説明

車載情報端末

【課題】地上デジタル放送を録画中にその信号強度が低下した場合、録画処理を担当するプロセッサから他のプロセッサにバス権を引き渡す。
【解決手段】メインCPU10AとサブCPU10BはHDD50との間でデータやコマンドの授受を行ってナビゲーションに関する処理や音楽再生、地上デジタル放送の録画などに関する処理を行う。各CPUは、各処理の内容にしたがってATAPI使用要求レベル信号を出力する。調停回路20の切換制御回路25の調停制御テーブルは、ATAPI使用要求レベル信号と地上デジタル放送信号の電界強度状態により設定登録される。地上デジタル放送を録画中に地上デジタル放送信号の電界強度が低下すると、サブCPU10Bのバス権をメインCPU10Aへ引き渡す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハードディスクなどの記憶媒体にアクセスする複数のプロセッサのバス権調停に関する。
【背景技術】
【0002】
車両を目的地まで誘導するナビゲーション機能と、音楽CDからハードディスク(HDD)にリッピングした音楽データを再生出力する機能を備えた車載ナビゲーション装置が知られている(非特許文献1)。
【0003】
【非特許文献1】富士通テン技報 Vol.22 No.1 3頁〜11頁
【0004】
非特許文献1の装置では、1台のハードディスクにナビゲーションに必要な地図データや地点データとともに、音楽CDからリッピングした音楽データを記憶する。この装置では、ナビゲーション用CPU(メインCPU)でナビゲーション処理を行い、ミュージック用CPU(サブCPU)で音楽データを再生し、また、音楽データをエンコードしてHDDに記憶するリッピング処理を行う。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
地上デジタル放送の番組をHDDに記録する場合、途切れなく受信される放送データをサブCPUが連続的にHDDへ書き込むことになる。この状況下では、ナビゲーションを行うメインCPUがHDDにアクセスできる機会が極端に少なくなる。その結果として、本来のシステムであるナビゲーション機能に悪影響を及ぼすこととなってしまう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)請求項1の発明による車載情報端末は、データを記憶する記憶媒体と、記憶媒体との間でデータ授受を行って第1の処理を行い、第1処理の処理内容に応じた第1要求信号を出力する第1のプロセッサと、記憶媒体との間でデータ授受を行って第2の処理を行い、第2処理の処理内容に応じた第2要求信号を出力する第2のプロセッサと、第1および第2要求信号、および外部環境に起因した環境信号に基づいて、それらに応じて、第1および第2のプロセッサの記憶媒体へのアクセス権を調停する調停回路とを備えることを特徴とする。
(2)請求項2の発明は、請求項1に記載の車載情報端末において、第2プロセッサが地上デジタル放送を受信して録画処理を実行する場合、環境信号は、地上デジタル放送の受信信号の電界強度に応じた電界強度信号であり、第2プロセッサが地上デジタル放送を受信して録画処理を実行中に電界強度信号が低下すると、調停回路は、第2プロセッサから第1プロセッサにアクセス権を切換えることを特徴とする。
(3)請求項3の発明は、請求項1に記載の車載情報端末において、第2プロセッサが地上デジタル放送を受信して録画処理を実行する場合、環境信号は、地上デジタル放送の受信信号の電界強度が低下する地域を走行していることを表す位置信号であり、第2プロセッサが地上デジタル放送を受信して録画処理を実行中に位置信号が検出されると、調停回路は、第2プロセッサから第1プロセッサにアクセス権を切換えることを特徴とする。
(4)請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の車載情報端末において、調停回路はハードロジック回路であり、第1および第2のプロセッサのいずれか一方を記憶媒体へ接続する切換回路と、第1および第2要求信号のレベルと環境信号に応じて切換回路を切り換える切換制御回路とを備えることを特徴とする。
(5)請求項5は、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の車載情報端末において、調停回路により記憶媒体との接続が中断されたプロセッサは、引き続きデータ処理を続行するようにし、続行するデータ処理により得られたデータを一時記憶する一時記憶回路をさらに設け、調停回路により記憶媒体との接続が再開されたプロセッサは、一時記憶回路に保存されていたデータを記憶媒体へ転送することを特徴とする。
(6)請求項6の発明は、請求項5に記載の車載情報端末において、調停回路は、一時記憶回路の記憶容量が所定値を越えると、記憶媒体との接続が中断されたプロセッサを記憶手段に接続し、そのプロセッサによるデータ処理を再開することを特徴とする。
(7)請求項7の発明は、請求項1及至6のいずれか1項に記載の車載情報端末において、第1の処理は地図データを使用したデータ処理であることを特徴とする。
(8)請求項8の発明は、請求項1及至7のいずれか1項に記載の車載情報端末において、第1および第2のプロセッサと記憶媒体との間のデータ授受は、調停手段を経由したATAPI準拠のインターフェースにより行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、記憶媒体との間でデータ授受を行いながら第2のプロセッサによって第2の処理を実行中に環境信号が出力されると、即ち、第2のプロセッサによる第2の処理が実行されなくなるような状況下では、記憶媒体へのアクセス権を第1のプロセッサに引き渡し、第1のプロセッサと記憶媒体との間のデータ授受を行えるようにした。したがって、プロセッサと記憶媒体との間のバス利用効率が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
