説明

透明導電膜及びこれを用いた導電性基板

【課題】導電パターンが視認されにくく、かつ、絶縁部を確実に絶縁させて安定した電気的性能を得ることができる透明導電膜を提供する。
【解決手段】本発明の透明導電膜は、絶縁性を有する透明基体と、導電性を有する金属からなり透明基体内に配設された網状部材とを備え、前記透明基体には、前記網状部材が配置される導電部と、前記透明基体2が溶けることなく前記網状部材のみが除去されて形成された空隙5が配置される絶縁部Iと、が設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネル、プラズマディスプレイの電磁波シールド等、画像表示装置の前面に設けられる透明導電膜及びこれを用いた導電性基板に関するものである。
【背景技術】
【0002】
タッチパネルにおいては、液晶ディスプレイ等の画像表示装置の前面に、電極シートとして、透明な絶縁基板の表面に透明導電層(透明導電膜)を形成した導電性基板を有する入力装置が設置されている。
入力装置の導電性基板の透明導電層を構成する材料としては、錫ドープ酸化インジウム(ITO)やポリエチレンジオキシチオフェン−ポリスチレンスルホン酸に代表されるπ共役系導電性高分子(有機導電体)が広く知られている。
【0003】
ところで、タッチパネル用入力装置に使用される導電性基板においては、回路パターンやアンテナアレイパターンを形成することがある。
パターンの形成方法としては、例えば、特許文献1には、透明基材の表面の全面に、塗工により透明導電層を形成した後、COレーザやQスイッチを利用したパルス幅100n秒程度のYAGレーザを照射して、絶縁にする部分の透明導電層をアブレーションにより除去する方法が開示されている。
特許文献2、3には、スクリーン印刷法やグラビア印刷法等の印刷により透明基材の表面に導電部を所定のパターンで形成する方法が開示されている。
特許文献4には、透明基材の表面の全面に、塗工により透明導電層を形成した後、プラズマエッチングにより、絶縁にする部分の透明導電層を除去する方法が開示されている。
特許文献5には、バインダ(樹脂)中に金属ナノワイヤ(金属極細繊維)を分散させ硬化してなる透明導電膜に、レーザを照射して絶縁化し、導電パターンを形成する技術が開示されている。尚、透明導電膜から外部へ突出した金属ナノワイヤはレーザで除去することとしている。
特許文献6には、タッチパネル用ITO蒸着基板に対して紫外線レーザを使用し、ビーム径とレンズの焦点距離を制御し、集光エリア内の加工幅を制御することで10μm程度の微細なアブレーションにより微細パターンを形成する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−118381号公報
【特許文献2】特開2005−527048号公報
【特許文献3】特開2008−300063号公報
【特許文献4】特開2009−26639号公報
【特許文献5】特開2010−44968号公報
【特許文献6】特開2008−91116号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般に、上記有機導電体は緑〜青に、ITOは薄い黄に着色している。そのため、特許文献1〜4の方法で絶縁基板上に導電パターンを形成すると、導電部は各導電膜を形成する導電体固有の有色、絶縁基板のみの絶縁部は無色になる。したがって、得られた導電性基板を画像表示装置の前面に設置した際には、導電パターンが視認されてしまうという問題が生じた。
【0006】
その一方、特許文献5においては、導電パターンが視認されにくいという利点を有している。しかしながら、透明導電膜内部において、金属ナノワイヤが導電部のみならず絶縁部にも残っているため、絶縁を確実に行うことは難しかった。すなわち、絶縁部を確実に絶縁させるためには、透明導電膜の厚み制御が必要になる。
【0007】
また、特許文献6においては、加工に高次高調波を利用した紫外線レーザを使用する必要があり、また、アブレーション領域の幅を制御する目的で、レーザビーム径やズームレンズ焦点距離を調整するため、市販のレーザ加工機では対応が難しいという問題がある。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、導電パターンが視認されにくく、かつ、絶縁部を確実に絶縁させて安定した電気的性能を得ることができる透明導電膜及びこれを用いた導電性基板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提案している。
すなわち本発明は、絶縁性を有する透明基体と、導電性を有する金属からなり前記透明基体内に配設された網状部材と、を備えた透明導電膜であって、前記透明基体には、前記網状部材が配置される導電部と、前記透明基体が溶けることなく前記網状部材のみが除去されて形成された空隙が配置される絶縁部と、が設けられることを特徴とする透明導電膜である。
【0010】
