説明

車両用装置

【課題】複数の出力装置が同時に接続された場合に、出力される情報を認識し易くする。
【解決手段】車両用装置10は、複数の出力装置41,51が接続される接続部16,17と、接続部に接続された複数の出力装置に出力データを送信する出力データ送信処理部21と、接続部に接続された複数の出力装置のうち出力性能が低い出力装置を低性能出力装置として特定する低性能出力装置特定処理部22と、を備え、出力データ送信処理部21は、低性能出力装置特定処理部22によって特定された低性能出力装置51に対して出力データを送信しないように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接続された出力装置に対して出力データを送信する車両用装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、種々の情報を出力する車両用装置が考えられている。例えば特許文献1に記載の車両用装置は、路側無線装置の位置に基づいてコンテンツ情報または車両の走行に関する案内情報の何れか一方を出力するように構成されている。また、例えば特許文献2に記載の車両用装置は、基地局から受信した情報のカテゴリに基づいて、情報の出力の仕方を選択するように構成されている。
【0003】
ところで、近年では、車両用装置に同時に複数の出力装置(例えば、当初から車両用装置に接続されているナビゲーション装置と、車室内に持ち込まれたときに無線によって接続される携帯型通信端末)が接続される場合がある。しかし、車両用装置は、接続された出力装置に対して無条件で出力データを送信するように構成されている場合が多い。従って、例えば車両用装置に同時にナビゲーション装置と携帯型通信端末とが接続された場合には、これらナビゲーション装置および携帯型通信端末に同内容の音声データが送信され、ナビゲーション装置および携帯型通信端末から同内容の音声が同時(ほぼ同時)に出力されるようになってしまう。そのため、ナビゲーション装置から出力される音声と携帯型通信端末から出力される音声とが重なるようになり、音声が聞き取りづらくなってしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−97855号公報
【特許文献2】特開2006−246388号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、複数の出力装置が同時に接続された場合に、出力される情報を認識し易くすることができる車両用装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載した発明によれば、出力データ送信手段は、接続部に接続された複数の出力装置に出力データを送信する。低性能出力装置特定手段は、接続部に接続された複数の出力装置のうち出力性能が低い出力装置を低性能出力装置として特定する。そして、出力データ送信手段は、低性能出力装置特定手段によって特定された低性能出力装置に対して出力データ(少なくとも出力データの一部)を送信しないように構成されている。
これにより、複数の出力装置が同時に車両用装置に接続された場合には、それら複数の出力装置のうち低性能出力装置からは出力がされないようになる。従って、出力性能が高い出力装置からの出力と出力性能が低い出力装置からの出力とが重なることがなくなり、複数の出力装置が同時に車両用装置に接続された場合に、出力される情報を認識し易くすることができる。
【0007】
また、車両用装置から出力装置に提供するコンテンツ(コンテンツデータ)は、主として音声データ、文字データ、画像データなどから構成されている。そして、これらコンテンツを構成する各種データのうち、文字データや画像データ(これら文字データや画像データに基づいて出力される文字や画像)については、複数の出力装置から同内容で同時に出力されたとしても認識し難くなる度合いが低く、逆に、複数の装置から同内容で同時に出力されることを望むユーザも存在する。しかし、音声データ(音声データに基づいて出力される音声)については、複数の出力装置から同内容で同時に出力されてしまうと、文字データや画像データに比べ格段に認識し難くなる(聞き取り難くなる)。
【0008】
請求項2に記載した発明によれば、出力データ送信手段は、出力データとして音声データを送信する。
これにより、複数の出力装置が同時に車両用装置に接続された場合に低性能出力装置からは出力されないようにする情報を音声情報に限定することができ、同内容で同時に出力された場合に最も認識し難くなる音声情報を、特に認識し易くすることができる。
【0009】
また、一般的に、ナビゲーション装置の音声出力性能は高性能(少なくとも携帯電話機などの携帯型通信端末よりも高性能)である場合が多く、車室内においてナビゲーション装置から出力される音声は聞き取り易い。
【0010】
