車両用物体認識装置
【課題】路上にある道路標識等の看板を確実に識別して先行車両等の車線上の物体との距離測定が看板に影響されずに正しく行うことのできる車両用物体認識装置を提供する。
【解決手段】車両用物体認識装置は、前方を走行する先行車両や障害物等の物体との間の距離L1や方位を測定する相対位置測定装置7と、前方の画像を撮像して画像認識を行い、撮像画像に基づいて距離L2を測定する撮像装置5とを備える。
先行車両6が看板3の下方を通過する際に検知ビーム2を看板3を照射しない検知ビーム2′まで下げることにより、先行車両6までの測定距離に誤差が生じないようにする。
【解決手段】車両用物体認識装置は、前方を走行する先行車両や障害物等の物体との間の距離L1や方位を測定する相対位置測定装置7と、前方の画像を撮像して画像認識を行い、撮像画像に基づいて距離L2を測定する撮像装置5とを備える。
先行車両6が看板3の下方を通過する際に検知ビーム2を看板3を照射しない検知ビーム2′まで下げることにより、先行車両6までの測定距離に誤差が生じないようにする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、前方を電磁波のビームでスキャンすることにより前方に存在する物体の相対位置を認識する装置に関し、特に、車線上方に道路標示用プレート等(以下、看板と称する)がある場合の距離測定に誤差が生じないようにした車両用物体認識装置に関する。
【背景技術】
【0002】
移動体、特に自動車においては、前方を電磁波を用いたレーダ(光学式、電波式を問わず)ビームでスキャンしビームが反射して帰ってくるまでの時間を計測することにより前方に存在する反射物体までの距離を測定する距離測定装置が採用されつつあり、その測定結果を車両制御等に利用できるようになってきている。例えば、前方の反射物体が車両であれば、測定結果を利用して車速制御に利用することが可能である。また、2次元ビームを使用することで発射物体への水平方向と垂直方向のビーム方位の検出も可能であり反射物体の2次元の相対位置を測定することが可能になる。
【0003】
上記の装置では、車線上に看板がある場合、反射物体の距離が測定できたとしても、その物体が看板なのか車両なのか(あるいは道路上に落下した障害物なのか)を区別することができない。
【0004】
この問題の対策として、特許文献1には、距離測定装置だけを用い、反射波の検出点数と反射物体の幅からその物体が看板か車両であるかを判断する方法が開示されている。
【0005】
また、特許文献2には、距離測定装置と前方を撮像する撮像装置とを設け、撮像装置で検出した車線上に反射物体がある場合に、自車の走行が進んでいくときにその反射物体が消失するか否か(その物体からの反射波が消えるかどうか)を追跡し、反射物体が消失するとその物体が看板であると判断する方法が開示されている。
【0006】
さらに、特許文献3においては、距離測定装置と前方を撮像する撮像装置とを設け、撮像装置にはさらに画像情報に基づいて車線上の物体までの距離を求める機能を設け、看板が先行車両と離れていれば、距離測定装置で測定した看板までの距離と撮像装置で測定した先行車両までの距離が大きく異なるため、看板と先行車両を区別することを可能にしている。また、距離測定装置と撮像装置おのおので測定した距離が一致した場合、又はそれらの距離の差が少しあっても両装置が共に同一物体としてみなされる場合は、遠い方の距離を車線上の物体までの距離とする方法が開示されている。
【特許文献1】特開2003−14844号
【特許文献2】特開2002−303671号
【特許文献3】特開平8−156723号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献1に示される装置は、反射物体が大型トラックであると、幅が看板と同じ程度であり、且つアルミバンとラックなど反射率が高いために検出点数が多くなり、看板との識別が困難になる問題がある。
【0008】
また、特許文献2に示される装置においても、反射物体が大型トラックであると、看板の場合と同様な反射波が検出される可能性があり、また、鉄道の高架等比較的低い構造物なのでこのような構造物からの反射波が消えるまでにはある程度接近することが必要になり、看板であると判断するのが遅れてしまう問題がある。
【0009】
また、特許文献3の装置では、先行車両が看板に接近してその後離れるまでの間において以下に示す不具合を発生する。
【0010】
図1は、自車1から照射した検知ビーム2が看板3で反射している状態を示す。4は車線、5は前方を撮像し、撮像した画像から、認識した物体までの距離を測定する機能を持つ撮像装置を示している。図2は、自車1から照射した検知ビーム2が看板3と、この看板から十分離れている先行車両6で反射する状態を示す。検知ビーム2は、まず、先行車両6で反射して受信波Aが形成され、次いで看板3で反射して受信波Bが形成される。図3は、その後、看板3の下方に先行車両6が到達したときに受信波C1が看板3からのものと先行車両6からのものとが合成されていることを示している。合成波のピークは先行車両6と看板3の間の位置となるから、このときの距離測定装置により測定した距離L1は、撮像装置5で測定した距離L2よりも遠くなり、特許文献3の装置では、遠い方の距離L1が選択される。図4は、その後、看板3を先行車両6が通過した直後に受信波C2が看板3からのものと先行車両6からのものとが合成されていることを示している。合成波のピークは看板3と先行車両6との間の位置となるから、このときの距離測定装置により測定した距離L1は、撮像装置で測定した距離L2よりも近くなり、特許文献3の装置では、遠い方の距離L2が選択される。