また、本発明に係る透明導電膜において、前記網状部材は、前記透明基体内に分散されて互いに電気的に連結された金属極細繊維からなることとしてもよい。
【0011】
また、本発明に係る透明導電膜において、前記金属極細繊維は、銀を主成分としていることとしてもよい。
【0012】
また、本発明に係る透明導電膜において、前記絶縁部の空隙が、前記網状部材にパルス状レーザを照射して形成されたこととしてもよい。
【0013】
また、本発明に係る透明導電膜において、前記網状部材が導電性の2次元ネットワークを構成していることとしてもよい。
【0014】
また、本発明の導電性基板は、前述の透明導電膜を、絶縁基板の少なくとも一方の面に設けたことを特徴としている。
【0015】
また、本発明に係る導電性基板において、前記絶縁基板は、透明であることとしてもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る透明導電膜及びこれを用いた導電性基板によれば、導電パターンが視認されにくく、かつ、絶縁部を確実に絶縁させて安定した電気的性能を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態に係る透明導電膜及びこれを用いた導電性基板を適用した入力装置を簡略化して示す側断面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る透明導電膜の網状部材(導電部)及びレーザ加工前の透明導電層を説明する拡大写真である。
【図3】本発明の一実施形態に係る透明導電膜の網状部材が除去されることにより形成された空隙(絶縁部)を説明する拡大写真である。
【図4】本発明の一実施形態に係る透明導電膜及びこれを用いた導電性基板を製造する製造装置(レーザ加工機)を簡略化して示す側面図である。
【図5】図4の導電性基板及び製造装置の変形例を示す側面図である。
【図6】比較例における透明導電膜の導電部及びレーザ加工前の透明導電層を説明する拡大写真である。
【図7】比較例における透明導電膜の照射領域(絶縁部)を説明する拡大写真である。
【図8】本発明に係る透明導電膜及び導電性基板を用いて入力装置を製造する実施例(製造例)を説明する側面図である。
【図9】本発明に係る透明導電膜及び導電性基板を用いて入力装置を製造する実施例(製造例)を説明する側面図である。
【図10】本発明に係る透明導電膜及び導電性基板を用いて入力装置を製造する実施例(製造例)を説明する斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の透明導電膜及びこれを用いた導電性基板は、例えば、透明アンテナ、透明電磁波シールド、静電容量方式或いはメンブレン式の透明タッチパネルなどの透明入力装置のように、透明部分に配線パターンを形成する製品に適用することができる。また、本発明の透明導電膜及びこれを用いた導電性基板は、自動車のハンドル等に付随する静電容量入力装置など、3次元成型品、或いは3次元の加飾成型品の表面に設けられる静電容量センサ等に必要な電極を形成する目的で用いることができる。尚、本実施形態でいう「透明」とは、50%以上の光線透過率を有するものを差す。
【0019】
図1は、本発明の一実施形態に係る透明導電膜及び導電性基板を用いた入力装置1を示している。
入力装置1は、入力者側に配置された導電性基板10と、この導電性基板10に対向するように画像表示装置側に配置された導電性基板20と、これらの間に設けられた透明なドットスペーサ30とを備えた抵抗膜式タッチパネルである。
【0020】
導電性基板10は、透明な絶縁基板11と、絶縁基板11において少なくとも画像表示装置側を向く面に設けられた透明導電膜12と、を備えている。
導電性基板20は、透明な絶縁基板21と、絶縁基板21において少なくとも入力者側を向く面に設けられた透明導電膜22と、を備えている。
【0021】
絶縁基板11、21としては、絶縁性を有するとともに、表面に透明導電膜12、22を形成でき、かつ、後述するレーザ加工に対して、所定の照射条件において外観変化の生じにくいものを用いることが好ましい。具体的には、例えば、ガラス、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート(PET)を代表とするポリエステル、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合樹脂(ABS樹脂)などの絶縁性材料が挙げられる。また、絶縁基板11、21の形状としては、板状のもの、可撓性を有するフィルム状のもの、立体的(3次元)に成型された成型品等を用いることができる。
【0022】
この入力装置1を透明タッチパネルに使用する場合、絶縁基板11、21には、ガラス板やPETフィルム等が用いられる。また、入力装置1を、自動車のハンドル等に付随する静電容量入力装置など、静電容量センサ等に必要な電極として使用する場合、絶縁基板11、21には、ABS樹脂などからなる成型品、或いはこれにフィルムのラミネートや転写などで加飾層を設けた加飾成型品等が用いられる。
