説明

車両用指針計器

【課題】各色の輝度を高めて、より高い発光色変化演出効果が得られる車両用指針計器を提供する。
【解決手段】第1光源である発光ダイオード4および第2光源である発光ダイオード5により照明される化粧板3に、各発光ダイオード4、5からの光を視認者側に向けて反射する反射部である反射面3aおよび計器の表示意匠である目盛3bを形成している。これにより、第1光源である赤色発光ダイオード4から発せられた光のうち化粧板3に入射した光の大部分が反射面3aおよび目盛3bに入射する。したがって、反射面3aおよび目盛3bを高輝度で発光させることができ、高い発光色変化演出効果が得られるコンビネーションメータ1を提供することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車等に採用するに適した車両用指針計器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車に装備される車両用指針計器において、見映えのある斬新な視認性を確保するために様々な方法が採られている。たとえば、指針と表示板とを第1の色で発光させる第1の光源と、指針または表示板のどちらか一方を第1の色とは異なる第2の色で発光させる第2の光源を備え、指針と表示板が第1の色で発光した後に指針または表示板のどちらか一方が第2の色で発光させる構成のものがある(特許文献1参照)。
【0003】
この場合、車両用指針計器において、指針および表示板が第1の色で発光した後、指針または表示板のどちらか一方の発光色が第2の色に切り替わる。これにより、車両用指針計器の各部の発光色を時間の経過により変化させることができる。
【特許文献1】特開2003−254792号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の従来の車両用指針計器においては、第1の光源は主に指針を照明するためのものであり、第1の光源からの光の一部が表示板の指針用貫通孔付近において表示板側へ回折して表示板が第1の色で発光する。そのため、表示板における第1の色の輝度が低く、せっかくの発光色変化演出の効果が薄れる可能性がある。
【0005】
本発明は、上述の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、発光色変化演出を行う車両用指針計器において、各色の輝度を高めてより高い発光色変化演出効果が得られる車両用指針計器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記目的を達成する為、以下の技術的手段を採用する。
【0007】
本発明の請求項1に記載の車両用指針計器は、指針と、指針の背後に配置された文字盤と、文字盤の指針側に重ねて配置された透光性材質からなる化粧板と、指針および化粧板を第1の色で発光可能に配置された第1光源と、化粧板を第2の色で発光可能に配置された第2光源と、文字盤を透過照明するための第3光源と、化粧板に形成されて第1光源および第2光源から光を視認者側に向けて反射する反射部と、第1の光源、第2光源および第3光源の点灯・消灯を制御する制御手段とを備えたことを特徴としている。
【0008】
上述の構成によれば、第1光源のみを点灯させた場合、指針が第1の色で発光表示されると同時に化粧板、詳しくは化粧板の反射部が第1の色で発光表示される。この状態で、さらに第2光源を追加点灯させると、化粧板の反射部は、第1光源からの光と第2光源からの光の両方により照射される。したがって、反射部は第1の色および第2の色の混合色で発光表示される。すなわち、視認者から見ると、化粧板の反射部の発光色が、初めは第1の色で、次に第1の色および第2の色の混合色に変化したように見える。
【0009】
ところで、上述した従来の車両用指針計器では化粧板である表示板は、その全体が第1の色で発光表示されるがその輝度が低く、発光色が変わる演出の効果が薄れる可能性がある。
【0010】
これに対して、本発明の請求項1に記載の車両用指針計器では、化粧板全体ではなく、その一部分に形成された反射部を発光表示させる構成としているため、反射部第1光源から発せられた光のうち化粧板に入射した光はその大部分が反射部に入射する。これにより、反射部の発光輝度を高めることができ、高い発光色変化演出効果が得られる車両用指針計器を提供することができる。
