車両用盗難警報装置
【課題】 携帯機や車両用盗難警報装置に設定スイッチ等を設けていなくても、各種の警備態様の設定が可能となるようにした車両用盗難警報装置を提供すること
【解決手段】 センサから入力されたセンサ信号に基づいて異常の有無を判断し、異常と判断した場合に警報出力を異常判定部14bを備えた車両用盗難警報装置10である。車両に設けられるドアの施錠・開錠を行なう錠駆動モータ4に接続され、その接続された錠駆動モータの状態から施錠されたか否かの判定を行なう検出手段と、異常判定手段が警備状態にあるときの警備態様を、複数設定可能な警備態様設定部14aとを備え、警備態様制御部は、検出手段が施錠であると判定するまでの車両のACC電源の状態変化の履歴により警備態様を決定するようにした。
【解決手段】 センサから入力されたセンサ信号に基づいて異常の有無を判断し、異常と判断した場合に警報出力を異常判定部14bを備えた車両用盗難警報装置10である。車両に設けられるドアの施錠・開錠を行なう錠駆動モータ4に接続され、その接続された錠駆動モータの状態から施錠されたか否かの判定を行なう検出手段と、異常判定手段が警備状態にあるときの警備態様を、複数設定可能な警備態様設定部14aとを備え、警備態様制御部は、検出手段が施錠であると判定するまでの車両のACC電源の状態変化の履歴により警備態様を決定するようにした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用盗難警報装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両用盗難警報装置(セキュリティ装置)は各種のものがあり、メーカオプション等と称されるように、新車購入時にその車種に用意された盗難警報装置を組み込んだものを製造し、納車される場合と、盗難警報装置が設置されていない車両のユーザが各種の盗難警報装置を購入し、後付けで取り付ける場合とがあり、実際には、後者の後付のケースが多い。係る車両用盗難警報装置の警備状態(アーム)、非警備状態(ディスアーム)は、通常、専用のリモコン(携帯機)を用いて行なう。つまり、リモコンを携帯するユーザが、リモコンに設けられた操作ボタンを押下等することで、自動車に実装された車載機に警備状態/非警備状態に設定するための指令を通知し、係る通知を受けた車載機が、自動車の盗難警報(監視)を行なう警備状態と、監視を行なわない非警備状態の切り替え設定を行なう。そのため、係る指令を発するための送信機である携帯機と、その携帯機からの信号を受信する車載機が必要となり、製品のローコスト化の阻害要因となる。また、車載機は常に受信状態である必要があり、長時間車両を使用しないときにはバッテリーが消耗するという問題も内在する。
【0003】
一方、最近の一般的な車両はキーレスエントリーシステム(キーレスエントリー)を採用している。このキーレスエントリーシステムは、リモコン操作や、携帯機を持った状態で接近/離反すると、車輌のドア錠が開錠/施錠するものである。そのため、盗難警報装置用の携帯機と、キーレスエントリーシステム用の携帯機の両方を携帯する必要があり、携帯性を損なうばかりか、車両用盗難警報装置と、キーレスエントリーシステムがそれぞれ独立して動作している場合(基本的に車両用盗難警報装置を後付で設置すると、それぞれは独立して動作する)、乗降時に2つの携帯機を操作する必要があり、煩雑である。
【0004】
そして、操作を間違える(一方のみの携帯機しか操作しない・操作の順番を間違える等)と、誤作動の原因となる。すなわち、例えば、車両用盗難警報装置が警備状態のときにキーレスエントリーによる開錠が行われた場合には車両の各種センサやドア開センサが異常であると検出し、警報を発してしまうという問題が発生する。
【0005】
すなわち、メーカオプションで車両用盗難警報装置を取り付けた場合であって、キーレスエントリーシステムも標準あるいはメーカオプション等で設置されている場合には、相互に制御情報を利用することができるため、たとえば携帯機による操作あるいは自動的にドア錠を施錠すると、それを契機として警備状態となり、キーレスエントリーシステムの機能によりドア錠が開錠されると盗難警報装置も非警備状態に切り替わるように制御できる。
【0006】
しかしながら、車両用の盗難警報装置が後付の場合、多種ある車両に併せてキーレスエントリーによる開錠を検出するように盗難警報装置を構成する必要がある。これを実現するためには、車両毎に適合したキーレスエントリー用の受信機を用意する必要があり後付の車両用盗難警報装置が採用する方法としては現実的ではない。
【0007】
このような状況において盗難警報装置の携帯機を廃止して、キーレスエントリーシステムによるドア駆動装置の駆動状態を盗難警報装置に入力することにより、車両ドアが施錠されたときには盗難警報装置もセットして監視状態とし、ドアが開錠されたときには盗難警報装置をリセットし非監視状態とすることが考えられる。このような発想はすでに特許文献1により開示されている。
【特許文献1】特開平6−144158公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述したように盗難警報装置用の携帯機を廃止した場合、以下に示す新たな問題を発生する。盗難警報装置のセキュリティ条件等を設定する場合、通常は携帯機もしくは盗難警報装置に設定スイッチ等を設けて行なうことになるが、携帯機は存在しないため盗難警報装置用の携帯機がないので、必然的に盗難警報装置(車載機)に設定スイッチ等を設けることになる。
【0009】
すると、係る設定スイッチ等の操作性を考えると、盗難警報装置を車内の比較的目立つ場所に設置することになり、賊が車内に侵入してきた際に、盗難警報装置を操作して動作を停止してしまうおそれが高く、保安上問題がある。逆に、盗難警報装置を車内の奥深い場所などに設置した場合には、上記の問題は解消するものの、一旦設置した後で設定スイッチ等の操作を容易に行なうことができない。
【0010】
さらに、盗難警報装置と設定スイッチとを分離し、ケーブル等で接続し、盗難警報装置を車内の奥深い場所に設置した場合には、一旦盗難警報装置を設定した後でも比較的容易に設定の変更が可能となる。しかし、係る構成を取った場合、前記ケーブルを追うことで、賊が車内に設置した盗難警報装置を見つけやすくなり、最初に記載した問題が残る。
【0011】
この発明は上記した課題を解決するもので、その目的は、盗難警報装置(車載機)に設定スイッチ等を設けていなくても、各種の警備態様の設定が可能となるようにし、これにより純正キーレスエントリーシステムの状態により警備状態・非警備状態を行なう車に後付する盗難警報装置であっても、保安性を高めると共にさらなる低コスト化を図ることができる車両用盗難警報装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記した目的を達成するために、本発明に係る車両用盗難警報装置は、入力されたセンサ信号に基づいて異常の有無を判断し、異常と判断した場合に警報出力を異常判定手段を備えた車両用盗難警報装置であって、車両に設けられるドアの施錠・開錠を行なう駆動部もしくは駆動制御部に接続され、その接続された駆動部もしくは駆動制御部の状態から少なくとも施錠されたか否かの判定を行なう検出手段と、前記異常判定手段が警備状態にあるときの警備態様を、複数設定可能な警備態様設定手段とを設け、前記警備態様制御手段は、前記検出手段が施錠であると判定するまでの車両のACC電源の状態変化の履歴により警備態様を決定するように構成した。
【0013】
