説明

車輪位置検出装置およびそれを備えたタイヤ空気圧検出装置

【課題】トリガ機を必要とせず、かつ、位相差の算出のような演算量が多くなる手法によらずに、送信機が右車輪と左車輪のいずれに取り付けられているのかが特定する。
【解決手段】法線方向加速度の時間微分値と接線方向加速度との積の符号が正になるか負になるかによって、送信機が取り付けられたのが右車輪と左車輪のいずれであるかを特定する。このため、トリガ機も必要ないし、短いサンプリング周期で加速度のサンプリングを数多く行う必要もない。したがって、トリガ機を必要とせず、かつ、2軸のGセンサの検出信号の位相差の算出のような演算量が多くなる手法によらずに、送信機2が右車輪と左車輪のいずれに取り付けられているのかを特定できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象車輪が車両のどの位置に搭載されている車輪か、具体的には少なくとも右車輪と左車輪のいずれであるかを自動的に検出する車輪位置検出装置に関するもので、特に、タイヤが取り付けられた車輪に圧力センサが備えられた送信機を直接取り付け、その圧力センサの検出結果を送信機から送信し、車体側に取り付けられた受信機によって受信することで、タイヤ空気圧の検出を行うダイレクト式のタイヤ空気圧検出装置に適用して好適である。
【背景技術】
【0002】
従来より、タイヤ空気圧検出装置の1つとして、ダイレクト式のものがある。このタイプのタイヤ空気圧検出装置では、タイヤが取り付けられた車輪側に、圧力センサ等のセンシング部が備えられた送信機が直接取り付けられている。また、車体側には、アンテナおよび受信機が備えられており、センサから検出結果が送信機から送信されると、アンテナを介して受信機にその検出結果が受信され、タイヤ空気圧の検出が行われる。
【0003】
このようなダイレクト式のタイヤ空気圧検出装置では、送信されてきたデータが自車両のものであるかどうか及び送信機がどの車輪に取り付けられたものかを判別できるように、送信機が送信するデータ中に、自車両か他車両かを判別するため及び送信機が取り付けられた車輪を判別するためのID情報を個々に付与している。そして、受信機側では、各ID情報と各車輪とを対応付けて登録しておき、送信機から送信されたID情報が付されたフレームを受信すると、登録されたID情報に基づいて、そのフレームがどの車輪に取り付けられた送信機から送られてきたかを判別している。
【0004】
具体的には、従来では、車輪位置の検出、つまり各送信機がどの車輪に取り付けられているのかを特定するために、送信機に受信機能を持たせ、受信機と双方向通信を行うようにしている。例えば、特許文献1では、各送信機から異なる距離となるようにトリガ機を配置し、トリガ機からトリガ信号を出力すると共に各送信機でトリガ信号の受信強度を測定させ、電波の強度が距離に応じて減衰することを利用して、各送信機での受信強度のデータから各送信機が取り付けられた車輪を特定する車輪位置検出装置が提案されている。
【0005】
また、特許文献2では、送信機に車輪の回転方向と径方向の加速度を検出できる2軸の加速度センサ(以下、Gセンサという)を備え、車輪の回転方向で各軸のGセンサの検出信号の位相差が変わることから、その位相差を比較することにより送信機が左右いずれの車輪に取り付けられたものであるかを判別する車輪位置検出装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−015491号公報
【特許文献2】特開2006−298182号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記した特許文献1の車輪位置検出装置では、トリガ機を用いて車輪位置の検出を行っていることから、トリガ機という追加の装置が必要になり、引いては車輪位置検出装置のコスト増に繋がるという問題がある。また、特許文献2の車輪位置検出装置では、2軸のGセンサの検出信号の位相差を演算して送信機が左右いずれの車輪に取り付けられているかを特定しているが、位相差の算出のための演算量が多大であるという問題がある。すなわち、短いサンプリング周期で加速度のサンプリングを数多く行い、後で位相判定に用いる点(つまり極大値やゼロや極小値)を探索しなければならず、比較的大きな記憶容量が必要になる。
【0008】
したがって、トリガ機を必要とせず、かつ、位相差の算出のような演算量が多くなる手法によらずに、送信機が左右いずれの車輪に取り付けられているのかが特定できるようにすることが望まれる。
【0009】
なお、特許文献1の車輪位置検出装置の場合、トリガ機を用いて送信機が左右のいずれの車輪に取り付けられているかだけでなく、前後のいずれの車輪に取り付けられているのかも判別しているが、左右のいずれの車輪に取り付けられているのかを判別することだけであっても、トリガ機が必要になる。
