説明

近辺情報検索装置

【課題】自分の好みにあった、または、より近いランドマークを抽出できる近辺情報検索装置を提供する。
【解決手段】評価算出部16は、近辺情報検索部14により抽出したランドマークに対する各ユーザの評価値と、各ユーザに対する信頼度とに基づいて、ユーザが選択した任意の場所の近辺に存在するランドマークの社会的評価値を算出する。この社会的評価値は、出力部17により、近辺情報検索部14により抽出されたランドマーク毎に出力される。これにより、単に目的地情報で特定される場所の近辺に存在するランドマークの情報を提供するのではなく、ユーザの好みを反映したり、悪意のあるユーザの影響を防いだより有用な情報を提供できるので、ユーザにとって使い勝手がよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザが指定する位置の近辺に存在する店舗や施設等のランドマークを検索する近辺情報検索装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネット関連技術の進展に伴って、駅などの特定の場所の近辺に存在する店舗や施設を検索できるシステムが多数提案されている(例えば、特許文献1,2参照。)。これらのシステムでは、ユーザが店舗や施設の情報を取得したい駅の名称を入力すると、その店舗や施設が満たすべき料金や駅からの距離などの条件で情報の絞り込みを行い、適当な店舗や施設を抽出する。また、特許文献2には、抽出した店舗や施設の情報に、これらの店舗や施設を実際に使用したユーザの意見や評価も併せて提供することが開示されている。
【0003】
【非特許文献1】株式会社 ぐるなび、“京都グルメ・駅から検索[ぐるなび]”、[online]、[平成17年5月26日検索]、インターネット、<URL:http://rs.gnavi.co.jp/rest/eki26.htm>
【非特許文献2】楽天トラベル株式会社、“「楽天トラベル」:沿線検索”、[online]、[平成17年5月26日検索]、インターネット、<URL:http://www.mytrip.net/ivc/stationSearch.html>
【非特許文献3】株式会社イー・マーキュリー、“ソーシャル・ネットワーキングサイト[mixi(ミクシィ)]”、[online]、[平成17年5月26日検索]、インターネット、<URL:http://mixi.jp/>
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したような従来のシステムでは、料金や距離といった容易に定量化できる条件で店舗や施設(以下、「ランドマーク」という。)の検索するため、十分な絞り込みを行えず、同じジャンルのランドマークが多数抽出されることがあった。このような場合、ユーザは、抽出されたランドマークに対する他のユーザの評価や意見を参考することがある。しかしながら、他のユーザの評価や意見には、有益な情報のみならず、悪意のある情報や、自分とは感性が異なる相手の発信した情報も含まれている恐れがある。このため、単純に他のユーザの評価や意見に基づいてランドマークを選択すると、自分の好みはない店舗や施設に遭遇する場合があった。
【0005】
そこで、本発明は上述したような課題を解決するためになされたものであり、自分の好みにあった、または、より近いランドマークを抽出できる近辺情報検索装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述したような課題を解決するために、本発明にかかる近辺情報検索装置は、各ユーザによるランドマークに対する評価値と少なくとも他のユーザに対する信頼度とを記憶した記憶手段と、一のユーザから参照地点に関する情報を取得する参照地点取得手段と、参照地点の近辺に存在するランドマークを検索する検索手段と、検索手段により検索されたランドマークに対する各ユーザの評価値と、当該一のユーザによる他のユーザに対する信頼度とに基づいて、検索手段により検索されたランドマークの第1の評価値を算出する第1の評価手段と、検索手段により検索されたランドマーク毎に第1の評価値を出力する出力手段とを備えたことを特徴とする。
【0007】
