説明

車両用操作装置

【課題】ユーザの足による車載器の操作を可能とする。
【解決手段】車両用操作装置は車載器に接続され、複数の方向に押下可能に構成されたフットスイッチと、前記フットスイッチの押下方向毎に割り当てられた前記車載器の機能の操作信号を記憶する記憶部と、前記フットスイッチが操作されると、その押下方向に対応する操作信号を前記記憶部から取得し、前記車載器に出力する(ステップS14、S16、S19)制御部と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両に搭載されたナビゲーション装置やオーディオ装置のような車載器を操作するには、通常車載器本体に設けられたタッチパネルやボタンが用いられる。画面を見ながら操作できるため、直感的で分かりやすい一方、運転手が運転席からは離れた位置にある本体を操作するには姿勢を変え、ハンドルから手を離さなければならない。リモコンにより遠隔操作が可能な場合、姿勢を変える必要はないが、操作内容によってはハンドルから手を離し、リモコンのボタンや本体表示を確認しなければならない。
【0003】
他にも、運転中の操作がしやすいように、シフトチェンジ用の操作レバーを、ナビゲーション装置の入力用マウスとして併用できる操作装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−105926号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように、従来の車載器の操作装置は何れも手動操作であるため、運転中の操作性が悪かった。
【0006】
本発明の課題は、ユーザの足による車載器の操作を可能とすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、
車載器に接続され、
複数の方向に押下可能に構成されたフットスイッチと、
前記フットスイッチの押下方向毎に割り当てられた前記車載器の機能の操作信号を記憶する記憶部と、
前記フットスイッチが操作されると、その押下方向に対応する操作信号を前記記憶部から取得し、前記車載器に出力する制御部と、
を備える車両用操作装置が提供される。
【0008】
請求項2に記載の発明によれば、
前記記憶部は、前記フットスイッチがクリック操作されたときの押下方向と押下回数毎に割り当てられた操作信号を記憶し、
前記制御部は、前記フットスイッチがクリック操作されると、クリック操作時の押下方向と押下回数に対応する操作信号を前記記憶部から取得し、前記車載器に出力する請求項1に記載の車両用操作装置が提供される。
【0009】
請求項3に記載の発明によれば、
前記記憶部は、前記フットスイッチがホールド操作されたときの押下方向毎に割り当てられた操作信号を記憶し、
前記制御部は、前記フットスイッチがホールド操作されると、ホールド操作時の押下方向に対応する操作信号を前記記憶部から取得し、前記車載器に出力する請求項1又は2に記載の車両用操作装置が提供される。
【0010】
請求項4に記載の発明によれば、
前記制御部は、前記フットスイッチにより操作する車載器の機能の登録がユーザにより指示され、前記フットスイッチが操作されると当該操作の直前に車載器において実行された機能の操作信号を前記車載器から取得し、フットスイッチの操作内容に取得された操作信号を割り当てて、前記記憶部に記憶させる請求項1〜3の何れか一項に記載の車両用操作装置が提供される。
【0011】
請求項5に記載の発明によれば、
スピーカを備え、
前記制御部は前記フットスイッチの操作が正常に受け付けられたときと、前記フットスイッチの操作内容が確定されたときとで、異なる確認音を前記スピーカにより出力させる請求項1〜4の何れか一項に記載の車両用操作装置が提供される。
【0012】
請求項6に記載の発明によれば、
前記車載器は、ナビゲーション装置又はカーオーディオ装置を含む請求項1〜5の何れか一項に記載の車両用操作装置が提供される。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ユーザが足を使って車載器を操作することができる。手を使わず、足下で操作するため、ハンドル操作が必要な運転中は特に操作性が良い。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本実施の形態に係る車両用操作装置の設置例を示す図である。