【0010】
本発明は上記点に鑑みて、トリガ機を必要とせず、かつ、位相差の算出のような演算量が多くなる手法によらずに、送信機が右車輪と左車輪のいずれに取り付けられているのかが特定できる車輪位置検出装置およびそれを用いたタイヤ空気圧検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、送信機(2a〜2d)は、4つの車輪(5a〜5d)それぞれの周方向に対する法線方向の加速度である法線方向加速度と接線方向の加速度である接線方向加速度に応じた検出信号を出力する2軸のGセンサ(22)にて法線方向加速度および接線方向加速度を検出し、法線方向加速度の時間微分値と接線方向加速度との積の符号に基づいて、当該送信機(2a〜2d)が取り付けられたのが右車輪(5a、5c)と左車輪(5b、5d)のいずれであるかを検出し、車輪位置検出の結果を示すデータとして、少なくとも当該送信機(2a〜2d)が取り付けられたのが右車輪(5a、5c)と左車輪(5b、5d)のいずれであるかを特定するデータをフレームに格納して受信機(3)に送信することを特徴としている。
【0012】
このように、法線方向加速度の時間微分値と接線方向加速度との積の符号が正になるか負になるかによって、送信機(2a〜2d)が取り付けられたのが右車輪(5a、5c)と左車輪(5b、5d)のいずれであるかを特定することができる。このため、トリガ機も必要ないし、短いサンプリング周期で加速度のサンプリングを数多く行う必要もない。したがって、トリガ機を必要とせず、かつ、2軸のGセンサ(22)の検出信号の位相差の算出のような演算量が多くなる手法によらずに、送信機(2a〜2d)が右車輪(5a、5c)と左車輪(5b、5d)のいずれに取り付けられているのかを特定できる。
【0013】
請求項2に記載の発明では、送信機(2a〜2d)は、接線方向加速度から車輪(5a〜5d)に備えられたタイヤの実効タイヤ半径と車輪(5a〜5d)が加速中であるか減速中であるかの加速状態とに基づいて、当該送信機(2a〜2d)が取り付けられたのが両前輪(5a、5b)と両後輪(5c、5d)のいずれであるかを検出し、当該送信機(2a〜2d)が取り付けられたのが右車輪(5a、5c)と左車輪(5b、5d)のいずれであるかの検出結果と、当該送信機(2a〜2d)が取り付けられたのが両前輪(5a、5b)と両後輪(5c、5d)のいずれであるかの検出結果に基づいて、当該送信機(2a〜2d)が4つの車輪(5a〜5d)のいずれに取り付けられたものであるかを特定し、車輪位置検出の結果を示すデータとしてフレームに格納することを特徴としている。
【0014】
このように、実効タイヤ半径と車輪(5a〜5d)が加速中であるか減速中であるかの加速状態とに基づいて、当該送信機(2a〜2d)が取り付けられたのが両前輪(5a、5b)と両後輪(5c、5d)のいずれであるかを検出することができる。そして、送信機(2a〜2d)が取り付けられたのが両前輪(5a、5b)と両後輪(5c、5d)のいずれであるかを検出できれば、送信機(2a〜2d)が取り付けられたのが右車輪(5a、5c)と左車輪(5b、5d)のいずれであるかの検出結果を用いて、送信機(2a〜2d)が4つの車輪(5a〜5d)のいずれに取り付けられたものであるかを特定できる。
【0015】
請求項3に記載の発明では、2軸のGセンサ(22)のうち法線方向加速度を検出するGセンサ(22a)のダイナミックレンジと比較して接線方向加速度を検出するGセンサ(22b)のダイナミックレンジを小さくし、法線方向加速度を検出するGセンサ(22a)よりも接線方向加速度を検出するGセンサ(22b)の方が高精度とされていることを特徴としている。
【0016】
請求項2に記載したような手法によって送信機(2a〜2d)が両前輪(5a、5b)と両後輪(5c、5d)のいずれに取り付けられたものであるかを検出する場合、2軸のGセンサ(22)のうち接線方向加速度の検出を行う側のGセンサ(22b)について、高精度が要求されるが、車両の加速状態が正確に把握できればよいため、ダイナミックレンジは狭くても問題ない。すなわち、接線方向加速度の検出を行う側のGセンサ(22b)のダイナミックレンジを法線方向加速度の検出を行う側のGセンサ(22a)のダイナミックレンジと比較して小さくし、Gセンサ(22a)よりもGセンサ(22b)の方が高精度となるようにすればよい。
【0017】
上記請求項1ないし3では、車輪位置検出装置として本発明を示したが、請求項4に示されるように、車輪位置検出装置に備えられる送信機として本発明を把握することもできる。
【0018】
