車両用電源装置
【課題】 バッテリモジュールを支持して冷却する支持プレートの剛性および冷却性を両立させる。
【解決手段】 バッテリモジュールを支持する支持プレート11は、バッテリモジュールの底面に熱的に当接するアッパプレート15と、アッパプレート15との間に冷却媒体が流れる冷却空間を区画するロアプレート14とを備える。ロアプレート14の上面に冷却空間内に突出して冷却媒体の流れ方向に延びる第1補強突起14c,14dを形成し、アッパプレート15の上面に冷却媒体の流れ方向と交差する方向に延びる第2補強突起15dを形成したので、第1、第2補強突起14c,14d,15dで二つの方向の曲げに対する剛性を確保することができ、しかも冷却空間内に突出する第1補強突起14c,14dは冷却媒体の流れ方向に延びており、かつ第2補強突起15dは冷却空間外に突出するので、冷却媒体の流れが阻害されないようにして冷却性能を確保することができる。
【解決手段】 バッテリモジュールを支持する支持プレート11は、バッテリモジュールの底面に熱的に当接するアッパプレート15と、アッパプレート15との間に冷却媒体が流れる冷却空間を区画するロアプレート14とを備える。ロアプレート14の上面に冷却空間内に突出して冷却媒体の流れ方向に延びる第1補強突起14c,14dを形成し、アッパプレート15の上面に冷却媒体の流れ方向と交差する方向に延びる第2補強突起15dを形成したので、第1、第2補強突起14c,14d,15dで二つの方向の曲げに対する剛性を確保することができ、しかも冷却空間内に突出する第1補強突起14c,14dは冷却媒体の流れ方向に延びており、かつ第2補強突起15dは冷却空間外に突出するので、冷却媒体の流れが阻害されないようにして冷却性能を確保することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のバッテリセルの集合体よりなる複数のバッテリモジュールを支持する支持プレートが、前記バッテリモジュールの底面に熱的に当接する第1プレートと、前記第1プレートの下面に重ね合わされて該第1プレートとの間に冷却媒体が流れる冷却空間を区画する第1プレートとを備える車両用電源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
組電池部材を支持する支持プレートを、組電池部材の下面に熱的に当接するヒートシンクと、ヒートシンクの下側に結合されて該ヒートシンクとの間に冷却風が流れる冷却通路を区画する区画壁とで構成し、組電池部材の熱をヒートシンクを介して冷却風に放熱するものが、下記特許文献1により公知である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−301877号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上面に複数のバッテリモジュールを支持する大型の支持プレートを、内部に冷却風が流れる冷却空間を形成すべく2枚の金属板を結合して構成する場合に、その支持プレートの剛性を確保するために金属板に補強突起(補強リブ)を設けることが必要となり、しかも支持プレートは複数の異なる方向の曲げ荷重を受けるため、複数の方向に延びる補強突起を配置することが必要となる。
【0005】
上記特許文献1に記載された発明は、ヒートシンクの下面に冷却風の流れ方向と平行に設けた冷却フィンと、区画壁の上面に冷却風の流れ方向と直交する方向に設けたリブ部とが上記補強突起の機能を有すると考えられるが、前記リブ部は冷却風の流れを遮るように冷却通路内に突出しているため、リブ部によって冷却風のスムーズな流れが阻害されて冷却性能が低下する問題がある。これを回避するために、リブ部の方向を冷却風の流れ方向と平行にすると、ヒートシンクの冷却フィンの方向とリブ部の方向とが同じになるため、特定の方向の曲げ荷重に対する剛性向上効果しか得られなくなってしまう問題がある。
【0006】
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、バッテリモジュールを支持して冷却する支持プレートの剛性および冷却性を両立させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、複数のバッテリセルの集合体よりなる複数のバッテリモジュールを支持する支持プレートが、前記バッテリモジュールの底面に熱的に当接する第1プレートと、前記第1プレートの下面に重ね合わされて該第1プレートとの間に冷却媒体が流れる冷却空間を区画する第2プレートとを備える車両用電源装置において、前記第1、第2プレートの少なくとも一方には前記冷却空間内に突出して冷却媒体の流れ方向に延びる複数の第1補強突起が形成され、前記第1プレートの上面には冷却媒体の流れ方向と交差する方向に延びる複数の第2補強突起が形成されることを特徴とする車両用電源装置が提案される。
【0008】
また請求項2に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、前記第1補強突起は前記第1、第2プレートの他方に接触部において当接し、前記バッテリモジュールの底面の端縁は前記接触部に沿って配置されることを特徴とする車両用電源装置が提案される。
【0009】
また請求項3に記載された発明によれば、請求項1または請求項2の構成に加えて、前記第1補強突起は前記第2プレートを前記第1プレート側に溝状に折り曲げて構成され、前記支持プレートを自動車の車体に搭載したときに、前記第1補強突起の下側に形成される空間内に車体フレームが配置されることを特徴とする車両用電源装置が提案される。
【0010】
また請求項4に記載された発明によれば、請求項1〜請求項3の何れか1項の構成に加えて、前記第2補強突起に前記バッテリモジュールが固定されることを特徴とする車両用電源装置が提案される。
【0011】
また請求項5に記載された発明によれば、請求項1〜請求項4の何れか1項の構成に加えて、前記支持プレートに結合されて前記バッテリモジュールを収容する収容空間を区画するバッテリカバーを備え、前記バッテリカバーの前記収容空間側の面には第3補強突起が設けられることを特徴とする車両用電源装置が提案される。
【0012】
また請求項6に記載された発明によれば、複数のバッテリセルの集合体よりなる複数のバッテリモジュールを支持する支持プレートが、前記バッテリモジュールの底面に熱的に当接する第1プレートと、前記第1プレートの下面に重ね合わされて該第1プレートとの間に冷却媒体が流れる冷却空間を区画する第2プレートとを備え、前記支持プレートに前記バッテリモジュールを収容する収容空間を区画するバッテリカバーが結合される車両用電源装置において、前記第1、第2プレートの少なくとも一方には前記冷却空間内に突出して冷却媒体の流れ方向に延びる複数の第1補強突起が形成され、前記バッテリカバーの前記収容空間側の面には、少なくとも冷却媒体の流れ方向と交差する方向に延びる複数の第3補強突起が形成されることを特徴とする車両用電源装置が提案される。
【0013】
尚、実施の形態のロアプレート14は本発明の第2プレートに対応し、実施の形態の第1、第2横リブ14c,14dは本発明の第1補強突起に対応し、実施の形態のアッパプレート15は本発明の第1プレートに対応し、実施の形態の縦リブ15dは本発明の第2補強突起に対応し、実施の形態の第2〜第4冷却空間18B〜18Dは本発明の冷却空間に対応し、実施の形態の補強リブ25は本発明の第3補強突起に対応する。
【発明の効果】
【0014】