請求項3に記載した発明によれば、低性能出力装置特定手段は、接続部に接続された複数の出力装置に、車両の経路案内を実行するナビゲーション装置が含まれている場合には、当該ナビゲーション装置以外の出力装置を低性能出力装置として特定する。
これにより、高い音声出力性能を有するナビゲーション装置は低性能出力装置として特定されないようになり、従って、複数の出力装置が同時に車両用装置に接続された場合に、ナビゲーション装置からの音声出力が維持され、ナビゲーション装置以外の出力装置からの音声出力が停止されるようになり、出力される音声を一層認識し易くすることができる。
【0011】
請求項4に記載した発明によれば、出力データ送信手段は、接続部に接続された複数の出力装置のうち何れか1つの装置に出力データを送信する。
これにより、複数の出力装置が同時に車両用装置に接続された場合には、そのうちの何れか1つの出力装置のみから出力がされるようになる。従って、複数の出力装置からの出力が重なることがなくなり、複数の出力装置が同時に車両用装置に接続された場合に、出力される情報を認識し易くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施形態を示す機能ブロック図
【図2】動作内容を示すフローチャート
【図3】音声出力設定情報を示す図
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、車両用装置10の構成を概略的に示す機能ブロック図である。車両用装置10は、この場合、車両に搭載される車載装置で構成され、図示しないCPU、ROMおよびRAMを有するマイクロコンピュータを主体として構成された制御部11を備える。
この制御部11には、無線通信部12、記憶部13、表示部14、操作入力部15、第1外部出力装置接続部16(接続部に相当)、第2外部出力装置接続部17(接続部に相当)などが接続されている。また、この制御部11は、CPUにおいて制御プログラムを実行することにより、出力データ送信処理部21(出力データ送信手段に相当)、低性能出力装置特定処理部22(低性能出力装置特定手段に相当)をソフトウェアによって仮想的に実現する。
【0014】
無線通信部12は、無線の通信回線を介して、外部の路側無線装置31から各種のコンテンツデータを受信可能となっている。図示しない外部の情報センターは、この路側無線装置31を介して各種のコンテンツデータを各車両の車両用装置10に配信するようになっている。車両用装置10(制御部11)が外部の情報センター(路側無線装置31)から取得するコンテンツデータは、主として音声データ、文字データ、画像データなどから構成されている。
記憶部13は、例えばハードディスクドライブなどの不揮発性の記憶媒体からなり、各種データを記憶する記憶領域を有して構成されている。制御部11は、無線通信部12を介して路側無線装置31(情報センター)から受信した各種のコンテンツデータを、この記憶部13に記憶するようになっている。
【0015】
表示部14は、例えば液晶や有機ELなどのディスプレイ装置を有して構成されている。この表示部14には、例えば各種の操作説明用の画面や各種の設定用の画面などが表示される。なお、この表示部14は、後述するナビゲーション装置41が備える表示部(図示せず)を利用して構成することも可能である。
操作入力部15は、表示部14の画面の近傍に設けられているメカニカルスイッチや、表示部14の画面に設けられているタッチパネルスイッチなど各種のスイッチ群から構成されている。ユーザは、操作入力部15の各スイッチを用いて各種の設定操作が可能である。
【0016】
第1外部出力装置接続部16には、第1出力装置として、この場合、車両に搭載されたナビゲーション装置41が接続されている。このナビゲーション装置41は、GPS(Global Positioning System)により車両の現在位置を測位するためにGPS衛星から送信される電波を受信するGPS受信器、地図データ記憶部に記憶されている地図データを入力する地図データ入力部、車両の経路案内用の画面や各種の設定用の画面などを表示する表示部(何れも図示せず)などを備えており、車両の現在位置および地図データに基づいて当該車両の経路案内を実行するものである。
【0017】
このナビゲーション装置41は、この場合、車載LANを介して有線によって車両用装置10(第1外部出力装置接続部16)に予め接続されている。このように接続されたナビゲーション装置41は、当該ナビゲーション装置41の出力性能(この場合、少なくとも音声出力性能)を示す情報を出力性能情報(音声出力性能情報)として車両用装置10に送信する。これにより、車両用装置10は、接続されたナビゲーション装置41の出力性能を把握する。また、車両用装置10は、このように接続されたナビゲーション装置41に対して、記憶部13に記憶されているコンテンツデータを送信可能に構成されている。