【図2】車両用操作装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図3】(a)未操作時のフットスイッチの側面図である。(b)フットスイッチが中央方向に押下されたときの側面図である。(c)フットスイッチが左方向に押下されたときの側面図である。(d)フットスイッチが右方向に押下されたときの側面図である。
【図4】操作テーブルの一例を示す図である。
【図5】車両用操作装置により実行される操作処理を示すフローチャートである。
【図6】車両用操作装置により実行される操作処理を示すフローチャートである。
【図7】複数の車載器を同時に操作する場合に用いられる操作テーブルの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0016】
図1は本実施形態に係る車両用操作装置10を車両に設置した例を示す図である。図2は車両用操作装置10の機能的構成を示すブロック図である。車両用操作装置10は車載器Zに接続され、当該車載器Zに操作信号を出力する。車載器Zとしては、車両に搭載された機器であれば何れも用いることができるが、例えばオーディオ装置やナビゲーション装置が挙げられる。
【0017】
図1及び図2に示すように、車両用操作装置10は、フットスイッチ1、本体部2、キー操作部3、スピーカ4を備えている。本体部2は、制御部21、記憶部22、I/F23を備えている。車両用操作装置10の電源はI/F23を介して接続された車載器Zの電源が用いられる。車載器Zの電源のON/OFFに連動して車両用操作装置10の電源もON/OFFされるが、車両用操作装置10単独で電源をON/OFFすることも可能である。
【0018】
フットスイッチ1は、AT(Automatic Transmission)仕様の車両において運転手が左足で操作できるように、運転席足下の、ブレーキやアクセルの左側に設置することができる。フットスイッチ1は裏面がマジックテープ(登録商標)等の面ファスナーからなるマット上に配置され、この面ファスナーによりフットスイッチ1を車両に固定することができる。
【0019】
図3(a)は未操作の状態にあるフットスイッチ1をユーザ側から見た側面図である。フットスイッチ1は断面凹状に形成され、中央と左右の方向にそれぞれ押下可能に構成される。中央の方向に押下操作する場合、図3(a)の状態から左足を踏み込み、図3(b)に示すようにフットスイッチ1の中央部を垂直に押下すればよい。左の方向に押下する場合、図3(c)に示すようにフットスイッチ1の左方向を踏み込む。右の方向に押下する場合、図3(d)に示すようにフットスイッチ1の右方向を踏み込む。ユーザが足をフットスイッチ1から離すと、押し下げられたフットスイッチ1は図3(a)に示すように元の位置に戻る。
【0020】
ユーザは1回押下することによりシングルクリック操作、2回押下することによりダブルクリック操作、3回押下することによりトリプルクリック操作を行うことができる。また、押し下げた状態を所定時間継続することによって、ユーザはホールド操作を行うことができる。
【0021】
キー操作部3はユーザが手を使って操作するための操作手段であり、ユーザが操作しやすいハンドル付近に設置することができる。キー操作部3は、電源ボタン31、登録ボタン32を備え、これらの操作に応じた操作信号を制御部21に出力する。LED33は車両用操作装置10の電源ON時に点灯し、電源OFF時に消灯する。
【0022】
スピーカ4は制御部21の制御に従って、各種確認音を出力する。スピーカ4はユーザが確認音を聴取しやすいように、ハンドル付近や車両の天井部分等に設置することが好ましい。
【0023】
本体部2の制御部21は、マイクロコンピュータ等により構成される。制御部21は記憶部22に記憶されたプログラムとの協働により、演算を行い、車両用操作装置10の各部を集中制御する。例えば、制御部21は、フットスイッチ1やキー操作部3が操作されると、操作状況に応じた確認音をスピーカ4に出力させる。また、制御部21は、電源ボタン31の操作に応じて車両用操作装置10の電源をON又はOFFする。
【0024】
制御部21はフットスイッチ1が操作されると、記憶部22に記憶された操作テーブルからフットスイッチ1の操作内容に対応する操作信号を取得し、I/F23を介して車載器Zに出力する。
また、制御部21は、ユーザにより登録ボタン32が操作され、フットスイッチ1が操作されると、当該操作の直前に車載器Zで実行された機能の操作信号を車載器Zから取得する。そして、制御部21はフットスイッチ1の操作内容に取得された操作信号を割り当て、記憶部22の操作テーブルに書き込み、記憶させる。