請求項1の構成によれば、複数のバッテリセルの集合体よりなる複数のバッテリモジュールを支持する支持プレートは、バッテリモジュールの底面に熱的に当接する第1プレートと、第1プレートの下面に重ね合わされて該第1プレートとの間に冷却媒体が流れる冷却空間を区画する第2プレートとを備える。第1、第2プレートの少なくとも一方に冷却空間内に突出して冷却媒体の流れ方向に延びる複数の第1補強突起を形成し、第1プレートの上面に冷却媒体の流れ方向と交差する方向に延びる複数の第2補強突起を形成したので、第1補強突起および第2補強突起で支持プレートの二つの方向の曲げに対する剛性を確保することができる。しかも冷却空間内に突出する第1補強突起は冷却媒体の流れ方向に延びており、かつ第2補強突起は冷却空間外に突出するので、第1、第2補強突起により冷却媒体の流れが阻害されないようにして冷却性能を確保することができる。
【0015】
また請求項2の構成によれば、第1補強突起は第1第2プレートの他方に接触部において当接するので、第1プレートの熱が接触部を介して第2プレートに逃げ易くなり、第1プレートの接触部の近傍の熱引けが良好になる。バッテリモジュールの底面の中間部を前記接触部上に配置すると、バッテリモジュールが局部的に冷やされてしまい、各バッテリセル間に温度差が発生して寿命が短くなる可能性があるが、バッテリモジュールの底面の端縁を接触部に沿って配置したので、バッテリモジュールが局部的に冷やされ難くして各バッテリセル間の温度差を最小限に抑えることができる。
【0016】
また請求項3の構成によれば、第1補強突起は第2プレートを第1プレート側に溝状に折り曲げて構成されるので、第1補強突起の下側に空間が形成される。支持プレートを自動車の車体に搭載したときに、第1補強突起の下側に形成される空間内に車体フレームが配置されるので、それが車両用電源装置を車体に搭載するときの位置決めの目安となるだけでなく、車体フレームと第1プレートとの干渉を回避しながら支持プレートの位置を低くすることができ、これにより車両用電源装置を車体に搭載するための上下方向のスペースを削減することが可能になる。
【0017】
また請求項4の構成によれば、第2補強突起にバッテリモジュールを固定するので、バッテリモジュールを固定するための特別の部材が不要になって構造の簡素化が可能になる。
【0018】
また請求項5の構成によれば、支持プレートに結合されてバッテリモジュールを収容する収容空間を区画するバッテリカバーを備えるので、支持プレートおよびバッテリカバーが相互に補強し合って車両用電源装置全体の剛性が向上する。
【0019】
また請求項6の構成によれば、複数のバッテリセルの集合体よりなる複数のバッテリモジュールを支持する支持プレートは、バッテリモジュールの底面に熱的に当接する第1プレートと、第1プレートの下面に重ね合わされて該第1プレートとの間に冷却媒体が流れる冷却空間を区画する第2プレートとを備え、支持プレートにバッテリモジュールを収容する収容空間を区画するバッテリカバーが結合される。第1、第2プレートの少なくとも一方に冷却空間内に突出して冷却媒体の流れ方向に延びる複数の第1補強突起を形成し、バッテリカバーの収容空間側の面に少なくとも冷却媒体の流れ方向と交差する方向に延びる複数の第3補強突起を形成したので、第1補強突起および第3補強突起で支持プレートの二つの方向の曲げに対する剛性を確保することができる。しかも冷却空間内に突出する第1補強突起は冷却媒体の流れ方向に延びており、かつ第3補強突起は冷却空間外に突出するので、第1、第3補強突起により冷却媒体の流れが阻害されないようにして冷却性能を確保することができる。更に、第3補強突起をバッテリカバーに設けたことで、支持プレートの表面を有効に利用することが可能になってバッテリモジュールの搭載が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】車両用電源装置の斜視図。(第1の実施の形態)
【図2】図1からバッテリカバーおよび一部のバッテリモジュールを取り除いた図。(第1の実施の形態)
【図3】ロアプレートおよびアッパプレートの分解斜視図。(第1の実施の形態)
【図4】図2の4方向矢視図。(第1の実施の形態)
【図5】図1の5−5線断面図。(第1の実施の形態)
【図6】図2の6−6線断面図。(第1の実施の形態)
【図7】図2の7−7線断面図。(第1の実施の形態)
【図8】図2の8−8線断面図。(第1の実施の形態)
【図9】図2の9−9線断面図。(第1の実施の形態)
【図10】図2の10−10線断面図。(第1の実施の形態)
【図11】前記図8に対応する図。(第2の実施の形態)
【図12】前記図10に対応する図。(第3の実施の形態)
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図1〜図10に基づいて本発明の第1の実施の形態を説明する。
【0022】
図1に示すように、電機自動車の走行用駆動源であるモータ・ジェネレータに給電する車両用電源装置は、車体に取り付けられる支持プレート11の上面に複数個(実施の形態では34個)のバッテリモジュール12…を搭載し、その上方をバッテリカバー13で覆って構成される。
【0023】
図3に示すように、車体前後方向に細長く形成された支持プレート11は、アルミニウム板をプレス加工した下側のロアプレート14と、アウミニウム板をプレス加工した上側のアッパプレート15とを重ね合わせ、それらの周縁部をスポット溶接により結合して構成される。
【0024】
ロアプレート14は浅い皿状の部材であって、平坦な本体部14aの周縁部を上向きおよび外向きに折り曲げたフランジ部14bを備えており、このフランジ部14b…においてアッパプレート15の周縁部にスポット溶接される。ロアプレート14の本体部14aには、逆U字状の断面を有して車幅方向に直線状に延びる9本の第1横リブ14c…が上向きに突設されており、それらの両端部はフランジ部14bに接続される。前から3番目および4番目の第1横リブ14c,14cの間には、それらの第1横リブ14c,14cよりも幅広の逆U字状の断面を有して車幅方向に直線状に延びる1本の第2横リブ14dが上向きに突設されており、その両端部はフランジ部14bに接続される。
【0025】
本体部14aの前部には、逆U字状の断面を有して前後方向に直線状に延びる1本の縦リブ14eが上向きに突設される。本体部14aにおける縦リブ14eの右側には、直角三角形状の分流リブ14fが上向きに突設される。縦リブ14eおよび分流リブ14fは、フランジ部14b、第1横リブ14c…および第2横リブ14dの何れにも接続せずに独立している。
【0026】
ロアプレート14の前部右側のフランジ部14bには、分流リブ14fの斜辺に対向する冷却風入口開口14gが形成されるとともに、最も後方の第1横リブ14cよりも後方右側のフランジ部14bには、冷却風出口開口14hが形成される。第1横リブ14c…、第2横リブ14dおよび縦リブ14eの頂面の高さはフランジ部14bの高さよりも低くなっているが、分流リブ14fの頂面の高さは第1横リブ14c…、第2横リブ14d…および縦リブ14eの頂面の高さよりも高く、フランジ部14bの高さに略一致している。
【0027】
アッパプレート15も浅い皿状の部材であって、その周縁部に沿って形成された平坦な本体部15aの内側には、第1〜第9支持部15b(1)〜15b(9)が区画される。第1〜第9支持部15b(1)〜15b(9)は本体部15aよりも一段低くなっており、隣接する第1〜第9支持部15b(1)〜15b(9)間には、逆U字状の断面を有する4本の横リブ15c…および5本の縦リブ15d…が形成される。それら横リブ15c…および縦リブ15d…の頂点の高さは本体部15aの高さに一致している。前から2本目および3本目の横リブ15c,15cの間には、第1〜第9支持部15b(1)〜15b(9)と同じ深さを有して車幅方向に延びる細長い凹部15eが形成される。
【0028】
