車両管理システム、サーバ装置、およびナビゲーション装置
【課題】不要なプローブ情報の送受信によりネットワーク資源が浪費されない車両管理システムを提供する。
【解決手段】メッシュコードを特定するメッシュコード特定部211と、特定されたメッシュコードを送信すると共に、プローブ情報を受信する通信装置205とを備えたセンタサーバ200、および、通信装置205により送信されたメッシュコードを受信すると共に、入退出検知部113による検知に応じて、自車両の入退出情報を表すプローブ情報をセンタサーバ200へ送信する通信装置107と、自車両の現在地を取得する現在地検出装置110と、現在地に対応するメッシュコードを取得するメッシュコード取得部111と、該メッシュコードに基づいて、通信装置205により受信されたメッシュコードで表される領域へ自車両が進入したこと、および、領域から自車両300が退出したことを検知する入退出検知部113とを備えたナビゲーション装置100。
【解決手段】メッシュコードを特定するメッシュコード特定部211と、特定されたメッシュコードを送信すると共に、プローブ情報を受信する通信装置205とを備えたセンタサーバ200、および、通信装置205により送信されたメッシュコードを受信すると共に、入退出検知部113による検知に応じて、自車両の入退出情報を表すプローブ情報をセンタサーバ200へ送信する通信装置107と、自車両の現在地を取得する現在地検出装置110と、現在地に対応するメッシュコードを取得するメッシュコード取得部111と、該メッシュコードに基づいて、通信装置205により受信されたメッシュコードで表される領域へ自車両が進入したこと、および、領域から自車両300が退出したことを検知する入退出検知部113とを備えたナビゲーション装置100。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両管理システム、サーバ装置、およびナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
走行中の複数の自動車がそれぞれ自車両に関する情報をサーバへ送信する、いわゆるプローブカーシステムが知られている。このようなシステムの用途としては、例えば渋滞情報の収集や、自車が保有する自動車の配車状況の把握などが挙げられる。特許文献1には、情報配信センタと、所定の周期毎に情報配信センタへプローブ情報を送信するナビゲーション装置と、から成るナビゲーションシステムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−83918号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術では、ナビゲーション装置が車両の状態に関係なくプローブ情報を送信している。従って、プローブ情報が必要でない状態であってもプローブ情報が送信され、ネットワーク資源が浪費されるという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に係る発明は、サーバ装置と車両に搭載されたナビゲーション装置との間でネットワークを介して情報の授受が行われる車両管理システムにおいて、サーバ装置は、少なくとも1つのメッシュコードを特定するメッシュコード特定手段と、メッシュコード特定手段により特定されたメッシュコードをナビゲーション装置へ送信する送信手段と、ナビゲーション装置から送信されたプローブ情報を受信するプローブ情報受信手段とを備え、ナビゲーション装置は、送信手段により送信されたメッシュコードを受信するメッシュコード受信手段と、自車両の現在地を取得する現在地取得手段と、現在地に対応するメッシュコードを取得するメッシュコード取得手段と、メッシュコード取得手段が取得したメッシュコードに基づいて、メッシュコード受信手段により受信されたメッシュコードで表される領域へ自車両が進入したこと、および、領域から自車両が退出したことを検知する入退出検知手段と、入退出検知手段による検知に応じて、自車両の入退出情報を表すプローブ情報をサーバ装置へ送信するプローブ情報送信手段とを備えることを特徴とする車両管理システムである。
請求項4に係る発明は、少なくとも1つのメッシュコードを特定するメッシュコード特定手段と、メッシュコード特定手段により特定されたメッシュコードを外部装置へ送信する送信手段と、送信手段により送信されたメッシュコードに対応する領域へ進入した外部装置、および、領域から退出した外部装置、により送信された、外部装置の入退出情報を表すプローブ情報を受信するプローブ情報受信手段と、を備えることを特徴とするサーバ装置である。
請求項5に係る発明は、外部装置から少なくとも1つのメッシュコードを受信するメッシュコード受信手段と、自車両の現在地を取得する現在地取得手段と、現在地に対応するメッシュコードを取得するメッシュコード取得手段と、メッシュコード取得手段が取得したメッシュコードに基づいて、メッシュコード受信手段により受信されたメッシュコードで表される領域へ自車両が進入したこと、および、領域から自車両が退出したことを検知する入退出検知手段と、入退出検知手段による検知に応じて、自車両の入退出情報を表すプローブ情報を外部装置へ送信するプローブ情報送信手段と、を備えることを特徴とするナビゲーション装置である。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、特定領域への入退出に応じてプローブ情報が送信されるので、不要な送受信によりネットワーク資源が浪費されない。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】第1の実施の形態に係る車両管理システムの全体像を示す模式図である。
【図2】ナビゲーション装置100の全体構成を示すブロック図である。
【図3】センタサーバ200の全体構成を示すブロック図である。
【図4】メッシュ領域の例を模式的に表した図である。
【図5】場所テーブルの例を示す図である。
【図6】属性テーブルの例を示す図である。
【図7】属性設定テーブルの例を示す図である。
【図8】ナビゲーション装置100によるプローブ情報送信処理のフローチャートである。
【図9】センタサーバ200による検知対象メッシュコードの送信処理のフローチャートである。
【図10】センタサーバ200による配車管理処理のフローチャートである。
【図11】制御回路209によるメッシュコードへの変換処理を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態に係る車両管理システムの全体像を示す模式図である。本実施形態における車両管理システムは、複数の車両300に搭載されたナビゲーション装置100と、これらのナビゲーション装置100と通信を行うセンタサーバ200と、から構成される。サーバ200にはアンテナ201が接続されており、アンテナ101が接続されたナビゲーション装置100と無線通信が可能である。センタサーバ200はこの無線通信を用いて車両300の配車管理を行う。
【0009】
(ナビゲーション装置の説明)
図2は、ナビゲーション装置100の全体構成を示すブロック図である。ナビゲーション装置100は、DRAM102、不揮発性メモリ103、ディスクドライブ104、制御回路106、通信装置107、液晶モニタ108、タッチパネル109、および現在地検出装置110を有する。ディスクドライブ104には、DVD−ROM105が装填されている。通信装置107にはアンテナ101が接続されている。
【0010】
制御回路106は、マイクロプロセッサ及びその周辺回路から構成される。DRAM102は揮発性の記憶装置である。不揮発性メモリ103は、例えばフラッシュメモリ等の不揮発性の記憶媒体であり、所定の制御プログラムが格納されている。制御回路106は、DRAM102を作業領域として不揮発性メモリ103に格納された制御プログラムを実行し、各種の制御を行う。ディスクドライブ104は、DVD−ROM105からデータの読み取りを行う装置である。通信装置107は、アンテナ101を通じたセンタサーバ200との無線通信により、各種データの授受を行う。
【0011】
DVD−ROM105には地図データが格納されている。地図データは、地図表示用データ、経路探索用データなどを含む。地図表示用データおよび経路探索用データには、地図データに格納されている道路のリンクデータおよびノードデータが含まれている。リンクデータには、各リンクの旅行時間(以下、リンク旅行時間)の情報が含まれている。地図表示用データは、広域から詳細まで複数の縮尺の地図データを有し、ユーザの要求にしたがって、表示地図の縮尺を変更することができる。なお、DVD−ROM105以外の他の記録メディア、たとえばCD−ROMやハードディスクなどから地図データを読み出してもよい。
【0012】
液晶モニタ108は、制御回路106が出力する画像データに基づき、各種情報を画面表示としてユーザへ提示する。タッチパネル109は、液晶モニタ108の表面に積層される透明のタッチスイッチである。液晶モニタ108に表示される画像はタッチパネル109を介して表示される。ユーザが液晶モニタ108の表示画面を押圧すると、タッチパネル109が押圧される。このとき、タッチパネル109から制御回路106へ押圧した位置の情報を含む操作信号が出力される。そして、制御回路106が液晶モニタ108へ表示されている地図上の押圧した位置へ目的地を設定したり、押圧した位置に表示されている各種ボタンや表示メニューに定義された処理を実行したりする。
【0013】
