説明

車両用電源装置

【課題】空調用圧縮機に搭載されたインバータをバッテリの充電時に兼用するものにおいて、充電動作とインバータの冷却とを両立させることのできる車両用電源装置を提供する。
【解決手段】冷凍サイクル120内の冷媒を用いて、インバータ一体充電器140の冷却必要部位141を冷却する熱交換部127、125と、冷却必要部位141の冷却要否を判定する判定手段とを設け、制御装置180は、車両の走行機能が停止されており、外部電力200を蓄電池110へ充電する際に、インバータ一体充電器140を充電器として作動させて、蓄電池110への充電を実施し、判定手段の判定結果から、冷却必要部位141の冷却が必要であると判定すると、インバータ一体充電器140をインバータとして作動させて、モータ130の作動を制御して圧縮機121を駆動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空調用の冷凍サイクルと一体に設けられて、車両外部からバッテリに充電可能とする車両用電源装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の車両用電源装置として、例えば特許文献1に示されるものが知られている。即ち、特許文献1の車両用電源装置では、ハイブリッド自動車や電気自動車において、走行用モータとは異なる補機モータの作動制御を行うインバータを、車両バッテリ充電時のコンバータとして兼用している。
【0003】
特許文献1では、補機モータとしては、例えば、空調用圧縮機を駆動するモータが一例として説明されている。そして、車両バッテリの充電は、車両が停止して、イグニッションキースイッチがオフとされているときに実施されるようになっている。よって、この間においては、補機モータ(空調用圧縮機)を作動させる必要がないので、補機モータ用のインバータを車両バッテリの充電用のコンバータとして使用するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−195336号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、インバータは、駆動回路によって切替え制御される複数のスイッチング素子等の電子部品を備え、作動時においてはスイッチング素子の切替え等により発熱を伴うため、効果的な冷却が必要となる。上記引用文献1では、単に補機用モータのインバータが車両バッテリの充電時に兼用されることが開示されているに過ぎず、インバータを冷却するという視点に立って、空調の作動と車両バッテリの充電とをどのように組み合わせて制御すべきかについてなんら記載はない。
【0006】
尚、通常、空調用の圧縮機に搭載されるインバータを、冷凍サイクル内を循環する冷媒によって冷却する技術は広く知られているが(例えば、特開2004−100683号公報)、上記のような充電動作との組み合わせについて記載されたものは無い。
【0007】
本発明の目的は、上記問題に鑑み、空調用圧縮機に搭載されたインバータをバッテリの充電時に兼用するものにおいて、充電動作とインバータの冷却とを両立させることのできる車両用電源装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は上記目的を達成するために、以下の技術的手段を採用する。
【0009】
請求項1に記載の発明では、蓄電池(110)を備える車両に搭載される車両用電源装置であって、
圧縮機(121)、凝縮器(122)、膨張弁(123)、および蒸発器(124)を有する空調用の冷凍サイクル(120)と、
圧縮機(121)を駆動するモータ(130)と、
蓄電池(110)の電力を用いたモータ(130)の作動と、蓄電池(110)への外部電力(200)の充電とを選択的に制御するインバータ一体充電器(140)と、
冷凍サイクル(120)に設けられ、冷凍サイクル(120)内の冷媒を用いて、インバータ一体充電器(140)の冷却必要部位(141)を冷却する熱交換部(127、125、128)と、
冷却必要部位(141)の冷却要否を判定する判定手段(S103、S304)と、
インバータ一体充電器(140)の作動を制御する制御装置(180)とを備え、
制御装置(180)は、車両の走行機能が停止されており、外部電力(200)を蓄電池(110)へ充電する際に、
インバータ一体充電器(140)を充電器として作動させて、蓄電池(110)への充電を実施し、
判定手段(S103、S304)の判定結果から、冷却必要部位(141)の冷却が必要であると判定すると、インバータ一体充電器(140)をインバータとして作動させて、モータ(130)の作動を制御して圧縮機(121)を駆動させることを特徴としている。
【0010】
この発明によれば、車両の走行機能が停止されているときに、インバータ一体充電器(140)を充電器として作動させることで、蓄電池(110)への充電が可能となる。このとき、インバータ一体充電器(140)の冷却必要部位(141)は、冷凍サイクル(120)内の冷媒を用いた熱交換部(127)によって冷却されることになる。しかし、この冷却が進行していくと、冷媒は冷却必要部位(141)から受熱していくため、冷却が賄えなくなり、冷却必要部位(141)の温度は上昇していく。したがって、制御装置(180)は、判定手段(S103、S304)の判定結果から、冷却必要部位(141)の冷却が必要であると判定すると、インバータ一体充電器(140)をインバータとして作動させて、モータ(130)の作動を制御して圧縮機(121)を駆動させるようにしているので、冷媒は、冷凍サイクル(120)内を循環して、凝縮器(122)にて冷却凝縮されて、熱交換部(127)へ還流されることになる。よって、この冷却された冷媒を用いることで、充電時における必要冷却部位(141)の冷却を継続することが可能となる。
【0011】
請求項2に記載の発明では、熱交換部(127、125、128)は、冷凍サイクル(120)内の液相冷媒が溜められる冷媒溜め部(127、125)であることを特徴としている。
【0012】
この発明によれば、冷凍サイクル(120)内の液相冷媒を有効に活用した熱交換部(127、125、128)を形成することができる。
【0013】
請求項3に記載の発明では、インバータ一体充電器(140)は、冷媒溜め部(127、125)と一体的に形成されたことを特徴としている。
【0014】
この発明によれば、冷媒溜め部(127、125)によって、直接的にインバータ一体充電器(140)を冷却することができるので、効果的な冷却が可能となる。
【0015】
請求項4に記載の発明では、インバータ一体充電器(140)は、冷媒溜め部(125)とは離れて配置されており、
冷媒溜め部(125)からインバータ一体充電器(140)の表面に向けて延設されて、冷媒溜め部(125)内の液相冷媒が流通する配管(125b)が設けられたことを特徴としている。
【0016】
この発明によれば、配管(125b)を流通する液相冷媒によってインバータ一体充電器(140)を冷却することができる。よって、冷媒溜め部(127、125)とインバータ一体充電器(140)とを一体的に形成できないといった配置の制約がある場合でも、インバータ一体充電器(140)を冷却することができる。
【0017】
請求項5に記載の発明では、配管(125b)には、液相冷媒を圧送する液冷媒ポンプ(125c)、あるいは弁開度を変更することで配管(125b)における液相冷媒の流量を調整する液冷媒バルブ(125d)が設けられ、
制御装置(180)は、インバータ一体充電器(140)の出力、あるいは冷却必要部位(141)の発熱量に応じて、液冷媒ポンプ(125c)の圧送量、あるいは液冷媒バルブ(125d)の弁開度を制御することを特徴としている。
【0018】
この発明によれば、インバータ一体充電器(140)の出力、あるいは冷却必要部位(141)の発熱量に応じて、配管(125b)を流通する液相冷媒の流量を調整することができるので、過度に液相冷媒を使用することがなくなり、圧縮機(121)の駆動時間を最低限度に抑えることができる。
【0019】
請求項6に記載の発明では、熱交換部(127、125、128)は、冷凍サイクル(120)内の冷媒によって蓄冷される蓄冷材(128d)を備える蓄冷部(128)であることを特徴としている。
【0020】
この発明によれば、冷凍サイクル(120)内の冷媒によって蓄冷される蓄冷材(128d)によって、インバータ一体充電器(140)を冷却することが可能となり、蓄冷部(128)を熱交換部(128)とすることができる。
【0021】
請求項7に記載の発明では、冷却必要部位(141)の温度を検出する温度検出手段(150)を備え、
判定手段(S103)は、温度検出手段(150)によって検出される冷却必要部位(141)の温度が、予め定めた所定温度を超えるときに、冷却必要部位(141)の冷却が必要であると判定することを特徴としている。
【0022】
この発明によれば、冷却必要部位(141)の温度によって、冷却必要部位(141)の冷却の必要性を明確に判定することができる。
【0023】
請求項8に記載の発明では、冷媒溜め部(127、125)における液相冷媒の水位を検出する第1水位検出手段(126a)を備えており、
判定手段(S304)は、第1水位検出手段(126a)によって検出される液相冷媒の水位が、予め定めた第1所定水位を下回るときに、冷却必要部位(141)の冷却が必要であると判定することを特徴としている。
【0024】
この発明によれば、冷媒溜め部(127、125)内に溜められた液相冷媒によってインバータ一体充電器(140)を冷却する場合であると、液相冷媒は冷却必要部位(141)からの受熱によって蒸発して気相冷媒となっていくので、液相冷媒が減少していき、冷却が賄えなくなっていく。よって、冷媒溜め部(127、125)内の液相冷媒の水位を検出することで、冷却必要部位(141)の冷却の必要性を明確に判定することができる。
【0025】
請求項9に記載の発明では、制御装置(180)は、圧縮機(121)を駆動させるときに、膨張弁(123)を全開にすることを特徴としている。
【0026】