【0011】
本発明の請求項2に記載の車両用指針計器は、制御手段は、車両用指針計器の作動開始に連動して第1光源を点灯させ、それから所定時間経過後に第2光源および第3光源を点灯させることを特徴としている。
【0012】
上述の構成によれば、化粧板の反射部の発光色を所定の規則にしたがって確実に変えることができるので、高い発光色変化演出効果が得られる車両用指針計器を提供することができる。
【0013】
本発明の請求項3に記載の車両用指針計器は、化粧板は反射部として指針と同軸上の円弧状反射面を備えることを特徴としている。
【0014】
上述の構成によれば、発光色が変化する部分の形状を車両用指針計器の主要部品である指針と関連付けることができるので、発光色変化演出の効果を一層高めることができる。
【0015】
この場合、本発明の請求項4に記載の車両用指針計器のように、化粧板の反射部は計器の表示意匠の一部を成す構成とすれば、円弧状の反射面に加えて指針計器の表示意匠、たとえば目盛等をも発光色変化演出の対象として、斬新な見車両用指針計器を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明による車両用指針計器を自動車に搭載されるコンビネーションメータ1に備えられたスピードメータSに適用した場合を例に図面に基づいて説明する。
【0017】
図1は、本発明の一実施形態によるコンビネーションメータ1の部分正面図である。
【0018】
図2は、図1中のII−II線断面図である。
【0019】
図3は、図1中のIII−III線断面図である。
【0020】
図4は、本発明の一実施形態によるコンビネーションメータ1の電気回路構成を説明する模式図である。
【0021】
図5は、本発明の一実施形態によるコンビネーションメータ1における発光ダイオード4、5、6の点灯・消灯動作を示すタイミングチャートである。
【0022】
コンビネーションメータ1は、自動車の運転席前方の運転者から視認可能な位置に配設され、図1に示すように、当該自動車の走行速度を表示するスピードメータSを備えると共に、図示しない他の計器や各種インジケータ等を備えている。運転席は、図2においてコンビネーションメータ1の左側にあり、コンビネーションメータ1は、図2において左側から視認される。
【0023】
スピードメータSは、大きくは、図2に示すように、化粧板3、文字盤2、指針10およびムーブメント11等から構成されている。
【0024】
文字盤2は、図2に示すように、後述する指針10の背後、つまり図2において右側に配置されている。文字盤2は、透光性材質、たとえば無色透明のポリカーボネート樹脂あるいはアクリル樹脂等から薄板状に形成されている。文字盤2は、図2に示すように、スピードメータSの表示意匠としての文字2aを複数個備えている。複数個の文字2aは、共通の円弧に沿って、詳しくは後述する指針10の回転中心を中心とする円弧に沿って配列されている。文字2aは、文字盤2の表面あるいは裏面に印刷あるいはホットスタンプを施して遮光性着色層を設けて形成されている。本発明の一実施形態によるコンビネーションメータ1においては、文字2a部を透光性橙色に着色している。文字盤2の文字2aの周囲の部分、すなわち背景部分は透光性青色に着色されている。文字盤2は、図2に示すように、その中央部に、後述するムーブメント11のシャフト11aあるいは指針10のボス部10bを挿通させるための貫通孔2bを備えている。
【0025】
文字盤2の指針10側、つまり図2において左側には、化粧板3が文字盤2に重ねて密着させて配置されている。化粧板3は、透光性材質、たとえば無色透明のポリカーボネート樹脂あるいはアクリル樹脂等から略板状に形成されている。化粧板3は、図1に示すように、略扇型をなし、その外周縁は後述する指針10の回転軸と同軸上の円弧状となっている。
【0026】
化粧板3の外周側端部には、図2に示すように反射部である反射面3aが形成されている。反射面3aは、図1に示すように、後述する指針10の回転軸と同軸上の円弧状となっている。反射面3aは、運転者の視認方向、つまり図2における左右方向に対して傾斜している。言い換えると、化粧板3の面沿い方向(図2において上下方向)および運転者の視認方向の両方向に対向している。したがって、化粧板3内を化粧板3の面沿い方向に進行する光を運転者に向けて反射することができる。