【0011】
特許文献3の装置では以上の動作により、実際には先行車両6の速度に変動がなくても、先行車両6が看板3の下方を通過し始めるときに、先行車両6までの測定距離が遠くなってしまう問題がある。また、特許文献3において、近い方の距離を選択するようにすると、今度は、先行車両6が看板3を通りすぎたときに、先行車両6までの測定距離が近くなってしまう問題がある。
【0012】
このように、特許文献1、2では、大型トラックや路上構造物等と看板の区別が困難であり、また、特許文献3では、看板の下を通過する先行車両との距離測定に誤差を生じるという不都合があった。
【0013】
本発明の目的は、路上にある道路標識等の看板を確実に識別して先行車両等の車線上の物体との距離測定が看板に影響されずに正しく行うことのできる車両用物体認識装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の車両用物体認識装置は、
前方を電磁波のビームでスキャンし、そのビームの物体からの反射波に基づいて該物体までの距離L1と方位を測定する相対位置測定手段と、
前方の車線上を撮像し画像認識を行うとともに画像認識した車線上の物体までの距離L2を測定する撮像手段と、を備え、
前記相対位置測定手段は、前記距離L1と前記L2との差が下記の条件式(1)が満たされるとき、前記ビームの垂直方向の拡がり角度を一定の角度だけ狭くすることを特徴とする。
【0015】
(1)K1=<|L1−L2|<=K2
但し、K1はゼロ又は予め定めた計測誤差
K2はK1よりも大きく、予め定めた値
上記構成において、撮像手段が距離L2を測定するには、カメラのレンズ光軸を路面に水平に設置して、カメラの高さ(H)、レンズの焦点距離(F)、物体の画像面でのy方向座標(y0)から、
L2=F・(H/y0)−−−(A)
で測定することができる。車線上に先行車両が走行していて、看板等が存在しないときには、このようにして測定した先行車両までの距離L2と、相対位置測定装置で測定した距離L1とは略等しい。しかし、ビームを使って距離測定を行う相対位置測定手段による測定距離L1の方が距離L2より精度が高い。そこで、看板と車両が離れているときには、車両までの距離については、距離L1を採用して、これに基づき自車の速度制御などを行う。
【0016】
車両が車線上の看板の下を通過し始めると、図3のように相対位置測定手段による測定距離L1に誤差を生じてくる。そこでこの場合に、ビームの垂直方向の拡がり角度を一定の角度だけ狭くする制御を行う。一定の角度は、車線上に設けられている標準的な看板がビーム照射範囲に入らなくなるような角度である。このようにすることで、ビームが当たるのは前方の車線上にある先行車両(障害物も含む)だけとなるため、上記測定距離L1の看板に基づく誤差がなくなる。
【0017】
このように、ビームの垂直方向の拡がり角度を一定の角度だけ狭くする制御を行うときの条件は、
(1)K1=<|L1−L2|<=K2
但し、K1はゼロ又は予め定めた計測誤差
K2はK1よりも大きく、予め定めた値
が満たされるときである。
【0018】
K1は、相対位置測定装置による測定と撮像装置による測定の誤差であり、一般には前者の測定精度が後者よりも高い。K2は、図3に示すように、先行車両5が看板3の下方を通過するとき、又は図4に示すように、先行車両5が看板3の下方を通過したときに生じる距離L2の誤差よりも少し大きな値である。
【0019】
先行車両5が図2→図3→図4のように移動するときを考えてみると、|L1−L2|の値は図2ではK1以下であり、図3、図4ではK2以下となり、その後再びK1以下となる。そこで、|L1−L2|<=K2の条件が満たされることを検出すると、先行車両5の上方に看板3が通過していると判断できるため、このとき、ビームを下に向けて、看板3を照射しないようにする。これにより、看板3による測定距離L1に誤差が生じないよう制御することができる。
【0020】
上記式(1)が満たされるときに、撮像した先行車両の中心高さを向くようにビーム制御することで、看板3の影響をより一層なくすことができる。
【0021】
ビームを下げた後、看板3の影響がなくなると、ビームを元の拡がり角度に戻すことが望ましい。ビームの上方への拡がり角度が狭いと路面が下降している場合に先行車両や障害物を照射できなくなる可能性があるからである。
【0022】
路面の下降傾斜角度が大きいと、車線上の前方遠くにある看板が路面に接近してくる。このとき、看板に対する撮像手段での測定距離L2と相対位置測定手段での測定距離L1に大きな差がある。そこで、このような場合には、先行車両までの測定距離L1に誤差が生じることはないからビーム制御を行わない。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、路上にある道路標識等の看板によって先行車両等の車線上の物体との間の距離測定が影響されるのを防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
