説明

車体用一体化繊維強化樹脂製メンバー

【課題】 荷重をメンバーの一部に集中させることがないように分散できる車体用一体化繊維強化樹脂製メンバーの提供。
【解決手段】(1)長手方向に延びる骨部20を有し、骨部20が長手方向一端21から分岐部22まで延びる単一骨部23と、分岐部22から長手方向他端に向かって延びる複数の分岐骨部24、25、26とを有する車体用一体化繊維強化樹脂製メンバー10。この構造によって、荷重の集中を防止できる。(2)少なくとも2つの分岐骨部24、25の間の部分は、一対の側壁28の重ね合わせ部30から構成されている。分岐骨部24、25を容易に分割できる。(3)2つの分岐骨部25、26の部位に内リブ36が設けられている。分岐骨部25、26を容易に分割できる。(4)重ね合わせ部30に貫通孔37が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車体用で、一体化された、繊維強化樹脂(FRP)製メンバーに関する。本発明のFRP製メンバーは、たとえば、車体の一体化ロアボデー(アンダーデーといってもよい)のリアサイドメンバーに適用できる。
【背景技術】
【0002】
特許文献1はエネルギー吸収部材としてCFRP(炭素繊維強化樹脂)材を利用することを開示している。CFRP材1は、図9に示すように、横断面内に分岐する構造をもたず、円筒形(図9(イ))、柱形(図9(ロ))、円錐形(図9(ハ))のものからなる。また、円筒形CFRP材1は、壁に図10に示すような貫通孔2をもたない。
また、特許文献2は、トラックの床板にCFRP材を利用することを開示している。
【特許文献1】特願2004−116564号公報
【特許文献2】特開平10−129537号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の繊維強化樹脂材の技術を車体用の一体化繊維強化樹脂製ロアボデーに、たとえばBピラーから車両後方に延びるリアサイドメンバー部分に、適用すると、つぎの課題が生じる。
(イ)リアサイドメンバーにかかる荷重、すなわち後突時の軸方向圧縮荷重や懸架スプリングからの曲げ方向荷重がリアサイドメンバーの支持部とBピラーとの結合部に集中して、支持部、結合部に強度、剛性が不足するという問題が生じ、支持部、結合部に十分な強度、剛性を確保しようとすると、支持部、結合部の大型化、重量増加の問題が生じる。
(ロ)孔(たとえば、給油のためのインレットパイプが挿通する孔)をリアサイドメンバーの支持部、結合部に設けると、支持部、結合部の強度、剛性が低下するので、孔を設けることができなくなり、孔を挿通する部材の、配置、搭載、ロアボデーとのパッケージングが困難になる。
【0004】
本発明の目的は、荷重をメンバーの一部に集中させることがないように分散できる車体用一体化繊維強化樹脂製メンバーを提供することにある。
本発明のもう一つの目的は、荷重をメンバーの一部に集中させることがないように分散でき、かつ、メンバーの強度、剛性の低下が問題とならないように、メンバーに孔を設けることができる車体用一体化繊維強化樹脂製メンバーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する、または上記目的を達成する本発明はつぎのとおりである。
(1) 車体のロアボデーの一部を構成する、車体用一体化繊維強化樹脂製メンバーであって、繊維強化樹脂製の外壁から形成された長手方向に延びる骨部を有し、前記骨部は前記骨部の長手方向一端から前記骨部の長手方向の途中にある分岐部まで延びる単一骨部と、前記分岐部で分岐されて前記分岐部から前記骨部の長手方向他端に向かって延びる複数の分岐骨部とを有し、前記複数の分岐骨部は、骨部長手方向と直行する方向に互いに隔てられ、少なくとも一部に互いにほぼ平行な平行部を有している、車体用一体化繊維強化樹脂製メンバー。
(2) 前記繊維強化樹脂製の外壁は一対の側壁を有し、前記複数の分岐骨部のうち少なくとも2つの分岐骨部の間の部分は、前記一対の側壁を互いに接近させて重ね合わせた重ね合わせ部から構成されている(1)記載の車体用一体化繊維強化樹脂製メンバー。
(3) 前記繊維強化樹脂製の外壁は一対の側壁を有し、前記複数の分岐骨部のうち少なくとも2つの分岐骨部の部位に前記一対の外壁間にわたって延びる内リブが設けられている(1)または(2)記載の車体用一体化繊維強化樹脂製メンバー。