さらに、請求項5に示されるように、車輪位置検出装置をタイヤ空気圧検出装置に組み込むことも可能である。すなわち、送信機(2a〜2d)に、4つの車輪(5a〜5d)それぞれに備えられたタイヤの空気圧に応じた検出信号を出力するセンシング部(21)を備え、第1制御部(23)によってセンシング部(21)の検出信号を信号処理したタイヤ空気圧に関する情報をフレームに格納して受信機(3)に送信されるようにし、受信機(3)では、第2制御部(33)にて、該タイヤ空気圧に関する情報より、4つの車輪(5a〜5d)それぞれに備えられたタイヤの空気圧を検出するようにすることができる。
【0019】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の第1実施形態にかかる第1実施形態における車輪位置検出装置が適用されるタイヤ空気圧検出装置の全体構成を示す図である。
【図2】送信機2a〜2dおよび受信機3のブロック構成を示した図である。
【図3】送信機2に備えられた加速度検出部22の各車輪5a〜5dへの搭載形態の一例と、その搭載形態とした場合に各Gセンサ22a、22bで検出される加速度の出力波形の関係を示した図である。
【図4】法線方向加速度と接線方向加速度の波形とサンプリング点での加速度の関係を示した図である。
【図5】法線方向加速度の時間微分値と接線方向加速度との積を演算したときの波形を示した図である。
【図6】(a)は、タイヤ1周中の各タイミングでの送信機2の位置と印加される加速度の関係を示した図表であり、(b)は、送信機2の位置の考え方を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
【0022】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態について図を参照して説明する。図1は、本発明の第1実施形態における車輪位置検出装置が適用されるタイヤ空気圧検出装置の全体構成を示す図である。図1の紙面上下方向が車両1の前後方向、紙面左右方向が車両1の左右方向に一致する。この図を参照して、本実施形態におけるタイヤ空気圧検出装置について説明する。
【0023】
図1に示すように、タイヤ空気圧検出装置は、車両1に取り付けられるもので、送信機2(2a〜2d)、受信機3および表示器4を備えて構成されている。
【0024】
図1に示すように、送信機2a〜2dは、車両1における各車輪5a〜5dに取り付けられるもので、車輪5a〜5dに取り付けられたタイヤの空気圧を検出すると共に、その検出結果を示すタイヤ空気圧に関する情報をフレーム内に格納してRF送信するものである。また、受信機3は、車両1における車体6側に取り付けられるもので、送信機2a〜2dから送信されたフレームをRF受信すると共に、その中に格納された検出信号に基づいて各種処理や演算等を行うことで車輪位置検出およびタイヤ空気圧検出を行うものである。図2は、送信機2a〜2dおよび受信機3のブロック構成を示した図である。
【0025】
図2(a)に示すように、送信機2(2a〜2d)は、センシング部21、2軸の加速度検出部22、マイクロコンピュータ23、送信部24、電池25および送信アンテナ26を備えた構成となっており、電池25からの電力供給に基づいて各部が駆動される。
【0026】
センシング部21は、例えばダイアフラム式の圧力センサ21aや温度センサ21bを備えた構成とされ、タイヤ空気圧に応じた検出信号や温度に応じた検出信号を出力する。加速度検出部22は、2軸の加速度を検出するものである。加速度検出部22には、2つの方向の加速度を検出するGセンサ22a、22b(図3参照)からなる2軸Gセンサが設けられている。これらのGセンサ22a、22bに機能については後述する。
【0027】
マイクロコンピュータ23は、制御部(第1制御部)などを備えた周知のもので、制御部内のメモリに記憶されたプログラムに従って、所定の処理を実行する。制御部内のメモリには、各送信機2a〜2dを特定するための送信機固有の識別情報と自車両を特定するための車両固有の識別情報とを含む個別のID情報が格納されている。
【0028】
マイクロコンピュータ23は、センシング部21からのタイヤ空気圧に関する検出信号を受け取り、それを信号処理すると共に必要に応じて加工し、そのタイヤ空気圧に関する情報を各送信機2a〜2dのID情報と共にフレーム内に格納する。また、マイクロコンピュータ23は、一定期間中におけるGセンサ22a、22bの検出信号をモニタしており、その検出信号に基づいて、送信機2が車輪5a〜5dのいずれに取り付けられているかを特定する。具体的には、マイクロコンピュータ23は、送信機2が、車輪回転方向が互いに逆である右側車輪5a、5cと左側車輪5b、5dのいずれに取り付けられているかの検出や、両前輪5a、5bと両後輪5c、5dのいずれに取り付けられているかの検出を行っており、これらの検出結果より、送信機2が車輪5a〜5dのいずれに取り付けられているかを特定している。そして、マイクロコンピュータ23では、各送信機2が車輪5a〜5dのいずれに取り付けられているかを特定した車輪位置検出の結果を示すデータをタイヤ空気圧に関するデータが格納されたフレームに格納している。なお、このマイクロコンピュータ23で行われる車輪位置の特定の詳細については後で説明する。