図4に示すように、ロアプレート14の上面にアッパプレート15を重ね合わせてスポット溶接した状態では、ロアプレート14の第1横リブ14c…および縦リブ14eの頂面はアッパプレート15の第1〜第9支持部15b(1)〜15b(9)の下面に当接し(図7参照)、ロアプレート14の第2横リブ14dの頂面はアッパプレート15の凹部15eの下面に当接する(図8および図9参照)。その結果、ロアプレート14の本体部14aとアッパプレート15の本体部15aとの間に高さH1(図5参照)を有する第1〜第6冷却風通路17A〜17Fが形成されるとともに、ロアプレート14の本体部14aとアッパプレート15の第1〜第9支持部15b(1)〜15b(9)との間に前記高さH1よりも小さい高さH2(図5および図10参照)を有する第1〜第4冷却空間18A〜18Dが形成される。尚、第1〜第6冷却風通路17A〜17Fおよび第1〜第4冷却空間18A〜18Dは、図4に冷却風が流れる方向を示す矢印に符号を付すことで示されている。
【0029】
図1、図5および図10に示すように、各バッテリモジュール12は複数個のバッテリセル19…を積層し、その積層方向の両端部を一対のエンドプレート20,20で挟持して一体に締結したもので、各々のエンドプレート20には2個の固定用フランジ20a,20aが突設される。アッパプレート15の横リブ15cおよび縦リブ15dの下面と、第1〜第9支持部15b(1)〜15b(9)に臨む本体部15aの下面とにはウエルドナット21…が設けられており、バッテリモジュール12…の固定用フランジ20a…を貫通するボルト22…をウエルドナット21…に螺合することで、バッテリモジュール12…が支持プレート11に固定される。この状態で、バッテリモジュール12…の下面はアッパプレート15の第1〜第9支持部15b(1)〜15b(9)の上面に熱交換可能に当接する。
【0030】
このように、アッパプレート15の横リブ15c…および縦リブ15d…を利用してバッテリモジュール12…を固定するので、バッテリモジュール12…を固定するための特別の部材が不要になって構造の簡素化が可能になる。
【0031】
図1および図5に示すように、バッテリカバー13はアルミニウム板をプレス成型した部材であって、その外周に形成したフランジ部13aが支持プレート11のアッパプレート15の本体部15aの外周部にシール部材28を介して重ね合わされて複数本のボルト23…およびウエルドナット24…で固定される。バッテリカバー13の剛性を高めるべく、その内面には金属製の補強リブ25…が縦横に溶接等で固定されている。
【0032】
図1および図8に示すように、車両用電源装置を車体に搭載した状態で、車体の左右両側を前後方向に延びる一対のサイドフレーム(不図示)を車幅方向に接続するパイプ材よりなる9本のクロスメンバ27…が、ロアプレート14の第1横リブ14c…の下面に形成される空間に隙間を有して嵌合する。これにより、クロスメンバ27…が車両用電源装置を車体に搭載するときの位置決めの目安となるだけでなく、クロスメンバ27…とロアプレート14との干渉を回避しながら支持プレート11の位置を低くすることができ、これにより車両用電源装置を車体に搭載するための上下方向のスペースを削減することが可能になる。
【0033】
次に、上記構成を備えた本発明の実施の形態の作用を説明する。
【0034】
図3および図4において、図示せぬ冷却ファンユニットで車両用電源装置の支持プレート11の冷却風出口開口14hを吸引すると、冷却風が支持プレート11の冷却風入口開口14gからロアプレート14およびアッパプレート15間に形成された第1冷却風通路17Aに流入する。第1冷却風通路17Aに流入した冷却風は分流リブ14fに衝突し、第2冷却風通路17B側および第3冷却風通路17C側に二股に分流する。
【0035】
第2冷却風通路17B側に分流した冷却風は、その途中でアッパプレート15の第1支持部15b(1)の下面に形成された第1冷却空間18Aを流れた後に、第2冷却風通路17Bを経て第4冷却風通路17Dの前端に流入する。また第3冷却風通路17C側に分流した冷却風は、第3冷却風通路17Cを後方に向かって流れる間に90°向きを変え、アッパプレート15の第2〜第4支持部15b(2)〜15b(4)の下面および第5〜第7支持部15b(5)〜15b(7)の下面に形成された第2冷却空間18B(図5、図8および図9参照)および第3冷却空間18C(図6参照)を車幅方向に流れた後に、前後方向に延びる第4冷却風通路17Dに合流して90°向きを変えて後方に向かって流れる。
【0036】
第4冷却風通路17Dの後端から第5冷却風通路17Eの前端に流入した冷却風は、第5冷却風通路17Eを後方に向かって流れる間に90°向きを変え、アッパプレート15の第8,第9支持部15b(8),15b(9)の下面に形成された第4冷却空間18Dを車幅方向に流れた後に、前後方向に延びる第6冷却風通路17Fに合流して90°向きを変えて後方に向かって流れ、冷却風出口開口14hから排出される。
【0037】
冷却風が第1冷却空間18Aを流れるとき、第1冷却空間18Aは前後方向に延びる1本の縦リブ14eによって二つに仕切られており、かつ縦リブ14eは第1冷却空間18Aの上方の第1支持部15b(1)に搭載された2個のバッテリモジュール12,12の間に配置されているため、第1冷却空間18Aの冷却風は2個のバッテリモジュール12,12の底面に沿って均等かつスムーズに流れることが可能になって冷却効果が高められる。
【0038】
また冷却風が第2冷却空間18Bおよび第3冷却空間18Cを流れるとき、第2、第3冷却空間18B,18Cは車幅方向に延びる6本の第1横リブ14c…および1本の第2横リブ14dによって八つに仕切られており、かつ第1、第2横リブ14c…,14dは第2、第3冷却空間18B,18Cの上方の第2〜第7支持部15b(2)〜15b(7)に搭載された24個のバッテリモジュール12…の間に配置されているため、第2、第3冷却空間18B,18Cの冷却風は24個のバッテリモジュール12…の底面に沿って均等かつスムーズに流れることが可能になって冷却効果が高められる。
【0039】
同様に、冷却風が第4冷却空間18Dを流れるとき、第4冷却空間18Dは車幅方向に延びる3本の第1横リブ14c…によって四つに仕切られており、かつ第1横リブ14c…は第4冷却空間18Dの上方の第8,第9支持部15b(8),15b(9)に搭載された8個のバッテリモジュール12…の間に配置されているため、第4冷却空間18Dの冷却風は8個のバッテリモジュール12…の底面に沿って均等かつスムーズに流れることが可能になって冷却効果が高められる。
【0040】
このようにして、複数のバッテリモジュール12…の底面を支持するアッパプレート15の下方に区画された第1〜第4冷却空間18A〜18Dを冷却風が流れることで、バッテリモジュール12…の熱をアッパプレート15と、それに接触するロアプレート14とを介して冷却風に伝達し、バッテリモジュール12…のバッテリセル19…の温度上昇を抑制して寿命の延長を図ることができる。
【0041】
ところで、図8に示すように、ロアプレート14の第1、第2横リブ14c…,14dおよび縦リブ14eの頂部はアッパプレート15の底面に接触部16…において接触しているため、ロアプレート14およびアッパプレート15の接触部16…は熱引けが良好になってバッテリモジュール12…の熱を奪い易くなる。従って、仮に前記接触部16…がバッテリモジュール12…の底面に対向している場合には、バッテリモジュール12…の底面の前記接触部16…に対向する部分だけが強く冷却され、前記接触部16…に対向しない部分との間に温度差が発生してバッテリセル19…の寿命に悪影響を及ぼすことが懸念される。
【0042】
しかしながら、本実施の形態によれば、ロアプレート14およびアッパプレート15の接触部16…はバッテリモジュール12…の底面に対向しておらず、隣接する2個のバッテリモジュール12,12の間に対向しているため、バッテリモジュール12…の底面の一部が局部的に冷却されて劣化の原因となるのを防止することができる。
【0043】