【0027】
化粧板3において、円弧状の反射面3aの両端部は、図3に示すように、化粧板3の背後に向けて曲げられて、導光部3cが形成されている。導光部3cは、第2の光源である白色発光ダイオード5が発する光をその端面3dを介して化粧板3内に導入するためのものである。
【0028】
化粧板3の裏面、すなわち図2において右側の面には、反射部である目盛3bが形成されている。目盛3bは、スピードメータSの表示意匠の一部、つまり計器の目盛を形成して複数個設けられている。目盛3bは、図3に示すように、断面V字型の溝として形成されている。すなわちV字型の溝を構成する2つの斜面を備えている。これらの目盛3bも、反射面3aと同様に、化粧板3内を化粧板3の面沿い方向に進行する光を運転者に向けて反射することができる。
【0029】
文字盤2の裏側(図2において右側)には、図2に示すように、指針10および化粧板3aを照明するための第1光源としての赤色発光ダイオード4が配置されている。赤色発光ダイオード4の発光色は第1の色である赤色である。したがって、指針10および化粧板3aは、発光ダイオード4からの光により第1の色である赤色で発光表示される。
【0030】
文字盤2の裏側(図2において右側)には、図2に示すように、化粧板3aを照明するための第2光源としての白色発光ダイオード5が配置されている。白色発光ダイオード5の発光色は第2の色である白色である。したがって、化粧板3aは、発光ダイオード5からの光により第2の色である白色で発光表示される。
【0031】
文字盤2の裏面側には、図2に示すように、導光板7が密着配置されている。導光板7は、後述する第3光源である発光ダイオード6が発する光を文字盤2へ導くためのものであり、それによって文字盤2は発光ダイオード6が発する光により透過照明される。
【0032】
文字盤2の裏側(図2において右側)には、図2に示すように、文字盤2を照明するための第3光源である発光ダイオード6が配置されている。発光ダイオード6としては、その発光色が白色のいわゆる白色発光ダイオードが用いられている。したがって、文字盤2は、発光ダイオード6の光により透過照明されて、文字2aが橙色で、その背景部分が青色で発光表示される。
【0033】
上述の各発光ダイオード、すなわち赤色発光ダイオード4、白色発光ダイオード5および発光ダイオード6は、図2に示すように、文字盤2の背後に配置されるプリント基板9上に実装されている。プリント基板9は、たとえばガラスエポキシ基盤等からなり、コンビネーションメータ1の電気回路部を形成している。
【0034】
プリント基板9と文字盤2との間には、図2に示すように、遮光筒8が配置されている。遮光筒8は、たとえば樹脂材料から円筒状に形成され、その一端はプリント基板9に密着し他端は文字盤2の貫通孔2bに嵌合している。また、遮光筒8の他端は、図2に示すように、文字盤2の表面とほぼ面一となっており、化粧板3の端面は遮光筒8から露出している。遮光筒8は、その内側に、図2に示すように、赤色発光ダイオード4を内包するように配置されている。
【0035】
プリント基板9には、図2に示すように、指針10を回転させるためのムーブメント11が実装されている。ムーブメント11は、たとえば交差コイル式アクチュエータあるいはステッピングモータ等が用いられている。ムーブメント11は、外部から電圧を印加されるとトルクを発生しシャフト11aを回転させる。このシャフト11aの先端には、指針10が固定されている。このシャフト11aあるいは指針10のボス部10bは、遮光筒8の内部を挿通して文字盤2の前面側に延出されている。
【0036】
指針10は、透光性材料、たとえば無色透明のポリカーボネート樹脂あるいはアクリル樹脂等から形成され、図2に示すように、文字盤2の表面に沿って配置されている。指針10は、ムーブメント11のシャフト11aが回動すると、シャフト11aと一体的に回動する。指針10の裏面10aは、印刷あるいはホットスタンプ等により白色に着色されている。これにより、赤色発光ダイオード4からの光が指針10内に入射すると、その光が裏面10aで反射するので、指針10は赤色で発光表示される。
【0037】
プリント基板9には、各発光ダイオード4、5、6の点灯・消灯を制御する制御手段としてのコントローラ16が実装されている。コントローラ16は、たとえばマイクロコンピュータ等から構成されている。コントローラ16は、ムーブメント11の駆動制御も行っている。