【0029】
また、マイクロコンピュータ23は、フレームを作成すると、送信部24を介して送信アンテナ26より受信機3に向けてフレームを送信している。このフレームを受信機3に向けて送信する処理も、上記プログラムに従って行われる。例えば、所定の送信周期毎に繰り返しフレーム送信を行うようにしている。
【0030】
送信部24は、送信アンテナ26を通じて、マイクロコンピュータ23から送られてきたフレームを受信機3に向けて送信する出力部としての機能を果たす。送信に使用する電波としては、例えばRF帯の電波を用いている。
【0031】
電池25は、制御部22などに対して電力供給を行うものであり、この電池25からの電力供給を受けて、センシング部21でのタイヤ空気圧に関するデータの収集や2軸のGセンサ22での加速度検出およびマイクロコンピュータ23での各種演算などが実行される。
【0032】
このように構成される送信機2a〜2dは、例えば、各車輪5a〜5dのホイールにおけるエア注入バルブに取り付けられ、センシング部21がタイヤの内側に露出するように配置される。これにより、該当するタイヤ空気圧を検出し、各送信機2a〜2dに備えられた送信アンテナ26を通じて、所定の送信タイミングの際にフレームを送信することで、受信機3側にタイヤ空気圧に関する信号を定期送信するようになっている。
【0033】
次に、各送信機2に備えられた加速度検出部22について図3を用いて説明する。図3は、送信機2に備えられた加速度検出部22の各車輪5a〜5dへの搭載形態の一例と、その搭載形態とした場合に各Gセンサ22a、22bで検出される加速度の出力波形の関係を示した図である。
【0034】
この図に示すように、加速度検出部22は、異なる方向の加速度を検出するGセンサ22a、22bを備えた2軸Gセンサにて構成されている。一方のGセンサ22aは、車輪5a〜5dの回転時に車輪5a〜5dに働く加速度のうち、各車輪5a〜5dの周方向に垂直な両方向の加速度(以下、法線方向加速度という)を検出でき、他方のGセンサ22bは、各車輪5a〜5dの接線方向に平行な両方向の加速度(以下、接線方向加速度という)を検出できるように配置されている。
【0035】
したがって、Gセンサ22aは、各車輪5a〜5dの法線方向加速度を検出し、遠心力に重力加速度が加えられた出力を発生させる。送信機2が車輪5a〜5dの上部位置に位置しているときには、Gセンサ22aに正の重力加速度が印加され、車輪5a〜5dが180°回転して車輪5a〜5dの下部位置に送信機2が位置しているときには、負の重力加速度が印加される。そして、車両が加速中には遠心力が徐々に大きくなっていくことから、遠心力によって徐々に加速度が増加していく波形に対して重力加速度による振幅波形が加わった波形となる。なお、この遠心力の大きさは車速に対応した値になることから、図3中に参考として車速についても示してある。
【0036】
一方、Gセンサ22bは、各車輪5a〜5dの接線方向加速度を検出し、重力加速度に応じた出力を発生させる。Gセンサ22bは、Gセンサ22aに対して検出できる加速度の角度が90°ずらされていることから、検出される重力加速度に応じた出力波形の位相も、Gセンサ22aの出力波形の位相から90°ずれたものとなる。すなわち、図3において送信機2が車輪5a〜5dの中心に対して反時計回りに90°ずれた位置にあるときには、重力加速度を負の値として示す出力となる。そして、図3において車輪5a〜5dが180°回転して、送信機2が車輪5a〜5dの中心に対して時計回りに90°ずれた位置にあるときには、重力加速度を正の値として示す出力となる。
【0037】
したがって、図3に示すように、車輪5a〜5dの回転方向が図3に示す反時計回りの場合と時計回りの場合とでは、Gセンサ22bの出力波形の位相が180°ずれた状態となる。このように、車輪5a〜5dの回転方向が逆になると、Gセンサ22a、22bの出力波形の位相のずれ方も逆になる。従来では、この位相差に基づいて、送信機2が取り付けられたのが右車輪5a、5cと左車輪5b、5dのいずれであるかを検出しているが、位相差の算出のための演算量が多大になる。
【0038】
このため、本実施形態では、次のような手法によって、送信機2が取り付けられたのが右車輪5a、5cと左車輪5b、5dのいずれであるかを検出している。この手法について、図4を参照して説明する。
【0039】