(4) 前記重ね合わせ部に貫通孔が設けられている(2)記載の車体用一体化繊維強化樹脂製メンバー。
【発明の効果】
【0006】
上記(1)の車体用一体化繊維強化樹脂製メンバーによれば、車体用一体化繊維強化樹脂製メンバーが繊維強化樹脂製の外壁から形成された長手方向に延びる骨部を有し、骨部は骨部の長手方向一端から骨部の長手方向の途中にある分岐部まで延びる単一骨部と、分岐部で分岐されて分岐部から骨部の長手方向他端に向かって延びる複数の分岐骨部とを有し、複数の分岐骨部は、骨部長手方向と直行する方向に互いに隔てられ、少なくとも一部に互いにほぼ平行な平行部を有しているので、単一骨部から入力された荷重(軸方向荷重、および/または、軸方向と直交する方向の荷重である曲げ荷重)は分岐骨部に分散され、分岐骨部と、該分岐骨部に接続するメンバー部分(たとえば、Bピラー)と分岐骨部との結合部分に、荷重が集中することがなくなる。これによって、メンバーの一部に荷重が集中した場合の(たとえば、サイドメンバーと、サイドメンバーとBピラーとの結合部に荷重が集中した場合の)、荷重が集中するメンバーの一部の強度、剛性の不足の問題が解消される。
【0007】
上記(2)の車体用一体化繊維強化樹脂製メンバーによれば、繊維強化樹脂製の外壁は一対の側壁を有し、複数の分岐骨部のうち少なくとも2つの分岐骨部の間の部分は、一対の側壁を互いに接近させて重ね合わせた重ね合わせ部から構成されているので、該重ね合わせ部は、メンバーの断面を2つの部分に分割し、容易に2つの分岐骨部を形成することができる。
【0008】
上記(3)の車体用一体化繊維強化樹脂製メンバーによれば、繊維強化樹脂製の外壁は一対の側壁を有し、複数の分岐骨部のうち少なくとも2つの分岐骨部の部位に、一対の外壁間にわたって延びる内リブが設けられているので、2つの分岐骨部のうち互いに近接する2つの内リブは、メンバーの断面を2つの部分に分割し、容易に2つの分岐骨部を形成することができる。
【0009】
上記(4)の車体用一体化繊維強化樹脂製メンバーによれば、重ね合わせ部に貫通孔が設けられているので、そして重ね合わせ部は1枚の外壁部に比べて強度、剛性が高いので、メンバーの強度、剛性の低下をほとんど招くことなく、メンバーに孔を設けることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下に、本発明の車体用一体化繊維強化樹脂製メンバーを、図1〜図8を参照して説明する。
【0011】
図1に示すように、本発明の車体用一体化繊維強化樹脂製メンバー10は、たとえば、車体の幅方向端部にそれぞれ設けられた、車体の一体化ロアボデー11の一部、たとえばリアサイドメンバー15、を構成する。ただし、車体の一体化ロアボデー11の一部は、ロアボデー11のうちの、リアサイドメンバー15以外の部分であってもよい。
【0012】
車体の一体化ロアボデー11の一部は、繊維強化樹脂から形成される外壁27を有している。車体の一体化ロアボデー11は、車両前方から後方に向かって、上下方向に延びるAピラー12、Aピラー12から車両後方に延びるロッカー13、ロッカー13の後端部から斜め上方後方に延びるBピラー14、Bピラー14から後方に延びるリアサイドメンバー15を含む。Aピラー12、ロッカー13、Bピラー14、リアサイドメンバー15は、互いに一体に形成されている。Aピラー12、ロッカー13、Bピラー14、リアサイドメンバー15は、繊維強化樹脂から形成される外壁を有している。
【0013】
図1、図2に示すように、リアサイドメンバー15は、ほぼ水平に車両前後方向に延びる荷重入り部16と、荷重入り部16とBピラー14の間に位置して荷重入り部16を支持する支持部17を有する。支持部17は、荷重入り部16からの荷重をBピラー14に伝達する。荷重入り部16には、車両後突時に軸方向圧縮荷重18が入り、かつ、懸架スプリングの荷重19が荷重入り部16とほぼ直交する方向に入る。懸架スプリングの荷重19は荷重入り部16と支持部17に対して曲げ荷重19として働く。
【0014】