またロアプレート14に冷却風の流れ方向に延びる複数の第1横リブ14c…および第2横リブ14dを形成し、アッパプレート15の上面に冷却風の流れ方向と交差する方向に延びる複数の縦リブ15d…を形成したので、第1、第2横リブ14c…,14dおよび縦リブ15d…によって支持プレート11の二つの方向の曲げに対する剛性を確保することができる。しかも第2〜第3冷却空間18B〜18D内に突出するロアプレート14の第1、第2横リブ14c…,14dは冷却風の流れ方向に延びており、かつアッパプレート15の縦リブ15d…は冷却空間外に突出するので、第1、第2横リブ14c…,14dおよび縦リブ15d…が冷却風の流れを阻害しないようにして冷却性能を確保することができる。
【0044】
また支持プレート11に結合されてバッテリモジュール12…を収容する収容空間を区画するバッテリカバー13を備えるので、バッテリモジュール12…を塵、水、他物体との衝突による損傷等から保護できるだけでなく、支持プレート11およびバッテリカバー13が相互に補強し合って車両用電源装置全体の剛性が向上する。
【0045】
特に、バッテリカバー13の補強リブ25…は、第2〜第3冷却空間18B〜18D内の冷却風の流れ方向に対して平行な方向と交差する方向とに格子状に延びているため、冷却風の流れ方向に延びるロアプレート14の第1、第2横リブ14c…,14dで支持プレート11の一方向の曲げに対する剛性を高めるとともに、冷却風の流れ方向に対して交差する方向に延びるバッテリカバー13の補強リブ25…で支持プレート11の他方向の曲げに対する剛性を高めることができる。
【0046】
また第2〜第3冷却空間18B〜18D内に突出する第1、第2横リブ14c…,14dは冷却風の流れ方向に延びており、かつ補強リブ25…は第2〜第3冷却空間18B〜18D外に突出するので、第1、第2横リブ14c…,14dおよび補強リブ25…により冷却風の流れが阻害されないようにして冷却性能を確保することができる。しかも補強リブ25…をバッテリカバー13に設けたことで、支持プレート11の表面を有効に利用することが可能になってバッテリモジュール11…の搭載が容易になる。
【0047】
次に、図11に基づいて本発明の第2の実施の形態を説明する。
【0048】
図8に示す第1の実施の形態では、各クロスメンバ27の位置に対応してロアプレート14の第1横リブ14cが設けられているが、第2の実施の形態では隣接する一対のクロスメンバ27,27の間に更に2本の第1横リブ14c,14cが追加されている。
【0049】
このように第1横リブ14c…の数を増加させると、ロアプレート14およびアッパプレート15が多くの接触部16…で接触するため、ロアプレート14からアッパプレート15への熱引けが良好になってバッテリモジュール12…の冷却性能が向上する。
【0050】
第1の実施の形態では、バッテリモジュール12の底面の中央部に接触部16を位置させると、バッテリモジュール12が局部的に冷却されて温度分布が不均一になり、バッテリセル19…の寿命を短くすると説明したが、第2の実施の形態の如く、各バッテリモジュール12の底面に複数の接触部16…を位置させれば.前記温度分布の不均一を解消してバッテリセル19…の寿命短縮を回避することができる。
【0051】
次に、図12に基づいて本発明の第3の実施の形態を説明する。
【0052】
第1の実施の形態では、アッパプレート15の縦リブ15d…を本体部15aと一体にプレス成型しているが、第3の実施の形態は、縦リブ15d…を別部材で構成して平坦な本体部15aに溶接したものである。これにより、第2〜第4冷却空間18B〜18Dが平坦になって抵抗が減るために冷却風の流れがスムーズになり、結果としてバッテリセル19…の冷却効率が向上する。
【0053】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
【0054】
例えば、実施の形態ではロアプレート14に第2〜第4冷却空間18B〜18D内に突出して冷却風の流れ方向に延びる横リブ14c…,14dを形成しているが、その横リブ14c…,14dをアッパプレート15側に形成しても良い。
【0055】
また第1の実施の形態では、ロアプレート14の第1、第2横リブ14c…,14dおよび縦リブ14eをロアプレート14の本体部14aと一体にプレス成型しているが、第1、第2横リブ14c…,14dおよび縦リブ14eを別部材で構成して平坦な本体部14aに溶接しても良い。第1、第2横リブ14c…,14dおよび縦リブ14eの断面形状は、図示した逆U字状に限定されず、矩形等の閉断面であっても良い。これにより、第1の実施の形態と同様の作用効果を達成することができる。
【符号の説明】
【0056】
11 支持プレート
12 バッテリモジュール
13 バッテリカバー
14 ロアプレート(第2プレート)
14c 第1横リブ(第1補強突起)
14d 第2横リブ(第1補強突起)
15 アッパプレート(第1プレート)
15d 縦リブ(第2補強突起)
18B〜18D 第2〜第4冷却空間(冷却空間)
19 バッテリセル
25 補強リブ(第3補強突起)
27 クロスメンバ(車体フレーム)
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のバッテリセルの集合体よりなる複数のバッテリモジュールを支持する支持プレートが、前記バッテリモジュールの底面に熱的に当接する第1プレートと、前記第1プレートの下面に重ね合わされて該第1プレートとの間に冷却媒体が流れる冷却空間を区画する第1プレートとを備える車両用電源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
組電池部材を支持する支持プレートを、組電池部材の下面に熱的に当接するヒートシンクと、ヒートシンクの下側に結合されて該ヒートシンクとの間に冷却風が流れる冷却通路を区画する区画壁とで構成し、組電池部材の熱をヒートシンクを介して冷却風に放熱するものが、下記特許文献1により公知である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−301877号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上面に複数のバッテリモジュールを支持する大型の支持プレートを、内部に冷却風が流れる冷却空間を形成すべく2枚の金属板を結合して構成する場合に、その支持プレートの剛性を確保するために金属板に補強突起(補強リブ)を設けることが必要となり、しかも支持プレートは複数の異なる方向の曲げ荷重を受けるため、複数の方向に延びる補強突起を配置することが必要となる。
【0005】
上記特許文献1に記載された発明は、ヒートシンクの下面に冷却風の流れ方向と平行に設けた冷却フィンと、区画壁の上面に冷却風の流れ方向と直交する方向に設けたリブ部とが上記補強突起の機能を有すると考えられるが、前記リブ部は冷却風の流れを遮るように冷却通路内に突出しているため、リブ部によって冷却風のスムーズな流れが阻害されて冷却性能が低下する問題がある。これを回避するために、リブ部の方向を冷却風の流れ方向と平行にすると、ヒートシンクの冷却フィンの方向とリブ部の方向とが同じになるため、特定の方向の曲げ荷重に対する剛性向上効果しか得られなくなってしまう問題がある。
【0006】
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、バッテリモジュールを支持して冷却する支持プレートの剛性および冷却性を両立させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、複数のバッテリセルの集合体よりなる複数のバッテリモジュールを支持する支持プレートが、前記バッテリモジュールの底面に熱的に当接する第1プレートと、前記第1プレートの下面に重ね合わされて該第1プレートとの間に冷却媒体が流れる冷却空間を区画する第2プレートとを備える車両用電源装置において、前記第1、第2プレートの少なくとも一方には前記冷却空間内に突出して冷却媒体の流れ方向に延びる複数の第1補強突起が形成され、前記第1プレートの上面には冷却媒体の流れ方向と交差する方向に延びる複数の第2補強突起が形成されることを特徴とする車両用電源装置が提案される。