現在地検出装置110は自車両300の現在地を検出する装置である。現在地検出装置110はGPS(Global Positioning System)受信機110a、ジャイロスコープ110b、車速センサ110cの各種センサを有する。GPS受信機110aはGPS衛星から送出される信号を受信し、自車両の絶対位置を検出する。ジャイロスコープ110bは車両の進行方向を検出する。車速センサ110cは自車両が出力する車速パルス信号を受信し、自車両の車速を検出する。現在地検出装置110はこれらのセンサが検出した各種の情報を演算し、自車両200の現在地を検出する。
【0014】
ナビゲーション装置100は、ユーザから経路誘導の目的地を受け付けると、現在地検出装置110により検出された現在地を出発地として、目的地までの経路演算を後に詳述するアルゴリズムに基づいて行う。ナビゲーション装置100は、液晶モニタ108の表示画面へ地図を表示すると共に、この経路演算により求められた経路(以下、推奨経路という)を地図上へ表示する。ナビゲーション装置100は、ユーザに対して画面や音声などによる進行方向指示を行い、推奨経路に従って自車両が走行できるように、自車両を経路誘導する。
【0015】
制御回路106は、メッシュコード取得部111、プローブ情報収集部112、および入退出検知部113を備える。これらの各機能部は、制御回路106が不揮発性メモリ103に格納された制御プログラムを実行することにより、ソフトウェア的に実現される。
【0016】
メッシュコード取得部111は、DVD−ROM105に格納されている地図データと、現在地検出装置110が検出した現在地とに基づいて、メッシュコードを取得する。メッシュコードについては後に詳述する。プローブ情報収集部112は、センタサーバ200へ送信するためのプローブ情報を収集する。本実施形態においてプローブ情報とは、ナビゲーション装置100が搭載された自車両300の存在するメッシュ領域を表すメッシュコードである。すなわち、プローブ情報収集部112は、メッシュコード取得部111が取得したメッシュコードをプローブ情報として収集する。なお、プローブ情報にメッシュコード以外の情報を含めてもよい。入退出検知部113は、自車両が特定のメッシュコードで表される場所へ進入したこと、ならびに、自車両が特定のメッシュコードで表される場所から退出したこと、を検知する。
【0017】
ナビゲーション装置100は、センタサーバ200により随時送信される検知対象メッシュコードを受信する。受信された検知対象メッシュコードは、DRAM102に格納される。ナビゲーション装置100は、自車両300が検知対象メッシュコードで表されるメッシュ領域に進入したとき、もしくは、検知対象メッシュコードで表されるメッシュ領域から退出したときに、センタサーバ200へプローブ情報を送信する。
【0018】
(センタサーバの説明)
図3は、センタサーバ200の全体構成を示すブロック図である。センタサーバ200は、DRAM202、不揮発性メモリ203、ハードディスクドライブ(HDD)204、通信装置205、表示装置206、入力装置207、タイマー208、および制御回路209を備える。通信装置205にはアンテナ201が接続されている。
【0019】
制御回路209は、マイクロプロセッサ及びその周辺回路から構成される。DRAM202は揮発性の記憶装置である。不揮発性メモリ203は例えばフラッシュメモリ等の不揮発性の記憶媒体であり、所定の制御プログラムが格納されている。制御回路209は、DRAM202を作業領域として不揮発性メモリ203に格納された制御プログラムを実行し、各種の制御を行う。HDD204には、DVD−ROM105(図2)に格納されているものと同様の地図データが格納されている。通信装置205は、アンテナ201を通じたナビゲーション装置100との無線通信により、各種データの授受を行う。制御回路209は、通信装置205を通じて受信されたプローブ情報を、HDD204へ蓄積する。
【0020】
表示装置206は例えば液晶モニタなどの表示装置である。表示装置206は、制御回路209が出力する画像データに基づき、各種情報を画面表示としてユーザへ提示する。入力装置207は例えばキーボードやマウスなどの入力装置である。ユーザは入力装置207により制御回路209へ各種の指示を与えることができる。タイマー208は時計機能を内蔵した電子回路であり、所定周期ごとに現在の日時を表す信号を制御回路209へ出力する。
【0021】
制御回路209は、天気情報取得部210、メッシュコード特定部211、および属性管理部212を備える。これらの各機能部は、制御回路209が不揮発性メモリ203に格納された制御プログラムを実行することにより、ソフトウェア的に実現される。
【0022】
天気情報取得部210は、不図示の通信回線などを通じて、各地の天気を表す情報(以下、天気情報という)を取得する。天気情報取得部210は、取得した天気情報をメッシュコードと関連付けてHDD204へ格納する。メッシュコード特定部211は、後述する場所テーブル、属性テーブル、および属性設定テーブルに基づいて、ナビゲーション装置100へ送信するメッシュコードを特定する。属性管理部212は、メッシュコード特定部211により特定されたメッシュコードの属性を管理する。本実施形態における属性の管理とは、特定のメッシュコードで表される領域に存在する車両の台数を、そのメッシュコードに設定された属性に基づき管理することである。
【0023】
センタサーバ200は車両台数を管理するサーバである。具体的には、センタサーバ200は管理下にある複数の車両300へ、車両300の入退出を管理する対象であるメッシュ領域のメッシュコード、すなわち検知対象メッシュコードを送信する。これにより、各々の車両300に搭載されたナビゲーション装置100は、当該メッシュ領域の入退出に応じてセンタサーバ200へプローブ情報を送信するようになる。センタサーバ200はプローブ情報に含まれているメッシュコードを集計することにより、各々のメッシュ領域に存在する車両300の台数を管理する。そして、存在する車両300が適切な数よりも少ない場合、周辺領域の車両300に搭載されているナビゲーション装置へ、当該メッシュ領域に向かうよう指示を送信する。
【0024】
(地図データの説明)
DVD−ROM105(図2)およびHDD204(図3)に格納されている地図データについて詳述する。本実施形態における地図データでは、一本の道路は、交差点などをノードとして定義し、ノード間をリンクとして定義することによって、リンク列データとして表される。地図データは、ノードデータとリンクデータとが、メッシュ領域単位で分類して格納されている。メッシュ領域とは、地図を所定範囲毎に区分けしたときの区分けされた各領域をいう。各々のメッシュ領域には一意なメッシュコードが付与されている。
【0025】
地図メッシュには、メッシュ領域の大きさ毎に第1次メッシュ、第2次メッシュ、第3次メッシュなどが存在する。説明を簡単にするため、本実施形態では、メッシュコード取得部111(図2)やメッシュコード特定部211(図3)が常に第3次メッシュを扱うものとする。またメッシュコードについても、第3次メッシュに対応したメッシュコードが用いられるものとする。
【0026】
(各種テーブルの説明)
センタサーバ200のHDD204には、場所テーブル、属性テーブル、および属性設定テーブルが格納されている。センタサーバ200のユーザは、入力装置207を用いて、HDD204に格納されている場所テーブル、属性テーブル、および属性設定テーブルの内容を変更することが可能である。以下、具体的に例を挙げて、これらのテーブルについて説明する。
【0027】
図4は、メッシュ領域の例を模式的に表した図である。メッシュ領域400は、「56400700」〜「56400799」というメッシュコードで表される区画である。メッシュ領域400の下端に水平方向に書かれた数値はメッシュコードの8桁目を表す。同様に、メッシュ領域400の右端に垂直方向に書かれた数値は、メッシュコードの7桁目を表す。例えば、メッシュ領域402は、「56400756」というメッシュコードを有する。
【0028】
図4に示す区画において、メッシュ領域401にはイベント会場Aが存在し、メッシュ領域402にはイベント会場Bが存在し、メッシュ領域403にはある駅が存在するものとする。イベント会場Aやイベント会場Bでは、特定の日時でイベントが開催される。イベント終了後は会場付近へ一定数以上の車両を配車したい。また駅は毎日特定の時間に混雑が予想されるので、これも一定数以上の車両を配車したい。以上のような場合に、各テーブルがどのように設定されるかを説明する。
【0029】
図5は、場所テーブルの例を示す図である。場所テーブルには、何らかの施設の名称と、その施設に関連付けられた1つ以上のメッシュコードと、が格納されている。例えば図5に示す場所テーブル500では、レコード501には「イベント会場A」という名称が、56400883というメッシュコードと56400773というメッシュコードとに関連付けられている。すなわち、図4におけるメッシュ領域401が、イベント会場Aと関連付けられている。同様に、レコード502では、イベント会場Bが図4におけるメッシュ領域402と関連付けられている。
【0030】
図6は、属性テーブルの例を示す図である。属性テーブルでは特定のメッシュ領域に指定可能な属性と、その属性が持つ意味を定義している。図6に示す属性テーブル600では、レコード601において「配車1」という属性を定義している。「配車1」という属性には、「車両数が少なくとも10台」という定義が与えられている。属性管理部212は、「配車1」という属性が付与されたメッシュ領域に対して、少なくとも10台の車両が存在するように配車制御を行う。同様に、レコード602では「配車2」、レコード603では「配車3」という属性が定義されている。
