説明

車載用温度調節装置

【課題】車内の温度が外部温度に比べて高い場合であっても、効率的な運転を行い消費電力を抑えることができる車載用温度調節装置を提供する。
【解決手段】車内に配置され空気の温度を調節する冷凍サイクルと、冷凍サイクルで温度調節された空気を車内へ送風する送風ファンと、冷凍サイクルの動作時に生じる排気を温度調節室27から車両の車体壁2aに穿設された排気口3を通って車両の外部へ放出する排気ダクト54と、排気ダクト54と送風ファンの吸い込み側とを連通する連通路56を開閉する第1ダンパ62とを備え、第1ダンパ62が連通路56を開放した状態で送風ファンを回転させ、車両の外部の空気を、排気口3から吸い込み排気ダクト54を介して車内へ吐出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トラックの睡眠用キャビンなど車両の室内に設置して冷却された空気を吹き出す車載用温度調節装置に関する。
【背景技術】
【0002】
トラックなどの車両内で休憩する場合、夏季においては車両内の室温が高くなることが多いことから、車両自体の空気調和装置を作動させて車内を冷房しながら休憩することがあるが、かかる場合、空気調和装置を動かすためだけにエンジンを回し続けることになるので、エネルギーの浪費に繋がるばかりでなく大気汚染や騒音公害など環境汚染の原因になるという問題がある。
【0003】
そこで、従来、内部に人間が横たわる空間を有する寝具本体とこの寝具本体に接続される空気調和装置とを有し、空気調和装置に設けられた冷凍機などの冷熱源によって発生した冷気を送風装置が寝具本体に供給する装置が提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。
【0004】
しかしながら、このような装置では、装置の起動直後などのように車内の温度が車外の温度に比べて高い場合、車外温度は車内より充分に低い温度であるにも関わらず、空気調和装置が高温に加熱された車内の空気を冷却することとなり、非常に効率が悪く、結果として消費電力が増加する問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−105084号公報
【特許文献2】特開2007−98044号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記問題を考慮してなされたものであり、車内の温度が車外の温度に比べて高い場合であっても、効率的な運転を行い消費電力を抑えることができる車載用温度調節装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明にかかる車載用温度調節装置は、車内に配置され空気の温度を調節する温度調節部と、前記温度調節部で温度調節された空気を前記車内へ送風する送風ファンと、前記温度調節部の動作時に生じる排気を前記温度調節部から車両の車体壁に穿設された排気口を通って前記車両の外部へ放出する排気ダクトと、前記排気ダクトと前記送風ファンの吸い込み側とを連通する連通路を開閉する第1弁体とを備え、前記第1弁体により前記連通路を開放した状態で前記送風ファンを回転させ、前記車両の外部の空気を、前記排気口から吸い込み前記排気ダクトを介して前記車内へ吐出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の車載用温度調節装置では、上記構成により、車内の温度が車外の温度に比べて高い場合であっても、効率的な運転を行い消費電力を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の1実施形態にかかる車載用温度調節装置の構成を示す図である。
【図2】図1の車載用温度調節装置の正面からの断面図である。
【図3】図2のA−A断面図である。
【図4】図2のB−B断面図である。
【図5】図2のC−C断面図ある。
【図6】図1の車載用温度調節装置が備える冷凍サイクルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
【0011】
本実施形態の車載用温度調節装置(以下、温度調節装置という)20は、図1に示すように、例えばトラックの運転席後部のキャビンなど車両2の室内(車内)4に配置され、車内4の温度を調節するものであり、具体例として、車内4および車内4に配置された寝具本体10へ温度調節した空気を導入する。
【0012】