【0008】
また請求項2に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、前記第1補強突起は前記第1、第2プレートの他方に接触部において当接し、前記バッテリモジュールの底面の端縁は前記接触部に沿って配置されることを特徴とする車両用電源装置が提案される。
【0009】
また請求項3に記載された発明によれば、請求項1または請求項2の構成に加えて、前記第1補強突起は前記第2プレートを前記第1プレート側に溝状に折り曲げて構成され、前記支持プレートを自動車の車体に搭載したときに、前記第1補強突起の下側に形成される空間内に車体フレームが配置されることを特徴とする車両用電源装置が提案される。
【0010】
また請求項4に記載された発明によれば、請求項1〜請求項3の何れか1項の構成に加えて、前記第2補強突起に前記バッテリモジュールが固定されることを特徴とする車両用電源装置が提案される。
【0011】
また請求項5に記載された発明によれば、請求項1〜請求項4の何れか1項の構成に加えて、前記支持プレートに結合されて前記バッテリモジュールを収容する収容空間を区画するバッテリカバーを備え、前記バッテリカバーの前記収容空間側の面には第3補強突起が設けられることを特徴とする車両用電源装置が提案される。
【0012】
また請求項6に記載された発明によれば、複数のバッテリセルの集合体よりなる複数のバッテリモジュールを支持する支持プレートが、前記バッテリモジュールの底面に熱的に当接する第1プレートと、前記第1プレートの下面に重ね合わされて該第1プレートとの間に冷却媒体が流れる冷却空間を区画する第2プレートとを備え、前記支持プレートに前記バッテリモジュールを収容する収容空間を区画するバッテリカバーが結合される車両用電源装置において、前記第1、第2プレートの少なくとも一方には前記冷却空間内に突出して冷却媒体の流れ方向に延びる複数の第1補強突起が形成され、前記バッテリカバーの前記収容空間側の面には、少なくとも冷却媒体の流れ方向と交差する方向に延びる複数の第3補強突起が形成されることを特徴とする車両用電源装置が提案される。
【0013】
尚、実施の形態のロアプレート14は本発明の第2プレートに対応し、実施の形態の第1、第2横リブ14c,14dは本発明の第1補強突起に対応し、実施の形態のアッパプレート15は本発明の第1プレートに対応し、実施の形態の縦リブ15dは本発明の第2補強突起に対応し、実施の形態の第2〜第4冷却空間18B〜18Dは本発明の冷却空間に対応し、実施の形態の補強リブ25は本発明の第3補強突起に対応する。
【発明の効果】
【0014】
請求項1の構成によれば、複数のバッテリセルの集合体よりなる複数のバッテリモジュールを支持する支持プレートは、バッテリモジュールの底面に熱的に当接する第1プレートと、第1プレートの下面に重ね合わされて該第1プレートとの間に冷却媒体が流れる冷却空間を区画する第2プレートとを備える。第1、第2プレートの少なくとも一方に冷却空間内に突出して冷却媒体の流れ方向に延びる複数の第1補強突起を形成し、第1プレートの上面に冷却媒体の流れ方向と交差する方向に延びる複数の第2補強突起を形成したので、第1補強突起および第2補強突起で支持プレートの二つの方向の曲げに対する剛性を確保することができる。しかも冷却空間内に突出する第1補強突起は冷却媒体の流れ方向に延びており、かつ第2補強突起は冷却空間外に突出するので、第1、第2補強突起により冷却媒体の流れが阻害されないようにして冷却性能を確保することができる。
【0015】
また請求項2の構成によれば、第1補強突起は第1第2プレートの他方に接触部において当接するので、第1プレートの熱が接触部を介して第2プレートに逃げ易くなり、第1プレートの接触部の近傍の熱引けが良好になる。バッテリモジュールの底面の中間部を前記接触部上に配置すると、バッテリモジュールが局部的に冷やされてしまい、各バッテリセル間に温度差が発生して寿命が短くなる可能性があるが、バッテリモジュールの底面の端縁を接触部に沿って配置したので、バッテリモジュールが局部的に冷やされ難くして各バッテリセル間の温度差を最小限に抑えることができる。
【0016】
また請求項3の構成によれば、第1補強突起は第2プレートを第1プレート側に溝状に折り曲げて構成されるので、第1補強突起の下側に空間が形成される。支持プレートを自動車の車体に搭載したときに、第1補強突起の下側に形成される空間内に車体フレームが配置されるので、それが車両用電源装置を車体に搭載するときの位置決めの目安となるだけでなく、車体フレームと第1プレートとの干渉を回避しながら支持プレートの位置を低くすることができ、これにより車両用電源装置を車体に搭載するための上下方向のスペースを削減することが可能になる。
【0017】
また請求項4の構成によれば、第2補強突起にバッテリモジュールを固定するので、バッテリモジュールを固定するための特別の部材が不要になって構造の簡素化が可能になる。
【0018】
また請求項5の構成によれば、支持プレートに結合されてバッテリモジュールを収容する収容空間を区画するバッテリカバーを備えるので、支持プレートおよびバッテリカバーが相互に補強し合って車両用電源装置全体の剛性が向上する。
【0019】
また請求項6の構成によれば、複数のバッテリセルの集合体よりなる複数のバッテリモジュールを支持する支持プレートは、バッテリモジュールの底面に熱的に当接する第1プレートと、第1プレートの下面に重ね合わされて該第1プレートとの間に冷却媒体が流れる冷却空間を区画する第2プレートとを備え、支持プレートにバッテリモジュールを収容する収容空間を区画するバッテリカバーが結合される。第1、第2プレートの少なくとも一方に冷却空間内に突出して冷却媒体の流れ方向に延びる複数の第1補強突起を形成し、バッテリカバーの収容空間側の面に少なくとも冷却媒体の流れ方向と交差する方向に延びる複数の第3補強突起を形成したので、第1補強突起および第3補強突起で支持プレートの二つの方向の曲げに対する剛性を確保することができる。しかも冷却空間内に突出する第1補強突起は冷却媒体の流れ方向に延びており、かつ第3補強突起は冷却空間外に突出するので、第1、第3補強突起により冷却媒体の流れが阻害されないようにして冷却性能を確保することができる。更に、第3補強突起をバッテリカバーに設けたことで、支持プレートの表面を有効に利用することが可能になってバッテリモジュールの搭載が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】車両用電源装置の斜視図。(第1の実施の形態)
【図2】図1からバッテリカバーおよび一部のバッテリモジュールを取り除いた図。(第1の実施の形態)
【図3】ロアプレートおよびアッパプレートの分解斜視図。(第1の実施の形態)
【図4】図2の4方向矢視図。(第1の実施の形態)
【図5】図1の5−5線断面図。(第1の実施の形態)
【図6】図2の6−6線断面図。(第1の実施の形態)
【図7】図2の7−7線断面図。(第1の実施の形態)
【図8】図2の8−8線断面図。(第1の実施の形態)
【図9】図2の9−9線断面図。(第1の実施の形態)
【図10】図2の10−10線断面図。(第1の実施の形態)
【図11】前記図8に対応する図。(第2の実施の形態)
【図12】前記図10に対応する図。(第3の実施の形態)
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図1〜図10に基づいて本発明の第1の実施の形態を説明する。