上記近辺情報検索装置において、検索手段により検索された各ランドマークと参照地点との距離を取得する距離取得手段と、第1の評価値と、ランドマークと参照地点との距離とに基づいて、検索手段により検索されたランドマークの第2の評価値を算出する第2の評価手段をさらに備え、出力手段は、検索手段により検索されたランドマーク毎に、少なくとも第1の評価値、第2の評価値および距離を出力するようにしてもよい。
【0008】
上記近辺情報検索装置において、出力手段は、第2の評価値に基づいて検索手段により検索されたランドマークの順位付けを行い、この順位、第1の評価値、第2の評価値および距離を検索手段により検索されたランドマーク毎に出力するようにしてもよい。
【0009】
上記近辺情報検索装置において、検索手段は、参照地点と所定の距離以内に存在するランドマークを検索するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、参照地点の近辺に存在するランドマークに対するユーザおよび他のユーザの評価値と、ユーザおよび他のユーザに対する信頼度とに基づいて、上記ランドマークの第1の評価値を算出し、この第1の評価値を上記ランドマーク毎に出力することにより、ユーザの好みを反映したり、悪意のあるユーザの影響を防ぎ、自分の好みに合ったまたはより近いランドマークを抽出することができる。
【0011】
また、本発明によれば、第1の評価値と、ランドマークと参照地点との距離とに基づいて第2の評価値を算出し、検索したランドマーク毎に、第1の評価値、第2の評価値および距離を出力することにより、参照地点との位置関係を考慮したランドマークを抽出することができる。
【0012】
さらに、本発明によれば、第2の評価値に基づいて検索されたランドマークの順位付けを行い、この順位、第1の評価値、第2の評価値および距離を検索したランドマーク毎に出力することにより、ランドマークの評価が一目瞭然となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。図1は、本実施にかかる近辺情報探索装置の構成を示すブロック図である。本実施の形態にかかる近辺情報検索装置1は、入力部11と、位置情報DB(Data Base)12と、位置情報検索部13と、近辺情報検索部14と、ユーザ情報DB15と、評価算出部16と、出力部17とから構成される。このような近辺情報検索装置1は、CPU等の演算装置と、メモリ、HDD(Hard Disc Drive)等の記憶装置と、キーボード、マウス、ポインティングデバイス、ボタン、タッチパネル等の外部から情報の入力を検出する入力装置と、インターネット、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等の通信回線を介して各種情報の送受信を行うI/F装置と、CRT(Cathode Ray Tube)、LCD(Liquid Crystal Display)またはFED(Field Emission Display)等の表示装置を備えたコンピュータと、このコンピュータにインストールされたプログラムとから構成される。すなわちハードウェア装置とソフトウェアとが協働することによって、上記のハードウェア資源がプログラムによって制御され、上述した入力部11、位置情報DB12、位置情報検索部13、近辺情報検索部14、ユーザ情報DB15、評価算出部16および出力部17が実現される。なお、上記プログラムは、フレキシブルディスク、CD−ROM、DVD−ROM、メモリカードなどの記録媒体に記録された状態で提供されるようにしてもよい。
【0014】
入力部11は、キーボード、マウス、ポインティングデバイス、ボタン、タッチパネル等の入力装置からなり、ユーザからの操作入力に基づいて、ユーザが参照する地点、例えば駅、店舗、施設などの名称、住所、または、地図上の任意の位置など、ユーザが近辺にあるランドマークの情報を知りたい場所を特定するための情報(以下、「参照地点情報」と呼ぶ。)を取得する。
【0015】
位置情報DB12は、各ランドマークの名称と、このランドマークの緯度経度などの位置情報とを少なくとも記憶したデータベースである。
【0016】
位置情報検索部13は、位置情報DB12に基づいて、入力部11に入力された参照地点情報に対応する場所の位置情報を検索する演算処理部である。
【0017】
近辺情報検索部14は、位置情報DB12に基づいて、位置情報検索部13で検索された位置情報の近辺に存在するランドマークの名称および位置情報を検索する演算処理部である。