本発明によれば、盗難警報装置の設定は車両のACC電源の状態変化の履歴により警備態様を決定するようにしたため、盗難警報装置に設定用のスイッチ等を設ける必要がなくなる。車のエンジンキーは正規のユーザが使用するものであるため、施錠検出から所定時間前のキー出力(ACC)の電圧変化のパターン(電源状態の変化の組み合わせ)を検出することにより、それに応じた各種設定を行なうことができる。一例を示すと、「ACCがON→ACCがOFF→施錠」というような履歴があったとする。この場合、ACCがオフになったということはエンジンを切ったことになる。その後に施錠動作が行われた場合には、セキュリティ設定(警備態様)を基本設定の状態、例えば振動センサ、ドップラセンサ、ドア開センサ等の接続されたセンサからの入力を全て有効にしたり、センサの感度を最大にしたりした状態にする。
【0014】
また、「ACCがON→ACCがOFF→ACCがON→ACCがOFF→施錠」というような履歴があったとする。この場合、エンジンを切ってから施錠するまでの所定時間以内に上記のような意図的な操作をすることでセキュリティ設定(警備態様)を基本設定と変えた別の警備態様に設定する。別の警備態様とは、センサが複数接続されている場合に、一部のセンサのみからの入力を有効にしたり、感度を変更したりすることがある。例えば、コンビニエンスストアなどの人通りの多い場所に一時的に駐車する場合には、特に盗難と関係なくても車両の周囲を人が通過したり、車両が振動したりすることがあるので、例えばドア開センサ等の車内に人が侵入してきたことを検知するセンサのみを有効にすることで、誤警報の発生を抑止しつつ、異常状態のときに警報を発することができる。なお、センサ入力を有効にしないとは、センサ自体の動作をOFFにする場合と、センサは動作していて盗難警報装置にセンサからの信号は入力されるもののその入力された信号を無視する(判定に利用しない)場合等を含む。
【0015】
上述したように施錠が行われる所定時間前からのACCがON→OFFになった状態から施錠されるまでの間の電源状態の変化により任意の警備状態状態を設定することを示したが、所定時間を設定しない場合も本発明に含まれる。また、上記の例では、ACCがON→OFFの繰り返し回数を2回目までとして例を示したが、ACCがON→OFFの繰り返しの任意回数により所定の設定を行った警備状態を選択することができる。
【0016】
さらに、ACCの変化の履歴により盗難警報装置の警備態様を決定できるようにしたため、盗難警報装置本体や警報部等に操作部を設けることなく、さらには、専用の携帯機が存在しない場合でも警備態様の設定を行なうことができる。
【0017】
また、前記検出手段は、接続された駆動部もしくは駆動制御部の状態から施錠/開錠の判定を行なう駆動検出手段と、車両に設けられるハザードランプ又はハザード制御部に接続され、ハザードランプの点灯状態を検出する点灯検出手段と、前記駆動検出手段の出力と前記点灯検出手段の出力から正規の開錠/施錠であるか否かを判定する施錠状態検出手段と、を備え、前記施錠状態検出手段の判定結果が正規の開錠の場合は前記異常判定手段を非警備状態に移行し、前記判定結果が正規の施錠の場合は前記異常判定手段を警備状態に移行する警備状態制御手段を備えるようにしてもよい。
【0018】
また、前記ACC電源の状態変化の履歴は、ON/OFFの変化の回数を用いるようにしたり、ACC電源がONとなっている時間が設定された時間以下のものの回数を用いるようにしたりするなどにより求めることができる。
【発明の効果】
【0019】
以上のように、本発明では、ACCの変化の履歴により盗難警報装置の警備態様を決定できるようにしたため、盗難警報装置本体や警報部等に設定スイッチ等の操作部を設けることなく専用の携帯機が存在しない場合でも警備態様の設定を行なうことができる。これにより純正のキーレスエントリーシステムの状態により警備状態・非警備状態を行なう車に後付する車両用盗難警報装置であっても、保安性を高めると共にさらなる低コスト化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図1,図2は本発明の好適な一実施の形態を示している。本実施の形態の車両用盗難警報装置10は、駆動検出部11と、点灯検出部12と、施錠状態検出部13と、盗難警報部14とを備えている。この車両用盗難警報装置10は、車両に実装される。そして、その車両に備えている設備や、その車両に搭載された他の装置等から入力された情報に基づいて異常の有無を判断し、異常を検出した場合には警報部17に対して警報出力する。また、上記の入力された情報に基づいて車両用盗難警報装置10の警備状態と非警備状態の切り替えを行なうようになっている。
【0021】
車両用盗難警報装置10の内部の処理部を説明する前に、外部の設備等を説明する。キーレスエントリーシステムは、ユーザが持つキーレス用携帯機1と、車両に実装される制御信号を受信する受信機2とを備える。受信機2は、携帯機1から受信した制御信号に基づいて、ドア錠を施錠するか開錠するかを判定し、その判定結果に基づいて施錠/開錠信号をモータ制御部3に与える。モータ制御部3は、受信機2から取得した錠制御モータ4を正逆回転駆動させることで施錠,開錠を行なう。また、モータ制御部3は、メカニカルキーによるキー操作に基づく開錠/施錠の制御信号を受け付け、その制御信号の内容に応じて錠制御モータ4を正回転駆動あるいは逆回転駆動させてドア錠を開錠/施錠させるようになっている。
【0022】
なお、キーレス用携帯機1には、施錠スイッチと開錠スイッチが独立して設けられ、キーレス用携帯機1から送られてくる施錠/開錠の制御信号は、施錠命令と開錠命令とが区別される場合と、開錠/施錠スイッチが1つで、キーレス用携帯機1からは1種類の制御信号が送られてきて、受信機2は係る制御信号を受信すると現在の状態を切り替えるように制御する場合がある。つまり、現在施錠状態にある場合には開錠命令を発し、開錠状態にある場合には施錠命令を発する。
【0023】
またキーレス用携帯機1から送られてくる開錠/施錠信号は、上述したようにスイッチ操作に基づいて発信されるものに限られず、定期的に制御信号が発信されるようにし、受信機2は受信した制御信号の受信強度等に基づきキーレス用携帯機1を持ったユーザが車両に接近してきたか、離反していったかを判断し、車両に接近してきた場合に開錠し、車両から離反した場合に施錠するように自動的に開閉制御するものもある。
【0024】
さらに、キーレスエントリーシステムは、キーレス用携帯機1からは、IDコード等の事項を識別する識別情報を発信し、受信機2は対応する正規の識別情報を受信しているときに、車両のドア等に設置されたスイッチが押されたときに、現在の施錠/開錠状態を切り替えるように制御する場合もある。
【0025】
また、車両にはハザードランプ7が設置されているが、ハザード制御部6がこのハザードランプ7の点灯状態を制御する。すなわち、車内に設置されたハザードスイッチ5が押下されると、それに伴いハザード制御部6は、ハザードランプ7を一定間隔で点滅させる。これにより、周囲には、その車両が、駐車中/停車中であることを知らせる。この装置は、通常の車両に搭載されているものである。
【0026】
また、最近では、キーレスエントリーシステムにおけるドア錠の施錠/開錠が行なわれたことを知らせるために、ハザードランプ7を1回或いは複数回点滅させることで、ユーザに施錠/開錠が行なわれたことを通知する機能を備えたものもある。係るシステムに対応すべく、ハザード制御部3は、その受信機(車載機)2等からの通知(制御信号)に伴い、設定された回数だけハザードランプ7を点滅させる。
【0027】
一方、車両用盗難警報装置10は、車両のACC(アクセサリ)電源スイッチ15と、外部装置として異常の有無を検出するための各種センサ16と、異常時に外部に報知するための警報部17とが接続されている。さらに、車両のバッテリー18に接続され、そのバッテリー18から電力供給を受け駆動するように構成される。
【0028】
