説明

車両盗難防止システムの携帯通報機

【課題】報知可能な情報の種類を増やしながら小型化を可能とする。
【解決手段】制御手段として機能する信号処理部1と、アンテナ2aを具備し車両盗難防止装置との間でワイヤレス信号を送受信するワイヤレス信号送受信部2と、複数個の発光ダイオードLD11,L12、…を駆動して発光させるLED駆動部3と、発光色のことなる4種類の動作状態を持つ複数の表示部9i(i=1,2,3,4)を備える。複数個(4個)の表示部9iにおいて、使用者に報知すべき情報(車両盗難防止装置における異常並びにモード設定、二次電池7の残容量、通信圏外)の複数の内容を点灯・消灯の状態並びに発光色で区別して表示することができるから、報知可能な情報の種類を増やしながら小型化が可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両(自動車)の盗難を防止する車両盗難防止システムの携帯通報機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、車両の盗難(車両自体の盗難だけでなく、車内に置かれた物品や車載機器などの盗難を含む。以下同じ。)が急増している。このため、駐車中の車両に不審者が侵入したことをセンサで検知し、車両に搭載した車両盗難防止装置から警報音を鳴動するとともに車両の所有者が携帯する携帯通報機に前記車両盗難防止装置よりワイヤレス信号で不審者の侵入を報知して車両盗難を防止する車両盗難防止システムが普及してきている(例えば、特許文献1参照)。また、携帯通報機から送信されるワイヤレス信号によって車両盗難防止装置の動作モードを侵入検知を行う警戒モードと侵入検知を行わない非警戒モードに切換可能としたシステムもある(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2004−322748公報
【特許文献2】特開2004−203153公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上述のような車両盗難防止システムの携帯通報機においては、使用者(車両の所有者)に報知することが望ましい情報の種類が多数ある一方で、携帯性の観点から可能な限り小型であることが要求されている。しかしながら、上述のような多種類の情報を報知するために個々の情報と一対一に対応した多数の表示素子、あるいは、LCDのように多くの情報を表示することができる表示デバイスを搭載すると小型化が困難になってしまう。
【0004】
本発明は上記事情に鑑みて為されたものであり、その目的は、報知可能な情報の種類を増やしながら小型化が可能な車両盗難防止システムの携帯通報機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明は、上記目的を達成するために、車両に搭載され車両に侵入した不審者を検出したときに警報音を鳴動するとともに不審者の侵入検知を報知するためのワイヤレス信号を送信し且つ車外から送信される制御用のワイヤレス信号に応じて侵入検知の有効・無効が切り換えられる車両盗難防止装置を備えた車両盗難防止システムに用いられ、前記車両盗難防止装置との間で前記ワイヤレス信号を送受信するワイヤレス信号送受信手段と、光や音によって不審者の侵入検知を含む種々の情報を報知する報知手段と、電源を入切するための操作入力、前記車両盗難防止装置に対して侵入検知を無効状態に切り換えるための操作入力、前記種々の情報から報知手段で報知する情報を選択するための操作入力を各々受け付ける操作入力受付手段と、前記ワイヤレス信号送受信手段で受信するワイヤレス信号に応じて前記報知手段を制御することにより不審者の侵入検知を報知させ、前記操作入力に応じてワイヤレス信号送受信手段を制御することにより車両盗難防止装置に対して侵入検知を無効状態に切り換えるための指令をワイヤレス信号で送信させ、且つワイヤレス信号送受信手段で受信するワイヤレス信号若しくは前記操作入力に応じて前記報知手段を制御して種々の情報を報知させる制御手段とを備え、前記報知手段は、発光色が可変である複数の表示部を具備し、前記制御手段は、前記情報の種類に応じて1乃至複数の前記表示部を選択的に発光させるとともに当該情報の内容に対応した発光色で各表示部を発光させることを特徴とする。
【0006】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記各手段を納装するとともに複数の前記表示部が前面に一列に並べて露出する筐体を備え、前記制御手段は、前記操作入力に応じてワイヤレス信号送受信手段を制御することによりワイヤレス信号を送信させる際、複数の前記表示部を並び順で点滅させることを特徴とする。
【0007】