【0031】
図7は、属性設定テーブルの例を示す図である。属性設定テーブルでは、特定の施設と関連付けられたメッシュ領域に属性を付与している。ただし、属性が効力を発揮するのは、属性と共に与えられた日時および天気の条件が満たされた場合のみである。この、属性が効力を発揮する状況を、「属性が有効化された」という。
【0032】
図7に示す属性設定テーブル700には、計5つのレコードが存在する。レコード701では、「イベント会場A」という名称に関連付けられたメッシュ領域に、「配車1」という属性を付与している。図5で示したレコード501、および、図6で示したレコード601より、レコード701は「メッシュコード56400883、56400773で表されるメッシュ領域には、少なくとも10台の車両が存在するように配車制御が行われる」ということを示している。ただし、このような配車制御が行われるのは、現在の日時が「5月7日の21時〜22時」に該当する場合のみである。同様に、レコード705は、現在の日時が「毎日23時30分〜1時30分」であり、且つ現在の天気が「雨」である場合に、メッシュコード56400745(レコード503)で表されるメッシュ領域に少なくとも30台の車両が存在するように配車制御が行われる(レコード603)ことを示している。
【0033】
(ナビゲーション装置による処理の説明)
図8は、ナビゲーション装置100によるプローブ情報送信処理のフローチャートである。制御回路106は図8に示す処理を繰り返し実行し続ける。なおナビゲーション装置100はこの処理に先立ち、センタサーバ200から検知対象メッシュコードを受信済みであるものとして説明を行う。またDRAM102には、メッシュコード取得部111が直前に取得したメッシュコードが格納されているものとする。
【0034】
まずステップS100では、現在地検出装置110が現在地を検出する。ステップS110では、メッシュコード取得部111が、ステップS100で検出された現在地に基づいて、DVD−ROM105に記録されている地図データからメッシュコードを取得する。ステップS120では、入退出検知部113が、メッシュコードが変化しているかを判定する。すなわち、DRAM102に格納されている直前のメッシュコードと、ステップS110で取得した最新のメッシュコードと、を比較し、不一致であるか否かを判定する。2つのメッシュコードが一致していた場合には、プローブ情報送信処理が終了する。他方、2つのメッシュコードが一致しなかった場合には、プローブ情報送信処理はステップS130へ進む。
【0035】
ステップS130では、入退出検知部113が、DRAM102に格納されている検知対象メッシュコードと、DRAM102に格納されている直前のメッシュコードもしくはステップS110で取得された最新のメッシュコードと、が一致するか否かを判定する。2つのメッシュコードが一致した場合には、プローブ情報送信処理はステップS140に進む。ステップS140では、通信装置107が、プローブ情報収集部112により収集されたプローブ情報をセンタサーバ200へ送信する。このプローブ情報には、ステップS110でメッシュコード取得部111が取得したメッシュコードが含まれている。他方、ステップS130において否定判定がなされた場合には、プローブ情報送信処理はステップS150へ進む。
【0036】
ステップS150では、メッシュコード取得部111が、DRAM102に格納されている直前のメッシュコードをステップS110で取得された最新のメッシュコードに更新する。以上の処理により、ナビゲーション装置100はセンタサーバ200へプローブ情報を送信する。
【0037】
(センタサーバ200による処理の説明)
図9は、センタサーバ200による検知対象メッシュコードの送信処理のフローチャートである。センタサーバ200は図9に示す処理を繰り返し実行し続ける。まずステップS200では、制御回路209が、タイマー208から現在の日時を表す信号が出力されたか否かを判定する。前述の通り、タイマー208は所定周期毎に現在の日時を表す信号を出力する。この所定周期は、属性設定テーブル700(図7)に設定される日時の粒度に合わせて設定される。例えば、属性設定テーブル700には1分単位の日時が設定されるのであれば、タイマー208が日時を出力する周期も1分に設定すればよい。
【0038】
ステップS200において制御回路209により肯定判定がなされた場合、すなわち、タイマー208から日時を表す信号が出力された場合には、検知対象メッシュコードの送信処理はステップS220に進む。他方、ステップS200において制御回路209により否定判定がなされた場合には、検知対象メッシュコードの送信処理はステップS210へ進む。ステップS210では、天気情報取得部210が、センタサーバ200の管理対象であるメッシュ領域内の天気が変化したか否かを判定する。すなわち、天気情報取得部210が取得した最新の天気情報が、HDD204に格納されていた過去の天気情報と異なっているか否かを判定する。ステップS210において天気情報取得部210により肯定判定がなされた場合には、検知対象メッシュコードの送信処理はステップS220に進む。他方、ステップS210において天気情報取得部210により否定判定がなされた場合には、検知対象メッシュコードの送信処理はステップS200に戻る。
【0039】
ステップS220〜S230では、メッシュコード特定部211によりメッシュコードを特定する処理が実行される。ステップS220では、メッシュコード特定部211が、タイマー208により出力された日時と天気情報取得部210により取得された天気情報とをキーとして、属性設定テーブル700(図7)を検索する。すなわち、メッシュコード特定部211は、日時および天気が合致するレコードを属性設定テーブル700から検索する。ステップS230では、メッシュコード特定部211が、日時および天気の条件が一致するレコードが属性設定テーブル700中に存在したか否かを判定する。メッシュコード特定部211により否定判定がなされた場合には、検知対象メッシュコードの送信処理は終了する。他方、ステップS230においてメッシュコード特定部211により肯定判定がなされた場合には、検知対象メッシュコードの送信処理はステップS240に進む。
【0040】
ステップS240では、メッシュコード特定部211が、ステップS220において発見したレコードに対応するメッシュコードを、通信装置205を介して各ナビゲーション装置100へ送信する。ここで送信されるメッシュコードがすなわち検知対象メッシュコードである。メッシュコード特定部211はこのメッシュコードを、属性設定テーブル700(図7)および場所テーブル500(図5)を参照することにより取得する。ステップS250では、属性管理部212が、ステップS220において発見したレコードの属性を有効化する。例えば、当該レコードが図7に示すレコード701であった場合には、イベント会場Aに対応するメッシュ領域に付加された属性である「配車1」が有効化される。これにより属性管理部212は、イベント会場Aに対応するメッシュ領域へ少なくとも10台の車両300が存在するように、配車制御を行う。以上の処理はセンタサーバ200により繰り返し実行されるので、タイマー208が日時を出力するか天気情報が更新される度に、属性設定テーブル700の検索および検知対象メッシュコードの送信が行われることになる。
【0041】
図10は、センタサーバ200による配車管理処理のフローチャートである。センタサーバ200は図10に示す処理を、図9に示す処理と同様に繰り返し実行し続ける。まずステップS300では、属性管理部212が、通信装置205によりプローブ情報が受信されたか否かを判定する。ステップS300において属性管理部212により否定判定がなされた場合には、配車管理処理はステップS300に戻る。他方、ステップS300において属性管理部212により肯定判定がなされた場合には、配車管理処理はステップS310に進む。
【0042】
ステップS310では、属性管理部212が、ステップS300において通信装置205により受信されたプローブ情報に基づいて、HDD204に格納されている各領域毎の車両台数を更新する。ステップS320では、属性管理部212が、現在有効化されている属性のうち、車両台数が属性による条件を満たしていない領域が存在するか否かを判定する。例えば、図7に示すレコード701の属性が有効化されている場合、「イベント会場A」という名称で表される領域には、車両が少なくとも10台存在していなければならない。この領域に存在する車両が10台未満の場合には、ステップS320において属性管理部212により肯定判定がなされる。ステップS320において属性管理部212により肯定判定がなされた場合には、配車管理処理はステップS330へ進む。他方、ステップS330において属性管理部212により否定判定がなされた場合、すなわち、すべての属性が有効化されていないか、あるいは有効化されている全ての属性がその条件を満たしている場合には、配車管理処理は終了する。
【0043】
ステップS330では、属性管理部212が、ステップS320において属性による条件が満たされていないと判明した領域へ移動する指示を、通信装置205を介して各ナビゲーション装置100へ送信する。この指示は、当該領域の周辺に存在する車両300へ送信されることが望ましい。この指示を受信したナビゲーション装置100は、例えば液晶モニタ108へ移動指示が出されている旨を表すメッセージを表示する等、ユーザへ移動指示を受信したことを報知する。以上の処理により、属性管理部212は配車管理を行う。