【0023】
例えば、本発明を、押圧により上下2枚の電極膜(透明導電膜)12、22を接触導通させるメンブレン入力などの透明タッチパネルとして利用する場合、入力者側の絶縁基板11としては、入力者側からの外力に対して可撓しやすいもの(例えば透明樹脂フィルム)を用いることが好ましく、画像表示装置側の絶縁基板21としては、ドットスペーサ30を介して導電性基板10を支持しやすい所定以上(例えば絶縁基板11と同等以上)の硬度を有するものを用いることが好ましい。
【0024】
また、一対の導電性基板10、20の透明導電膜12、22同士は、互いに接近した状態とされつつもドットスペーサ20により間隔をあけられて対向配置されている。そして、導電性基板10が入力者側から画像表示装置側へ向けて押圧された際に、該導電性基板10の絶縁基板11及び透明導電膜12が撓むとともに、該透明導電膜12が導電性基板20の透明導電膜22に接触可能とされている。この接触により、電気的信号が生じるように構成されている。
【0025】
また、図2に示すように、透明導電膜12、22は、絶縁性を有する透明基体2と、導電性を有する金属からなり透明基体2内に配設された網状部材3と、を備えている。透明基体2は、液状の状態において後述する網状部材3の素線(繊維)間に充填(含浸)可能とされた、例えば、熱、紫外線、電子線、放射線等により硬化する性質の硬化性樹脂からなる。
【0026】
また、網状部材3は、透明基体2内に分散されて互いに電気的に連結された複数の金属極細繊維4からなる。詳しくは、これら金属極細繊維4同士は、絶縁基板11、21の表面(透明導電膜12、22が形成される面)の面方向に沿って互いに異なる向きに不規則に延在しているとともに、その少なくとも一部以上が互いに重なり合う(接触し合う)程度に密集して配置されており、このような配置によって互いに電気的に連結(接続)されている。
【0027】
すなわち、網状部材3は、絶縁基板11、21の表面上において、導電性の2次元ネットワークを構成しており、透明基体2において網状部材3が配置された領域は、導電部Cとされている。また、網状部材3の金属極細繊維4は、透明基体2内に埋設される部分と、該透明基体2の表面から突出される部分とを有している。
【0028】
具体的に、このような金属極細繊維4としては、銅、白金、金、銀、ニッケル等からなる金属ナノワイヤや金属ナノチューブが挙げられる。本実施形態においては、金属極細繊維4として、銀を主成分とする金属ナノワイヤ(銀ナノワイヤ)が用いられている。金属極細繊維4は、例えばその直径が0.3〜100nm程度、長さが1μm〜100μm程度に形成されている。
【0029】
尚、網状部材3として、前述した金属極細繊維4以外の、シリコンナノワイヤやシリコンナノチューブ、金属酸化物ナノチューブ、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、グラファイトフィブリル等の繊維状部材(金属極細繊維)が用いられるとともに、これらが分散・連結されて構成されていても構わない。
【0030】
また、図3に示すように、透明基体2には、網状部材3の金属極細繊維4が除去されることにより空隙5が複数形成されており、これら空隙5が密集するように配置された領域が、絶縁部Iとされている。詳しくは、これら空隙5は、網状部材3の金属極細繊維4が配置される領域にパルス状レーザを照射して、該金属極細繊維4を蒸発・除去することにより形成されている。
【0031】
このパルス状レーザとしては、例えばパルス幅1p秒未満の極短パルスレーザである、所謂フェムト秒レーザを用いることができる。また、パルス状レーザとして、フェムト秒レーザ以外のYAGレーザ又はYVOレーザを用いてもよい。YAGレーザ又はYVOレーザを用いる場合、パルス幅が5〜300n秒程度の、加工機として一般に広く使用されているものが利用可能である。
【0032】
これら空隙5は、透明基体2の表面(露出された面)の面方向に沿って互いに異なる向きに不規則に延在又は点在する長穴状(長丸穴状)又は穴状(丸穴状)をそれぞれなしており、前記表面に開口する部分を有して形成されている。詳しくは、空隙5は、蒸発・除去された金属極細繊維4の配置されていた位置に対応するように配置されているとともに、該金属極細繊維4の直径と略同等の直径(内径)を有し、該金属極細繊維4の長さ以下に形成されている。
【0033】
より詳しくは、1つの金属極細繊維4が完全に蒸発・除去されるか、少なくとも一部が蒸発・除去されることにより、該金属極細繊維4をその延在する方向に分割するようにして、複数の空隙5が互いに間隔をあけて形成されている。すなわち、金属極細繊維4の相当位置に対応して、互いに離間する複数の空隙5が、全体として線状をなすように延在又は点在して形成されている。尚、1つの金属極細繊維4の相当位置に対応して、空隙5が線状をなすように1つだけ形成されていてもよい。