【0025】
記憶部22は、制御部21により実行されるプログラム、当該プログラムの実行に必要なデータを記憶する。記憶部22としては、小型のハードディスクやメモリを用いることができる。
【0026】
記憶部22は、例えば図4に示すような操作テーブル221を記憶する。操作テーブル221は、フットスイッチ1の操作内容と、当該操作内容に割り当てられた車載器Zの機能の操作信号とが対応付けて記憶されたテーブルであり、更新することができる。図4には車載器Zがオーディオ装置である場合の操作信号の例を示している。
【0027】
フットスイッチ1の操作にはクリック操作がある。操作テーブル221には、フットスイッチ1がクリック操作されたときの押下方向と押下回数毎に割り当てられた操作信号が記憶されている。例えば、フットスイッチ1がシングルクリック操作(押下回数1回)されたときの押下方向が右である操作内容に対しては、音量を上げる機能の操作信号が割り当てられて記憶されている。
【0028】
また、フットスイッチ1の操作にはホールド操作がある。操作テーブル221には、フットスイッチ1がホールド操作されたときの押下方向毎に割り当てられた操作信号が記憶されている。ホールド操作は、ホールド操作がされている間のみ、車載器Zの機能を継続して実行するように指示することができる操作である。よって、ホールド操作に対しては、ホールド操作に割り当てられた車載器Zの機能の実行開始と実行終了の操作信号が操作テーブル221に記憶される。例えば、ホールド操作時の押下方向が右である操作内容に対しては、再生の早送り機能の開始に係る操作信号と終了に係る操作信号とが割り当てられて記憶されている。
【0029】
I/F23は、車載器Zと車両用操作装置10とを接続するインターフェイスである。I/F23は車載器Zの電源から車両用操作装置10の各部に電力を供給する。また、I/F23は、フットスイッチ1の操作に対応して、制御部21により出力された操作信号を車載器Zに出力する。
【0030】
次に、上記車両用操作装置10の動作を説明する。
上記操作テーブル221は初期設定により、フットスイッチ1の操作内容と操作信号が予め割り当てられているが、操作テーブル221は更新可能であり、割り当てをユーザが変更することができる。
例えば、初期設定時、図4に示すようにシングルクリック操作は音量の操作、ダブルクリック操作はトラックの操作、トリプルクリック操作はソースの操作、ホールド操作はその他の操作といったように、フットスイッチ1により操作できる車載器Zの機能が分類されて割り当てられる。その後、ユーザの使い勝手に応じて、登録ボタン32の操作によりこれらの割り当てを変更し、操作テーブル221を更新することができる。
【0031】
操作テーブル221に登録できる車載器Zの機能としては、車載器Zがオーディオ装置であれば、図4にも例示したように、音量調整や再生(早送り、一時停止、巻き戻し)の機能、音源のソースやフォルダの選択機能等が挙げられる。車載器Zがナビゲーション装置であれば、自宅へ帰る指示機能や現在地表示機能、詳細と広域の切り替え機能、ビュー切り替え機能、目的地の履歴表示機能、音声認識機能、ナビゲーションとテレビの切り替え機能等が挙げられる。
【0032】
フットスイッチ1の操作内容に関してもユーザが自由に割り当てを変更することができる。例えば、機能の使用頻度に応じてクリック操作の押下回数を割り当てることができる。操作の手間が最も少ないシングルクリック操作を使用頻度が高い機能に割り当て、使用頻度が低くなる順にダブルクリック操作、トリプルクリック操作を割り当てればよい。また、機能の実行開始及び終了の指示が必要な機能には、ホールド操作を割り当てることができる。
押下方向に関しても、例えば右方向には早送り機能、左方向には巻き戻し機能等、左右で対応する機能を割り当て、中央方向にはよく使用する機能や急を要する機能を割り当てることができる。
【0033】
このようにフットスイッチ1の操作の割り当てを新たに登録する場合、ユーザはフットスイッチ1の操作対象にしたい機能の操作を車載器Zにおいて行った後、車両用操作装置10の登録ボタン32を操作すればよい。
既に操作テーブル221に登録された割り当てによってフットスイッチ1による操作を行いたい場合、ユーザはフットスイッチ1を操作すればよい。
【0034】
図5及び図6は、上記車両用操作装置10によって実行される操作処理を示すフローチャートである。
図5に示すように、待機状態において、ユーザによりフットスイッチ1、電源ボタン31、登録ボタン32の何れかが操作されると、制御部21は何れが操作されたかを判断する(ステップS1)。