なお、本実施形態では、寝具本体10として敷きマット及び掛けマットが一体となり使用者Aを収容する空間Sを有する寝袋について説明するが、内部の少なくとも一部に空気を循環させることができるものであればよく、例えば、敷きマット及び掛けマットのいずれか一方であっても良く、また、敷きマット及び掛けマットの双方を備えたものであってもよい。
【0013】
寝具本体10内部には、温度調節装置20により冷却された空気が流通する流路11が形成されている。流路11の両端部は、使用者Aの足を収容する部分の先端において寝具本体10の外方に開口し、一方の開口部12が温度調節装置20の吹出口に取り付けた吹出ダクト22と連結され、他方の開口部14が温度調節装置20の吸込口に取り付けた吸込ダクト24と連結されている。
【0014】
温度調節装置20は、図2〜図5に示すように、薄鋼板製の筐体21を有し、その内部に車内4および寝具本体10内部に設けられた流路11に流通させる空気の温度を調節する温度調節部としての冷凍サイクル30と、冷凍サイクル30の冷却器36と熱交換した空気を流路11に送風する送風ファン37と、この冷凍サイクル30を制御する制御装置58とを備え、車両2に搭載される不図示のバッテリより電力の供給を受けて駆動される。
【0015】
筐体21には、温度調節装置20のON・OFFや車内4および寝具本体10の流路11を循環する空気の温度設定や、後述する除湿運転を行うための操作部26が配設されている。
【0016】
筐体21内部は、高さ方向のほぼ中央部を発泡スチロール成型体などからなる断熱仕切壁23で上下の空間に区画されている。断熱仕切壁23の上方の空間には、機械室25が設けられている。機械室25の内部には、冷凍サイクル30の一環をなす圧縮機31、凝縮器33、放熱ファン38等が配設される。
【0017】
また、断熱仕切壁23の下方の空間には、断熱仕切壁23と同様の断熱材により覆われ断熱空間をなす温度調節室27が設けられている。温度調節室27の内部には、吸込ダクト24から取り込まれた空気を冷却する冷却器36や、冷却器36によって冷却された空気を吹出ダクト22を介して車内4および寝具本体10へ送風する送風ファン37等が配設される。
【0018】
冷凍サイクル30は、図6に示すように、圧縮機31、凝縮器33、ドライヤ34、キャピラリーチューブ35及び冷却器36を環状に順次接続してなり、圧縮機31から吐出した冷媒が、凝縮器33に流入して凝縮され、ドライヤ34で水分を除去した後、キャピラリーチューブ35に入る。キャピラリーチューブ35で減圧された冷媒は、冷却器36で気化し冷却器36を冷却して圧縮機31に戻る。圧縮機31に戻った冷媒は、再び凝縮器33、キャピラリーチューブ35及び冷却器36に順次流入することで、冷凍サイクル30内を循環する。
【0019】
図3に示すように、機械室25内には、圧縮機31が温度調節装置20の幅方向の一側に寄せて振動吸収用のクッション体50を介して固着されている。
【0020】
凝縮器33は、蛇行曲げした冷媒管を多数のフィンに嵌入させて奥行き寸法を薄くした直方体状をなしている。凝縮器33は、筐体21の前面に形成した吸込み開口51に沿わせて立設されており、吸込み開口51と凝縮器33との間には埃などを遮蔽するためのフィルタ52を設けている。
【0021】
凝縮器33の背面には圧縮機31の側方底部に開口した排気口53が穿設されており、この排気口53の端縁に放熱ファン38が立設されている。放熱ファン38は、圧縮機31や凝縮器33等の高温部品を冷却するもので、その駆動により、車内4の空気を筐体21前面の吸込み開口51から内部に吸引して凝縮器33と熱交換させた後、排気口53から下方の排気ダクト54に向けて放出する。
【0022】
排気ダクト54は、図4に示すように、機械室25の底面に開口する排気口53から下方に延び、その下端部が車両2の底板や側壁などの車体壁2aに穿設された排気口3に接続された空気流路である。放熱ファン38の駆動時には、圧縮機31や凝縮器33と熱交換した空気を排気口53から排気ダクト54を介して下方に流下させ、排気口3から車両2の外部(車外)へ放出する。
【0023】
排気ダクト54の内部には、流路を開閉する第2ダンパ60が配設されている。この第2ダンパ60は、例えば、軸回りに回動可能に設けられた支軸60aと、この支軸60aに固定された蓋板60bと、支軸60aを回動させる駆動装置60cとを備え、駆動装置60cにより支軸60aを回動させることで、排気ダクト54を蓋板60bによって開閉する。また、排気ダクト54の内部には、車体壁2aに穿設された排気口3の近傍に車外の外気温を検出する外気温センサ40が配設されている。