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、前記各手段に給電するための電池を備え、前記報知手段は、当該電池の残容量を表示するための表示部を具備し、前記制御手段は、前記操作入力受付手段で何れかの操作入力を受け付けたときに前記報知手段を制御することにより電池の残容量に応じた発光色で当該表示部を発光させることを特徴とする。
【0008】
請求項4の発明は、請求項1〜3の何れかの発明において、前記各手段を納装する筐体を備え、前記操作入力受付手段は、各操作入力を受け付けるための複数のスイッチと、当該スイッチを操作するための操作部材とを具備し、前記操作部材は、人の指で操作される操作面が前記筐体の前面よりも奥側に位置するように当該筐体に設けられたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
請求項1の発明によれば、個々の表示部において各情報の複数の内容を区別して表示することができるから、報知可能な情報の種類を増やしながら小型化が可能となる。
【0010】
請求項2の発明によれば、ワイヤレス信号の送信中に複数の表示部を並び順で点滅させることにより、表示部の発する光を表示部の並ぶ方向に走行させてワイヤレス信号の送信状態を使用者に判りやすく報知できる。
【0011】
請求項3の発明によれば、電池の残容量を常時報知する場合に比較して無駄な電力消費を抑えることができ、しかも、何らかの操作入力が為されたときに表示部で表示を行うことにより、電池の残容量を的確に使用者に報知することができる。
【0012】
請求項4の発明によれば、操作部材の操作面が筐体前面よりも奥側に位置しているので、操作部材が意図せずに誤って操作される誤操作を防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。本実施形態(携帯通報機)を含む車両盗難防止システムは、車両(自動車)に搭載される車両盗難防止装置(図示せず)を備えている。この車両盗難防止装置は、例えば、車内に存在する移動体(不審者)を超音波のドップラー効果を利用して検出することで車内への不審者の侵入を検知する侵入検知機能、正規のエンジンキーやワイヤレス信号以外を用いたドアロックの解錠を検知する不正解錠検知機能、不審者の侵入又は不正な解錠を検知したときに車両に搭載されている警笛を鳴動させると同時にハザードランプを点滅させて警告する警告機能、不審者の侵入検知若しくは不正な解錠検知を報知するためのワイヤレス信号を携帯通報機に向けて送信する報知機能などを有する。また車両盗難防止装置は、前記各機能をはたらかせる警戒モードと前記各機能を停止させる非警戒モードとに切換可能であって、例えば、エンジンが切られ且つエンジンキー等を用いてドアロックが施錠されているときに警戒モードとなり、エンジンキー等を用いて正規にドアロックが解錠されたときに非警戒モードに切り換わる。なお、このような車両盗難防止装置は従来周知であるから詳細についての図示並びに説明は省略する。
【0014】
図1は本実施形態を示す回路ブロック図、図2は外観斜視図、図3は正面、左側面、下面、背面の各平面図である。本実施形態は、図1に示すようにマイコンを主構成要素とし、制御手段として機能する信号処理部1と、アンテナ2aを具備し車両盗難防止装置との間でワイヤレス信号を送受信するワイヤレス信号送受信部2と、複数個の発光ダイオードLD11,L12、…を駆動して発光させるLED駆動部3と、圧電素子を用いて後述する筐体20を振動させる振動部4と、ブザーを駆動して警報音などを鳴動する警報音鳴動部5と、複数(図示例では3つ)のスイッチSW1,SW2,SW3を具備し各スイッチSW1〜SW3が操作されたときに操作入力を受け付けて信号処理部1に操作信号を出力する操作入力受付部6と、図示しない充電器によって充電される二次電池7と、二次電池7の出力を安定化して各部の動作電源を作成する電源部8とを備えている。
【0015】
ワイヤレス信号送受信部2は、電波を媒体とするワイヤレス信号を送信並びに受信し、受信信号を復調して得られる受信データを信号処理部1に出力するとともに、信号処理部1から渡される送信データを変調して得られる送信信号をワイヤレス信号に変換して送信するものである。
【0016】
LED駆動部3によって駆動される複数個の発光ダイオードLD11,12,…は、発光色が赤色である赤色発光ダイオードLD11,LD21,LD31,LD41と、発光色が緑色である緑色発光ダイオードLD12,LD22,LD32,LD42とからなり、赤色発光ダイオードLDm1及び緑色発光ダイオードLDm2(m=1,2,3,4)を組にして合計4つの表示部91,92,93,94が構成されている。各表示部9i(i=1,2,3,4)には、2種類の発光ダイオードLDm1,LDm2が何れも発光していない状態(消灯状態)、赤色発光ダイオードLDm1のみが発光している状態(赤色点灯状態)、緑色発光ダイオードLDm2のみが発光している状態(緑色点灯状態)、両方の発光ダイオードLDm1,LDm2が同時に発光している状態(橙色点灯状態)の4種類の動作状態が有り、信号処理部1から与えられる表示制御の指令に基づいてLED駆動部3により何れかの動作状態で駆動される。なお、LED駆動部3、表示部9i、振動部4、警報音鳴動部5が報知手段に相当する。