【0022】
図1に示すように、電機自動車の走行用駆動源であるモータ・ジェネレータに給電する車両用電源装置は、車体に取り付けられる支持プレート11の上面に複数個(実施の形態では34個)のバッテリモジュール12…を搭載し、その上方をバッテリカバー13で覆って構成される。
【0023】
図3に示すように、車体前後方向に細長く形成された支持プレート11は、アルミニウム板をプレス加工した下側のロアプレート14と、アウミニウム板をプレス加工した上側のアッパプレート15とを重ね合わせ、それらの周縁部をスポット溶接により結合して構成される。
【0024】
ロアプレート14は浅い皿状の部材であって、平坦な本体部14aの周縁部を上向きおよび外向きに折り曲げたフランジ部14bを備えており、このフランジ部14b…においてアッパプレート15の周縁部にスポット溶接される。ロアプレート14の本体部14aには、逆U字状の断面を有して車幅方向に直線状に延びる9本の第1横リブ14c…が上向きに突設されており、それらの両端部はフランジ部14bに接続される。前から3番目および4番目の第1横リブ14c,14cの間には、それらの第1横リブ14c,14cよりも幅広の逆U字状の断面を有して車幅方向に直線状に延びる1本の第2横リブ14dが上向きに突設されており、その両端部はフランジ部14bに接続される。
【0025】
本体部14aの前部には、逆U字状の断面を有して前後方向に直線状に延びる1本の縦リブ14eが上向きに突設される。本体部14aにおける縦リブ14eの右側には、直角三角形状の分流リブ14fが上向きに突設される。縦リブ14eおよび分流リブ14fは、フランジ部14b、第1横リブ14c…および第2横リブ14dの何れにも接続せずに独立している。
【0026】
ロアプレート14の前部右側のフランジ部14bには、分流リブ14fの斜辺に対向する冷却風入口開口14gが形成されるとともに、最も後方の第1横リブ14cよりも後方右側のフランジ部14bには、冷却風出口開口14hが形成される。第1横リブ14c…、第2横リブ14dおよび縦リブ14eの頂面の高さはフランジ部14bの高さよりも低くなっているが、分流リブ14fの頂面の高さは第1横リブ14c…、第2横リブ14d…および縦リブ14eの頂面の高さよりも高く、フランジ部14bの高さに略一致している。
【0027】
アッパプレート15も浅い皿状の部材であって、その周縁部に沿って形成された平坦な本体部15aの内側には、第1〜第9支持部15b(1)〜15b(9)が区画される。第1〜第9支持部15b(1)〜15b(9)は本体部15aよりも一段低くなっており、隣接する第1〜第9支持部15b(1)〜15b(9)間には、逆U字状の断面を有する4本の横リブ15c…および5本の縦リブ15d…が形成される。それら横リブ15c…および縦リブ15d…の頂点の高さは本体部15aの高さに一致している。前から2本目および3本目の横リブ15c,15cの間には、第1〜第9支持部15b(1)〜15b(9)と同じ深さを有して車幅方向に延びる細長い凹部15eが形成される。
【0028】
図4に示すように、ロアプレート14の上面にアッパプレート15を重ね合わせてスポット溶接した状態では、ロアプレート14の第1横リブ14c…および縦リブ14eの頂面はアッパプレート15の第1〜第9支持部15b(1)〜15b(9)の下面に当接し(図7参照)、ロアプレート14の第2横リブ14dの頂面はアッパプレート15の凹部15eの下面に当接する(図8および図9参照)。その結果、ロアプレート14の本体部14aとアッパプレート15の本体部15aとの間に高さH1(図5参照)を有する第1〜第6冷却風通路17A〜17Fが形成されるとともに、ロアプレート14の本体部14aとアッパプレート15の第1〜第9支持部15b(1)〜15b(9)との間に前記高さH1よりも小さい高さH2(図5および図10参照)を有する第1〜第4冷却空間18A〜18Dが形成される。尚、第1〜第6冷却風通路17A〜17Fおよび第1〜第4冷却空間18A〜18Dは、図4に冷却風が流れる方向を示す矢印に符号を付すことで示されている。
【0029】
図1、図5および図10に示すように、各バッテリモジュール12は複数個のバッテリセル19…を積層し、その積層方向の両端部を一対のエンドプレート20,20で挟持して一体に締結したもので、各々のエンドプレート20には2個の固定用フランジ20a,20aが突設される。アッパプレート15の横リブ15cおよび縦リブ15dの下面と、第1〜第9支持部15b(1)〜15b(9)に臨む本体部15aの下面とにはウエルドナット21…が設けられており、バッテリモジュール12…の固定用フランジ20a…を貫通するボルト22…をウエルドナット21…に螺合することで、バッテリモジュール12…が支持プレート11に固定される。この状態で、バッテリモジュール12…の下面はアッパプレート15の第1〜第9支持部15b(1)〜15b(9)の上面に熱交換可能に当接する。
【0030】
このように、アッパプレート15の横リブ15c…および縦リブ15d…を利用してバッテリモジュール12…を固定するので、バッテリモジュール12…を固定するための特別の部材が不要になって構造の簡素化が可能になる。
【0031】
図1および図5に示すように、バッテリカバー13はアルミニウム板をプレス成型した部材であって、その外周に形成したフランジ部13aが支持プレート11のアッパプレート15の本体部15aの外周部にシール部材28を介して重ね合わされて複数本のボルト23…およびウエルドナット24…で固定される。バッテリカバー13の剛性を高めるべく、その内面には金属製の補強リブ25…が縦横に溶接等で固定されている。
【0032】
図1および図8に示すように、車両用電源装置を車体に搭載した状態で、車体の左右両側を前後方向に延びる一対のサイドフレーム(不図示)を車幅方向に接続するパイプ材よりなる9本のクロスメンバ27…が、ロアプレート14の第1横リブ14c…の下面に形成される空間に隙間を有して嵌合する。これにより、クロスメンバ27…が車両用電源装置を車体に搭載するときの位置決めの目安となるだけでなく、クロスメンバ27…とロアプレート14との干渉を回避しながら支持プレート11の位置を低くすることができ、これにより車両用電源装置を車体に搭載するための上下方向のスペースを削減することが可能になる。
【0033】
次に、上記構成を備えた本発明の実施の形態の作用を説明する。
【0034】
図3および図4において、図示せぬ冷却ファンユニットで車両用電源装置の支持プレート11の冷却風出口開口14hを吸引すると、冷却風が支持プレート11の冷却風入口開口14gからロアプレート14およびアッパプレート15間に形成された第1冷却風通路17Aに流入する。第1冷却風通路17Aに流入した冷却風は分流リブ14fに衝突し、第2冷却風通路17B側および第3冷却風通路17C側に二股に分流する。
【0035】
第2冷却風通路17B側に分流した冷却風は、その途中でアッパプレート15の第1支持部15b(1)の下面に形成された第1冷却空間18Aを流れた後に、第2冷却風通路17Bを経て第4冷却風通路17Dの前端に流入する。また第3冷却風通路17C側に分流した冷却風は、第3冷却風通路17Cを後方に向かって流れる間に90°向きを変え、アッパプレート15の第2〜第4支持部15b(2)〜15b(4)の下面および第5〜第7支持部15b(5)〜15b(7)の下面に形成された第2冷却空間18B(図5、図8および図9参照)および第3冷却空間18C(図6参照)を車幅方向に流れた後に、前後方向に延びる第4冷却風通路17Dに合流して90°向きを変えて後方に向かって流れる。
【0036】
