説明

車両用表示器の照明装置

【課題】 発光ダイオードが発する熱を効率良く放熱しつつ、奥行き寸法を低減可能な車両用表示器の照明装置を提供する。
【解決手段】 発光ダイオード3が実装される回路基板としてフレキシブルプリント基板4を採用し、フレキシブルプリント基板4を、第1伝熱部材5の導光板2の側面21と対向する面である側面51、第1伝熱部材5の導光板2の表面22側の面である表面52、および第2伝熱部材6の導光板2側の面である表面61の3つの面に折り曲げて密着固定した。これにより、従来の照明装置のメタルベース基板が必要とした発光ダイオードの両側の3mmの余裕代を不要として、発光ダイオード3が発する熱を効率良く放熱しつつ、照明ユニット1の奥行き寸法hを、従来の照明装置のメタルベース基板の場合よりも小さくすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用計器等の表示器の、照明装置に関するものであり、自動車等に用いて好適である。
【背景技術】
【0002】
従来の車両用表示器の照明装置として、導光板の側面に対向して発光ダイオードを配置し、発光ダイオードから導光板の側面に入射した光を、導光板の表面から照明光として出射させる照明装置が知られている。
【0003】
ところで、発光ダイオードは発光に伴って発熱し、且つ被熱により劣化する特性を有するので、発光ダイオードが発する熱を放熱する必要がある。
【0004】
そこで、発光ダイオードが実装されるプリント基板として金属板をベースとした金属系配線板を採用して放熱性を向上させた照明装置が提案されている(特許文献1参照)
【特許文献1】特開2004−279263号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般に、車両用表示器は自動車等の運転席前方のインストルメントパネル内に乗員が視認可能に組み込まれている。近年、インストルメントパネル周辺に配置される各種機器、たとえば空調装置、エアバッグシステム等の高機能化に対応するため、インストルメントパネルの小型化、特に視認方向寸法である奥行き寸法の低減の強い要求がある。これにともない、車両用表示器の照明装置においても、奥行き寸法を低減する、すなわち薄型化することが必要となっている。
【0006】
上述した従来の車両用表示器の照明装置に用いられている金属系配線板、すなわちメタルベース基板の製造工程においては、プレス加工等による切断工程がある。この切断工程において配線パターンを損傷させる、たとえば銅箔等の配線パターンが引きずられてベースの金属板に接触すること等を防止するために、メタルベース基板の切断位置を、配線パターンから所定の距離、たとえば1.5mm離れた位置に設定している。
【0007】
上述した従来の車両用表示器の照明装置では、メタルベース基板は導光板の側面に対向して、すなわち導光板の厚さ方向に沿って配置されるとともに、発光ダイオードはメタルベース基板の導光板側表面に実装されている。
【0008】
導光板の厚さ寸法は、発光ダイオードの直径寸法あるいは相当寸法と同等となっている。
【0009】
一方、メタルベース基板の導光板の厚さ方向寸法は、メタルベース基板の発光ダイオード用配線パターン寸法、すなわち発光ダイオードの導光板の厚さ方向寸法よりも少なくとも3mm(1.5mm×2)大きいものとなる。
【0010】
このため、従来の車両用表示器の照明装置では、メタルベース基板の導光板の厚さ方向寸法が導光板の厚さ寸法よりも大きくなり、車両用表示器の照明装置の奥行き寸法を低減することが困難となっている。
【0011】
本発明は、上記の問題点に鑑みなされたもので、発光ダイオードを実装する回路基板の構成に工夫を凝らして、発光ダイオードが発する熱を効率良く放熱しつつ、奥行き寸法を低減可能な車両用表示器の照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は上記目的を達成する為、以下の技術的手段を採用する。
【0013】
本発明の請求項1に記載の車両用表示器の照明装置は、導光板と、導光板の側面に対向して配置された発光ダイオードと、発光ダイオードが実装された回路基板とを備え、発光ダイオードから導光板の側面に入射した光を導光板の表面から照明光として出射させる車両用表示器の照明装置であって、発光ダイオードを挟み側面と対向する位置に配置された第1伝熱部材を備え、回路基板としてフレキシブルプリント基板が用いられ、フレキシブルプリント基板は第1伝熱部材の側面と対向する面に密着固定され、且つフレキシブルプリント基板の一部は第1伝熱部材における導光板の表面側の面に折り曲げて密着固定されることを特徴としている。