【0038】
以上説明した、文字盤2、化粧板3およびプリント基板9等は、ケーシング12内に収容・固定されている。ケーシング12は、たとえば樹脂材料等から形成されている。
【0039】
文字盤2および化粧板3の前面側(図2において右側)には、略枠状の見返し板13が装着されている。見返し板13は、たとえば樹脂材料から形成されている。見返し板13は、図2に示すように、庇部13aを備えている。庇部13aは、図1および図2に示すように、指針10の回動基部、つまり遮光筒8およびその周辺を覆っている。これにより、赤色発光ダイオード4が発する光が運転者の眼に入射してまぶしく感じられることを防止できる。見返し板13の視認者側端部には、図2に示すように、透明カバー14が装着されている。透明カバー14は、透明な樹脂あるいはガラス等の薄板から形成されている。見返し板13および透明カバー14は、コンビネーションメータ1の見映えを整えるとともに、コンビネーションメータ1内部への埃、水分の侵入を防止している。
【0040】
一方、ケーシング12の背後には、図2に示すように、ロアカバー15が装着されている。ロアカバー15は、たとえば樹脂材料から形成されている。
【0041】
次に、本発明の一実施形態によるコンビネーションメータ1の電気回路構成について、図4に基づいて説明する。
【0042】
図4に示すように、コントローラ16には、バッテリ18から電力が常時供給されている。また、コントローラ16は、イグニッションスイッチ17が、その作動状態(ONまたはOFF)を検出可能に接続されている。
【0043】
コントローラ16には、図4に示すように、各発光ダイオード4、5、6およびムーブメント11が接続されている。
【0044】
コントローラ16には、図4に示すように、自動車の走行速度を検出するための速度センサ19が検出信号を入力可能に接続されている。速度センサ19は、たとえば電磁ピックアップ型等が用いられており、たとえば自動車の変速機の出力軸であるプロペラシャフトの回転数を検出している。
【0045】
運転者の操作によりイグニッションスイッチ17がON状態に切り替えられると、コントローラ16はそれを検知して、コンビネーションメータ1の作動を開始する。すなわち、発光ダイオード4、5、6を所定の規則にしたがって点灯させる。同時に、速度センサ19からの検出信号に基づいて自動車の走行速度を算出し、算出した走行速度を指針10が文字盤2上に指示するようにムーブメント11を駆動する。これにより、文字盤2上で、指針10がムーブメント11により回動されて自動車の走行速度を指示する。
【0046】
運転者の操作によりイグニッションスイッチ17がOFF状態に切り替えられると、コントローラ16はそれを検知して、コンビネーションメータ1の作動を停止する。すなわち、発光ダイオード4、5、6を所定の規則にしたがって消灯させる。同時に、指針10が文字盤2上において速度0mph(mile per hour)を指示するようムーブメント11を駆動する。あるいは、ムーブメント11への通電を停止する。ムーブメント11への通電を停止した場合は、ムーブメント11のシャフト11aは、リターンスプリング(図示せず)の弾性力等により指針10が0mphを指示する位置まで回転する。
【0047】
次に、発光ダイオード4、5、6を点灯および消灯させる所定の規則、すなわちコントローラ16による各発光ダイオード4、5、6の点灯・消灯制御ついて、図5に基づいて説明する。
【0048】
運転者の操作によりイグニッションスイッチ17がON状態に切り替えられると、コントローラ16はそれを検知して、コンビネーションメータ1の作動を開始する。
【0049】
コントローラ16は、図5に示すように、先ず赤色発光ダイオード4を点灯させる。これにより、指針10が、第1の色である赤色で発光表示される。同時に、赤色発光ダイオード4からの光の一部は遮光筒8の指針10側開口端において化粧板3の内部へ入射する。この光は、反射面3aおよび目盛3bで反射して運転者に視認される。つまり、反射面3aおよび目盛3bが、第1の色である赤色で発光表示される。すなわち、赤色発光ダイオード4が点灯されると、指針10、化粧板3の反射面3aおよび目盛3bが赤色で発光表示される。