<第1の実施の形態>
本発明による車載情報端末をナビゲーション装置に適用した第1の実施形態の構成を図1に示す。図1のナビゲーション装置は、地図表示、経路誘導などの通常のナビゲーション機能の他に、音楽や映像再生機能を有する。この実施の形態では、音楽再生機能、音楽リッピング機能、地上デジタル放送視聴および録画機能をナビゲーション装置が備えているものとして説明する。
【0009】
ナビゲーション装置は、ナビゲーション用メインCPU(プロセッサ)10Aと、音楽/映像再生用サブCPU(プロセッサ)10Bと、FPGA等で構成される調停回路20を主要部とする制御回路10とを備えている。制御回路10には、ハードディスクドライブ(HDD)50と、装填されたCDやDVDなどから音楽データや映像データを読み取るDVDドライブ60と、自車両の現在位置を検出する位置検出装置71と、地上デジタル放送受信回路72と、地図や地上デジタル放送の映像を表示する表示モニタ73と、経路案内の音声や受信した地上デジタル放送の音声を出力するスピーカ74と、各種入力装置75とが接続されている。
【0010】
制御回路10のメインCPU10Aには、プログラムなどを書き込んだフラッシュメモリ11と、地図等の表示画像を描画する際に演算処理を行うASIC12と、メインCPU10Aの演算処理で使用する各種データを一時保存するDRAM13とがバスで接続されている。制御装置10のサブCPU10Bには、プログラムなどを書き込んだフラッシュメモリ14と、音楽CDから取得した音楽データの再生処理およびリッピング処理を行うDSP15と、DSP15の信号処理で得られる各種データを一時保存するDRAM16と、サブCPU10Bの演算処理で使用する各種データを一時保存するDRAM17とが接続されている。調停回路20には、後述するATAPI処理中に転送が中断されたデータを記憶するDRAM41,42が接続されている。
【0011】
HDD50は、内蔵する磁気ハードディスクに記憶した地図データおよび音楽データの読み出し/書き込みを行う高速大容量記憶媒体および読み取り装置である。HDD50の音楽データはリッピング処理によってエンコードされた音楽データである。DVDドライブ60は、セットした音楽CDに記憶されている音楽データあるいは映像DVDに記憶されている映像データの読み出しを行う読み取り装置である。音楽CDや映像DVDはHDD50に比べて低速小容量記憶媒体である。
【0012】
ハードディスクドライブ(HDD)50およびDVDドライブ60は、ATAPI(AT Attachment Packet Interface)に準拠したIDE(Integrated Drive Electronics)インターフェースを使用してメインCPU10AおよびサブCPU10Bとの間のコマンド授受あるいはデータ授受を行う。そして調停回路20は、メインCPU10AおよびサブCPU10Bからの、HDD50およびDVDドライブ60に対するバス権(アクセス権)を調停している。
【0013】
メインCPU10Aは、フラッシュメモリ11に格納された制御プログラムを実行して各種のナビゲーション処理を実行する。DRAM13には、ナビゲーション処理で使用するデータや演算データが一時的に保存される。メインCPU10Aは、位置検出装置71で検出された車両の現在位置を入力し、HDD50の地図データに基づいて自車位置周辺の地図を表示モニタ73に表示する。あるいは、自車位置から目的地までの経路を探索し、推奨経路に沿って乗員を案内する経路誘導を行う。
【0014】
サブCPU10Bは、フラッシュメモリ14に格納された制御プログラムを実行して音楽再生処理や映像再生処理などを行う。サブCPU10Bは、DVDドライブ60にセットされた音楽CDに記憶された音楽データをDSP15で再生してスピーカ74から出力する。サブCPU10Bの制御の下、DSP15は、DVDドライブ60から読み込んだ音楽データをリッピング処理し、サブCPU10Bは、リッピング処理によりエンコードされた音楽データをHDD50に記憶する。
【0015】
サブCPU10Bは、地上デジタル放送受信回路72で受信した地上デジタル放送の映像を表示モニタ73に表示し、スピーカ74からその音声を出力することにより、いわゆる地デジ放送を視聴する処理を行う。地上デジタル放送を録画する処理もサブCPU10Bにより行われる。この場合、受信した映像はDRAM17に一時的に格納され、所定のタイミングでHDD50に保存される。DRAM17には、音楽データや映像データの処理(エンターテイメント処理)で使用されるデータや演算データも一時的に保存される。
【0016】
図2に詳細に示すように、調停回路20はHost I/F21と、Device I/F22および23と、Arbiterと呼ばれる切換回路24と、切換回路24を制御するRegisterと呼ばれる切換制御回路(調停制御回路)25とを備えたプログラマブルゲートアレイ回路として構成することができる。
【0017】