図2〜図8に示すように、車体用一体化繊維強化樹脂製メンバー10は、繊維強化樹脂製の外壁から形成された長手方向に延びる骨部(互いに離れた一対の側壁28と側壁間にわたって延びる横壁(図5のように屈曲した横壁でもよい)29または内リブ36とからなる断面が四辺形または多辺形の骨格部)20を有する。骨部20は、骨部の長手方向一端21から骨部20の長手方向Lの途中にある分岐部22まで延びる単一骨部23と、分岐部22で分岐されて分岐部22から骨部の長手方向他端(Bピラー14との結合端)に向かって延びる複数の分岐骨部24、25、26(図示例では、分岐骨部が3本の場合を示したが、2本以上であれば何本でもよい)とを有する。分岐骨部24、25、26が1点で分岐している場合は分岐部22は1点であるが、分岐骨部24、25、26が1点で分岐しない場合は分岐部22は単一骨部23の長手方向と平行方向にある長さを有する。たとえば、分岐骨部24と分岐骨部25との分岐点22aと、分岐骨部25と分岐骨部26との分岐点22bとが、単一骨部23の長手方向と平行方向にオフセットしている場合は、分岐部22は、単一骨部23の長手方向と平行方向に、分岐骨部24と分岐骨部25との分岐点22aと分岐骨部25と分岐骨部26との分岐点22bとの距離分の長さを有する。単一骨部23は荷重入り部16に位置し、複数の分岐骨部24、25、26は支持部17に位置する。図示例では、複数の分岐骨部24、25、26のうちの1本の分岐骨部(たとえば、上下方向中央の分岐骨部25、ただし、中央の分岐骨部25に限るものではない)は、単一骨部23の前方にある。また、複数の分岐骨部24、25、26のうちの1本の分岐骨部(たとえば、上下方向中央の分岐骨部25、ただし、中央の分岐骨部25に限るものではない)の後端部の横断面は、車両前後方向に、単一骨部23の前端部の横断面と、横断面の少なくとも一部(横断面の全部でもよい)において、車両前後方向に重なる。
【0015】
複数の分岐骨部24、25、26は、骨部長手方向Lと直行する方向Tに互いに隔てられ、少なくとも一部に、互いにほぼ平行に延びる平行部24a、25a、26aを有している。単一骨部23と車両前後方向に重なる分岐骨部25以外の分岐骨部24、26では、平行部24a、26aが、水平方向から傾斜する傾斜骨部24b、26bを介して分岐部22とつながる。複数の分岐骨部24、25、26は、それぞれの平行部24a、25a、26aの前端にて、Bピラー14と一体に結合する。
【0016】
車体の一体化ロアボデー11の一部の、繊維強化樹脂から形成される外壁27は、ほぼ上下方向に延びる一対の側壁28と、一対の側壁28間にわたって延びる横壁29を有する。横壁29は外壁27の天井壁、底壁を含む。一対の側壁28は、分岐骨部24、25、26と、単一骨部23との部位では、水平方向に互いに離れている。
【0017】
図4、図5に示すように、繊維強化樹脂から形成される外壁27のうち、複数の分岐骨部24、25、26のうち少なくとも2つの分岐骨部24、25の間の部分は、一対の側壁28を互いに接近するように屈曲させて重ね合わせた重ね合わせ部30から構成されている。重ね合わせ部30はほぼ上下方向に延びる。重ね合わせ部30では一対の側壁28は互いに密着している。この密着部では一対の側壁28は互いに融着していてもよいし、あるいは接触するだけで融着していなくてもよい。2つの分岐骨部24、25の間の部分に重ね合わせ部30が存在することによって、2つの分岐骨部24、25の水平に延びる平行部24a、25aは、上下方向に互いに分割され、隔たっている。2つの分岐骨部24、25は、傾斜骨部24b、26bでは、上下方向に互いに分割されているとはかぎらない。図示例では、2つの分岐骨部24、25の内部にはフォームコアが入っていて、外壁27形成時のコア(中子)となり、重ね合わせ部30では一対の側壁28が互いに熱融着されている場合を示す。ただし、2つの分岐骨部24、25の内部は空洞であってもよいし、重ね合わせ部30では一対の側壁28が互いに熱融着されないで接触しているだけでもよい。
【0018】
図6、図7に示すように、繊維強化樹脂から形成される外壁27のうち、複数の分岐骨部24、25、26のうち少なくとも2つの分岐骨部25、26の部位に、繊維強化樹脂から形成された、断面が矩形状の中空部材32が、外壁27の一対の外壁28間に設けられている。少なくとも2つの分岐骨部25、26の部位の中空部材32は分岐部22で互いにつながっている。矩形状の中空部材32は上壁33、下壁34、一対の側壁35を有しており、一対の側壁35部位で外壁の一対の側壁28と融着されて一体化されている。中空部材32の上壁33、下壁34は、一対の側壁35間にわたって、かつ、外壁27の一対の外壁28間にわたって、ほぼ水平方向に延び、内リブ36を形成している。