【0018】
ユーザ情報DB15は、例えば図2に示すように、他のユーザに対する信頼度と、位置情報DB12に記憶された各ランドマークに対する評価値とを各ユーザ毎に記憶するデータベースである。なお、図2は、ユーザAの信頼度および評価値を表すものである。
【0019】
ここで、他のユーザに対する信頼度とは、他のユーザが提供した情報が自分にとって有用であったか否かの度合いを示す指標であり、0から1の間の実数で表される。自分にとって有用な情報を提供したユーザの信頼度は1.0に近づき、自分にとって有用ではなかった情報を提供したユーザの信頼度は0に近づく。信頼度が0のユーザは、このユーザの評価を全く信頼していないことを意味する。例えば、図2に示すユーザAの場合、ユーザBの信頼度が「0.8」,ユーザCの信頼度が「0.5」となっており、ユーザCが提供した情報よりも、ユーザBが提供した情報の方が自分にとって有用であったことを意味する。なお、図2には、ユーザAの信頼度が「1.0」と記載されているが、自らに対する信頼度も設定される。この自らに対する信頼度は、他のユーザの情報に対して自分の情報の評価を相対的にどのように扱うかを示す指標である。自らに対する信頼度が0に近いほど、自分の情報よりも他のユーザの情報を優先することを意味する。
【0020】
また、ランドマークに対する評価値とは、店舗や施設などのランドマークに対する自分の評価の度合いを示す指標であり、−1から1の間の実数で表される。ユーザにとって有用であったランドマークの評価値はより1.0に近づき、有用ではなかったランドマークの評価値はより−1に近づく。例えば、図2に示すユーザAの場合、乙店というランドマークの評価値が「−0.3」、甲駅というランドマークの評価値が「0.7」となっており、甲駅よりも乙店の方がユーザAにとって有用であることを意味している。
【0021】
評価算出部16は、ユーザ情報DB15に記憶された情報に基づいて、近辺情報検索部14により検索された各ランドマークの第1の評価値および第2の評価値を算出する演算処理部である。
【0022】
出力部17は、評価算出部16により算出された評価値に基づいて、近辺情報検索部14により検索された各ランドマークの順位付けを行い、ランドマークの名称、ランドマークと参照地点情報との距離、順位、第1の評価値、および、第2の評価値の中から少なくとも1つを外部に出力するインターフェース装置である。
【0023】
次に、本実施の形態にかかる近辺情報検索装置1の動作を図3を参照して説明する。まず、入力部11は、例えば図4に示すような地図を表示画面に表示し、ユーザに地図上の任意の位置を選択するよう促す。ユーザのマウス等を用いた操作入力によって上記地図上の任意の位置が選択されると、入力部11は、その任意の位置を参照地点情報として取得する(ステップS301)。ここで、ユーザAは、地図上の座標(0,0)の位置を選択したものとする。なお、図4に示す点線は、地図上の座標を特定するための補助線である。
【0024】
次いで、位置情報検索部13は、入力部11が取得した参照地点情報が示す場所に存在するランドマークを、位置情報DB12から検索する(ステップS302)。例えば、図4に示すように、ランドマークとして甲駅、乙店、丙店および丁店が記載された地図が表示画面に表示された場合、位置情報DB12には、図5に示すように、図4に表示された各ランドマークの名称と、これらのランドマークの地図上の座標と、それらのランドマークの実際の緯度・経度とが記憶されている。上述したように、ユーザAは、地図上の座標(0,0)の位置を選択している。したがって、位置情報検索部13は、位置情報DB12から、ユーザAが甲駅というランドマークを選択したことを検出し、この甲駅の位置情報である(long甲,lat甲)を取得する。
【0025】
次いで、近辺情報検索部14は、位置情報DB12に基づいて、位置情報検索部13により検索された位置情報の近辺に存在するランドマークを検索する(ステップS303)。具体的には、近辺情報検索部14は、位置情報で指定される地図上の任意の位置と、その地図上に表示されている各ランドマークとの距離を算出し、この距離が所定の値以内にあるランドマークを抽出する。例えば、図4の場合、ユーザAが選択した甲駅と、各ランドマークとの距離は以下の通りとなる。
【0026】
(1)乙店との距離=2(2)1/2≒2.82
(2)丙店との距離=3