図5は、本発明の実施形態である車両用物体認識装置が適用された自車と先行車両との関係を示す図である。
【0025】
本実施形態の車両用物体認識装置は、近赤外レーザビーム(検知ビーム)2を前方に照射して反射物体との間の距離を測定し、また、ビーム方位情報に基づいて発射物体の相対位置を測定する近赤外光のレーザレーダ(以下、L/Rと称する)を含む相対位置測定装置7と、自車3の前方を撮像するカメラを含む撮像装置5を備えている。本実施形態では、カメラとして高ダイナミックレンジのCMOSカメラ(以下、HDRCと称する)を用いる。HDRCを用いることにより、路面が暗く周囲が極端に明るい場合や、トンネルを抜けるときなど、明るさのコントラストが非常に大きい場合でも、前方の画像を問題なく取得することが可能であるが、HDRCに代えて、CCDカメラを使用しても良い。同図において、3は車線上に設置されている道路標識プレート等の看板、6は先行車両である。
【0026】
相対位置測定装置7は、L/Rにより前方を検知ビーム2で1次元(水平方向)スキャン、又は2次元(水平方向と垂直方向)スキャンし、そのビームが物体で反射して戻ってくるまでの時間およびビーム方位(1次元スキャンでは水平方向。2次元スキャンでは水平・垂直方向)に基づいて前記物体の相対位置を測定する。また、検知ビーム2の垂直方向の拡がり角を制御することができる。垂直方向の拡がり角を制御することにより、ビーム2をビーム2′のように下方向に下げると、ビームが看板3にあたらなくなる。
【0027】
前記HDRCを含む撮像装置5は、図6に示すように、前方を適当な画角で撮像することができるように車内のルームミラー8近辺に設けられている。
【0028】
図7は、撮像装置5により取得される車線4上の画像を示している。図示するように、取得画像には先行車両6と看板3が含まれている。
【0029】
本実施形態では、相対位置測定装置7と撮像装置5の両方で距離を測定することが可能である。ここでは、相対位置測定装置7で測定する距離をL1、撮像装置5で測定する距離をL2とする。
【0030】
なお、撮像装置5においては、図7に示す取得画像から次の計算により距離L2を測定することが可能である。
【0031】
すなわち、撮像装置5のカメラのレンズ光軸を路面に水平に設置して、カメラの高さ(H)、レンズの焦点距離(F)、物体の画像面でのy方向座標(y0)から、
L2=F・(H/y0)−−−(A)
で測定することができる。ただし、相対位置測定装置7で測定する距離L1の方が、撮像装置5で測定する距離L2よりも精度が高い。
【0032】
相対位置測定装置7と撮像装置5は車内に設けられている物体認識部(図示せず)に接続されている。
【0033】
図8は、車両用物体認識装置の構成図である。
【0034】
相対位置測定装置7は、L/R70と相対位置測定部71とで構成され、相対位置測定部71からはビームが反射して戻ってきた物体までの距離情報と方位情報等が出力される。撮像装置5は、HDRC50と画像処理部51とで構成される。また、物体認識部9は、相対位置測定部7から得られる反射物体の方位情報と撮像装置5から得られる画像とのマッピングを行う座標変換部90と、物体の認識を行う物体判定部91とを備えている。
【0035】
相対位置測定装置7の相対位置測定部71と撮像装置5の画像処理部51とは、物体認識部9を通して相互に情報の遣り取りを行う。
【0036】
物体認識部9は、撮像装置5の画像認識結果と相対位置測定装置7からの情報に基づいて、相対位置測定装置7に対し、ビームの拡がり角を制御するためのビーム制御情報を出力する。
【0037】
次に、図9、図10を参照して上記車両用物体認識装置の動作を説明する。
【0038】
L/R70により前方の物体(障害物)までの距離L1と方位を測定し(ST1)、HDRC50により前方の自車線上を撮像する(ST2)。撮像した画像中から自車線領域を抽出し(ST3)、同領域に存在する物体までの距離L2を測定する。なお、距離L2は、上記式(A)により求める。
【0039】
続いて、距離L1を測定できた物体の中から自車線上のものを選び(ST5)、物体までの距離Lを求める(ST6)。
【0040】
以上の処理において、自車線上に先行車両があると、ST6で求められる物体までの距離Lは、先行車両までの距離となる。この距離は、車両制御部10(図8参照)に送られ、自車1の速度制御等に利用される。また、自車線上に看板3があると、ST6では看板3までの距離となる。
【0041】
ST6で距離が求められた後、検知ビーム2の上下拡がり角が狭くされてから一定時間経過したかどうかを判断し、経過していれば、ビーム設定を元のデフォルト値(通常の状態)に戻す。
【0042】
図10は、上記ST6の具体的な処理を示している。
【0043】
L/R70で検出した自車線上の全物体と撮像装置5で認識した自車線上の全物体との対応をとったかどうかを判定する(ST10)。したがって、ST11以下で、それぞれの物体の対応をとっていく。
【0044】