このセンサ16は、盗難行為その他の異常検知をするためのセンサであり、たとえば、振動センサ,加速度センサ,音圧センサ,ドップラセンサその他各種のセンサを用いることができる。振動センサや加速度センサは、車両に対する振動・衝撃を検出することができる。音圧センサは、ドアの開け閉めに伴う車内の圧力の変動を検知し、人の侵入を推測できる。ドップラセンサは、人の接近/離反を検出し、第三者が車両付近をうろついている場合には異常な行為(車内を外部から物色している等)と推測することができる。図1,図2では、センサ16は2個図示しているが、1個あるいは3個以上設置しても良いのはもちろんである。さらに、センサは、上記の例示列挙したものに限ることはなく、各種のものを用いることができるのは、いうまでもない。
【0029】
次に、車両用盗難警報装置10の内部構造を説明する。駆動検出部11は、車両のドア錠を駆動する錠制御モータ4の両端に配線され、両端間の電圧の変化からモータの回転方向を検出し、施錠/開錠の有無を判定し、その判定結果を施錠状態検出部13に渡す。錠制御モータ4の両端のどちらに電圧がかかったときが施錠もしくは開錠となるかは、例えば駆動検出部11にスイッチを設け、そのスイッチを押しながらキーレスエントリーシステムにより開錠又は施錠を指示し、その時の電圧発生の状態を判定にもちいるようにすればよい。なお、本実施例ではモータの両端に駆動検出部を配線しているが、その他のモータの動作状況が把握できるモータ制御部等に配線しても良い。
【0030】
点灯検出部12はハザードランプ7に接続され、その電圧を監視することで、ハザードランプの点灯状態(点灯の有無)を検出し、その検出結果を施錠状態検出部13に検出結果を渡す。
【0031】
施錠状態検出部13は、駆動検出部11と点灯検出部12の出力からキーレスエントリーシステム等に基づく正規の施錠・開錠かそれ以外による施錠・開錠かを判定するものである。すなわち、最近の車両に標準のように装備されている純正のキーレスエントリーシステムによるドア制御が行われた場合、ハザードランプ7の点滅回数でドア制御の結果を知らせることが行われている。例えば、施錠された場合には、2回点灯し、開錠された場合には1回点灯する。そして、そのハザードランプ7の点灯するタイミングも規定されている。そこで、施錠状態検出部13は、ドア制御部材(錠制御モータ4、モータ制御部3)の動作とハザードの点灯(点滅)から純正のキーレスエントリーシステムによるドア制御の状態を検出する。
【0032】
つまり、例えば、図3に示すように駆動検出部11が施錠又は開錠したと判定したときから所定時間内(T1)にハザードランプ7の点灯検出がされたら、施錠状態検出部13は純正のキーレスエントリーシステムによる施錠・開錠と判定する。
【0033】
一方、不正操作(ピッキングや窓を割っての車内の集中ドアスイッチ等の操作)による開錠の場合にはハザードランプは点灯しないため、図4に示すように駆動検出部11が開錠を検出してから所定時間(T1)経過しても点灯検出部12はハザードランプ7の点灯を検出しない。このような場合、施錠状態検出部13は純正のキーレスエントリーシステムによらない開錠が発生したものと判定する。
【0034】
なお、所定時間T1は車種により異なるため、施錠状態判定部13において適宜許容範囲のウィンドウT2を設けるようにし、T2の範囲内にハザードランプ7が点灯しない場合はピッキング等による不正開錠であると判定するようにすればよい。なおまた、純正のキーレスエントリーシステムに基づく施錠/開錠を検出するための方法としては、上述した実施の形態に限られ無いのはもちろんである。
【0035】
上記の構成とすることにより、純正のキーレスエントリーシステムに基づく開錠と、ピッキング等による不正開錠とを区別することができる。従って、正規の開錠の場合には自動的に非警備状態(リセット:ディスアーム)にして不要な警報を防止することができる。逆に、純正のキーレスエントリーシステムに基づく施錠が行なわれた場合には、自動的に警備状態(セット:アーム)となるようにした。なお、後付のキーレスエントリーシステムでも、オプション等により係る機能を装備している場合には、同様の仕組みにより対応できる。係る機能は、後述する盗難警報部14により実現されている。
【0036】
これにより、盗難警報装置専用の携帯機が不要となり、ユーザはキーレスエントリーシステム用の携帯機のみを携帯すれば良くなる。つまり、複数の携帯機を保持する必要がなく、便利となる。
【0037】
盗難警報部14は、図2に示すように、純正のキーレスエントリーシステムによる施錠/開錠に同期して異常判定部14bを警備状態/非警備状態にする警備状態制御部14cと、ACC電源の電圧状態の変化の履歴から、異常判定部14bの警備態様(入力されるセンサのうち、異常判定に有効に利用するものを選択)を決定する警備態様制御部14aと、警備状態制御部14cの出力と警備態様制御部14aの出力から異常判定を行い警報部17に警報を発生させる異常判定部14bと備えている。
【0038】
施錠状態検出部11から純正のキーレスエントリーシステムによる施錠/開錠情報が出力されると、警備状態制御部14cはその出力に同期して異常判定部14bを制御し、異常判定をして異常時に警報を発する警備状態か、異常判定をしない非警備状態に設定する。
【0039】
異常判定部14bは、警備状態の時にセンサ16からの信号に基づき、異常の有無を判定し、異常と判定した場合には、警報部17を操作して所定の警報を行なう。ここで、本実施の形態では、異常判定ルールとして複数(2種類)の警報態様を備えている。複数の警報態様としては、使用するセンサを替えたり、センサの感度を変更したりすることができる。具体例を示すと、例えばセンサ1がドップラセンサであり、センサ2が振動センサであるものとし、警備態様の種類として第1態様と第2態様があるとした場合、以下のような警備状態を示すものがある。
【0040】
第1態様
マイクロ波センサの感度ならびに振動センサの感度を最大の状態にする。これは、例えば、振動が少なく、人通りも少ない自宅の駐車場などに駐車している場合に確実に異常を検出するために適した態様である。
【0041】
第2態様
マイクロ波センサの感度を車内だけを検出する程度に低くし、振動センサの感度を0(振動センサを無効)という状態にする。これは、大型車両の通行が多く、また車両の周辺に人通りが多い場所(例えば国道沿いのコンビニエンスストア等)に駐車する場合に適した態様である。すなわ、係る場所に駐車した場合、定常状態において車両にかかる振動が比較的大きくなり、上述した第1態様に設定すると、振動センサの出力が大きな値となり、異常ありと誤判断してしまうおそれがある。また、自然の状態で車両の周囲に人の往来があるため、ドップラセンサは、係る人(単にコンビニエンスストアに出入りする人等)を検知してしまい、誤警報を発するおそれがある。そこで、第2態様にすることで、上述した誤警報の発生を未然に抑制すると共に、車内に侵入してくる賊を確実に検出し、正しい警報を発することができるようになる。
【0042】
また、第2態様のように町中で一時的に停車する場合にあわせて感度等を設定した場合、その設定で自宅の駐車場に駐車すると、賊が車内に侵入して初めて警報を発することになり、賊の接近や車両の振動など、車内に侵入する前の行為を検出し、警報を発することができなくなる。しかし、上述したように、2つの態様を切り替えることにより、それぞれの場所において適切な警報を発することができ、かつ、誤警報に発生を未然に防止できる。
【0043】
係る態様の設定切り替えを警備態様制御部14aが行なう。すなわち、警備態様制御部14aは、自動車のACC電源スイッチ15により制御(ON/OFF)されるACC出力電圧を監視し、その変化の履歴により警備状態に移行したとき(施錠状態検出部11がキーレスエントリーシステムによる施錠であると判定したとき)に、その前に行なわれた変化の履歴に対応した警備態様とするものである。