通常、インバータ一体充電器(140)の作動時の温度は、冷凍サイクル(120)が非作動時の冷媒温度(外気温度相当)よりも高くなるので、熱交換部(127、125、128)で使用される冷媒としては、冷凍サイクル(120)が作動されるときの膨張弁(123)から圧縮機(121)に至る間の低圧側で低温となる冷媒を用いなくても、外気温度相当の冷媒にて必要冷却部位(141)の冷却に使用することができる。
【0027】
よって、請求項9に記載の発明によれば、必要冷却部位(141)を冷却する際には、膨張弁(123)を全開にして、冷凍サイクル(120)が作動されるときの圧縮機(121)から膨張弁(123)に至る間の高圧側の圧力と、上記低圧側の圧力とが同等となるようにしても、その条件下での冷媒を用いて必要冷却部位(141)の冷却が可能である。したがって、高圧側と低圧側の圧力差を設けないように圧縮機(121)を駆動させるので、圧縮機(121)の動力を極力抑えることが可能となる。また、圧縮機(121)の動力が抑えられる分、圧縮機(121)の騒音も低減することができる。
【0028】
請求項10に記載の発明では、熱交換部(127)は、冷凍サイクル(120)の作動時における膨張弁(123)から圧縮機(121)に至る間の低圧側の液相冷媒を用いるようになっており、
制御装置(180)は、圧縮機(121)を駆動させるときに、膨張弁(123)の弁開度を調節することで、冷凍サイクル(120)の圧縮機(121)から膨張弁(123)に至る間の高圧側と、低圧側との間に圧力差を発生させることを特徴としている。
【0029】
この発明によれば、熱交換部(127)は、冷凍サイクル(120)作動時の低圧側において低温となる液相冷媒を用いて必要冷却部位(141)を冷却することができるので、上記請求項9に記載の発明に対して、冷却効果を高めることができる。よって、インバータ一体充電器(140)をインバータとして頻繁に使用せざるを得ないという状況をなくして、充電器として使用することのできる時間を延ばすことができ、ひいては、短時間での充電が可能となる。
【0030】
請求項11に記載の発明では、冷媒溜め部(135)に溜まった液相冷媒の水位を検出する第2水位検出手段(126、126a)を備えており、
制御装置(180)は、液相冷媒の水位が予め定めた第2所定水位以上となると、圧縮機(121)の駆動を停止させて、インバータ一体充電器(140)を充電器として作動させて、蓄電池(110)への充電を実施させることを特徴としている。
【0031】
この発明によれば、冷媒溜め部(135)に溜まる液相冷媒の水位が第2所定水位以上あれば、この液相冷媒でインバータ一体充電器(140)の冷却が充分できると明確に判定することができるので、この判定をもってインバータ一体充電器(140)を充電器として作動させることで、むやみにインバータ一体充電器(140)をインバータとして作動さて、いつまでも圧縮機(121)を駆動させることがなくなる。
【0032】
請求項12に記載の発明では、熱交換部(127)によってインバータ一体充電器(140)が冷却されているときに発生する結露水を受ける受け部(190)と、
受け部(190)に溜まる結露水を蒸発させる加熱手段(191)とが設けられたことを特徴としている。
【0033】
この発明によれば、受け部(190)によって、冷却時に発生する結露水を受けることができるので、例えば、車両を居室内に入れて充電する際に、結露水が床に垂れることを防止することができる。また、受け部(190)に溜められた結露水を、加熱手段(191)によって蒸発させることができるので、受け部(190)に溜められた結露水の排水処理等の手間を省くことができる。
【0034】
請求項13に記載の発明では、凝縮器(122)に冷却用空気を送風する冷却ファン(122a)が設けられており、
制御装置(180)は、圧縮機(121)を駆動させるときに、冷却ファン(122a)を作動させることを特徴としている。
【0035】
この発明によれば、凝縮器(122)における冷媒の冷却能力を上げることができるので、短時間で、より多くの液相冷媒を熱交換部(127)に供給することができる。
【0036】
請求項14に記載の発明では、インバータ一体充電器(140)は、圧縮機(121)と一体的に形成されており、
圧縮機(121)とインバータ一体充電器(140)との間には、圧縮機(121)の作動時の熱がインバータ一体充電器(140)に伝わるのを阻止する断熱部(121b)が設けられたことを特徴としている。
【0037】
この発明によれば、圧縮機(121)が駆動されているときに発生される熱が、断熱部(121b)によって、インバータ一体充電器(140)に伝わるのを阻止できるので、インバータ一体充電器(140)の冷却における悪影響を抑制することができる。
【0038】
尚、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】第1実施形態における車両用電源装置を示す概略構成図である。
【図2】第1実施形態における制御装置が行うインバータ一体充電器の制御内容を示すフローチャートである。
【図3】第1実施形態における冷凍サイクルの作動状態を示すモリエル線図である。
【図4】第1実施形態におけるインバータ一体充電器の作動状態を示すタイムチャートである。
【図5】第2実施形態における制御装置が行うインバータ一体充電器の制御内容を示すフローチャートである。
【図6】第2実施形態における冷凍サイクルの作動状態を示すモリエル線図である。
【図7】第2実施形態におけるインバータ一体充電器の作動状態を示すタイムチャートである。
【図8】第3実施形態における車両用電源装置を示す概略構成図である。
【図9】第4実施形態における車両用電源装置を示す概略構成図である。
【図10】第4実施形態におけるインバータ一体充電器の作動状態を示すタイムチャートである。
【図11】第5実施形態における車両用電源装置を示す概略構成図である。
【図12】第5実施形態における制御装置が行うインバータ一体充電器の制御内容を示すフローチャートである。
【図13】第6実施形態における車両用電源装置を示す概略構成図である。
【図14】第6実施形態における制御装置が行うインバータ一体充電器の制御内容を示すフローチャートである。
【図15】第7実施形態における車両用電源装置を示す概略構成図である。
【図16】蓄冷材の時間経過に対する温度を示すグラフである。
【図17】第7実施形態における制御装置が行うインバータ一体充電器の制御内容を示すフローチャートである。
【図18】第8実施形態における車両電源装置の一部を示す概略図である。
【図19】第9実施形態における車両電源装置の一部を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下に、図面を参照しながら本発明を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を適用することができる。各実施形態で具体的に組み合わせが可能であることを明示している部分同士の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても実施形態同士を部分的に組み合せることも可能である。
【0041】
(第1実施形態)
以下、第1実施形態における車両用電源装置100について図1〜図4を用いて説明する。図1は車両用電源装置100を示す概略構成図、図2は制御装置180が行うインバータ一体充電器140の制御内容を示すフローチャート、図3は冷凍サイクル120の作動状態を示すモリエル線図、図4はインバータ一体充電器140の作動状態を示すタイムチャートである。
【0042】
車両用電源装置100は、走行用駆動源としての走行用モータ、および走行用モータ等に電力を供給する高電圧バッテリ110を備えるプラグインハイブリッド自動車や電気自動車に搭載される電源装置であり、図1に示すように、冷凍サイクル120、モータ130、インバータ一体充電器140、温度センサ150、受電部160、コンバータ170、低電圧バッテリ171、および制御装置180等を備えている。車両用電源装置100は、インバータ一体充電器140によって、高電圧バッテリ110への充電制御と、冷凍サイクル120における圧縮機121を駆動するモータ130の作動制御とを行うものである。
【0043】
高電圧バッテリ110は、電力を蓄えると共に、蓄えた電力をモータ130(インバータ一体充電器140)、および図示しない走行用モータに電力供給する蓄電池である。高電圧バッテリ110は、数百ボルト(例えば200V)の電圧を有している。
【0044】
冷凍サイクル120は、車室内の空調用(冷房用)の熱サイクルであり、圧縮機121、凝縮器122、電磁膨張弁123、蒸発器124、気液分離器125、液面センサ126、および熱交換部127等を有している。
【0045】
圧縮機121は、冷凍サイクル120において、蒸発器124から流出される気相冷媒を図示しない吸入口から吸入して、内部の圧縮機構で高温高圧に圧縮した後に、吐出口121aから凝縮器122に吐出する流体機械である。圧縮機121の圧縮機構は、例えば固定スクロールと旋回スクロールとを有するスクロール型の圧縮機構が使用されている。スクロール型の圧縮機構では、旋回スクロールにモータ130の回転軸132が接続され、モータ130の作動によって旋回スクロールが固定スクロールに対して旋回することで、2つのスクロール間に形成される空間(圧縮室)の拡大、収縮が繰り返されて、冷媒の吸入、圧縮、吐出が行われるようになっている。
【0046】
モータ130は、上記のように圧縮機121を駆動する回転電機であり、例えば3相ブラシレスDCモータが使用されている。モータ130は圧縮機121と一体的に形成されており、圧縮機121は電動圧縮機として形成されている。モータ130は、円筒状のハウジング131内に、回転軸132に固定されたロータ133と、ロータ133の外周側に配設されてハウジング131の内周面に固定されたステータ134とを有している。モータ130は、ステータ134に通電されることで、ロータ133が回転軸132と共に回転し、圧縮機121(旋回スクロール)を駆動するようになっている。
【0047】
ハウジング131内の下方部位には、気液分離器125によって気液分離された冷媒のうち、液相冷媒を溜めることができる空間部が形成されており、この空間部が冷媒溜め部135となっている。冷媒溜め部135の底部は、ハウジング131の一部の壁部によって形成されている。冷媒溜め部135の底部を以下、底壁部136と呼ぶことにする。