自車線上の認識物体中から、|L1−L2|<K1の条件を満たす物体を探す。K1は、L/R70による距離測定と撮像装置5による距離測定の誤差であり、比較的小さな値である。この条件を満たす物体が見つかると、その物体を自車線上の物体として認識し、距離L1をその物体までの距離として選択する(ST13)。したがって、自車線上に先行車両が走行していて看板がない場合は、その先行車両が認識され、距離がL1として選択される。また、自車線上に先行車両がなく看板だけがある場合は、その看板が認識され距離が、L1として選択される。自車線上に落下物などの障害物がある場合も同様である。
【0045】
ST11において、自車線上の認識物体中から、|L1−L2|<K1の条件を満たす物体がなければ、自車線上の認識物体中から、|L1−L2|<=K2の条件を満たす物体を探す。K2はK1よりも大きく、且つ、図3に示すように、先行車両5が看板3の下方を通過するとき、又は図4に示すように、先行車両5が看板3の下方を通過したときに生じる距離L1の誤差よりも少し大きな値である。上記条件を満たす物体があれば、その物体を自車線上の物体として認識する。また、そのときの距離として、距離L2を選択する(ST16)。さらに、検知ビーム2が認識物体の中心高さを向くように制御し(ST17)、且つ、検知ビーム2の垂直方向の拡がり角を一定の角度だけ狭くするよう制御する(ST18)。上記条件は、図2、図3に示すように看板3の下方を先行車両6が通過するときに成立するから、このとき、検知ビーム2が看板3にあたらないように、且つ先行車両6の中心高さを向くように制御することで、看板3の影響をなくして先行車両6までの距離を測定することができるようになる。なお、ST14の段階では、距離L1は誤差が生じているために、距離L2が選択される(ST16)ようにしているが、上記ST17、ST18で検知ビームを適切に制御していることから、ST18の後に、先行車両6までの距離をL/R70の検知ビーム2′で測定するようにしても良い。
【0046】
図11、図12に示すように、路面が下方に大きく傾斜しているときには、L/R70で測定した看板3までの距離L1と、撮像装置5で測定した看板3までの距離L2が大きく異なることになる。このような場合、もし、自車線4上に先行車両があると、L/R70により測定される、先行車両までの距離L1と看板3までの距離L1は明白に異なる値となるが、一方では撮像装置5により測定される先行車両までの距離L2と看板3までの距離L2は同じ値となる。つまり、撮像装置5が看板3までの距離を誤って測定する。しかし、この場合は、ST15で抜けるため、距離L1として認識された物体を道路上の物体として認識しない。
【0047】
なお、図8では、撮像装置5と相対位置測定装置7と物体認識部9とを設けているが、物体認識部9の機能を相対位置測定装置7内又は撮像装置5内に設けることも可能である。さらに、撮像装置5内の画像処理部51を物体認識部9内に設けたり、相対位置測定装置7内の相対位置測定部71を物体認識部9内に設けることも可能である。これらは、設計仕様に従い任意に組み合わせることが可能である。
【0048】
以上の処理により、自車線上に看板があった場合でも、先行車両や障害物までの距離を正しく把握することがきる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】検知ビーム2が看板3で反射している状態を示す図
【図2】検知ビーム2が先行車両6とこの先行車両6から十分離れている看板3で反射する状態を示す図
【図3】看板3の下方に先行車両6が到達したときに受信波C1が合成されることを示す図
【図4】看板3の下方を先行車両6が通過したときに受信波C2が合成されることを示す図
【図5】本発明の実施形態である車両用物体認識装置が適用された自車と先行車両との関係を示す図
【図6】撮像装置の取り付け位置を示す図
【図7】撮像画像を示す図
【図8】車両用物体認識装置の構成図
【図9】車両用物体認識装置の動作を示すフローチャート
【図10】車両用物体認識装置の動作を示すフローチャート
【図11】路面が下方傾斜しているときの車両と看板の位置関係を示す図
【図12】路面が下方傾斜しているときの撮像画像を示す図
【符号の説明】
【0050】
1−検知ビーム
3−看板
5−撮像装置
6−先行車両
7−相対位置測定装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、前方を電磁波のビームでスキャンすることにより前方に存在する物体の相対位置を認識する装置に関し、特に、車線上方に道路標示用プレート等(以下、看板と称する)がある場合の距離測定に誤差が生じないようにした車両用物体認識装置に関する。
【背景技術】
【0002】
移動体、特に自動車においては、前方を電磁波を用いたレーダ(光学式、電波式を問わず)ビームでスキャンしビームが反射して帰ってくるまでの時間を計測することにより前方に存在する反射物体までの距離を測定する距離測定装置が採用されつつあり、その測定結果を車両制御等に利用できるようになってきている。例えば、前方の反射物体が車両であれば、測定結果を利用して車速制御に利用することが可能である。また、2次元ビームを使用することで発射物体への水平方向と垂直方向のビーム方位の検出も可能であり反射物体の2次元の相対位置を測定することが可能になる。
【0003】