【0044】
具体的な一例を示すと、警備態様制御部14aは、図5(a)に示すように、ACC(アクセサリ)がONの状態からOFFになった後で純正のキーレスエントリーシステムによる施錠があった場合には、第1態様に設定し、図5(b)に示すように、ACC(アクセサリ)がONの状態からOFFになった後で、再度ON→OFFの変化を経た後で純正のキーレスエントリーシステムによる施錠があった場合には、第2態様に設定するように制御する。
【0045】
係るACC出力電圧の変化の履歴の監視は、例えば、ACCがONからOFFに反転したことを契機として、施錠状態検出部13から純正のキーレスエントリーシステムによる施錠があった旨の信号の受信があるか否かと、ACC出力電圧が変化(OFF→ON→OFF)に変化するかを監視する。そして、ACC出力電圧が変化する前に係る施錠があった旨の信号を受信した場合には、第1態様に設定する。なお、係るACC出力電圧の変化と、施錠した旨の信号の出現順番は、車両を走行後に行なわれる通常の降車時の処理と同様である。従って、ユーザは、特に意識することなく通常にエンジンを切り、降車する処理を行なうことで、第1態様が設定される。
【0046】
一方、ACCがONからOFFに反転後に、施錠した旨の信号を受け付ける前に、ACCが一旦ONに反転し、ACCがOFFに再度反転したことを検出し、その後に、施錠した旨の信号を受け付けた場合には、第2態様に設定する。
【0047】
また、例えば、所定時間(T3)分あるいはそれ以上の期間におけるACC出力電圧のデータ(ON/OFFのため1/0)を記憶するリングバッファメモリ等の一時記憶手段を設け、警備態様制御部14aは、所定のサンプリングタイムでACC出力電圧の値(実際にはON/OFF)を取得し、その一時記憶手段に格納する。これにより、常時所定時間(T3)分の履歴データが保存される。
【0048】
そして、施錠状態検出部13が純正のキーレスエントリーシステムによる施錠であると判定した場合、警備態様制御部14は、一時記憶手段にアクセスして、その判定されたときから所定時間T3が前からのACCの変化の履歴を取得し、第1態様と第2態様のいずれに該当するかを判断し、その判断結果に基づいて異常判定部14bに対して警備態様を設定する。
【0049】
また、上記とは逆に、警備態様制御部14aは、開錠状態のときに、最初にACCがONからOFFに反転したことを契機にタイマをスタートとするとともに、ACCの変化の有無を監視し、所定時間T3経過する前に施錠した旨の信号を受信した場合にそれまでのACCの変化の履歴から警備態様を決定するようにしても良い。
【0050】
さらにまた、上述した例では、第2態様を、ACCがON→OFF→ON→OFF→正規の施錠の場合に限定したが、ON→OFFが複数回繰り返した後で正規の施錠があった場合としても良い。
【0051】
さらにまた、簡単に判定する方法として、非警備状態においてACCがONとなっている時間が所定時間以内の場合のみカウントの対象とするようにしてもよい。すなわち、所定時間を比較的短い時間(意識してOFFからONにした後でOFFに戻す行為をする際に要する時間:例えば1秒〜数秒)に設定することにより、図5(a)の場合、該当するONとなったパルスはなく0となるが、図5(b)の場合には、1回カウントされる。よって、該当するパルス(ON)の数が0で正規の施錠がされた場合には、第1態様に設定し、該当するパルス(ON)の数が1で正規の施錠がされた場合には、第2態様に設定する。もちろん、上述したように、ONになった回数が1回は例示であり、2回あるいはそれ以上でも良いし、単純にN回以上(Nは1以上の整数)あった場合としても良い。
【0052】
つまり、通常の動作では、エンジンを始動する場合は、ACCは、OFFからONに変わった後は、ONのままとなり、エンジンを停止し、降車する場合は、ACCは、ONからOFFに変わった後は、OFFのままとなり、小時間だけACCをONにするという行為は行なわないため、上述したように、所定時間以内だけACCがONになった場合には、ユーザが意識的にACC電源スイッチを操作したと判断でき、警備態様の設定操作入力と推定できるためである。
【0053】
また、上述した各例では、いずれも、2つの態様を択一的に選択するようにしたが、3つ以上の態様を用意し、ON→OFFの回数,短い時間のONの回数により、3つ以上の態様のどれかを切り替えるようにしても良い。
【0054】
尚、警備態様制御部14aにより警備態様が決定した場合、警戒LED等がある場合にはその点滅回数によりどの態様で稼動中であるかを示したり、ブザー音等により報知する等すると良い。
【0055】
なおまた、キーにより入り切りされるACCにはオーディオ装置等の電装品の電源として用いられるため、キーによりACCがオフにされた時にも電装品に設けられたコンデンサにより、急峻に電圧が落ちることがなく、キーによる操作を早く行われた場合には電圧状態の変化(1又は0)を検出することができなくなる可能性があるため、適宜スレッショルドを設けて電圧の変化を求めるようにすると良い。
【0056】
このように、ACCの変化の履歴により盗難警報装置の警備態様を決定できるようにしたため、盗難警報装置本体や警報部等に操作部を設けることなく専用の携帯機が存在しない場合でも警備態様の設定を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の好適な一実施の形態を示す図である。
【図2】本発明の好適な一実施の形態を示す図である。
【図3】作用効果を説明する図である。
【図4】作用効果を説明する図である。
【図5】作用効果を説明する図である。
【符号の説明】
【0058】
1 携帯機
2 受信機
3 モータ制御部
4 錠制御モータ
5 ハザードスイッチ
6 ハザード制御部
7 ハザードランプ
10 車両用盗難警報装置
11 駆動検出部
12 点灯検出部
13 施錠状態検出部
14 盗難警報部
14a 警備態様制御部
14b 異常判定部
14c 警備状態制御部
15 ACC電源スイッチ
16 センサ
17 警報部
18 バッテリー
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用盗難警報装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両用盗難警報装置(セキュリティ装置)は各種のものがあり、メーカオプション等と称されるように、新車購入時にその車種に用意された盗難警報装置を組み込んだものを製造し、納車される場合と、盗難警報装置が設置されていない車両のユーザが各種の盗難警報装置を購入し、後付けで取り付ける場合とがあり、実際には、後者の後付のケースが多い。係る車両用盗難警報装置の警備状態(アーム)、非警備状態(ディスアーム)は、通常、専用のリモコン(携帯機)を用いて行なう。つまり、リモコンを携帯するユーザが、リモコンに設けられた操作ボタンを押下等することで、自動車に実装された車載機に警備状態/非警備状態に設定するための指令を通知し、係る通知を受けた車載機が、自動車の盗難警報(監視)を行なう警備状態と、監視を行なわない非警備状態の切り替え設定を行なう。そのため、係る指令を発するための送信機である携帯機と、その携帯機からの信号を受信する車載機が必要となり、製品のローコスト化の阻害要因となる。また、車載機は常に受信状態である必要があり、長時間車両を使用しないときにはバッテリーが消耗するという問題も内在する。
【0003】