Host I/F21はHDD50およびDVDドライブ60と接続され、Device I/F22はメインCPU10Aと接続され、Device I/F23はサブCPU10Bと接続されている。メインCPU10AおよびサブCPU10Bは、それぞれの処理に応じたATAPI使用要求レベルを切換制御回路25へ送信する。一方、切換制御回路25を介して、メインCPU10AはサブCPU10BのATAPI使用要求レベルを、サブCPU10BはメインCPU10AのATAPI使用要求レベルをそれぞれ受信する。
【0018】
そのため、メインCPU10Aは、切換制御回路25との間で、メインCPU10Aの2つのATAPI使用要求レベル信号GPIO(General Purpose Input/Output)1−1,2と、サブCPU10Bの2つのATAPI使用要求レベル信号GPIO2−1,2の計4つの要求信号を入出力する。サブCPU10Bは、切換制御回路25との間で、サブCPU10Bの2つのATAPI使用要求レベル信号GPIO2−1,2と、メインCPU10Aの2つのATAPI使用要求レベル信号GPIO1−1,2の計4つの要求信号を入出力する。
【0019】
メインCPU10Aの2つのATAPI使用要求レベル信号GPIO1−1,2により、次のレベル0,1,2,3の4段階を定義する。
(a)メインCPU10AのATAPI使用要求レベル0(00):メインCPU10A未使用
(b)メインCPU10AのATAPI使用要求レベル1(01):経路探索処理
(c)メインCPU10AのATAPI使用要求レベル2(10):地図スクロール処理
(d)メインCPU10AのATAPI使用要求レベル3(11):地図データ読み出し処理
【0020】
サブCPU10Bの2つのATAPI使用要求レベル信号GPIO2−1,2により、次のレベル0,1,2,3の4段階を定義する。
(a)サブCPU10BのATAPI使用要求レベル0(00):サブCPU10B未使用
(b)サブCPU10BのATAPI使用要求レベル1(01):リッピング処理
(c)サブCPU10BのATAPI使用要求レベル2(10):CD/DVDデータ読み出し処理
(d)サブCPU10BのATAPI使用要求レベル3(11):地上デジタル放送録画処理
【0021】
なお、各ATAPI使用要求レベルは、括弧内に示すように、ATAPI使用要求レベル信号GPIO1−1,2およびGPIO2−1,2の信号レベルで表される。また、メインCPU10AおよびサブCPU10Bにおいて、レベル3はレベル2よりも緊急性が高く、レベル2はレベル1よりも緊急性が高く、レベル1はレベル0よりも緊急性が高い処理である。
【0022】
メインCPU10Aの2つのATAPI使用要求レベル信号GPIO1−1,2、およびサブCPU10Bの2つのATAPI使用要求レベル信号GPIO2−1,2は調停回路20の切換制御回路25に入力され、調停制御テーブルを設定する。これら4つの使用要求レベル信号に基づく調停制御テーブルにより切換回路24が切り換えられてバス権が制御される。
【0023】
さらに、サブCPU10Bは地上デジタル放送の電界強度監視を行う。弱電界を検知すると、サブCPU10Bは弱電界信号GPIO3を出力する。弱電界信号GPIO3は調停回路20の切換制御回路25に入力され、調停制御テーブルを設定する。サブCPU10Bが地上デジタル放送の録画処理を行っている場合、調停制御テーブルによるバス権制御には弱電界信号GPIO3の出力も影響を与える。
【0024】
図3は、メインCPU10Aの2つのATAPI使用要求レベル信号GPIO1−1,2、およびサブCPU10Bの2つのATAPI使用要求レベル信号GPIO2−1,2、およびサブCPU10Bの弱電界信号GPIO3に応じた各CPUのバス権を説明する図である。図3は、メインCPU10AがサブCPU10Bに優先してバス権を有するように定義した場合を示している。
【0025】
図3を参照して一例を説明する。
(1)メインCPU10Aの要求レベル0(00)の場合
サブCPU10Bの要求レベルが0であればバス権はメインCPU10Aに与えられ、サブCPU10Bの要求レベルが1または2であればバス権はサブCPU10Bに与えられる。サブCPU10Bの要求レベルが3、つまり地上デジタル放送の録画処理を行っている場合は、地上デジタル放送の電界強度によってバス権の割り当てが異なる。弱電界信号が0であればバス権はサブCPU10Bに与えられる。弱電界信号が1であればバス権はメインCPU10Aに与えられる。これは、地上デジタル放送が弱電界状態にあるため、録画処理がHDDを利用しないことがわかっているためである。
(2)メインCPU10Aの要求レベル1(01)の場合
サブCPU10Bの要求レベルが0ないし1であればバス権はメインCPU10Aに与えられ、サブCPU10Bの要求レベルが2であればバス権はサブCPU10Bに与えられる。サブCPU10Bの要求レベルが3の場合は、弱電界信号が0であればサブCPU10Bに、弱電界信号が1であればメインCPU10Aにバス権が与えられる。
【0026】
(3)メインCPU10Aの要求レベルが2(10)の場合
サブCPU10Bの要求レベルが0〜2であればバス権はメインCPU10Aに与えられる。サブCPU10Bの要求レベルが3の場合は、弱電界信号が0であればサブCPU10Bに、弱電界信号が1であればメインCPU10Aにバス権が与えられる。
(4)メインCPU10Aの要求レベルが3(11)の場合
サブCPU10Bの要求レベルに拘わらずバス権はメインCPU10Aに与えられる。
【0027】
図4は、制御回路10による処理全体を説明するフローチャートである。