上記の装置では、車線上に看板がある場合、反射物体の距離が測定できたとしても、その物体が看板なのか車両なのか(あるいは道路上に落下した障害物なのか)を区別することができない。
【0004】
この問題の対策として、特許文献1には、距離測定装置だけを用い、反射波の検出点数と反射物体の幅からその物体が看板か車両であるかを判断する方法が開示されている。
【0005】
また、特許文献2には、距離測定装置と前方を撮像する撮像装置とを設け、撮像装置で検出した車線上に反射物体がある場合に、自車の走行が進んでいくときにその反射物体が消失するか否か(その物体からの反射波が消えるかどうか)を追跡し、反射物体が消失するとその物体が看板であると判断する方法が開示されている。
【0006】
さらに、特許文献3においては、距離測定装置と前方を撮像する撮像装置とを設け、撮像装置にはさらに画像情報に基づいて車線上の物体までの距離を求める機能を設け、看板が先行車両と離れていれば、距離測定装置で測定した看板までの距離と撮像装置で測定した先行車両までの距離が大きく異なるため、看板と先行車両を区別することを可能にしている。また、距離測定装置と撮像装置おのおので測定した距離が一致した場合、又はそれらの距離の差が少しあっても両装置が共に同一物体としてみなされる場合は、遠い方の距離を車線上の物体までの距離とする方法が開示されている。
【特許文献1】特開2003−14844号
【特許文献2】特開2002−303671号
【特許文献3】特開平8−156723号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献1に示される装置は、反射物体が大型トラックであると、幅が看板と同じ程度であり、且つアルミバンとラックなど反射率が高いために検出点数が多くなり、看板との識別が困難になる問題がある。
【0008】
また、特許文献2に示される装置においても、反射物体が大型トラックであると、看板の場合と同様な反射波が検出される可能性があり、また、鉄道の高架等比較的低い構造物なのでこのような構造物からの反射波が消えるまでにはある程度接近することが必要になり、看板であると判断するのが遅れてしまう問題がある。
【0009】
また、特許文献3の装置では、先行車両が看板に接近してその後離れるまでの間において以下に示す不具合を発生する。
【0010】
図1は、自車1から照射した検知ビーム2が看板3で反射している状態を示す。4は車線、5は前方を撮像し、撮像した画像から、認識した物体までの距離を測定する機能を持つ撮像装置を示している。図2は、自車1から照射した検知ビーム2が看板3と、この看板から十分離れている先行車両6で反射する状態を示す。検知ビーム2は、まず、先行車両6で反射して受信波Aが形成され、次いで看板3で反射して受信波Bが形成される。図3は、その後、看板3の下方に先行車両6が到達したときに受信波C1が看板3からのものと先行車両6からのものとが合成されていることを示している。合成波のピークは先行車両6と看板3の間の位置となるから、このときの距離測定装置により測定した距離L1は、撮像装置5で測定した距離L2よりも遠くなり、特許文献3の装置では、遠い方の距離L1が選択される。図4は、その後、看板3を先行車両6が通過した直後に受信波C2が看板3からのものと先行車両6からのものとが合成されていることを示している。合成波のピークは看板3と先行車両6との間の位置となるから、このときの距離測定装置により測定した距離L1は、撮像装置で測定した距離L2よりも近くなり、特許文献3の装置では、遠い方の距離L2が選択される。
【0011】
特許文献3の装置では以上の動作により、実際には先行車両6の速度に変動がなくても、先行車両6が看板3の下方を通過し始めるときに、先行車両6までの測定距離が遠くなってしまう問題がある。また、特許文献3において、近い方の距離を選択するようにすると、今度は、先行車両6が看板3を通りすぎたときに、先行車両6までの測定距離が近くなってしまう問題がある。
【0012】
このように、特許文献1、2では、大型トラックや路上構造物等と看板の区別が困難であり、また、特許文献3では、看板の下を通過する先行車両との距離測定に誤差を生じるという不都合があった。
【0013】
本発明の目的は、路上にある道路標識等の看板を確実に識別して先行車両等の車線上の物体との距離測定が看板に影響されずに正しく行うことのできる車両用物体認識装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の車両用物体認識装置は、
前方を電磁波のビームでスキャンし、そのビームの物体からの反射波に基づいて該物体までの距離L1と方位を測定する相対位置測定手段と、
前方の車線上を撮像し画像認識を行うとともに画像認識した車線上の物体までの距離L2を測定する撮像手段と、を備え、
前記相対位置測定手段は、前記距離L1と前記L2との差が下記の条件式(1)が満たされるとき、前記ビームの垂直方向の拡がり角度を一定の角度だけ狭くすることを特徴とする。
【0015】
(1)K1=<|L1−L2|<=K2
但し、K1はゼロ又は予め定めた計測誤差
K2はK1よりも大きく、予め定めた値
上記構成において、撮像手段が距離L2を測定するには、カメラのレンズ光軸を路面に水平に設置して、カメラの高さ(H)、レンズの焦点距離(F)、物体の画像面でのy方向座標(y0)から、
