示す実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0128】
前述の図8に示す実施の形態のバックアップ用電源部27は、バックアップ回路部27A、内部電源変換部51および主電源用電力検出部52を備えて構成されている。換言すれば、バックアップ回路部27A、内部電源変換部51および主電源用電力検出部52が一体に設けられているが、このような構成に限定されない。本発明の他の実施の形態では、バックアップ回路部27Aと、内部電源変換部51と、主電源用電力検出部52とがそれぞれ別体に設けられていてもよい。
【0129】
また前述の図12に示す実施の形態のバックアップ用電源部45は、バックアップ回路部27A、内部電源変換部51、主電源用電力検出部52および補助電源用電力検出部53を備えて構成されている。換言すれば、バックアップ回路部27A、内部電源変換部51、主電源用電力検出部52および補助電源用電力検出部53が一体に設けられているが、このような構成に限定されない。本発明の他の実施の形態では、バックアップ回路部27Aと、内部電源変換部51と、主電源用電力検出部52と、補助電源用電力検出部53とがそれぞれ別体に設けられていてもよい。
【0130】
また前述の図15に示す実施の形態のバックアップ用電源部60は、バックアップ回路部60A、内部電源変換部51、主電源用電力検出部52および補助電源用電力検出部53を備えて構成されている。換言すれば、バックアップ回路部60A、内部電源変換部51、主電源用電力検出部52および補助電源用電力検出部53が一体に設けられているが、このような構成に限定されない。本発明の他の実施の形態では、バックアップ回路部60Aと、内部電源変換部51と、主電源用電力検出部52と、補助電源用電力検出部53とがそれぞれ別体に設けられていてもよい。
【0131】
前述の図11に示す実施の形態では、カメラ6で撮像された画像情報を記録すべき指令を表す信号が与えられ、かつ主電源用電力検出部52が車両電源部50から電力が供給されていないことを検出したとき、バックアップ用電源部27から供給される電力を用いて、第2SD−RAM32にフレーム単位で記憶された画像情報の少なくとも一部分、具体的には、電力が供給されていないことを検出した時刻に第2SD−RAM32に記憶されたフレームを含む日時が新しいフレームから順番に、前記時刻以前に遡ってCFカード3に記録するように構成されているが、このような構成に限定されない。
【0132】
本発明の他の実施の形態では、マイク7から入力された音声情報を記録すべき指令を表す信号が与えられ、かつ主電源用電力検出部52が車両電源部50から電力が供給されていないことを検出したとき、バックアップ用電源部27から供給される電力を用いて、第2SD−RAM32に記憶された音声情報の少なくとも一部分、具体的には、電力が供給されていないことを検出した時刻に第2SD−RAM32に記憶された音声情報を含む日時が新しい音声情報から順番に、前記時刻以前に遡ってCFカード3に記録するように構成されてもよい。
【0133】
また前述の実施の形態では、カメラ6とドライブレコーダ本体5との接続状態の自己診断について説明したが、本発明の他の実施の形態では、マイク7とドライブレコーダ本体5との接続状態の自己診断をするように構成されてもよい。具体的に述べると、CPU11は、マイク7から予め定める量未満の情報量の音声情報が与えられたことを検出したときに、マイク7がドライブレコーダ本体5に接続されておらず、CPU11に所望する音声情報が与えられていない状態(以下「マイク7の接続異常」という)にあると判断する。
【0134】
CPU11は、マイク7の接続異常であると判断した後、ブザー8から、マイク7の接続異常であることを表す警告音を出力させる処理、およびLED17を点滅させる処理をする。このようにして車両2の運転者に、マイク7の接続異常であることを表す警告情報を報知する。車両2の運転者に警告情報を報知しているときは、マイク7による集音動作を停止する。前記警告情報の報知は、CPU11が、車両2に設けられる車両電源部50から供給されるACCオフ信号を受信するまで続ける。
【0135】
前述のように、CPU11によって、マイク7の接続異常が検出されると、マイク7の接続異常であることを表す警告音がブザー8から出力され、またLED17が点滅する。これによって車両の運転者などの利用者に、マイク7の接続異常が生じていることを表す警告情報が報知される。これによって利用者は、前記警告情報によって、マイク7と接続するケーブルの断線、ケーブルの離脱などによってマイク7とドライブレコーダ本体5との接続状態が解除されるマイク7の接続異常が生じていることを把握することができる。したがってCPU11に所望する音声情報が入力されず、音声情報がCFカード3に記録されない状態のまま何ら対策が講じられることなく放置されることを防ぐことができる。
【0136】