【0014】
フレキシブルプリント基板は、樹脂等の電気絶縁材料からなる柔軟なフィルムに薄い電気導体、たとえば銅箔を貼着して回路パターンを形成したものであり、必要に応じて折り曲げることが可能である。
【0015】
ところで、従来のメタルベース基板を用いた照明装置においては、メタルベース基板の端部を発光ダイオード実装部分より少なくとも1.5mm外側にとる、言い換えると、第1伝熱部材に相当する金属板における照明装置の光照射方向寸法を発光ダイオードの寸法より3mm長くする必要があった。
【0016】
これに対して、本発明の請求項1に記載の車両用表示器の照明装置においては、発光ダイオードが実装されたフレキシブルプリント基板を発光ダイオードの直近で折り曲げることが可能であり、フレキシブルプリント基板が密着固定される第1伝熱部材の厚さ寸法(照明装置の光照射方向の寸法)を発光ダイオードの寸法とほぼ同等とすることができる。すなわち、上述した従来の照明装置のメタルベース基板における3mmの余裕代を省略することができる。
【0017】
これにより、発光ダイオードが発する熱を効率良く放熱しつつ、奥行き寸法を低減可能な車両用表示器の照明装置を提供することができる。
【0018】
本発明の請求項2に記載の車両用表示器の照明装置は、フレキシブルプリント基板の一部は第1伝熱部材における導光板の裏面側の面に折り曲げて密着固定されることを特徴としている。
【0019】
これにより、フレキシブルプリント基板と第1伝熱部材との接触面積、つまり接合面積を増大させて、フレキシブルプリント基板と第1伝熱部材との接合強度を向上することができる。
【0020】
本発明の請求項3に記載の車両用表示器の照明装置は、第1伝熱部材にはヒートパイプが密着することを特徴としている。
【0021】
第1伝熱部材として、熱の良導体、たとえばアルミニウムが用いられる。
【0022】
ヒートパイプは、金属等のパイプ内に熱媒体を封入し、熱媒体の相変化を利用して熱伝達を行うものであり、熱伝導性が非常に高い。
【0023】
したがって、第1伝熱部材にヒートパイプを密着させることにより、発光ダイオードが発する熱を効率良く放熱させて発光ダイオードの点灯中における発光ダイオード温度を低下させることができる。
【0024】
本発明の請求項4に記載の車両用表示器の照明装置は、導光板の裏面側に導光板に沿って配置された第2伝熱部材を備え、第2伝熱部材は第1伝熱部材に熱伝導可能に固定され、フレキシブルプリント基板の一部は第2伝熱部材における導光板側の面に折り曲げて密着固定されることを特徴としている。
【0025】
このような構成とすれば、発光ダイオードが発する熱が伝達される部材重量が増大する、言い換えると発光ダイオードが発する熱が伝達される部材の熱容量が増大する。
【0026】
これにより、発光ダイオードが発する熱をより素早く放散させて発光ダイオードの点灯中における発光ダイオード温度を低下させることができる。
【0027】
また、フレキシブルプリント基板を第1伝熱部材および第2伝熱部材に密着固定することにより、フレキシブルプリント基板の接触面積、つまり接合面積を増大させて、フレキシブルプリント基板と第1伝熱部材および第2伝熱部材との接合強度を向上することができる。
【0028】
この場合、本発明の請求項5に記載の車両用表示器の照明装置のように、第1伝熱部材および第2伝熱部材にヒートパイプを密着させた構成とすれば、発光ダイオードが発する熱を効率良く放熱させて発光ダイオードの点灯中における発光ダイオード温度を低下させることができる。
【0029】
本発明の請求項6に記載の車両用表示器の照明装置は、第2伝熱部材の導光板と反対側の面には放熱器が密着固定されることを特徴としている。
【0030】
この構成によれば、発光ダイオードが発する熱を効率良く放熱させることができる。
【0031】
この場合、本発明の請求項7に記載の車両用表示器の照明装置のように、ヒートパイプの一部を放熱器に直接接触させる構成とすれば、発光ダイオードが発する熱を一層効率良く放熱させることができる。
【0032】
本発明の請求項8に記載の車両用表示器の照明装置は、放熱器を通過する空気の流れを生じさせる送風機を備えることを特徴としている。
【0033】
この構成によれば、発光ダイオードが発する熱をより一層効率良く放熱させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下、本発明による車両用表示器の照明装置を、車両のインストルメントパネルに設置された表示器100の照明装置としての照明ユニット1に適用した場合を例に図面に基づいて説明する。表示器100の具体的な用途としては、ナビゲーションシステム、あるいはスピードメータ、タコメータ等の計器がある。