第4冷却風通路17Dの後端から第5冷却風通路17Eの前端に流入した冷却風は、第5冷却風通路17Eを後方に向かって流れる間に90°向きを変え、アッパプレート15の第8,第9支持部15b(8),15b(9)の下面に形成された第4冷却空間18Dを車幅方向に流れた後に、前後方向に延びる第6冷却風通路17Fに合流して90°向きを変えて後方に向かって流れ、冷却風出口開口14hから排出される。
【0037】
冷却風が第1冷却空間18Aを流れるとき、第1冷却空間18Aは前後方向に延びる1本の縦リブ14eによって二つに仕切られており、かつ縦リブ14eは第1冷却空間18Aの上方の第1支持部15b(1)に搭載された2個のバッテリモジュール12,12の間に配置されているため、第1冷却空間18Aの冷却風は2個のバッテリモジュール12,12の底面に沿って均等かつスムーズに流れることが可能になって冷却効果が高められる。
【0038】
また冷却風が第2冷却空間18Bおよび第3冷却空間18Cを流れるとき、第2、第3冷却空間18B,18Cは車幅方向に延びる6本の第1横リブ14c…および1本の第2横リブ14dによって八つに仕切られており、かつ第1、第2横リブ14c…,14dは第2、第3冷却空間18B,18Cの上方の第2〜第7支持部15b(2)〜15b(7)に搭載された24個のバッテリモジュール12…の間に配置されているため、第2、第3冷却空間18B,18Cの冷却風は24個のバッテリモジュール12…の底面に沿って均等かつスムーズに流れることが可能になって冷却効果が高められる。
【0039】
同様に、冷却風が第4冷却空間18Dを流れるとき、第4冷却空間18Dは車幅方向に延びる3本の第1横リブ14c…によって四つに仕切られており、かつ第1横リブ14c…は第4冷却空間18Dの上方の第8,第9支持部15b(8),15b(9)に搭載された8個のバッテリモジュール12…の間に配置されているため、第4冷却空間18Dの冷却風は8個のバッテリモジュール12…の底面に沿って均等かつスムーズに流れることが可能になって冷却効果が高められる。
【0040】
このようにして、複数のバッテリモジュール12…の底面を支持するアッパプレート15の下方に区画された第1〜第4冷却空間18A〜18Dを冷却風が流れることで、バッテリモジュール12…の熱をアッパプレート15と、それに接触するロアプレート14とを介して冷却風に伝達し、バッテリモジュール12…のバッテリセル19…の温度上昇を抑制して寿命の延長を図ることができる。
【0041】
ところで、図8に示すように、ロアプレート14の第1、第2横リブ14c…,14dおよび縦リブ14eの頂部はアッパプレート15の底面に接触部16…において接触しているため、ロアプレート14およびアッパプレート15の接触部16…は熱引けが良好になってバッテリモジュール12…の熱を奪い易くなる。従って、仮に前記接触部16…がバッテリモジュール12…の底面に対向している場合には、バッテリモジュール12…の底面の前記接触部16…に対向する部分だけが強く冷却され、前記接触部16…に対向しない部分との間に温度差が発生してバッテリセル19…の寿命に悪影響を及ぼすことが懸念される。
【0042】
しかしながら、本実施の形態によれば、ロアプレート14およびアッパプレート15の接触部16…はバッテリモジュール12…の底面に対向しておらず、隣接する2個のバッテリモジュール12,12の間に対向しているため、バッテリモジュール12…の底面の一部が局部的に冷却されて劣化の原因となるのを防止することができる。
【0043】
またロアプレート14に冷却風の流れ方向に延びる複数の第1横リブ14c…および第2横リブ14dを形成し、アッパプレート15の上面に冷却風の流れ方向と交差する方向に延びる複数の縦リブ15d…を形成したので、第1、第2横リブ14c…,14dおよび縦リブ15d…によって支持プレート11の二つの方向の曲げに対する剛性を確保することができる。しかも第2〜第3冷却空間18B〜18D内に突出するロアプレート14の第1、第2横リブ14c…,14dは冷却風の流れ方向に延びており、かつアッパプレート15の縦リブ15d…は冷却空間外に突出するので、第1、第2横リブ14c…,14dおよび縦リブ15d…が冷却風の流れを阻害しないようにして冷却性能を確保することができる。
【0044】
また支持プレート11に結合されてバッテリモジュール12…を収容する収容空間を区画するバッテリカバー13を備えるので、バッテリモジュール12…を塵、水、他物体との衝突による損傷等から保護できるだけでなく、支持プレート11およびバッテリカバー13が相互に補強し合って車両用電源装置全体の剛性が向上する。
【0045】
特に、バッテリカバー13の補強リブ25…は、第2〜第3冷却空間18B〜18D内の冷却風の流れ方向に対して平行な方向と交差する方向とに格子状に延びているため、冷却風の流れ方向に延びるロアプレート14の第1、第2横リブ14c…,14dで支持プレート11の一方向の曲げに対する剛性を高めるとともに、冷却風の流れ方向に対して交差する方向に延びるバッテリカバー13の補強リブ25…で支持プレート11の他方向の曲げに対する剛性を高めることができる。
【0046】
また第2〜第3冷却空間18B〜18D内に突出する第1、第2横リブ14c…,14dは冷却風の流れ方向に延びており、かつ補強リブ25…は第2〜第3冷却空間18B〜18D外に突出するので、第1、第2横リブ14c…,14dおよび補強リブ25…により冷却風の流れが阻害されないようにして冷却性能を確保することができる。しかも補強リブ25…をバッテリカバー13に設けたことで、支持プレート11の表面を有効に利用することが可能になってバッテリモジュール11…の搭載が容易になる。
【0047】
次に、図11に基づいて本発明の第2の実施の形態を説明する。
【0048】
図8に示す第1の実施の形態では、各クロスメンバ27の位置に対応してロアプレート14の第1横リブ14cが設けられているが、第2の実施の形態では隣接する一対のクロスメンバ27,27の間に更に2本の第1横リブ14c,14cが追加されている。
【0049】
このように第1横リブ14c…の数を増加させると、ロアプレート14およびアッパプレート15が多くの接触部16…で接触するため、ロアプレート14からアッパプレート15への熱引けが良好になってバッテリモジュール12…の冷却性能が向上する。
【0050】
第1の実施の形態では、バッテリモジュール12の底面の中央部に接触部16を位置させると、バッテリモジュール12が局部的に冷却されて温度分布が不均一になり、バッテリセル19…の寿命を短くすると説明したが、第2の実施の形態の如く、各バッテリモジュール12の底面に複数の接触部16…を位置させれば.前記温度分布の不均一を解消してバッテリセル19…の寿命短縮を回避することができる。
【0051】
次に、図12に基づいて本発明の第3の実施の形態を説明する。
【0052】
第1の実施の形態では、アッパプレート15の縦リブ15d…を本体部15aと一体にプレス成型しているが、第3の実施の形態は、縦リブ15d…を別部材で構成して平坦な本体部15aに溶接したものである。これにより、第2〜第4冷却空間18B〜18Dが平坦になって抵抗が減るために冷却風の流れがスムーズになり、結果としてバッテリセル19…の冷却効率が向上する。
【0053】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
【0054】
例えば、実施の形態ではロアプレート14に第2〜第4冷却空間18B〜18D内に突出して冷却風の流れ方向に延びる横リブ14c…,14dを形成しているが、その横リブ14c…,14dをアッパプレート15側に形成しても良い。
【0055】
また第1の実施の形態では、ロアプレート14の第1、第2横リブ14c…,14dおよび縦リブ14eをロアプレート14の本体部14aと一体にプレス成型しているが、第1、第2横リブ14c…,14dおよび縦リブ14eを別部材で構成して平坦な本体部14aに溶接しても良い。第1、第2横リブ14c…,14dおよび縦リブ14eの断面形状は、図示した逆U字状に限定されず、矩形等の閉断面であっても良い。これにより、第1の実施の形態と同様の作用効果を達成することができる。