【0018】
第2外部出力装置接続部17には、第2出力装置として、この場合、車室内に持ち込まれた携帯型通信端末51(例えば、携帯電話機や携帯情報端末など)が接続されるようになっている。この場合、携帯型通信端末51は、近距離無線通信回線であるBluetooth(登録商標)通信回線やWi−Fi(登録商標)通信回線などを介して無線によって車両用装置10(第2外部出力装置接続部17)に接続されるようになっている。このように接続された携帯型通信端末51は、当該携帯型通信端末51の出力性能(この場合、少なくとも音声出力性能)を示す情報を出力性能情報(音声出力性能情報)として車両用装置10に送信する。これにより、車両用装置10は、接続された携帯型通信端末51の出力性能を把握する。また、車両用装置10は、このように接続された携帯型通信端末51に対しても、記憶部13に記憶されているコンテンツデータを送信可能に構成されている。
【0019】
なお、図示はしないが、車両用装置10は、さらに外部出力装置接続部を備えることで、ナビゲーション装置41および携帯型通信端末51に加えてさらに他の出力装置を接続することも可能である。これら他の出力装置についても、車両用装置10は、同様に、その出力装置から受信した出力性能情報に基づいてその出力性能を把握するとともに、記憶部13に記憶されているコンテンツデータを送信可能に構成されている。
【0020】
出力データ送信処理部21は、各接続部に接続された複数の出力装置(この場合、第1外部出力装置接続部16に接続されたナビゲーション装置41や第2外部出力装置接続部17に接続された携帯型通信端末51など)に、記憶部13に記憶されているコンテンツデータを出力データとして送信する処理を実行する。また、出力データ送信処理部21は、各接続部に接続された複数の出力装置のうち何れか1つの出力装置に出力データを送信する処理を実行可能である。
【0021】
低性能出力装置特定処理部22は、各接続部に接続された複数の出力装置(この場合、ナビゲーション装置41および携帯型通信端末51)からそれぞれ送信された出力性能情報に基づいて各出力装置の出力性能を特定し、それら特定した各出力装置の出力性能を比較することで、これら複数の出力装置のうち出力性能が低い出力装置を低性能出力装置として特定する処理を実行する。
【0022】
次に、上記のように構成された車両用装置10の動作について図2に示すフローチャートを参照しながら説明する。
車両用装置10の制御部11は、当該車両用装置10にナビゲーション装置41が接続されているか否か、つまり、当該車両用装置10に接続されている出力装置にナビゲーション装置41が含まれているか否かを判断する(ステップS1)。
ナビゲーション装置41が車両用装置10に接続されている場合(ステップS1:YES)には、制御部11は、車両用装置10に接続されている出力装置のうちナビゲーション装置41以外の出力装置から低性能出力装置を特定する(ステップS2)。この場合、車両用装置10に接続されている複数の出力装置のうちナビゲーション装置41以外の出力装置は携帯型通信端末51である。従って、制御部11は、この携帯型通信端末51を低性能出力装置として特定する。
【0023】
なお、車両用装置10に接続されている複数の出力装置のうちナビゲーション装置41以外の出力装置が複数存在する場合には、制御部11は、これらナビゲーション装置41以外の出力装置のうち出力性能が最も低い出力装置を低性能出力装置として特定するように構成してもよいし、出力性能が所定レベル以下の出力装置を全て低性能出力装置として特定するように構成してもよい。また、制御部11は、特に音声出力機能を有する出力装置については全て低性能出力装置として特定するように構成してもよい。
【0024】
一方、ナビゲーション装置41が車両用装置10に接続されていない場合(ステップS1:NO)には、制御部11は、車両用装置10に接続されている出力装置が複数であるか否かを判断する(ステップS3)。車両用装置10に接続されている出力装置が複数である場合(ステップS3:YES)には、制御部11は、車両用装置10に接続されている全ての出力装置から低性能出力装置を特定する(ステップS4)。
【0025】
なお、この場合も、制御部11は、これら複数の出力装置のうち出力性能が最も低い出力装置を低性能出力装置として特定するように構成してもよいし、出力性能が所定レベル以下の出力装置を全て低性能出力装置として特定するように構成してもよい。また、制御部11は、特に音声出力機能を有する出力装置が複数存在する場合には、音声出力性能が最も高い音声出力装置を除く音声出力装置を全て低性能出力装置として特定するように構成してもよい。
【0026】