【0044】
上述した第1の実施の形態による車両管理システムによれば、次の作用効果が得られる。
(1)通信装置107は、入退出検知部113による検知に応じて、自車両の入退出情報を表すプローブ情報をセンタサーバ200へ送信する。これにより、不要なプローブ情報の送受信によりネットワーク資源が浪費されることがない。
【0045】
(2)入退出検知部113は、メッシュコード特定部211により特定されたメッシュコードに対応する領域への入退出を検知する。これにより、センタサーバ200の管理外の領域に存在するナビゲーション装置100から、センタサーバ200へ不要なプローブ情報が送信されることがない。
【0046】
(3)属性管理部212は、通信装置205により受信されたプローブ情報に基づいて、メッシュコード特定部211により特定されたメッシュコードで表される領域に存在する車両の台数を管理する。これにより、センタサーバ200は、注目すべき領域でのみ車両の台数管理を行うので、演算負荷が最小限に抑えられる。
【0047】
(4)メッシュコード特定部211は、タイマー208により取得された現在の日時を含む所定の期間を属性設定テーブル700から検索することによりメッシュコードを特定する。これにより、領域毎に車両管理を行う期間が限定されるので、演算負荷が最小限に抑えられる。
【0048】
(5)メッシュコード特定部211は、天気情報取得部210により取得された天気情報を属性設定テーブル700から検索することによりメッシュコードを特定する。これにより、より柔軟化な車両管理設定が可能となる。
【0049】
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態に係る車両管理システムは、第1の実施の形態に係る車両管理システムと同様に車両管理を行う。ただし、センタサーバのユーザは、第1の実施の形態とは異なり、場所テーブルにメッシュコードを直接入力する必要が無い。なお、図1〜図3に示す第1の実施の形態と同一の回路および装置には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0050】
本実施形態において、場所テーブルを設定するユーザは、地図上の1点を表す座標と、その座標を中心とする円の半径と、を入力装置207により制御回路209へ入力する。入力は例えばキーボードから数値を入力することにより行われてもよいし、マウス等のポインティングデバイスにより表示装置206へ表示された地図から1点を指し示すことにより行われてもよい。制御回路209は、入力された座標および半径を、1つ以上のメッシュコードに変換し、場所テーブル500へ格納する。
【0051】
図11は、制御回路209によるメッシュコードへの変換処理を示す図である。いま、地図メッシュ402Bにおいて、ユーザから座標410および半径が入力されたものとする。このとき、座標410を中心とする、入力された半径の円411は、1つ以上のメッシュ領域と重なる。制御回路209は、図11中に斜線で示す、この円411と重なった全てのメッシュ領域412に対応するメッシュコードを、ユーザから別途与えられた名称に関連付けて場所テーブル500へ格納する。
【0052】
上述した第2の実施の形態による車両管理システムによれば、第1の実施の形態による車両管理システムで得られる作用効果に加えて、次の作用効果が得られる。
(1)ユーザはメッシュコード以外の表現で位置情報を入力するが、制御回路209はこの入力をメッシュコードに変換して場所テーブル500へ格納する。これにより、ナビゲーション装置100へは常にメッシュコードの形で位置情報が送信されるので、ナビゲーション装置100がメッシュコードへの変換のための演算を行う必要がない。
【0053】
次のような変形も本発明の範囲内であり、変形例の一つ、もしくは複数を上述の実施形態と組み合わせることも可能である。
【0054】
(1)プローブ情報収集部112は、プローブ情報にメッシュコード以外の情報を含ませてもよい。例えば車両300の速度などを送信してもよい。また、メッシュコード取得部111により取得されたメッシュコードの代わりに、車両300の入退出を表す他の情報をプローブ情報としてもよい。例えば現在地検出装置110により検出された現在地をメッシュコードの変わりとしてもよいし、入退出した領域のメッシュコードと、進入したか退出したかを表す1ビットの信号と、をメッシュコード取得部111により取得されたメッシュコードの代わりとしてもよい。
【0055】
(2)天気情報取得部210は、各々のナビゲーション装置100から天気情報を取得してもよい。この場合、ナビゲーション装置100は天気を検知するセンサを備え、天気情報と現在地のメッシュコードとをセンタサーバ200へ送信する。
【0056】
(3)メッシュコード特定部211は、場所テーブル500および属性設定テーブル700を参照する以外の処理により、検知対象メッシュコードを特定してもよい。また、属性設定テーブル700が日時や天気以外の項目を含んでいてもよい。
【0057】
(4)センタサーバ200から送信される検知対象メッシュコードは、任意の縮尺の地図メッシュに対応するメッシュコードであってよい。また、場所テーブル500に含まれるメッシュコードや、メッシュコード取得部111により取得されるメッシュコードについても同様に、任意の縮尺の地図メッシュに対応するメッシュコードであってよい。
【0058】
本発明の特徴を損なわない限り、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の形態についても、本発明の範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0059】
100…ナビゲーション装置、101、201…アンテナ、102、202…DRAM、103、203…不揮発性メモリ、104…ディスクドライブ、105…DVD−ROM、106、209…制御回路、107、205…通信装置、108…液晶モニタ、109…タッチパネル、110…現在地検出装置、111…メッシュコード取得部、112…プローブ情報収集部、113…入退出検知部、200…センタサーバ、204…ハードディスクドライブ、206…表示装置、207…入力装置、208…タイマー、210…天気情報取得部、211…メッシュコード特定部、212…属性管理部、300…車両、500…場所テーブル、600…属性テーブル、700…属性設定テーブル
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両管理システム、サーバ装置、およびナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
走行中の複数の自動車がそれぞれ自車両に関する情報をサーバへ送信する、いわゆるプローブカーシステムが知られている。このようなシステムの用途としては、例えば渋滞情報の収集や、自車が保有する自動車の配車状況の把握などが挙げられる。特許文献1には、情報配信センタと、所定の周期毎に情報配信センタへプローブ情報を送信するナビゲーション装置と、から成るナビゲーションシステムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−83918号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術では、ナビゲーション装置が車両の状態に関係なくプローブ情報を送信している。従って、プローブ情報が必要でない状態であってもプローブ情報が送信され、ネットワーク資源が浪費されるという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に係る発明は、サーバ装置と車両に搭載されたナビゲーション装置との間でネットワークを介して情報の授受が行われる車両管理システムにおいて、サーバ装置は、少なくとも1つのメッシュコードを特定するメッシュコード特定手段と、メッシュコード特定手段により特定されたメッシュコードをナビゲーション装置へ送信する送信手段と、ナビゲーション装置から送信されたプローブ情報を受信するプローブ情報受信手段とを備え、ナビゲーション装置は、送信手段により送信されたメッシュコードを受信するメッシュコード受信手段と、自車両の現在地を取得する現在地取得手段と、現在地に対応するメッシュコードを取得するメッシュコード取得手段と、メッシュコード取得手段が取得したメッシュコードに基づいて、メッシュコード受信手段により受信されたメッシュコードで表される領域へ自車両が進入したこと、および、領域から自車両が退出したことを検知する入退出検知手段と、入退出検知手段による検知に応じて、自車両の入退出情報を表すプローブ情報をサーバ装置へ送信するプローブ情報送信手段とを備えることを特徴とする車両管理システムである。
請求項4に係る発明は、少なくとも1つのメッシュコードを特定するメッシュコード特定手段と、メッシュコード特定手段により特定されたメッシュコードを外部装置へ送信する送信手段と、送信手段により送信されたメッシュコードに対応する領域へ進入した外部装置、および、領域から退出した外部装置、により送信された、外部装置の入退出情報を表すプローブ情報を受信するプローブ情報受信手段と、を備えることを特徴とするサーバ装置である。