【0048】
冷凍サイクル120における凝縮器122は、例えば複数積層されて内部を冷媒が流通するチューブと、各チューブ間に介在される波形のフィンとを備える熱交換部によって、圧縮機121から吐出される冷媒を冷却して液相冷媒にする熱交換器である。凝縮器122には、ファンモータによって作動される冷却ファン122aが設けられており、この冷却ファン122aによって送風される冷却用空気によって、上記冷媒の冷却が促進されるようになっている。冷却ファン122a(ファンモータ)は、低電圧バッテリ171から供給される電力によって作動されるようになっている。冷却ファン122aの作動は制御装置180によって制御されるようになっている。
【0049】
電磁膨張弁123は、凝縮器122から流出される液相冷媒を低温低圧に減圧膨張させる減圧手段である。電磁膨張弁123は、電磁式の開閉弁であり、制御装置180によって弁の開度が調節されるようになっている。冷凍サイクル120の作動時において、電磁式膨張弁123の弁開度が絞られることにより、圧縮機121から電磁膨張弁123に至る間の高圧側と、電磁膨張弁123から蒸発器124に至る間の低圧側との圧力差が大きくとられ、低圧側の冷媒は低温(例えば0℃前後)となる。逆に電磁式膨張弁123の弁開度が大きくされることにより、高圧側と低圧側との圧力差が小さくとられるようになっている。電磁式膨張弁123の弁開度が最大開度(全開)に開かれる場合であると、減圧効果がなくなり高圧側と低圧側との圧力はほぼ同等になり、圧力差がほとんど生じない状態となる。
【0050】
蒸発器124は、凝縮器122と同様に例えば複数積層されて内部を冷媒が流通するチューブと、各チューブ間に介在される波形のフィンとを備える熱交換部において、電磁膨張弁123から流出される液相冷媒と送風ファン124aによって送風される空調用空気との間で熱交換する熱交換器である。蒸発器124においては、内部を流通する低温の液相冷媒によって空調用空気が冷却されるようになっている。送風ファン124aは、送風モータを備えており、送風ファン124a(送風モータ)は、低電圧バッテリ171から供給される電力によって作動されるようになっている。送風ファン124aの作動は制御装置180によって制御されるようになっている。
【0051】
蒸発器124の冷媒の吐出側には、冷媒の圧力を検出する圧力センサ124bと、冷媒の温度を検出する温度センサ124cとが設けられている。各センサ124b、124cによって検出された圧力信号および温度信号は、制御装置180に出力されるようになっている。
【0052】
気液分離器125は、蒸発器124から流出される冷媒の気液を分離する分離手段である。気液分離器125は、例えば上下方向に細長の容器体から形成されており、蒸発器124から流出される冷媒が内部空間に流入されるようになっている。気液分離器125の内部空間では、密度の小さい気相冷媒が上方に溜まり、密度の大きな液相冷媒が下方に溜まることで、気液分離されるようになっている。
【0053】
気液分離器125の内部空間は、連通路125a、連通路125bによってモータ130のハウジング131の内部空間と連通されるようになっている。連通路125aは、気液分離器125の上方に設けられてハウジング131の上方に接続されている。また、連通路125bは、気液分離器125の下方に設けられてハウジング131の下方に接続されている。よって、気液分離器125内の気相冷媒は、連通路125aを通ってハウジング131内の上方に流入し、また、気液分離器125内の液相冷媒は、連通路125bを通ってハウジング131内の下方、つまり冷媒溜め部135に流入するようになっている。気液分離器125と冷媒溜め部135とは、連通路125bで連通されているので、気液分離器125内の液相冷媒の水位と、冷媒溜め部135内の液相冷媒の水位とは、同一となる。更に、ハウジング131の内部空間は、上方で圧縮機121の吸入口に繋がっており、ハウジング131の内部空間に流入した気相冷媒および液相冷媒のうち、主に気相冷媒は、吸入口から圧縮機121に還流されるようになっている。
【0054】
液面センサ126は、気液分離器125内および冷媒溜め部135内の液相冷媒の水位を検出する水位検出手段(本発明における第2水位検出手段に対応)であり、例えば気液分離器125に設けられている。液面センサ126は、気液分離器125内および冷媒溜め部135内の液相冷媒の水位が予め定めた所定水位以上あるか否かを判定可能となっている。本実施形態の所定水位は、本発明における第2所定水位に対応するものであり、インバータ一体充電器140(スイッチング素子141)を液相冷媒によって充分冷却することが可能な水位(冷媒量)として定めたものである。液面センサ126によって検出された所定水位の水位信号は、制御装置180に出力されるようになっている。
【0055】
熱交換部127は、ハウジング131の底壁部136を流用して熱伝達部とし、冷媒溜め部135内に溜められる液相冷媒を冷却媒体として形成された熱交換手段である。冷媒溜め部135内の液相冷媒は、圧縮機121で圧縮される前の低圧状態の冷媒である。熱交換部127は、底壁部136の外側に当接するように配置されるインバータ一体充電器140のスイッチング素子141を液相冷媒によって冷却するようになっている。熱交換部127においては、冷却が進むと液相冷媒はスイッチング素子141からの受熱により蒸発していくので、スイッチング素子141を継続的に冷却するためには、冷媒溜め部135には充分な液相冷媒が溜められていることが必要となる。例えば、液面センサ126によって検出される水位が、上記で説明した所定水位以上あることが必要になる訳である。
【0056】
インバータ一体充電器140は、商業電源200からの交流電力(本発明における外部電力に対応)を直流電力に変換して高電圧バッテリ110に充電する(充電器として機能する)と共に、高電圧バッテリの110の直流電力を3相の交流電力に変換してモータ130に供給しモータ130を作動させる(インバータとして機能する)2機能一体型の変換部である。インバータ一体充電器140は、例えば車両のイグニッションスイッチやスタートスイッチ等がオフにされて車両が走行機能を停止しているときに、乗員の充電要求に基づき制御装置180によって制御されて上記の充電を行う。加えて、インバータ一体充電器140は、例えば車両のイグニッションスイッチやスタートスイッチ等がオンにされて車両が走行可能としているときに、乗員の空調要求に基づき制御装置180によって制御されてモータ130への電力供給を行い、圧縮機121を駆動するものとなっている。尚、後述するように、本車両用電源装置100においては、上記の充電を行うときにも、インバータ一体充電器140によって、一時的にモータ130が作動されるようになっている。また、以下の説明において、便宜上、車両が走行機能を停止しているときの状態を「走行停止時」と表記し、車両が走行可能としている時の状態を「走行時」と表記する。
【0057】
インバータ一体充電器140は、カバー143内に収容されるスイッチング素子141と制御回路142とを備えており、モータハウジング131の底壁部136の外側下方に設けられている。よって、熱交換部127、およびインバータ一体充電器140は、モータ130のハウジング131に一体的に形成されている。
【0058】
スイッチング素子141は、複数(例えば6つの場合、あるいはインバータと充電器の両方の機能を持った回路を構成するため更に追加される場合もある)のスイッチ部を有しており、そのオン−オフの切替え作動によって、高電圧バッテリ110から印加される直流電力を3相の交流電力に変換してモータ130へ駆動電力として供給するものである。スッチング素子141は、電力ロスによって発熱するため、冷却を必要とする冷却必要部位となっており、絶縁板141aの一方の面に接合されている。絶縁板141aの他方の面は、放熱板141bの一方の面に接合されている。そして、放熱板141bの他方の面は、モータハウジング131の底壁部136(熱交換部127)に当接するように、固定されている。よって、スイッチング素子141から発生する熱は、絶縁板141a、および放熱板141bを介して底壁部136に効率良く伝わるようになっている。
【0059】
また、制御回路142は、上記のスイッチング素子141の切替え作動を制御するものであり、制御装置180によってその作動が制御されるようになっている。制御回路142および制御装置180は、車両の走行停止時でも高電圧バッテリ110への充電のために作動状態となり、上記のスイッチング素子141の切替え作動を制御するようになっている。
【0060】
温度センサ150は、スイッチング素子141の温度を検出する温度検出手段であり、この温度センサ150によって検出された温度信号は制御装置180に出力されるようになっている。
【0061】
受電部160は、商業電源200からの電力を受ける受電手段であり、例えば、一端側に商業電源200のコンセントに接続可能なプラグや、商業電源200に接続可能なコネクタ等を備える電力線として形成されている。電力線の他端側は、インバータ一体充電器140に接続されている。
【0062】
コンバータ170は、高電圧バッテリ110の電圧を調整する電圧変換部であり、高電圧バッテリ110の数百ボルトの電圧を十数ボルト(例えば14V)に降圧して、低電圧バッテリ171に供給するようになっている。コンバータ170の作動は、制御装置180によって制御されるようになっている。低電圧バッテリ171の電力は、上記冷却ファン122a、および送風ファン124aを始め、車両に搭載されるヘッドライト、ワイパー等の各種補機部品へ供給されるようになっている。
【0063】
制御装置180は、車両用電源装置100における制御手段である。制御装置180は、インバータ一体充電器140の作動を制御することで、冷凍サイクル120による空調制御、および高電圧バッテリ110への充電制御を行うようになっている。制御装置180による制御内容の詳細については後述する。
【0064】
次に、上記構成に基づく車両用電源装置100の作動について、図2〜図4を加えて説明する。
【0065】
1.冷凍サイクルの制御