電源ボタン31が操作された場合(ステップS1;電源ボタン)、制御部21は車両用操作装置10の電源をOFFし(ステップS2)、本処理を終了する。
【0035】
登録ボタン32が操作された場合(ステップS1;登録ボタン)、登録ボタン32の押下操作が2秒以上でなければ(ステップS3;N)、ステップS1に戻り、フットスイッチ1、電源ボタン31、登録ボタン32の何れかの操作が待機される。一方、登録ボタン32が2秒以上押下操作されていれば(ステップS3;Y)、フットスイッチ1により操作する車載器Zの機能の登録がユーザにより指示されたと制御部21は判断し、確認音Aをスピーカ4に出力させる(ステップS4)。確認音Aは、登録の開始又は終了をユーザに通知する音である。確認音Aの出力後、制御部21は車載器Zにおいて最後に実行された機能の操作信号を、I/F23を介して車載器Zから取得する(ステップS5)。
【0036】
ユーザは確認音Aを確認した後、登録したい操作内容によりフットスイッチ1を操作する。制御部21は登録するフットスイッチ1の操作を受け付ける。操作を受け付けたとき、制御部21は確認音Bをスピーカ4により出力させる(ステップS6)。確認音Bは、フットスイッチ1の操作が正常に受け付けられたことをユーザに通知する音である。
次いで、制御部21は受け付けたフットスイッチ1の操作内容と車載器Zから取得された操作信号とを対応付けて操作テーブル221に記憶させる(ステップS7)。制御部21は登録が終了したことをユーザに通知するため、確認音Aをスピーカ4により出力させる(ステップS8)。
【0037】
一方、電源ボタン31や登録ボタン32ではなく、フットスイッチ1が操作された場合(ステップS1;フットスイッチ)、図6に示すステップS11の処理に移行する。図6に示すように、制御部21は確認音Bをスピーカ4により出力させ、フットスイッチ1の操作が正常に受け付けられたことをユーザに通知する(ステップS11)。
【0038】
次いで、制御部11はフットスイッチ1の操作がホールド操作かクリック操作かを判断する(ステップS12)。クリック操作かホールド操作かは、所定時間押下操作が継続されたか否かにより判断される。ここでは、所定時間を1秒とする。
フットスイッチ1の操作が、1秒以上押下状態を継続するホールド操作である場合(ステップS12;ホールド操作)、制御部21は確認音Cをスピーカ4により出力させ(ステップS13)、登録操作処理を実行する(ステップS14)。確認音Cは、フットスイッチ1の操作内容が確定されたことをユーザに通知する音である。
【0039】
登録操作処理において、制御部21は操作テーブル221から、フットスイッチ1のホールド操作時の押下方向に対応する操作信号を取得する。ホールド操作には車載器Zの機能の実行開始と実行終了の2つの操作信号が割り当てられているが、ホールド操作時には実行開始に係る操作信号が取得される。制御部21は取得された操作信号をI/F23を介して車載器Zに出力する。車載器Zでは、I/F23を介して入力された操作信号に対応する機能が実行される。
【0040】
その後、ホールド操作の解除が検知されると(ステップS15;Y)、制御部21はホールド操作の解除に応じて登録操作処理を実行し、ホールド操作時の押下方向に割り当てられた車載器Zの機能の実行終了に係る操作信号を取得する(ステップS16)。例えば、フットスイッチ1の操作内容が右方向のホールド操作であった場合、図4に示す操作テーブル221から早送り開始の操作信号が取得され、車載器Zに出力される。ホールド操作が解除されると、操作テーブル221から早送り終了の操作信号が取得され、車載器Zに出力される。これにより、車載器Zではホールド操作がされている間のみ、早送りの機能が実行される。
登録操作処理の終了後は、図5に示すステップS1に戻り、次の操作が待機される。
【0041】
一方、フットスイッチ1の操作がホールド操作ではなくクリック操作であり(ステップS12;クリック操作)、当該操作の後1秒以内に再度クリック操作がされない場合(ステップS17;N)、制御部21はシングルクリック操作がされたと判断し、確認音Cをスピーカ4により出力させる(ステップS18)。
【0042】
次いで、制御部21は登録操作処理を実行し、シングルクリック操作時の押下方向に対応する操作信号を操作テーブル221から取得し、I/F23を介して車載器Zに出力する。例えば、シングルクリック操作時の押下方向が中央である場合、操作テーブル221から標準設定の音量に戻す機能の操作信号が取得される。車載器Zでは、当該操作信号を受けて音量の設定を標準設定に戻す機能が実行される。