【0035】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態による照明ユニット1の正面図である。
【0036】
図2は、本発明の第1実施形態による照明ユニット1が装着される表示器100の断面図であり、図1のII−II線断面図に相当する。
【0037】
図3は、図2中のIII矢視図である。
【0038】
図4は、図2中のIV−IV線断面図である。
【0039】
図5は、図1中のV−V線断面図である。
【0040】
図6は、図3中のVI−VI線断面図である。
【0041】
図7は、図3中のVII−VII線断面図である。
【0042】
表示器100は、図2に示すように、カバー101、液晶パネル102および液晶パネル102の背面側(図2の下側)に配置される照明ユニット1等から構成されている。
【0043】
カバー101は、たとえば樹脂材料等から形成され、液晶パネル102および照明ユニットを収容保持している。
【0044】
液晶パネル102は、図2に示すように、カバー101内に支持されている。液晶パネル102としては、たとえばTFT液晶、あるいはSTN液晶が用いられる。液晶パネル102の裏側、つまり図2の下側には、液晶パネル100を透過照明するための照明ユニット1が配置されている。
【0045】
以下、照明ユニット1の構成について説明する。
【0046】
照明ユニット1は、大きくは、図2に示すように、導光板2、発光ダイオード3、発光ダイオード3が実装されるフレキシブルプリント基板4、発光ダイオード3が発する熱を照明ユニット1外部へ放散させて発光ダイオード3の温度を所定範囲に維持するための第1伝熱部材5および第2伝熱部材6等から構成されている。
【0047】
導光板2は、透光性材質、たとえば無色透明のポリカーボネート樹脂から平板状に形成されている。導光板2は、側面21から入射した発光ダイオード3からの光を内部に導き、導光板2の表面22から照明光として出射させるものである。
【0048】
導光板2の裏面23には、図2に示すように、反射シート11が配置されている。反射シート11は、たとえば白色に着色された樹脂フィルム等から形成され、導光板2内を進行する光を導光板2の表面22へ向けて反射することにより、表面22から出射する光量を増大させて発光ダイオード3が発する光の利用効率を高めている。
【0049】
導光板2の表面22には、図2に示すように、拡散シート10が配置されている。拡散シート10は、たとえば透光性の樹脂フィルム等から形成され、反射シート11で反射して導光板2の表面22から出射した光を拡散反射することにより、導光板2の表面22から照射される光の輝度を表面22全域において均一化している。
【0050】
発光ダイオード3は、本発明の第1実施形態による照明ユニット1においては、発光色が白色のいわゆる白色発光ダイオードが用いられている。発光ダイオード3は、表面実装用のチップタイプが用いられている。発光ダイオード3は、本発明の第1実施形態による照明ユニット1においては、図1に示すように、10個実装されている。発光ダイオード3は、図2に示すように、後述するフレキシブルプリント基板4に実装され、且つ導光板2の側面21に対向して配置されている。すなわち、発光ダイオード3は、図2中において右方向へ向けて光を出射する。なお、発光ダイオード3の個数が10個である必要は無く、導光板2の発光面積、要求照度等の条件に応じて変更可能である。
【0051】
発光ダイオード3が実装される回路基板として、本発明の第1実施形態による照明ユニット1においては、フレキシブルプリント基板4が用いられている。フレキシブルプリント基板4は、たとえば、ポリイミド樹脂フィルム、ポリエステル樹脂フィルム等の電気絶縁性フィルムに、銅箔等の導体パターンを印刷したもの等が用いられる。フレキシブルプリント基板4は、上述の構成により柔軟性を具備し、容易に折り曲げることができる。フレキシブルプリント基板4は、図1に示すように、外部の電気回路に接続されて各発光ダイオード3に電力を供給するためのフィーダー部41が設けられている。
【0052】
上述した発光ダイオード3を挟み導光板2の側面21と対向する位置には、図2に示すように、第1伝熱部材5が配置されている。第1伝熱部材5は、熱伝導性に優れる材質、たとえば、アルミニウム、銅等から細長い角材状に形成されている。第1伝熱部材5の導光板2の側面と対向する面である側面51と、第1伝熱部材5の導光板2の表面22側の面である表面52には、図2に示すように、フレキシブルプリント基板4が折り曲げられて密着固定されている。フレキシブルプリント基板4は、第1伝熱部材5に、たとえば接着等により固定されている。