請求項5に係る発明は、外部装置から少なくとも1つのメッシュコードを受信するメッシュコード受信手段と、自車両の現在地を取得する現在地取得手段と、現在地に対応するメッシュコードを取得するメッシュコード取得手段と、メッシュコード取得手段が取得したメッシュコードに基づいて、メッシュコード受信手段により受信されたメッシュコードで表される領域へ自車両が進入したこと、および、領域から自車両が退出したことを検知する入退出検知手段と、入退出検知手段による検知に応じて、自車両の入退出情報を表すプローブ情報を外部装置へ送信するプローブ情報送信手段と、を備えることを特徴とするナビゲーション装置である。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、特定領域への入退出に応じてプローブ情報が送信されるので、不要な送受信によりネットワーク資源が浪費されない。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】第1の実施の形態に係る車両管理システムの全体像を示す模式図である。
【図2】ナビゲーション装置100の全体構成を示すブロック図である。
【図3】センタサーバ200の全体構成を示すブロック図である。
【図4】メッシュ領域の例を模式的に表した図である。
【図5】場所テーブルの例を示す図である。
【図6】属性テーブルの例を示す図である。
【図7】属性設定テーブルの例を示す図である。
【図8】ナビゲーション装置100によるプローブ情報送信処理のフローチャートである。
【図9】センタサーバ200による検知対象メッシュコードの送信処理のフローチャートである。
【図10】センタサーバ200による配車管理処理のフローチャートである。
【図11】制御回路209によるメッシュコードへの変換処理を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態に係る車両管理システムの全体像を示す模式図である。本実施形態における車両管理システムは、複数の車両300に搭載されたナビゲーション装置100と、これらのナビゲーション装置100と通信を行うセンタサーバ200と、から構成される。サーバ200にはアンテナ201が接続されており、アンテナ101が接続されたナビゲーション装置100と無線通信が可能である。センタサーバ200はこの無線通信を用いて車両300の配車管理を行う。
【0009】
(ナビゲーション装置の説明)
図2は、ナビゲーション装置100の全体構成を示すブロック図である。ナビゲーション装置100は、DRAM102、不揮発性メモリ103、ディスクドライブ104、制御回路106、通信装置107、液晶モニタ108、タッチパネル109、および現在地検出装置110を有する。ディスクドライブ104には、DVD−ROM105が装填されている。通信装置107にはアンテナ101が接続されている。
【0010】
制御回路106は、マイクロプロセッサ及びその周辺回路から構成される。DRAM102は揮発性の記憶装置である。不揮発性メモリ103は、例えばフラッシュメモリ等の不揮発性の記憶媒体であり、所定の制御プログラムが格納されている。制御回路106は、DRAM102を作業領域として不揮発性メモリ103に格納された制御プログラムを実行し、各種の制御を行う。ディスクドライブ104は、DVD−ROM105からデータの読み取りを行う装置である。通信装置107は、アンテナ101を通じたセンタサーバ200との無線通信により、各種データの授受を行う。
【0011】
DVD−ROM105には地図データが格納されている。地図データは、地図表示用データ、経路探索用データなどを含む。地図表示用データおよび経路探索用データには、地図データに格納されている道路のリンクデータおよびノードデータが含まれている。リンクデータには、各リンクの旅行時間(以下、リンク旅行時間)の情報が含まれている。地図表示用データは、広域から詳細まで複数の縮尺の地図データを有し、ユーザの要求にしたがって、表示地図の縮尺を変更することができる。なお、DVD−ROM105以外の他の記録メディア、たとえばCD−ROMやハードディスクなどから地図データを読み出してもよい。
【0012】
液晶モニタ108は、制御回路106が出力する画像データに基づき、各種情報を画面表示としてユーザへ提示する。タッチパネル109は、液晶モニタ108の表面に積層される透明のタッチスイッチである。液晶モニタ108に表示される画像はタッチパネル109を介して表示される。ユーザが液晶モニタ108の表示画面を押圧すると、タッチパネル109が押圧される。このとき、タッチパネル109から制御回路106へ押圧した位置の情報を含む操作信号が出力される。そして、制御回路106が液晶モニタ108へ表示されている地図上の押圧した位置へ目的地を設定したり、押圧した位置に表示されている各種ボタンや表示メニューに定義された処理を実行したりする。
【0013】
現在地検出装置110は自車両300の現在地を検出する装置である。現在地検出装置110はGPS(Global Positioning System)受信機110a、ジャイロスコープ110b、車速センサ110cの各種センサを有する。GPS受信機110aはGPS衛星から送出される信号を受信し、自車両の絶対位置を検出する。ジャイロスコープ110bは車両の進行方向を検出する。車速センサ110cは自車両が出力する車速パルス信号を受信し、自車両の車速を検出する。現在地検出装置110はこれらのセンサが検出した各種の情報を演算し、自車両200の現在地を検出する。
【0014】
ナビゲーション装置100は、ユーザから経路誘導の目的地を受け付けると、現在地検出装置110により検出された現在地を出発地として、目的地までの経路演算を後に詳述するアルゴリズムに基づいて行う。ナビゲーション装置100は、液晶モニタ108の表示画面へ地図を表示すると共に、この経路演算により求められた経路(以下、推奨経路という)を地図上へ表示する。ナビゲーション装置100は、ユーザに対して画面や音声などによる進行方向指示を行い、推奨経路に従って自車両が走行できるように、自車両を経路誘導する。
【0015】
制御回路106は、メッシュコード取得部111、プローブ情報収集部112、および入退出検知部113を備える。これらの各機能部は、制御回路106が不揮発性メモリ103に格納された制御プログラムを実行することにより、ソフトウェア的に実現される。
【0016】
メッシュコード取得部111は、DVD−ROM105に格納されている地図データと、現在地検出装置110が検出した現在地とに基づいて、メッシュコードを取得する。メッシュコードについては後に詳述する。プローブ情報収集部112は、センタサーバ200へ送信するためのプローブ情報を収集する。本実施形態においてプローブ情報とは、ナビゲーション装置100が搭載された自車両300の存在するメッシュ領域を表すメッシュコードである。すなわち、プローブ情報収集部112は、メッシュコード取得部111が取得したメッシュコードをプローブ情報として収集する。なお、プローブ情報にメッシュコード以外の情報を含めてもよい。入退出検知部113は、自車両が特定のメッシュコードで表される場所へ進入したこと、ならびに、自車両が特定のメッシュコードで表される場所から退出したこと、を検知する。
【0017】
ナビゲーション装置100は、センタサーバ200により随時送信される検知対象メッシュコードを受信する。受信された検知対象メッシュコードは、DRAM102に格納される。ナビゲーション装置100は、自車両300が検知対象メッシュコードで表されるメッシュ領域に進入したとき、もしくは、検知対象メッシュコードで表されるメッシュ領域から退出したときに、センタサーバ200へプローブ情報を送信する。
【0018】
(センタサーバの説明)
図3は、センタサーバ200の全体構成を示すブロック図である。センタサーバ200は、DRAM202、不揮発性メモリ203、ハードディスクドライブ(HDD)204、通信装置205、表示装置206、入力装置207、タイマー208、および制御回路209を備える。通信装置205にはアンテナ201が接続されている。
【0019】
制御回路209は、マイクロプロセッサ及びその周辺回路から構成される。DRAM202は揮発性の記憶装置である。不揮発性メモリ203は例えばフラッシュメモリ等の不揮発性の記憶媒体であり、所定の制御プログラムが格納されている。制御回路209は、DRAM202を作業領域として不揮発性メモリ203に格納された制御プログラムを実行し、各種の制御を行う。HDD204には、DVD−ROM105(図2)に格納されているものと同様の地図データが格納されている。通信装置205は、アンテナ201を通じたナビゲーション装置100との無線通信により、各種データの授受を行う。制御回路209は、通信装置205を通じて受信されたプローブ情報を、HDD204へ蓄積する。
【0020】
表示装置206は例えば液晶モニタなどの表示装置である。表示装置206は、制御回路209が出力する画像データに基づき、各種情報を画面表示としてユーザへ提示する。入力装置207は例えばキーボードやマウスなどの入力装置である。ユーザは入力装置207により制御回路209へ各種の指示を与えることができる。タイマー208は時計機能を内蔵した電子回路であり、所定周期ごとに現在の日時を表す信号を制御回路209へ出力する。
【0021】
制御回路209は、天気情報取得部210、メッシュコード特定部211、および属性管理部212を備える。これらの各機能部は、制御回路209が不揮発性メモリ203に格納された制御プログラムを実行することにより、ソフトウェア的に実現される。
【0022】