上述のステップS2あるいはステップS4において低性能出力装置を特定すると、制御部11は、その低性能出力装置(この場合、携帯型通信端末51)に送信する出力データ(音声データ、文字データ、画像データから構成されるコンテンツデータ)から音声データを削除する(ステップS5)。そして、制御部11は、音声データを削除したコンテンツデータ(音声データを含まず、文字データおよび画像データからなるコンテンツデータ)を、低性能出力装置として特定した携帯型通信端末51に送信する(ステップS6)。これにより、携帯型通信端末51からは、文字や画像は出力(表示)されるが音声は出力されないようになる。
【0027】
なお、このとき、制御部11は、低性能出力装置として特定しなかった出力装置(この場合、ナビゲーション装置41)に対しては、音声データを削除していないコンテンツデータ(音声データ、文字データ、画像データから構成される当初のコンテンツデータ)をそのまま送信するようになっている。これにより、ナビゲーション装置41からは、文字や画像の出力(表示)に加えて音声も出力されるようになる。
【0028】
また、制御部11は、ナビゲーション装置41が接続されておらず(ステップS1:NO)、且つ、車両用装置10に接続されている出力装置が複数でない場合(ステップS3:NO)には、つまり、車両用装置10にナビゲーション装置41以外の出力装置が1つのみ接続されている場合には、その出力装置に対して、音声データを削除していないコンテンツデータ(音声データ、文字データ、画像データから構成される当初のコンテンツデータ)をそのまま送信するようになっている(ステップS7)。これにより、その1つの出力装置から、音声、文字および画像が出力されるようになる。
【0029】
以上に説明したように本実施形態によれば、接続部に接続された複数の出力装置に対して出力データ送信処理部21によってコンテンツデータ(出力データ)を送信する車両用装置10(制御部11)は、低性能出力装置特定処理部22によって、接続部に接続された複数の出力装置のうち出力性能が低い出力装置(この場合、携帯型通信端末51)を低性能出力装置として特定する。そして、車両用装置10(制御部11)は、低性能出力装置として特定されなかった出力装置(この場合、ナビゲーション装置41)に対しては、出力データ送信処理部21によって当初のコンテンツデータ(音声データを削除していないコンテンツデータ)を出力データとして送信するが、低性能出力装置として特定された出力装置(この場合、携帯型通信端末51)に対しては、出力データ送信処理部21によって音声データを削除したコンテンツデータを出力データとして送信する。つまり、車両用装置10(制御部11)は、低性能出力装置に対してはコンテンツデータの一部である音声データを送信しないように構成されている。
換言すれば、車両用装置10(制御部11)は、接続部に接続された複数の出力装置のうちナビゲーション装置41のみに音声データを送信する。
【0030】
これにより、複数の出力装置が同時に車両用装置10に接続された場合には、それら複数の出力装置のうち低性能出力装置(この場合、携帯型通信端末51)からは音声出力がされないようになる。換言すれば、ナビゲーション装置41のみから音声出力がされるようになる。従って、音声出力性能が高い出力装置(この場合、ナビゲーション装置41)からの音声出力と音声出力性能が低い出力装置(この場合、携帯型通信端末51)からの音声出力とが重なることがなくなり、複数の出力装置が同時に車両用装置10に接続された場合に、出力される情報(この場合、特に音声情報)を認識し易くすることができる。
【0031】
また、上述したように、車両用装置10から出力装置に提供するコンテンツ(コンテンツデータ)は、主として音声データ、文字データ、画像データなどから構成されているが、そのうち、特に音声データ(音声データに基づいて出力される音声)については、複数の出力装置から同内容で同時に出力されてしまうと、文字データや画像データに比べ格段に認識し難くなる(聞き取り難くなる)。
【0032】
本実施形態によれば、車両用装置10(制御部11)は、出力データ送信処理部21によって、音声データを含むコンテンツデータを出力データとして送信することを基本としているが、特定した低性能出力装置に対しては、送信するコンテンツデータから音声データを削除するように構成されている。
これにより、複数の出力装置が同時に車両用装置10に接続された場合に低性能出力装置からは出力されないようにする情報を音声情報に限定することができ、同内容で同時に出力された場合に最も認識し難くなると考えられる音声情報を、特に認識し易くすることができる。
【0033】
また、本実施形態によれば、車両用装置10(制御部11)は、接続部に接続された複数の出力装置に、車両の経路案内を実行するナビゲーション装置41が含まれている場合には、低性能出力装置特定処理部22によって、当該ナビゲーション装置41以外の出力装置を低性能出力装置として特定する。