(3)丁店との距離=(22+321/2≒3.61
【0027】
本実施の形態では、近辺情報検索部14は、距離が3以内にあるランドマークを抽出するものとする。したがって、近辺情報検索部14は、甲駅の近辺に存在するランドマークとして、乙店と丙店を抽出する。
【0028】
次いで、評価算出部16は、ユーザ情報DB15に基づいて、近辺情報検索部14で抽出されたランドマークの第1の評価値を算出する(ステップS304)。ここで、ユーザAにとってのランドマークXの第1の評価値VA(X)は、下式(1)により算出される。なお、下式(1)において、ユーザNはユーザAの任意の知人、ユーザMはユーザNの任意の知人を意味する。また、下式(1)において、評価値が未定義のランドマークについては、評価値を0として演算を行う。
【0029】
A(X)=(A自らに対する信頼度)×(A自らのXの評価値)+Σ[(AのユーザNに対する信頼度)×(ユーザNのXに対する評価値)+Σ{(ユーザNのユーザMに対する信頼度)×(ユーザMのXに対する評価値)}]/評価を下しているユーザの人数 ・・・(1)
【0030】
第1の評価値は、ユーザ情報DB15に登録されているユーザによるランドマークの評価値を、このユーザによる他のユーザに対する信頼度で重み付けしたものであり、他のユーザの評価も加味されていることから、「社会的評価」と言うことができる。したがって、以下において、第1の評価値を「社会的評価値」という。
【0031】
ここで、図6に示すユーザ情報DB15のデータ構成を例に、評価算出部16による社会的評価値の算出動作を説明する。図6は、ユーザA〜Fの間の信頼度および各ユーザにおける乙店および丙店の評価値を示すものである。このような図6において、矢印の始点のユーザは、その矢印の終点のユーザを知っていることを意味しており、矢印に添えられている数値は、始点のユーザの終点のユーザに対する信頼度を示している。また、始点および終点がユーザAの矢印は、ユーザA自身に対する信頼度を示している。図6に示すような、ユーザA自身の情報とユーザAの知人関係から成り立つ系を、ここではユーザAの社会的周辺と呼ぶ。
【0032】
上式(1)から、乙店および丙店に対するユーザAの社会的評価値は、以下のように算出される。
【0033】
A(乙店)=[1.0*0.7+0.5*0.8+0.4*0.5+0.8*0.2+(0.8*0.5)*0.3+(0.8*0.6)*0.3]/6
=1.724/6
=0.2873
【0034】
A(丙店)=[0.5*0.6+0.4*0.4+0.8*0.8+(0.8*0.5)*0.6+(0.8*0.6)*0.7]/5
=1.676/5
=0.3352
【0035】
図6に示すように、ユーザAは、丙店に対する情報をもっておらず、丙店に対して評価を下すことができなかった。しかしながら、本実施の形態によれば、上述した社会的評価値を算出することにより、ユーザAの社会的周辺の情報を用いて、丙店に対する評価を擬似的に行うことができる。
【0036】
なお、図6に示すようなユーザ情報DB15のデータ構成は、例えば、ソーシャルネットワークにより構築することができる(例えば、非特許文献3参照。)。このソーシャルネットワークとは、そもそも個人間の関係を表した概念であり、一般的には、以下に示すよう手順で構築されるサービスのことをソーシャルネットワークサービスという。
【0037】
(1)知人からの招待により、サービスを行っているインターネット上のサイトでアカウントを作成する。
(2)知人に招待状を送り、そのサービスに入ってもらう。
(3)招待状を送った知人が他の誰かに招待状を送り、サービスに入ってもらう。
(4)(2),(3)の繰り返しで、大規模ソーシャルネットワークが構築される。
(5)招待した相手または招待された相手にのみ、何らかのアクションを起こすことが可能となる。
【0038】
ソーシャルネットワーク自体の構成は、ハイパーリンクで構成されたWWW(World Wide Web)に似ているが、知人から招待された人しか入れないという点でWWWとは異なる。これにより、ウェブ上ではしばしば見られる不特定多数に対して発信された悪意のある情報による被害を防ぐことができる。
【0039】
次いで、評価算出部16は、近辺情報検索部14で抽出されたランドマークの参照地点からの距離を考慮した第2の評価値を算出する(ステップS305)。ここで、ランドマークXの第2の評価値S(X)は、下式(2)により算出される。