天気情報取得部210は、不図示の通信回線などを通じて、各地の天気を表す情報(以下、天気情報という)を取得する。天気情報取得部210は、取得した天気情報をメッシュコードと関連付けてHDD204へ格納する。メッシュコード特定部211は、後述する場所テーブル、属性テーブル、および属性設定テーブルに基づいて、ナビゲーション装置100へ送信するメッシュコードを特定する。属性管理部212は、メッシュコード特定部211により特定されたメッシュコードの属性を管理する。本実施形態における属性の管理とは、特定のメッシュコードで表される領域に存在する車両の台数を、そのメッシュコードに設定された属性に基づき管理することである。
【0023】
センタサーバ200は車両台数を管理するサーバである。具体的には、センタサーバ200は管理下にある複数の車両300へ、車両300の入退出を管理する対象であるメッシュ領域のメッシュコード、すなわち検知対象メッシュコードを送信する。これにより、各々の車両300に搭載されたナビゲーション装置100は、当該メッシュ領域の入退出に応じてセンタサーバ200へプローブ情報を送信するようになる。センタサーバ200はプローブ情報に含まれているメッシュコードを集計することにより、各々のメッシュ領域に存在する車両300の台数を管理する。そして、存在する車両300が適切な数よりも少ない場合、周辺領域の車両300に搭載されているナビゲーション装置へ、当該メッシュ領域に向かうよう指示を送信する。
【0024】
(地図データの説明)
DVD−ROM105(図2)およびHDD204(図3)に格納されている地図データについて詳述する。本実施形態における地図データでは、一本の道路は、交差点などをノードとして定義し、ノード間をリンクとして定義することによって、リンク列データとして表される。地図データは、ノードデータとリンクデータとが、メッシュ領域単位で分類して格納されている。メッシュ領域とは、地図を所定範囲毎に区分けしたときの区分けされた各領域をいう。各々のメッシュ領域には一意なメッシュコードが付与されている。
【0025】
地図メッシュには、メッシュ領域の大きさ毎に第1次メッシュ、第2次メッシュ、第3次メッシュなどが存在する。説明を簡単にするため、本実施形態では、メッシュコード取得部111(図2)やメッシュコード特定部211(図3)が常に第3次メッシュを扱うものとする。またメッシュコードについても、第3次メッシュに対応したメッシュコードが用いられるものとする。
【0026】
(各種テーブルの説明)
センタサーバ200のHDD204には、場所テーブル、属性テーブル、および属性設定テーブルが格納されている。センタサーバ200のユーザは、入力装置207を用いて、HDD204に格納されている場所テーブル、属性テーブル、および属性設定テーブルの内容を変更することが可能である。以下、具体的に例を挙げて、これらのテーブルについて説明する。
【0027】
図4は、メッシュ領域の例を模式的に表した図である。メッシュ領域400は、「56400700」〜「56400799」というメッシュコードで表される区画である。メッシュ領域400の下端に水平方向に書かれた数値はメッシュコードの8桁目を表す。同様に、メッシュ領域400の右端に垂直方向に書かれた数値は、メッシュコードの7桁目を表す。例えば、メッシュ領域402は、「56400756」というメッシュコードを有する。
【0028】
図4に示す区画において、メッシュ領域401にはイベント会場Aが存在し、メッシュ領域402にはイベント会場Bが存在し、メッシュ領域403にはある駅が存在するものとする。イベント会場Aやイベント会場Bでは、特定の日時でイベントが開催される。イベント終了後は会場付近へ一定数以上の車両を配車したい。また駅は毎日特定の時間に混雑が予想されるので、これも一定数以上の車両を配車したい。以上のような場合に、各テーブルがどのように設定されるかを説明する。
【0029】
図5は、場所テーブルの例を示す図である。場所テーブルには、何らかの施設の名称と、その施設に関連付けられた1つ以上のメッシュコードと、が格納されている。例えば図5に示す場所テーブル500では、レコード501には「イベント会場A」という名称が、56400883というメッシュコードと56400773というメッシュコードとに関連付けられている。すなわち、図4におけるメッシュ領域401が、イベント会場Aと関連付けられている。同様に、レコード502では、イベント会場Bが図4におけるメッシュ領域402と関連付けられている。
【0030】
図6は、属性テーブルの例を示す図である。属性テーブルでは特定のメッシュ領域に指定可能な属性と、その属性が持つ意味を定義している。図6に示す属性テーブル600では、レコード601において「配車1」という属性を定義している。「配車1」という属性には、「車両数が少なくとも10台」という定義が与えられている。属性管理部212は、「配車1」という属性が付与されたメッシュ領域に対して、少なくとも10台の車両が存在するように配車制御を行う。同様に、レコード602では「配車2」、レコード603では「配車3」という属性が定義されている。
【0031】
図7は、属性設定テーブルの例を示す図である。属性設定テーブルでは、特定の施設と関連付けられたメッシュ領域に属性を付与している。ただし、属性が効力を発揮するのは、属性と共に与えられた日時および天気の条件が満たされた場合のみである。この、属性が効力を発揮する状況を、「属性が有効化された」という。
【0032】
図7に示す属性設定テーブル700には、計5つのレコードが存在する。レコード701では、「イベント会場A」という名称に関連付けられたメッシュ領域に、「配車1」という属性を付与している。図5で示したレコード501、および、図6で示したレコード601より、レコード701は「メッシュコード56400883、56400773で表されるメッシュ領域には、少なくとも10台の車両が存在するように配車制御が行われる」ということを示している。ただし、このような配車制御が行われるのは、現在の日時が「5月7日の21時〜22時」に該当する場合のみである。同様に、レコード705は、現在の日時が「毎日23時30分〜1時30分」であり、且つ現在の天気が「雨」である場合に、メッシュコード56400745(レコード503)で表されるメッシュ領域に少なくとも30台の車両が存在するように配車制御が行われる(レコード603)ことを示している。
【0033】
(ナビゲーション装置による処理の説明)
図8は、ナビゲーション装置100によるプローブ情報送信処理のフローチャートである。制御回路106は図8に示す処理を繰り返し実行し続ける。なおナビゲーション装置100はこの処理に先立ち、センタサーバ200から検知対象メッシュコードを受信済みであるものとして説明を行う。またDRAM102には、メッシュコード取得部111が直前に取得したメッシュコードが格納されているものとする。
【0034】
まずステップS100では、現在地検出装置110が現在地を検出する。ステップS110では、メッシュコード取得部111が、ステップS100で検出された現在地に基づいて、DVD−ROM105に記録されている地図データからメッシュコードを取得する。ステップS120では、入退出検知部113が、メッシュコードが変化しているかを判定する。すなわち、DRAM102に格納されている直前のメッシュコードと、ステップS110で取得した最新のメッシュコードと、を比較し、不一致であるか否かを判定する。2つのメッシュコードが一致していた場合には、プローブ情報送信処理が終了する。他方、2つのメッシュコードが一致しなかった場合には、プローブ情報送信処理はステップS130へ進む。
【0035】
ステップS130では、入退出検知部113が、DRAM102に格納されている検知対象メッシュコードと、DRAM102に格納されている直前のメッシュコードもしくはステップS110で取得された最新のメッシュコードと、が一致するか否かを判定する。2つのメッシュコードが一致した場合には、プローブ情報送信処理はステップS140に進む。ステップS140では、通信装置107が、プローブ情報収集部112により収集されたプローブ情報をセンタサーバ200へ送信する。このプローブ情報には、ステップS110でメッシュコード取得部111が取得したメッシュコードが含まれている。他方、ステップS130において否定判定がなされた場合には、プローブ情報送信処理はステップS150へ進む。
【0036】
ステップS150では、メッシュコード取得部111が、DRAM102に格納されている直前のメッシュコードをステップS110で取得された最新のメッシュコードに更新する。以上の処理により、ナビゲーション装置100はセンタサーバ200へプローブ情報を送信する。
【0037】
(センタサーバ200による処理の説明)
図9は、センタサーバ200による検知対象メッシュコードの送信処理のフローチャートである。センタサーバ200は図9に示す処理を繰り返し実行し続ける。まずステップS200では、制御回路209が、タイマー208から現在の日時を表す信号が出力されたか否かを判定する。前述の通り、タイマー208は所定周期毎に現在の日時を表す信号を出力する。この所定周期は、属性設定テーブル700(図7)に設定される日時の粒度に合わせて設定される。例えば、属性設定テーブル700には1分単位の日時が設定されるのであれば、タイマー208が日時を出力する周期も1分に設定すればよい。
【0038】