図4は、法線方向加速度と接線方向加速度の波形とサンプリング点での加速度の関係を示した図である。図4(a)が送信機2が右車輪5a、5cに取り付けられた場合の波形を示しており、図4(b)が送信機2が左車輪5b、5dに取り付けられた場合の波形を示している。
【0040】
本実施形態では、法線方向加速度の時間微分値と接線方向加速度との積の符号に基づいて、送信機2が取り付けられたのが右車輪5a、5cと左車輪5b、5dのいずれであるかを検出する。法線方向加速度の時間微分値は、法線方向加速度の微小時間での変化量に相当することから、所定の時間間隔で2点の法線方向加速度をサンプリングし、その差を求めることで法線方向加速度の時間微分値を演算している。また、2点の法線方向加速度のサンプリングの間に、接線方向加速度についてもサンプリングする。そして、法線方向加速度の時間微分値と接線方向加速度の積を演算する。
【0041】
例えば、図4(a)、(b)中であれば、2点の法線方向加速度がar1、ar3、接線方向加速度がan2の場合と、2点の法線方向加速度がar4、ar6、接線方向加速度がan5の場合を例に挙げた。これらのいずれについても、送信機2が右車輪5a、5cに取り付けられた場合には、法線方向加速度の時間微分値と接線方向加速度との積の符号が正になり、送信機2が左車輪5b、5dに取り付けられた場合には、法線方向加速度の時間微分値と接線方向加速度との積の符号が負になるという関係が成り立つ。
【0042】
すなわち、送信機2が右車輪5a、5cに取り付けられた場合には、図4(a)に示すように、法線方向加速度が増加中の際には、2点の法線方向加速度ar1、ar3の差(ar3−ar1)は正となり、接線方向加速度an2も正となるため、法線方向加速度の時間微分値と接線方向加速度との積の符号が正になる。また、法線方向加速度が減少中の際には、2点の法線方向加速度ar4、ar6の差(ar6−ar4)は負となり、接線方向加速度an5も負となるため、法線方向加速度の時間微分値と接線方向加速度との積の符号が正になる。
【0043】
これに対して、送信機2が左車輪5b、5dに取り付けられた場合には、図4(b)に示すように、法線方向加速度が減少中の際には、2点の法線方向加速度ar1、ar3の差(ar3−ar1)は負となり、接線方向加速度an2は正となるため、法線方向加速度の時間微分値と接線方向加速度との積の符号が負になる。また、法線方向加速度が増加中の際には、2点の法線方向加速度ar4、ar6の差(ar6−ar4)は正となり、接線方向加速度an5は負となるため、法線方向加速度の時間微分値と接線方向加速度との積の符号が負になる。
【0044】
図5は、送信機2が右車輪5a、5cに取り付けられた場合と左車輪5b、5dに取り付けられた場合それぞれにおいて、法線方向加速度の時間微分値と接線方向加速度との積を演算したときの波形を示した図である。この図に示されるように、送信機2が取り付けられたのが右車輪5a、5cの場合には、法線方向加速度の時間微分値と接線方向加速度との積が瞬間的に0になる時があるものの、基本的にはすべて正の値になる。また、送信機2が取り付けられたのが左車輪5b、5dの場合には、法線方向加速度の時間微分値と接線方向加速度との積が瞬間的に0になる時があるものの、基本的にはすべて負の値になる。
【0045】
このように、法線方向加速度の時間微分値と接線方向加速度との積の符号が正になるか負になるかによって、送信機2が取り付けられたのが右車輪5a、5cと左車輪5b、5dのいずれであるかを特定することができる。
【0046】
また、送信機2では、マイクロコンピュータ23にて送信機2が取り付けられたのが両前輪5a、5bと両後輪5c、5dのいずれであるかの検出も行っている。この検出については、次のような手法を用いているが、他にも公知となっているどのような手法を用いても構わない。
【0047】
本実施形態では、車両加速時と車速が一定である車両等速時および車両減速時の実効タイヤ半径の変化を2軸のGセンサ22の検出結果から判別し、その実効タイヤ半径に基づいて送信機2が取り付けられたのが両前輪5a、5bと両後輪5c、5dのいずれであるかの検出を行う。車両1は走行時の加速状態に応じたピッチング運動を行うことから、ピッチング運動の状況に応じて実効タイヤ半径が変化する。すなわち、車両加速時には車両前方側(ノーズ)が浮き上がるスコートが発生し、車両減速時には車両前方側が沈み込むノーズダイブが発生する。このため、車両加速時には車両等速時や車両減速時と比較して両前輪5a、5bの方が両後輪5c、5dよりも実効タイヤ半径が大きくなる。逆に、車両減速時には車両等速時や車両加速時と比較して両前輪5a、5bの方が両後輪5c、5dよりも実効タイヤ半径が小さくなる。
【0048】
したがって、実効タイヤ半径を演算することにより、送信機2が取り付けられたのが両前輪5a、5bと両後輪5c、5dのいずれであるかを検出できる。この実効タイヤ半径を2軸のGセンサ22の検出信号を利用して演算する。