【0017】
操作入力受付部6には常開接点型のタクトスイッチからなる3つのスイッチSW1,SW2,SW3が接続されており、押釦27(図4参照)が押操作されてスイッチSW1〜SW3の常開接点が閉じたときに操作入力受付部6において操作入力が受け付けられる。そして、操作入力受付部6は操作入力を受け付けたスイッチSW1〜SW3に対応する操作信号を信号処理部1に出力する。
【0018】
二次電池7の正極並びに負極にはそれぞれ充電用の端子10a,10aが接続されており、これら一対の充電用端子10a,10aを介して外部の充電器(図示せず)から供給される充電電流で二次電池7が充電される。なお、10b,10bは検出用端子であって、これら一対の検出用端子10b,10bと充電用端子10a,10aとが双方とも充電器に接続されている状態でのみ充電器から充電電流が供給されるようになっている。電源部8は二次電池7を電源とするスイッチング・レギュレータICを具備しており、電源オフの状態ではスイッチング・レギュレータICがスタンバイモードとなって消費電力を抑えている。
【0019】
上記各部を構成する電子部品がプリント配線板P(図4参照)に実装されて筐体20に納装されている。筐体20は、合成樹脂成形品からなるケース21と、ケース21の前面に取着された化粧板22とで構成される。ケース21は扁平な略直方体状に形成され、片側の側面に突設された円筒形状のアンテナ収納部21a内にアンテナ2aが収納されている。このアンテナ2aは伸縮可能なロッドアンテナからなり、アンテナ収納部21aから引き出して伸長させることで感度を上げることができる。
【0020】
図3(d)に示すように、ケース21背面における下部には二次電池7を収納する電池収納室(図示せず)が設けられ、着脱自在に取り付けられる電池蓋23によって当該電池収納室が覆い隠されている。またケース21背面における上部には警報音鳴動部5で鳴動する警報音をケース21の外に放射させるための孔24が貫設されている。さらにケース21底面には、充電用端子10a,10a並びに検出用端子10b,10bが露出させてあり(図3(c)参照)、図示しない充電器に筐体20を取り付けたときに充電器側の端子と接触導通するようになっている。
【0021】
ケース21前面における正面から見て左側の部位には、4つの表示部9iから発する光をそれぞれ外部に放射するための4つの窓孔(図示せず)が上下方向に沿って等間隔で一列に並ぶように設けられるとともに、これらの窓孔の下側には操作部材25の操作部25aを前方へ突出させるための3つの窓孔26が同じく上下方向に沿って等間隔で一列に並ぶように貫設されている(図4参照)。操作部材25は、図4に示すように窓孔26に挿通される矩形板状の操作部25aと、窓孔26を通らない寸法・形状であって操作部25aの後端に一体に設けられてスイッチSW1〜SW3の押釦27を押動する押動部25bとを有する合成樹脂成形品からなる。
【0022】
ケース21前面に取着される化粧板22は、片面(前面)を鏡面とした透明な板材(ハーフミラー)からなり、図4に示すようにケース21前面の3つの窓孔26に対向する位置に、3つの操作部材25の操作部25aがそれぞれ挿通される3つの挿通孔22aが上下方向に沿って等間隔に貫設されている。ここで、操作部材25の操作部25aは、人の指で操作される操作面(前面)が化粧板22の前面(筐体20の前面)よりも奥側に位置するように前後方向の寸法が設定されている。つまり、操作部25aが筐体20前面に突出しないため、操作部材25が意図せずに誤って操作される誤操作を防ぐことができる。なお、図示は省略するが、化粧板22の前面には、表示部9iによって表示される情報の種類を表した文字、例えば、「ALARM SET」、「SENSOR ALARM」、「WARNING」、「BATTERY」が各々表示部9iと隣り合うように上下方向に沿って一列に並べて印刷されるとともに、スイッチSW1〜SW3の機能を表した文字、例えば、「POWER」、「SENSOR OFF」、「MODE」が各々挿通孔22aと隣り合うように上下方向に沿って一列に並べて印刷されている。
【0023】