車両走行時においては、乗員の空調要求に基づき、制御装置180は、インバータ一体充電器140をインバータとして機能するように作動制御することによって高電圧バッテリ110の電力をモータ130に供給し、モータ130を作動させて、圧縮機121を駆動させる。また、制御装置180は、送風ファン124aを作動させると共に、蒸発器124出口側における圧力センサ124bからの圧力信号、および温度センサ124cからの温度信号に応じて、電磁膨張弁123の弁開度を調節し、また冷却ファン122aを作動させる。
【0066】
上記により冷凍サイクル120が作動され、圧縮機121から吐出される冷媒は凝縮器122で冷却され、電磁膨張弁123で低温低圧に減圧され、蒸発器124では、低温低圧の冷媒によって送風ファン124aによって送風される空調用空気が冷却される。このとき、空調用空気の温度が乗員の要求する要求温度となるように、圧縮機121の作動回転数、あるいは蒸発器124の出口側における冷媒圧力および冷媒温度に基づく電磁膨張弁123の弁開度が制御される。そして、蒸発器124から流出される冷媒は、気液分離器125で気液分離されて、分離された冷媒のうち気相冷媒は、モータ130のハウジング131内の主に上方を流れ、圧縮機121に吸入される。また、気液分離器125で分離された冷媒のうち液相冷媒は、ハウジング131内の下方の冷媒溜め部135に溜められる形となる。
【0067】
インバータとして制御されるインバータ一体充電器140においては、作動されることによって特にスイッチング素子141が発熱していくことになるが、スイッチング素子141は、冷媒溜め部135に溜められる液相冷媒によって冷却されることになる。
【0068】
2.高電圧バッテリへの充電制御
車両走行停止時においては、乗員によって受電部160が商業電源200に接続されて、乗員からの充電要求があると、制御装置180は、インバータ一体充電器140によって高電圧バッテリ110への充電を行う。
【0069】
図2に示すように、制御装置180は、ステップS100で充電の制御を開始し、ステップS101で、充電条件が満足されているか否かを判定する。制御装置180は、充電条件について、例えば受電部160が商業電源200に接続されていること、高電圧バッテリ110は満充電状態ではないこと等によって充電条件が満足されていることを判定する。
【0070】
ステップS101で充電条件が満足されていると判定すると、制御装置180は、スッテップS102で、インバータ一体充電器140による充電動作を行う。即ち、制御装置180は、インバータ一体充電器140を充電器として機能するように作動制御することで、商業電源200の交流電力を直流電力に変換して高電圧バッテリ110への充電を行う。このとき、インバータ一体充電器140を作動させることによって、上記の冷凍サイクルの制御時と同様に、特にスイッチング素子141が発熱していくことになる。スイッチング素子141は、上記のように車両走行時に冷凍サイクル120が作動されることで熱交換部127の冷媒溜め部135に溜められた液相冷媒によって、冷却されることになる。しかし、スイッチング素子141の発熱が続いていくと液相冷媒はスイッチング素子141の熱によって蒸発していく。全ての液相冷媒が蒸発してしまうと、冷却ができなくなり、スイッチング素子141の温度上昇が顕著になっていく。
【0071】
よって、制御装置180は、ステップS103で、温度センサ150から得られる温度信号(スイッチング素子141の温度)が予め定めた所定温度(例えば120℃)を超えているか否かを判定する。ステップS103は、本発明における判定手段に対応する。ここで所定温度とは、インバータ一体充電器140(スイッチング素子141)を使用するにあたって、ある程度の温度上昇があっても、インバータ一体充電器140における基本的な機能、品質が維持できるようにするための使用上の上限温度である。ステップS103で否と判定すれば、ステップS101に戻り、ステップS102の充電動作を継続する。
【0072】
しかし、ステップS103で肯定判定すると、制御装置180は、ステップS104で、インバータ一体充電器140の作動を停止し、一旦、充電動作を停止する。つまり、スイッチング素子141の温度が所定温度を超える場合では、スイッチング素子141が所定温度以下となるように冷却する必要があると判定でき、以下のステップS105、ステップS106で、スイッチング素子141の冷却のために、熱交換部127の冷媒溜め部135における液相冷媒が充分に溜められている状態にするための制御を行っていく。
【0073】
即ち、ステップS105で、制御装置180は、電磁膨張弁123の弁開度を全開状態にし、インバータ一体充電器140をインバータとして機能するように作動させてモータ130によって圧縮機121を駆動させ、冷却ファン122aを作動させる。
【0074】
すると、図3に示すように、冷凍サイクル120においては、電磁膨張弁123が全開状態にあるため、高圧側と低圧側との圧力差はほとんど得られず、圧縮機121によって冷凍サイクル120内を冷媒が単純に循環する形となる。圧縮機121から吐出される冷媒は、凝縮器122において冷却ファン122aによって送風される冷却用空気によって冷却用空気の温度(外気温度)近傍まで冷却され、凝縮されて液相冷媒となる。そして、この液相冷媒は、電磁膨張弁123、および蒸発器124を通り、気液分離器125に至る。ここでは、送風ファン124aは、作動させていないので、蒸発器124においては、液相冷媒は気化されること無く、気液分離器125に流入する。そして、気液分離器125で分離された液相冷媒は、冷媒溜め部135に溜められていくことになる。
【0075】
そして、ステップS106で、制御装置180は、液面センサ126から得られる冷媒溜め部135における液相冷媒の水位が所定水位以上あるか否かを判定する。ステップS106で肯定判定すると、制御装置180は、インバータ一体充電器140を冷却するための液相冷媒が冷媒溜め部135に充分にあると判定して、ステップS107で、インバータ一体充電器140を停止させて、モータ130、即ち圧縮機121を停止させると共に、冷却ファン122aを停止させる。
【0076】
そして、再びステップS101以降に戻り、インバータ一体充電器140を充電器として機能するように作動させることにより高電圧バッテリ110への充電を行っていく。このとき、スイッチング素子141は、冷媒溜め部135に溜められた液相冷媒によって再び冷却されることになる。
【0077】
一方、上記充電により高電圧バッテリ110がフル充電され、また、受電部160が商業電源から外され、ステップS101における充電条件を満足しないと判定すると、制御装置180は、ステップS108で充電を停止し、ステップS109で本制御を終了する。
【0078】
上記制御に伴う、インバータ一体充電器140の作動状態について図4を用いて補足説明する。インバータ一体充電器140は、高電圧バッテリ110への充電のために充電器として機能するように作動されているときは、モータ130、即ち圧縮機121は停止状態にある。そして、充電中におけるインバータ一体充電器140のスイッチング素子141の温度が所定温度を超えると、インバータ一体充電器140は、インバータとして機能するように作動される。つまり、充電器としては停止され、モータ130、即ち圧縮機121が作動されて、冷媒溜め部135へ液相冷媒が溜められる。圧縮機121が作動される間の時間は、例えばTa1である。そして、液相冷媒の水位が所定水位以上となれば、インバータ一体充電器140は、再び充電器として機能するように作動され、高電圧バッテリ110への充電が再開される。充電器として作動される間の時間は、例えばTb1である。充電中は、モータ130、即ち圧縮機121は停止状態となる。このように、インバータ一体充電器140においては、以上の作動が繰り返される。
【0079】
上記制御における机上での熱収支の試算によると、40℃の液相冷媒を冷媒溜め部135に200cc溜める仕様として充電時のスイッチング素子141の発熱量を200Wとし、その熱量がすべて冷媒の気化に使われたとした場合、Tb1=約3分間の冷却を維持できる。また200ccの液相冷媒を溜めるのに要する時間は、Ta1=5〜10秒程度となる。実際には、圧縮機の立ち上がり時間の影響や外気温、発熱量などの条件の違いによりこの時間通りにならない場合もある。
【0080】
以上のように、本第1実施形態では、車両の走行停止時に、インバータ一体充電器140を充電器として機能するように作動させることで、高電圧バッテリ110への充電が可能となる。このとき、インバータ一体充電器140のスイッチング素子141は、冷凍サイクル120内の液相冷媒を用いた熱交換部127によって冷却されることになる。しかし、この冷却が進行していくと、液相冷媒はスイッチング素子141からの受熱によって蒸発して気相冷媒となっていくため、上記の冷却が賄えなくなり、スイッチング素子141の温度は上昇していく。よって、スイッチング素子141の温度が所定温度を超えると、インバータ一体充電器140をインバータとして機能するように作動させて、モータ130の作動を制御して圧縮機121を駆動させるようにしているので、蒸発した気相冷媒は、冷凍サイクル120内を循環して、凝縮器122にて凝縮されて、再び液相冷媒として、熱交換部127へ還流されることになる。よって、この液相冷媒を用いることで、充電時におけるスイッチング素子141の冷却を継続することが可能となる。
【0081】
また、圧縮機121を駆動させるときに、電磁膨張弁123の弁開度を全開にして冷凍サイクル120の高圧側圧力と低圧側圧力とが同等となるようにしている。
【0082】
通常、インバータ一体充電器140の作動時の温度は、冷凍サイクル120が非作動時の冷媒温度(外気温度相当)よりも高くなるので、熱交換部127で使用される液相冷媒としては、冷凍サイクル120が作動されるときに低圧側で低温となる冷媒を用いなくても、外気温度相当の冷媒にてスイッチング素子141の冷却に使用することができる。
【0083】
よって、スイッチング素子141を冷却する際には、電磁膨張弁123の弁開度を全開にして、冷凍サイクル120の高圧側の圧力と、低圧側の圧力とが同等となるようにしても、その条件下での液相冷媒を用いてスイッチング素子141の冷却が可能である。したがって、高圧側と低圧側の圧力差を設けないように圧縮機121を駆動させるので、圧縮機121の動力を極力抑えることが可能となる。また、圧縮機121の動力が抑えられる分、圧縮機121の騒音も低減することができる。