ステップS1において初期設定処理を行う。初期設定処理では、メインCPU10AとサブCPU10BのATAPI使用要求レベルを0(00)に設定し、バス権をメインCPU10Aに与える。すなわち、調停制御テーブルは図3の符号3aに示すように書き換えられる。切換回路24は初期設定された調停制御テーブルを参照してバス権調停の切換を行い、メインCPU10AとHDD50とを接続する。また、メインCPU10AおよびサブCPU10BはともにATAPI処理によるデータ転送が可能なレディ状態に設定される。後述するように、メインCPU10AおよびサブCPU10Bがビジー状態に設定されると、ATAPI処理によるデータ転送が禁止される。
【0028】
ここで、ATAPI処理によるデータ転送とは、メインCPU10AおよびサブCPU10Bが調停回路20の調停の制御下で行うデータの転送である。したがって、メインCPU10AおよびサブCPU10Bがビジー状態に設定されても、メインCPU10AおよびサブCPU10BとDRAM41および42との間で行うデータ転送は禁止されない。
【0029】
なお、図示しない処理手順により、メインCPU10AおよびサブCPU10Bは、ユーザのATAPI使用要求により、常時、調停制御テーブルを書き換えることができる。ATAPI使用要求とは、ユーザによる地図スクロール操作などのナビゲーション装置に対する操作に基づく使用要求である。
【0030】
ステップS2では、ATAPI使用要求の入力を待機する。要求があればステップS3に進み、メインCPU10Aの要求レベルがサブCPU10Bの要求レベル以上か否かを判定する。メインCPU10Aの要求レベルがサブCPU10Bの要求レベル以上であればステップS3が肯定され、ステップS3AでサブCPU10Bをビジー状態に設定してステップS4に進む。ステップS4では、バス権が与えられたメインCPU10AがHDD50との間で各種データの授受を開始する。
【0031】
ステップS3が肯定される場合、図示しない手順によって、ATAPI使用要求レベル信号に基づく調停制御テーブルの書き換え処理が行われるが、調停制御テーブルはステップS1における初期設定状態を維持する。
【0032】
ステップS5では、新たなATAPI使用要求の有無を判定し、新たな要求がなければステップS6に進む。ステップS6では、メインCPU10AによるHDD50へのデータ転送が終了したか否かを判定する。ステップS6が否定されるとステップS4に戻り、データ転送を続行する。データ転送が終了してステップS6が肯定されるとステップS6Aに進み、サブCPU10Bをレディ状態とする。次にステップS7に進み、サブCPU10Bの使用要求があるか否かを判定する。サブCPU10Bからの使用要求がなければステップS2に戻って新たなATAPI使用要求を待つ。サブCPU10Bからの使用要求があればステップS7からステップS3Bに進み、メインCPU10Aをビジー状態にしてステップS13へ進み、サブCPU10BによるHDD50へのデータ転送を行う。
【0033】
ステップS5において新たなATAPI使用要求があると判定されると、ステップS8に進み、メインCPU10Aの要求レベルがサブCPU10Bの要求レベル以上か否かを判定する。ステップS8が肯定されるとステップS6に進む。ステップS5の判定に際して、新たなATAPI使用要求がサブCPU10Bの要求であり、かつ、サブCPU10Bの要求レベルがメインCPU10Aの要求レベルを超えている場合、ステップS8が否定されてステップS9へ進む。ステップS9ではメインCPU10Aのデータ転送を中断する処理を行い、ステップS10Aを通ってステップS10へ進む。ステップS8が否定される場合、図示しない手順によって、ATAPI使用要求レベル信号に基づく調停制御テーブルの書き換え処理が行われ、バス権がサブCPU10Bに切り換えられている。しかし、サブCPU10Bはまだビジー状態のままであり、データ転送は開始されない。
【0034】
ステップS10Aでは、メインCPU10Aをビジー状態に、サブCPU10Bをレディ状態に設定する。これにより、ステップS10において、サブCPU10BとHDD50との間でデータ転送が始まる。一方、バス権を引き渡したメインCPU10Aは引き続きATAPI処理を続行し、HDD50への転送データをDRAM41に一時保存する。
【0035】
サブCPU10Bが地上デジタル放送の録画を実行している場合は、ステップS10Bが肯定されステップS10Cへ進む。ステップS10Cでは弱電界信号を調べる。地上デジタル放送が弱電界状態にある場合、ステップS10Cが肯定され、ステップS10Dを通りステップS11Aへ進む。弱電界状態の場合、サブCPU10BはHDD50へデータ転送を行っていない。そこで、ステップS10Dにおいて、サブCPU10BからHDD50へのデータ転送を中断する。
【0036】
サブCPU10Bが地上デジタル放送の録画を実行していない場合および地上デジタル放送が弱電界状態ではなかった場合は、ステップS10BおよびステップS10Cが否定され、ステップS11へ進む。ステップS11では、サブCPU10BによるHDD50へのデータ転送が終了したか判断する。データ転送が終了していなければ、ステップS11が否定され、ステップS10へ戻ってデータ転送を継続する。データ転送が終了していれば、ステップS11は肯定され、ステップS11Aへ進む。
【0037】
ステップS11Aにおいて、メインCPU10Aをレディ状態に、サブCPU10Bをビジー状態に設定する。そして、ステップS12において、調停制御テーブルの書き換え処理を行い、バス権をメインCPU10Aに切り換える。これにより、中断していたメインCPU10Aのデータ転送が再開される。すなわち、DRAM41に一時保存されているデータがHDD50へ転送される。その後、処理はステップS4に進む。