登録操作処理の終了後は、図5に示すステップS1に戻り、次の操作が待機される。
【0043】
また、1回目のクリック操作がされた後(ステップS12;クリック操作)、1秒以内に再度クリック操作がされた場合(ステップS17;Y)、制御部21は確認音Bをスピーカ4により出力させる(ステップS20)。さらに1秒以内にクリック操作がされない場合(ステップS21;N)、制御部21はダブルクリック操作がされたと判断し、確認音Cをスピーカ4により出力させる(ステップS22)。
【0044】
次いで、制御部21は登録操作処理を実行し(ステップS19)、ダブルクリック操作時の押下方向に応じた操作信号を操作テーブル221から取得し、I/F23を介して車載器Zに出力する。例えば、ダブルクリック操作時の押下方向が中央である場合、操作テーブル221から一時停止の操作信号が取得される。車載器Zでは、当該操作信号を受けて音楽等の再生を一時停止する機能が実行される。
【0045】
2回目のクリック操作がされた後(ステップS17;Y)、1秒以内に再度クリック操作がされた場合(ステップS21;Y)、制御部21はトリプルクリック操作がされたと判断し、確認音Cをスピーカ4により出力させる(ステップS23)。次いで、制御部21は登録操作処理を実行し(ステップS19)、トリプルクリック操作時の押下方向に応じた操作信号を操作テーブル221から取得し、I/F23を介して車載器Zに出力する。例えば、トリプルクリック操作時の押下方向が中央である場合、操作テーブル221からソース選択の操作信号が取得される。車載器Zでは、当該操作信号を受けて音楽等のソースを変更する機能が実行される。
登録操作処理の終了後は、図5に示すステップS1に戻り、次の操作が待機される。
【0046】
以上のように、本実施形態によれば、車両用操作装置10は車載器Zに接続され、複数の方向に押下可能に構成されたフットスイッチ1を備える。記憶部22はフットスイッチ1の押下方向毎に割り当てられた車載器Zの機能の操作信号を記憶し、制御部21はフットスイッチ1が操作されると、その押下方向に対応する操作信号を記憶部22から取得し、車載器Zに出力する。
【0047】
これにより、ユーザが足を使って車載器Zを操作することができる。手でハンドル操作を続けながら、足で車載器Zの操作ができるため、運転中は特に操作性が良い。従来のようにハンドル部分に操作装置を装着する必要が無いため、ハンドル操作がしやすい。また、リモコンのように手元を視認することも無いため、視線を進路から外す必要も無く、安全運転を行うことができる。
また、フットスイッチ1は押下方向によって複数の操作が可能であり、車載器Zの機能を複数割り当てることができる。よって、複数の機能をフットスイッチ1により操作することができ、利便性が高い。
【0048】
また、記憶部22は、フットスイッチ1がクリック操作されたときの押下方向と押下回数毎に割り当てられた操作信号を記憶し、制御部21はフットスイッチ1がクリック操作されると、クリック操作時の押下方向と押下回数に対応する操作信号を記憶部22から取得し、車載器Zに出力する。
また、記憶部22は、フットスイッチ1がホールド操作されたときの押下方向毎に割り当てられた操作信号を記憶し、制御部21は、フットスイッチ1がホールド操作されると、ホールド操作時の押下方向に対応する操作信号を記憶部22から取得し、車載器Zに出力する。
クリック操作とホールド操作、押下方向との組合せによって車載器Zの機能を割り当てることができ、操作できる車載器Zの機能を増やすことができる。
【0049】
また、制御部21は、フットスイッチ1により操作する車載器Zの機能の登録がユーザにより指示され、フットスイッチ1が操作されると、当該操作の直前に車載器Zにおいて実行された機能の操作信号を車載器Zから取得し、フットスイッチの操作内容に、取得された操作信号を割り当てて、記憶部22に記憶させる。
ユーザは使い勝手に応じて、フットスイッチ1の操作内容及びその操作内容によって操作できる車載器Zの機能をカスタマイズすることができる。
【0050】
また、制御部21は、フットスイッチ1の操作が正常に受け付けられたときと、フットスイッチ1の操作内容が確定されたときとで、異なる確認音をスピーカ4により出力させる。
確認音により、ユーザはフットスイッチ1の操作が受け付けられたのか、操作内容が確定されたのかを容易に確認することができる。
【0051】