L2=F・(H/y0)−−−(A)
で測定することができる。車線上に先行車両が走行していて、看板等が存在しないときには、このようにして測定した先行車両までの距離L2と、相対位置測定装置で測定した距離L1とは略等しい。しかし、ビームを使って距離測定を行う相対位置測定手段による測定距離L1の方が距離L2より精度が高い。そこで、看板と車両が離れているときには、車両までの距離については、距離L1を採用して、これに基づき自車の速度制御などを行う。
【0016】
車両が車線上の看板の下を通過し始めると、図3のように相対位置測定手段による測定距離L1に誤差を生じてくる。そこでこの場合に、ビームの垂直方向の拡がり角度を一定の角度だけ狭くする制御を行う。一定の角度は、車線上に設けられている標準的な看板がビーム照射範囲に入らなくなるような角度である。このようにすることで、ビームが当たるのは前方の車線上にある先行車両(障害物も含む)だけとなるため、上記測定距離L1の看板に基づく誤差がなくなる。
【0017】
このように、ビームの垂直方向の拡がり角度を一定の角度だけ狭くする制御を行うときの条件は、
(1)K1=<|L1−L2|<=K2
但し、K1はゼロ又は予め定めた計測誤差
K2はK1よりも大きく、予め定めた値
が満たされるときである。
【0018】
K1は、相対位置測定装置による測定と撮像装置による測定の誤差であり、一般には前者の測定精度が後者よりも高い。K2は、図3に示すように、先行車両5が看板3の下方を通過するとき、又は図4に示すように、先行車両5が看板3の下方を通過したときに生じる距離L2の誤差よりも少し大きな値である。
【0019】
先行車両5が図2→図3→図4のように移動するときを考えてみると、|L1−L2|の値は図2ではK1以下であり、図3、図4ではK2以下となり、その後再びK1以下となる。そこで、|L1−L2|<=K2の条件が満たされることを検出すると、先行車両5の上方に看板3が通過していると判断できるため、このとき、ビームを下に向けて、看板3を照射しないようにする。これにより、看板3による測定距離L1に誤差が生じないよう制御することができる。
【0020】
上記式(1)が満たされるときに、撮像した先行車両の中心高さを向くようにビーム制御することで、看板3の影響をより一層なくすことができる。
【0021】
ビームを下げた後、看板3の影響がなくなると、ビームを元の拡がり角度に戻すことが望ましい。ビームの上方への拡がり角度が狭いと路面が下降している場合に先行車両や障害物を照射できなくなる可能性があるからである。
【0022】
路面の下降傾斜角度が大きいと、車線上の前方遠くにある看板が路面に接近してくる。このとき、看板に対する撮像手段での測定距離L2と相対位置測定手段での測定距離L1に大きな差がある。そこで、このような場合には、先行車両までの測定距離L1に誤差が生じることはないからビーム制御を行わない。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、路上にある道路標識等の看板によって先行車両等の車線上の物体との間の距離測定が影響されるのを防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
図5は、本発明の実施形態である車両用物体認識装置が適用された自車と先行車両との関係を示す図である。
【0025】
本実施形態の車両用物体認識装置は、近赤外レーザビーム(検知ビーム)2を前方に照射して反射物体との間の距離を測定し、また、ビーム方位情報に基づいて発射物体の相対位置を測定する近赤外光のレーザレーダ(以下、L/Rと称する)を含む相対位置測定装置7と、自車3の前方を撮像するカメラを含む撮像装置5を備えている。本実施形態では、カメラとして高ダイナミックレンジのCMOSカメラ(以下、HDRCと称する)を用いる。HDRCを用いることにより、路面が暗く周囲が極端に明るい場合や、トンネルを抜けるときなど、明るさのコントラストが非常に大きい場合でも、前方の画像を問題なく取得することが可能であるが、HDRCに代えて、CCDカメラを使用しても良い。同図において、3は車線上に設置されている道路標識プレート等の看板、6は先行車両である。
【0026】
相対位置測定装置7は、L/Rにより前方を検知ビーム2で1次元(水平方向)スキャン、又は2次元(水平方向と垂直方向)スキャンし、そのビームが物体で反射して戻ってくるまでの時間およびビーム方位(1次元スキャンでは水平方向。2次元スキャンでは水平・垂直方向)に基づいて前記物体の相対位置を測定する。また、検知ビーム2の垂直方向の拡がり角を制御することができる。垂直方向の拡がり角を制御することにより、ビーム2をビーム2′のように下方向に下げると、ビームが看板3にあたらなくなる。
【0027】
前記HDRCを含む撮像装置5は、図6に示すように、前方を適当な画角で撮像することができるように車内のルームミラー8近辺に設けられている。
【0028】
図7は、撮像装置5により取得される車線4上の画像を示している。図示するように、取得画像には先行車両6と看板3が含まれている。
【0029】