【0034】
絶縁部Iにおいては、これら空隙5が形成されることにより、導体である金属極細繊維4が除去されているとともに、前記導電性の2次元ネットワークが除去されて(消失して)いる。
このように、絶縁部Iにおいては、透明基体2から金属極細繊維4が除去されていることから、該透明基体2における導電部Cと絶縁部Iとでは、互いに化学的組成が異なっている。
【0035】
次に、本実施形態の透明導電膜及び導電性基板を製造する製造装置及び製造方法について説明する。
本実施形態で説明する導電パターン形成基板(導電性基板)の製造方法では、絶縁基板11(21)の一方の面に形成された透明導電層(導電パターン形成前の透明導電膜)aに極短パルスのレーザ光Lを所定のパターンで照射する方法を用いている。
尚、以下の説明において、レーザ加工前における絶縁基板11(21)と該絶縁基板11(21)の一方の面に形成された透明導電層aとを有する積層体のことを、導電性基板用積層体Aという。
【0036】
まず、本実施形態の導電パターン形成基板の製造方法で使用する製造装置40について説明する。図4に示すように、この製造装置40は、レーザ光Lを発生させるレーザ光発生手段41と、レーザ光Lを集光する集光手段である凸レンズ等の集光レンズ42と、導電性基板用積層体Aが載置されるステージ43と、を備えている。
【0037】
この製造装置40におけるレーザ光発生手段41としては、波長2μm未満でパルス幅が200n秒未満のレーザ光(可視光または赤外線のレーザ光)を発生させるものが使用される。また、容易に利用できる点では、レーザ光Lのパルス幅は1〜100n秒であることが好ましい。
【0038】
集光レンズ42は、透明導電層aと集光レンズ42との間にレーザ光Lの焦点Fが位置するように配置されることが好ましい。これにより、絶縁基板11(21)及びステージ43に当たるレーザ光Lのスポット径が、透明導電層aに当たるレーザ光Lのスポット径より大きくなり、絶縁基板11(21)及びステージ43に当たるレーザ光Lのエネルギ密度が小さくなるため、絶縁基板11(21)及びステージ43の損傷を防止できる。
【0039】
集光レンズ42としては、低い開口数(NA<0.1)のものが好ましい。すなわち、集光レンズ42の開口数がNA<0.1とされることにより、レーザ光Lの照射条件設定が容易となり、特にレーザ光Lの焦点Fが透明導電層aと集光レンズ42との間に位置する場合の該焦点Fにおける空気のプラズマ化に伴うエネルギ損失とレーザ光Lの拡散を防止することができる。
【0040】
さらに、透明導電層aが、例えば金属極細繊維4からなる網状部材3の繊維(素線)間に樹脂からなる透明基体2を充填(含浸)して形成されているとともに、透明樹脂フィルムからなる絶縁基板11(21)上に設けられている場合、前述の設定によって、透明導電層aの透明基体2内に埋設された金属極細繊維4を透明基体2の表面から噴出させて確実に除去することができる。従って、所望の絶縁部Iの形状に対応して空隙5が確実に形成されることになり、絶縁化処理が確実かつ容易に実現できる。
【0041】
また、レーザ光Lを透明導電層a上に照射した照射スポットが、点状ではなく面状に形成されるため、透明導電層aを加工しつつも絶縁基板11(21)に影響を与えないような照射エネルギ密度の制御が、従来の方法に比較して容易となる。さらに、透明導電層aに対して線幅の太い絶縁パターンを一括して描画することが可能になり、所謂塗りつぶし加工が容易になるとともに、前記絶縁パターンの幅を大きく取ることができることから、絶縁部Iの絶縁性が向上する。
【0042】
また、ステージ43は、水平方向に2次元的に移動可能になっている。ステージ43は、少なくとも上面側が透明な部材または光線吸収性を有する部材で構成されていることが好ましい。
ステージ43は、絶縁基板11(21)が透明でレーザ光Lの出力が1Wを超える場合、ナイロン系の樹脂材料若しくはシリコンゴム系の高分子材料を用いることが好ましい。
【0043】
次に、前述した製造装置40を用いた導電パターン形成基板の製造方法について説明する。
まず、ステージ43の上面に導電性基板用積層体Aを、透明導電層aが絶縁基板11(21)より上に配置されるように載置する。
【0044】
次いで、レーザ光発生手段41よりレーザ光Lを出射させ、レーザ光Lを集光レンズ42により集光する。その集光したレーザ光Lの、焦点Fを過ぎてスポット径が広がった部分を透明導電層aに照射する。その際、ステージ43を、レーザ光Lの照射が所定のパターンになるように移動させる。
【0045】
透明導電層aに照射するレーザ光Lのエネルギ密度及び単位面積あたりの照射エネルギは、レーザのパルス幅により異なる。
パルス幅が1p秒未満のレーザ(例えばフェムト秒レーザ)では、エネルギ密度1×1016〜7×1017W/m、単位面積あたりの照射エネルギは1×10〜1×10J/mが好ましい。