【0038】
ステップS3において、サブCPU10Bの要求レベルがメインCPU10Aの要求レベル以上であると判定されると、ステップS3Bに進み、メインCPU10Aをビジー状態に設定する。ステップS3が否定される場合、図示しない手順によって、ATAPI使用要求レベル信号に基づく調停制御テーブルの書き換え処理が行われていて、バス権がサブCPU10Bに切り換えられている。ステップS13に進むと、サブCPU10Bはデータ転送を開始して、HDD50との間で各種データの授受を開始する。
【0039】
ステップS14では、新たなATAPI使用要求の有無を判定し、新たな要求がなければステップS15に進む。ステップS15では、サブCPU10BからHDD50へのデータ転送が終了したか否かを判定する。ステップS15が否定されるとステップS13に戻り、データ転送を継続する。データ転送が終了してステップS15が肯定されると、ステップS15Aを通ってステップS16に進む。ステップS15Aでは、メインCPU10Aをレディ状態に設定する。ステップS16では、メインCPU10AのATAPI使用要求があるか否かを判定する。メインCPU10AからのATAPI使用要求がなければステップS2に戻り、メインCPU10AからのATAPI使用要求があるとステップS16からステップS3Aへ戻る。
【0040】
ステップS14において新たなATAPI使用要求があると判定されると、ステップS17に進み、メインCPU10Aの要求レベルがサブCPU10Bの要求レベル以上か否かを判定する。ステップS17が否定されるとステップS17Aに進む。ステップS17Aでは、サブCPU10Bが地上デジタル放送の録画処理中かどうかを判定する。ステップS17Aが肯定されるとステップS17Bへ進む。ステップS17Bでは、弱電界か否かを判定する。弱電界状態であればステップS18に進む。ステップS17Aが否定されるかステップS17Bが否定されると、ステップS15に進んでサブCPU10BのHDD50へのデータ転送を継続する。
【0041】
ステップS17が肯定されるとステップS18に進み、サブCPU10Bのデータ転送を中断する。その後、処理はステップS18Aを通ってステップS19へ進む。ステップS18Aでは、メインCPU10Aをレディ状態に、サブCPU10Bをビジー状態に設定する。また、ステップS19において、調停制御テーブルの書き換え処理を行い、バス権をメインCPU10Aに切り換える。これにより、メインCPU10AからHDD50へのデータ転送が始まる。一方、バス権を引き渡したサブCPU10Bは引き続きATAPI処理を続行し、HDD50への転送データをDRAM42に一時保存する。
【0042】
ステップS19Aでは、メインCPU10Aの要求レベルがサブCPU10Bの要求レベル以上か否かを判定する。ステップS19Aが肯定されるとステップS20に進む。ステップS20では、メインCPU10AからHDD50へのデータ転送が終了したか否かを判定する。ステップS20が否定されるとステップS19へ戻り、データ転送を継続する。ステップS20が肯定されるとステップS20Aへ進む。
【0043】
ステップS19Aが否定されると、ステップS19Bへ進む。ステップS19Bでは、サブCPU10Bの要求レベルが3であるか、すなわちサブCPU10Bが地上デジタル放送の録画処理中か否かを判断する。ステップS19Bが肯定されると、ステップS19Cへ進む。ステップS19Cでは、地上デジタル放送が弱電界状態にあるか否かを判断する。ステップS19Cが肯定されると、ステップS20へ進む。ステップS19BあるいはステップS19Cが否定されると、ステップS19Dを通りステップS20Aへ進む。ステップS19Dでは、メインCPU10AからHDD50へのデータ転送を中断する。
【0044】
ステップS20Aでは、メインCPU10Aをレディ状態に、サブCPU10Bをビジー状態に設定する。ステップS21において、調停制御テーブルの書き換え処理を行い、バス権をサブCPU10Bに切り換える。これにより、中断していたサブCPU10Bのデータ転送が再開される。すなわち、DRAM42に一時保存されているデータがHDD50へ転送される。その後、処理はステップS13に進む。
【0045】
以上の実施の形態によるナビゲーション装置の動作について、地上デジタル放送録画中に地図スクロール要求が発生した場合を一例として説明する。
サブCPU10Bの制御の下で地上デジタル放送を録画中は、その録画データはHDD50へ転送される(ステップS13)。ユーザの操作によりメインCPU10Aが地図データ読み出し処理を受け付けると、メインCPU10AのATAPI使用要求レベルがサブCPU10BのATAPI使用要求レベルと等しいレベル3になり、調停回路20はバス権をメインCPU10Aに移行し、サブCPU10Bのデータ転送は中断される(ステップS18)。このとき、バス権を渡した後もサブCPU10Bは引き続き録画処理を続行し、録画映像データをDRAM42に一時保存する。サブCPU10Bは、バス権を取得した後に、DRAM42の録画データをHDD50に転送する(ステップS21)。
【0046】
次に、メインCPU10Aで地図データのスクロール処理、サブCPU10Bで地上デジタル放送の録画処理を実施中に、地上デジタル放送が弱電界状態となった例を説明する。