本実施形態では、電源オフのときにスイッチSW1がオンされて操作入力受付部6で操作入力が受け付けられると、最初に電源部8のスイッチング・レギュレータICがスタンバイモードから起動して信号処理部1に動作電源を供給する。すると信号処理部1のマイコンがスタンバイモードから起動して電源オンとなる。また、電源オンの状態でスイッチSW1が3秒間以上オンされると、信号処理部1のマイコン並びに電源部8のスイッチング・レギュレータICが双方ともスタンバイモードに切り換わって電源オフとなる。マイコンが起動した後、信号処理部1は電源部8で検出された二次電池7の電圧から残容量を計算するとともにLED駆動部3を制御して当該残容量に応じた発光色(残容量が十分であれば緑色、3分の1以下であれば橙色、充電が必要であれば赤色)で表示部94を一定時間だけ点灯させて二次電池7の残容量を使用者(車両の所有者であり且つ携帯通報機を携帯する者。以下同じ。)に報知する。さらに、信号処理部1はワイヤレス信号送受信部2を制御して車両盗難防止装置に応答要求のワイヤレス信号を送信させるとともに、LED駆動部3を制御して表示部9iを下から上に順番に一つずつ緑色点灯(点滅)させる。その結果、表示部9iの発する光を表示部9iの並ぶ方向に走行させてワイヤレス信号の送信状態を使用者に判りやすく報知できる。
【0024】
また信号処理部1では、車両盗難防止装置から返信されたワイヤレス信号がワイヤレス信号送受信部2で受信されれば、LED駆動部3を制御して表示部9を消灯させ、反対に所定時間(数秒)内にワイヤレス信号が受信されなければ、LED駆動部3を制御して上から3つの表示部91,92,93を赤色点灯させるとともに警報音鳴動部5を制御して警告音(例えば、「ピピピッ」というような音)を鳴動させることでワイヤレス信号の通信圏外であることを使用者に報知する。ここで、車両盗難防止装置及び本実施形態(携帯通報機)には各々固有の識別符号が割り当てられており、当該識別符号を用いて両者が互いに認識可能であるから、別の車両に搭載されている車両盗難防止装置と誤ってワイヤレス信号の送受信を行うことはない。
【0025】
車両盗難防止装置においては、車内への不審者の侵入を検知したとき、ドアロックが不正に解錠されたことを検知したとき、あるいは本実施形態(携帯通報機)から動作モードの通知要求のワイヤレス信号を受信したときにそれぞれの状況(不審者侵入検知、ドアロック不正解錠検知、設定モード)を報知するためのワイヤレス信号を送信する。そして、かかるワイヤレス信号をワイヤレス信号送受信部2で受信すると、信号処理部1が当該ワイヤレス信号に対応する状況を報知手段により使用者に報知する処理を行う。すなわち、不審者侵入検知を受け取った場合、信号処理部1はLED駆動部3を制御して表示部92を赤色点灯させると同時に警報音鳴動部5を制御して警報音を鳴動させ且つ振動部4を制御して筐体20を振動させることで使用者に不審者が侵入したことを報知する。また、ドアロック不正解錠検知を受け取った場合、信号処理部1はLED駆動部3を制御して表示部93を赤色点灯させると同時に警報音鳴動部5を制御して警報音を鳴動させ且つ振動部4を制御して筐体20を振動させることで使用者にドアロックが不正に解錠されたことを報知する。なお、警報音の鳴動中にスイッチSW2又はSW3がオンされると、信号処理部1はLED駆動部3、振動部4、警報音鳴動部5を制御して表示部92又は93を消灯し、筐体20の振動及び警報音の鳴動を停止させる。
【0026】
一方、前記動作モードの通知要求は、スイッチSW3がオンされて操作入力受付部6で操作入力が受け付けられ、操作入力受付部6から操作信号を受け取ったときに信号処理部1がワイヤレス信号送受信部2を制御してワイヤレス信号を送信させることにより行われる。そして、信号処理部1では、当該通知要求に対して車両盗難防止装置から通知される設定モードが警戒モードであり且つ侵入検知機能が有効である場合はLED駆動部3を制御して表示部91を一定時間だけ緑色点灯し、警戒モードであり且つ侵入検知機能が無効である場合はLED駆動部3を制御して表示部91を一定時間だけ橙色点灯し、非警戒モードである場合はLED駆動部3を制御して表示部91を消灯する。なお、スイッチSW3がオンされた場合、信号処理部1は電源部8で検出された二次電池7の電圧から残容量を計算するとともにLED駆動部3を制御して当該残容量に応じた発光色で表示部94を一定時間だけ点灯させて二次電池7の残容量を使用者に報知した後、ワイヤレス信号送受信部2を制御して車両盗難防止装置に通知要求のワイヤレス信号を送信させると同時にLED駆動部3を制御して表示部9iを下から上に順番に一つずつ緑色点灯(点滅)させる。また、車両盗難防止装置から所定時間(数秒)内に応答がなければ、LED駆動部3を制御して上から3つの表示部91,92,93を赤色点灯させるとともに警報音鳴動部5を制御して警告音を鳴動させる。
【0027】