【0084】
また、圧縮機121を駆動させた後に、冷媒溜め部135における液相冷媒の水位が所定水位以上となると、圧縮機121の駆動を停止させて、インバータ一体充電器140を充電器として機能するように作動させて、高電圧バッテリ110への充電を再開させるようにしている。
【0085】
これにより、冷媒溜め部135に溜まる液相冷媒の水位が所定水位以上あれば、この液相冷媒でインバータ一体充電器140の冷却が充分できると明確に判定することができるので、この判定をもってインバータ一体充電器140を充電器として機能するように作動させることで、むやみにインバータ一体充電器140をインバータとして作動さて、いつまでも圧縮機121を駆動させることがなくなる。
【0086】
また、圧縮機121を駆動させるときに、凝縮器122の冷却ファン122aを作動させるようにしているので、凝縮器122における冷媒の冷却能力を上げることができ、短時間で、より多くの液相冷媒を熱交換部127に供給することができる。
【0087】
また、熱交換部127、およびインバータ一体充電器140は、モータ130のハウジング131に一体的に形成されるようにしているので、熱交換部127、モータ130、およびインバータ一体充電器140をコンパクトにすることができる。更に、モータ130とインバータ一体充電器140を一体的に形成することで、両者を接続する配線を短くすることができる。
【0088】
(第2実施形態)
第2実施形態の車両用電源装置100について、図5〜図7を用いて説明する。第2実施形態は、上記第1実施形態の車両用電源装置100と構成を同一として、充電時の制御内容を変更したものである。図5の制御フローチャートでは、図2に対してステップS105をステップS205に変更している。
【0089】
図5に示すように、制御装置180は、高電圧バッテリ110の充電の際に、スイッチング素子141の温度が所定温度を超えて、充電を停止した後に(ステップS100〜ステップS104)、ステップS205で、インバータ一体充電器140をインバータとして機能するように作動させてモータ130によって圧縮機121を駆動させ、電磁膨張弁123の弁開度を調節し、冷却ファン122aを作動させる。制御装置180は、電磁膨張弁123の弁開度調節により、図6に示すように、冷凍サイクル120の高圧側と低圧側との間に圧力差を発生させるようにする。つまり、凝縮器122から流出される液相冷媒は、電磁膨張弁123によって減圧膨張されて、低温低圧(例えば0℃前後)となって蒸発器124に流入するようにする。送風ファン124aは作動させていないので、蒸発器124においては、液相冷媒は気化されること無く、気液分離器125に流入する。そして、この低温の液相冷媒が冷媒溜め部135に溜められるようにする。
【0090】
これにより、熱交換部127は、冷凍サイクル120作動時の低圧側において低温となる液相冷媒を用いてスイッチング素子141を冷却することができるので、上記第1実施形態に対して、冷却効果を高めることができる。つまり低温の液相冷媒を用いることで、より多くの潜熱を蓄えることができ、また蒸発した後も所定温度に達するまでの顕熱が期待でき蓄冷量を多くすることができる。よって、インバータ一体充電器140をインバータとして機能するように頻繁に使用せざるを得ないという状況をなくして、充電器として機能するように使用することのできる時間を延ばすことができ、ひいては、短時間での充電が可能となる。
【0091】
上記制御における机上での熱収支の試算によると、0℃の液相冷媒を第1実施形態と同様に冷媒溜め部135に200cc溜める仕様として充電時のスイッチング素子141の発熱量を200Wとし、その熱量がすべて冷媒の気化に使われたとした場合、図7に示すように、Tb2=約6分間の冷却を維持できる。また200ccの液相冷媒を溜めるのに要する時間は、冷凍サイクル120の冷凍能力を例えば2.5kWとしたとき、Ta2=約30秒程度となる。実際には圧縮機の立ち上がり時間の影響や外気温、発熱量などの条件の違いにより、この時間とならない場合もある。
【0092】
(第3実施形態)
第3実施形態の車両用電源装置100Aを図8に示す。第3実施形態の車両用電源装置100Aは、上記第1実施形態の車両用電源装置100に対して、受け皿190および加熱部191を追加したものである。
【0093】
受け皿190は、上側が開口された浅い皿部材であり、インバータ一体充電器140の下方に配設されて、例えばモータ130のハウジング131に固定されている。受け皿190は、スイッチング素子141が熱交換部127によって冷却される際に、空気中の水蒸気の結露によって生成される結露水を受けて、溜めるものである。
【0094】
加熱部191は、受け皿190に溜められる結露水を加熱して蒸発させる加熱手段であり、例えば圧縮機121の吐出側と凝縮器122の冷媒流入側とを接続する高圧側冷媒配管の一部によって形成されている。上記高圧側冷媒配管の一部は、受け皿190内に配設されている。
【0095】
車両走行停止時において、高電圧バッテリ110への充電が実施されると、スイッチング素子141の温度上昇と共に、スイッチング素子141は、冷媒溜め部135の液相冷媒によって冷却されるが、このときの冷却によって、インバータ一体充電器140の外部には、空気中の水蒸気が結露して結露水が生成される場合がある。車両を例えば居室内に入れて充電する場合では、この結露水が床に垂れてしまうことが懸念される。
【0096】
本第3実施形態では、受け皿190によって、冷却時に発生する結露水を受けることができるので、上記のように車両を居室内に入れて充電する際に、結露水が床に垂れることを防止することができる。また、車両走行停止時の充電中、あるいは車両走行時において、冷凍サイクル120が作動されたときに、加熱部191を形成する冷媒配管には、圧縮機121から吐出される高温高圧の冷媒が流通する。このとき、受け部190に溜められた結露水を、加熱部191によって蒸発させることができるので、受け部190に溜められた結露水の排水処理等の手間を省くことができる。
【0097】
尚、受け皿190には、結露水がこぼれるのを防止するためにスポンジ等の吸水部材を配設するようにしても良い。また、加熱部191は上記高圧側冷媒配管に代えて、電気ヒータ等を用いた加熱手段としても良い。
【0098】
(第4実施形態)
第2実施形態の車両用電源装置100Bについて、図9、図10を用いて説明する。第4実施形態は、上記第1、第2実施形態の車両用電源装置100に対して、インバータ一体充電器140の設定位置を変更したものである。
【0099】
図9に示すように、インバータ一体充電器140は、冷媒溜め部としての気液分離器125の底壁部に一体的に設けられている。つまり、インバータ一体充電器140内のスイッチング素子141は、絶縁板141aおよび放熱板141bを介して気液分離器125の底壁部に固定されている。よって、スイッチング素子141は、気液分離器125内に溜められた液相冷媒によって、冷却されるようになっている。このように本実施形態では、気液分離器125が、インバータ一体充電器140の必要冷却部位を冷却する熱交換部となっている。尚、本実施形態では、第1、第2実施形態で説明したモータ130内の冷媒溜め部135は、廃止されており、よって、気液分離器125内と冷媒溜め部135とを連通させる連通路125bも廃止されている。
【0100】
制御装置180による高電圧バッテリ110への充電制御の要領は、上記第2実施形態(図5のフローチャート)と同じであり、充電時におけるスイッチング素子141の冷却を可能としている。
【0101】
本実施形態では、インバータ一体充電器140は、気液分離器125と一体的に形成されるようにしているので、気液分離機125によって、直接的にインバータ一体充電器140を冷却することができ、効果的な冷却が可能となる。
【0102】
上記制御における机上での試算によると、例えば、気液分離器125の容量を200ccとすると、0℃の液相冷媒200ccが35℃の気相冷媒になるまでに吸熱する熱量は約30kJである。スイッチング素子141の発熱量を100Wとすると、図10に示すように、Tb3=約5分間の冷却を維持できる。一方、液相冷媒を溜めるのに必要な時間は、冷凍サイクル120の能力を2.5kWとすると、Ta3=12秒程度となる。実際には、冷凍サイクル120が安定するのに多少の時間を有したり、システムよって冷凍サイクル120の能力、気液分離器125の容量、およびインバータ一体充電器140としての発熱量などが異なるので、必ずしもこの数字どおりにはならないが、時間比率など成立可能であることが分かる。
【0103】
(第5実施形態)
第5実施形態の車両用電源装置100Cについて、図11、図12を用いて説明する。第5実施形態は、上記第4実施形態の車両用電源装置100Bに対して、モータ130のハウジング131内の下方部位に設けられた冷媒溜め部135と、気液分離器125の液相冷媒の水位を検出する2つの液面センサ126a、126bと、気液分離器125の下方とハウジング131内の冷媒溜め部135とを連通させる連通路125bと、連通路125bにおいて液相冷媒を圧送する液冷媒ポンプ125cと、を追加すると共に、インバータ一体充電器140の設定位置をハウジング131の底部(底壁部136)に変更したものである。尚、上記冷媒溜め部135、連通路125b、およびインバータ一体充電器140の設定位置は、実質的に上記第1、第2実施形態と同一である。
【0104】
本実勢形態では、冷媒溜め部としての気液分離器125がインバータ一体充電器140を冷却する基本的な熱交換部となっている。しかしながら、インバータ一体充電器140は、ハウジング131の底部に設けられており、気液分離器125から離れて配置されている。よって、連通路125bは、気液分離器125からインバータ一体充電器140の表面(放熱板141b)に向けて延設されると共に、気液分離器125内の液相冷媒が流通する通路となっており、本発明における配管に対応している。気液分離器125から連通路125bを流通する液相冷媒は、冷媒溜め部135に至るようになっている。
【0105】