パルス幅が1〜100n秒のレーザ(YAGレーザ又はYVOレーザ)では、エネルギ密度1×1017〜7×1018W/m、単位面積あたりの照射エネルギは1×10〜1×10J/mが好ましい。
すなわち、エネルギ密度・照射エネルギが上記数値範囲よりも小さな値に設定された場合、絶縁部Iの絶縁が不十分になるおそれがある。また、上記数値範囲よりも大きな値に設定された場合、加工痕が目立つようになり、透明タッチパネルや透明電磁波シールドなどの用途では不適当となる。
【0046】
また、これらの値は、加工エリアにおけるレーザビームの出力値を、加工エリアの集光スポット面積で除することにより定義されており、簡便には、出力はレーザ発振機からの出力値に光学系の損失係数を掛けることで求められる。
また、スポット径面積Sは、下記式により定義される。
S=S×D/FL
:レンズで集光されるレーザのビーム面積
FL:レンズの焦点距離
D:透明導電層aの表面(上面)と焦点との距離
【0047】
ここで、距離Dは、焦点距離FLの0.2%〜3%の範囲内に設定される。好ましくは、距離Dは、焦点距離FLの0.5%〜2%の範囲内に設定される。さらに望ましくは、距離Dは、焦点距離FLの1.5%〜2%の範囲内に設定される。距離Dが上記数値範囲に設定されることにより、絶縁部Iにおける金属極細繊維4の除去(空隙5の形成)が確実に行えるとともに電気的に高い信頼性を有する絶縁パターン(導電パターン)を形成でき、かつ、絶縁基板11(21)の損傷に起因する加工痕を確実に防止できる。
【0048】
また、精度の高い導電パターンを形成する点では、透明導電層aの同一部分にレーザ光Lを断続的に複数回照射することが好ましい。具体的には、断続的に3〜500回照射することが好ましく、20〜200回照射することがより好ましい。3回以上の照射であれば、より確実に絶縁化でき、500回以下であれば、レーザ光Lが照射された透明基体2部分の溶解又は蒸発による除去を防止できる。
【0049】
このようにして、透明導電層aにパターニングが施され、導電部Cと絶縁部Iとからなる導電パターンを備えた透明導電膜12(22)が形成されるとともに、導電性基板用積層体Aが、導電パターン形成基板(導電性基板)10(20)とされる。
【0050】
尚、上記説明においては、XYステージなどの移動式ステージ43に導電性基板用積層体Aを載せてパターニングを行うこととしたが、これに限定されるものではない。すなわち、例えば、導電性基板用積層体Aを固定状態とし、集光系部材を相対的に移動させる方法、ガルバノミラー等を用いてレーザ光Lを走査しスキャンする方法、又は、上記したもの同士を組み合わせてパターニングを行うことが可能である。
【0051】
上記製造方法に使用される導電性基板用積層体Aは、以下に示すものである。
導電性基板用積層体Aの透明導電層aのうち、網状部材3を構成する無機導電体としては、銀、金、ニッケルなどの金属ナノワイヤが挙げられる。また、透明導電層aのうち、透明基体2を構成する絶縁体としては、透明な熱可塑性樹脂(ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリメチルメタクリレート、ニトロセルロース、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、フッ化ビニリデン)、熱や紫外線や電子線や放射線で硬化する透明な硬化性樹脂(メラミンアクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、アクリル変性シリケートなどのシリコーン樹脂)が挙げられる。
【0052】
また、図5は本実施形態の変形例であり、図示の例では、導電性基板用積層体Aにおける絶縁基板11(21)の上下両面に、透明導電層aが一対設けられている。この場合、集光レンズ42として焦点距離FLが50mm以上で開口数が0.2未満のものを使用すると、レーザ光Lの広がりを小さくできる。そのため、レンズの位置調整が容易になるとともに、絶縁基板11(21)の両面におけるスポット径の差が小さくなり、両方の透明導電層aに当たるエネルギ密度が略同等になるため、両面の透明導電層aに同一の絶縁パターンを一括して形成させることができる。
また、絶縁基板11(21)の両面に形成された透明導電層aのうち、片面側の透明導電層aのみを絶縁化する場合には、集光レンズ42として開口数が0.5より大きいものを使用することとしてもよい。
【0053】
以上説明したように、本実施形態に係る透明導電膜12(22)及びこれを用いた導電性基板10(20)によれば、透明基体2において、導電性を有する網状部材3の配置領域が導電部Cとされ、網状部材3が除去されて形成された空隙5の配置領域が絶縁部Iとされている。すなわち、導電部Cにおいては、金属からなる網状部材3により導通が確保されており、絶縁部Iにおいては、網状部材3が除去されて形成された空隙5により電気的な絶縁状態が確実に得られるようになっている。
【0054】