前述のようにマイク7から出力された音声情報の情報量に基づいて、マイク7の接続異常であるか否かを判断するように構成されているので、たとえば無音状態で収集された音声情報がマイク7から出力されたときに、CPU11が、マイク7の接続異常に起因して所望する音声情報が与えられていないと誤判定することを防止することができる。ここで音声情報の情報量の検出は、CPU11が行う。
【図面の簡単な説明】
【0137】
【図1】本発明の実施の一形態であるドライブレコーダ1の電気的構成を示すブロック図である。
【図2】車両2へのカメラ取付け位置を説明するための図である。
【図3】Gセンサ出力値に基づいて、静止画像情報が一定間隔δおきにCFカード3に記録される態様を表す図である。
【図4】画像情報の一部と位置情報等との関係を表す図である。
【図5】閾値を超過したGセンサ出力値40と、CFカード3に記録される画像情報の記録範囲Rhとの関係を表す図である。
【図6】Gセンサ出力値の閾値判定方法を説明するための図である。
【図7】カメラ6の接続状態の自己診断処理に関するCPU11の処理手順を示すフローチャートである。
【図8】本発明の実施の一形態のドライブレコーダ1の一部の構成を示すブロック図である。
【図9】第2SD−RAM32に記憶された画像情報を間引きしてCFカード3に記録する場合の第2記録処理の動作を説明するための図である。
【図10】第2SD−RAM32に記憶された画像情報を間引きしてCFカード3に記録する第2記録処理に関するCPU11の処理手順を示すフローチャートである。
【図11】第2SD−RAM32に記憶された画像情報を、日時が新しい順番にCFカード3に記録する場合の第2記録処理の動作を説明するための図である。
【図12】本発明の実施の他の形態のドライブレコーダの一部の構成を示すブロック図である。
【図13】CFカード3への画像情報の記録の終了処理に関するCPU11の処理手順を示すフローチャートである。
【図14】CFカード3への画像情報の記録の禁止処理に関するCPU11の処理手順を示すフローチャートである。
【図15】本発明の実施のさらに他の形態のドライブレコーダ1の一部の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0138】
1 車両用情報記録装置(ドライブレコーダ)
3 コンパクトフラッシュ(登録商標)(略称:CF)カード
6 カメラ
8 ブザー
11 CPU
15 JPEG IC
17 発光ダイオード(略称:LED)
28 Gセンサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に設けられる撮像装置から与えられる画像情報を入力する画像情報入力手段と、
画像情報入力手段によって入力された画像情報を記録する第1のメモリと、
画像情報を記録すべき信号が与えられたとき、第1のメモリに記録された画像情報を、第2のメモリに記録させるメモリ制御手段と、
画像情報入力手段に画像情報が入力されているか否かを検出する画像検出手段と、
警告情報を出力可能な出力手段と、
画像検出手段によって画像情報入力手段から画像情報が与えられていないことを検出すると、前記出力手段に警告情報を出力させる報知手段とを含むことを特徴とする車両用情報記録装置。
【請求項2】
車両に設けられ加速度を検出する加速度センサから与えられる加速度情報に基づいて、加速度センサの異常を検出する異常検出手段をさらに含み、
前記メモリ制御手段は、前記加速度センサから与えられる加速度情報に応じて、前記画像情報入力手段によって入力された画像情報を、第2のメモリに記録させ、
前記報知手段は、異常検出手段によって前記加速度センサの異常を検出すると、前記出力手段に警告情報を出力させることを特徴とする請求項1記載の車両用情報記録装置。
【請求項3】
前記画像検出手段は、画像情報入力手段から入力される画像情報のデータ量が予め定める量未満であるとき、画像情報入力手段から画像情報が与えられていないことを検出することを特徴とする請求項1または2記載の車両用情報記録装置。
【請求項4】
車両に関する車両情報を取得する車両情報取得手段で取得した車両情報を巡回的に記録する第1のメモリと、
所定の条件に基づいて第1のメモリに記録された車両情報を第2のメモリに記録させる記録制御手段と、を備えた車両用情報記録装置であって、
前記車両情報取得手段で取得した車両情報のデータ量に基づいて、前記車両情報取得手段との接続状態を検知する検知手段を備えることを特徴とする車両用情報記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2008−123498(P2008−123498A)
【公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−257989(P2007−257989)
【出願日】平成19年10月1日(2007.10.1)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】