一方、最近の一般的な車両はキーレスエントリーシステム(キーレスエントリー)を採用している。このキーレスエントリーシステムは、リモコン操作や、携帯機を持った状態で接近/離反すると、車輌のドア錠が開錠/施錠するものである。そのため、盗難警報装置用の携帯機と、キーレスエントリーシステム用の携帯機の両方を携帯する必要があり、携帯性を損なうばかりか、車両用盗難警報装置と、キーレスエントリーシステムがそれぞれ独立して動作している場合(基本的に車両用盗難警報装置を後付で設置すると、それぞれは独立して動作する)、乗降時に2つの携帯機を操作する必要があり、煩雑である。
【0004】
そして、操作を間違える(一方のみの携帯機しか操作しない・操作の順番を間違える等)と、誤作動の原因となる。すなわち、例えば、車両用盗難警報装置が警備状態のときにキーレスエントリーによる開錠が行われた場合には車両の各種センサやドア開センサが異常であると検出し、警報を発してしまうという問題が発生する。
【0005】
すなわち、メーカオプションで車両用盗難警報装置を取り付けた場合であって、キーレスエントリーシステムも標準あるいはメーカオプション等で設置されている場合には、相互に制御情報を利用することができるため、たとえば携帯機による操作あるいは自動的にドア錠を施錠すると、それを契機として警備状態となり、キーレスエントリーシステムの機能によりドア錠が開錠されると盗難警報装置も非警備状態に切り替わるように制御できる。
【0006】
しかしながら、車両用の盗難警報装置が後付の場合、多種ある車両に併せてキーレスエントリーによる開錠を検出するように盗難警報装置を構成する必要がある。これを実現するためには、車両毎に適合したキーレスエントリー用の受信機を用意する必要があり後付の車両用盗難警報装置が採用する方法としては現実的ではない。
【0007】
このような状況において盗難警報装置の携帯機を廃止して、キーレスエントリーシステムによるドア駆動装置の駆動状態を盗難警報装置に入力することにより、車両ドアが施錠されたときには盗難警報装置もセットして監視状態とし、ドアが開錠されたときには盗難警報装置をリセットし非監視状態とすることが考えられる。このような発想はすでに特許文献1により開示されている。
【特許文献1】特開平6−144158公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述したように盗難警報装置用の携帯機を廃止した場合、以下に示す新たな問題を発生する。盗難警報装置のセキュリティ条件等を設定する場合、通常は携帯機もしくは盗難警報装置に設定スイッチ等を設けて行なうことになるが、携帯機は存在しないため盗難警報装置用の携帯機がないので、必然的に盗難警報装置(車載機)に設定スイッチ等を設けることになる。
【0009】
すると、係る設定スイッチ等の操作性を考えると、盗難警報装置を車内の比較的目立つ場所に設置することになり、賊が車内に侵入してきた際に、盗難警報装置を操作して動作を停止してしまうおそれが高く、保安上問題がある。逆に、盗難警報装置を車内の奥深い場所などに設置した場合には、上記の問題は解消するものの、一旦設置した後で設定スイッチ等の操作を容易に行なうことができない。
【0010】
さらに、盗難警報装置と設定スイッチとを分離し、ケーブル等で接続し、盗難警報装置を車内の奥深い場所に設置した場合には、一旦盗難警報装置を設定した後でも比較的容易に設定の変更が可能となる。しかし、係る構成を取った場合、前記ケーブルを追うことで、賊が車内に設置した盗難警報装置を見つけやすくなり、最初に記載した問題が残る。
【0011】
この発明は上記した課題を解決するもので、その目的は、盗難警報装置(車載機)に設定スイッチ等を設けていなくても、各種の警備態様の設定が可能となるようにし、これにより純正キーレスエントリーシステムの状態により警備状態・非警備状態を行なう車に後付する盗難警報装置であっても、保安性を高めると共にさらなる低コスト化を図ることができる車両用盗難警報装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記した目的を達成するために、本発明に係る車両用盗難警報装置は、入力されたセンサ信号に基づいて異常の有無を判断し、異常と判断した場合に警報出力を異常判定手段を備えた車両用盗難警報装置であって、車両に設けられるドアの施錠・開錠を行なう駆動部もしくは駆動制御部に接続され、その接続された駆動部もしくは駆動制御部の状態から少なくとも施錠されたか否かの判定を行なう検出手段と、前記異常判定手段が警備状態にあるときの警備態様を、複数設定可能な警備態様設定手段とを設け、前記警備態様制御手段は、前記検出手段が施錠であると判定するまでの車両のACC電源の状態変化の履歴により警備態様を決定するように構成した。
【0013】
本発明によれば、盗難警報装置の設定は車両のACC電源の状態変化の履歴により警備態様を決定するようにしたため、盗難警報装置に設定用のスイッチ等を設ける必要がなくなる。車のエンジンキーは正規のユーザが使用するものであるため、施錠検出から所定時間前のキー出力(ACC)の電圧変化のパターン(電源状態の変化の組み合わせ)を検出することにより、それに応じた各種設定を行なうことができる。一例を示すと、「ACCがON→ACCがOFF→施錠」というような履歴があったとする。この場合、ACCがオフになったということはエンジンを切ったことになる。その後に施錠動作が行われた場合には、セキュリティ設定(警備態様)を基本設定の状態、例えば振動センサ、ドップラセンサ、ドア開センサ等の接続されたセンサからの入力を全て有効にしたり、センサの感度を最大にしたりした状態にする。
【0014】
また、「ACCがON→ACCがOFF→ACCがON→ACCがOFF→施錠」というような履歴があったとする。この場合、エンジンを切ってから施錠するまでの所定時間以内に上記のような意図的な操作をすることでセキュリティ設定(警備態様)を基本設定と変えた別の警備態様に設定する。別の警備態様とは、センサが複数接続されている場合に、一部のセンサのみからの入力を有効にしたり、感度を変更したりすることがある。例えば、コンビニエンスストアなどの人通りの多い場所に一時的に駐車する場合には、特に盗難と関係なくても車両の周囲を人が通過したり、車両が振動したりすることがあるので、例えばドア開センサ等の車内に人が侵入してきたことを検知するセンサのみを有効にすることで、誤警報の発生を抑止しつつ、異常状態のときに警報を発することができる。なお、センサ入力を有効にしないとは、センサ自体の動作をOFFにする場合と、センサは動作していて盗難警報装置にセンサからの信号は入力されるもののその入力された信号を無視する(判定に利用しない)場合等を含む。
【0015】
上述したように施錠が行われる所定時間前からのACCがON→OFFになった状態から施錠されるまでの間の電源状態の変化により任意の警備状態状態を設定することを示したが、所定時間を設定しない場合も本発明に含まれる。また、上記の例では、ACCがON→OFFの繰り返し回数を2回目までとして例を示したが、ACCがON→OFFの繰り返しの任意回数により所定の設定を行った警備状態を選択することができる。
【0016】
さらに、ACCの変化の履歴により盗難警報装置の警備態様を決定できるようにしたため、盗難警報装置本体や警報部等に操作部を設けることなく、さらには、専用の携帯機が存在しない場合でも警備態様の設定を行なうことができる。
【0017】
また、前記検出手段は、接続された駆動部もしくは駆動制御部の状態から施錠/開錠の判定を行なう駆動検出手段と、車両に設けられるハザードランプ又はハザード制御部に接続され、ハザードランプの点灯状態を検出する点灯検出手段と、前記駆動検出手段の出力と前記点灯検出手段の出力から正規の開錠/施錠であるか否かを判定する施錠状態検出手段と、を備え、前記施錠状態検出手段の判定結果が正規の開錠の場合は前記異常判定手段を非警備状態に移行し、前記判定結果が正規の施錠の場合は前記異常判定手段を警備状態に移行する警備状態制御手段を備えるようにしてもよい。