【0040】
S(X)=Xの社会的評価値/参照地点情報に対応する位置情報とXとの距離 ・・・(2)
【0041】
この上式(2)により、乙店および丙店に対するユーザAの第2の評価値は、以下のように算出される。
【0042】
S(乙店)=0.2873/2.82=0.1016
S(丙店)=0.3352/3=0.1117
【0043】
このように第2の評価値は、ユーザ本人およびユーザの社会的周辺の人々による社会的評価値に、参照地点情報に対応する位置情報とランドマークとの距離を加味していることから、総合的な評価値と見なすことができる。したがって、以下において、第2の評価値を「総合評価値」という。
【0044】
次いで、出力部17は、各ランドマークの総合評価値の順位付けを行い、この順位と、ランドマーク名と、距離と、総合評価値と、社会的評価値とを出力する(ステップS306)。例えば、図7に示すように、表示画面に表示された地図上に、ユーザが選択した甲駅とともに、乙店および丙店のランドマーク名、距離、総合評価値、社会的評価値を順位と共に表示する。このように順位付けを行うことにより、ランドマークの評価が一目瞭然となるので、ユーザにとって使い勝手がよい。
【0045】
このように、本実施の形態によれば、ユーザおよびユーザの社会的周辺に存在する他のユーザのランドマークに対する評価値と、各ユーザに対する信頼度とに基づいて、ユーザが選択した任意の場所の近辺に存在するランドマークの社会的評価値を算出して出力することにより、単に参照地点情報で特定される場所の近辺に存在するランドマークの情報を提供するのではなく、ユーザの好みを反映したり、悪意のあるユーザの影響を防いだより有用な情報を提供できる。
【0046】
また、本実施の形態によれば、社会的評価値と、ランドマークと参照地点との距離とに基づいて総合評価値を算出して出力することにより、参照地点との位置関係を考慮したランドマークを抽出することができる。
【0047】
なお、本実施の形態において、信頼度の上限の値を「1」と設定するようにしたが、この信頼度の上限の値は「1」に限定されず、適宜自由に設定することができる。例えば、ユーザ本人に対する信頼度の上限を「10」などの大きな値に設定することにより、自らが評価を行っている施設や店舗については、他のユーザの評価の影響を抑えるようにすることも可能である。
【0048】
また、本実施の形態において、近辺情報検索部14は、位置情報で特定される位置から所定の距離にあるランドマークを検索するようにしたが、上記所定の距離は、適宜自由に設定することができる。
【0049】
また、本実施の形態において、位置情報として緯度経度を用いるようにしたが、物理上の一点を一意に特定する指標であるならば、位置情報に用いる指標は緯度経度に限定されず、例えば住所など適宜自由に設定することができる。
【0050】
また、本実施の形態では、図2に示すような地図を表示画面に表示させ、この地図上の任意の箇所をユーザに選択させることにより参照地点情報を取得するようにしたが、参照地点情報を取得する方法はこのような方法に限定されず、例えば、テキスト入力用のダイアログを表示させ、キーボード等により住所やランドマークの名称を入力させたり、ユーザが行きたい地名やランドマークの名称などを複数表示させ、これらを選択させたりすることにより、参照地点情報を取得するようにしてもよい。
【0051】
また、本実施の形態において、出力部17は、ランドマークの名称、順位、社会的評価値および総合評価値を地図上に表示するようにしたが、これらの情報を表示するのは地図上に限定されず、例えば、図8に示すような表の形式など、ランドマークの名称、順位、社会的評価値および総合評価値を明確に表示できるのであれば、適宜自由に表示することができる。
【0052】
また、本実施の形態において、社会的評価値は、上式(1)を用いて算出するようにしたが、ユーザの社会的周辺の情報に基づいて算出するのであれば、社会的評価値を算出する式は上式(1)に限定されず、適宜自由に設定することができる。また、上式(1)では、ユーザの知人の知人までの信頼度および評価値を用いるようにしたが、信頼度および評価値を用いる知人はこれに限定されず、例えばその知人のさらに知人など、適宜自由に設定することができる。
【0053】