【0049】
図6(a)は、タイヤ1周中の各タイミングでの送信機2の位置と印加される加速度の関係を示した図表であり、図6(b)は、送信機2の位置の考え方を説明するための模式図である。なお、図6(a)の加速度は、送信機2が左車輪5b、5dに取り付けられた場合を示してある。
【0050】
図6(a)に示すように、送信機2の位置についてはsin(θ+β)によって表してある。図6(b)に示すように、送信機2が車輪5a〜5dの下方位置に位置しているときをsin(θ+β)=0とし、車輪回転に伴って送信機2の位置が変化し、90°変化するごとにsin(θ+β)が1、0、−1と変化することから、送信機2の位置が車輪回転方向において90°変化するタイミングt1〜t5において、接線方向加速度an,leftを表してある。
【0051】
左車輪5b、5dの送信機2では、接線方向加速度an,leftは、数式1で表される。ただし、aは車両の加速度、gは重力加速度、θは送信機2が車輪5b、5cの下方位置に位置しているときに対して成す角度である。また、数式1中においてβは、数式2で表される関係を満たすものである。
【0052】
【数1】

【0053】
【数2】

1周中での接線方向加速度an,leftの最大値と最小値は、タイミングt2、t4のときの接線方向加速度an,leftであり、これらの差は、数式3で表される。そして、数式3を車両の加速度の式に変換すると、数式4が導出される。
【0054】
【数3】

【0055】
【数4】

また、1周中での接線方向加速度an,leftの最大値と最小値の和は、数式5で表される。そして、数式5を変換すると、数式6が導出される。なお、数式5、6中において、rrは送信機2の回転半径、rwはタイヤの回転半径を意味している。
【0056】
【数5】

【0057】
【数6】

ここで、数式4は車両の加速度を表しており、符号が正の時には車両加速時、負の時には車両減速時を表している。また、数式6は送信機2の回転半径とタイヤの回転半径との比(以下、rr/rwという)を表している。
【0058】
r/rwは、同じ車輪であっても、上記したように車両の加速状態に応じて変化する。具体的には、車両加速時であればスコートが発生して、前輪5a、5bであればタイヤの実効半径が大きくなり、後輪5c、5dであればタイヤの実効半径が小さくなる。逆に、車両減速時であればノーズダイブが発生して、前輪5a、5bであればタイヤの実効半径が小さくなり、後輪5c、5dであればタイヤの実効半径が大きくなる。
【0059】
このため、車両の加速状態とrr/rwのデータをサンプリング毎に複数回記憶し、その蓄積された記憶内容に基づいて、例えば車両加速中のrr/rwと車両減速中のrr/rwとを比較し、車両加速中のrr/rwの方が車両減速中のrr/rwよりも小さければその送信機2は両前輪5a、5bのいずれかに取り付けられたものであり、車両加速中のrr/rwの方が車両減速中のrr/rwよりも大きければその送信機2は両後輪5c、5dのいずれかに取り付けられたものであると特定できる。このようにして、送信機2が取り付けられたのが両前輪5a、5bと両後輪5c、5dのいずれであるかを検出できる。
【0060】
なお、このような手法によって送信機2が両前輪5a、5bと両後輪5c、5dのいずれに取り付けられたものであるかを検出する場合、2軸のGセンサ22のうち接線方向加速度の検出を行う側のGセンサ22bについて、高精度が要求されるが、車両の加速状態が正確に把握できればよいため、ダイナミックレンジは狭くても問題ない。すなわち、接線方向加速度の検出を行う側のGセンサ22bのダイナミックレンジを法線方向加速度の検出を行う側のGセンサ22aのダイナミックレンジと比較して小さくし、Gセンサ22aよりもGセンサ22bの方が高精度となるようにすればよい。また、タイヤ1周中は接線方向加速度を所定のサンプリング周期毎に検出することになるが、最低タイヤ1周中のみでよい。位相差を演算する場合は、法線方向加速度と接線方向加速度のずれが−90°の場合と+90°の場合があり、少なくとも1.5周分連続してサンプリングした検出結果が必要であり、本発明にて提案の手法のほうが依然として必要なメモリおよび演算はすくなくて済む。
【0061】
以上のようにして、送信機2が右車輪5a、5cと左車輪5b、5dのいずれに取り付けられたものであるかが検出されると共に、両前輪5a、5bと両後輪5c、5dのいずれに取り付けられたものであるかが検出される。このため、送信機2が車輪5a〜5dのいずれに取り付けられたものであるかを特定することが可能となる。
【0062】
一方、受信機3は、アンテナ31と受信部32および制御部33を備えた構成とされている。
【0063】