サブCPU10Bの制御の下で地上デジタル放送を録画中は、その録画データはHDD50へ転送される(ステップS13)。地上デジタル放送が弱電界状態となった場合、サブCPU10Bの録画データ転送処理が中断され、バス権はメインCPU10Aに移行する(ステップS17B,S18,S18A)。弱電界状態から復帰すると、バス権をサブCPU10Bに戻し、地上デジタル放送の録画処理を再開する(ステップS19C,S19D,S20A,S21)。
【0047】
このようなATAPI調停処理により、地上デジタル放送録画中のナビゲーション機能への影響を抑えることができる。
【0048】
以上説明した第1の実施の形態によるナビゲーション装置によれば次のような作用効果を奏することができる。
(1)サブCPU10Bが地上デジタル放送の録画処理を行っているときに地上デジタル放送の受信信号が弱電界となると、サブCPU10BがHDD50との間でデータ転送を行わなくなる。そこで、このような状況下では、サブCPU10BからメインCPU10Aにバス権(アクセス権)を引き渡す。そのためメインCPU10AとHDD50との間でデータの授受を行うことができ、地上デジタル放送の録画中におけるバスの利用率が向上する。
【0049】
(2)メインCPU10AとサブCPU10Bは、それらの処理内容に応じてATAPI使用要求信号GPIO1−1,2およびGPIO2−1,2をそれぞれ設定する。ATAPI使用要求信号GPIO1−1,2およびGPIO2−1,2により切換制御回路25に調停制御テーブルが登録され、切換回路24は登録された調停制御テーブルにしたがってメインCPU10AまたはサブCPU10Bにバス権を与えるように切り替わる。したがって、調停回路20にあっては、メインCPUおよびサブCPUがHDDにアクセスするたびに、従来技術で説明した非特許文献に記載されているようなソフトウェア処理によるATA調停が不要となる。その結果、ATA調停処理に関するシステムが簡素化される。
【0050】
(3)一方のCPUがATAPI処理実行中に他方のCPUにバス権を引き渡す場合、ATAPI処理中にバス権を引き渡したメインCPU10AまたはサブCPU10Bはデータ転送だけを中断し、その後のデータ処理を続行し、DRAM41または42に転送データを一時保存するようにした。したがって、必要なデータのHDD50への転送が途切れるといった不都合はない。
【0051】
第1の実施の形態のナビゲーション装置を次のように変形しても良い。
第1の実施の形態のナビゲーション装置では、バス権をメインCPU10Aに引き渡したサブCPU10Bは引き続きATAPI処理を続行して転送すべきデータをDRAM42に一時記憶する。しかし、DRAM42のデータ記憶容量が最大記憶容量の例えば80パーセントに達すると、DRAM42から切換制御回路25に割り込みをかけ、バス権をサブCPU10Bに引き渡すようにしてもよい。すなわち、切換制御回路25は、現在実行中のメインCPU10AのATAPI処理を割り込みにより速やかに終了し、バス権をサブCPU10Bに移行する。バス権を引き渡したメインCPU10Aは引き続き処理を続行し、HDD50に記憶が必要なデータをDRAM41に一時保存する。サブCPU10BのDRAM42のデータ記憶容量がたとえば30パーセントまで低下した時に、バス権をメインCPU10Aに引き渡し、そのDRAM41に一時保存した転送すべきデータをHDD50へ転送する。
【0052】
なお、DRAM42が割り込みをかけるデータ記憶容量のしきい値は、メインCPU10AのHDD50への最大アクセス時間を考慮して決定すればよい。すなわち、バス権を引き渡した以降のメインCPU10AのHDD50へのアクセス時間に応じてデータ記憶容量のしきい値を決定すればよい。
【0053】
このような変形例によれば、次のような作用効果を奏することができる。
たとえば、バス権をメインCPU10Aに引き渡した後、サブCPU10Bが地上デジタル放送を録画中に、DRAM42の記憶容量が80パーセントに達したとき、サブCPU10Bにバス権を移行し、DRAM42の録画データをHDD50へ転送する。これにより、DRAM42の容量を有効に活用することができ、録画映像が途切れることを防止することができる。
【0054】
第1の実施の形態のナビゲーション装置では、バス権調停の制御はすべて専用の調停回路20で行っていた。調停制御は必ずしもハードウェアで実行する必要はなく、ソフトウェアによる制御を行ってもよい。このような処理を行う例を第2、第3の実施の形態として説明する。
【0055】
<第2の実施の形態>
【0056】
本発明の車載情報端末の第2の実施形態であるナビゲーション装置の構成を図5に示す。第1の実施の形態のナビゲーション装置と相違する点を主に説明する。図5に示すように、HDD50およびDVD60とメインCPU10Aが直接接続されており、サブCPU10BはメインCPU10Aと接続されている。第1の実施の形態における調停回路の役割をメインCPU10Aが担当しており、ATAPI使用要求レベルおよび地上デジタル放送の弱電界信号に基づく調停制御は、メインCPU10Aで動作する制御プログラムが実現する。また、サブCPU10BとHDD50との間でデータを転送する場合は常にメインCPU10Aを経由する。この構成が主たる相違点である。
【0057】
第1の実施の形態のナビゲーション装置では、メインCPU10AとサブCPU10BのATAPI使用要求レベルを比較し、要求レベルが高いCPUにバス権を与える。バス権が与えられたCPUは切換回路24によってHDD50と接続され、HDD50へのデータ転送が行えるようになる。第2の実施の形態のナビゲーション装置では、サブCPU10BがHDD50へデータ転送を行う場合であっても、常にメインCPU10AがHDD50へのデータ転送の主体となる。
【0058】