【0018】
また、前記ACC電源の状態変化の履歴は、ON/OFFの変化の回数を用いるようにしたり、ACC電源がONとなっている時間が設定された時間以下のものの回数を用いるようにしたりするなどにより求めることができる。
【発明の効果】
【0019】
以上のように、本発明では、ACCの変化の履歴により盗難警報装置の警備態様を決定できるようにしたため、盗難警報装置本体や警報部等に設定スイッチ等の操作部を設けることなく専用の携帯機が存在しない場合でも警備態様の設定を行なうことができる。これにより純正のキーレスエントリーシステムの状態により警備状態・非警備状態を行なう車に後付する車両用盗難警報装置であっても、保安性を高めると共にさらなる低コスト化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図1,図2は本発明の好適な一実施の形態を示している。本実施の形態の車両用盗難警報装置10は、駆動検出部11と、点灯検出部12と、施錠状態検出部13と、盗難警報部14とを備えている。この車両用盗難警報装置10は、車両に実装される。そして、その車両に備えている設備や、その車両に搭載された他の装置等から入力された情報に基づいて異常の有無を判断し、異常を検出した場合には警報部17に対して警報出力する。また、上記の入力された情報に基づいて車両用盗難警報装置10の警備状態と非警備状態の切り替えを行なうようになっている。
【0021】
車両用盗難警報装置10の内部の処理部を説明する前に、外部の設備等を説明する。キーレスエントリーシステムは、ユーザが持つキーレス用携帯機1と、車両に実装される制御信号を受信する受信機2とを備える。受信機2は、携帯機1から受信した制御信号に基づいて、ドア錠を施錠するか開錠するかを判定し、その判定結果に基づいて施錠/開錠信号をモータ制御部3に与える。モータ制御部3は、受信機2から取得した錠制御モータ4を正逆回転駆動させることで施錠,開錠を行なう。また、モータ制御部3は、メカニカルキーによるキー操作に基づく開錠/施錠の制御信号を受け付け、その制御信号の内容に応じて錠制御モータ4を正回転駆動あるいは逆回転駆動させてドア錠を開錠/施錠させるようになっている。
【0022】
なお、キーレス用携帯機1には、施錠スイッチと開錠スイッチが独立して設けられ、キーレス用携帯機1から送られてくる施錠/開錠の制御信号は、施錠命令と開錠命令とが区別される場合と、開錠/施錠スイッチが1つで、キーレス用携帯機1からは1種類の制御信号が送られてきて、受信機2は係る制御信号を受信すると現在の状態を切り替えるように制御する場合がある。つまり、現在施錠状態にある場合には開錠命令を発し、開錠状態にある場合には施錠命令を発する。
【0023】
またキーレス用携帯機1から送られてくる開錠/施錠信号は、上述したようにスイッチ操作に基づいて発信されるものに限られず、定期的に制御信号が発信されるようにし、受信機2は受信した制御信号の受信強度等に基づきキーレス用携帯機1を持ったユーザが車両に接近してきたか、離反していったかを判断し、車両に接近してきた場合に開錠し、車両から離反した場合に施錠するように自動的に開閉制御するものもある。
【0024】
さらに、キーレスエントリーシステムは、キーレス用携帯機1からは、IDコード等の事項を識別する識別情報を発信し、受信機2は対応する正規の識別情報を受信しているときに、車両のドア等に設置されたスイッチが押されたときに、現在の施錠/開錠状態を切り替えるように制御する場合もある。
【0025】
また、車両にはハザードランプ7が設置されているが、ハザード制御部6がこのハザードランプ7の点灯状態を制御する。すなわち、車内に設置されたハザードスイッチ5が押下されると、それに伴いハザード制御部6は、ハザードランプ7を一定間隔で点滅させる。これにより、周囲には、その車両が、駐車中/停車中であることを知らせる。この装置は、通常の車両に搭載されているものである。
【0026】
また、最近では、キーレスエントリーシステムにおけるドア錠の施錠/開錠が行なわれたことを知らせるために、ハザードランプ7を1回或いは複数回点滅させることで、ユーザに施錠/開錠が行なわれたことを通知する機能を備えたものもある。係るシステムに対応すべく、ハザード制御部3は、その受信機(車載機)2等からの通知(制御信号)に伴い、設定された回数だけハザードランプ7を点滅させる。
【0027】
一方、車両用盗難警報装置10は、車両のACC(アクセサリ)電源スイッチ15と、外部装置として異常の有無を検出するための各種センサ16と、異常時に外部に報知するための警報部17とが接続されている。さらに、車両のバッテリー18に接続され、そのバッテリー18から電力供給を受け駆動するように構成される。
【0028】
このセンサ16は、盗難行為その他の異常検知をするためのセンサであり、たとえば、振動センサ,加速度センサ,音圧センサ,ドップラセンサその他各種のセンサを用いることができる。振動センサや加速度センサは、車両に対する振動・衝撃を検出することができる。音圧センサは、ドアの開け閉めに伴う車内の圧力の変動を検知し、人の侵入を推測できる。ドップラセンサは、人の接近/離反を検出し、第三者が車両付近をうろついている場合には異常な行為(車内を外部から物色している等)と推測することができる。図1,図2では、センサ16は2個図示しているが、1個あるいは3個以上設置しても良いのはもちろんである。さらに、センサは、上記の例示列挙したものに限ることはなく、各種のものを用いることができるのは、いうまでもない。
【0029】
次に、車両用盗難警報装置10の内部構造を説明する。駆動検出部11は、車両のドア錠を駆動する錠制御モータ4の両端に配線され、両端間の電圧の変化からモータの回転方向を検出し、施錠/開錠の有無を判定し、その判定結果を施錠状態検出部13に渡す。錠制御モータ4の両端のどちらに電圧がかかったときが施錠もしくは開錠となるかは、例えば駆動検出部11にスイッチを設け、そのスイッチを押しながらキーレスエントリーシステムにより開錠又は施錠を指示し、その時の電圧発生の状態を判定にもちいるようにすればよい。なお、本実施例ではモータの両端に駆動検出部を配線しているが、その他のモータの動作状況が把握できるモータ制御部等に配線しても良い。
【0030】
点灯検出部12はハザードランプ7に接続され、その電圧を監視することで、ハザードランプの点灯状態(点灯の有無)を検出し、その検出結果を施錠状態検出部13に検出結果を渡す。
【0031】
施錠状態検出部13は、駆動検出部11と点灯検出部12の出力からキーレスエントリーシステム等に基づく正規の施錠・開錠かそれ以外による施錠・開錠かを判定するものである。すなわち、最近の車両に標準のように装備されている純正のキーレスエントリーシステムによるドア制御が行われた場合、ハザードランプ7の点滅回数でドア制御の結果を知らせることが行われている。例えば、施錠された場合には、2回点灯し、開錠された場合には1回点灯する。そして、そのハザードランプ7の点灯するタイミングも規定されている。そこで、施錠状態検出部13は、ドア制御部材(錠制御モータ4、モータ制御部3)の動作とハザードの点灯(点滅)から純正のキーレスエントリーシステムによるドア制御の状態を検出する。
【0032】
つまり、例えば、図3に示すように駆動検出部11が施錠又は開錠したと判定したときから所定時間内(T1)にハザードランプ7の点灯検出がされたら、施錠状態検出部13は純正のキーレスエントリーシステムによる施錠・開錠と判定する。
【0033】
一方、不正操作(ピッキングや窓を割っての車内の集中ドアスイッチ等の操作)による開錠の場合にはハザードランプは点灯しないため、図4に示すように駆動検出部11が開錠を検出してから所定時間(T1)経過しても点灯検出部12はハザードランプ7の点灯を検出しない。このような場合、施錠状態検出部13は純正のキーレスエントリーシステムによらない開錠が発生したものと判定する。