【0053】
導光板2の裏面23側には、導光板2に沿って、図2に示すように、第2伝熱部材6が配置されている。第2伝熱部材6は、熱伝導性に優れる材質、たとえば、アルミニウム、銅等から略板状に形成されている。第2伝導部材6は、図2に示すように、第1伝熱部材5に熱伝導可能なように密着させて固定されている。第2伝導部材6には、図5に示すように、第1伝熱部材5を固定するためのめねじ孔64が設けられている。すなわち、図5に示すように、ボルト12をめねじ孔64にねじ込むことにより、第2伝熱部材6が第1伝熱部材5に固定される。ここで、両者を固定する前に、第1伝熱部材5および第2伝熱部材6の接合面には、たとえばシリコングリス等が塗布される。これにより、両者がボルト12により結合後に両者の接合面に生じる微細な隙間をシリコングリスで充填して、第1伝熱部材5および第2伝熱部材6間の熱伝導を良好なものとしている。第2伝熱部材6には、フレキシブルプリント基板4の一部が、図2に示すように、第2伝熱部材6の導光板2側の面である表面61に折り曲げて密着固定されている。フレキシブルプリント基板4は、第2伝熱部材6に、たとえば接着等により固定されている。第2伝熱部材6には、図4に示すように、肉抜き孔63が設けられている。肉抜き孔63は、発光ダイオード3が発する熱を放散させる機能を妨げないような位置、形状に形成されている。肉抜き孔63を設けることにより、照明ユニット1を軽量化することができる。
【0054】
ヒートパイプ7が、図2に示すように、第1伝熱部材5および第2伝熱部材6に密着するように配置されている。ヒートパイプは、一般的には、金属等のパイプ内に熱媒体を封入し、熱媒体の相変化を利用して熱伝達を行うものであり、熱伝導性が非常に高い。ヒートパイプは目的に応じて、様々な形状、特性のものが汎用品として市販されている。ヒートパイプ7は、本発明の第1実施形態による照明ユニット1においては、図4に示すように、略L字状に形成されるとともに、第2伝熱部材6に設けられた溝62内に収容されている。溝62の形状は、その内部にヒートパイプ7がほぼ全面に亘り密着するような形状に形成されている。ヒートパイプ7を第2伝熱部材6の溝62内に装着する際は、予め、ヒートパイプ7の表面、第1伝熱部材5の裏面53および第2伝熱部材6の溝62の壁面にシリコングリス等が塗布されている。これにより、ヒートパイプ7および溝62間に生じる微細な隙間をシリコングリスで充填して、ヒートパイプ7、第1伝熱部材5および第2伝熱部材6の3者間の熱伝導を良好なものとしている。
【0055】
第1伝熱部材5、第2伝熱部材2およびヒートシンク7を上述のように配置したことにより、発光ダイオード3の点灯時に発光ダイオード3が発生する熱を第2伝熱部材へ伝導することができる。
【0056】
第2伝熱部材6の導光板2と反対側の面(図2において下側の面)である裏面65には、放熱器であるヒートシンク8が配置されている。ヒートシンク8は、熱伝導性に優れる材質、たとえば、アルミニウム等から角筒状に形成されている。ヒートシンク8の内側には、図6に示すように、複数個の薄いフィン81が筒の軸と平行に形成されている。ヒートシンク8は、第2伝熱部材6にボルト(図示せず)等により固定されている。ヒートシンク8を第2伝熱部材6に固定する際は、予め、ヒートシンク8および第2伝熱部材6の裏面65にシリコングリス等が塗布されている。これにより、ヒートシンク8および第2伝熱部材6間に生じる微細な隙間をシリコングリスで充填して、ヒートシンク8および第2伝熱部材6間の熱伝導を良好なものとしている。
【0057】
第2伝熱部材6の裏面65上且つ角筒状のヒートシンク8の一端側には、図3に示すように、ヒートシンク8を通過する空気の流れを生じさせる送風機9が配置されている。送風機9は、たとえば遠心式ファンが用いられている。送風機9は、図3に示すように、翼車92が駆動用の電動機93の回転軸93aに固定されている。翼車92および電動機93は、たとえば樹脂製のケーシング91に収容されている。翼車92は、図7に示すように、複数個のブレード92aが回転軸Cを中心として放射状に配置されている。電動機93に駆動されて翼車92が、図7において反時計回りに回転すると、空気は、ケーシング91に設けられた空気取入れ口91aから吸い込まれ、図7中の矢印の方向に流れて吐出口91bからヒートシンク8内へ向かって流出する。
【0058】
以上説明した本発明の第1実施形態による照明ユニット1においては、発光ダイオード3が実装される回路基板としてフレキシブルプリント基板4を採用した。そして、フレキシブルプリント基板4を、第1伝熱部材5の導光板2の側面21と対向する面である側面51、第1伝熱部材5の導光板2の表面22側の面である表面52、および第2伝熱部材6の導光板2側の面である表面61の3つの面に折り曲げて密着固定されている。