すなわち、サブCPU10BがHDD50へのデータ転送を行う場合は、HDD50へ転送するデータをまずメインCPU10Aへ転送する。メインCPU10A上の調停制御プログラムは、メインCPU10AとサブCPU10BのATAPI使用要求レベルを比較し、バス権をメインCPU10AとサブCPU10Bのどちらに与えるかを判断する。メインCPU10Aにバス権を与える場合は、メインCPU10AはサブCPU10Bから転送されたデータをDRAM41に保存する。サブCPU10Bにバス権を与える場合は、メインCPU10AはサブCPU10Bから転送されたデータをHDD50へ転送する。バス権をサブCPU10Bに引き渡したのち、メインCPU10AがHDD50へ書き込むデータはDRAM41に一時記憶される。
【0059】
メインCPU10A上で動作する調停制御プログラムは、第1の実施の形態におけるハードウェア調停回路の説明に利用した図4のフローチャートと同様の処理を実行するように記述すればよい。
【0060】
以上説明した第2の実施の形態によるナビゲーション装置によれば、バス権の調停をソフトウェアで実現する場合にも、地上デジタル放送の受信信号強度が低下した場合にバス権を効率よくメインCPU10Aに引き渡すことができる。
【0061】
<第3の実施の形態>
【0062】
本発明の車載情報端末の第3の実施形態であるナビゲーション装置の構成を図6に示す。第2の実施の形態のナビゲーション装置と相違する点を主に説明する。図6に示すように、HDD50およびDVD60と調停制御用CPU10Cが直接接続されており、メインCPU10AおよびサブCPU10Bは調停制御用CPU10Cと接続されている。第2の実施の形態では、メインCPU10Aが各種のナビゲーション処理と調停制御処理とを担当しているが、本実施形態では、調停制御用CPU10Cで動作する調停制御プログラムが、調停制御処理を実行する。この構成が主たる相違点である。
【0063】
第2の実施の形態のナビゲーション装置では、調停制御プログラムはメインCPU10A上で動作していた。第3の実施の形態のナビゲーション装置では、調停制御プログラムを動作させるための専用のCPU10Cを用意している。調停制御用CPU10Cは、メインCPU10AのATAPI使用要求レベルとサブCPU10BのATAPI使用要求レベルとを比較し、いずれのCPUにバス権を与えるかを判断する。バス権を与えられたCPUから転送されるデータについてはHDD50へ転送し、それ以外のCPUから転送されるデータについてはDRAM41へ一時保存する。
【0064】
このような変形例によれば、第1の実施の形態と同様の効果を奏するとともに、次のような作用効果を奏することができる。
メインCPU10Aにナビゲーション処理以外の処理を実行させる必要がない。これにより、第2の実施形態と比較して、メインCPU10Aで動作する制御プログラムが簡素化される。また、メインCPU10Aの演算能力の大部分をナビゲーション処理に割り振ることができる。
【0065】
次のような変形も本発明の範囲内である。
(1)車載情報端末をナビゲーション装置として説明したが、ナビゲーション装置に限定されない。すなわち、それぞれが異なるデータ処理を実行する第1および第2のプロセッサが同一の記憶媒体を共通に使用する車載情報端末であればその用途は問わない。例えば、メインプロセッサがいわゆるドライブレコーダに使用され、サブプロセッサが音楽や映像などのエンターテイメントデータを扱う場合にも、本発明は好適に使用できる。
【0066】
(2)CPUとHDDとの間のデータ転送について説明したが、DVDなどその他の記憶媒体との間におけるデータ転送についても同様である。また、CPUは2つに限定されない。
【0067】
(3)バス権調停が要求されるインターフェースであればATAPIに限定されない。
【0068】
(4)GPIO3を地上デジタル放送の弱電界を表す信号とし、サブCPU10B(第2のプロセッサ)が地上デジタル放送の録画処理をしている場合にGPIO3が1であればバス権をメインCPU10A(第1のプロセッサ)に与えると説明したが、GPIO3の用途および対応する処理内容はこれに限定されない。例えば、GPIO3を振動によるDVDドライブの動作不良状態を示す信号とし、サブCPU10B(第2のプロセッサ)が音楽CDから取得した音楽データのリッピング処理を行っている場合にGPIO3が1であればバス権をメインCPU10A(第1のプロセッサ)に与えるとしてもよい。
【0069】
(5)デジタル放送の信号強度が変動するたびに上述したバス権の切換制御を行うと、バス権が頻繁に切り換わるおそれがある。そこで、信号強度変動に伴うバス権切換制御にヒステリシスを設けるのが好ましい。すなわち、信号強度が切換しきい値以下に低下し、録画処理を担当する第2プロセッサ以外の第1プロセッサにバス権を引き渡した後、信号強度が切換しきい値を越えて良好状態になってもすぐにバス権を第1プロセッサに引き渡さず、良好状態が所定時間継続したときにバス権を第1プロセッサに引き渡すようにするのが好ましい。
【0070】
(6)デジタル放送の信号強度を検出せず、信号強度が低下する走行環境を検出して同様にバス権調停を行ってもよい。たとえば、市街地や高層ビル街のように地上デジタル放送の受信環境が良好ではない地域を車両が走行していることを検出すると、録画処理を担当する第2プロセッサ以外の第1プロセッサにバス権を引き渡してもよい。この場合も、上述したようなヒステリシスを設けるのがよい。
【0071】
本発明の特徴を損なわない限り、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の形態についても、本発明の範囲内に含まれる。