詳しくは、従来の透明導電膜では、透明基体2内に分散されて互いに電気的に連結された金属ナノワイヤ等からなる網状部材3が、導電部Cのみならず絶縁部Iにも残っていることから、該絶縁部Iにおいて確実に絶縁を行うことは難しかった。一方、本実施形態の構成によれば、絶縁部Iの網状部材3(金属極細繊維4)が空隙5に置き換わるように除去されて、該絶縁部Iが確実に絶縁されることから、透明導電膜12(22)における電気的特性(性能)が安定するとともに、製品(入力装置1)としての信頼性が高められている。
【0055】
さらに、絶縁部Iにおいては、網状部材3が除去されて該網状部材3(金属極細繊維4)に相当(対応)する形状の空隙5が形成されている。すなわち、このような空隙5が形成されていることによって、導電部Cと絶縁部Iとは、互いに色調や透明性が近似することになり、肉眼等によっては互いに判別(視認)されにくくなっている。
【0056】
また、網状部材3は、透明基体2内に分散されて互いに電気的に連結された金属極細繊維4からなるので、この網状部材3は、市販の金属ナノワイヤや金属ナノチューブ等の金属極細繊維4を用いて比較的容易に形成できる。
【0057】
さらに、本実施形態のように、金属極細繊維4に銀を主成分としたものを用いた場合、該金属極細繊維4を比較的容易に入手して網状部材3として用いることができる。また、絶縁部Iの網状部材3(金属極細繊維4)をレーザ加工により除去する際に、市販の一般的なレーザ加工機で対応可能である。また、銀を主成分とする金属極細繊維4は、光線透過率が高く、かつ、表面抵抗率が低い無色透明の導電パターンを形成できることから、より好ましい。
【0058】
また、レーザ加工機(製造装置)40として、パルス幅1p秒未満の極短パルスレーザ(フェムト秒レーザ)を用いた場合には、レーザ加工後の導電性基板10(20)における導電パターン(絶縁パターン)を確実に目立たなくすることができるので、より望ましい。
【0059】
このように、本実施形態の透明導電膜12(22)及びこれを用いた導電性基板10(20)によれば、導電パターンが視認されにくく、かつ、導電パターンにおける導電部Cが低抵抗とされつつも絶縁部Iでは確実に絶縁されて、安定した電気的性能を得ることができるのである。
【0060】
尚、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることができる。
例えば、前述の実施形態では、絶縁基板11、21がともに透明であることとしたが、これら絶縁基板11、21のいずれか又は両方にある程度の透明性を有した着色が施されていても構わない。
【0061】
また、網状部材3は、透明基体2内に分散されて互いに電気的に連結された複数の金属極細繊維4からなることとしたが、これに限定されるものではない。すなわち、網状部材3は、例えば、導電性を有する金属膜をエッチング等により格子状に形成してなるワイヤグリッドであることとしてもよい。
【0062】
また、導電性基板10、20には、粘着、反射防止、ハードコート及びドットスペーサなどの機能層を任意で付加することとしてもよい。
特に、YAGレーザやYVOレーザの基本波など波長が1000nm近辺のレーザを用いるとともに、上記機能層として、アクリル系高分子素材を使用する場合には、外観特性の観点から、レーザ照射後に機能層を設けることが好ましい。
【実施例】
【0063】
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。ただし、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
【0064】
[製造例1]銀ナノワイヤ導電フィルム(導電性基板)の作製
厚さ100μmの透明なポリエステル(PET)フィルム(絶縁基板11、21)に、Cambrios社のOhm(商品名)インク(金属極細繊維4)を塗布乾燥後、紫外線硬化性のポリエステル樹脂インク(透明基体2)を上塗りして、乾燥・紫外線処理を施すことにより、PETフィルム上に線径50nm程度、長さ15μm程度の銀繊維(金属極細繊維4)からなる導電性の2次元ネットワーク(網状部材3)を有する耐摩擦性の透明導電層aを形成した(図2)。
【0065】
この銀ナノワイヤ導電フィルム(導電性基板10、20)の透明導電層aの表面抵抗は、230Ω/□、光線透過率は95%であった。
次いで、この銀ナノワイヤ導電フィルムを、長さ80mm、幅50mmの長方形に切断加工し、銀ナノワイヤ導電フィルム試験片とした。
【0066】
[製造例2]銀蒸着導電フィルムの作製(比較例)
厚さ100μmの透明なPETフィルムの片面にシリコーンアクリルのハードコート層を設けたものを用意し、このハードコート層とは反対の面に、マグネトロンスパッタ装置により厚さ60nmの酸化亜鉛膜を形成した。次いで、その酸化亜鉛膜の表面に、マグネトロンスパッタ装置を用いて、厚さ27nmの銀膜を形成した。さらに、この銀膜の表面に、上記酸化亜鉛膜と同様にして、厚さ60nmの酸化亜鉛膜を形成した(図6)。これにより、PETフィルム上に酸化亜鉛膜及び銀膜からなる導電性の2次元ネットワークを有する透明導電層が形成された。詳しくは、図6に示すように、銀蒸着層(銀膜)は、複数の粒状体が密集して連結されつつも、若干の隙間を設けるようにして形成されている。