ステップS200において制御回路209により肯定判定がなされた場合、すなわち、タイマー208から日時を表す信号が出力された場合には、検知対象メッシュコードの送信処理はステップS220に進む。他方、ステップS200において制御回路209により否定判定がなされた場合には、検知対象メッシュコードの送信処理はステップS210へ進む。ステップS210では、天気情報取得部210が、センタサーバ200の管理対象であるメッシュ領域内の天気が変化したか否かを判定する。すなわち、天気情報取得部210が取得した最新の天気情報が、HDD204に格納されていた過去の天気情報と異なっているか否かを判定する。ステップS210において天気情報取得部210により肯定判定がなされた場合には、検知対象メッシュコードの送信処理はステップS220に進む。他方、ステップS210において天気情報取得部210により否定判定がなされた場合には、検知対象メッシュコードの送信処理はステップS200に戻る。
【0039】
ステップS220〜S230では、メッシュコード特定部211によりメッシュコードを特定する処理が実行される。ステップS220では、メッシュコード特定部211が、タイマー208により出力された日時と天気情報取得部210により取得された天気情報とをキーとして、属性設定テーブル700(図7)を検索する。すなわち、メッシュコード特定部211は、日時および天気が合致するレコードを属性設定テーブル700から検索する。ステップS230では、メッシュコード特定部211が、日時および天気の条件が一致するレコードが属性設定テーブル700中に存在したか否かを判定する。メッシュコード特定部211により否定判定がなされた場合には、検知対象メッシュコードの送信処理は終了する。他方、ステップS230においてメッシュコード特定部211により肯定判定がなされた場合には、検知対象メッシュコードの送信処理はステップS240に進む。
【0040】
ステップS240では、メッシュコード特定部211が、ステップS220において発見したレコードに対応するメッシュコードを、通信装置205を介して各ナビゲーション装置100へ送信する。ここで送信されるメッシュコードがすなわち検知対象メッシュコードである。メッシュコード特定部211はこのメッシュコードを、属性設定テーブル700(図7)および場所テーブル500(図5)を参照することにより取得する。ステップS250では、属性管理部212が、ステップS220において発見したレコードの属性を有効化する。例えば、当該レコードが図7に示すレコード701であった場合には、イベント会場Aに対応するメッシュ領域に付加された属性である「配車1」が有効化される。これにより属性管理部212は、イベント会場Aに対応するメッシュ領域へ少なくとも10台の車両300が存在するように、配車制御を行う。以上の処理はセンタサーバ200により繰り返し実行されるので、タイマー208が日時を出力するか天気情報が更新される度に、属性設定テーブル700の検索および検知対象メッシュコードの送信が行われることになる。
【0041】
図10は、センタサーバ200による配車管理処理のフローチャートである。センタサーバ200は図10に示す処理を、図9に示す処理と同様に繰り返し実行し続ける。まずステップS300では、属性管理部212が、通信装置205によりプローブ情報が受信されたか否かを判定する。ステップS300において属性管理部212により否定判定がなされた場合には、配車管理処理はステップS300に戻る。他方、ステップS300において属性管理部212により肯定判定がなされた場合には、配車管理処理はステップS310に進む。
【0042】
ステップS310では、属性管理部212が、ステップS300において通信装置205により受信されたプローブ情報に基づいて、HDD204に格納されている各領域毎の車両台数を更新する。ステップS320では、属性管理部212が、現在有効化されている属性のうち、車両台数が属性による条件を満たしていない領域が存在するか否かを判定する。例えば、図7に示すレコード701の属性が有効化されている場合、「イベント会場A」という名称で表される領域には、車両が少なくとも10台存在していなければならない。この領域に存在する車両が10台未満の場合には、ステップS320において属性管理部212により肯定判定がなされる。ステップS320において属性管理部212により肯定判定がなされた場合には、配車管理処理はステップS330へ進む。他方、ステップS330において属性管理部212により否定判定がなされた場合、すなわち、すべての属性が有効化されていないか、あるいは有効化されている全ての属性がその条件を満たしている場合には、配車管理処理は終了する。
【0043】
ステップS330では、属性管理部212が、ステップS320において属性による条件が満たされていないと判明した領域へ移動する指示を、通信装置205を介して各ナビゲーション装置100へ送信する。この指示は、当該領域の周辺に存在する車両300へ送信されることが望ましい。この指示を受信したナビゲーション装置100は、例えば液晶モニタ108へ移動指示が出されている旨を表すメッセージを表示する等、ユーザへ移動指示を受信したことを報知する。以上の処理により、属性管理部212は配車管理を行う。
【0044】
上述した第1の実施の形態による車両管理システムによれば、次の作用効果が得られる。
(1)通信装置107は、入退出検知部113による検知に応じて、自車両の入退出情報を表すプローブ情報をセンタサーバ200へ送信する。これにより、不要なプローブ情報の送受信によりネットワーク資源が浪費されることがない。
【0045】
(2)入退出検知部113は、メッシュコード特定部211により特定されたメッシュコードに対応する領域への入退出を検知する。これにより、センタサーバ200の管理外の領域に存在するナビゲーション装置100から、センタサーバ200へ不要なプローブ情報が送信されることがない。
【0046】
(3)属性管理部212は、通信装置205により受信されたプローブ情報に基づいて、メッシュコード特定部211により特定されたメッシュコードで表される領域に存在する車両の台数を管理する。これにより、センタサーバ200は、注目すべき領域でのみ車両の台数管理を行うので、演算負荷が最小限に抑えられる。
【0047】
(4)メッシュコード特定部211は、タイマー208により取得された現在の日時を含む所定の期間を属性設定テーブル700から検索することによりメッシュコードを特定する。これにより、領域毎に車両管理を行う期間が限定されるので、演算負荷が最小限に抑えられる。
【0048】
(5)メッシュコード特定部211は、天気情報取得部210により取得された天気情報を属性設定テーブル700から検索することによりメッシュコードを特定する。これにより、より柔軟化な車両管理設定が可能となる。
【0049】
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態に係る車両管理システムは、第1の実施の形態に係る車両管理システムと同様に車両管理を行う。ただし、センタサーバのユーザは、第1の実施の形態とは異なり、場所テーブルにメッシュコードを直接入力する必要が無い。なお、図1〜図3に示す第1の実施の形態と同一の回路および装置には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0050】
本実施形態において、場所テーブルを設定するユーザは、地図上の1点を表す座標と、その座標を中心とする円の半径と、を入力装置207により制御回路209へ入力する。入力は例えばキーボードから数値を入力することにより行われてもよいし、マウス等のポインティングデバイスにより表示装置206へ表示された地図から1点を指し示すことにより行われてもよい。制御回路209は、入力された座標および半径を、1つ以上のメッシュコードに変換し、場所テーブル500へ格納する。
【0051】
図11は、制御回路209によるメッシュコードへの変換処理を示す図である。いま、地図メッシュ402Bにおいて、ユーザから座標410および半径が入力されたものとする。このとき、座標410を中心とする、入力された半径の円411は、1つ以上のメッシュ領域と重なる。制御回路209は、図11中に斜線で示す、この円411と重なった全てのメッシュ領域412に対応するメッシュコードを、ユーザから別途与えられた名称に関連付けて場所テーブル500へ格納する。
【0052】
上述した第2の実施の形態による車両管理システムによれば、第1の実施の形態による車両管理システムで得られる作用効果に加えて、次の作用効果が得られる。
(1)ユーザはメッシュコード以外の表現で位置情報を入力するが、制御回路209はこの入力をメッシュコードに変換して場所テーブル500へ格納する。これにより、ナビゲーション装置100へは常にメッシュコードの形で位置情報が送信されるので、ナビゲーション装置100がメッシュコードへの変換のための演算を行う必要がない。
【0053】
次のような変形も本発明の範囲内であり、変形例の一つ、もしくは複数を上述の実施形態と組み合わせることも可能である。
【0054】
(1)プローブ情報収集部112は、プローブ情報にメッシュコード以外の情報を含ませてもよい。例えば車両300の速度などを送信してもよい。また、メッシュコード取得部111により取得されたメッシュコードの代わりに、車両300の入退出を表す他の情報をプローブ情報としてもよい。例えば現在地検出装置110により検出された現在地をメッシュコードの変わりとしてもよいし、入退出した領域のメッシュコードと、進入したか退出したかを表す1ビットの信号と、をメッシュコード取得部111により取得されたメッシュコードの代わりとしてもよい。
【0055】