【0050】
赤色発光ダイオード4が点灯状態となって時間tが経過すると、コントローラ16は、図5に示すように、赤色発光ダイオード4に加えて白色発光ダイオード5および発光ダイオード6を点灯させる。白色発光ダイオード5が発する光は、化粧板3内に入射し反射面3aおよび目盛3bで反射して運転者に視認される。このとき、反射面3aおよび目盛3bには、赤色発光ダイオード4からの光と白色発光ダイオード5からの光とが同時に入射するが、白色発光ダイオード5からの光の光量のほうが赤色発光ダイオード4からの光の光量よりも圧倒的に多い。このため、反射面3aおよび目盛3bは第2の色である白色で発光表示される。一方、発光ダイオード6からの光、つまり白色光は導光板7を経て文字盤2を透過照明する。これにより、文字2aが橙色で、その背景部分が青色で発光表示される。
【0051】
以上のコンビネーションメータ1の発光表示動作を運転者から見ると、先ず、指針10、化粧板3の反射面3aおよび目盛3bが赤色で発光表示され、それからしばらく経過すると、反射面3aおよび目盛3bの発光色が赤色から白色に変わり、それと同時に文字盤2の文字2aが橙色で、その背景部分が青色で発光表示される。すなわち、反射面3aおよび目盛3bの発光色を変化させることで、コンビネーションメータ1の見映えを斬新なものとすることができる。
【0052】
続いて、運転者の操作によりイグニッションスイッチ17がOFF状態に切り替えられると、コントローラ16はそれを検知して、コンビネーションメータ1の作動を停止する。
【0053】
コントローラ16は、図5に示すように、先ず白色発光ダイオード5および発光ダイオード6を消灯させる。これにより、文字盤2において、文字2aおよびその背景部が透過照明されなくなりほぼ黒色となり、指針10、化粧板3の反射面3aおよび目盛3bのみが赤色で発光表示される。
【0054】
文字盤2において、文字2aおよびその背景部が消え、指針10、化粧板3の反射面3aおよび目盛3bのみが赤色で発光表示されるようになって時間tが経過すると、コントローラ16は、図5に示すように、赤色発光ダイオード4を消灯させる。これにより、指針10、化粧板3の反射面3aおよび目盛3bも消えて、スピードメータSは、全体が黒色で視認されるようになる。
【0055】
ところで、従来の車両用指針計器においては、化粧板全体を第1の色で発光表示させるためその輝度が低く、発光色が変わる演出の効果が薄れる可能性がある。
【0056】
これに対して、本発明の一実施形態によるコンビネーションメータ1においては、化粧板全体ではなく、その一部分に形成された反射部、すなわち反射面3aおよび目盛3bを発光表示させる構成としている。このため、第1光源である赤色発光ダイオード4から発せられた光のうち化粧板3に入射した光の大部分が反射面3aおよび目盛3bに入射する。これにより、反射面3aおよび目盛3bを高輝度で発光させることができ、高い発光色変化演出効果が得られるコンビネーションメータ1を提供することができる。
【0057】
なお、以上説明した、本発明の一実施形態によるコンビネーションメータ1では、化粧板3に反射部として形成される計器の表示意匠を目盛としているが、目盛に限る必要は無く、文字に置き換えてもよい。あるいは、目盛および文字を化粧板3に反射部として設けてもよい。
【0058】
また、以上説明した、本発明の一実施形態によるコンビネーションメータ1では、第1光源である赤色発光ダイオード4と、第2光源である白色発光ダイオード5および第3光源である発光ダイオード6との時差点灯制御および時差消灯制御を実施しているが、両時差制御のうちどちらか一方を一斉制御とする、つまり第1〜第3光源を一斉に点灯あるいは消灯する構成としてもよい。
【0059】
また、以上説明した、本発明の一実施形態によるコンビネーションメータ1では、第2光源である白色発光ダイオード5および第3光源である発光ダイオード6とは同時に点灯および消灯する構成としているが、両発光ダイオード5、6に対してさらに時差点灯制御および時差消灯制御の少なくとも一方を実施する構成としてもよい。
【0060】
また、以上説明した、本発明の一実施形態によるコンビネーションメータ1では、第1光源を赤色発光ダイオード4、第2光源を白色発光ダイオード5としているが、第1光源および第2光源を上述の発光色の組合せに限定する必要は無く、両者の少なくとも一つを他の発光色、たとえば青色、黄色、緑色等の発光ダイオードに置き換えてもよい。