図11に示すように、液面センサ126aは、気液分離器125内の液相冷媒の第1所定水位を検出する第1の水位検出手段である。第1所定水位とは、気液分離器125内の液相冷媒量が少ない状態にあり、冷媒溜め部135への冷媒供給が充分に行えず、インバータ一体充電器140(スイッチング素子141)を液相冷媒によって冷却することが不能となる下限の水位(冷媒量)として定めたものである。液面センサ126aによって検出された第1所定水位の水位信号は、制御装置180に出力されるようになっている。
【0106】
また、液面センサ126bは、気液分離器125内の液相冷媒の第2所定水位を検出する第2の水位検出手段である。第2所定水位とは、気液分離器125内の液相冷媒量が充分にあり、冷媒溜め部135への冷媒供給が可能であって、インバータ一体充電器140(スイッチング素子141)を液相冷媒によって冷却することが可能となる上限の水位(冷媒量)として定めたものである。液面センサ126bによって検出された第2所定水位の水位信号は、制御装置180に出力されるようになっている。第1所定水位と第2所定水位との関係は、第1所定水位<第2所定水位である。
【0107】
液冷媒ポンプ125cは、連通路125bに設けられた冷媒圧送手段であり、気液分離器125内の液相冷媒を冷媒溜め部135に圧送するようになっている。液冷媒ポンプ125cは、制御装置180によって作動回転数が制御され、液相冷媒の圧送量(流量)が調整されるようになっている。
【0108】
次に、本実施形態の作動について説明する。図12は、本実施形態において制御装置180が行う充電制御の内容を示すフローチャートである。図12のフローチャート中のステップS100、S101、S102、S205、S107、S108、S109は、上記第2実施形態で説明した図5のフローチャート中のステップS100、S101、S102、S205、S107、S108、S109と同一である。
【0109】
制御装置180は、ステップS100で充電の制御を開始し、ステップS101で、充電条件が満足されているか否かを判定する。ステップS101で充電条件が満足されていると判定すると、制御装置180は、スッテップS102で、インバータ一体充電器140による充電動作を行う。即ち、制御装置180は、インバータ一体充電器140を充電器として機能するように作動制御することで、商業電源200の交流電力を直流電力に変換して高電圧バッテリ110への充電を行う。
【0110】
そして、ステップS301で、制御装置180は、液冷媒ポンプ125cを作動させる。続いて、ステップS302で、制御装置180は、インバータ一体充電器140の出力に対応する必要冷媒流量を算出する。つまり、インバータ一体充電器140の出力に伴い、スイッチング素子141の温度が上昇していくため、制御装置180は、スイッチング素子141を冷却するために必要とされる冷媒流量を、予め定めた相関マップ等を用いて算出するのである。そして、ステップS303で、制御装置180は、算出された必要冷媒流量となるように、液冷媒ポンプ125cの作動回転数(圧送量)を制御する。
【0111】
次に、ステップS304で、制御装置180は、気液分離器125における液相冷媒の水位が第1所定水位(下限水位)以下か否かを、液面センサ126aによって得られる信号から判定する。ステップS304で肯定判定すると、制御装置180は、気液分離器125内の液相冷媒がなくなり(少量となり)、インバータ一体充電器140を冷却するための液相冷媒を、冷媒溜め部135に充分に供給することができないと判定して、ステップS305で、インバータ一体充電器140を停止させる(充電を停止させる)と共に、液冷媒ポンプ125cを停止させる。ステップS304は、本発明のインバータ一体充電器140の冷却要否を判定する判定手段に対応する。
【0112】
そして、ステップS205で、制御装置180は、気液分離器125内に液相冷媒を溜めるために、インバータ一体充電器140をインバータとして機能するように作動させてモータ130によって圧縮機121を駆動させ、電磁膨張弁123の弁開度を調節し、冷却ファン122aを作動させる。すると、凝縮器122から流出される液相冷媒は、電磁膨張弁123によって減圧膨張されて、低温低圧(例えば0℃前後)となって蒸発器124に流入される。送風ファン124aは作動させていないので、蒸発器124においては、液相冷媒は気化されること無く、気液分離器125に流入し、溜められていく。
【0113】
上記のように液相冷媒が気液分離器125内に溜められていく中で、ステップS306で、制御装置180は、気液分離機125における液相冷媒の水位が第2所定水位(上限水位)以上か否かを、液面センサ126bによって得られる信号から判定する。ステップS306で肯定判定すると、気液分離器125内に充分に液相冷媒が溜められたものとして、ステップS107で、制御装置180は、インバータ一体充電器140を停止させて、モータ130、即ち圧縮機121を停止させると共に、冷却ファン122aを停止させる。
【0114】
そして、再びステップS101以降に戻り、インバータ一体充電器140を充電器として機能するように作動させることにより高電圧バッテリ110への充電を行っていく。このとき、スイッチング素子141は、気液分離器125から液冷媒ポンプ125cによって冷媒溜め部135に溜められた液相冷媒によって再び冷却されることになる。
【0115】
本実施形態では、液冷媒ポンプ125cによって連通路125bを流通する液相冷媒によってインバータ一体充電器140を冷却することができる。よって、気液分離器(冷媒溜め部)125とインバータ一体充電器140とを一体的に形成できないといった配置の制約がある場合でも、インバータ一体充電器140を冷却することができる。
【0116】
また、インバータ一体充電器140の出力に応じて、連通路125bを流通する液相冷媒の流量を調整するようにしているので、過度に液相冷媒を使用することがなくなり、圧縮機121の駆動時間を最低限度に抑えることができる。
【0117】
また、気液分離器(冷媒溜め部)125内に溜められた液相冷媒によってインバータ一体充電器140を冷却する場合であると、液相冷媒はスイッチング素子141からの受熱によって蒸発して気相冷媒となっていくので、液相冷媒が減少していき、冷却が賄えなくなっていく。よって、液面センサ126a、126bによって気液分離器(冷媒溜め部)125内の液相冷媒の水位を検出することで、スイッチング素子141の冷却の必要性を明確に判定することができる。
【0118】
尚、上記制御のステップS302では、制御装置180は、インバータ一体充電器140の出力に対応する必要冷媒流量を算出するようにしたが、これに代えて、スイッチング素子141の発熱量に応じて必要冷媒流量を算出するようにしても良い。
【0119】
(第6実施形態)
第6実施形態の車両用電源装置100Dについて、図13、図14を用いて説明する。第6実施形態は、上記第5実施形態の車両用電源装置100Cに対して、液冷媒ポンプ125cを液冷媒バルブ125dに変更したものである。
【0120】
液冷媒バルブ125dは、連通路125bに設けられた冷媒流量調整手段であり、弁開度を変更することによって、気液分離器125内からハウジング131内の冷媒溜め部135に流入する液相冷媒の流量を調整するようになっている。液冷媒バルブ125dの弁開度は、制御装置180によって制御されるようになっている。
【0121】
次に、本実施形態の作動について説明する。図14は、本実施形態において制御装置180が行う充電制御の内容を示すフローチャートである。図14のフローチャートは、第5実施形態で説明した図12のフローチャートに対して、ステップS301、S303、S305をそれぞれ、ステップS401、S403、S405に変更したものである。
【0122】
制御装置180は、ステップS100で充電の制御を開始し、ステップS101で、充電条件が満足されているか否かを判定する。ステップS101で充電条件が満足されていると判定すると、制御装置180は、スッテップS102で、インバータ一体充電器140による充電動作を行う。即ち、制御装置180は、インバータ一体充電器140を充電器として機能するように作動制御することで、商業電源200の交流電力を直流電力に変換して高電圧バッテリ110への充電を行う。
【0123】
そして、ステップS401で、制御装置180は、液冷媒バルブ125dを開く。続いて、ステップS302で、制御装置180は、インバータ一体充電器140の出力に対応する必要冷媒流量を算出する。つまり、インバータ一体充電器140の出力に伴い、スイッチング素子141の温度が上昇していくため、制御装置180は、スイッチング素子141を冷却するために必要とされる冷媒流量を、予め定めた相関マップ等を用いて算出するのである。そして、ステップS403で、制御装置180は、算出された必要冷媒流量となるように、液冷媒バルブ125dの弁開度を制御する。
【0124】
次に、ステップS304で、制御装置180は、気液分離機125における液相冷媒の水位が第1所定水位(下限水位)以下か否かを、液面センサ126aによって得られる信号から判定する。ステップS304で肯定判定すると、制御装置180は、気液分離器125内の液相冷媒がなくなり(少量となり)、インバータ一体充電器140を冷却するための液相冷媒を、冷媒溜め部135に充分に供給することができないと判定して、ステップS405で、インバータ一体充電器140を停止させる(充電を停止させる)と共に、液冷媒バルブ125dを閉じる。ステップS304は、本発明のインバータ一体充電器140の冷却要否を判定する判定手段に対応する。
【0125】
そして、以下のステップS205、S306、およびS107では、制御装置180は、上記第5実施形態と同様の制御を実施する。
【0126】
本実施形態では、上記第5実施形態の液冷媒ポンプ125cを液冷媒バルブ125dに変更したものであって、上記第5実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0127】
尚、上記制御のステップS302では、制御装置180は、インバータ一体充電器140の出力に対応する必要冷媒流量を算出するようにしたが、上記第5実施形態と同様に、スイッチング素子141の発熱量に応じて必要冷媒流量を算出するようにしても良い。
【0128】
(第7実施形態)