【0067】
この銀蒸着導電フィルムの透明導電層の表面抵抗は、95Ω/□、光線透過率は85%であった。
次いで、この銀蒸着導電フィルムを、長さ80mm、幅50mmの長方形に切断加工し、銀蒸着導電フィルム試験片とした。
【0068】
[実験例1]
波長750nm、出力10mW、パルス幅130f秒、繰り返し周波数1kHz、ビーム径5mmのフェムト秒レーザ(製造装置40)を用い、焦点距離FL=100mmの集光レンズ42とガルバノミラーを使用して、厚さ5mmのガラス板上に導電性基板(前記銀ナノワイヤ導電フィルム又は前記銀蒸着導電フィルム)を配置してなる試験片における前記透明導電層の表面から集光レンズ42側に向かって1.5mm離間した位置にレーザ光Lの焦点Fが設定されるように調整した後、集光点を1mm/秒で試験片の幅方向に横断させるように移動して、直線描画(絶縁パターンの形成)を行った。
【0069】
[実験例2]
レーザ光Lの焦点Fを、前記透明導電層の表面上とした以外は実験例1と同様の条件として、直線描画を行った。
【0070】
[実験例3]
波長1064nm、出力12W、パルス幅20n秒、繰り返し周波数100kHz、ビーム径6.7mmのYVOレーザ(製造装置40)を用い、焦点距離FL=300mmの集光レンズ42とガルバノミラーを使用して、ジュラコン(登録商標)上に導電性基板(前記銀ナノワイヤ導電フィルム又は前記銀蒸着導電フィルム)を配置してなる試験片における前記透明導電層の表面から集光レンズ42側に向かって3mm離間した位置にレーザ光Lの焦点Fが設定されるように調整した後、集光点を100mm/秒で試験片の幅方向に横断させるように移動して、直線描画を行った。
【0071】
[実験例4]
集光点の移動速度を300mm/秒とした以外は、実施例3と同様の条件として、直線描画を行った。
【0072】
[実験例5]
出力を3.6W、集光点の移動速度を300mm/秒とした以外は、実施例3と同様の条件として、直線描画を行った。
【0073】
[実験例6]
レーザ光Lの焦点Fを、前記透明導電層の表面上とした以外は実験例4と同様の条件として、直線描画を行った。
【0074】
[実験例7]
実験例4と同様の条件として、同一箇所に繰り返し5回の直線描画を行った。
【0075】
[実験例8]
波長10.6μm、出力15Wの炭酸ガスレーザ(連続発振)を用い、焦点距離FL=300mmの集光レンズ42とガルバノミラーを使用して、試験片における前記透明導電層の表面から集光レンズ42側に向かって3mm離間した位置にレーザ光Lの焦点Fが設定されるように調整した後、集光点を300mm/秒で試験片の幅方向に横断させるように移動して、直線描画を行った。
【0076】
上記実験により得られた導電パターン形成基板(導電性基板)について、テスタを用い、レーザ光Lを照射した部分を間に挟んで電気抵抗値を測定した。また、導電パターンの視認性(加工痕)を目視により評価した。評価結果を表1に示す。
尚、評価の基準(A、B、C、D)は、下記の通りとした。
A:優良。電気抵抗値が10MΩを超えて絶縁が確実になされており、かつ、導電パターンが全く視認できないもの。
B:良。電気抵抗値が10MΩを超えて絶縁が確実になされており、かつ、導電パターンが殆んど視認できないもの(タッチパネルに組み上げた際に、実質的に加工痕が視認できないもの)。
C:可。電気抵抗値が10MΩを超えて絶縁が確実になされているが、導電パターンが視認できるもの(タッチパネルに組み上げた際に、製品として用いることができる程度のレベル)。
D:不可。電気抵抗値が10MΩ以下であり絶縁化が不十分のもの、又は、目視で確認できる程度に焼き焦げや穴あきが形成されたもの。すなわち、製品として使用できないもの。
【0077】
【表1】

【0078】
表1に示す通り、製造例1における実験例1、3、7では、照射領域の透明性や色調等の変化は光学顕微鏡では確認できなかった。そして、電子顕微鏡で照射領域を観察した際に、透明基体2から銀ナノワイヤのみが蒸発して空隙5が形成されていることが確認できた(図3)。特に実験例1では、照射領域の変化が全く見受けられず、良好な結果が得られた。また。実験例2、6において照射領域を観察したところ、透明導電層a自体がアブレーションによりPETフィルム上から除去されていることが確認された。
【0079】
一方、製造例2(比較例)における実験例1〜7では、評価A及びBは得られなかった。尚、製造例2の実験例2、3、7では、照射領域(図7に符号LIで示す照射エリア)において、PETフィルムの表面の銀蒸着層が広範囲に除去されており、導電性を有する未照射領域(図7に符号UIで示す未照射エリア)とは逆に、絶縁性が確保されていることが確認された。