【0019】
上下方向に隣接する分岐骨部25、26のうちの上位の分岐骨部25に設けられた中空部材32の下壁34と、上下方向に隣接する分岐骨部25、26のうちの下位の分岐骨部26に設けられた中空部材32の上壁33とは、上下方向に隔たっており、両者の間のスペースは中空であってもよいし、あるいはフォームコアが入れられていてもよい。この構造によって上下方向に隣接する分岐骨部25、26は、平行部25a、26aにおいて、上下方向に互いに隔たっており、上下方向に分割されている。
【0020】
複数の分岐骨部24、25、26の平行部24a、25a、26aは、図4、図5の構造(重ね合わせ部30を有する構造)によって上下方向に分割されてもよいし、あるいは図6、図7の構造(内リブ36を有する構造)によって上下方向に分割されてもよいし、あるいは図2に示すように、一部の平行部24a、25aを重ね合わせ部30を有する構造によって上下方向に分割され、残りの平行部25a、26aを内リブ36を有する構造によって上下方向に分割されてもよい。
【0021】
図8に示すように、重ね合わせ部30を有する構造では、重ね合わせ部30に貫通孔37が設けられてもよい。ただし、貫通孔37は必ずしも設けなくもよい。貫通孔37は給油タンクへのインレットパイプや、または電気、電子系のワイヤハーネス等が挿通する。重ね合わせ部30の貫通孔37部位では、繊維強化樹脂の強化繊維(炭素繊維またはガラス繊維)をなるべくつなげて、強化繊維を切断しないようにすることが望ましい。
図6、図7の構造(内リブ36を有する構造)に貫通孔を設けてもよいが、その場合は、隣接する分岐骨部25、26の間の部位に設けて、分岐骨部25、26の壁には貫通孔を設けないようにすることが望ましい。
【0022】
つぎに、本発明の車体用一体化繊維強化樹脂製メンバーの作用、効果を説明する。
本発明の車体用一体化繊維強化樹脂製メンバー10が、繊維強化樹脂製の外壁27から形成された長手方向に延びる骨部20を有し、骨部20は骨部20の長手方向一端21から骨部20の長手方向の途中にある分岐部22まで延びる単一骨部23と、分岐部22で分岐されて分岐部22から骨部の長手方向他端に向かって延びる複数の分岐骨部24、25、26とを有し、複数の分岐骨部24、25、26は、骨部長手方向Lと直行する方向Tに互いに隔てられ、少なくとも一部に互いにほぼ平行な平行部24a、25a、26aを有している。
【0023】
この構造によって、、単一骨部23から入力された荷重(軸方向荷重18、および/または、軸方向と直交する方向の荷重である曲げ荷重19)は分岐骨部24、25、26に分散され、分岐骨部24、25、26と、該分岐骨部24、25、26に接続するメンバー部分(たとえば、Bピラー14)と分岐骨部24、25、26との結合部分に、荷重が集中することがなくなる。これによって、メンバーの一部に荷重が集中した場合の(たとえばリアサイドメンバー15と、Bピラー14との結合部に、荷重が集中した場合の)、荷重が集中するメンバーの一部の強度、剛性の不足の問題が解消される。
【0024】
また、繊維強化樹脂製の外壁27が一対の側壁28を有し、複数の分岐骨部24、25、26のうち少なくとも2つの分岐骨部24、25の間の部分が、一対の側壁28を互いに接近させて重ね合わせた重ね合わせ部30から構成されている場合は、該重ね合わせ部30が、メンバーの断面を2つの部分に分割するので、2つの分岐骨部24、25を形成するすることができる。
【0025】
また、繊維強化樹脂製の外壁27が一対の側壁28を有し、複数の分岐骨部24、25、26のうち少なくとも2つの分岐骨部25、26の部位に、一対の外壁28間にわたって延びる内リブ36が設けられている場合は、2つの分岐骨部25、26のうち互いに近接する2つの内リブ36(上位の中空部材32の下壁34と下位の中空部材32の上壁33)は、メンバーの断面を2つの部分に分割するので、2つの分岐骨部25、26を容易に形成することができる。
【0026】