本実施形態では、相対位置測定装置7と撮像装置5の両方で距離を測定することが可能である。ここでは、相対位置測定装置7で測定する距離をL1、撮像装置5で測定する距離をL2とする。
【0030】
なお、撮像装置5においては、図7に示す取得画像から次の計算により距離L2を測定することが可能である。
【0031】
すなわち、撮像装置5のカメラのレンズ光軸を路面に水平に設置して、カメラの高さ(H)、レンズの焦点距離(F)、物体の画像面でのy方向座標(y0)から、
L2=F・(H/y0)−−−(A)
で測定することができる。ただし、相対位置測定装置7で測定する距離L1の方が、撮像装置5で測定する距離L2よりも精度が高い。
【0032】
相対位置測定装置7と撮像装置5は車内に設けられている物体認識部(図示せず)に接続されている。
【0033】
図8は、車両用物体認識装置の構成図である。
【0034】
相対位置測定装置7は、L/R70と相対位置測定部71とで構成され、相対位置測定部71からはビームが反射して戻ってきた物体までの距離情報と方位情報等が出力される。撮像装置5は、HDRC50と画像処理部51とで構成される。また、物体認識部9は、相対位置測定部7から得られる反射物体の方位情報と撮像装置5から得られる画像とのマッピングを行う座標変換部90と、物体の認識を行う物体判定部91とを備えている。
【0035】
相対位置測定装置7の相対位置測定部71と撮像装置5の画像処理部51とは、物体認識部9を通して相互に情報の遣り取りを行う。
【0036】
物体認識部9は、撮像装置5の画像認識結果と相対位置測定装置7からの情報に基づいて、相対位置測定装置7に対し、ビームの拡がり角を制御するためのビーム制御情報を出力する。
【0037】
次に、図9、図10を参照して上記車両用物体認識装置の動作を説明する。
【0038】
L/R70により前方の物体(障害物)までの距離L1と方位を測定し(ST1)、HDRC50により前方の自車線上を撮像する(ST2)。撮像した画像中から自車線領域を抽出し(ST3)、同領域に存在する物体までの距離L2を測定する。なお、距離L2は、上記式(A)により求める。
【0039】
続いて、距離L1を測定できた物体の中から自車線上のものを選び(ST5)、物体までの距離Lを求める(ST6)。
【0040】
以上の処理において、自車線上に先行車両があると、ST6で求められる物体までの距離Lは、先行車両までの距離となる。この距離は、車両制御部10(図8参照)に送られ、自車1の速度制御等に利用される。また、自車線上に看板3があると、ST6では看板3までの距離となる。
【0041】
ST6で距離が求められた後、検知ビーム2の上下拡がり角が狭くされてから一定時間経過したかどうかを判断し、経過していれば、ビーム設定を元のデフォルト値(通常の状態)に戻す。
【0042】
図10は、上記ST6の具体的な処理を示している。
【0043】
L/R70で検出した自車線上の全物体と撮像装置5で認識した自車線上の全物体との対応をとったかどうかを判定する(ST10)。したがって、ST11以下で、それぞれの物体の対応をとっていく。
【0044】
自車線上の認識物体中から、|L1−L2|<K1の条件を満たす物体を探す。K1は、L/R70による距離測定と撮像装置5による距離測定の誤差であり、比較的小さな値である。この条件を満たす物体が見つかると、その物体を自車線上の物体として認識し、距離L1をその物体までの距離として選択する(ST13)。したがって、自車線上に先行車両が走行していて看板がない場合は、その先行車両が認識され、距離がL1として選択される。また、自車線上に先行車両がなく看板だけがある場合は、その看板が認識され距離が、L1として選択される。自車線上に落下物などの障害物がある場合も同様である。
【0045】
ST11において、自車線上の認識物体中から、|L1−L2|<K1の条件を満たす物体がなければ、自車線上の認識物体中から、|L1−L2|<=K2の条件を満たす物体を探す。K2はK1よりも大きく、且つ、図3に示すように、先行車両5が看板3の下方を通過するとき、又は図4に示すように、先行車両5が看板3の下方を通過したときに生じる距離L1の誤差よりも少し大きな値である。上記条件を満たす物体があれば、その物体を自車線上の物体として認識する。また、そのときの距離として、距離L2を選択する(ST16)。さらに、検知ビーム2が認識物体の中心高さを向くように制御し(ST17)、且つ、検知ビーム2の垂直方向の拡がり角を一定の角度だけ狭くするよう制御する(ST18)。上記条件は、図2、図3に示すように看板3の下方を先行車両6が通過するときに成立するから、このとき、検知ビーム2が看板3にあたらないように、且つ先行車両6の中心高さを向くように制御することで、看板3の影響をなくして先行車両6までの距離を測定することができるようになる。なお、ST14の段階では、距離L1は誤差が生じているために、距離L2が選択される(ST16)ようにしているが、上記ST17、ST18で検知ビームを適切に制御していることから、ST18の後に、先行車両6までの距離をL/R70の検知ビーム2′で測定するようにしても良い。
【0046】