【0024】
断熱仕切壁23の下方に配された温度調節室27には、図5に示すように、凝縮器33から冷媒が導入される冷却器36を、温度調節室27の奥行き方向中央部より前方に寄せて、幅方向に亙って立設状態で配置している。
【0025】
冷却器36は、凝縮器33と同様、蛇行曲げした冷媒管と冷媒管に嵌着した多数のフィンとから所定の幅と高さ寸法を有して奥行き寸法を薄くした横長の直方体をなしている。冷却器36の側方であって温度調節室27の幅方向一方側(本実施形態では、図5中の左側)には、例えばシロッコファンからなる送風ファン37が温度調節室27の奥行き方向に亙り、配設されている。
【0026】
温度調節室27の幅方向他方側(本実施形態では、図5中の右側)に位置する冷却器36の後方は、内方に向けて凹設され凹部55が設けられている。凹部55および筐体21で仕切られた空間が、機械室25に設けられた排気口53と車体壁2aに設けられた排気口3とを接続する排気ダクト54をなしている。
【0027】
排気ダクト54を断熱壁によって区画する凹部55には、排気ダクト54と温度調節室27における送風ファン37の吸い込み側空間27aとを連通する連通路56が穿設されている。
【0028】
この連通路56は、第1ダンパ62によって開閉可能に設けられている。第1ダンパ62は、例えば、軸回りに回動可能に設けられた支軸62aと、この支軸62aに固定された蓋板62bと、支軸62aを回動させる駆動装置62cとを備える。駆動装置62cは、支軸62aの回動角度を調整することができる。これにより、第1ダンパ62は、連通路56を蓋板62bによって開閉するとともに、連通路56の開度を調節する。
【0029】
温度調節室27の幅方向一方側に配設された送風ファン37の前方、つまり、温度調節室27における送風ファン37の吹き出し側空間27bには、温度調節室27において温度調節された空気を車内4および寝具本体10の流路11に供給する吹出ダクト22が配設されている。
【0030】
吹出ダクト22内には、不図示のダンパが配設され、車内4内へ供給する第1吹出ダクト22aと、寝具本体10の開口部12を介して流路11に供給する第2吹出ダクト22bと、のいずれか一方又は両方に切り替えて温度調節室27から吐出された空気を供給する。吹出ダクト22あるいは温度調節室27の吹き出し側空間27bには、温度センサ39が配設されており、送風ファン37から吹き出した空気の温度を検出する。
【0031】
また、温度調節室27の幅方向他方側に位置する冷却器36の前面には、吸込ダクト24が配設されている。寝具本体10の流路11を循環した空気が寝具本体10の開口部14を介して吸込ダクト24より温度調節室27内に導入される。また、吸込ダクト24には取込口24aが穿設されており、この取込口24aより車内4を循環した空気が温度調節室27内に導入される(図1参照)。
【0032】
この吸込ダクト24は、第3ダンパ64によって開閉可能に設けられている。第3ダンパ64は、第1ダンパ62および第2ダンパ64と同様に、軸回りに回動可能に設けられた支軸64aと、この支軸64aに固定された蓋板64bと、支軸64aを回動させる駆動装置64cとを備え、駆動装置64cにより支軸64aを回動させることで、吸込ダクト24の温度調節室27側の開口部を蓋板64bによって開閉する。
【0033】
制御装置58は、マイクロコンピュータやメモリを含んで構成されたもので、機械室25の上方に配設されている。制御装置58は、操作部26からの操作信号や、温度センサ39および外気温センサ40の検出信号などの各種信号の入力や、メモリに記憶された制御プログラムに基づいて、第1ダンパ62、第2ダンパ60、第3ダンパ64や、冷凍サイクル30が備える圧縮機31、送風ファン37、放熱ファン38を駆動制御する。
【0034】
このような構成の温度調節装置20において、車内4および寝具本体10を冷却する冷却運転を実行するには、まず、排気ダクト54と温度調節室27の吸い込み側空間27aとを連通する連通路56を第1ダンパ62によって閉塞するとともに、第2ダンパ60の蓋板60bを排気ダクト54の開放位置に設定し、第3ダンパ64の蓋板64bを吸込ダクト24の開放位置に設定する。そして、冷凍サイクル30を動作させるとともに、送風ファン37を回転駆動させる。
【0035】
これにより、温度調節室27に設けられた冷却器36で冷却された空気が、吹出ダクト22を介して、車内4内および寝具本体10の流路11に送り込まれ、車内4および寝具本体10を冷却する。