また、本実施の形態において、総合評価値は、上式(2)を用いて算出するようにしたが、参照地点情報により特定される位置情報とランドマークの社会的評価値とに基づいて算出するのであれば、総合評価値を算出する式は上式(2)に限定されず、例えば下式(3)など適宜自由に設定することができる。
【0054】
総合評価値=ランドマークの社会的評価値−位置情報とそのランドマークとの距離
・・・(3)
【0055】
また、本実施の形態において、ユーザ情報DB15は、ソーシャルネットワークサービスにより構築されるようにしたが、各ランドマークに対するユーザおよび他のユーザの評価値と、ユーザおよび他のユーザに対する信頼度とが記憶されるのであれば、ユーザ情報DB15を構築する方法はソーシャルネットワークサービスに限定されず、各種方法により構築することができる。
【0056】
さらに、本実施の形態において、出力部17は、総合評価値に基づいてランドマークの順位を行うようににしたが、順位付けを行う基準とする値は総合評価値に限定されず、例えば社会的評価値や距離など適宜自由に設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の近辺情報検索装置の構成を示すブロック図である。
【図2】ユーザ情報DB15のデータ構成を示す模式図である。
【図3】近辺情報検索装置の動作を示すフローチャートである。
【図4】近辺情報検索装置の表示画面に表示される地図を表す図である。
【図5】位置情報DB12に記憶された位置情報のデータ構成を示す模式図である。
【図6】ユーザ情報DB15に記憶された信頼度および評価値のデータ構成の一例を示す模式図である。
【図7】出力部17による地図上への出力状態を示す図である。
【図8】出力部17による他の出力形式を示す図である。
【符号の説明】
【0058】
1…近辺情報検索装置、11…入力部、12…位置情報DB、13…位置情報検索部、14…近辺情報検索部、15…ユーザ情報DB、16…評価算出部、17…出力部。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
各ユーザによるランドマークに対する評価値と少なくとも他のユーザに対する信頼度とを記憶した記憶手段と、
一のユーザから参照地点に関する情報を取得する参照地点取得手段と、
前記参照地点の近辺に存在するランドマークを検索する検索手段と、
前記検索手段により検索された前記ランドマークに対する各ユーザの評価値と、当該一のユーザによる他のユーザに対する信頼度とに基づいて、前記検索手段により検索されたランドマークの第1の評価値を算出する第1の評価手段と、
前記検索手段により検索されたランドマーク毎に前記第1の評価値を出力する出力手段と
を備えたことを特徴とする近辺情報検索装置。
【請求項2】
前記検索手段により検索された各ランドマークと前記参照地点との距離を取得する距離取得手段と、
前記第1の評価値と、前記ランドマークと前記参照地点との距離とに基づいて、前記検索手段により検索された前記ランドマークの第2の評価値を算出する第2の評価手段
をさらに備え、
前記出力手段は、前記検索手段により検索されたランドマーク毎に、少なくとも前記第1の評価値、前記第2の評価値および前記距離を出力する
ことを特徴とする請求項1記載の近辺情報検索装置。
【請求項3】
前記出力手段は、前記第2の評価値に基づいて前記検索手段により検索されたランドーマークの順位付けを行い、この順位、前記第1の評価値、前記第2の評価値および前記距離を前記検索手段により検索されたランドマーク毎に出力する
ことを特徴とする請求項1または2記載の近辺情報検索装置。
【請求項4】
前記検索手段は、前記参照地点と所定の距離以内に存在するランドマークを検索する
ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の近辺情報検索装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−11933(P2007−11933A)
【公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−194777(P2005−194777)
【出願日】平成17年7月4日(2005.7.4)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】