アンテナ31は、各センサ送信機2から送られてくるフレームを総括的に受け取る1本の共通アンテナとなっており、車体6に固定されている。
【0064】
受信部32は、各センサ送信機2から送信されたフレームがアンテナ31で受信されると、それを入力して制御部33に送る入力部としての機能を果たすものである。
【0065】
マイクロコンピュータ33は、CPU、ROM、RAM、I/Oなどを備えた周知のマイクロコンピュータによって構成され、ROMなどに記憶されたプログラムに従って、所定の処理を実行する。各送信機2a〜2dからの送信フレームを用いて、マイクロコンピュータ33内のメモリに記憶されたプログラムに従って車輪位置検出処理を実行することで、各送信機2a〜2dがどの車輪5a〜5dに取り付けられたものかを特定する車輪位置検出を行う。すなわち、各送信機2a〜2dからの送信フレームに格納された各送信機2が車輪5a〜5dのいずれに取り付けられているかを特定した車輪位置検出の結果を示すデータを読み出す。そして、マイクロコンピュータ33は、その車輪位置検出の結果を示すデータに基づいて、各送信機2a〜2dのID情報と各送信機2a〜2dが取り付けられている各車輪5a〜5dの位置とを関連づけて記憶する。
【0066】
その後は、マイクロコンピュータ33は、各送信機2a〜2dからフレームが送信されてきたときに、そのフレーム内に格納されたID情報およびタイヤ空気圧に関するデータに基づいて、送信機2a〜2dのいずれから送信されたフレームかを特定することで、各車輪5a〜5dのタイヤ空気圧検出を行う。
【0067】
表示器4は、図1に示されるように、ドライバが視認可能な場所に配置され、例えば車両1におけるインストルメントパネル内に設置される警報ランプによって構成される。この表示器4は、例えば受信機3における制御部33からタイヤ空気圧が低下した旨を示す信号が送られてくると、その旨の表示を行うことでドライバにタイヤ空気圧の低下を報知する。
【0068】
以上説明したように、本実施形態では、法線方向加速度の時間微分値と接線方向加速度との積の符号が正になるか負になるかによって、送信機2が取り付けられたのが右車輪5a、5cと左車輪5b、5dのいずれであるかを特定している。このため、トリガ機も必要ないし、短いサンプリング周期で加速度のサンプリングを数多く行う必要もない。したがって、トリガ機を必要とせず、かつ、2軸のGセンサ22の検出信号の位相差の算出のような演算量が多くなる手法によらずに、送信機2が右車輪5a、5cと左車輪5b、5dのいずれに取り付けられているのかを特定できる。
【0069】
(他の実施形態)
上記実施形態では、アンテナ31が1本の共通アンテナとされる形態について説明したが、複数本、例えば各車輪6a〜6dそれぞれに対応して4本設けられるような形態であっても構わない。ただし、アンテナ31が共通アンテナとされた場合に、特に、センサ送信機2が取り付けられた車輪6a〜6dの特定が困難となることから、共有アンテナとされる場合に本発明を適用すると有効である。
【0070】
また、上記実施形態では、タイヤ空気圧検出装置に車輪位置検出装置を適用しているため、車輪位置検出の結果を示すデータをタイヤ空気圧に関する情報が格納されるフレームに格納して送信されるようにしている。しかしながら、これはフレーム構成の一例を示したに過ぎず、車輪位置検出の結果を示すデータを格納するフレームとタイヤ空気圧に関する情報を格納するフレームを別々のフレームとしても構わない。ただし、タイヤ空気圧に関する情報が格納されるフレームに各車輪位置検出の結果を示すデータを格納することで、車輪位置検出とタイヤ空気圧検出の両方が行える共通フレームとすることが可能となる。
【0071】
また、上記実施形態では、車輪位置検出のうち、送信機2が両前輪5a、5bと両後輪5c、5dのいずれに取り付けられているかの検出手法の一例を挙げたが、ここで説明した手法以外の手法を採用しても構わない。さらに、上記の手法では、接線方向加速度から実効タイヤ半径と送信機2の回転半径の比を求めると共に加速状態を求め、これらに基づいて送信機2が両前輪5a、5bと両後輪5c、5dのいずれに取り付けられているかを検出した。しかしながら、これは、接線方向加速度から実効タイヤ半径と加速状態を求め、それらから送信機2が両前輪5a、5bと両後輪5c、5dのいずれに取り付けられているかを検出する手法の一例を示したものであり、勿論、単純に実効タイヤ半径と加速状態に基づいて検出しても良い。例えば、送信機2の取り付け位置は決まっており、送信機2の回転半径は一定であるため、接線方向加速度から実効タイヤ半径と送信機2の回転半径の比を求めれば、実効タイヤ半径を演算することもできる。この実効タイヤ半径と加速状態とに基づいて、送信機2が両前輪5a、5bと両後輪5c、5dのいずれに取り付けられているかを検出すればよい。