(2)天気情報取得部210は、各々のナビゲーション装置100から天気情報を取得してもよい。この場合、ナビゲーション装置100は天気を検知するセンサを備え、天気情報と現在地のメッシュコードとをセンタサーバ200へ送信する。
【0056】
(3)メッシュコード特定部211は、場所テーブル500および属性設定テーブル700を参照する以外の処理により、検知対象メッシュコードを特定してもよい。また、属性設定テーブル700が日時や天気以外の項目を含んでいてもよい。
【0057】
(4)センタサーバ200から送信される検知対象メッシュコードは、任意の縮尺の地図メッシュに対応するメッシュコードであってよい。また、場所テーブル500に含まれるメッシュコードや、メッシュコード取得部111により取得されるメッシュコードについても同様に、任意の縮尺の地図メッシュに対応するメッシュコードであってよい。
【0058】
本発明の特徴を損なわない限り、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の形態についても、本発明の範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0059】
100…ナビゲーション装置、101、201…アンテナ、102、202…DRAM、103、203…不揮発性メモリ、104…ディスクドライブ、105…DVD−ROM、106、209…制御回路、107、205…通信装置、108…液晶モニタ、109…タッチパネル、110…現在地検出装置、111…メッシュコード取得部、112…プローブ情報収集部、113…入退出検知部、200…センタサーバ、204…ハードディスクドライブ、206…表示装置、207…入力装置、208…タイマー、210…天気情報取得部、211…メッシュコード特定部、212…属性管理部、300…車両、500…場所テーブル、600…属性テーブル、700…属性設定テーブル
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバ装置と車両に搭載されたナビゲーション装置との間でネットワークを介して情報の授受が行われる車両管理システムにおいて、
前記サーバ装置は、
少なくとも1つのメッシュコードを特定するメッシュコード特定手段と、
前記メッシュコード特定手段により特定された前記メッシュコードを前記ナビゲーション装置へ送信する送信手段と、
前記ナビゲーション装置から送信されたプローブ情報を受信するプローブ情報受信手段とを備え、
前記ナビゲーション装置は、
前記送信手段により送信された前記メッシュコードを受信するメッシュコード受信手段と、
自車両の現在地を取得する現在地取得手段と、
前記現在地に対応する前記メッシュコードを取得するメッシュコード取得手段と、
前記メッシュコード取得手段が取得した前記メッシュコードに基づいて、前記メッシュコード受信手段により受信された前記メッシュコードで表される領域へ自車両が進入したこと、および、前記領域から自車両が退出したことを検知する入退出検知手段と、
前記入退出検知手段による前記検知に応じて、自車両の入退出情報を表す前記プローブ情報を前記サーバ装置へ送信するプローブ情報送信手段とを備えることを特徴とする車両管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の車両管理システムにおいて、
前記サーバ装置は、前記プローブ情報受信手段により受信された前記プローブ情報に基づいて、前記メッシュコード特定手段により特定された前記メッシュコードで表される領域に存在する車両の台数を管理する車両台数管理手段を更に備えることを特徴とする車両管理システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の車両管理システムにおいて、
前記サーバ装置は、現在の日時を取得するタイマーを更に備え、
前記記憶手段には、少なくとも1つの前記メッシュコードと、所定の期間と、が関連付けて記憶され、
前記メッシュコード特定手段は、前記タイマーにより取得された現在の日時を含む前記所定の期間を前記記憶手段から検索することにより、前記メッシュコードを特定することを特徴とする車両管理システム。
【請求項4】
少なくとも1つのメッシュコードを特定するメッシュコード特定手段と、
前記メッシュコード特定手段により特定された前記メッシュコードを外部装置へ送信する送信手段と、
前記送信手段により送信された前記メッシュコードに対応する領域へ進入した前記外部装置、および、前記領域から退出した前記外部装置、により送信された、前記外部装置の入退出情報を表すプローブ情報を受信するプローブ情報受信手段と、
を備えることを特徴とするサーバ装置。
【請求項5】
外部装置から少なくとも1つのメッシュコードを受信するメッシュコード受信手段と、
自車両の現在地を取得する現在地取得手段と、
前記現在地に対応する前記メッシュコードを取得するメッシュコード取得手段と、
前記メッシュコード取得手段が取得した前記メッシュコードに基づいて、前記メッシュコード受信手段により受信された前記メッシュコードで表される領域へ自車両が進入したこと、および、前記領域から自車両が退出したことを検知する入退出検知手段と、
前記入退出検知手段による前記検知に応じて、自車両の入退出情報を表すプローブ情報を前記外部装置へ送信するプローブ情報送信手段と、
を備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項1】
サーバ装置と車両に搭載されたナビゲーション装置との間でネットワークを介して情報の授受が行われる車両管理システムにおいて、
前記サーバ装置は、
少なくとも1つのメッシュコードを特定するメッシュコード特定手段と、
前記メッシュコード特定手段により特定された前記メッシュコードを前記ナビゲーション装置へ送信する送信手段と、
前記ナビゲーション装置から送信されたプローブ情報を受信するプローブ情報受信手段とを備え、
前記ナビゲーション装置は、
前記送信手段により送信された前記メッシュコードを受信するメッシュコード受信手段と、
自車両の現在地を取得する現在地取得手段と、
前記現在地に対応する前記メッシュコードを取得するメッシュコード取得手段と、
前記メッシュコード取得手段が取得した前記メッシュコードに基づいて、前記メッシュコード受信手段により受信された前記メッシュコードで表される領域へ自車両が進入したこと、および、前記領域から自車両が退出したことを検知する入退出検知手段と、
前記入退出検知手段による前記検知に応じて、自車両の入退出情報を表す前記プローブ情報を前記サーバ装置へ送信するプローブ情報送信手段とを備えることを特徴とする車両管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の車両管理システムにおいて、
前記サーバ装置は、前記プローブ情報受信手段により受信された前記プローブ情報に基づいて、前記メッシュコード特定手段により特定された前記メッシュコードで表される領域に存在する車両の台数を管理する車両台数管理手段を更に備えることを特徴とする車両管理システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の車両管理システムにおいて、
前記サーバ装置は、現在の日時を取得するタイマーを更に備え、
前記記憶手段には、少なくとも1つの前記メッシュコードと、所定の期間と、が関連付けて記憶され、
前記メッシュコード特定手段は、前記タイマーにより取得された現在の日時を含む前記所定の期間を前記記憶手段から検索することにより、前記メッシュコードを特定することを特徴とする車両管理システム。
【請求項4】
少なくとも1つのメッシュコードを特定するメッシュコード特定手段と、
前記メッシュコード特定手段により特定された前記メッシュコードを外部装置へ送信する送信手段と、
前記送信手段により送信された前記メッシュコードに対応する領域へ進入した前記外部装置、および、前記領域から退出した前記外部装置、により送信された、前記外部装置の入退出情報を表すプローブ情報を受信するプローブ情報受信手段と、
を備えることを特徴とするサーバ装置。
【請求項5】
外部装置から少なくとも1つのメッシュコードを受信するメッシュコード受信手段と、
自車両の現在地を取得する現在地取得手段と、
前記現在地に対応する前記メッシュコードを取得するメッシュコード取得手段と、
前記メッシュコード取得手段が取得した前記メッシュコードに基づいて、前記メッシュコード受信手段により受信された前記メッシュコードで表される領域へ自車両が進入したこと、および、前記領域から自車両が退出したことを検知する入退出検知手段と、
前記入退出検知手段による前記検知に応じて、自車両の入退出情報を表すプローブ情報を前記外部装置へ送信するプローブ情報送信手段と、
を備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−70574(P2011−70574A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−223161(P2009−223161)
【出願日】平成21年9月28日(2009.9.28)
【出願人】(509186579)日立オートモティブシステムズ株式会社 (2,205)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年9月28日(2009.9.28)
【出願人】(509186579)日立オートモティブシステムズ株式会社 (2,205)
【Fターム(参考)】
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