【0036】
車内4および寝具本体10の流路11を流通した空気は、吸込ダクト24を介して温度調節室27に戻り、温度調節室27内において冷却器36によって冷却され、その後、再び車内4および寝具本体10の流路11に送り込まれ循環することで、車内4および寝具本体10を冷却する。
【0037】
また、温度調節装置20は、上記した車内4および寝具本体10の流路11内に冷却した空気を供給する冷房運転以外にも、車外の空気を車内4および寝具本体10に取り込む換気運転や、車内4および寝具本体10の流路11を循環する空気を除湿する除湿運転を実行することができる。
【0038】
換気運転は、例えば、外気温センサ40によって検出された車外の外気温が、温度センサ39によって検出された送風ファン37から吹き出す空気の温度より低い場合に実行される。具体的には、換気運転では、冷凍サイクル30の停止時において、排気ダクト54と温度調節室27の吸い込み側空間27aとを連通する連通路56を第1ダンパ62によって開放するとともに、第2ダンパ60によって排気ダクト54を閉塞し、かつ、第3ダンパ64によって吸込ダクト24を閉塞した状態で、送風ファン37を回転駆動させる。
【0039】
これにより、車外の空気が、車体壁2aに穿設された排気口3から排気ダクト54に吸い込まれ、連通路56を介して温度調節室27の吸い込み側空間27aに導入される。そして、吸い込み側空間27aに導入された車外の空気は、送風ファン37の動作に伴って吹出ダクト22より車内4および寝具本体10の流路11へ吐出される。
【0040】
また、温度調節装置20において除湿運転は、例えば、操作部26において除湿運転が選択されると実行される。
【0041】
除湿運転では、まず、運転開始直後において、上記した冷房運転と同じ運転、すなわち、第1ダンパ62によって連通路56を閉塞するとともに、第2ダンパ60および第3ダンパ64によって排気ダクト54および吸込ダクト24を開放した状態で、冷凍サイクル30を動作させ、送風ファン37を回転駆動させる。
【0042】
そして、温度センサ39によって検出された送風ファン37から吹き出す空気の温度と所定温度(設定温度)との偏差に応じて、第1ダンパ62の駆動装置62cが支軸62aの回動角度を調節して、連通路56の開度を調節する。
【0043】
具体的には、温度センサ39の検出温度が設定温度より低いと、第1ダンパ62の駆動装置62cを駆動させて所定の開度まで連通路56を開放する。
【0044】
これにより、図5において、矢符Xで示すように、凝縮器33と熱交換して加熱された空気の一部が、排気ダクト54から連通路56を介して温度調節室27の吸い込み側空間27aに導入される。温度調節室27の吸い込み側空間27aでは、吸込ダクト24から取り込まれ冷却器36と熱交換して冷却された空気と、排気ダクト54から導入された凝縮器33により加熱された空気とが混合される。混合された空気は、送風ファン37から吹き出して車内4および寝具本体10の流路11内に供給される。
【0045】
一方、温度センサ39の検出温度が設定温度より高いと、第1ダンパ62の駆動装置62cを駆動させて、連通路56の開度を小さくする、あるいは、連通路56を閉塞する。
【0046】
これにより、排気ダクト54から温度調節室27の吸い込み側空間27aへ導入される凝縮器33により加熱された空気量を減らし、あるいは無くし、送風ファン37から吹き出して車内4および寝具本体10の流路11内に供給される空気の温度を低下させる。
【0047】
以上のように、本実施形態の温度調節装置20では、排気ダクト54と温度調節室27の吸い込み側空間27aとを連通する連通路56を開閉する第1ダンパ62とを備え、第1ダンパ62によって連通路56を開放した状態で送風ファン37を回転させることで、車外の空気を車内4へ導入することができる。そのため、温度調節装置20の起動直後などのように車内4の温度が車外の外気温に比べて高い場合に、冷凍サイクル30を運転することなく消費電力を抑えて、太陽光の輻射熱により極めて高温となった車内4を外気温と同程度まですばやく冷却することができる。
【0048】
しかも、本実施形態の温度調節装置20において、換気運転は、外気温センサ40によって検出された車外の外気温が、温度センサ39によって検出された送風ファン37から吹き出す空気の温度より低い場合に実行されるため、的確なタイミングで換気運転を実行することができ、消費電力を抑え効率的に運転することができる。