【符号の説明】
【0072】
1 車両
2(2a〜2d) 送信機
3 受信機
4 表示器
5a〜5d 車輪
6 車体
21 センシング部
22 Gセンサ
23 マイクロコンピュータ
31 受信アンテナ
32 受信部
33 マイクロコンピュータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体(6)に対してタイヤを備えた4つの車輪(5a〜5d)が取り付けられた車両(1)に適用され、
前記4つの車輪(5a〜5d)それぞれに設けられ、前記4つの車輪(5a〜5d)それぞれの周方向に対する法線方向の加速度である法線方向加速度と接線方向の加速度である接線方向加速度に応じた検出信号を出力する2軸の加速度センサ(22)と、前記2軸の加速度センサ(22)で検出した前記法線方向加速度および前記接線方向加速度に基づいて車輪位置検出を行い、該車輪位置検出の結果を示すデータを格納したフレームを作成すると共に送信する第1制御部(23)とを有する送信機(2a〜2d)と、
前記車体(6)側に設けられ、受信アンテナ(31)を介して前記送信機(2a〜2d)から送信されたフレームを受信する受信部(32)と、受信した前記フレームから得られる車輪位置検出のデータに基づいて、前記フレームを送信してきた前記送信機(2a〜2d)が前記4つの車輪(5a〜5d)うちの右車輪(5a、5c)と左車輪(5b、5d)のいずれに取り付けられたものであるかを特定する第2制御部(33)とを有する受信機(3)とを備え、
前記送信機(2a〜2d)は、前記法線方向加速度の時間微分値と前記接線方向加速度との積の符号に基づいて、当該送信機(2a〜2d)が取り付けられたのが前記右車輪(5a、5c)と前記左車輪(5b、5d)のいずれであるかを検出し、前記車輪位置検出の結果を示すデータとして、少なくとも当該送信機(2a〜2d)が取り付けられたのが前記右車輪(5a、5c)と前記左車輪(5b、5d)のいずれであるかを特定するデータを前記フレームに格納することを特徴とする車輪位置検出装置。
【請求項2】
前記送信機(2a〜2d)は、前記接線方向加速度から前記車輪(5a〜5d)に備えられた前記タイヤの実効タイヤ半径と前記車輪(5a〜5d)が加速中であるか減速中であるかの加速状態とに基づいて、当該送信機(2a〜2d)が取り付けられたのが両前輪(5a、5b)と両後輪(5c、5d)のいずれであるかを検出し、当該送信機(2a〜2d)が取り付けられたのが前記右車輪(5a、5c)と前記左車輪(5b、5d)のいずれであるかの検出結果と、当該送信機(2a〜2d)が取り付けられたのが前記両前輪(5a、5b)と前記両後輪(5c、5d)のいずれであるかの検出結果に基づいて、当該送信機(2a〜2d)が前記4つの車輪(5a〜5d)のいずれに取り付けられたものであるかを特定し、前記車輪位置検出の結果を示すデータとして前記フレームに格納することを特徴とする請求項1に記載の車輪位置検出装置。
【請求項3】
前記2軸の加速度センサ(22)のうち前記法線方向加速度を検出する加速度センサ(22a)のダイナミックレンジと比較して前記接線方向加速度を検出する加速度センサ(22b)のダイナミックレンジを小さくし、前記法線方向加速度を検出する加速度センサ(22a)よりも前記接線方向加速度を検出する加速度センサ(22b)の方が高精度とされていることを特徴とする請求項2に記載の車輪位置検出装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1つに記載の車輪位置検出装置に用いられることを特徴とする送信機。
【請求項5】
請求項1ないし3のいずれか1つに記載の車輪位置検出装置を含むタイヤ空気圧検出装置であって、
前記送信機(2a〜2d)は、前記4つの車輪(5a〜5d)それぞれに備えられた前記タイヤの空気圧に応じた検出信号を出力するセンシング部(21)を備え、前記第1制御部(23)によって前記センシング部(21)の検出信号を信号処理したタイヤ空気圧に関する情報をフレームに格納し、当該フレームを前記受信機(3)に送信し、
前記受信機(3)は、前記第2制御部(33)にて、該タイヤ空気圧に関する情報より、前記4つの車輪(5a〜5d)それぞれに備えられた前記タイヤの空気圧を検出するようになっていることを特徴とするタイヤ空気圧検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−1220(P2013−1220A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−133235(P2011−133235)
【出願日】平成23年6月15日(2011.6.15)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】