【0034】
なお、所定時間T1は車種により異なるため、施錠状態判定部13において適宜許容範囲のウィンドウT2を設けるようにし、T2の範囲内にハザードランプ7が点灯しない場合はピッキング等による不正開錠であると判定するようにすればよい。なおまた、純正のキーレスエントリーシステムに基づく施錠/開錠を検出するための方法としては、上述した実施の形態に限られ無いのはもちろんである。
【0035】
上記の構成とすることにより、純正のキーレスエントリーシステムに基づく開錠と、ピッキング等による不正開錠とを区別することができる。従って、正規の開錠の場合には自動的に非警備状態(リセット:ディスアーム)にして不要な警報を防止することができる。逆に、純正のキーレスエントリーシステムに基づく施錠が行なわれた場合には、自動的に警備状態(セット:アーム)となるようにした。なお、後付のキーレスエントリーシステムでも、オプション等により係る機能を装備している場合には、同様の仕組みにより対応できる。係る機能は、後述する盗難警報部14により実現されている。
【0036】
これにより、盗難警報装置専用の携帯機が不要となり、ユーザはキーレスエントリーシステム用の携帯機のみを携帯すれば良くなる。つまり、複数の携帯機を保持する必要がなく、便利となる。
【0037】
盗難警報部14は、図2に示すように、純正のキーレスエントリーシステムによる施錠/開錠に同期して異常判定部14bを警備状態/非警備状態にする警備状態制御部14cと、ACC電源の電圧状態の変化の履歴から、異常判定部14bの警備態様(入力されるセンサのうち、異常判定に有効に利用するものを選択)を決定する警備態様制御部14aと、警備状態制御部14cの出力と警備態様制御部14aの出力から異常判定を行い警報部17に警報を発生させる異常判定部14bと備えている。
【0038】
施錠状態検出部11から純正のキーレスエントリーシステムによる施錠/開錠情報が出力されると、警備状態制御部14cはその出力に同期して異常判定部14bを制御し、異常判定をして異常時に警報を発する警備状態か、異常判定をしない非警備状態に設定する。
【0039】
異常判定部14bは、警備状態の時にセンサ16からの信号に基づき、異常の有無を判定し、異常と判定した場合には、警報部17を操作して所定の警報を行なう。ここで、本実施の形態では、異常判定ルールとして複数(2種類)の警報態様を備えている。複数の警報態様としては、使用するセンサを替えたり、センサの感度を変更したりすることができる。具体例を示すと、例えばセンサ1がドップラセンサであり、センサ2が振動センサであるものとし、警備態様の種類として第1態様と第2態様があるとした場合、以下のような警備状態を示すものがある。
【0040】
第1態様
マイクロ波センサの感度ならびに振動センサの感度を最大の状態にする。これは、例えば、振動が少なく、人通りも少ない自宅の駐車場などに駐車している場合に確実に異常を検出するために適した態様である。
【0041】
第2態様
マイクロ波センサの感度を車内だけを検出する程度に低くし、振動センサの感度を0(振動センサを無効)という状態にする。これは、大型車両の通行が多く、また車両の周辺に人通りが多い場所(例えば国道沿いのコンビニエンスストア等)に駐車する場合に適した態様である。すなわ、係る場所に駐車した場合、定常状態において車両にかかる振動が比較的大きくなり、上述した第1態様に設定すると、振動センサの出力が大きな値となり、異常ありと誤判断してしまうおそれがある。また、自然の状態で車両の周囲に人の往来があるため、ドップラセンサは、係る人(単にコンビニエンスストアに出入りする人等)を検知してしまい、誤警報を発するおそれがある。そこで、第2態様にすることで、上述した誤警報の発生を未然に抑制すると共に、車内に侵入してくる賊を確実に検出し、正しい警報を発することができるようになる。
【0042】
また、第2態様のように町中で一時的に停車する場合にあわせて感度等を設定した場合、その設定で自宅の駐車場に駐車すると、賊が車内に侵入して初めて警報を発することになり、賊の接近や車両の振動など、車内に侵入する前の行為を検出し、警報を発することができなくなる。しかし、上述したように、2つの態様を切り替えることにより、それぞれの場所において適切な警報を発することができ、かつ、誤警報に発生を未然に防止できる。
【0043】
係る態様の設定切り替えを警備態様制御部14aが行なう。すなわち、警備態様制御部14aは、自動車のACC電源スイッチ15により制御(ON/OFF)されるACC出力電圧を監視し、その変化の履歴により警備状態に移行したとき(施錠状態検出部11がキーレスエントリーシステムによる施錠であると判定したとき)に、その前に行なわれた変化の履歴に対応した警備態様とするものである。
【0044】
具体的な一例を示すと、警備態様制御部14aは、図5(a)に示すように、ACC(アクセサリ)がONの状態からOFFになった後で純正のキーレスエントリーシステムによる施錠があった場合には、第1態様に設定し、図5(b)に示すように、ACC(アクセサリ)がONの状態からOFFになった後で、再度ON→OFFの変化を経た後で純正のキーレスエントリーシステムによる施錠があった場合には、第2態様に設定するように制御する。
【0045】
係るACC出力電圧の変化の履歴の監視は、例えば、ACCがONからOFFに反転したことを契機として、施錠状態検出部13から純正のキーレスエントリーシステムによる施錠があった旨の信号の受信があるか否かと、ACC出力電圧が変化(OFF→ON→OFF)に変化するかを監視する。そして、ACC出力電圧が変化する前に係る施錠があった旨の信号を受信した場合には、第1態様に設定する。なお、係るACC出力電圧の変化と、施錠した旨の信号の出現順番は、車両を走行後に行なわれる通常の降車時の処理と同様である。従って、ユーザは、特に意識することなく通常にエンジンを切り、降車する処理を行なうことで、第1態様が設定される。
【0046】
一方、ACCがONからOFFに反転後に、施錠した旨の信号を受け付ける前に、ACCが一旦ONに反転し、ACCがOFFに再度反転したことを検出し、その後に、施錠した旨の信号を受け付けた場合には、第2態様に設定する。
【0047】
また、例えば、所定時間(T3)分あるいはそれ以上の期間におけるACC出力電圧のデータ(ON/OFFのため1/0)を記憶するリングバッファメモリ等の一時記憶手段を設け、警備態様制御部14aは、所定のサンプリングタイムでACC出力電圧の値(実際にはON/OFF)を取得し、その一時記憶手段に格納する。これにより、常時所定時間(T3)分の履歴データが保存される。
【0048】
そして、施錠状態検出部13が純正のキーレスエントリーシステムによる施錠であると判定した場合、警備態様制御部14は、一時記憶手段にアクセスして、その判定されたときから所定時間T3が前からのACCの変化の履歴を取得し、第1態様と第2態様のいずれに該当するかを判断し、その判断結果に基づいて異常判定部14bに対して警備態様を設定する。
【0049】
また、上記とは逆に、警備態様制御部14aは、開錠状態のときに、最初にACCがONからOFFに反転したことを契機にタイマをスタートとするとともに、ACCの変化の有無を監視し、所定時間T3経過する前に施錠した旨の信号を受信した場合にそれまでのACCの変化の履歴から警備態様を決定するようにしても良い。
【0050】
さらにまた、上述した例では、第2態様を、ACCがON→OFF→ON→OFF→正規の施錠の場合に限定したが、ON→OFFが複数回繰り返した後で正規の施錠があった場合としても良い。
【0051】