なお、上記実施形態は本発明の好適な一例であり、これに限定されない。
例えば、フットスイッチ1は中央と左右の方向に押下可能な構成を示したが、例えばフットスイッチ1を十字型に構成し、さらに上下の方向においても押下可能としてもよい。また、ホイール型に構成し、上下左右の斜め方向においても押下可能としてもよい。これにより、フットスイッチ1により操作できる車載器Zの機能を増やすことができる。
【0052】
また、車載器Zと車両用操作装置10とを有線接続し、I/F23を介して操作信号を出力する構成を示したが、無線接続によって操作信号を電波によって出力することとしてもよい。
【0053】
また、車載器Zが複数ある場合、フットスイッチ1により複数の車載器Zを同時に操作できるようにしてもよい。例えば、図7に示すような操作テーブル222を用いて複数の車載器Zの同時操作を可能とすることができる。操作テーブル222は、フットスイッチ1の操作内容と、その操作内容に割り当てられた操作信号と当該操作信号の送信先が記憶されている。登録操作処理において制御部21はフットスイッチ1の操作内容に対応する操作信号と、当該操作信号の送信先を操作テーブル222から取得し、当該送信先へ取得した操作信号を送信すればよい。例えば、右方向のシングルクリック操作がされれば、図7に示す操作テーブル222に基づいて、音量を上げる機能の操作信号が当該操作信号の送信先であるオーディオ装置に送信される。
【0054】
操作テーブル222に登録するときは、複数の車載器Zのうちフットスイッチ1の操作の直前に機能を実行した車載器Zから、実行された機能の操作信号を制御部21が取得すればよい。制御部21は取得した操作信号とともに当該操作信号が取得された車載器Zのを送信先として操作テーブル222に書き込み、更新する。
【符号の説明】
【0055】
10 車両用操作装置
1 フットスイッチ
2 本体部
21 制御部
22 記憶部
221 操作テーブル
23 I/F
3 キー操作部
32 登録ボタン
4 スピーカ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車載器に接続され、
複数の方向に押下可能に構成されたフットスイッチと、
前記フットスイッチの押下方向毎に割り当てられた前記車載器の機能の操作信号を記憶する記憶部と、
前記フットスイッチが操作されると、その押下方向に対応する操作信号を前記記憶部から取得し、前記車載器に出力する制御部と、
を備える車両用操作装置。
【請求項2】
前記記憶部は、前記フットスイッチがクリック操作されたときの押下方向と押下回数毎に割り当てられた操作信号を記憶し、
前記制御部は、前記フットスイッチがクリック操作されると、クリック操作時の押下方向と押下回数に対応する操作信号を前記記憶部から取得し、前記車載器に出力する請求項1に記載の車両用操作装置。
【請求項3】
前記記憶部は、前記フットスイッチがホールド操作されたときの押下方向毎に割り当てられた操作信号を記憶し、
前記制御部は、前記フットスイッチがホールド操作されると、ホールド操作時の押下方向に対応する操作信号を前記記憶部から取得し、前記車載器に出力する請求項1又は2に記載の車両用操作装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記フットスイッチにより操作する車載器の機能の登録がユーザにより指示され、前記フットスイッチが操作されると当該操作の直前に車載器において実行された機能の操作信号を前記車載器から取得し、フットスイッチの操作内容に取得された操作信号を割り当てて、前記記憶部に記憶させる請求項1〜3の何れか一項に記載の車両用操作装置。
【請求項5】
スピーカを備え、
前記制御部は前記フットスイッチの操作が正常に受け付けられたときと、前記フットスイッチの操作内容が確定されたときとで、異なる確認音を前記スピーカにより出力させる請求項1〜4の何れか一項に記載の車両用操作装置。
【請求項6】
前記車載器は、ナビゲーション装置又はカーオーディオ装置を含む請求項1〜5の何れか一項に記載の車両用操作装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−42183(P2011−42183A)
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−189759(P2009−189759)
【出願日】平成21年8月19日(2009.8.19)
【出願人】(000003595)株式会社ケンウッド (1,981)
【Fターム(参考)】