ここで、スイッチSW2がオンされて操作入力受付部6で操作入力が受け付けられ、操作入力受付部6から操作信号を受け取った場合、信号処理部1はワイヤレス信号送受信部2を制御して不審者侵入検知の機能を無効とする指令をワイヤレス信号により車両盗難防止装置に送信する。そして、当該指令を受け取った車両盗難防止装置では、警戒モードを継続したまま不審者侵入検知の機能のみを無効とする。
【0028】
而して本実施形態では、複数個(4個)の表示部9iにおいて、使用者に報知すべき情報(車両盗難防止装置における異常並びにモード設定、二次電池7の残容量、通信圏外)の複数の内容を点灯・消灯の状態並びに発光色で区別して表示することができるから、報知可能な情報の種類を増やしながら小型化が可能である。また、電源オン中に何れかのスイッチSW1〜3がオンされた場合にだけ表示部94により残容量を表示するから、二次電池7の残容量を常時報知する場合に比較して無駄な電力消費を抑えつつ残容量を的確に使用者に報知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の実施形態を示す回路ブロック図である。
【図2】同上の斜視図である。
【図3】同上を示し、(a)は正面図、(b)は左側面図、(c)は下面図、(d)は背面図である。
【図4】同上の一部省略した断面図である。
【符号の説明】
【0030】
1 信号処理部
2 ワイヤレス信号送受信部
3 LED駆動部
4 振動部
5 警報音鳴動部
6 操作入力受付部
7 二次電池
8 電源部
1〜94 表示部
SW1〜SW3 スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載され車両に侵入した不審者を検出したときに警報音を鳴動するとともに不審者の侵入検知を報知するためのワイヤレス信号を送信し且つ車外から送信される制御用のワイヤレス信号に応じて侵入検知の有効・無効が切り換えられる車両盗難防止装置を備えた車両盗難防止システムに用いられ、
前記車両盗難防止装置との間で前記ワイヤレス信号を送受信するワイヤレス信号送受信手段と、光や音によって不審者の侵入検知を含む種々の情報を報知する報知手段と、電源を入切するための操作入力、前記車両盗難防止装置に対して侵入検知を無効状態に切り換えるための操作入力、前記種々の情報から報知手段で報知する情報を選択するための操作入力を各々受け付ける操作入力受付手段と、前記ワイヤレス信号送受信手段で受信するワイヤレス信号に応じて前記報知手段を制御することにより不審者の侵入検知を報知させ、前記操作入力に応じてワイヤレス信号送受信手段を制御することにより車両盗難防止装置に対して侵入検知を無効状態に切り換えるための指令をワイヤレス信号で送信させ、且つワイヤレス信号送受信手段で受信するワイヤレス信号若しくは前記操作入力に応じて前記報知手段を制御して種々の情報を報知させる制御手段とを備え、
前記報知手段は、発光色が可変である複数の表示部を具備し、
前記制御手段は、前記情報の種類に応じて1乃至複数の前記表示部を選択的に発光させるとともに当該情報の内容に対応した発光色で各表示部を発光させることを特徴とする車両盗難防止システムの携帯通報機。
【請求項2】
前記各手段を納装するとともに複数の前記表示部が前面に一列に並べて露出する筐体を備え、
前記制御手段は、前記操作入力に応じてワイヤレス信号送受信手段を制御することによりワイヤレス信号を送信させる際、複数の前記表示部を並び順で点滅させることを特徴とする請求項1記載の車両盗難防止システムの携帯通報機。
【請求項3】
前記各手段に給電するための電池を備え、
前記報知手段は、当該電池の残容量を表示するための表示部を具備し、
前記制御手段は、前記操作入力受付手段で何れかの操作入力を受け付けたときに前記報知手段を制御することにより電池の残容量に応じた発光色で当該表示部を発光させることを特徴とする請求項1又は2記載の車両盗難防止システムの携帯通報機。
【請求項4】
前記各手段を納装する筐体を備え、
前記操作入力受付手段は、各操作入力を受け付けるための複数のスイッチと、当該スイッチを操作するための操作部材とを具備し、
前記操作部材は、人の指で操作される操作面が前記筐体の前面よりも奥側に位置するように当該筐体に設けられたことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の車両盗難防止システムの携帯通報機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−191012(P2007−191012A)
【公開日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−10341(P2006−10341)
【出願日】平成18年1月18日(2006.1.18)
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】