図11、図12に示すように、路面が下方に大きく傾斜しているときには、L/R70で測定した看板3までの距離L1と、撮像装置5で測定した看板3までの距離L2が大きく異なることになる。このような場合、もし、自車線4上に先行車両があると、L/R70により測定される、先行車両までの距離L1と看板3までの距離L1は明白に異なる値となるが、一方では撮像装置5により測定される先行車両までの距離L2と看板3までの距離L2は同じ値となる。つまり、撮像装置5が看板3までの距離を誤って測定する。しかし、この場合は、ST15で抜けるため、距離L1として認識された物体を道路上の物体として認識しない。
【0047】
なお、図8では、撮像装置5と相対位置測定装置7と物体認識部9とを設けているが、物体認識部9の機能を相対位置測定装置7内又は撮像装置5内に設けることも可能である。さらに、撮像装置5内の画像処理部51を物体認識部9内に設けたり、相対位置測定装置7内の相対位置測定部71を物体認識部9内に設けることも可能である。これらは、設計仕様に従い任意に組み合わせることが可能である。
【0048】
以上の処理により、自車線上に看板があった場合でも、先行車両や障害物までの距離を正しく把握することがきる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】検知ビーム2が看板3で反射している状態を示す図
【図2】検知ビーム2が先行車両6とこの先行車両6から十分離れている看板3で反射する状態を示す図
【図3】看板3の下方に先行車両6が到達したときに受信波C1が合成されることを示す図
【図4】看板3の下方を先行車両6が通過したときに受信波C2が合成されることを示す図
【図5】本発明の実施形態である車両用物体認識装置が適用された自車と先行車両との関係を示す図
【図6】撮像装置の取り付け位置を示す図
【図7】撮像画像を示す図
【図8】車両用物体認識装置の構成図
【図9】車両用物体認識装置の動作を示すフローチャート
【図10】車両用物体認識装置の動作を示すフローチャート
【図11】路面が下方傾斜しているときの車両と看板の位置関係を示す図
【図12】路面が下方傾斜しているときの撮像画像を示す図
【符号の説明】
【0050】
1−検知ビーム
3−看板
5−撮像装置
6−先行車両
7−相対位置測定装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前方を電磁波のビームでスキャンし、そのビームの物体からの反射波に基づいて該物体までの距離L1と方位を測定する相対位置測定手段と、
前方の車線上を撮像し画像認識を行うとともに画像認識した車線上の物体までの距離L2を測定する撮像手段と、を備え、
前記相対位置測定手段は、前記距離L1と前記距離L2との差が下記の条件式(1)が満たされるとき、前記ビームの垂直方向の拡がり角度を一定の角度だけ狭くすることを特徴とする車両用物体認識装置。
(1)K1=<|L1−L2|<=K2
但し、K1はゼロ又は予め定めた計測誤差
K2はK1よりも大きく、予め定めた値
【請求項2】
前記相対位置測定手段は、前記条件式(1)が満たされるとき、前記ビームが前記撮像手段で認識した車線上の物体中心高さを向くようにビーム制御を行うことを特徴とする請求項1記載の車両用物体認識装置。
【請求項3】
前記相対位置測定手段は、前記ビームの垂直方向の拡がり角度を一定の角度だけ狭くした後、一定時間が経過すると元の拡がり角度に戻すことを特徴とする請求項1または2記載の車両用物体認識装置。
【請求項1】
前方を電磁波のビームでスキャンし、そのビームの物体からの反射波に基づいて該物体までの距離L1と方位を測定する相対位置測定手段と、
前方の車線上を撮像し画像認識を行うとともに画像認識した車線上の物体までの距離L2を測定する撮像手段と、を備え、
前記相対位置測定手段は、前記距離L1と前記距離L2との差が下記の条件式(1)が満たされるとき、前記ビームの垂直方向の拡がり角度を一定の角度だけ狭くすることを特徴とする車両用物体認識装置。
(1)K1=<|L1−L2|<=K2
但し、K1はゼロ又は予め定めた計測誤差
K2はK1よりも大きく、予め定めた値
【請求項2】
前記相対位置測定手段は、前記条件式(1)が満たされるとき、前記ビームが前記撮像手段で認識した車線上の物体中心高さを向くようにビーム制御を行うことを特徴とする請求項1記載の車両用物体認識装置。
【請求項3】
前記相対位置測定手段は、前記ビームの垂直方向の拡がり角度を一定の角度だけ狭くした後、一定時間が経過すると元の拡がり角度に戻すことを特徴とする請求項1または2記載の車両用物体認識装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2006−258497(P2006−258497A)
【公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−73683(P2005−73683)
【出願日】平成17年3月15日(2005.3.15)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年3月15日(2005.3.15)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【Fターム(参考)】
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