これにより、一般的に高い音声出力性能を有する場合が多いナビゲーション装置41は低性能出力装置として特定されないようになり、従って、複数の出力装置が同時に車両用装置10に接続された場合に、ナビゲーション装置41からの音声出力が維持され、ナビゲーション装置41以外の出力装置からの音声出力が停止されるようになり、出力される音声を一層認識し易くすることができる。
【0034】
なお、本発明は、上述した一実施形態のみに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の実施形態に適用可能であり、例えば、以下のように変形または拡張することができる。
例えば、車両用装置10(制御部11)は、低性能出力装置に対しても当初のコンテンツデータ(音声データを削除していないコンテンツデータ)を送信し、音声を出力するか否かを低性能出力装置が判断するように構成してもよい。
【0035】
即ち、例えば、携帯型通信端末51に予め図3に示す音声出力設定情報を格納しておく。そして、車両用装置10(制御部11)は、この携帯型通信端末51を低性能出力装置として特定した場合には、当該携帯型通信端末51に対して、当該車両用装置10が搭載された車両の車両IDを送信する。即ち、車両用装置10(制御部11)は、携帯型通信端末51が接続された車両(車両用装置10)を特定するための情報である車両ID情報を、当該携帯型通信端末51に通知する。そして、携帯型通信端末51は、受信した車両IDに基づいて音声出力設定情報を参照し、音声を出力するか否かを決定するのである。この場合、携帯型通信端末51は、受信した車両IDが車両Aである場合には、音声を出力するようになり、受信した車両IDが車両Bや車両Cである場合には、音声を出力しないようになる。
このように、出力装置が接続された車両(車両用装置)が何れであるのかに応じて、その出力装置から出力をするのか否かを決定するように構成することも可能である。
【0036】
また、車両用装置10(制御部11)は、ナビゲーション装置41が接続さている場合には、低性能出力装置として特定した出力装置に対してナビ接続情報(車両用装置10にナビゲーション装置41が接続されていることを示す情報)を送信し、一方、車両用装置10からナビ接続情報を受信した出力装置は、音声を出力しないようにする設定を自動的に行ったり、音量を「0」にする設定を自動的に行ったりするように構成してもよい。
【0037】
出力データ(この場合、音声データ)を送信する出力装置、つまり、高性能出力装置は、ナビゲーション装置41に限られるものではなく、出力性能がより高い出力装置を設定することができる。
車両用装置10には、車両に組み込まれる車載装置のほか、例えば携帯型の無線装置なども含まれる。
【符号の説明】
【0038】
図面中、10は車両用装置、16は第1外部出力装置接続部(接続部)、17は第2外部出力装置接続部(接続部)、21は出力データ送信処理部(出力データ送信手段)、22は低性能出力装置特定処理部(低性能出力装置特定手段)、41はナビゲーション装置(出力装置)、51は携帯型通信端末(出力装置、低性能出力装置)を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の出力装置が接続される接続部と、
前記接続部に接続された複数の前記出力装置に出力データを送信する出力データ送信手段と、
前記接続部に接続された複数の前記出力装置のうち出力性能が低い出力装置を低性能出力装置として特定する低性能出力装置特定手段と、
を備え、
前記出力データ送信手段は、前記低性能出力装置特定手段によって特定された前記低性能出力装置に対して前記出力データを送信しないように構成されていることを特徴とする車両用装置。
【請求項2】
前記出力データ送信手段は、前記出力データとして音声データを送信することを特徴とする請求項1記載の車両用装置。
【請求項3】
前記低性能出力装置特定手段は、前記接続部に接続された複数の前記出力装置に、車両の経路案内を実行するナビゲーション装置が含まれている場合には、当該ナビゲーション装置以外の出力装置を前記低性能出力装置として特定することを特徴とする請求項2記載の車両用装置。
【請求項4】
複数の出力装置が接続される接続部と、
前記接続部に接続された複数の前記出力装置のうち何れか1つの装置に出力データを送信する出力データ送信手段と、
を備えることを特徴とする車両用装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−244334(P2012−244334A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−111314(P2011−111314)
【出願日】平成23年5月18日(2011.5.18)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】