【0072】
なお、以上説明した実施の形態におけるナビゲーション装置の各構成要素と特許請求の範囲の各構成要素との対応関係は以下の通りである。
メインCPU10Aが第1のプロセッサを、サブCPU10Bが第2のプロセッサを、HDD50が記憶媒体を、FPGAによるハードウェアによる調停回路20、図5に示したメインCPU10A、および図6に示したCPU10Cが調停回路を、DRAM41,42が一時記憶回路をそれぞれ構成する。なお、以上の対応関係の説明は一例であり、権利解釈に際して何ら拘束されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】第1の実施の形態におけるナビゲーション装置の構成を示すブロック図
【図2】図1の調停回路の詳細を示すブロック図
【図3】第1の実施の形態における調停制御テーブルを示す図
【図4】第1の実施の形態におけるナビゲーション装置の処理を説明するフローチャート
【図5】第2の実施の形態におけるナビゲーション装置の構成を示すブロック図
【図6】第3の実施の形態におけるナビゲーション装置の構成を示すブロック図
【符号の説明】
【0074】
10 制御回路
10A メインCPU
10B サブCPU
10C 調停制御用CPU
20 調停回路
21 Host I/F
22,23 Device I/F
24 切換回路
25 切換制御回路
41,42 DRAM
50 HDD
60 DVDドライブ
72 地上デジタル放送受信回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データを記憶する記憶媒体と、
前記記憶媒体との間でデータ授受を行って第1の処理を行い、前記第1処理の処理内容に応じた第1要求信号を出力する第1のプロセッサと、
前記記憶媒体との間でデータ授受を行って第2の処理を行い、前記第2処理の処理内容に応じた第2要求信号を出力する第2のプロセッサと、
前記第1および前記第2要求信号、および外部環境に起因した環境信号に基づいて、それらに応じて、第1および第2のプロセッサの前記記憶媒体へのアクセス権を調停する調停回路とを備えることを特徴とする車載情報端末。
【請求項2】
請求項1に記載の車載情報端末において、
前記第2プロセッサが地上デジタル放送を受信して録画処理を実行する場合、
前記環境信号は、前記地上デジタル放送の受信信号の電界強度に応じた電界強度信号であり、
前記第2プロセッサが地上デジタル放送を受信して録画処理を実行中に前記電界強度信号が低下すると、前記調停回路は、前記第2プロセッサから第1プロセッサにアクセス権を切換えることを特徴とする車載情報端末。
【請求項3】
請求項1に記載の車載情報端末において、
前記第2プロセッサが地上デジタル放送を受信して録画処理を実行する場合、
前記環境信号は、前記地上デジタル放送の受信信号の電界強度が低下する地域を走行していることを表す位置信号であり、
前記第2プロセッサが地上デジタル放送を受信して録画処理を実行中に前記位置信号が検出されると、前記調停回路は、前記第2プロセッサから第1プロセッサにアクセス権を切換えることを特徴とする車載情報端末。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の車載情報端末において、
前記調停回路はハードロジック回路であり、
前記第1および第2のプロセッサのいずれか一方を前記記憶媒体へ接続する切換回路と、
前記第1および第2要求信号のレベルと前記環境信号に応じて前記切換回路を切り換える切換制御回路とを備えることを特徴とする車載情報端末。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の車載情報端末において、
前記調停回路により前記記憶媒体との接続が中断されたプロセッサは、引き続きデータ処理を続行するようにし、
前記続行するデータ処理により得られたデータを一時記憶する一時記憶回路をさらに設け、
前記調停回路により前記記憶媒体との接続が再開されたプロセッサは、前記一時記憶回路に保存されていたデータを前記記憶媒体へ転送することを特徴とする車載情報端末。
【請求項6】
請求項5に記載の車載情報端末において、
前記調停回路は、前記一時記憶回路の記憶容量が所定値を越えると、前記記憶媒体との接続が中断されたプロセッサを前記記憶手段に接続し、そのプロセッサによるデータ処理を再開することを特徴とする車載情報端末。
【請求項7】
請求項1及至6のいずれか1項に記載の車載情報端末において、
前記第1の処理は地図データを使用したデータ処理であることを特徴とする車載情報端末。
【請求項8】
請求項1及至7のいずれか1項に記載の車載情報端末において、
前記第1および第2のプロセッサと前記記憶媒体との間のデータ授受は、前記調停手段を経由したATAPI準拠のインターフェースにより行うことを特徴とする車載情報端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−110058(P2009−110058A)
【公開日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−278757(P2007−278757)
【出願日】平成19年10月26日(2007.10.26)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【出願人】(000001487)クラリオン株式会社 (1,722)
【Fターム(参考)】