さらにまた、簡単に判定する方法として、非警備状態においてACCがONとなっている時間が所定時間以内の場合のみカウントの対象とするようにしてもよい。すなわち、所定時間を比較的短い時間(意識してOFFからONにした後でOFFに戻す行為をする際に要する時間:例えば1秒〜数秒)に設定することにより、図5(a)の場合、該当するONとなったパルスはなく0となるが、図5(b)の場合には、1回カウントされる。よって、該当するパルス(ON)の数が0で正規の施錠がされた場合には、第1態様に設定し、該当するパルス(ON)の数が1で正規の施錠がされた場合には、第2態様に設定する。もちろん、上述したように、ONになった回数が1回は例示であり、2回あるいはそれ以上でも良いし、単純にN回以上(Nは1以上の整数)あった場合としても良い。
【0052】
つまり、通常の動作では、エンジンを始動する場合は、ACCは、OFFからONに変わった後は、ONのままとなり、エンジンを停止し、降車する場合は、ACCは、ONからOFFに変わった後は、OFFのままとなり、小時間だけACCをONにするという行為は行なわないため、上述したように、所定時間以内だけACCがONになった場合には、ユーザが意識的にACC電源スイッチを操作したと判断でき、警備態様の設定操作入力と推定できるためである。
【0053】
また、上述した各例では、いずれも、2つの態様を択一的に選択するようにしたが、3つ以上の態様を用意し、ON→OFFの回数,短い時間のONの回数により、3つ以上の態様のどれかを切り替えるようにしても良い。
【0054】
尚、警備態様制御部14aにより警備態様が決定した場合、警戒LED等がある場合にはその点滅回数によりどの態様で稼動中であるかを示したり、ブザー音等により報知する等すると良い。
【0055】
なおまた、キーにより入り切りされるACCにはオーディオ装置等の電装品の電源として用いられるため、キーによりACCがオフにされた時にも電装品に設けられたコンデンサにより、急峻に電圧が落ちることがなく、キーによる操作を早く行われた場合には電圧状態の変化(1又は0)を検出することができなくなる可能性があるため、適宜スレッショルドを設けて電圧の変化を求めるようにすると良い。
【0056】
このように、ACCの変化の履歴により盗難警報装置の警備態様を決定できるようにしたため、盗難警報装置本体や警報部等に操作部を設けることなく専用の携帯機が存在しない場合でも警備態様の設定を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の好適な一実施の形態を示す図である。
【図2】本発明の好適な一実施の形態を示す図である。
【図3】作用効果を説明する図である。
【図4】作用効果を説明する図である。
【図5】作用効果を説明する図である。
【符号の説明】
【0058】
1 携帯機
2 受信機
3 モータ制御部
4 錠制御モータ
5 ハザードスイッチ
6 ハザード制御部
7 ハザードランプ
10 車両用盗難警報装置
11 駆動検出部
12 点灯検出部
13 施錠状態検出部
14 盗難警報部
14a 警備態様制御部
14b 異常判定部
14c 警備状態制御部
15 ACC電源スイッチ
16 センサ
17 警報部
18 バッテリー
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力されたセンサ信号に基づいて異常の有無を判断し、異常と判断した場合に警報出力を発する異常判定手段を備えた車両用盗難警報装置において、
車両に設けられるドアの施錠・開錠を行なう駆動部もしくは駆動制御部に接続され、その接続された駆動部もしくは駆動制御部の状態から少なくとも施錠されたか否かの判定を行なう検出手段と、
前記異常判定手段が警備状態にあるときの警備態様を、複数設定可能な警備態様設定手段とを設け、
前記警備態様制御手段は、前記検出手段が施錠であると判定するまでの車両のACC電源の状態変化の履歴により警備態様を決定することを特徴とする車両用盗難警報装置。
【請求項2】
前記検出手段は、
接続された駆動部もしくは駆動制御部の状態から施錠/開錠の判定を行なう駆動検出手段と、
車両に設けられるハザードランプ又はハザード制御部に接続され、そのハザードランプの点灯状態を検出する点灯検出手段と、
前記駆動検出手段の出力と前記点灯検出手段の出力から正規の開錠/施錠であるか否かを判定する施錠状態検出手段と、を備え、
前記施錠状態検出手段の判定結果が正規の開錠の場合は前記異常判定手段を非警備状態に移行し、前記判定結果が正規の施錠の場合は前記異常判定手段を警備状態に移行する警備状態制御手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の車両用盗難警報装置。
【請求項3】
前記ACC電源の状態変化の履歴は、前記ACC電源のON/OFFの変化の回数を用いることを特徴とする請求項1または2に記載の車両用盗難警報装置。
【請求項4】
前記ACC電源の状態変化の履歴は、前記ACC電源がONとなっている時間が設定された時間以下のものの回数を用いることを特徴とする請求項1または2に記載の車両用盗難警報装置。
【請求項1】
入力されたセンサ信号に基づいて異常の有無を判断し、異常と判断した場合に警報出力を発する異常判定手段を備えた車両用盗難警報装置において、
車両に設けられるドアの施錠・開錠を行なう駆動部もしくは駆動制御部に接続され、その接続された駆動部もしくは駆動制御部の状態から少なくとも施錠されたか否かの判定を行なう検出手段と、
前記異常判定手段が警備状態にあるときの警備態様を、複数設定可能な警備態様設定手段とを設け、
前記警備態様制御手段は、前記検出手段が施錠であると判定するまでの車両のACC電源の状態変化の履歴により警備態様を決定することを特徴とする車両用盗難警報装置。
【請求項2】
前記検出手段は、
接続された駆動部もしくは駆動制御部の状態から施錠/開錠の判定を行なう駆動検出手段と、
車両に設けられるハザードランプ又はハザード制御部に接続され、そのハザードランプの点灯状態を検出する点灯検出手段と、
前記駆動検出手段の出力と前記点灯検出手段の出力から正規の開錠/施錠であるか否かを判定する施錠状態検出手段と、を備え、
前記施錠状態検出手段の判定結果が正規の開錠の場合は前記異常判定手段を非警備状態に移行し、前記判定結果が正規の施錠の場合は前記異常判定手段を警備状態に移行する警備状態制御手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の車両用盗難警報装置。
【請求項3】
前記ACC電源の状態変化の履歴は、前記ACC電源のON/OFFの変化の回数を用いることを特徴とする請求項1または2に記載の車両用盗難警報装置。
【請求項4】
前記ACC電源の状態変化の履歴は、前記ACC電源がONとなっている時間が設定された時間以下のものの回数を用いることを特徴とする請求項1または2に記載の車両用盗難警報装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【公開番号】特開2007−118897(P2007−118897A)
【公開日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−317409(P2005−317409)
【出願日】平成17年10月31日(2005.10.31)
【出願人】(391001848)ユピテル工業株式会社 (238)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年10月31日(2005.10.31)
【出願人】(391001848)ユピテル工業株式会社 (238)
【Fターム(参考)】
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