第7実施形態の車両用電源装置100Eについて、図15〜図17を用いて説明する。第7実施形態は、上記第1、第2実施形態の車両用電源装置100に対して、インバータ一体充電器140を冷却する熱交換部を蓄冷部128に変更すると共に、インバータ一体充電器140の設定位置を変更したものである。
【0129】
尚、本実施形態では、第1、第2実施形態で説明した気液分離器125、連通路125a、125b、液面センサ126、冷媒溜め部135は、廃止されている。また、凝縮器122と電磁膨張弁123との間には、凝縮器122から流出される冷媒の気液を分離して、液相冷媒を溜めると共に、液相冷媒を電磁膨張弁123に流出させるレシーバ122bが設けられている。
【0130】
図15に示すように、蓄冷部128は、例えば円筒状の蓄冷材タンク128a内に、冷媒配管128b、伝熱フィン128c、および蓄冷材128dが収容されて形成されている。
【0131】
冷媒配管128bは、蒸発器124の流出側と圧縮機121の吸入側とを接続する配管であり、蓄冷材タンク128a内で例えば上下方向に蛇行するように配設されている。伝熱フィン128cは、例えば薄肉の板状のフィンであり、冷媒配管128bの表面と接触するように、冷媒配管128bの長手方向(上下方向)に複数積層されている。
【0132】
蓄冷材128dは、冷凍サイクル120の作動時に、冷媒配管128b内を流通する低温の冷媒によって冷却されることで蓄冷されるものであり、例えばパラフィン、あるいは水等が使用されている。蓄冷材128dは、冷媒によって冷却されることで、液相から固相に変化して冷熱を蓄え、相変化に伴う潜熱が利用できるものとなっている。つまり、蓄冷材128dは、図16に示すように、冷媒によって冷却されることで、液相時の温度低下に伴う顕熱と、液相から固相への相変化に伴う潜熱と、固相時の温度低下に伴う顕熱とを蓄えることができる。蓄冷材128dは、蓄冷材タンク128a内に所定量となるように充填されている。蓄冷材128dは、冷媒配管128b、および伝熱フィン128cの表面と接触している。
【0133】
蓄冷材タンク128a内には、蓄冷材128dの温度を検出する温度センサ150aが設けられている。温度センサ150aによって検出される温度信号は、制御装置180に出力されるようになっている。尚、温度センサ150aは、例えば、蓄冷材128dを加熱し、蓄冷材128dが固相状態から液相状態に変化する際に、最後に液相状態となる部位に設けられるようにすると良い。
【0134】
そして、インバータ一体充電器140は、蓄冷部128の底部に一体的に設けられている。つまり、インバータ一体充電器140内のスイッチング素子141は、絶縁板141aおよび放熱板141bを介して蓄冷材タンク128aの底壁部に固定されている。よって、スイッチング素子141は、蓄冷材タンク128a内に充填された蓄冷材128dによって、冷却されるようになっている。
【0135】
次に、本実施形態の作動について説明する。図17は、本実施形態において制御装置180が行う充電制御の内容を示すフローチャートである。図17のフローチャートは、上記第2実施形態で説明した図5のフローチャート中のステップS106をステップS506に変更したものである。
【0136】
制御装置180は、ステップS100で充電の制御を開始し、ステップS101で充電条件が満足されていると判定すると、ステップS102で、インバータ一体充電器140による充電動作を行う。このとき、インバータ一体充電器140を作動させることによって、特にスイッチング素子141が発熱していくことになる。スイッチング素子141は、車両走行時において冷凍サイクル120の作動によって蓄冷された蓄冷材128dによって、冷却されることになる。しかし、スイッチング素子141の発熱が続いていくと蓄冷材128dは、スイッチング素子141の熱によって温度上昇していく。蓄冷材128dの温度が上昇していくと、スイッチング素子141の冷却が充分にできなくなり、スイッチング素子141の温度上昇が顕著になっていく。
【0137】
よって、制御装置180は、ステップS103で、温度センサ150から得られる温度信号(スイッチング素子141の温度)が予め定めた所定温度(例えば120℃)を超えていると判定すると、インバータ一体充電器140の冷却が必要として、ステップS104で、インバータ一体充電器140の作動を停止し、一旦、充電動作を停止する。そして、ステップS205で、制御装置180は、電磁膨張弁123の弁開度を制御すると共に、インバータ一体充電器140をインバータとして機能するように作動させてモータ130によって圧縮機121を駆動させ、冷却ファン122aを作動させる。
【0138】
すると、圧縮機121によって冷媒が冷凍サイクル120内を循環する。圧縮機121から吐出される冷媒は、凝縮器122において冷却ファン122aによって送風される冷却用空気によって冷却され、レシーバ122bに流出される。レシーバ122b内に流出された冷媒は、内部で気液分離されて、主に液相冷媒が電磁膨張弁123に流出される。電磁膨張弁123では、液相冷媒が低温低圧に減圧されて、蒸発器124を通り、蓄冷部128に至る。ここでは、送風ファン124aは、作動させていないので、蒸発器124においては、液相冷媒は気化されること無く、蓄冷部128に流入する。
【0139】
蓄冷部128においては、低温の冷媒が、冷媒配管128bを流通する間に、冷媒の冷熱が伝熱フィン128cを介して蓄冷材128dに伝えられ、蓄冷材128dが蓄冷されていく。蓄冷材128dは、図16に示すように、時間と共に温度低下され、蓄冷材128dの温度が凝固点(潜熱を蓄えるときの温度)を下回ると完全に液相から固相に変化(凍り)していく。そして、冷媒配管128bを流通した冷媒は、再び圧縮機121に吸入される。
【0140】
そして、ステップS506で、制御装置180は、温度センサ150aから得られる蓄冷材128dの温度が所定条件か否かを判定する。ここでは、蓄冷材128dの温度が、所定温度以下にあるか否かを判定する。ここで、蓄冷材128dに対する所定温度とは、蓄冷材128dの凝固点よりも数℃(2〜3℃)程度、低い側に設けた判定温度であり、蓄冷材128dが完全に凝固したことを確認可能とする温度としている。
【0141】
ステップS506で肯定判定すると、制御装置180は、蓄冷材128dが充分にインバータ一体充電器140を冷却するための冷熱を蓄えていると判定して、ステップS107で、インバータ一体充電器140を停止させて、モータ130、即ち圧縮機121を停止させると共に、冷却ファン122aを停止させる。
【0142】
そして、再びステップS101以降に戻り、インバータ一体充電器140を充電器として機能するように作動させることにより高電圧バッテリ110への充電を行っていく。このとき、スイッチング素子141は、蓄冷材タンク128a内の蓄冷材128dによって再び冷却されることになる。
【0143】
本実施形態では、熱交換部を蓄冷部128としており、冷凍サイクル120内の冷媒によって蓄冷される蓄冷材128dによって、インバータ一体充電器140を冷却することが可能となる。
【0144】
また、本実施形態では、上記第1〜第6実施形態に対して、冷媒によって直接的にインバータ一体充電器140を冷却するものでなく、冷媒配管128bの外表面によって蓄冷材128dを冷却して、この蓄冷材128dによってインバータ一体充電器140を冷却するようにしているので、冷凍サイクル120の冷媒の流れに影響を与えることがなく、冷凍サイクル120の構成に制約を受けることがない。
【0145】
尚、冷凍サイクル120において、蓄冷部128を設置する位置は、上記のように蒸発器124と圧縮機121との間に限らず、他の位置、例えば、電磁膨張弁123と蒸発器124との間等、としても良い。
【0146】
また、ステップS103におけるインバータ一体充電器140の冷却要否の判定は、スイッチング素子141の温度に限らず、蓄冷材128dの温度を用いるようにしても良い。この場合、スイッチング素子141の温度検出用の温度センサ150を廃止することができる。
【0147】
(第8実施形態)
第8実施形態の車両用電源装置100Fについて、図18を用いて説明する。第8実施形態は、上記第7実施形態の車両用電源装置100Eに対して、蓄冷部128およびインバータ一体充電器140の設定位置を変更したものである。
【0148】
蓄冷部128は、モータ130のハウジング131(例えば底部)に一体的に形成されている。そして、インバータ一体充電器140は、蓄冷部128(例えば下側)に一体的に形成されている。
【0149】
これにより、蓄冷部128、モータ130、およびインバータ一体充電器140をコンパクトにすることができる。更に、モータ130とインバータ一体充電器140を一体的に形成することで、両者を接続する配線を短くすることができる。
【0150】
(第9実施形態)
第9実施形態の車両用電源装置100Gについて、図19を用いて説明する。第9実施形態は、上記第1〜第3、第5、第6、第8実施形態のようにインバータ一体充電器140が圧縮機(電動圧縮機)121と一体的に形成されるものにおいて、断熱部としての断熱材121bを追加したものである。
【0151】
図19に示すように、断熱材121bは、電動圧縮機121を構成する圧縮機121とモータ130との間に介在されている。よって、断熱材121bは、圧縮機121とインバータ一体充電器140との間に介在された形となっている。
【0152】
これにより、圧縮機121が駆動されているときに発生される熱が、断熱材121bによって、インバータ一体充電器140に伝わるのを阻止できるので、インバータ一体充電器140の冷却における悪影響を抑制することができる。具体的には、圧縮機121を駆動させた後に、インバータ一体充電器140による充電制御を実施するように切替えたときに、インバータ一体充電器140の初期温度をより低くすることができるので、インバータ一体充電器140の冷却時間、つまり充電時間を延ばすことができる。
【0153】
(その他の実施形態)
上記各実施形態では、制御装置180は、インバータ一体充電器140の制御において、ステップS106、S306で冷媒溜め部135における液相冷媒の水位を判定して、圧縮機121を停止するようにした。これに代えて、圧縮機121の駆動によって液相冷媒を充分に溜めることのできる時間(Ta1、Ta2等)を所定時間として予め算出し、圧縮機121を駆動させた後、所定時間が経過した時点で、圧縮機121を停止し、充電動作に切替えるようにしても良い。これにより、液面センサ126を不要とする制御が可能となる。