また、重ね合わせ部30に貫通孔37が設けられている場合は、重ね合わせ部30が1枚の外壁部に比べて強度、剛性の高いので、メンバーの強度、剛性の低下をほとんど招くことなく、メンバー10に孔37を設けることができる。孔37で設ける場合、繊維強化樹脂の強化繊維が切断されることがないように繊維を配向することにより、メンバーの強度、剛性を、孔を設けない場合と同程度に維持することができる。また、孔37を設ける自由度が高まるので、燃料タンクにつながるインレットパイプや、ワイヤハーネスの取りまわしが容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の車体用一体化繊維強化樹脂製メンバーを含む一体化ロアボデーを取り付けた車体の斜視図である。
【図2】図1の車体用一体化繊維強化樹脂製メンバーの側面図である。
【図3】図1の車体用一体化繊維強化樹脂製メンバーの、単一骨部と複数の分岐骨部を含む部分の、側面図である。
【図4】図1の車体用一体化繊維強化樹脂製メンバーの、単一骨部と、重ね合わせ部で上下方向に分割された複数の分岐骨部を含む部分の斜視図である。
【図5】図4のA−A線断面図である。
【図6】図1の車体用一体化繊維強化樹脂製メンバーの、単一骨部と、内リブで上下方向に分割された複数の分岐骨部を含む部分の斜視図である。
【図7】図6のB−B線断面図である。
【図8】図1の車体用一体化繊維強化樹脂製メンバーの、重ね合わせ部に貫通孔を設けた場合の、貫通孔部位での拡大断面図である。
【図9】従来の、横断面内に分岐する構造をもたないCFRP材の斜視図で、(イ)は円筒形CFRP材を示し、(ロ)は柱形CFRP材を示し、(ハ)は円錐形CFRP材を示す。
【図10】従来の、横断面内に分岐する構造をもたない円筒形CFRP材の、壁に貫通孔を設けた場合の、斜視図である。
【符号の説明】
【0028】
10 車体用一体化繊維強化樹脂製メンバー
11 一体化ロアボデー
12 Aピラー
13 ロッカー
14 Bピラー
15 リアサイドメンバー
16 荷重入り部
17 支持部
18 軸方向圧縮荷重
19 懸架スプリングからの荷重(曲げ荷重)
20 骨部
21 骨部の長手方向一端
22 分岐部
22a 分岐骨部24と分岐骨部25との分岐点
22b 分岐骨部25と分岐骨部26との分岐点
23 単一骨部
24、25、26 複数の分岐骨部
24a、25a、26a 平行部
24b、25b、26b 傾斜骨部
27 外壁
28 一対の側壁
29 横壁
30 重ね合わせ部
32 中空部材
33 上壁
34 下壁
35 一対の側壁
36 内リブ
37 貫通孔
L 骨部の長手方向
T 骨部の長手方向と直交する方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体のロアボデーの一部を構成する、車体用一体化繊維強化樹脂製メンバーであって、繊維強化樹脂製の外壁から形成された長手方向に延びる骨部を有し、前記骨部は前記骨部の長手方向一端から前記骨部の長手方向の途中にある分岐部まで延びる単一骨部と、前記分岐部で分岐されて前記分岐部から前記骨部の長手方向他端に向かって延びる複数の分岐骨部とを有し、前記複数の分岐骨部は、骨部長手方向と直交する方向に互いに隔てられ、少なくとも一部に互いにほぼ平行な平行部を有している、車体用一体化繊維強化樹脂製メンバー。
【請求項2】
前記繊維強化樹脂製の外壁は一対の側壁を有し、前記複数の分岐骨部のうち少なくとも2つの分岐骨部の間の部分は、前記一対の側壁を互いに接近させて重ね合わせた重ね合わせ部から構成されている請求項1記載の車体用一体化繊維強化樹脂製メンバー。
【請求項3】
前記繊維強化樹脂製の外壁は一対の側壁を有し、前記複数の分岐骨部のうち少なくとも2つの分岐骨部の部位に前記一対の外壁間にわたって延びる内リブが設けられている請求項1または請求項2記載の車体用一体化繊維強化樹脂製メンバー。
【請求項4】
前記重ね合わせ部に貫通孔が設けられている請求項2記載の車体用一体化繊維強化樹脂製メンバー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−37316(P2008−37316A)
【公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−216070(P2006−216070)
【出願日】平成18年8月8日(2006.8.8)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】