【0061】
また、以上説明した、本発明の一実施形態によるコンビネーションメータ1では、文字盤2の発光色を、文字2aを橙色、背景部を青色としているが、この組合せに限らず、他の色の組合せとしてもよい。
【0062】
また、以上説明した実施形態では、指針計器としてコンビネーションメータ1のスピードメータSを例に説明してきたが、スピードメータSに限る必要は無く、他の種類の計器、たとえば、当該自動車のエンジン回転速度を指示するタコメータ、燃料タンク内の残存燃料量を指示する燃料計、エンジン冷却水温度を指示する水温計等に適用してもよい。また、一つのコンビネーションメータ1内に指針計器を複数個備えてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の一実施形態によるコンビネーションメータ1の部分正面図である。
【図2】図1中のII−II線断面図である。
【図3】図1中のIII−III線断面図である。
【図4】本発明の一実施形態によるコンビネーションメータ1の電気回路構成を説明する模式図である。
【図5】本発明の一実施形態によるコンビネーションメータ1における発光ダイオード4、5、6の点灯・消灯動作を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
【0064】
1 コンビネーションメータ(車両用指針計器)
2 文字盤
2a 文字(表示意匠)
2b 貫通孔指針10、化粧板3の反射面3aおよび目盛3bのみが赤色で発光表示される。
【0065】
3 目盛板(化粧板)
3a 円弧面(反射部、円弧状反射面)
3b 目盛(反射部、表示意匠)
4 発光ダイオード(第1光源)
5 発光ダイオード(第2光源)
6 発光ダイオード(第3光源)
7 導光板
8 遮光筒
9 プリント基板
10 指針
10a 裏面
10b ボス部
11 ムーブメント(回動内機)
11a シャフト
12 ケーシング
13 見返し板
13a 庇部
14 透明カバー
15 ロアカバー
16 コントローラ
17 イグニッションスイッチ
18 バッテリ
19 速度センサ
S スピードメータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
指針と、
前記指針の背後に配置された文字盤と、
前記文字盤の指針側に重ねて配置された透光性材質からなる化粧板と、
前記指針および前記化粧板を第1の色で発光可能に配置された第1光源と、
前記化粧板を第2の色で発光可能に配置された第2光源と、
前記文字盤を透過照明するための第3光源と、
前記化粧板に形成されて前記第1光源および前記第2光源から光を視認者側に向けて反射する反射部と、
前記第1の光源、前記第2光源および前記第3光源の点灯・消灯を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする車両用指針計器。
【請求項2】
前記制御手段は、車両用指針計器の作動開始に連動して前記第1光源を点灯させ、それから所定時間経過後に前記第2光源および前記第3光源を点灯させることを特徴とする請求項1に記載の車両用指針計器。
【請求項3】
前記化粧板は前記反射部として前記指針と同軸上の円弧状反射面を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両用指針計器。
【請求項4】
前記化粧板の前記反射部は計器の表示意匠の一部を構成するものであることを特徴とする請求項3に記載の車両用指針計器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−187576(P2007−187576A)
【公開日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−6468(P2006−6468)
【出願日】平成18年1月13日(2006.1.13)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【出願人】(000110321)トヨタ車体株式会社 (1,272)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】