【0080】
また、実験例8においては、導電パターンに明確な加工痕が残り(評価D)、製品として適用できるレベルとはならなかった。
【0081】
[製造例3] タッチパネル(入力装置)の作製
次に、本発明の透明導電膜及び導電性基板を用いたタッチパネル(配線基板)の製造例について説明する。
【0082】
まず、導電性基板用積層体Aの透明導電層a上に、スクリーン印刷で市販の銀ペーストを帯状に印刷し、コネクタパターンを形成した。そして、図8及び図10に示すように、実験例2の条件で、透明導電層a上に目印としての「+」マークを、5mmピッチ、長さ1mmのものを6個一列として、25mm間隔を空けて2列マーキングし、入力エリアの目印とした。
【0083】
次いで、図9及び図10に示すように、「+」マークを基点に、実験例1の照射条件で長さ35mmの線(レーザ光L)を6本照射し、入力エリア内の配線パターンとした。
次いで「+」マークを基点に、実験例2の条件でコネクタパターンを横断する形で絶縁パターンを形成し、25mm角の入力エリアを持つタッチパネル用配線基板を得た。尚、このタッチパネル用配線基板は一対用意し、テスタで確認したところ、これらタッチパネル用配線基板は、入力エリア端部における配線パターン間が絶縁状態であった。
【0084】
次いで、スクリーン印刷を用いて、これらタッチパネル用配線基板のうち一枚に、「+」マークを目印に直径30μm、高さ8μmのアクリル系樹脂からなるドットスペーサ30を、1mmピッチで複数形成した(図1参照)。
【0085】
次いで、ドットスペーサ30を形成したタッチパネル用配線基板と、ドットスペーサ30を形成していないタッチパネル用配線基板とをそれぞれ所定の形状に切り出し、互いの透明導電膜12(22)同士を対向配置するようにして、市販の両面粘着テープを用いて四辺を貼り合わせ、透明なメンブレン式タッチパネル(入力装置1)とした(図1参照)。
【0086】
[評価]
このように製造されたタッチパネル1は、ドットスペーサ30、配線パターンとも目に付かず、また、キーマトリクスとして機能することが確認された。
【0087】
[製造例4]タッチパネルの作製(比較例)
予めドットスペーサ30を印刷した導電性基板用積層体Aに、製造例3と同様の条件でパターニングを行ったところ、ドットスペーサ30が黒く変色したものが目視で確認された。
【符号の説明】
【0088】
2 透明基体
3 網状部材
4 金属極細繊維
5 空隙
10、20 導電性基板
11、21 絶縁基板
12、22 透明導電膜
C 導電部
I 絶縁部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁性を有する透明基体と、導電性を有する金属からなり前記透明基体内に配設された網状部材と、を備えた透明導電膜であって、
前記透明基体には、前記網状部材が配置される導電部と、前記透明基体が溶けることなく前記網状部材のみが除去されて形成された空隙が配置される絶縁部と、が設けられることを特徴とする透明導電膜。
【請求項2】
請求項1に記載の透明導電膜であって、
前記網状部材は、前記透明基体内に分散されて互いに電気的に連結された金属極細繊維からなることを特徴とする透明導電膜。
【請求項3】
請求項2に記載の透明導電膜であって、
前記金属極細繊維は、銀を主成分としていることを特徴とする透明導電膜。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の透明導電膜であって、
前記絶縁部の空隙が、前記網状部材にパルス状レーザを照射して形成されたことを特徴とする透明導電膜。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の透明導電膜であって、
前記網状部材が導電性の2次元ネットワークを構成していることを特徴とする透明導電膜。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の透明導電膜を、絶縁基板の少なくとも一方の面に設けたことを特徴とする導電性基板。
【請求項7】
請求項6に記載の導電性基板であって、
前記絶縁基板は、透明であることを特徴とする導電性基板。

【図1】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2011−258578(P2011−258578A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−198488(P2011−198488)
【出願日】平成23年9月12日(2011.9.12)
【分割の表示】特願2010−548975(P2010−548975)の分割
【原出願日】平成22年5月28日(2010.5.28)
【出願人】(000190116)信越ポリマー株式会社 (1,394)
【出願人】(504190548)国立大学法人埼玉大学 (292)
【Fターム(参考)】