【0059】
この構成によれば、フレキシブルプリント基板4は発光ダイオード3の導光板2の表面22側端部および裏面23側端部それぞれの直近で折り曲げられている。
【0060】
これにより、従来の照明装置のメタルベース基板において必要とされている発光ダイオードの両側の3mmの余裕代を省略することができる。すなわち、図2中の寸法hである照明ユニット1の奥行き寸法を、従来の照明装置のメタルベース基板の場合よりも小さくすることができる。したがって、表示器100の奥行き寸法、つまり図2中の寸法Hを小さくして、表示器100のインストルメントパネルへの搭載性を高めることができる。
【0061】
また、以上説明した本発明の第1実施形態による照明ユニット1においては、第1伝熱部材5および第2伝熱部材6にヒートパイプ7を密着させて配置するとともに、第2伝熱部材6の裏面65に、ヒートシンク8およびヒートシンク8を通過する空気流を生じさせる送風機9を配置した。
【0062】
これにより、発光ダイオード3の点灯時において、発光ダイオード3から発生し第1伝熱部材5へ伝導された熱を素早く第2伝熱部材6へ伝達しすることができる。さらに、ヒートパイプ7を介して第2伝熱部材6へ高効率で伝達された発光ダイオード3が発生した熱を、効果的に空気中へ放散することができる。したがって、発光ダイオード3の温度を所定値以下に確実に維持できる。また、発光ダイオード3からの熱を素早く伝達させて複数個の発光ダイオード3の温度をほぼ一様に保つことができる。
【0063】
以上により、発光ダイオード3が発する熱を効率良く放熱しつつ、奥行き寸法hを低減可能な照明ユニット1を実現できる。
【0064】
ところで、以上説明した本発明の第1実施形態による照明ユニット1においては、第2伝熱部材6の裏面65にヒートシンク8および送風機9が取り付けられており、照明ユニット1の奥行き寸法hには、厳密にはヒートシンク8および送風機9の内どちらか突出している方を含めるべきである。通常、表示器100のインストルメントパネルへの搭載に際しては、液晶パネル102の周縁部における奥行き寸法Hが重要となる。すなわち、インストルメントパネルにおいて、液晶パネル102の周縁部では隣接配置される他の機器等との間隔が厳しくなっている。ところが、液晶パネル102の中央部では隣接配置される他の機器等との間隔に比較的余裕がある。したがって、照明ユニット1の奥行き寸法hは、ヒートシンク8および送風機9を含めないものとしても実質的には問題ない。
【0065】
なお、以上説明した本発明の第1実施形態による照明ユニット1では、第2伝熱部材6の裏面65にヒートシンク8および送風機9を備えているが、必要に応じて、送風機9を省略する、あるいはヒートシンク8および送風機9を省略してもかまわない。
【0066】
(第2実施形態)
図8に、本発明の第2実施形態による照明ユニット1が装着される表示器100の断面図を示す。
これは、図1のII−II線断面図に相当する。
【0067】
本発明の第2実施形態による照明ユニット1は、本発明の第1実施形態による照明ユニット1に対して、以下の点が異なる。すなわち、第2伝熱部材6、ヒートシンク8および送風機9を廃止するとともに、フレキシブルプリント基板4の一部を、図8に示すように、第1伝熱部材5の裏面53へ折り曲げて密着固定している。
【0068】
この場合、ヒートパイプ7は、本発明の第1実施形態におけるような略L字状ではなく、真っ直ぐな棒状のものが第1伝熱部材5の長手方向に沿って組み込まれている。
【0069】
本発明の第2実施形態による照明ユニット1においても、発光ダイオード3が発する熱を効率良く放熱しつつ、奥行き寸法hを低減可能な照明ユニット1を実現できる。
【0070】
特に、発光ダイオード3から発生される総熱量が比較的少ない場合には、部品点数を低減できるのでコスト的に有利である。
【0071】
(第3実施形態)
図9に、本発明の第2実施形態による照明ユニット1が装着される表示器100の断面図を示す。
これは、図1のII−II線断面図に相当する。
【0072】
本発明の第3実施形態による照明ユニット1は、上述した本発明の第2実施形態による照明ユニット1に対して、ヒートパイプ7を省略した点のみが異なる。
【0073】
本発明の第3実施形態による照明ユニット1においても、発光ダイオード3が発する熱を効率良く放熱しつつ、奥行き寸法hを低減可能な照明ユニット1を実現できる。
【0074】
特に、発光ダイオード3から発生される総熱量が比較的少ない場合には、部品点数を低減できるのでコスト的に有利である。