【符号の説明】
【0056】
11 支持プレート
12 バッテリモジュール
13 バッテリカバー
14 ロアプレート(第2プレート)
14c 第1横リブ(第1補強突起)
14d 第2横リブ(第1補強突起)
15 アッパプレート(第1プレート)
15d 縦リブ(第2補強突起)
18B〜18D 第2〜第4冷却空間(冷却空間)
19 バッテリセル
25 補強リブ(第3補強突起)
27 クロスメンバ(車体フレーム)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のバッテリセル(19)の集合体よりなる複数のバッテリモジュール(12)を支持する支持プレート(11)が、前記バッテリモジュール(12)の底面に熱的に当接する第1プレート(15)と、前記第1プレート(15)の下面に重ね合わされて該第1プレート(15)との間に冷却媒体が流れる冷却空間(18B〜18D)を区画する第2プレート(14)とを備える車両用電源装置において、
前記第1、第2プレート(15,14)の少なくとも一方には前記冷却空間(18B〜18D)内に突出して冷却媒体の流れ方向に延びる複数の第1補強突起(14c,14d)が形成され、前記第1プレート(15)の上面には冷却媒体の流れ方向と交差する方向に延びる複数の第2補強突起(15d)が形成されることを特徴とする車両用電源装置。
【請求項2】
前記第1補強突起(14c,14d)は前記第1、第2プレート(15,14)の他方に接触部(16)において当接し、前記バッテリモジュール(12)の底面の端縁は前記接触部(16)に沿って配置されることを特徴とする、請求項1に記載の車両用電源装置。
【請求項3】
前記第1補強突起(14c,14d)は前記第2プレート(14)を前記第1プレート(15)側に溝状に折り曲げて構成され、前記支持プレート(11)を自動車の車体に搭載したときに、前記第1補強突起(14c)の下側に形成される空間内に車体フレーム(27)が配置されることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の車両用電源装置。
【請求項4】
前記第2補強突起(15d)に前記バッテリモジュール(12)が固定されることを特徴とする、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の車両用電源装置。
【請求項5】
前記支持プレート(11)に結合されて前記バッテリモジュール(12)を収容する収容空間を区画するバッテリカバー(13)を備え、前記バッテリカバー(13)の前記収容空間側の面には第3補強突起(25)が設けられることを特徴とする、請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の車両用電源装置。
【請求項6】
複数のバッテリセル(19)の集合体よりなる複数のバッテリモジュール(12)を支持する支持プレート(11)が、前記バッテリモジュール(12)の底面に熱的に当接する第1プレート(15)と、前記第1プレート(15)の下面に重ね合わされて該第1プレート(15)との間に冷却媒体が流れる冷却空間(18B〜18D)を区画する第2プレート(14)とを備え、前記支持プレート(11)に前記バッテリモジュール(12)を収容する収容空間を区画するバッテリカバー(13)が結合される車両用電源装置において、
前記第1、第2プレート(15,14)の少なくとも一方には前記冷却空間(18B〜18D)内に突出して冷却媒体の流れ方向に延びる複数の第1補強突起(14c,14d)が形成され、前記バッテリカバー(13)の前記収容空間側の面には、少なくとも冷却媒体の流れ方向と交差する方向に延びる複数の第3補強突起(25)が形成されることを特徴とする車両用電源装置。
【請求項1】
複数のバッテリセル(19)の集合体よりなる複数のバッテリモジュール(12)を支持する支持プレート(11)が、前記バッテリモジュール(12)の底面に熱的に当接する第1プレート(15)と、前記第1プレート(15)の下面に重ね合わされて該第1プレート(15)との間に冷却媒体が流れる冷却空間(18B〜18D)を区画する第2プレート(14)とを備える車両用電源装置において、
前記第1、第2プレート(15,14)の少なくとも一方には前記冷却空間(18B〜18D)内に突出して冷却媒体の流れ方向に延びる複数の第1補強突起(14c,14d)が形成され、前記第1プレート(15)の上面には冷却媒体の流れ方向と交差する方向に延びる複数の第2補強突起(15d)が形成されることを特徴とする車両用電源装置。
【請求項2】
前記第1補強突起(14c,14d)は前記第1、第2プレート(15,14)の他方に接触部(16)において当接し、前記バッテリモジュール(12)の底面の端縁は前記接触部(16)に沿って配置されることを特徴とする、請求項1に記載の車両用電源装置。
【請求項3】
前記第1補強突起(14c,14d)は前記第2プレート(14)を前記第1プレート(15)側に溝状に折り曲げて構成され、前記支持プレート(11)を自動車の車体に搭載したときに、前記第1補強突起(14c)の下側に形成される空間内に車体フレーム(27)が配置されることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の車両用電源装置。
【請求項4】
前記第2補強突起(15d)に前記バッテリモジュール(12)が固定されることを特徴とする、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の車両用電源装置。
【請求項5】
前記支持プレート(11)に結合されて前記バッテリモジュール(12)を収容する収容空間を区画するバッテリカバー(13)を備え、前記バッテリカバー(13)の前記収容空間側の面には第3補強突起(25)が設けられることを特徴とする、請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の車両用電源装置。
【請求項6】
複数のバッテリセル(19)の集合体よりなる複数のバッテリモジュール(12)を支持する支持プレート(11)が、前記バッテリモジュール(12)の底面に熱的に当接する第1プレート(15)と、前記第1プレート(15)の下面に重ね合わされて該第1プレート(15)との間に冷却媒体が流れる冷却空間(18B〜18D)を区画する第2プレート(14)とを備え、前記支持プレート(11)に前記バッテリモジュール(12)を収容する収容空間を区画するバッテリカバー(13)が結合される車両用電源装置において、
前記第1、第2プレート(15,14)の少なくとも一方には前記冷却空間(18B〜18D)内に突出して冷却媒体の流れ方向に延びる複数の第1補強突起(14c,14d)が形成され、前記バッテリカバー(13)の前記収容空間側の面には、少なくとも冷却媒体の流れ方向と交差する方向に延びる複数の第3補強突起(25)が形成されることを特徴とする車両用電源装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−256468(P2012−256468A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−128049(P2011−128049)
【出願日】平成23年6月8日(2011.6.8)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月8日(2011.6.8)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
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