【0154】
また、ステップS106、S306、S506の判定として、スイッチング素子141の温度が、所定温度よりも低い側に予め設定された安全温度以下になったことを判定して、圧縮機121を停止するようにしても良い。これにより、上記同様に液面センサ126を不要とする制御が可能となる。
【0155】
また、上記各実施形態では、熱交換部127を蒸発器124と圧縮機121との間に設けて、スイッチング素子141の冷却用の液相冷媒として、蒸発器124から流出する冷媒を用いるようにした。しかしながら、これに代えて、熱交換部127を凝縮器122と電磁膨張弁123との間に設けて、スイッチング素子141の冷却用の液相冷媒として、凝縮器122から流出する冷媒を用いるようにしても良い。
【0156】
また、インバータ一体充電器140の冷却必要部位として、スイッチング素子141を代表例として説明したが、各部の温度上昇特性に応じて、リアクトル等の他の発熱部や、制御回路142側等を冷却の対象としても良い。あるいは、複数の箇所を冷却の対象としても良い。
【0157】
また、上記各実施形態では、ステップS105、ステップS205で、圧縮機121を駆動させるときに、冷却ファン122aも同時に作動させるようにした。しかしながら、凝縮器122においては、冷却用空気がなくても冷媒の熱をチューブ外表面およびフィン表面から外気に自然放出することも可能であり、冷媒の冷却能力は低下するものの、外気温度によっては、冷却ファン122aは停止させたままでも良い。
【0158】
また、圧縮機121としてスクロール型の圧縮機構を使用するものとして説明したが、これに限らず、他のピストン型やロータリー型等の圧縮機構を使用するものとしても良い。
【0159】
また、気液分離器125をモータ130のハウジング131に連通部125a、125bによって接続されるように設けたが、ハウジング131に一体的に設けられるものとしても良い。
【0160】
また、制御装置180は、1つの制御装置として説明したが、これに限らず、空調用の制御部と充電用の制御部とに分かれており、それぞれの制御部が互いに通信手段で結ばれたものとしても良い。
【符号の説明】
【0161】
100 車両用電源装置
110 高電圧バッテリ(蓄電池)
120 冷凍サイクル
121 圧縮機
122 凝縮器
123 電磁膨張弁(膨張弁)
124 蒸発器
125b 連通路(配管)
125c 液冷媒ポンプ
125d 液冷媒バルブ
126 液面センサ(第2水位検出手段)
126a 液面センサ(第1水位検出手段)
126b 液面センサ(第2水位検出手段)
127 熱交換部
128 蓄冷部(熱交換部)
128d 蓄冷材
130 モータ
135 冷媒溜め部
140 インバータ一体充電器
141 スイッチング素子(冷却必要部位)
150 温度センサ(温度検出手段)
180 制御装置
190 受け皿(受け部)
191 加熱部(加熱手段)
200 商業電源(外部電力)
S103、S304 判定手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄電池(110)を備える車両に搭載される車両用電源装置であって、
圧縮機(121)、凝縮器(122)、膨張弁(123)、および蒸発器(124)を有する空調用の冷凍サイクル(120)と、
前記圧縮機(121)を駆動するモータ(130)と、
前記蓄電池(110)の電力を用いた前記モータ(130)の作動と、前記蓄電池(110)への外部電力(200)の充電とを選択的に制御するインバータ一体充電器(140)と、
前記冷凍サイクル(120)に設けられ、前記冷凍サイクル(120)内の冷媒を用いて、前記インバータ一体充電器(140)の冷却必要部位(141)を冷却する熱交換部(127、125、128)と、
前記冷却必要部位(141)の冷却要否を判定する判定手段(S103、S304)と、
前記インバータ一体充電器(140)の作動を制御する制御装置(180)とを備え、
前記制御装置(180)は、前記車両の走行機能が停止されており、前記外部電力(200)を前記蓄電池(110)へ充電する際に、
前記インバータ一体充電器(140)を充電器として作動させて、前記蓄電池(110)への充電を実施し、
前記判定手段(S103、S304)の判定結果から、前記冷却必要部位(141)の冷却が必要であると判定すると、前記インバータ一体充電器(140)をインバータとして作動させて、前記モータ(130)の作動を制御して前記圧縮機(121)を駆動させることを特徴とする車両用電源装置。
【請求項2】
前記熱交換部(127、125、128)は、前記冷凍サイクル(120)内の液相冷媒が溜められる冷媒溜め部(127、125)であることを特徴とする請求項1に記載の車両用電源装置。
【請求項3】
前記インバータ一体充電器(140)は、前記冷媒溜め部(127、125)と一体的に形成されたことを特徴とする請求項2に記載の車両用電源装置。
【請求項4】
前記インバータ一体充電器(140)は、前記冷媒溜め部(125)とは離れて配置されており、
前記冷媒溜め部(125)から前記インバータ一体充電器(140)の表面に向けて延設されて、前記冷媒溜め部(125)内の前記液相冷媒が流通する配管(125b)が設けられたことを特徴とする請求項2に記載の車両用電源装置。
【請求項5】
前記配管(125b)には、前記液相冷媒を圧送する液冷媒ポンプ(125c)、あるいは弁開度を変更することで前記配管(125b)における前記液相冷媒の流量を調整する液冷媒バルブ(125d)が設けられ、
前記制御装置(180)は、前記インバータ一体充電器(140)の出力、あるいは前記冷却必要部位(141)の発熱量に応じて、前記液冷媒ポンプ(125c)の圧送量、あるいは前記液冷媒バルブ(125d)の弁開度を制御することを特徴とする請求項4に記載の車両用電源装置。
【請求項6】
前記熱交換部(127、125、128)は、前記冷凍サイクル(120)内の冷媒によって蓄冷される蓄冷材(128d)を備える蓄冷部(128)であることを特徴とする請求項1に記載の車両用電源装置。
【請求項7】
前記冷却必要部位(141)の温度を検出する温度検出手段(150)を備え、
前記判定手段(S103)は、前記温度検出手段(150)によって検出される前記冷却必要部位(141)の温度が、予め定めた所定温度を超えるときに、前記冷却必要部位(141)の冷却が必要であると判定することを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1つに記載の車両用電源装置。
【請求項8】
前記冷媒溜め部(127、125)における前記液相冷媒の水位を検出する第1水位検出手段(126a)を備えており、
前記判定手段(S304)は、前記第1水位検出手段(126a)によって検出される前記液相冷媒の水位が、予め定めた第1所定水位を下回るときに、前記冷却必要部位(141)の冷却が必要であると判定することを特徴とする請求項2〜請求項5のいずれか1つに記載の車両用電源装置。
【請求項9】
前記制御装置(180)は、前記圧縮機(121)を駆動させるときに、前記膨張弁(123)を全開にすることを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか1つに記載の車両用電源装置。
【請求項10】
前記熱交換部(127)は、前記冷凍サイクル(120)の作動時における前記膨張弁(123)から前記圧縮機(121)に至る間の低圧側の液相冷媒を用いるようになっており、
前記制御装置(180)は、前記圧縮機(121)を駆動させるときに、前記膨張弁(123)の弁開度を調節することで、前記冷凍サイクル(120)の前記圧縮機(121)から前記膨張弁(123)に至る間の高圧側と、前記低圧側との間に圧力差を発生させることを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか1つに記載の車両用電源装置。
【請求項11】
前記冷媒溜め部(135)に溜まった前記液相冷媒の水位を検出する第2水位検出手段(126、126b)を備えており、
前記制御装置(180)は、前記液相冷媒の水位が予め定めた第2所定水位以上となると、前記圧縮機(121)の駆動を停止させて、前記インバータ一体充電器(140)を充電器として作動させて、前記蓄電池(110)への充電を実施させることを特徴とする請求項2〜請求項5のいずれか1つに記載の車両用電源装置。
【請求項12】
前記熱交換部(127)によって前記インバータ一体充電器(140)が冷却されているときに発生する結露水を受ける受け部(190)と、
前記受け部(190)に溜まる結露水を蒸発させる加熱手段(191)とが設けられたことを特徴とする請求項1〜請求項11のいずれか1つに記載の車両用電源装置。
【請求項13】
前記凝縮器(122)に冷却用空気を送風する冷却ファン(122a)が設けられており、
前記制御装置(180)は、前記圧縮機(121)を駆動させるときに、前記冷却ファン(122a)を作動させることを特徴とする請求項1〜請求項12のいずれか1つに記載の車両用電源装置。
【請求項14】
前記インバータ一体充電器(140)は、前記圧縮機(121)と一体的に形成されており、
前記圧縮機(121)と前記インバータ一体充電器(140)との間には、前記圧縮機(121)の作動時の熱が前記インバータ一体充電器(140)に伝わるのを阻止する断熱部(121b)が設けられたことを特徴とする請求項1〜請求項13のいずれか1つに記載の車両用電源装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2012−235670(P2012−235670A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−185396(P2011−185396)
【出願日】平成23年8月28日(2011.8.28)
【出願人】(000004695)株式会社日本自動車部品総合研究所 (1,981)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】