【0075】
なお、以上説明した、本発明の第1〜第3実施形態による照明ユニット1においては、光源である発光ダイオード3の個数を10個としているが、10個である必要は無く、必要に応じて増減してよい。。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明の第1実施形態による照明ユニット1の正面図である。
【図2】本発明の第1実施形態による照明ユニット1が装着される表示器100の断面図であり、図1のII−II線断面図に相当する。
【図3】図2中のIII矢視図である。
【図4】図2中のIV−IV線断面図である。
【図5】図1中のV−V線断面図である。
【図6】図3中のVI−VI線断面図である。
【図7】図3中のVII−VII線断面図である。
【図8】本発明の第2実施形態による照明ユニット1が装着される表示器100の断面図であり、図1のII−II線断面図に相当する。
【図9】本発明の第3実施形態による照明ユニット1が装着される表示器100の断面図であり、図1のII−II線断面図に相当する。
【符号の説明】
【0077】
1 照明ユニット(車両用表示器の照明装置)
2 導光板
21 側面
22 表面
23 裏面
3 発光ダイオード
4 フレキシブルプリント基板(回路基板)
5 第1伝熱部材
51 側面
52 表面
53 裏面
6 第2伝熱部材
61 表面
62 溝
63 肉抜き孔
64 めねじ孔
65 裏面
7 ヒートパイプ
8 ヒートシンク(放熱器)
81 フィン
9 送風機
91 ケーシング
92 翼車
92a ブレード
93 電動機
10 拡散シート
11 反射シート
100 表示器(車両用表示器)
101 カバー
102 液晶パネル
C 回転軸
H 奥行き寸法
h 奥行き寸法

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導光板と、
前記導光板の側面に対向して配置された発光ダイオードと、
前記発光ダイオードが実装された回路基板とを備え、
前記発光ダイオードから前記導光板の前記側面に入射した光を前記導光板の表面から照明光として出射させる車両用表示器の照明装置であって、
前記発光ダイオードを挟み前記側面と対向する位置に配置された第1伝熱部材を備え
前記回路基板としてフレキシブルプリント基板が用いられ、
前記フレキシブルプリント基板は前記第1伝熱部材の前記側面と対向する面に密着固定され、且つ前記フレキシブルプリント基板の一部は前記第1伝熱部材における前記導光板の表面側の面に折り曲げて密着固定されることを特徴とする車両用表示器の照明装置。
【請求項2】
前記フレキシブルプリント基板の一部は前記第1伝熱部材における前記導光板の裏面側の面に折り曲げて密着固定されることを特徴とする請求項1に記載の車両用表示器の照明装置。
【請求項3】
前記第1伝熱部材にはヒートパイプが密着することを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の車両用表示器の照明装置。
【請求項4】
前記導光板の裏面側に前記導光板に沿って配置された第2伝熱部材を備え、
前記第2伝熱部材は前記第1伝熱部材に熱伝導可能に固定され、
前記フレキシブルプリント基板の一部は前記第2伝熱部材における前記導光板側の面に折り曲げて密着固定されることを特徴とする請求項1に記載の車両用表示器の照明装置。
【請求項5】
前記第1伝熱部材および前記第2伝熱部材にヒートパイプが密着することを特徴とする請求項4に記載の車両用表示器の照明装置。
【請求項6】
前記第2伝熱部材の前記導光板と反対側の面には放熱器が密着固定されることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の車両用表示器の照明装置。
【請求項7】
前記ヒートパイプの一部を前記放熱器に直接接触させたことを特徴とする請求項6に記載の車両用表示器の照明装置。
【請求項8】
前記放熱器を通過する空気の流れを生じさせる送風機を備えることを特徴とする請求項6ないし請求項7のいずれかに記載の車両用表示器の照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−220626(P2006−220626A)
【公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−36712(P2005−36712)
【出願日】平成17年2月14日(2005.2.14)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】