【0049】
また、本実施形態の温度調節装置20では、排気ダクト54と温度調節室27の吸い込み側空間27aとを連通する連通路56が、冷凍サイクル30の動作時に開放可能に設けられており、吸込ダクト24から取り込まれ冷却器36と熱交換して冷却され除湿された空気と、排気ダクト54から導入された凝縮器33により加熱された空気とを混合することができる。そのため、車内4および寝具本体10の温度を低下させることなく、車内4および寝具本体10を除湿することができる。
【0050】
しかも、排気ダクト54と温度調節室27の吸い込み側空間27aとを連通する連通路56を開閉する第1ダンパ62は、開度調節可能に設けられているため、温度調節室27の吸い込み側空間27aに供給する凝縮器33により加熱された空気の量を調整することができ、送風ファン37から吹き出す空気の温度調節が容易となる。
【符号の説明】
【0051】
2…車両 2a…車体壁 3…排気口
4…車内 10…寝具本体 11…流路
20…温度調節装置 21…筐体 22…吹出ダクト
24…吸込ダクト 25…機械室 27…温度調節室
30…冷凍サイクル 31…圧縮機 33…凝縮器
36…冷却器 37…送風ファン 38…放熱ファン
39…温度センサ 40…外気温センサ 53…排気口
54…排気ダクト 55…凹部 56…連通路
58…制御装置 60…第2ダンパ 62…第1ダンパ
64…第3ダンパ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車内に配置され空気の温度を調節する温度調節部と、
前記温度調節部で温度調節された空気を前記車内へ送風する送風ファンと、
前記温度調節部の動作時に生じる排気を前記温度調節部から車両の車体壁に穿設された排気口を通って前記車両の外部へ放出する排気ダクトと、
前記排気ダクトと前記送風ファンの吸い込み側とを連通する連通路を開閉する第1弁体とを備え、
前記第1弁体により前記連通路を開放した状態で前記送風ファンを回転させ、前記車両の外部の空気を、前記排気口から吸い込み前記排気ダクトを介して前記車内へ吐出することを特徴とする車載用温度調節装置。
【請求項2】
前記車両の外部の温度を検出する温度センサを備え、
前記温度センサの検出温度が所定温度以下であると、前記温度調節部を停止させ、前記車両の外部の空気を、前記排気口から吸い込み前記排気ダクトを介して前記車内へ吐出することを特徴とする請求項1に記載の車載用温度調節装置。
【請求項3】
前記温度調節部は、
圧縮機、凝縮器および蒸発器を接続した冷凍サイクルと、
前記圧縮機および前記凝縮器が配設され前記排気ダクトによって前記排気口と接続された機械室と、
前記蒸発器および前記送風ファンが配設され、前記車内の空気を吸い込む吸込ダクトと、前記車内へ空気を吹き出す吹出ダクトとが設けられた温度調節室と、
前記排気ダクトを開閉する第2弁体と、
前記吸込ダクトを開閉する第3弁体と
を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の車載用温度調節装置。
【請求項4】
前記温度調節部は、
圧縮機、凝縮器および蒸発器を接続した冷凍サイクルと、
前記圧縮機および前記凝縮器が配設され前記排気ダクトによって前記排気口と接続された機械室と、
前記蒸発器および前記送風ファンが配設され、前記車内の空気を吸い込む吸込ダクトと、前記車内へ空気を吹き出す吹出ダクトとが設けられた温度調節室と、
を備え、
前記冷凍サイクルの動作時に前記第1弁体により前記連通路を開放することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の車載用温度調節装置。
【請求項5】
前記第1弁体は、開度が調整可能であることを特徴とする請求項4に記載の車載用温度調節装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−183831(P2011−183831A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−47920(P2010−47920)
【出願日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(502285664)東芝コンシューマエレクトロニクス・ホールディングス株式会社 (2,480)
【出願人】(503376518)東芝ホームアプライアンス株式会社 (2,436)
【Fターム(参考)】